JP3594332B2 - 粉体塗料組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、粉体塗料組成物およびその製造方法に関する。
更に、本発明は、家庭電気製品、建材、道路資材、自動車部品及び自動車本体、事務家具及び電機機器部品として使用できる金属板及び金属成形品の表面に塗膜を形成させたプレコート金属に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤系塗料は、作業環境を悪く、悪臭防止の観点から安全および衛生性等の問題であり、また、最近の世界の動向であるVOC規制で、塗料および塗装産業においては、脱溶剤型塗料へとシフトする状況となりつつある。
また、溶剤型塗料を塗装したプレコート金属は、金属表面への塗装時に大量の有機溶剤を使用するためにしており、問題である。粉体塗料は、火災の危険性が少なく、塗料を回収して再使用できるので環境汚染も少なく、また厚膜形成が可能であり、塗膜物性の向上が期待できるので、ポリウレタン塗料も粉体化の要求が高まってきている。
【0003】
現在のポリウレタン粉体塗料は、主剤のポリエステルポリオールと、硬化剤として特公昭61−31744号公報に開示されているようなイソホロンジイソシアネート(以下IPDIと略)よりなるポリイソシアネートのNCO基をε−カプロラクタムのようなブロック剤でブロックしたものを押出機でブロック剤が解離しない温度で溶融混合し、その後粉砕して塗料とするものが主流である。しかるに、この方法は塗装焼付け時にブロック剤を解離させてポリオールと架橋反応をさせるため、放出されるブロック剤が環境および衛生に影響をおよぼすので問題である。この欠点を解決するには特公昭64−5627号公報、特公平2−16332号公報にIPDI、特公昭57−46447号公報にトリレンジイソシアネートあるいはヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略)を用いてブロック剤を使用しないポリウレトジオン型硬化剤が開示されている。これは2モルのNCO基同士でできるウレトジオン環が塗装焼付け時に再び2モルのNCO基に解離し、ポリオールと反応することができるので、粉体塗料用硬化剤とするものである。しかし、IPDIは脂環族であるため耐候性は芳香族イソシアネートより良好ではあるが、まだ十分でなく、表面平滑性に問題があり、また化学構造的にNCO基が非対称であるため解離温度が高く、ゲル分率が上がらず、耐衝撃性等の機械的物性にも欠点がある。
【0004】
特公昭57−46447号公報では、実施例にHDIのポリウレトジオンの製造方法が開示されているが、潜在NCO%が低くために、ゲル分率が上がらず、耐衝撃性等の機械的物性が低下すると推測され、粉体塗料用の硬化剤として、満足できるものではない。
粉体塗料を焼き付けしたプレコート金属では、エポキシ系樹脂をポリオールの硬化剤とした粉体塗料を塗装したプレコート金属では、耐候性が著しく悪くなり使用範囲が限られるという問題がある。また、耐候性を改善するために、硬化剤としてブロック型のイソシアネートを使用すると、塗料焼き付け時にブロック物が飛散し、溶剤型塗料と同様に塗装作業環境を悪くし、かつ悪臭を伴うという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規な粉体塗料用硬化剤を使用して表面平滑性、耐候性、機械的物性に優れた塗膜を与える粉体塗料組成物、その製造方法およびその粉体塗料で塗装したプレコート金属を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、ポリウレトジオン構造単位中にヘキサメチレン基を導入した新規なポリウレトジオンを粉体塗料用硬化剤として採用することにより、耐候性、表面平滑性、機械的物性に優れた粉体塗料組成物を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、水酸基価が20〜300mgKOH/gであって室温で固体のポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールから選ばれた一種以上のポリオール100重量部と、下記(1)式であらわされる構造で、ウレトジオン環が開環して生ずるNCO基%が12〜21重量%、重量平均分子量が2000〜20000、融点が60〜140℃でかつ40℃以下でブロッキングせず、ウレトジオン環含有ポリイソシアネートが80重量%以上、トリアジン環含有ポリイソシアネートが20重量%以下で、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のポリイソシアネートから得られた直鎖状結晶性ポリウレトジオン2〜50重量部とを含有する組成物を、80〜140℃の温度で溶融混合することを特徴とする、粉体塗料組成物の製造方法、である。
【0008】
【化2】
【0009】
本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレトジオンは、(1)式であらわされる構造で、(1)式の構造中のR1 は、具体的には、ジオールの2個のOH基以外の残基であり、エチレングリコールの場合は、−CH2 −CH2 −、ジエチレングリコールの場合は、−CH2 −CH2 −O−CH2 −CH2 −で表される。またR2 は、具体的には、活性水素一個を持つ化合物の活性水素を除いた残基であり、エタノールの場合は、−OC2 H5 、ε−カプロラクタムの場合は、C5 H10C(O)N−で表される。
【0010】
本発明で潜在NCO%とは、下記(2)式中のウレトジオン環を2モルのNCOに換算した値であり、ポリウレトジオン中の潜在NCO%はウレトジオン環含有量から計算できる。
【0011】
【化3】
【0012】
本発明のポリウレトジオンの潜在NCO%は、12重量%以上、21重量%以下で、好ましくは、14重量%以上、19重量%以下である。潜在NCO%が12重量%未満だと、ゲル分率が上がらず、耐候性および耐衝撃性等の機械的物性が劣るので好ましくない。21重量%を越えるポリウレトジオンの製造は、理論的に困難である。
【0013】
本発明のポリウレトジオンの重量平均分子量は、2000以上、20000以下で、好ましくは、2000以上、15000以下である。重量平均分子量は、2000未満だと末端基の増加により、架橋に関与する潜在NCO%の低下が起こる。架橋に関与するためにはウレトジオン環が、開環したときに、両末端がNCO基となることが必要であるが、OH基と反応しない末端基が多量になりすぎるとゲル分率が上昇しない。また20000を越えると、ポリオールと溶融混合、粉砕して塗料とした場合、塗装焼付け時の溶融粘度が高くなり、塗膜の表面平滑性が劣るので好ましくない。
【0014】
本発明のポリウレトジオンの融点は、60℃以上、140℃以下で、好ましくは、70℃以上、130℃以下である。融点が60℃未満だと、ポリオールと溶融混合、粉砕して粉体とした場合、粉体どうしがブロッキング(塊状化)を引き起こすことがあるので好ましくない。また140℃を越えるとこれ以上の熱溶融加工温度が必要なポリオールと例えば押出機、ニーダー等で混練する場合、ウレトジオン環の開環が起こりNCO基とOH基の反応により架橋が起こり、著しく混練機のトルクが上昇し、運転が困難になるので好ましくない。
【0015】
本発明のポリウレトジオンは、40℃以下でブロッキングしないことが必要である。その理由は、ポリオールと溶融混合、粉砕して粉体とした場合、夏期には保存中に粉体どうしがブロッキング(塊状化)を引き起こすためである。ブロッキングしないためには、ポリウレトジオンの結晶性を高くする方が良く、そのためにはジオールの選択が重要であり、側鎖のない直鎖のジオールが多いものの方が好ましい。
【0016】
また、水酸基価が20〜300mgKOH/gであって室温で固体で、好ましくは、酸価が10mgKOH/g以下、ガラス転移温度40〜80℃、重量平均分子量5000〜30000であるポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールから選ばれた一種以上のポリオール100重量部に対して、上記で規定した(1)式で表せる直鎖状結晶性ポリウレトジオンを2〜50重量部からなる粉体塗料組成物である。ポリウレトジオンの添加量が2重量%未満であると架橋反応が十分でなく、塗膜の耐候性、機械的物性が劣り、50重量%を越えると余剰の架橋剤が残存し、塗膜の機械的物性等が低下する。
【0017】
ポリエステルポリオール類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類、及びε−カプロラクトンを多価アルコールを用いて開環重合して得られるポリカプロラクトン、さらには、ヒマシ油に代表される、水酸基を有する脂肪族と多価アルコールとのエステル類等が挙げられる。
【0018】
アクリルポリオール類としては、分子中に1個以上の活性水素をもつ重合性モノマーと、これに共重合可能なモノマーを共重合させることによって得られる。このようなものとしては、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチルなどの活性水素をもつアクリル酸エステル類、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシブチルなどの活性水素をもつメタアクリル酸エステル類、またはグリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステルあるいはメタアクリル酸モノエステル等の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類等の群から選ばれた単独または混合物とアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸−n−ヘキシルなどのメタアクリル酸エステル類の群から選ばれた単独または混合物とを、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの不飽和アミド、およびスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリルニトリルなどのその他の重合性モノマーの群から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは非存在下において重合させて得られるアクリルポリオール樹脂類が挙げられる。
【0019】
フッ素ポリオール類としては、フルオロオレフインまたはフッ素含有ビニル単量体と水酸基含有ビニル単量体を必須成分として、これらと共重合可能なビニル単量体と共重合させて得られるフッ素ポリオール類があげられる。
上記に示したポリオール類は適宜混合して用いることも可能である。
また、上記ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールの他にエポキシ樹脂類、ポリカーボネートポリオール類、ウレタンポリオール類等のポリオールを使用してもかまわない。エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラック型、β−メチルエピクロルヒドリン型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽和化合物のエポキシ化型、エポキシ化脂肪族エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、レゾルシン型などのエポキシ樹脂類が挙げられる。ポリカーボネートポリオール類としては、ビスフェノールA等のような芳香族多価アルコールや1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族・脂環族多価アルコール類を原料として常法により得られるものが挙げられる。また、ウレタンポリオール類としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートと活性水素を持つ化合物との付加反応の繰り返しで生成するポリマーであり、ポリマー中にウレタン結合を持ち、ポリマー側鎖や末端にOH基を持つものをあげることができる。
【0020】
また、本発明の粉体塗料組成物は、上記ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、フッ素ポリオールから選ばれた一種以上のポリオールと(1)式で示される直鎖状結晶性ポリウレトジオンを80〜140℃の温度で溶融混合させる。80℃未満であると、部分的に未溶融のものができるために、混合が不十分になる。140℃を越えると、ウレトジオン環の開環が起こりNCO基とOH基の反応により架橋が起こり、著しく混練機のトルクが上昇し、運転が困難になるので好ましくない。この溶融混合は、例えば押出機、ニーダー等により機械的に行うことができる。
【0021】
本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレトジオンは、ウレトジオン環およびトリアジン環を含有するHDIからなるポリイソシアネート組成物とジオールおよび/またはジオールと活性水素一個を持つ化合物を反応させることにより製造することができる。
本発明に用いるポリイソシアネート組成物は、前記(2)式のウレトジオン環、下記(3)式のトリアジン環構造を有するポリイソシアネートの混合物であり、ウレトジオン環含有ポリイソシアネートが80重量%以上、トリアジン環含有ポリイソシアネートが20重量%以下のポリイソシアネート組成物である。
【0022】
【化4】
【0023】
特公昭57−46447号公報で示されているポリウレトジオンとの根本的な違いは、このポリイソシアネート組成物の純度にある。トリアジン環含有ポリイソシアネートが20重量%を越えるとポリウレトジオン構造単位の直鎖性がなくなり、即ち粉体塗料として焼き付けるときの溶融流動性が悪くなって塗膜表面平滑性に劣るようになるので粉体塗料用硬化剤としては価値のないものとなる。
【0024】
上記ポリイソシアネート組成物とジオールおよび/またはジオールと活性水素一個を持つ化合物の添加量は、NCO基/活性水素基のモル数の比が、0.8以上、1.2以下、好ましくは、0.9以上、1.1以下になるように調整する。モル数の比が0.8未満だと潜在NCO%が低くなり、耐候性や機械的物性を満足できない。また1.2を越えるとポリウレトジオンの末端基には多量のNCO基が付いていることになり、押出機およびニーダー等でポリオールと溶融混合する際に、OH基と架橋反応が起こるため、焼き付け時の溶融流動性が悪くなり、塗膜表面平滑性が良くない。
【0025】
本発明で使用するポリウレトジオンの製造に際して、上記ポリイソシアネート組成物中へのジオールおよび活性水素一個を持つ化合物の添加は、単独かまたは混合して行ってよいが、添加方法は反応熱の急激な上昇を防ぐために少しずつ連続的または分割添加するのが好ましい。なお単独で添加する場合の順序はどちらが先でも構わない。反応温度は、60℃未満だと反応が遅く、120℃を越えるとウレタン反応以外(ウレタン反応により鎖伸長が起こる)の反応が起こり、ゲル化する場合があるので好ましくない。なお反応に際し、例えば有機スズ系等のウレタン化触媒を併用しても良い。
【0026】
本発明で使用されるHDIのポリイソシアネート組成物の合成は、イソシアネート基に対して反応活性を持たない溶剤中もしくは非溶媒で、以下に示す触媒の存在下、使用量としてはHDIに対し、0.1〜1.0重量%添加し、室温から100℃の範囲の温度で数時間反応し、触媒の反応性を失活させるリン酸等の触媒毒を添加して反応を停止したあとに、未反応HDIを例えば薄膜蒸留機等で除去すると得ることができる。このHDIの除去精製は充分に行う必要がある。
【0027】
上記の触媒としては、トリスジメチルアミノホスフィン、トリスジエチルアミノホスフィン、トリスジプロピルアミノホスフィン、トリスジブチルアミノホスフィン、トリスジペンチルアミノホスフィン及びトリスジヘキシルアミノホスフィン等のトリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン類や、アルキル基がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルのテトラアルキルビホスフィン、テトラフェニルビホスフィン類や、アルキレン基としてメチレン、エチレン、プロピレン及びブチレン、アルキル基がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルの1.2−ビス(ジアルキルホスフィン)アルキレン、1.2−ビス(ジフェニルホスフィン)アルキレン、1.2−ビス(ジアルキルホスフィン)フェニレン及び1.2−ビス(ジフェニルホスフィン)フェニレン類等があげられる。上記の触媒は単独及び混合系で使用することができる。
【0028】
ポリウレトジオンが粉体塗料用の硬化剤として使用できるためには、製造原料(本発明中で言うポリイソシアネート組成物である)であるウレトジオン環構造を有するポリイソシアネートの純度が最大の問題であり、特公昭57−46447号公報では、ウレトジオン化触媒として脂肪族性置換基を有する第三級ホスフィン、例えばトリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン等を用いてウレトジオン環含有ポリイソシアネート(公報では二量体と表現)を得ている。これら触媒は、ウレトジオン化と同時に、多量のトリアジン化が併発するものである。すなわちトリアジン環まで反応が進めば分子構造が非直鎖状となるため塗膜表面平滑性が発現せず、更に焼付け塗装時に再びNCO基に解離するのは不可能となり、また潜在NCO%の低下が起こるため、塗膜の耐候性や機械的物性が劣り、商品価値のないものとなるからである。
【0029】
本発明に用いるジオールの使用目的は、鎖伸長剤であるが、その例としては、脂肪族、脂環族、芳香族のジオールであり、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール1,5−ヘキサンジオール1.2−ヘキサンジオール2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジオール、フェニルハイドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ハイドロキノン等である。
【0030】
また、本発明で用いる活性水素一個を持つ化合物の使用目的は、分子量調整剤であるが、その例としては、脂肪族、脂環族、芳香族のモノオール、モノアミン、ラクタム、オキシムであり、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノニルアルコール、シクロブタノール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、アミノプロパン、アミノブタン、アミノペンタン、アミノヘキサン、アミノオクタン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、ホルムアルドオキシム、メチルエチメケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等である。
【0031】
本発明の粉体塗料組成物は、上記に示したポリオール類と直鎖状結晶性ポリウレトジオンの他に顔料、着色剤、表面平滑剤、ハジキ防止剤、発泡防止剤、硬化反応促進剤、光劣化防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、酸化防止剤、塩害防止剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用できる。
本発明の粉体塗料組成物の調整方法と塗装方法の一例を述べる。まず、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールより選ばれた一種以上のポリオールと、(1)式であらわされるポリウレトジオンを顔料等の上記に示した添加剤とともにヘンシェルミキサー等で一旦混合し、多軸押出し機およびニーダー等で80〜140℃の温度範囲で溶融混合させる。溶融混合された粉体塗料原料は、冷却後、粗粉砕機と微粉砕機により約100μm以下の粉体にする方法でなされる。粉体塗料の一般的な塗装方法はスプレーガンによる静電塗装であるが、流動浸漬漕、スプレーコート、ロールコート、カーテンフローコート等による塗装もなされる。次に、160℃以上の温度による加熱焼き付けにより、均一な塗膜を塗被体上に形成させる。
【0032】
上記の塗被体としては、主として金属板をあげることができる。金属板としては、ステンレス板、アルミニウム板、チタン板、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板等があり、必要に応じて金属表面をアルカリ脱脂等による洗浄や、塗膜との密着性を上げるために金属表面を化成処理する。また、上記金属板をあらかじめ所定の成形がなされた金属成形体でもよい。必要に応じてあらかじめ金属表面に下塗りを行っていてもよい。その下塗りの塗膜厚みとしては10μm以下が好ましい。
【0033】
本発明の塗膜を形成したプレコート金属の製造方法としては、前述した金属板もしくはあらかじめ成形された金属成形体をスプレーコート、ロールコート、カーテンフローコート、静電塗装等の通常行われている方法により金属表面に粉体塗料を付着させる。次に140℃以上の温度による加熱焼き付けにより均一な塗膜を形成させる。
金属板以外の塗被体としては、コンクリート製品、木材製品及びプラスチック製品をあげることができる。
【0034】
【実施例】
ポリイソシアネート組成物中のNCO%含有量は、過剰のジ−n−ブチルアミンを添加して、イソシアネート基と反応させた後、未反応のアミンの量を塩酸で逆滴定し、重量%で求めた。
ポリイソシアネート組成物中のウレトジオン環含有ポリイソシアネートとトリアジン環含有ポリイソシアネートの含有量は、赤外分光光度計(FT−IR)にて検量線を作成し、ウレトジオン環の吸収(1767cm−1)とトリアジン環の吸収(1688cm−1)の比から求めた。
【0035】
ポリウレトジオンの構造単位は、赤外分光光度計(FT−IR)により、ウレトジオン環、ウレタン結合、ヘキサメチレン基の吸収で確認した。
ポリウレトジオン中の潜在NCO%は、赤外分光光度計(FT−IR)にて検量線を作成して、それより求めた。
ポリウレトジオンの融点は、示差走査熱量計(DSC)で測定した。
【0036】
ポリウレトジオンのブロッキング性は、試料を粉砕機で粉砕し、8メッシュで篩ったものを、40mmφの試験管中に15gとり、20g/cm2 の荷重をかけ、40℃で240時間放置後、試料を取り出した時、もとの紛末状に戻るものを○、戻りにくいものを×とした。
ポリウレトジオンの重量平均分子量は、テトラヒドロフランに溶解してゲル浸透クロマトグラフ(GPC−RI検出器)で測定して求めた。
【0037】
塗膜物性は、得られた塗料組成物を微粉砕用ハンマーミルで粉砕し、100メッシュで篩ったものを、燐酸亜鉛処理した鋼板に静電塗装し、210℃で7分間焼き付けたものを測定した。
塗膜の表面平滑性は20°光沢の値で表した。
塗膜の耐衝撃性はデュポン式衝撃試験器で測定し、1kg−1/2インチφの条件下で塗膜に破れが生じない最高の高さ(cm)で表した。
【0038】
耐候性試験は、サンシャインウェザーメーターにて行い、250時間後の60°光沢値を試験開始前の60°光沢値で除し、保持率(%)で表した。
ゲル分率は、焼き付けた塗板を20℃のアセトンに浸し、24時間後に取り出して、100℃で1時間乾燥した後の重量から酸化チタン顔料の重量を減じた値を元の重量から酸化チタンの重量を減じた値で除し、百分率(%)で求めた。
【0039】
(合成例1)〔本発明に用いるポリウレトジオンの合成〕
撹拌機を取り付けた四ッ口フラスコに、HDIを5モルと、トリスジエチルアミノホスフィン0.01モルを加えた。60℃で反応を進行させ、4時間後反応液にリン酸0.03モルを添加し、反応を停止した。リン酸添加後、数分で失活触媒が結晶として析出した。その後、さらに60℃で1時間加熱を続け、常温に冷却した。析出物を濾過により除去した後、流下式薄膜蒸発装置を用いて、1回目0.3Tor./155℃、2回目0.2tor./145℃で未反応のHDIを除去した。
【0040】
得られた生成物は、微黄色、透明の液体で、NCO%含有量は24.5%であった。また、生成したポリイソシアネート中にはウレトジオン環含有ポリイソシアネートの含有量が94重量%、トリアジン環含有ポリイソシアネートの含有量が6重量%であった。
(比較合成例1)
触媒をトリブチルホスフィンとする他は合成例1と同様にしてポリイソシアネート組成物を得た。
【0041】
得られた生成物は、微黄色、透明の液体で、NCO%含有量は24.5%であった。また、生成したポリイソシアネート中にはウレトジオン環含有ポリイソシアネートの含有量が75重量%、トリアジン環含有ポリイソシアネートの含有量が25重量%であった。
【0042】
【実施例1】
合成例1で得たポリイソシアネート組成物50モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モルをウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算した)エチレングリコール40モルを温度が100℃を越えないように分割添加して、その後にエタノール20モルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構造確認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確認した。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は19.5%、重量平均分子量2100、融点89℃及びブロッキング性は○であった。
【0043】
つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と酸化チタンを39重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値82、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率91%であり、非常に良好なものであった。
【0044】
【実施例2】
水酸基価23mgKOH/g、ガラス転移温度54℃のポリエステルポリオール100重量部に実施例1で得られたポリウレトジオン20重量部と酸化チタン40重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で100℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値80、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率91%であり、非常に良好なものであった。
【0045】
【実施例3】
水酸基価188mgKOH/g、ガラス転移温度54℃のポリエステルポリオール100重量部に実施例1で得られたポリウレトジオン22重量部と酸化チタン41重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値74、耐衝撃性50cm、耐候性80%、ゲル分率94%であり、非常に良好なものであった。
【0046】
【実施例4】
合成例1で得たポリイソシアネート組成物15モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モルをウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算した)エチレングリコール14モルを温度が100℃を越えないように分割添加して、その後にエタノール2モルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構造確認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確認した。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は19.8%、重量平均分子量6000、融点97℃及びブロッキング性は○であった。
【0047】
つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と39重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で125℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値80、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率90%であり、非常に良好なものであった。
【0048】
【実施例5】
合成例1で得たポリイソシアネート組成物30モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モルをウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算した)エチレングリコール29モルを温度が100℃を越えないように分割添加して、その後にエタノール2モルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構造確認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確認した。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は19.8%、重量平均分子量12000、融点98℃及びブロッキング性は○であった。
【0049】
つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と39重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値80、耐衝撃性50cm、耐候性84%、ゲル分率90%であり、非常に良好なものであった。
【0050】
【実施例6】
合成例1で得たポリイソシアネート組成物15モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モルをウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算した)1,4−ブタンジオール14モルを温度が100℃を越えないように分割添加して、その後にエタノール2モルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構造確認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確認した。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は18.9%、重量平均分子量6400、融点126℃及びブロッキング性は○であった。
【0051】
つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と39重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で130℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値81、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率91%であり、非常に良好なものであった。
【0052】
【実施例7】
水酸基価53mgKOH/gのアクリルポリオール100重量部に実施例1で得られたポリウレトジオン18重量部と酸化チタン39重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値81、耐衝撃性50cm、耐候性88%、ゲル分率90%であり、非常に良好なものであった。
【0053】
【実施例8】
ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体15モルとエチレングリコール14モルとエタノール2モルを100℃の反応温度でウレタン反応させて得られたポリウレトジオンは、潜在NCO%19.8%、重量平均分子量6000、融点97℃及びブロッキング性も良好であった。
【0054】
水酸基価39mgKOH/gのポリエステルポリオール55重量%、上記で得られたポリウレトジオン8重量%(ポリエステルポリオール100重量%に対して15重量部)、酸化チタン顔料35重量%、レベリング剤2重量%を二軸押し出し機により110℃で混練する。押し出し機のダイスより出てきた混練されたものを冷却後、ペレット状に粉砕し、次にそのペレットを微粉砕機により平均粒度約100μmの粉体にする。
【0055】
得られた粉体を静電塗装機により、あらかじめ脱脂した1mm厚みの鋼板に塗装し、180℃の雰囲気温度の焼き付け炉に入れ、約10分で硬化した塗膜が得られた。焼き付け時にはブロック剤の臭気もなく、焼き付け炉にも付着物はなかった。得られた塗膜は、厚み約80μmの平滑な塗膜であり、ピンホールのない仕上がり外観も良好であった。塗膜の物性は、20°光沢値80、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率90%であり、非常に良好なものであった。
【0056】
【実施例9】
水酸基価53mgKOH/gのアクリルポリオールを用いて実施例8と同様に行った。焼き付け時にはブロック剤の臭気もなく、焼き付け炉にも付着物もなく、得られた塗膜は、厚み約80μmの平滑な塗膜であり、ピンホールのない仕上がり外観も良好であった。塗膜の物性は、20°光沢値81、耐衝撃性50cm、耐候性88%、ゲル分率90%であり、非常に良好なものであった。
【0057】
【比較例1】
比較合成例1で得られたポリイソシアネート組成物を用いて、実施例4と同様にしてポリウレトジオンを得た。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は15.8%、テトラヒドロフランに不溶のため重量平均分子量は測定不能であり、融点なし及びブロッキング性は×であった。
【0058】
つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と39重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。塗膜は、20°光沢値20、耐衝撃性30cm、耐候性60%、ゲル分率80%であった。
【0059】
【比較例2】
水酸基価53mgKOH/gのアクリルポリオール100重量部にヒュルス製のIPDIから得られたポリウレトジオン(商品名:B1540)18重量部と酸化チタン39重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120℃において溶融混合し、押出溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。塗膜は、20°光沢値72、耐衝撃性30cm、耐候性55%、ゲル分率70%であった。
【0060】
【比較例3】
ポリウレトジオンの替わりにヒュルス社製のイソホロンジイソシアネートよりなるブロックイソシヌレート(商品名:B1530)を用いて実施例8と同様に行った。塗膜は、厚み約80μmの平滑な塗膜であり、ピンホールのない仕上がり外観も良好であったが、焼き付け時にε−カプロラクタムの臭気が発生し、焼き付け炉内にε−カプロラクタムが付着していた。塗膜の物性は、20°光沢値88、耐衝撃性50cm、耐候性61%、ゲル分率90%であった。
【0061】
【発明の効果】
本発明の粉体塗料組成物は、焼き付け時にブロック剤の悪臭がしない新規なポリウレトジオン硬化剤を使用しており、また得られた塗膜は、表面平滑性、耐候性、機械的物性に優れている。従って、家電製品、建材、自動車部品、事務家具、電機機器部品の塗料として有用で、本発明の粉体塗料を塗装したプレコート金属は、家庭電気製品、建材、道路資材、自動車部品及び自動車本体、事務家具及び電機機器部品として使用できる。
Claims (1)
- 水酸基価が20〜300mgKOH/gであって室温で固体のポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールから選ばれた一種以上のポリオール100重量部と、下記(1)式であらわされる構造で、ウレトジオン環が開環して生ずるNCO基%が12〜21重量%、重量平均分子量が2000〜20000、融点が60〜140℃でかつ40℃以下でブロッキングせず、ウレトジオン環含有ポリイソシアネートが80重量%以上、トリアジン環含有ポリイソシアネートが20重量%以下で、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のポリイソシアネートから得られた直鎖状結晶性ポリウレトジオン2〜50重量部とを含有する組成物を、80〜140℃の温度で溶融混合することを特徴とする、粉体塗料組成物の製造方法。
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