JP3595854B2 - 自動車用日除け - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車フロント部分のパネル型日除けに取り付けた巻き取り式の日除けに関する。詳細には、サイドウィンドウからの光の入射を確実に遮ることができる自動車用日除けに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車には、図4に示すように、自動車のフロントグラス4上方天井にアーム3を介して回動可能に取着したパネル型日除け1があった。このパネル型日除け1は、フロントグラス正面より日光が入射するときは、図中白矢印で示すように、パネル型日除け1を手前に倒して光を遮り、側方より日光が入射するときは、図中黒矢印で示すように、さらにパネル型日除け1をサイドウィンドウ側に回動させて側方からの光を遮るといった具合いにパネル型日除け1の回動操作がなされていた。
【0003】
ところが、パネル型日除け1にあっては、図4に示すように、側方からの日光の入射を遮るためにサイドウィンドウ側に回動させたとき、パネル型日除け1の長さがサイドウィンドウの幅よりも短いことから、パネル型日除け1のみでサイドウィンドウ上部を覆いきれず隙間ができてしまい、側方からの日光の入射を完全に遮ることができなかった。
【0004】
このため、パネル型日除け1の隙間から光が入射し、この光がフロント側座席に着座する者の目に入り、まぶしさで目が眩み、これが原因で交通事故が発生したりすることもあった。そこで、側方より光が目に入るような場合は、座者が前かがみになったり斜めになったりしてこれを避けるといった対応を与儀なくされていた。
【0005】
このように、側方からの日光の入射は、フロント側座席に着座する者にとって、疲労を増大させ、しかも安全運転上にも大きな悪影響を及ぼすことから、その改善が求められていた。
【0006】
このような事情から、従来は、実開昭55−120514号公報が提案する技術により上記の問題の解決を図っていた。この公報に記載の技術は、パネル状の日除けに、巻き取り可能なシート状の日除けを備えたものである。
【0007】
ところが、上記公報に係る日除けにおいては、ルームミラーその他の部材等との抵触を避けるために、シート状の日除けの幅寸法がパネル型日除けの長手寸法内に収められているので、パネル状の日除けに取り付けた、内部に巻き取り可能なシート状の日除けがサイドウィンドウ全体を覆うことができないことから、その隙間から光線が室内に入って、結局運転に支障をきたすこととなっていた。
【0008】
そこで、本発明者は上記の問題点に鑑み、巻き取り可能なシート状の日除けがサイドウィンドウ全体を覆うほど大型であって、しかも、ルームミラーその他の部材等に接触しないで取り扱うことができる日除けについて種々検討した結果、本発明を完成させたものである。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】
すなわち、本発明は、運転に支障をきたす光の入射を確実に遮ることができ、しかも、ルームミラーその他の部材等に接触しないで取り扱うことができる、自動車用日除けを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、
「自動車フロント部分の日除けパネル10と、並べて拡げることによりサイドウィンドウの全体を覆うことが可能な大きさに形成した2枚の日除けシート21,22と、これら2枚の日除けシート21,22を巻き取って前記日除けパネル10の内側に設置する1対の巻き取りローラ31,32と、前記一の巻き取りローラ31の内面に形成したネジ溝に螺合して、前記一の日除けシート21が巻き出されて前記一の巻き取りローラ31が回転することによって該巻き取りローラ31を日除けパネル10側方に送り出す螺合軸40と、この螺合軸40により送り出された前記一の巻き取りローラ31に従動する前記一の日除けシート21の下端部をスライド可能に保持する、前記他の日除けシート22の下端部に設けたガイド部材50とを備えた自動車用日除100。」をその要旨とした。
【0011】
すなわち、この請求項1に係る発明の自動車用日除け100によれば、使用時には自動車フロント部分の日除けパネル10を下方に引き起こし、その一端の係止を解除してサイドウィンドウ側に回動させる。そして、前記日除けパネル10の下端から出ている日除けシート22の端部を引っ張ることによって1対の巻き取りローラ31,32が同時に回転して日除けシート21,22が巻き出されるようになっている。このとき、巻き取りローラ31の内面にはネジ溝が形成されていて、このネジ溝に螺合する螺合軸40が巻き取りローラ31の内側に挿入されているので、日除けシート21が巻き出されるより巻き取りローラ31も回転し、この巻き取りローラ31が日除けパネル10の側方へ送り出される。また、一方の日除けシート22の下端部にはガイド部材50が設けられていて、他方の日除けシート21の下端部をスライド可能に保持するようになっている。このため、他方の日除けシート21の下端部をつまんで下方に引き下げることで、2枚の日除けシート21,22が同時に巻き出されることになる。また、日除けシート21の巻きだしに伴って、巻き取りローラ31が日除けパネル10の側方へ送り出されたとき、日除けシート21の移動とともにその下端部も前記日除けシート22のガイド部材50によって保持されつつ、側方へスライドするようになっている。こうして引き出された日除けシート21,22によってサイドウィンドウの全体が覆われ、サイドウィンドウからの光の入射を確実に遮ることが可能となるものである。
【0012】
一方、収納時には前記手順に対して、逆の手順を採ることによってコンパクトに収納するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車用日除け100を図面に示した実施例に従って詳細に説明する。
【0014】
(実施例)
本実施例に係る自動車用日除け100は、日除けパネル10と、2枚の日除けシート21,22と、日除けシート21,22を巻き取る1対の巻き取りローラ31,32と、前記一の巻き取りローラ31を日除けパネル10の側方へ送り出す螺合軸40と、日除けシート21の下端をスライド可能に保持する他方のシートの下端部に設けたガイド部材50とを有することを特徴とする。
【0015】
まず、日除けパネル10は、純正品と同様の作用を奏することは勿論、その内側に、日除けシート21,22と、これを巻き取る巻き取りローラ31,32を内包することができれば如何なる形状或いは構造のものとしてもよいが、具体的には、純正品と同等の形状としてその内側を中空とし、日除けパネルにおけるアームとの接続部分に対向する2辺にスリットを形成することが考えられる。
【0016】
次に、2枚の日除けシート21,22は、並べて拡げることによってサイドウィンドウの全体を覆い、太陽光等の車内への入射を遮るものである。このような作用を奏するものであれば如何なる形状或いは材質であってもよいが、具体的には、2枚の日除けシートを並べて拡げ、サイドウィンドウの全体をを覆う大きさに形成することが考えられる。この日除シート21,22には側方からの運転に支障を生せしめる光を遮ることができ、なおかつ車内から側方を見通すことができるようなものを用いるとよい。具体的には、不織布や織布、編物のほか、透明又は半透明なプラスチックフィルムなどを用いることができる。なお、シート21,22は、運転者がサイドミラーを目視することができるように、サイドウィンドウの前端部分のみは覆わない形状とすることもできる。
【0017】
また、このスライド可能な日除けシート21の下端には吸盤或いはフック等の固定手段が取り付けられており、これらの固定手段によって、シート21下端がサイドウィンドウ或いはセンターピラー等に固定されるようになっている。
【0018】
次に、巻き取りローラ31,32は、上記説明の日除けシート21,22の巻き取り又は巻き出しを行うものであって、遮光のために拡げた日除けシート21,22を前記日除けパネル10内に確実に巻き取ることができればいかなる構造のもであってもよい。具体的には、前記した日除けシート21,22を巻き付けて、なおかつ日除けパネル10内に収納することが可能な太さに形成したパイプ状の物とすることが考えられる。このとき、一方の巻き取りローラの内側には、後記する螺合軸40を挿入するために、ネジ溝を形成することが考えられる。
【0019】
更に、螺合軸40は、前記一の巻き取りローラ31の内側に形成したネジ溝に螺合して、この巻き取りローラ31が回転することによって該巻き取りローラ31を日除けパネル10の側方へ送り出すものである。なお、本実施例においては、一つの巻き取りローラ31の内側にネジ溝を形成し、そのネジ溝に螺合軸を挿入するものとしたが、巻き取りローラ31の周面に螺刻面を形成し、巻き取りローラ31の外側にネジ溝を形成し、巻き取りローラ31が回転することによって該巻き取りローラ31を日除けパネルの側方へ送り出し可能とするものであってもよい。
【0020】
ガイド部材50は、日除けシート22の下端部に設けられていて、他方の日除けシート21の下端部をスライド可能に保持するようになっている。このため、他方の日除けシート21の下端部をつまんで下方に引き下げることで、2枚の日除けシート21,22が一緒に巻き出されることになる。また、日除けシート21の巻き出しに伴って、巻き取りローラ31が日除けパネル10の側方へ送り出されたとき、日除けシート21の移動とともにその下端部も前記日除けシート22のガイド部材50によって保持されつつ、側方へスライドするようになっている。なお、ガイド部材50は如何なる形状或いは構造のものとしてもよいが、図面に示すものは、日除けシート21下端部にレールが設けられており、このレールが日除けシート22下端部に設けたガイド部材であるレールに嵌まり込み、同レールによって保持されつつ、スライドするようになっている。なお、一方のシートの下端部に棒状のレールを設け、他方のシートにこれを保持するガイド部材50としてのフックを設けるようにしても同様の作用を奏する。
【0021】
なお、巻き取りローラ31,32における、巻き取り構造については、シート21,22を日除けパネル10の内側に設けた空洞内に、ゼンマイバネ等のスプリングによって巻き取る構造のものを用いることが考えられる。具体的には、日除けパネル10の長手方向に対して並行に設けた2本の巻き取りローラ31,32に、日除けシート21,22とゼンマイバネとを巻き付けて固定する。巻き取りローラ31.32の一端には、巻き取りローラ31,32に固着して日除けシート21,22を巻き取るゼンマイバネと、このゼンマイバネの弾性力を抑止する歯車と、この歯車による抑止を解除する解除部材とからなる巻き取り構造を設けるものとしてもよい。
【0022】
なお、巻き取り構造としては、上記のもの以外に、手動により巻き取ったり、スプリングに代えてゴム等の伸縮材を使用したもの、或いは、電動モータにより作動させるものであってもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したが、本発明に係る自動車用日除けは、自動車フロント部分の日除けパネルと、並べて拡げることによりサイドウィンドウの全体を覆うことが可能な大きさに形成した2枚の日除けシートと、これら2枚の日除けシートを巻き取って前記日除けパネルの内側に設置する1対の巻き取りローラと、前記一の巻き取りローラの内面に形成したネジ溝に螺合して、前記一の日除けシートが巻き出されて前記一の巻き取りローラが回転することによって該巻き取りローラを日除けパネル側方に送り出す螺合軸と、この螺合軸により送り出された前記一の巻き取りローラに従動する前記一の日除けシート下端部にこれを保持する、前記他の日除けシートの下端部に設けたガイド部材とを有することにその構成上の特徴を有し、運転に支障をきたす光の入射を確実に遮ることができ、しかも、ルームミラーその他の部材等に接触しないで取り扱うことができるという効果を奏するものである。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る自動車用日除け100の内部を示した図である。
【0026】
【図2】図1に係る自動車用日除け100の使用状態を示した図である
【0027】
【図3】従来技術に係る日除けパネルの使用状態を示した図である。
【0028】
【符号の説明】
10 日除けパネル
21 日除けシート
22 日除けシート
31 巻き取りローラ
32 巻き取りローラ
40 螺合軸
50 ガイド部材
100 自動車用日除け
Claims (1)
- 自動車フロント部分の日除けパネルと、並べて拡げることによりサイドウィンドウの全体を覆うことが可能な大きさに形成した2枚の日除けシートと、これら2枚の日除けシートを巻き取って前記日除けパネルの内側に設置する1対の巻き取りローラと、前記一の巻き取りローラの内面に形成したネジ溝に螺合して、前記一の日除けシートが巻き出されて前記一の巻き取りローラが回転することによって該巻き取りローラを日除けパネル側方に送り出す螺合軸と、この螺合軸により送り出された前記一の巻き取りローラに従動する前記一の日除けシートの下端部をスライド可能に保持する、前記他の日除けシートの下端部に設けたガイド部材とを備えた自動車用日除け。
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