JP3595399B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびゴルフボール - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびゴルフボール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性および反発弾性に優れた熱可塑性樹脂組成物並びに当該組成物から成るゴルフボールに関する。更に詳しくは、ゴルフボールのカバー材および/またはコア材として、あるいはワンピースボール材料として好適な熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールの製造は、従来、コア材料としてポリブタジエンのような熱硬化型ゴムが使用されているため、煩雑でコストがかかるという難点があった。この様な難点を改善するため、ポリアミド系またはポリエステル系の熱可塑性エラストマーと、エチレン系アイオノマーと、エポキシ基含有化合物とから成る、ゴルフボール材料として好適な熱可塑性樹脂組成物が特表平6−504308号公報において提案されている。この様な組成物は、反発弾性および耐久性に優れ、熱可塑性であるが故に、射出成形によって効率よくゴルフボールコアやワンピースボールが製造できる点に魅力がある。該公報における典型的な配合組成は、主要成分として熱可塑性エラストマーと硬質アイオノマーを用いるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般にゴルフボールの打球感やボールコントロールの向上の為に柔軟な材料が好まれるが、上記の典型的な配合処方で柔軟化するには、熱可塑性エラストマーの使用割合を増やす必要があり、ボールが高価なものとなってくる。柔軟化を図る別法として、硬質アイオノマーの一部又は全部を、柔軟なエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のアイオノマーで置き換える方法が考えられるが、柔軟性を重視すると反発弾性の少なさからざる低下を招き、商品価値の高いゴルフボールを製造することができない。
【0004】
また、特開平6−299052号公報には、特定のグラフト変性体又はそのアイオノマーを添加することにより改善が図れると記載されているが、まだ柔軟性、反発弾性さらには熱可塑性エラストマーとアイオノマーの相溶性の面から満足のいくものではない。
【0005】
したがって、ゴルフボール材料に好適なものとして、柔軟性および反発弾性のいずれにも優れる熱可塑性樹脂が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題に鑑み詳細に検討を進めた結果、(A)熱可塑性ポリアミドエラストマーおよび熱可塑性ポリエステル系エラストマーから成る群より選ばれる熱可塑性エラストマー、(B)不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイオノマー、(C)特定のエポキシ化ジエン系ブロック共重合体から成る熱可塑性樹脂組成物が柔軟性および反発弾性のいずれにも優れることを見い出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーおよび熱可塑性ポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる熱可塑性エストラマー20〜90重量部、(B)不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイオノマー80〜10重量部、および、(C)エポキシ化ジエン系ブロック共重合体1〜30重量部[但し、(A)+(B)の合計100重量部に対して]から成ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、上記組成物を材料とするゴルフボールを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を成分等の項目に分けて説明する。
【0010】
<熱可塑性エラストマー>
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー[(A)成分]は、熱可塑性ポリエステルエラストマー又は熱可塑性ポリアミドエラストマーである。
【0011】
熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとしてポリオキシアルキレングリコールを重合単位として有するポリエステルエーテルエラストマー、および、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを重合単位として有するポリエステルエステルエラストマーが例示される。前者の例において、芳香族ポリエステル重合単位は、芳香族ジカルボン酸成分と分子量250以下の脂肪族又は脂環族のジオール成分とから誘導されるものであり、代表的なものはポリエチレンテレフタレートおよびポリテトラメチレンテレフタレートである。また、ポリオキシアルキレングリコールの重合単位は、炭素数2〜6程度のグリコールから誘導される数平均分子量400〜6,000のものであって、代表的なものはポリオキシエチレングリコールおよびポリオキシテトラメチレングリコールである。ポリエチレンエーテルエラストマー中に含まれるエーテルとエステルの比率(モル比)は、通常、10〜90対90〜10、好ましくは20〜80対80〜20である。そしてそのショアD硬度は、通常70以下、好ましくは30〜50である。またポリエステルエステルエラストマーとしては、前記ポリエステルエーテルエラストマーのポリオキシアルキレングリコール単位を、脂肪族ポリエステル単位、例えばポリテトラメチレンアジベート、ポリテトラメチレンセバケートの如き単位に変える以外は同様のものが例示される。
【0012】
ポリアミドエラストマーとしては、ハードセグメントとして、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、芳香族ポリアミドなどのポリアミド単位を有し、ソフトセグメントとして、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールのようなポリオキシアルキレングリコール、または、脂肪酸ポリエステルなどの単位を有するブロック共重合体が例示される。
【0013】
ハードセグメントであるポリアミド単位は、数平均分子量が300〜15,000のものが好ましく、またソフトセグメントとしては数平均分子量400〜6,000のものが好ましい。またポリアミドエラストマーの固有粘度は好ましくは0.8〜2.05程度であり、エーテル(又はエステル)とアミドの比率(モル比)は、通常、10〜90対90〜10、好ましくは20〜80対80〜20であり、ショアD硬度は、通常、60以下、好ましくは30〜50である。
【0014】
<エチレン系共重合体>
本発明で用いられるエチレン系共重合体[(B)成分]は、不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイオノマーである。
【0015】
不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイオノマーは、エチレンと不飽和カルボン酸のランダム共重合体、または、エチレン、不飽和カルボン酸および他の共重合可能な単量体のランダム共重合体のアイオノマーである。ランダム共重合体における不飽和カルボン酸の重合割合は、通常5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、一層好ましくは13〜25重量%であり、他の共重合可能な単量体の重合割合は、通常0〜40重量%、好ましくは0〜25重量%、一層好ましくは0〜5重量%である。不飽和カルボン酸の好適な例は、アクリル酸またはメタクリル酸であり、他の共重合可能な単量体の好適な例は、(メタ)アクリル酸エステルである。
【0016】
このようなアイオノマーにおける金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムなどが例示でき、特にリチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛およびこれらの2種類以上の組み合わせが好ましい。金属イオンによる中和度は、通常、5〜100%、好ましくは20〜80%である。また、上記アイオノマーとして、190℃、2160gの荷重におけるメルトフローレートが0.01〜20g/10分、特に、0.1〜10g/10分のものを使用することが好ましい。
【0017】
本発明においては、先に例示したような金属イオンにより、部分的又は全部がイオン化されたアイオノマーを用る。(B)成分として190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.001〜20g/10分、特に0.1〜15g/10分のものを用いるのが好ましい。
【0018】
<エポキシ化ジエンブロック共重合体>
本発明で用いられるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体[(C)成分]は、ブロック共重合体または部分水添ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したものである。その基体となるブロック共重合体とは、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1種の共役ジエン化合物を主体とする重合体Bブロックとから成るブロック共重合体であり、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、(A−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体である。また部分水添ブロック共重合体とは、該ブロック共重合体を水素添加して得られるものである。以下に該ブロック共重合体および部分水添ブロック共重合体に関して先ず説明する。
【0019】
このブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を5〜95重量%、好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%含む。また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAが、ビニル芳香族化合物のホモ重合体ブロック、または、ビニル芳香族化合物を通常50重量%を超えて、好ましくは70重量%以上含有する、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックの構造を有し、さらに、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックが、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロック、または、共役ジエン化合物を通常50重量%を超えて、好ましくは70重量%以上含有する、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロック構造を有するものである。また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAおよび共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の共役ジエン化合物またはビニル芳香族化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組み合わせで成っていてもよく、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックおよび該共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
【0020】
ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等の内から1種又は2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソブレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の内から1種又は2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。そして、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ビニル結合構造が5〜65モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜50モル%の範囲である。
【0021】
上記の構造を有するブロック共重合体の数平均分子量は、通常、5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜800,000、さらに好ましくは30,000〜500,000の範囲であり、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、通常、10以下である。更にブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状またはこれらの任意の組み合わせの何れであってもよい。
【0022】
これらのブロック共重合体の製造方法としては、上記した構造を有するものであればどの様な製造方法で得られるものであっても構わない。例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができる。
【0023】
部分水添ブロック共重合体とは、上記のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を水素添加することによって得られるものであり、この水添ブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公昭42−8794号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法を採用することもできるが、特に、得られる水添ブロック共重合体が耐候性、耐熱劣化性に優れた性能を発揮するものになるため、チタン系水添触媒を用いて合成することが最も好ましく、例えば、特開昭59−133203号公報および特開昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中でチタン系水添触媒の存在下に、上記した構造を有するブロック共重合体を水素添加して水添ブロック共重合体を合成することができる。その際、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合は、通常、その0〜99モル%、好ましくは20〜98モル%が水素添加される。尚、これらのブロック共重合体および部分水添共重合体は上市されており、容易に入手することができる。
【0024】
本発明で用いられるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、上記のブロック共重合体または部分水添ブロック共重合体にエポキシ化剤を反応させ、共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合をエポキシ化したものである。
【0025】
本発明に用いるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は上記のブロック共重合体または部分水添ブロック共重合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸類などのエポキシ化剤と反応させることにより得ることができる。例えば、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸の混合物を過酸化水素と、または有機酸を過酸化水素と、またはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用する。また、エポキシ化剤の最適量は、使用する個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体などのような可変要因によって決めることができる。
【0026】
なお、得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱水中に撹拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
【0027】
エポキシ化ジエン系ブロック共重合体のエポキシ当量は、通常、250〜10,000であり、好ましくは300〜6,000である。このような共重合体として、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜30g/10分のものを用いるのが好ましい。
【0028】
また、エポキシ化していない未変性のスチレン系熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添したスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水添したスチレン−イソプレンブロック共重合体を上記のエポキシ当量の範囲内になるように(C)成分として含有させてもよい。
【0029】
<組成物>
(A)、(B)および(C)の各成分の使用割合はそれぞれの重合体組成や目的とする性状によっても異なってくるが、(A)、(B)の合計量を100重量部とするとき、(A)は20〜90重量部、好ましくは40〜80重量部、(B)は80〜10重量部、好ましくは60〜20重量部である。また(C)は、(A)、(B)の合計100重量部当たり、1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部である。(C)成分の使用によりそれ程反発弾性を低下させることなく柔軟化を図ることができるが、過度に配合した場合には反発弾性の少なからざる低下を招くので、上記の様な配合量で使用することが好ましい。
【0030】
本発明における熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じ、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機充填剤、顔料、染料、ワックス等の添加剤を配合することができる。無機充填剤または顔料の例としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ケイ酸鉛、タングステンカーバイドなどを挙げることができる。またワックスとして、炭化水素ワックス、ポリエチレンワックスの外、エチレンと極性ビニルモノマー、例えば酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エチル等との共重合ワックスを例示することができる。
【0031】
<ゴルフボール>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、スリーピースボールのセンター、ツーピースボールのコア、ワンピースボール、ゴルフボールカバーなどの材料として特に有用である。
【0032】
スリーピースゴルフボールは、センター(芯)、このセンター上に巻き付けられた弾性体の巻き糸およびその上のカバーから成っているが、本発明の熱可塑性樹脂組成物は特にこのセンターとして有用である。この場合には、本発明の熱可塑性樹脂組成物をセンターに射出成形し、このセンターに、公知の弾性糸を所定の厚みに巻き付け、次いでアイオノマー、パラタゴム等の公知のカバー材料を、これを被覆するディンプル模様のカバーとして成形する。
【0033】
ツーピースボールはコア(球芯)とその上のカバー(外皮)とからなっているが、この場合には本発明の熱可塑性樹脂組成物を先ずコアとして成形する。このコアを後退可能なピン上に支持して、射出金型のキャビティ内にインサートし、公知のカバー材料を射出してツーピースボールとする。
【0034】
ワンピースゴルフボールは弾性体の巻き糸やカバーのない一体構造のボールであり、本発明の熱可塑性樹脂組成物をワンピースボールに成形することができる。この成形物は、勿論表面にディンプル模様を有していてもよい。
【0035】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物をスリーピースボール、ツーピースボールのカバーとして用いることもできる。
【0036】
これらのゴルフボールの製造方法自体は公知のものであり、例えば、特開表6−504308号公報に記載されている。
【0037】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0038】
実施例において、本発明の組成物を調製するために使用した原料は次のとおりである。
【0039】
[1]熱可塑性エラストマー:東レ・デュポン(株)「ハイトレル(登録商標) 8122」
[2]エチレン共重合体アイオノマー:(a)三井・デュポンケミカル(株)「ハイミラン(登録商標) 1555」、(b)三井・デュポンケミカル(株)「ハイミラン(登録商標) 1856」、(c)三井・デュポンケミカル(株)「ハイミラン(登録商標) 1601」
[3]エポキシ化ジエン系ブロック共重合体:(a)スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(スチレン/ゴム重量比=4/6)を過酢酸でエポキシ化したもの(エポキシ当量520)、(b)部分水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(スチレン/ゴム重量比=3/7、水添率50%)を過酢酸でエポキシ化したもの(エポキシ当量395)
[4]スチレン系熱可塑性エラストマー:クラレ(株)「セプトン(登録商標) 2043」
[5]ワックス:エチレン・アクリル酸共重合体(組成84.5/15.4wt%,Mn=2050)
[6]酸化亜鉛:堺化学製
[7]酸化チタン:石原産業製
【0040】
また、樹脂組成物および原料の試験方法は以下の方法で行った。
(1)硬度:ショアD硬度計を用いて23℃で測定する。
(2)曲げ剛性率:東洋精機製作所製オルゼン式曲げ剛性測定機を使用して23℃で測定する。
(3)反発弾性:(株)上島製作所製反発弾性試験機(振子型)を使用して23℃で測定する。
【0041】
[実施例1〜5]
30mmφ2軸押出機を用いて表2に示した材料を表−1に示した配合割合で樹脂温度200℃で溶融ブレンドし、得られた樹脂組成物の物性を評価した。その結果を表−1に示す。
【0042】
[比較例1〜3]
表−2に示した材料を表−2に示した配合割合で用いて実施例と同様の方法により得られた樹脂組成物の物性を評価した。その結果を表−2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表−1および表−2から明らかな通り、比較例1〜3では、実施例1〜5に比較して、同程度の反発弾性率である一方、硬度および曲げ剛性率がともに高くなっている。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、反発弾性を損なうことなく、柔軟性が向上している。したがって、本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用して得られるゴルフボールは、ボールコントロール、打球感などの性能が優れていることとなる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は柔軟性および反発弾性に優れている。従ってスリーピースゴルフボールのセンター、ツーピースボールのコア、ワンピースボール、ゴルフボールカバーなどの材料として優れており、耐久性、ボールコントロール、打球感、反発弾性、初速度の優れたゴルフボールを製造することができる。本発明の樹脂組成物はまた耐傷性、耐熱性、加工性等にも優れており、自動車内外装材、電線、建材、電気製品、日用品等にも広く利用することができる。

Claims (8)

  1. (A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーおよび熱可塑性ポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる熱可塑性エストラマー20〜90重量部、(B)不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイオノマー80〜10重量部、および、(C)エポキシ化ジエン系ブロック共重合体1〜30重量部[但し、(A)+(B)の合計100重量部に対して]から成ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 不飽和カルボン酸を含むエチレン共重合体のアイオノマーが、エチレン、不飽和カルボン酸および任意の共重合体可能な単量体から成る共重合体のアイオノマーであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. エポキシ化ジエン系ブロック共重合体が、芳香族ビニル化合物を主体とするブロックと、共役ジエン化合物を主体とするブロックから成るブロック共重合体の共役ジエン化合物由来の不飽和炭素をエポキシ化したものであることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
  4. エポキシ化ジエン系ブロック共重合体が、芳香族ビニル化合物を主体とするブロックと共役ジエン化合物を主体とするブロックから成るブロック共重合体に部分的に水素添加し、更にエポキシ化を施したブロック共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
  5. センター、このセンター上に巻き付けられた弾性体の巻き糸およびその上のカバーから成るスリーピースゴルフボールにおいて、センターが請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物から成ることを特徴とするゴルフボール。
  6. コアとその上のカバーとから成るツーピースゴルフボールにおいて、コアが請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物から成ることを特徴とするツーピースゴルフボール。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物から成ることを特徴とするワンピースゴルフボール。
  8. カバーが請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物から成ることを特徴とするゴルフボール。
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