JP3594529B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機等の弾球遊技機では、遊技盤の遊技領域に開閉式の可変入賞手段と図柄始動手段と図柄表示手段とを配置し、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に図柄表示手段の図柄を所定時間変動させて、その変動後の停止図柄が所定態様を表示することを条件に、可変入賞手段を開放して遊技者に有利な利益状態を発生させ、また開放中に入賞した遊技球が特定領域を通過することを条件に、再度可変入賞手段の開閉板を開放する利益状態を発生させて、最大所定ラウンドまで利益状態を継続させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の弾球遊技機では、可変入賞手段が開放する利益状態が発生すれば、その後は再抽選等を行うことなく遊技球が特定領域を通過するだけで利益状態が継続するため、遊技者にとっては多大な利益を享受できるものの、利益状態の発生後の遊技が非常に単調になり、遊技性の点で興趣に欠ける欠点がある。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、利益状態の発生後の遊技性が向上し、遊技者の興趣を増大できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部の複数個の球通過領域の一部から成る特定領域24を有し且つ遊技者に有利な開状態と遊技者に不利な閉状態とに変換駆動可能な可変入賞手段15と、第1図柄始動手段14と、該第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に第1図柄が所定時間変動して停止する第1図柄表示手段13と、第1図柄の変動後の停止図柄が所定態様となることを条件に前記可変入賞手段15を開状態に変換駆動する第1ラウンド目の利益状態を発生させる利益状態発生手段29とを備えた弾球遊技機において、利益状態の発生により前記可変入賞手段 15 が開放して入賞した遊技球を前記特定領域24 が検出することを条件に第2図柄が所定時間変動して停止する第2図柄表示手段16と、第2図柄の変動後の停止図柄が特別態様となることを条件に、前のラウンドの利益状態の終了後に再度、前記可変入賞手段15を開状態に変換駆動する次ラウンド目の利益状態を発生させる利益状態再発生手段33と、第1図柄の変動後の停止図柄が複数種類の前記所定態様の内の一部の特定態様となることを条件に、第2図柄の変動後の停止図柄が前記特別態様となる確率を変化させる確率制御手段 37とを備えたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図3は本発明の第1の実施形態を例示し、図2において、1 は遊技機本体で、開閉自在に枢着された前枠2 を有する。前枠2 には、その窓孔に対応して遊技盤3 が裏側から着脱自在に装着され、この遊技盤3 の前側にガラス扉4 と前面板5 とが開閉自在に配置されている。前面板5 には、発射用の遊技球を貯留する上皿6 が装着されている。
【0007】
前枠2 には、前面板5 等の裏側にスピーカ7 が設けられると共に、前面板5 の下側に余剰球を貯留する下皿8 と、発射手段9 の発射ハンドル10とが夫々設けられている。スピーカ7 は報知手段を構成するもので、後述の利益状態の発生、利益状態の再発生等の遊技状態に応じて効果音を発生し、その遊技状態を遊技者に聴覚的に報知するようになっている。
【0008】
発射手段9 は、遊技者が発射ハンドル10を把持して操作したときに打撃槌駆動用の発射モータが作動して、上皿6 から1個づつ発射レール上に供給される遊技球を打撃槌により打撃し、遊技盤3 側へと発射させるようになっている。
【0009】
遊技盤3 には、図3に示すように、ガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11の内側の遊技領域12に第1図柄表示手段13、第1図柄始動手段14、可変入賞手段15、第2図柄表示手段16、普通入賞手段17a,17b 等の遊技部品が配置されている。
【0010】
第1図柄表示手段13は、表示ケース18内に液晶表示部19を備えた液晶表示式等であって、その液晶表示部19に1個又は複数個、例えば3個の第1図柄を変動表示可能に構成され、第1図柄始動手段14が遊技球の入賞又は通過を検出することを条件に、その第1図柄が乱数制御により所定時間変動して停止するようになっている。
【0011】
なお、第1図柄には、数字図柄、絵図柄、キャラクターその他の適宜図柄を使用可能であり、この実施形態では例えば0〜9までの数字図柄が使用され、その数字図柄がスクロール等により順次昇順又は降順方向に変動するようになっている。
【0012】
表示ケース18の上部には、遊技状態表示ランプ35と保留記憶表示ランプ36とが設けられている。遊技状態表示ランプ35は報知手段を構成するもので、後述の利益状態の発生、利益状態の再発生等の遊技状態に応じて発光又は点滅発光して、その遊技状態を遊技者に対して視覚的に報知するようになっている。保留記憶表示ランプ36は、第1図柄表示手段13の図柄変動中に第1図柄始動手段14が遊技球を検出したときの保留数を表示するためのもので、最大4個までの保留表示が可能である。
【0013】
可変入賞手段15は、遊技者に有利な開状態と遊技者に不利な閉状態とに変換駆動可能であって、遊技盤3 に装着された入賞ケース21と、この入賞ケース21の前側に形成された入賞口22と、下部の横軸廻りに入賞口22を開閉し且つ開放時に遊技球を入賞口22側に案内する開閉板23とを備えている。
【0014】
また可変入賞手段15には、入賞口22から入賞した遊技球を振り分けるように内部側に複数個(例えば3個)の球通過領域が設けられ、その一部(例えば中央)が特定領域24として設定されている。特定領域24は、遊技球の入賞又は通過を検出することを条件に、第2図柄表示手段16の第2図柄を乱数制御により所定時間変動させると共に、その第2図柄表示手段16の変動後における停止図柄の表示態様を判定する契機となるものである。なお特定領域24はスイッチを備え、遊技球の入賞又は通過を検出可能である。
【0015】
可変入賞手段15には、入賞口22の内部に計数スイッチ25が設けられている。計数スイッチ25は、可変入賞手段15に入賞した遊技球を検出して計数するためのものである。
【0016】
可変入賞手段15には、その入賞ケース21の上部中央等の適当箇所に第2図柄表示手段16が一体に設けられ、また左右両側に普通入賞手段17b が一体に設けられている。第2図柄表示手段16は、1個又は複数個、例えば1個の第2図柄を変動表示可能であり、利益状態の発生中に入賞した遊技球を特定領域24が検出することを条件に、その第2図柄が所定時間変動して停止するようになっている。
【0017】
第2図柄表示手段16に表示される図柄には、数字図柄、文字図柄、絵図柄、キャラクター等の適宜図柄が使用されている。例えば、この実施形態では0〜9までの10種類の数字図柄が使用され、その数字図柄がスクロール等により順次昇順又は降順方向に変動しながら発光するようになっている。
【0018】
なお、各入賞手段15,17a,17b に遊技球が入賞した場合には、払い出し手段(図示省略)により、その遊技球の入賞個数に応じて1入賞につき規定数の賞品球が払い出されるようになっている。
【0019】
図1は制御系を例示するブロック図である。26は第1乱数発生手段で、第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄の表示態様を所定態様にするか否かを判定するための特定表示態様判定用の乱数値を繰り返し発生するようになっており、例えば第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が所定態様となる確率が1/350の場合には、0〜349までの乱数値を順次発生するようになっている。
【0020】
27は第1表示態様判定手段で、第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に第1乱数発生手段26の発生乱数値を抽選し、その抽選乱数値が所定態様乱数値のときに所定態様と判定し、抽選乱数値が非所定態様乱数値のときに非所定態様と判定するようになっている。この実施形態では、0〜349の乱数値の内、その乱数値「7」を所定態様判定乱数値として設定し、抽選乱数値が「7」のときに、第1表示態様判定手段27が所定態様と判定するようになっている。
【0021】
28は第1図柄変動制御手段で、第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に第1図柄表示手段13の第1図柄を所定時間変動させると共に、そのときの第1表示態様判定手段27の判定結果に応じて第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が所定態様又は非所定態様の何れかを表示すべく、第1図柄表示手段13の第1図柄を変動制御するようになっている。
【0022】
29は利益状態発生手段で、第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が所定態様となることを条件に、可変入賞手段15を閉状態から開状態に変換駆動して遊技者に有利な遊技状態を発生させるためのものである。即ち、利益状態発生手段29は、第1図柄が所定態様を停止表示したときに開閉板23が前側に開放し、その開放から所定時間(例えば30秒間)経過したとき、又は所定時間経過する前に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞口22に入賞したときに開閉板23が閉じるように、可変入賞手段15を開閉制御する制御機能を備え、その可変入賞手段15の開放により、遊技者に有利な利益状態を発生させるように構成されている。
【0023】
30は第2乱数発生手段で、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄の表示態様を特別態様にするか否かを判定するための特別表示態様判定用の乱数値を繰り返し発生するようになっており、例えば第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となる確率が2/10の場合には、0〜9までの乱数値を順次発生するようになっている。
【0024】
31は第2表示態様判定手段で、特定領域24が遊技球を検出することを条件に第2乱数発生手段30の発生乱数値を抽選し、その抽選乱数値が特別態様乱数値のときに特別態様と判定し、抽選乱数値が非特別態様乱数値のときに非特別態様と判定するようになっている。
【0025】
この実施形態では、0〜9の乱数値の内、その乱数値「3」と「7」とを特別態様判定乱数値として設定し、抽選乱数値が「3」又は「7」のときに、第2表示態様判定手段31が特別態様と判定するようになっている。
【0026】
32は第2図柄変動制御手段で、特定領域24が遊技球を検出することを条件に第2図柄表示手段16の第2図柄を所定時間変動させると共に、そのときの第2表示態様判定手段31の判定結果に応じて第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様又は非特別態様の何れかを表示すべく、第2図柄表示手段16の第2図柄を変動制御するようになっている。
【0027】
なお、この実施形態では、説明の都合上、第2図柄変動制御手段32の制御により、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が抽選乱数値と同じ数字図柄を表示するものとしている。
【0028】
33は利益状態再発生手段で、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となることを条件に、利益状態発生手段29に利益状態の再発生を指令して、所定態様に起因して発生した利益状態の終了後に再度、利益状態を発生させるようになっている。
【0029】
なお、利益状態再発生手段33は、第2表示態様判定手段31が特別態様と判定したとき、又は第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となったときとの何れの時点において、利益状態発生手段29に対して利益状態の再発生を指令するようにしても良く、利益状態の終了後に再度、利益状態を発生させるように構成されておれば十分である。
【0030】
34は報知制御手段で、利益状態発生手段29による利益状態が発生したとき、利益状態再発生手段33の指令により利益状態が再発生したとき等に、スピーカ7 から所定の効果音を発生させると共に、遊技状態表示ランプ35を発光、点滅発光等させて、そのときの遊技状態を遊技者に報知するようになっている。
【0031】
次に上記弾球遊技機における動作について説明する。上皿6 に遊技球がある状態で発射手段9 の発射ハンドル10を操作すると、上皿6 の遊技球が発射手段9 の発射動作に連動して発射部に1個づつ供給され、その遊技球を打撃槌で打撃してガイドレール11に沿って順次遊技盤3 側へと発射させて行く。
【0032】
遊技盤3 の上部側に発射された遊技球は、遊技盤3 の盤面に沿って落下する間に、普通入賞手段17a,17b 等に入賞するか、または入賞せずに落下してアウト口から裏側へと誘導されて行く。
【0033】
第1図柄始動手段14が遊技球の通過又は入賞を検出すると、第1図柄変動制御手段28により第1図柄表示手段13の第1図柄が図柄変動を開始すると共に、第1表示態様判定手段27が第1図柄始動手段14の遊技球の検出時に第1乱数発生手段26から発生する乱数値を抽選して、その抽選乱数値から第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄の表示態様が所定態様と非所定態様との何れであるかを判定する。
【0034】
そして、第1表示態様判定手段27が所定態様と判定したときには、第1図柄表示手段13の第1図柄が所定時間変動した後、例えば「7・7・7」等のように全てが同一図柄の組み合わせとなる所定態様で停止し、また非所定態様と判定したときには、「7・6・7」等のように少なくとも1個の図柄が異なる非所定態様で停止する。
【0035】
第1表示態様判定手段27が所定態様と判定して、第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が「7・7・7」等の所定態様となると、利益状態発生手段29が働いて可変入賞手段15の開閉板23が前側に開放し、多数の遊技球が開閉板23に案内されて入賞口22に入賞し易くなる。これによって遊技者に有利な第1ラウンド目の利益状態が発生し、遊技者は、大きな利益の還元を享受することができる。
【0036】
可変入賞手段15の開閉板23は、所定時間が経過するか、所定個数の遊技球が入賞したときに閉じ、これによって第1ラウンド目の利益状態が終了する。
【0037】
しかし、可変入賞手段15の開放中に入賞した遊技球が特定領域24に入賞又は通過して、この特定領域24が遊技球を検出すると、第2図柄変動制御手段32の制御により第2図柄表示手段16の第2図柄が図柄変動を開始する。これと同時に第2表示態様判定手段31が特定領域24の遊技球の検出時に第2乱数発生手段30から発生する乱数値を抽選して、その抽選乱数値から第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄の表示態様が特別態様と非特別態様との何れであるかを判定する。
【0038】
そして、第2表示態様判定手段31が特別態様と判定したときには、第2図柄表示手段16の第2図柄が所定時間変動した後、「3」又は「7」の特別態様で停止し、また非特別態様と判定したときには、「3」及び「7」以外の非特別態様で停止する。
【0039】
第2表示態様判定手段31が特別態様と判定して、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が「3」又は「7」の特別態様となると、利益状態再発生手段33が利益状態発生手段29に対して利益状態の再発生を指令するので、そのときの利益状態が終了した後、利益状態発生手段29の制御により第2ラウンド目の利益状態が発生する。このため可変入賞手段15の開閉板23は、一旦閉じた後に再度開放し、これによって遊技者は再度大きな利益の還元を受けることができる。
【0040】
また第2表示態様判定手段31が非特別態様と判定したときには、その停止図柄が「3」及び「7」以外の非特別態様で停止し、利益状態の再発生はない。
【0041】
第1ラウンド目の利益状態の発生、又は第2ラウンド目以降の利益状態の再発生があった場合には、報知制御手段34の制御により、スピーカ7 から所定の効果音が発生すると共に、遊技状態表示ランプ35が発光又は点滅発光して、そのときの遊技状態を遊技者に報知する。
【0042】
このように第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が所定態様となり、利益状態発生手段29により第1ラウンド目の利益状態が発生した場合に、その後、各ラウンド毎に次ラウンドの利益状態を発生させるか否かを抽選により決定して、そのラウンドの利益状態の終了後に次ラウンドの利益状態を発生させるようにすれば、利益状態の発生後の遊技性が向上し、遊技者の興趣を増大できる。
【0043】
特に特定領域24が可変入賞手段15に入賞した遊技球を検出することを条件に第2図柄表示手段16の第2図柄を変動させて、その変動後の停止図柄が特別態様となることを条件に次ラウンド目の利益状態を発生させることにより、その第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となるか否かが興味の対象となり、これによって遊技者の興趣が更に向上する。
【0044】
しかも特定領域24が遊技球を検出することを条件に第1乱数発生手段26の乱数値を抽選し、その抽選乱数値に基づいて第1表示態様判定手段27が所定態様か非所定態様かを判定し、その判定結果に従って第2図柄表示手段16の停止図柄の表示態様を制御すると共に、特定領域24が遊技球を検出することを条件に第2乱数発生手段30の乱数値を抽選し、その抽選乱数値に基づいて第2表示態様判定手段31が特別態様か非特別態様かを判定し、その判定結果に従って第2図柄表示手段16の停止図柄の表示態様を制御するようにしているので、第1図柄表示手段13、第2図柄表示手段16の変動後に所定の確率で所定態様、特別態様を発生させることができる。
【0045】
また可変入賞手段15に第2図柄表示手段16を一体に設けているため、遊技盤3 に可変入賞手段15と第2図柄表示手段16とを集中して配置できると共に、構造を簡単にでき、更に両者の遊技盤3 に対する取り付けも容易にできる。
【0046】
なお、この実施形態では、各ラウンド毎に可変入賞手段15に入賞した遊技球を特定領域24が検出して、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となる限り、次ラウンドの利益状態が継続的に発生するようにしている。しかし、所定ラウンド数だけ利益状態が継続的に発生すれば、その時点で利益状態再発生手段33の機能が一旦停止するようにしても良い。即ち、利益状態再発生手段33は、利益状態の再発生回数を所定回数(例えば15回)で制限するようにしても良い。この場合には、そのラウンド数を適宜設定することにより、遊技者が過度に利益を享受することもない。
【0047】
図4は本発明の第2の実施形態を例示し、第1図柄表示手段13の変動後に停止表示する所定態様を複数種類とし、第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が、その複数種類の所定態様の内の一部の特定態様となることを条件に、第2表示態様判定手段31に対して、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となる確率を変化させる確率制御手段37を設けると共に、確率制御手段37が機能しているときに、それが機能中であることをスピーカ7 、遊技状態表示ランプ35により遊技者に報知するようにしたものである。
【0048】
この実施形態では、第1図柄表示手段13の所定態様には、例えば「0・0・0」から「9・9・9」までの10種類が設定されている。そして、確率制御手段37は、第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が10種類の所定態様の内の一部、即ち「1・1・1」、「7・7・7」等の奇数図柄の組み合わせによる特定態様となった場合に、第2表示態様判定手段31に対し確率変動の指令を出して、変動後の停止図柄が特別態様となる確率を通常確率の2/10から、6/10〜9/10の高確率に確率変動させ、また利益状態が発生しても利益状態再発生手段33が再発生指令を出さないときに、その確率を高確率から通常確率へと戻すようになっている。
【0049】
この実施形態では、第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が偶数図柄又は奇数図柄の所定態様になれば、利益状態発生手段29により利益状態が発生して可変入賞手段15が開放する。一方、その所定態様が奇数図柄の場合には確率制御手段37が働き、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となる確率が通常確率から高確率状態へと確率変動する。
【0050】
そして、特定領域24が利益状態の発生中に可変入賞手段15に入賞した遊技球を検出すると、第2図柄表示手段16が図柄変動を開始すると共に、第2表示態様判定手段31が第2乱数発生手段30の乱数値を抽選し、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様か否かを判定する。
【0051】
このときの特別態様の発生確率は、通常確率から高確率状態に確率変動しているので、第2図柄表示手段16の変動後の停止図柄が特別態様となる確率が大であり、比較的容易に次ラウンドの利益状態が発生する。従って、遊技者は、利益状態の継続的発生によって利益を享受し易くなり、遊技者の興趣が向上する。
【0052】
また確率制御手段37により高確率に確率変動すれば、報知制御手段34によりスピーカ7 から所定の効果音が発生すると共に、遊技状態表示ランプ35が所定の周期で点滅発光して、遊技者に対して高確率状態であることを報知する。このため、遊技者は、そのときの特定状態の発生確率が高確率状態であることを容易に把握することができる。
【0053】
確率制御手段37による高確率状態は、利益状態の再発生が続く限り継続するが、特定領域24が可変入賞手段15の開放中に入賞した遊技球を検出しない場合には、確率制御手段37の制御によって高確率から通常確率に戻り、その後は通常確率で遊技が進行する。
【0054】
なお、この実施形態では、第1図柄表示手段13の変動後の停止図柄が奇数図柄の特定態様になり、それによって利益状態発生手段29による利益状態が発生したときのラウンドから確率制御手段37が働いて、第2図柄表示手段16の変動後に特別態様となる確率を高確率状態にするようにしているが、次ラウンドでの利益状態の発生から高確率に確率変動するようにしても良い。
【0055】
また確率制御手段37は、利益状態再発生手段33が再発生指令を出さない場合と併用して、又は単独に高確率状態での利益状態の再発生を所定ラウンド数で制限するようにしても良い。
【0056】
更に確率制御手段37は、第2図柄表示手段16の特別態様を複数種類として、その複数種類の特別態様の内の一部の特別態様のときに確率変動させるように構成し、第1図柄表示手段13の所定態様の種類と第2図柄表示手段16の特別態様の種類とを併用して、各ラウンド毎に特定領域24の遊技球の検出を条件に通常確率から高確率へと確率変動させ、そのラウンドが終了すれば、高確率から通常確率へと戻すようにしても良い。
【0057】
以上、本発明の各実施形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、実施形態では、第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に第1図柄表示手段13が図柄変動するように構成している。しかし、遊技領域12に第3図柄始動手段と、1個又は複数個の第3図柄を表示する第3図柄表示手段とを設けると共に、開閉入賞式の第1図柄始動手段14を設け、第3図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に第3図柄表示手段の第3図柄が所定時間変動し、その変動後の第3図柄が一定態様で停止することを条件に第1図柄始動手段14が所定時間開放して、第1図柄始動手段14に遊技球が入賞し易くなるように構成しても良い。
【0058】
利益状態発生手段29により発生する利益状態は、遊技者が何等かの利益を享受できる遊技状態であれば良く、必ずしも実施形態に例示のものに限定されるものではない。即ち、利益状態発生手段29は、可変入賞手段15の複数回(例えば18回)の開閉動作を単位動作として、第2図柄表示手段16の停止図柄の複数種類の特別態様の内、例えば偶数図柄の特別態様のときに1単位動作分の利益状態を発生させ、停止図柄が奇数図柄の特別態様のときに適当な時間間隔で2単位動作又は3単位動作分の利益状態を発生させる等、第2図柄表示手段16の特別態様の種類に応じて利益状態の発生中に1単位動作又は複数単位動作分、可変入賞手段15を開閉駆動する機能を備えたものでも良い。
【0059】
可変入賞手段15は、少なくとも特定領域24を備え、且つ遊技者に有利な開状態と不利な閉状態との間で開閉するものであれば良く、例えば左右一対の開閉羽根を備えたものを使用しても良い。
【0060】
また実施形態における所定態様、特別態様の発生確率は例示であって、実施形態に限定されるものではなく、その確率は遊技内容の構成全体の中で適宜決定すれば良い。第2図柄表示手段16は、第1図柄表示手段13と一体に設けても良いし、第1図柄表示手段13、可変入賞手段15から分離して個別に設けても良い。
【0061】
実施形態では、聴覚的報知手段としてスピーカ7 を、視覚的報知手段として遊技状態表示ランプ35を用いているが、その何れか一方でも良い。またスピーカ7 は他の箇所に設けても良いし、遊技状態表示ランプ35は他の箇所、例えば前枠2 、ガラス扉4 の枠部等に設けても良いし、或いは他の遊技部品等に設けても良い。
【0062】
1入賞当たりに遊技者が獲得する賞球数は、可変入賞手段15、普通入賞手段17a,17b とも同数としても良いし、可変入賞手段15側の賞球数を普通入賞手段17a,17b 側の賞球数よりも多くしても良い。乱数制御は、第1図柄と第2図柄の何れか一方の変動制御に採用しても良い。
【0063】
また入賞手段15,17a,17bへの遊技球の入賞により景品球を払い出す機能を備えた弾球遊技機である限り、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機等においても同様に実施可能である。
【0064】
【発明の効果】
本発明では、内部の複数個の球通過領域の一部から成る特定領域24を有し且つ遊技者に有利な開状態と遊技者に不利な閉状態とに変換駆動可能な可変入賞手段15と、第1図柄始動手段14と、該第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に第1図柄が所定時間変動して停止する第1図柄表示手段13と、第1図柄の変動後の停止図柄が所定態様となることを条件に可変入賞手段15を開状態に変換駆動する第1ラウンド目の利益状態を発生させる利益状態発生手段29とを備えた弾球遊技機において、利益状態の発生により可変入賞手段 15 が開放して入賞した遊技球を特定領域24 が検出することを条件に第2図柄が所定時間変動して停止する第2図柄表示手段16と、第2図柄の変動後の停止図柄が特別態様となることを条件に、前のラウンドの利益状態の終了後に再度、可変入賞手段15を開状態に変換駆動する次ラウンド目の利益状態を発生させる利益状態再発生手段33と、第1図柄の変動後の停止図柄が複数種類の所定態様の内の一部の特定態様となることを条件に、第2図柄の変動後の停止図柄が特別態様となる確率を変化させる確率制御手段 37とを備えているので、利益状態の発生後の遊技性が向上し、遊技者の興趣を増大できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す制御装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す弾球遊技機の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
7 スピーカ
13 第1図柄表示手段
14 第1図柄始動手段
15 可変入賞手段
16 第2図柄表示手段
24 特定領域
29 利益状態発生手段
33 利益状態再発生手段
35 遊技状態表示ランプ
37 確率制御手段
Claims (6)
- 内部の複数個の球通過領域の一部から成る特定領域(24)を有し且つ遊技者に有利な開状態と遊技者に不利な閉状態とに変換駆動可能な可変入賞手段(15)と、第1図柄始動手段(14)と、該第1図柄始動手段(14)が遊技球を検出することを条件に第1図柄が所定時間変動して停止する第1図柄表示手段(13)と、第1図柄の変動後の停止図柄が所定態様となることを条件に前記可変入賞手段(15)を開状態に変換駆動する第1ラウンド目の利益状態を発生させる利益状態発生手段(29)とを備えた弾球遊技機において、利益状態の発生により前記可変入賞手段 (15) が開放して入賞した遊技球を前記特定領域(24) が検出することを条件に第2図柄が所定時間変動して停止する第2図柄表示手段(16)と、第2図柄の変動後の停止図柄が特別態様となることを条件に、前のラウンドの利益状態の終了後に再度、前記可変入賞手段(15)を開状態に変換駆動する次ラウンド目の利益状態を発生させる利益状態再発生手段(33)と、第1図柄の変動後の停止図柄が複数種類の前記所定態様の内の一部の特定態様となることを条件に、第2図柄の変動後の停止図柄が前記特別態様となる確率を変化させる確率制御手段 (37)とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
- 前記可変入賞手段(15)と前記第2図柄表示手段(16)とを一体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
- 前記第1図柄表示手段(13)及び/又は前記第2図柄表示手段(16)の変動後の停止図柄を抽選乱数値に基づいて制御可能にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
- 前記確率制御手段 (37) が機能していることを遊技者に報知する報知手段 (7)(35) を備えたことを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
- 前記利益状態再発生手段 (33) は、前記利益状態の再発生回数を所定回数に制限する機能を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の弾球遊技機。
- 前記利益状態発生手段 (29) は、前記可変入賞手段 (15) の複数回の開閉動作を単位動作として、遊技状態に応じて前記利益状態の発生中に1単位動作又は複数単位動作分、前記可変入賞手段 (15) を開閉駆動する機能を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の弾球遊技機。
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