JP3594495B2 - 制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−ROMプレーヤー等の被制御体を制御する制御装置に関し、特に該被制御体の動作を制御するプログラムが記憶されているフラッシュROMの書き換え動作を行うことが出来る機能を備えた制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
コンピューター装置と接続されて使用されるCD−ROMプレーヤーと呼ばれるディスクプレーヤーが普及しているが、斯かるディスクプレーヤーは、ディスクプレーヤーの動作を制御するプログラムとディスクプレーヤーとコンピューター装置とを接続するインターフェースの制御動作を行うためのプログラムとが記憶されているROMと呼ばれるメモリー回路が組み込まれている。
【0003】
斯かるディスクプレーヤーにおいて、ディスクプレーヤーの仕様を変更する場合には、異なるプログラムが記憶されているROMとディスクプレーヤーに組み込まれているROMとを交換するようにされていた。斯かる構成では、ディスクプレーヤーの分解等を行う必要があるため、多くの時間と手間を要する。
【0004】
斯かる点を改善する方法として、プログラムが記憶される素子としてフラッシュROMと呼ばれる素子、即ち電気的に消去再書き込み動作が可能な素子を使用し、コンピューター装置より送出されるプログラムを該フラッシュROMに書き込むことが出来るようにした技術が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ノート型と呼ばれるポータブル型のパーソナルコンピューターに組み込まれるディスクプレーヤーにおいて、ディスクプレーヤーの動作を制御するプログラムの書き換え動作を行う場合に、プログラムの書き換え動作中に電池の容量切れが発生するとプログラムの書き換え動作が正常に行えないことになるが、プログラムの書き換え動作が正常に行えたか否かの判別を行うことが出来なかった。
【0006】
本発明は、斯かる問題を解決した制御装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の制御装置は、コンピューター装置と接続され、被制御体の動作を制御制御用プログラムが書き込まれているフラッシュROM及び該フラッシュROMに記憶されているプログラムに基づいて前記被制御体の動作を制御するマイクロコンピューターを有する制御装置において、前記フラッシュROMの書き換え動作時書き換え開始位置と終了位置にメモリー領域情報とバージョン情報とを書き込むようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
【実施例】
図1は本発明をディスクプレーヤーに実施した場合の一実施例を示す系統図、図2は、フラッシュROMの書き込み領域を説明する説明図である。
【0009】
図1において、1はディスクプレーヤーと組み合わせて使用されるコンピューター装置、2はディスクプレーヤーと前記コンピューター装置1とを接続するインターフェースを制御する回路やCD−ROMのデコーダが組み込まれている制御回路であり、バッファ用RAM3が接続されている。4はディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれているフラッシュROM、5はディスクプレーヤーの動作を制御する各回路が組み込まれているディスク回路部、6は前記フラッシュROM4に書き込まれている制御用プログラムによって前記ディスク回路部5の動作、制御回路2の動作及びフラッシュROM4の書き換え動作等を制御するマイクロコンピューターであり、各回路はデータアドレスバス7によって接続されている。
【0010】
斯かる回路において、コンピューター装置1よりディスクに記録されている信号の再生動作を行うための信号が出力されると、該信号がインターフェース回路やデータアドレスバス7を通してマイクロコンピューター6に入力される。その結果、前記マイクロコンピューター6によるディスクプレーヤーの制御動作が開始されるが、斯かる制御動作は、前記フラッシュROM4に記憶されている制御用プログラムに基づいて行われる。
【0011】
ディスクに記録されている信号は、光学式ピックアップによって読み出されるが、読み出された信号は、デジタル信号処理回路によって信号処理された後、制御回路2に入力されることになる。該制御回路2に入力された信号は、該制御回路2に組み込まれているデコーダによって信号処理された後インターフェース回路を通してコンピューター装置1に対して出力される。斯かる動作が行われる結果、コンピューター装置1が必要とする信号が入力されることになり、各種の処理動作を行うことが出来る。
【0012】
以上の如く通常動作、即ちディスクプレーヤーの制御動作は行われるが、次にディスクプレーヤーの制御動作を変更するためにフラッシュROM4に記憶されているプログラムの書き換え動作について説明する。
【0013】
図2はフラッシュROM4の書き込み領域を説明するものであり、書き換え用プログラムが書き込まれる書き換え用プログラムメモリー領域Aとディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれる制御用プログラムメモリー領域Bより成るBANK0とディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれる制御用プログラムメモリー領域Cより成るBANK1が設けられている。
【0014】
斯かる構成において、フラッシュROM4に書き込まれているプログラムの書き換え動作としては、書き換え用プログラム及び制御用プログラムを書き換えるフル書き換えと制御用プログラムのみを書き換える通常書き換えの2種類ある。また、プログラムの書き換え動作を行うためには、コンピューター装置1より書き換えのための命令信号が出力されるとともに該コンピューター装置1より新しいプログラムが出力される状態にある。
【0015】
先ず、書き換え用プログラム及び制御用プログラムの両プログラムを書き換えるフル書き換え動作について説明する。コンピューター装置1より書き換え動作を行うための命令信号が出力されると、その命令信号に基くマイクロコンピューター6のプログラム動作によって書き換えのための制御動作が開始されるが、最初に、前記コンピューター装置1より出力される新しいプログラムデータがバッファ用RAM3に記憶される。斯かる動作が終了すると、前記バッファ用RAM3に記憶されたプログラムデータの読み出し動作を行い、その読み出されたプログラムデータとコンピューター装置1が持っているデータとを比較し、その比較動作によって新しいプログラムの受信動作が正常に行われたか否かの判定動作が行われる。
【0016】
斯かる動作によってプログラムの前記バッファ用RAM3への記憶動作が正常に行われたと判定されると、コンピューター装置1より前記バッファ用RAM3に記憶されているプログラムデータをフラッシュROM4へ書き込むための命令信号が出力される。斯かる信号が出力されると、マイクロコンピューター6のプログラム動作によって書き換えのための制御動作が開始されるが、斯かる書込み動作は、先ずBANK0に対して行われる。そして、プログラムデータの書き込み動作が行われると、その書き込まれたデータの読み出しを行い、その読み出されたデータとコンピューター装置1が持っているデータとを比較し、その比較動作によって新しいプログラムのフラッシュROMへの書き込み動作が正常に行われたか否かの判定が行われる。
【0017】
斯かる動作によって、フラッシュROM4に設けられている書き換え用プログラムメモリー領域Aと制御用プログラムメモリー領域Bに書き換え用プログラムとディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれることになる。
【0018】
このようにして、BANK0へのプログラムデータの書き込み動作は行われるが、斯かる動作が終了すると、コンピューター装置1よりBANK1に制御用プログラムを書き込むための命令信号が出力されることになる。斯かる信号が出力されると、前述した動作が行われ、フラッシュROM4に設けられている制御用プログラムメモリー領域Cにディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれることになる。
【0019】
以上に説明したようにフル書き換え動作は行われるが、斯かる動作が行われると、BANK0を構成する書き換え用プログラムメモリー領域Aと制御用プログラムメモリー領域Bに書き換え用プログラムとディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれ、BANK1を構成する制御用プログラムメモリー領域Cにディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれることになる。斯かるフル書き換え動作は、ディスクプレーヤーの機種変更等の大きなプログラム変更を必要とする場合に行われる。
【0020】
以上に説明したように、フラッシュROMに記憶されているプログラムのフル書き換え動作は行われるが、次に制御用プログラムのみを書き換える通常書き換え動作について説明する。
【0021】
コンピューター装置1より制御用プログラムのみを書き換えるための命令信号が出力されると、その命令信号に基くマイクロコンピューター6のプログラム動作によって書き換えのための制御動作が開始されるが、この場合の書き換え動作は、フラッシュROM4のBANK0に設けられている書き換え用プログラムメモリー領域Aに記憶されている書き換え用プログラムに基づいて行われる。
【0022】
コンピューター装置1より通常書き換え動作を行うための命令信号が出力されると、フラッシュROM4のBANK0に設けられている書き換え用プログラムメモリー領域Aに記憶されている書き換え用プログラムに基づく書き換え動作が開始される。斯かる通常書き換え動作は、前述したフル書き換え動作時と同様に前記コンピューター装置1より出力される新しいプログラムデータをバッファ用RAM3に記憶する動作より開始されるが、この場合のプログラムデータはディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムのみである。
【0023】
斯かる動作が終了すると、前記バッファ用RAM3に記憶されたプログラムデータの読み出し動作を行い、コンピューター装置1が持っているデータと比較し、その比較動作によって新しいプログラムの受信動作が正常に行われたか否かの判定が行われる。
【0024】
斯かる動作によってプログラムの前記バッファ用RAM3への記憶動作が正常に行われたと判定されると、コンピューター装置1より前記前記バッファ用RAM3に記憶されているプログラムデータをフラッシュROM4へ書き込むための命令信号が出力される。斯かる信号が出力されると、フラッシュROM4に記憶されている書き換え用プログラムに基づいて書き換えのための制御動作が開始されるか、斯かる書き込み動作は、BANK0に設けられている制御用プログラムメモリー領域Bに対して行われる。そして、プログラムデータの書き込み動作が行われると、その書き込まれたデータの読み出しを行い、コンピューター装置1が持っているデータと比較し、その比較動作によって新しいプログラムのフラッシュROM4への書き込み動作が正常に行われたか否かの判定が行われる。
【0025】
斯かる動作によって、フラッシュROM4に設けられている制御用プログラムメモリー領域Bにディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれることになる。
【0026】
このようにして、BANK0へのプログラムデータの書き込み動作は行われるが、斯かる動作が終了すると、コンピューター装置1よりBANK1に制御用プログラムを書き込むための命令信号が出力されることになる。斯かる信号が出力されると、フラッシュROM4の書き換え用プログラムメモリー領域Aに記憶されている書き換え用プログラムがマイクロコンピューター6による制御動作によって読み出され、その書き換えのためのプログラムに基いて制御用プログラムメモリー領域Cにディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれることになる。
【0027】
以上に説明したように通常書き換え動作は行われるが、斯かる動作が行われると、BANK0を構成する制御用プログラムメモリー領域B及びBANK1を構成する制御用プログラムメモリー領域Cにディスクプレーヤーの動作を制御する制御用プログラムが書き込まれることになる。斯かる通常書き換え動作は、ディスクプレーヤーの機能変更等の小さなプログラム変更を必要とする場合に行われる。
【0028】
以上に説明したようにフル書き換え動作と通常書き換え動作は行われるが、ディスプレーヤーの制御用プログラムが書き込まれるBANK0の制御用プログラムメモリー領域Bの書き込み開始位置BBとBANK1の制御用プログラムメモリー領域Cの書き込み終了位置CEにメモリー領域情報及びプログラムのバージョン情報を書き込むように構成されている。
【0029】
前記BANK0の制御用プログラムメモリー領域Bの書き込み開始位置BBには、例えばメモリー領域情報であるB0とバージョン情報である1.00が書き込まれ、前記BANK1の制御用プログラムメモリー領域Cの書き込み終了位置CEには、例えばメモリー領域情報であるB1とバージョン情報である1.00が書き込まれる。従って、次の書き換え動作によってバージョン1.01のプログラムデータが書き込まれた場合には、前記制御用プログラムメモリー領域Bの書き込み開始位置BBには、メモリー領域情報であるB0とバージョン情報である1.01が書き込まれ、前記BANK1の制御用プログラムメモリー領域Cの書き込み終了位置CEには、メモリー領域情報であるB1とバージョン情報である1.01が書き込まれることになる。
【0030】
このようにプログラムの書き換え動作が正常に行われた場合には、制御用プログラムが書き込まれるBANK0の制御用プログラムメモリー領域Bの書き込み開始位置BBとBANK1の制御用プログラムメモリー領域Cの書き込み終了位置CEに書き込まれるプログラムのバージョン情報が一致することになる。従って、制御装置の起動動作時フラッシュROM4に書き込まれているデータを読み出すことにより該フラッシュROM4に書き込まれているデータのバージョンや正常にプログラムの書き込みが行われているかを判定することが出来る。
【0031】
プログラムの書き換え動作中に電池の容量切れ等のトラブルにより書き換え動作が正常に行われなかった場合には、例えば、書き換え動作によってバージョン1.01のプログラムデータが書き込まれた場合には、前記制御用プログラムメモリー領域Bの書き込み開始位置BBには、メモリー領域情報であるB0とバージョン情報である1.01が書き込まれるが、前記BANK1の制御用プログラムメモリー領域Cの書き込み終了位置CEには、メモリー領域情報であるB1とバージョン情報である1.00が書き込まれたままになる。
【0032】
従って、この場合には、書き込み開始位置BBのバージョン情報と書き込み終了位置CEのバージョン情報とが相違するため、プログラムの書き換え動作が正常に行われなかったことを認識することが出来るので、再度の書き換え動作を行う必要があることを確認することが出来る。また、メモリー領域情報がその領域を示す情報と相違している場合にも異常であると判定することが出来る。
【0033】
尚、本実施例では、制御装置によって制御される被制御体としてディスクプレーヤーの場合について説明したが、他の装置に実施することは勿論可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、コンピューター装置と接続され、被制御体の動作を制御する制御用プログラムが書き込まれているフラッシュROMに書き換え用プログラムが書き込まれる書き換え用プログラムメモリー領域と制御用プログラムが書き込まれる制御用プログラムメモリー領域とを設けるとともに書き換え用プログラムと制御用プログラムの両プログラムを書き換えるフル書き換え動作と制御用プログラムのみの書き換え動作を行う通常書き換動作の2つの異なる書き換え動作を行うことが出来るように構成し、且つ該フラッシュROMの書き換え動作時書き換え開始位置と書き換え終了位置にメモリー領域情報及びバージョン情報を書き込むようにしたので、プログラムの書き換え動作が正常に行われたか否かの判別を行うことが出来る。また、本発明は、書き換え用プログラムと制御用プログラムの両プログラムを書き換えるフル書き換え動作と制御用プログラムのみの書き換え動作を行う通常書き換動作の2つの異なる書き換え動作を行うことが出来るように構成したので、被制御体の機種切換や機能切換等の書き換えを要するプログラムの量に対応した書き換え動作を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をディスクプレーヤーに実施した場合の一実施例を示す系統図である。
【図2】フラッシュROMの書き込み領域を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 コンピューター装置
2 制御回路
3 バッファ用RAM
4 フラッシュROM
6 マイクロコンピューター
Claims (1)
- コンピューター装置と接続され、被制御体の動作を制御する制御用プログラムが書き込まれているフラッシュROM及び該フラッシュROMに記憶されているプログラムに基いて前記被制御体の動作を制御するマイクロコンピューターを有する制御装置において、前記フラッシュROMに書き換え用プログラムが書き込まれる書き換え用プログラムメモリー領域と制御用プログラムが書き込まれる制御用プログラムメモリー領域とを設け、書き換え用プログラムと制御用プログラムの両プログラムを書き換えるフル書き換え動作は、前記コンピューター装置から出力される書き換え命令に基く前記マイクロコンピューターによる書き換え制御動作によって書き換え用プログラム及び制御用プログラムを前記書き換え用プログラムメモリー領域及び制御用プログラムメモリー領域に書き込み、制御用プログラムのみを書き換える通常書き換え動作は、前記コンピューター装置から出力される書き換え命令に従って前記書き換え用プログラムメモリー領域から読み出される書き換え用プログラムメモリーに基いて前記コンピューター装置から出力される制御用プログラムを制御用プログラムメモリー領域に書き込み、且つ前記フラッシュROMの書き換え動作時書き換え開始位置と書き換え終了位置にメモリー領域情報及びバージョン情報を書き込むようにしたことを特徴とする制御装置。
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