JPH1112529A - ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体用組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体用組成物

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JPH1112529A
JPH1112529A JP9172283A JP17228397A JPH1112529A JP H1112529 A JPH1112529 A JP H1112529A JP 9172283 A JP9172283 A JP 9172283A JP 17228397 A JP17228397 A JP 17228397A JP H1112529 A JPH1112529 A JP H1112529A
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vinyl chloride
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JP9172283A
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English (en)
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Takao Hamatsu
高夫 浜津
Ichiro Ibuki
一郎 伊吹
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無溶剤で、ブロック剤の飛散が無く、かつ架
橋性を持たせたポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体用
組成物の提供。 【解決手段】 塩化ビニル重合体等、ポリオール化
合物またはポリアミド化合物、および、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネートとエチレングリコールとエ
タノールとから得られるポリウレトジオンであって、潜
在NCO%が12〜21重量%、重量平均分子量が20
00〜20000、融点が60〜140℃である直鎖状
結晶性ポリウレトジオン、を含むポリ塩化ビニル−ポリ
ウレタン複合体用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビニル
(以下、PVCと略す)−ポリウレタン(以下、PUと
略す)複合体用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでのPVC−PU複合体用組成物
の中で、従来より用いられてきたPUには、有機溶剤を
使用した溶剤型ブロックポリイソシアネート化合物が多
く使用されている。この溶剤型ポリイソシアネート化合
物は、使用する溶剤の飛散時やブロック剤の飛散時に
は、作業環境に充分気をつけなければならず、悪臭防止
の観点から安全及び衛生性等に問題がある。また、最近
の世界の動向であるVOC(揮発性有機化合物)規制
で、脱溶剤型へとシフトする状況となりつつある。
【0003】従って、環境、衛生面から溶剤およびブロ
ック剤を使用しないポリイソシアネートが求められてき
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以下に述べ
るような特定のポリウレトジオンを用いて、無溶剤で、
ブロック剤の飛散がなく、かつ架橋性を持たせたPVC
−PU複合体用組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、下記(1)式で表
される構造を有するポリウレトジオンを用いたPVC−
PU複合体用組成物が、その目的に適合することを見い
だし、本発明をなすに至った。即ち、本発明は、下記
、、を含むことを特徴とするポリ塩化ビニル−ポ
リウレタン複合体用組成物に関する。 塩化ビニル単独重合体もしくは塩化ビニル共重合体。 ポリオール化合物またはポリアミド化合物。 下記(1)式で表される構造で、潜在NCO%が12
〜21重量%、重量平均分子量が2000〜2000
0、融点が60〜140℃である直鎖状結晶性ポリウレ
トジオン。
【0006】
【化2】
【0007】以下、本発明について詳述する。本発明に
使用する塩化ビニル単独重合体もしくは塩化ビニル共重
合体(以下、塩化ビニル重合体と略す)とは、塩化ビニ
ル含有重合体で、塩化ビニル単独重合体もしくは塩化ビ
ニルを主成分とする共重合体、例えば、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩
化ビニル−エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステ
ル共重合体などを挙げることができる。塩化ビニル重合
体の重合度は、通常1000〜2000である。
【0008】この塩化ビニル重合体には、必要に応じて
予め安定剤(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛等、亜燐酸鉛)、可塑剤(ジエチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート、ジラウリルフ
タレート、ジステアリルフタレート等)、着色剤等の添
加剤を配合しておくことができる。また、上記の塩化ビ
ニル共重合体を適宜混合して用いることも可能である。
【0009】本発明に使用するポリオール化合物は、水
酸基価が20〜250mgKOH/gであって室温で固
体のポリオール化合物が好ましく、例えば、ポリエステ
ルポリオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオー
ル、エポキシポリオール、ポリカーボネートポリオー
ル、ウレタンポリオールから選ばれた一種以上のポリオ
ールが挙げられる。
【0010】ポリエステルポリオール化合物としては、
例えば、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー
酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸などのカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸
の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの
単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエ
ステルポリオール樹脂類、およびε−カプロラクトンを
多価アルコールを用いて開環重合して得られるようなポ
リカプロラクトン、さらには、ヒマシ油に代表される、
水酸基を有する脂肪族と多価アルコールとのエステル類
等が挙げられる。
【0011】アクリルポリオール化合物としては、例え
ば、分子中に1個以上の活性水素をもつ重合性モノマー
と、これに共重合可能なモノマーを共重合させることに
よって得られる。このようなものとしては、例えば、ア
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル
などの活性水素をもつアクリル酸エステル類、メタアク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−
ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシ
ブチルなどの活性水素をもつメタアクリル酸エステル
類、またはグリセリンのアクリル酸モノエステルあるい
はメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパン
のアクリル酸モノエステルあるいはメタアクリル酸モノ
エステル等の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸
エステル類等の群から選ばれた単独または混合物とアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシルなどのアクリル酸エステル類、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸イソ
プロピル、メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル
酸イソブチル、メタアクリル酸−n−ヘキシルなどのメ
タアクリル酸エステル類の群から選ばれた単独または混
合物とを、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸な
どの不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの不
飽和アミド、およびスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビ
ニル、アクリルニトリルなどのその他の重合性モノマー
の群から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは
非存在下において重合させて得られるアクリルポリオー
ル樹脂類などが挙げられる。
【0012】フッ素ポリオール化合物としては、例え
ば、フルオロオレフィン又はフッ素含有ビニル単量体と
水酸基含有ビニル単量体を必須成分として、これらと共
重合可能なビニル単量体と共重合させて得られるフッ素
ポリオール類が挙げられる。エポキシ系ポリオール化合
物としては、例えば、ノボラック型、β−メチルエピク
ロルヒドリン型、環状オキシラン型、グリシジルエーテ
ル型、グリシジルエステル型、グリコールエーテル型、
脂肪族不飽和化合物のエポキシ化型、エポキシ化脂肪族
エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシ
ジル型、レゾルシン型などのエポキシ樹脂類が挙げられ
る。
【0013】ポリカーボネートポリオール化合物として
は、例えば、ビスフェノールA等のような芳香族多価ア
ルコールや1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族・脂環
族多価アルコール類を原料として常法により得られるも
のが挙げられる。また、ウレタンポリオール化合物とし
ては、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネ
ートと活性水素を持つ化合物との付加反応の繰り返しで
生成するポリマーであり、ポリマー中にウレタン結合を
持ち、ポリマー側鎖や末端にOH基を持つものを挙げる
ことができる。
【0014】上記のポリオール化合物を選択する目安と
しては、室温で固体、水酸基価が20〜250mgKO
H/g、酸価が10mgKOH/g以下、ガラス転移温
度40〜80℃、重量平均分子量2000〜30000
である。上記のポリオール化合物は適宜混合して用いる
ことも可能である。本発明に使用するポリアミド化合物
は、重合脂肪酸及び一塩基酸からなる群の少なくとも1
種とポリアミン類とを反応させて得られるモノアミド系
化合物及びポリアミド系化合物等が挙げられる。モノも
しくはポリアミド系化合物のアミン価は、通常90以
上、好ましくは100〜500、より好ましくは200
〜400である。モノもしくはポリアミド系化合物中に
は、遊離のポリアミン類を含んでいても良い。また、モ
ノもしくはポリアミド系化合物は、その部分変性体、例
えば、分子中にイミダゾリン環を含むもの、またはモノ
もしくはポリエポキシ化合物、電子吸引基を有するビニ
ル化合物(アクリロニトリル、アクリル酸エステルな
ど)で変性したものでもよい。
【0015】ポリアミンとしては、例えば、脂肪族ポリ
アミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミンな
ど)、ポリアルキレンポリアミン(ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミンなど)、芳香族ポリアミン
(フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレン
ジアミンなど)、脂環式ポリアミン(シクロヘキシレン
ジアミン、イソホロンジアミンなど)、複素環式ポリア
ミン(ピペラジン、アミノアルキル置換ピペラジンな
ど)及びこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
【0016】本発明に使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンは、前記(1)式であらわされる代表的な構造単
位を有し、潜在NCO%が12〜21重量%、重量平均
分子量が2000〜20000、融点が60〜140℃
のものである。前記(1)式の構造単位は、赤外分光光
度計(FT−IR)により、ウレトジオン環、ウレタン
結合、ヘキサメチレン基特有の吸収ピークで確認するこ
とができる。また、前記(1)式は代表的な構造単位と
してあらわしており、ポリマー構造中の下記(2)式の
ウレトジオン環の一部が、下記(3)式のトリアジン環
に置き換えられたものも一部含有しており、その部分が
ポリマーの分岐として存在する。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】本発明における前記(1)式の代表的な構
造単位中のR1 は、R2であらわされるジオールの2個
のOH基以外の残基もしくは2モルのジオールと1モル
のジイソシアネートが反応した化合物の末端の2個のO
H基以外の残基である。R2の具体例としては、エチレ
ングリコールの場合、−CH2 −CH2 −、ジエチレン
グリコールの場合は、−CH2 −CH2 −O−CH2
CH2 −で表される。R4 はジイソシアネートの2個の
NCO基以外の残基であらわされ、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートの場合、−(CH2 6 −であらわされ
る。R3 は、本発明に具体例として挙げられる活性水素
一個を持つ化合物の活性水素を除いた残基であり、エタ
ノールの場合は、−OC2 5 、ε−カプロラクタムの
場合は、C 5 10C(O)N−であらわされる。
【0020】本発明で言う潜在NCO%とは、前記
(2)式中のウレトジオン環を2モルのNCOに換算し
た値であり、ポリウレトジオン中の潜在NCO%はウレ
トジオン環含有量から計算できる。本発明で使用する直
鎖状結晶性ポリウレトジオンの潜在NCO%は、12重
量%以上、21重量%以下で、好ましくは14重量%以
上、21重量%以下ある。潜在NCO%が12重量%未
満だと、ゲル分率が上がらず、耐候性および耐衝撃性等
の機械的物性が劣るので好ましくない。21重量%を越
えるポリウレトジオンの製造は理論的に困難である。
【0021】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンの重量平均分子量は、2000以上、20000
以下で、好ましくは2000以上、15000以下であ
る。重量平均分子量は、2000未満だと末端基の増加
により、架橋に関与する潜在NCO%の低下が起こる。
架橋に関与するためにはウレトジオン環が、開環したと
きに、両末端がNCO基となることが必要であるが、O
H基と反応しない末端基が多量になりすぎるとゲル分率
が上昇しないことになる。また20000を越えると、
塩化ビニル共重合体及びポリオール化合物またはポリア
ミド化合物と溶融混合、粉砕して複合体とした場合、溶
融粘度が高くなり、成形性が劣るようになるので好まし
くない。
【0022】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンの融点は、60℃以上、140℃以下で、好まし
くは、70℃以上、120℃以下である。融点が60℃
未満だと、塩化ビニル共重合体及びポリオール化合物ま
たはポリアミド化合物と溶融混合後に粉砕して複合体と
した場合、粉体同士がブロッキング(塊状化)を引き起
こすことがあるので好ましくない。また140℃を越え
るとこれ以上の熱溶融加工温度が必要であり、塩化ビニ
ル共重合体及びポリオール化合物またはポリアミド化合
物と、例えば、押し出し機、ニーダー等で混練する場
合、ウレトジオン環の開環が起こりNCO基とOH基の
反応により架橋が起こり、著しく混練機のトルクが上昇
し、運転が困難になるので好ましくない。
【0023】本発明のPVC−PU複合体用組成物の好
ましい例としては、塩化ビニル重合体100〜500重
量部と、水酸基価が20〜250mgKOH/gであっ
て室温で固体のポリオール化合物、または、アミン価が
90以上500以下であるポリアミド化合物100重量
部に対して、前記(1)式で示される直鎖状結晶性ポリ
ウレトジオンを5重量%以上、100重量%以下で添加
する。ポリウレトジオンの添加量が5重量%未満である
と架橋反応が十分でなく、複合体の耐候性、機械的物性
が低下し、100重量%を越えると余剰の架橋剤が残存
することになり、複合体の機械的物性等が低下する場合
がある。
【0024】ここで、塩化ビニル重合体中の活性水素
基、およびポリオール化合物の水酸基のOHモル、また
はポリアミドのアミノ基もしくはアミド基のNHモルの
合計モル比とポリイソシアネート基のNCOモル比、す
なわちNCO/(OH+NH)比は、好ましくは0.5
〜2.5である。更に好ましくは0.7〜2.0であ
る。
【0025】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンは、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、H
DIと略す)から得られ、ウレトジオン環単独のポリイ
ソシアネート組成物、もしくはウレトジオン環およびト
リアジン環を含有するポリイソシアネート組成物と、ジ
オールまたはジオールと活性水素一個を持つ化合物の混
合物、またはジオールとジイソシアネートの混合物、ま
たはジオールと活性水素一個を持つ化合物とジイソシア
ネートの混合物、を40〜120℃の条件下でウレタン
反応させることにより得ることができる。
【0026】本発明で使用するポリウレトジオンは、前
記(2)式のウレトジオン環単独を含有したポリウレト
ジオンであり、もしくはウレトジオン環と前記(3)式
のトリアジン環構造を少量混合したポリウレトジオンで
もよい。それらの含有率は、ウレトジオン環含有率80
重量%以上、トリアジン環含有率20重量%以下であ
る。それぞれの含有率は、赤外吸収スペクトル(IR)
(日本分光(株)製、フーリエ変換赤外分光光度計FT
−IR−5M型)によって得られるウレトジオン環特有
の吸収ピーク(1767cm-1)とトリアジン環特有の
吸収ピーク(1688cm-1)の高さの比から検量線に
より求めることができる。
【0027】使用するHDI中に少量のイソホロンジイ
ソシアネート(以下、IPDIと略す)を混合させてポ
リイソシアネート組成物を生成させてもかまわない。I
PDI中の2モルのイソシアネート基は、化学構造的に
非対称になっているため、添加量によってポリウレトジ
オンの結晶構造を制御することができ、融点が60℃未
満にならないように添加することができる。添加量とし
ては、HDI中に20重量%以下が好ましい。
【0028】上記したポリイソシアネート組成物とジオ
ールまたはジオールと活性水素一個を持つ化合物の混合
物またはジオールとジイソシアネートの混合物またはジ
オールと活性水素一個を持つ化合物とジイソシアネート
の混合物との添加量は、NCO基/活性水素基のモル数
の比が、0.8以上、1.2以下になるように調整す
る。モル数の比が0.8未満だと潜在NCO%が低くな
り、耐候性や機械的物性を必ずしも満足できない。また
1.2を越えるとポリウレトジオンの末端基には多量の
NCO基が付いていることになり、押し出し機およびニ
ーダー等でポリオールと溶融混合する際に、OH基と架
橋反応が起こるため、溶融混合時の溶融流動性が悪くな
る傾向がある。
【0029】本発明で使用するポリウレトジオンの製造
に際して、上記ポリイソシアネート組成物中へのジオー
ル、活性水素一個を持つ化合物およびジイソシアネート
の添加は、単独かまたはそれらの混合物で行ってよい
が、添加方法は反応熱の急激な上昇を防ぐために少しず
つ連続的または分割添加するのが好ましい。なお、それ
ぞれ単独で添加する場合の順序はどちらが先でも構わな
い。反応温度は、40℃以上、120℃以下である。反
応は、主にウレタン反応により鎖伸長が起こる。40℃
未満だとウレタン反応が遅く、120℃を越えるとウレ
タン反応以外の反応が起こり、ゲル化する場合がある。
なお、反応に際し、例えば、有機スズ系等のウレタン反
応を促進するウレタン化触媒を併用しても良い。
【0030】本発明で用いるジオールの使用目的は、鎖
伸長剤であるが、その例としては、脂肪族、脂環族、芳
香族のジオールであり、特に脂肪族、脂環族が耐候性の
面より良好である。例えば、エチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2
−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,5−ヘキサンジオール、1.2−ヘキサ
ンジオール、2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオ
ール、ノナンジオール、デカンジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノー
ルA、シクロヘキサンジメタノール、フェニルハイドロ
キノン、ジヒドロキシナフタレン、ハイドロキノン等で
ある。
【0031】本発明で用いる活性水素一個を持つ化合物
の使用目的は、分子量調整剤であるが、その例として
は、脂肪族、脂環族、芳香族のモノオール、モノアミ
ン、ラクタム、オキシムであり、特に脂肪族、脂環族が
耐候性の面より良好である。例えば、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノニ
ルアルコール、シクロブタノール、シクロヘキサノー
ル、フェノール、ベンジルアルコール、アミノプロパ
ン、アミノブタン、アミノペンタン、アミノヘキサン、
アミノオクタン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラク
タム、ホルムアルドオキシム、メチルエチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等である。
【0032】また、本発明で用いるジイソシアネートの
使用目的は、鎖延長剤と潜在NCO%の調整であるが、
その例として、脂肪族、脂環族、芳香族ジイソシアネー
トであり、特にヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシク
ロヘキシルジイソシアネートが耐候性の面より良好であ
る。
【0033】本発明で使用されるHDIのポリイソシア
ネート組成物の合成は、イソシアネート基に対して反応
活性を持たない溶剤中もしくは非溶媒中で、以下に示す
(A)、(B)および(C)の構造で示される反応触媒
の単独もしくはそれら混合系の存在下、使用量としては
HDIに対し、0.01〜1.0重量%添加し、−10
〜120℃の範囲の温度で数時間反応し、HDIのイソ
シアネート基の少なくともひとつを二量化させ、所定の
転化率になったら触媒の反応性を失活させる触媒毒を添
加して反応を停止したあとに、未反応HDIを、例えば
薄膜蒸留機等で除去することにより得ることができる。
このHDIの除去精製は充分に行う必要がある。
【0034】 (A): (R2N)3-nPLn (B): R2P−PR2 (C): R2P−A−PR2 (式中、RはC1 〜C8 のアルキル基およびフェニル
基、Lは−ORもしくはR、nは0〜2、AはC1 〜C
4 のアルキレン基、ビニレン基およびフェニレン基であ
る。) 上記の反応触媒の(A)の具体例としては、トリスジメ
チルアミノホスフィン、トリスジエチルアミノホスフィ
ン、トリスジプロピルアミノホスフィン、トリスジブチ
ルアミノホスフィン、トリスジペンチルアミノホスフィ
ンおよびトリスジヘキシルアミノホスフィン等のトリス
(ジアルキルアミノ)ホスフィン類、(B)としては、
アルキル基がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チルおよびヘキシルのテトラアルキルビホスフィン、テ
トラフェニルビホスフィン類や、(C)としては、アル
キレン基としてメチレン、エチレン、プロピレンおよび
ブチレン、アルキル基がメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル及びヘキシルの1.2−ビス(ジアルキ
ルホスフィン)アルキレン、1.2−ビス(ジフェニル
ホスフィン)アルキレン、1.2−ビス(ジアルキルホ
スフィン)フェニレンおよび1.2−ビス(ジフェニル
ホスフィン)フェニレン類等が挙げられる。上記の触媒
は単独および混合系で使用することができる。特に、ト
リスジエチルアミノホスフィン、1,2−ビス(ジメチ
ルホスフィン)エタン、テトラフェニルビホスフィン
は、反応性や工業的に入手しやすい面より良好である。
【0035】触媒毒としては、使用する反応触媒
(A)、(B)、(C)の反応性を失活させる化合物の
ことをいう。例えば、アルキル化剤、アシル化剤、硫
黄、あるいは、大気酸素、酸素を放出する化合物、硫
酸、リン酸、アルコール類等が挙げられる。これらの触
媒毒の中の一種ないしそれ以上を、反応を止める際に残
存している触媒量に対して1.0倍モル以上、10.0
倍モル以下の範囲で用いることができる。これらの触媒
毒は、目的とするポリイソシアネートの組成、粘度にな
った時点で添加する。添加時期の目安としては、転化率
60%以下が好ましく、未反応のHDIを処理しやす
い。
【0036】前述したように、ポリウレトジオンがPV
C−PU複合体用組成物として使用できるためには、ポ
リウレトジオンの原料であるポリイソシアネート中のウ
レトジオン環含有率が最大の問題である。特公昭57−
46447号公報では、ウレトジオン化触媒として脂肪
族性置換基を有する第三級ホスフィン、例えば、トリエ
チルホスフィン、トリブチルホスフィン、フェニルジメ
チルホスフィン等を用いてウレトジオン環含有のポリイ
ソシアネート組成物(上記公報では二量体と表現)を得
ている。これら触媒は、ウレトジオン化と同時に、多量
のトリアジン化が併発するものである。
【0037】前述したように、すなわち、トリアジン環
まで反応が進めば分子構造が非直鎖状となるため成形体
表面平滑性が発現せず、更に成形時に再びNCO基に解
離するのは不可能となり、また潜在NCO%の低下が起
こるため、塗膜の耐候性や機械的物性が劣る。従って、
特公昭57−46447号公報に記載されているウレト
ジオン化触媒より得られたポリイソシアネート組成物で
は、PVC−PU複合体用組成物として商品価値のある
ポリウレトジオンが得られない。
【0038】本発明の組成物を用いて、PVC−PU複
合体を製造する場合の製造方法の一例を以下に示す。本
発明のPVC−PU複合体用組成物100重量部に対し
て、必要に応じてウレタン硬化促進触媒を5重量部以下
を添加したものを主成分としたものを、80℃〜140
℃の温度で押し出し機またはニーダーにより溶融混合さ
せる。溶融混合温度が80℃未満であると、部分的に未
溶融のものができるために、混合が不十分になる場合が
ある。140℃を越えると、ウレトジオン環の開環が一
部起こり、生成したNCO基と塩化ビニル重合体中の活
性水素含有基、またはポリオール化合物中の水酸基また
はポリアミド化合物中のアミノ基もしくはアミド基が反
応することにより架橋が始まる。それにより、溶融混合
時のトルクが上昇し、運転が困難になる場合がある。こ
の溶融混合は、押し出し機、ニーダーの他にも加熱下で
機械的に混合できるものであれば使用することができ
る。
【0039】次に、上記により得られた溶融混合物を、
粉砕機により粒径200μm以下の粉体にする。粉体の
粒径が、200μmを越えると、成形体の表面平滑性が
低下する傾向がある。成形方法の例としては、バンバリ
ーミキサー、カレンダーロール、押し出し成形機、射出
成型機等の一般的に使用される混練型成型機が使用でき
る。成型時の温度は、好ましくは80〜220℃であ
り、更に好ましくは120〜180℃である。80℃以
上ではPVCの溶融が容易であり、220℃以下では、
熱分解する心配がない。
【0040】なお、上記ウレタン硬化促進触媒は、複合
体用組成物による成型体のゲル分率を調整するために使
用する。ウレタン硬化促進触媒としては、有機スズ系、
有機亜鉛系、有機ジルコニウム系、有機カドミニウム
系、有機バリウム系等の溶剤型のウレタン塗料に一般的
に使用されているものである。なかでも有機スズ系が良
好であり、融点が100℃以下のものが更に好ましい。
融点が100℃以下であると複合体による成形体への可
塑化効果も付与することができ、成形体の表面平滑性は
更に良好になる。例としては、ブチルスズマレエート
系、ブチルスズラウレート系、ジブチルスズマレエート
系、ジブチルスズラウレート系、ジブチルスズアセテー
ト、ジブチルスズジステアレート等を挙げることができ
る。
【0041】上記ウレタン硬化促進触媒の添加量として
は、本発明のPVC−PU複合体用組成物100重量部
に対して、5重量部以下が好ましい。5重量部を越える
と反応後に触媒残さが残存することがある。本発明のP
VC−PU複合体用組成物には、上記のウレタン硬化促
進触媒の他に顔料、着色剤、表面平滑剤、ハジキ防止
剤、発泡防止剤、光劣化防止剤、紫外線防止剤、可塑
剤、酸化防止剤、塩害防止剤等の当該技術分野で使用さ
れている各種添加剤を混合して使用できる。用途に応じ
て適宜選択し、混合する。
【0042】一般的にプラスチゾルと使用する場合は、
以下の可塑剤を使用することができる。ジオクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジイ
ソノニルフタレート等のフタル酸エステル類、ジラウリ
ルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エ
ステル類その他にセバチン酸エステル類、リン酸エステ
ル類等が挙げられ、上記一種および二種以上の混合物と
して用いることができる。
【0043】また、PVC−PU複合体用組成物を塩ビ
ゾル等のプラスチゾル組成物等に調整する場合には、例
えば以下のようにする。上記に示した塩化ビニル共重合
体に、前述の可塑剤(例えば、ジブチルフタレート、ジ
オクチルフタレート等)、及び安定剤(例えば、二塩基
性亜燐酸鉛、二塩基性硫酸鉛等)を加え、これに、ポリ
オール化合物またはポリアミド化合物、及び、前記
(1)式で表されるポリウレトジオンをウレタン硬化触
媒、添加剤とともに80〜140℃で混練することによ
り得られる。
【0044】以上のように本発明のPVC−PU複合体
用組成物は、無可塑PVCとして、または可塑剤を添加
することでプラスチゾルして多くの用途に使用できる。
この複合体用組成物を利用した成形体としては、冷蔵
庫、洗濯機、エアコン、電子レンジ等の外箱や扉および
その他部品として、ネットフェンス、パイプフェンス等
の建材やガードレール等の道路資材として、ワイパー、
コイルスプリング、バンパー等の自動車部品、ステアリ
ングホイール、ドアトリム、レザー等の自動車内装、お
よび自動車本体として、土木機器、耕運機等の特殊機器
の部品、本体として、スチール家具、スチール棚等の事
務家具として、分電盤、配電盤、ラジエーター、トラン
ス等の電機機器部品として使用できる。
【0045】プラスチゾルとしては、接着剤、シーラン
ト、コーキング剤、アンダーコート剤、防錆剤、耐チッ
ピング剤、積層材、塗料などとして各種工業用途に応用
できる。例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、天
然皮革、合成樹脂シート、フィルム等のシート状基材、
及び、カチオン電着塗装板の接着剤、防錆剤、または、
積層材として使用することができる。また、電気回路基
盤、特に、フレキシブルプリント回路基盤、電線用被覆
絶縁体、フラットケーブル等の電子並びに電気部品材料
などの電気絶縁性に優れたレジスト剤、接着剤、また
は、被覆材としても使用できる。
【0046】また、自動車工業、特に下塗りにカチオン
型電着塗装が施された自動車車体のボディーシーラー、
アンダーコート用塗料として優れている。特に、アクリ
ル塗装を施した自動車車体、特にロッカーパネル部にプ
ラスチゾルが保護膜として用いられておりこれらに応用
できる。更に、自動車内装部品(例えば、インストパッ
ド、コンソールボックス、グローブリッド、ドアトリ
ム、ピラー等)の表皮材、及び、各種クロスのパッキン
グ材としても用いることができる。
【0047】以上のように、応用範囲が広いため、上記
に挙げたものには限られない。
【0048】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明を更
に詳細に説明する。なお、測定方法等については以下に
示す通りである。 a)ポリイソシアネート組成物中のNCO%含有量は、
過剰のジ−n−ブチルアミンを添加して、イソシアネー
ト基と反応させた後、未反応のアミンの量を塩酸で逆滴
定し、重量%で求めた。
【0049】b)ポリイソシアネート組成物中のウレト
ジオン環含有ポリイソシアネートとトリアジン環含有ポ
リイソシアネートの含有量は、FT−IRによって得ら
れるウレトジオン環ピーク(1767cm-1)、トリア
ジン環ピーク(1688cm -1)の高さの比から検量線
により求めた。 c)ポリウレトジオンの重量平均分子量は、テトラヒド
ロフランに溶解してゲル浸透クロマトグラフ(GPC−
RI検出器)で測定して求めた。
【0050】d)ポリウレトジオンの構造単位は、赤外
分光光度計(FT−IR)により、ウレトジオン環、ウ
レタン結合、メチレン基の吸収で確認した。 e)ポリウレトジオン中の潜在NCO%は、赤外分光光
度計(FT−IR)にて検量線を作成して、それより求
めた。 f)ポリウレトジオンの融点は、示差走査熱量計(DS
C)で測定した。
【0051】g)架橋性測定方法は、PVCーPU複合
体用組成物により作製したシートを400メッシュのス
テンレス製金網に入れ、テトラヒドロフランに24時間
浸漬(室温)したときの浸漬前後の重量残存率(ゲル分
率)を測定して求めた。ゲル分率60%以上を架橋性○
とした。 (合成例1)[ポリイソシアネートの合成] 攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、HDIを5モル
と、トリスジエチルアミノホスフィン0.01モルを加
えた。60℃で反応を進行させ、4時間後反応液に燐酸
0.03モルを添加し、反応を停止した。燐酸添加後、
数分で失活触媒が結晶して析出した。その後、更に60
℃で1時間加熱を続け、常温に冷却した。析出物を濾過
により除去した後、流下式薄膜蒸発装置を用いて、1回
目0.3Tor./155℃、2回目0.2Tor./
145℃で未反応のHDIを除去した。
【0052】得られた生成物は、微黄色、透明の液体
で、NCO%含有量は24.5%であった。また、生成
したポリイソシアネート中には、ウレトジオン環含有ポ
リイソシアネートの含有量が94重量%、トリアジン環
含有ポリイソシアネートの含有量が6重量%であった。 (合成例2)[ポリウレトジオンの合成] 合成例1で得られたポリイソシアネート組成物50モル
を攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を8
0℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になる
ように(ポリイソシアネートは、NCO基2モルをウレ
トジオン基含有ポリイソシアネート1モルに換算し
た)、エチレングリコール40モルを温度が100℃を
越えないように分割添加して、その後にエタノール20
モルを同様に分割添加した。そのまま1時間攪拌を続
け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移
し、室温まで冷却した。
【0053】得られたポリマーを粉砕し、構造確認を行
ったところポリウレトジオンの構造単位を確認した。得
られたポリウレトジオンの潜在NCO%は、19.5
%、重量平均分子量2100、融点89℃であった。 (合成例3)[ポリウレトジオンの合成] 合成例1で得られたポリイソシアネート組成物15モル
を攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を8
0℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になる
ように(ポリイソシアネートは、NCO基2モルをウレ
トジオン基含有ポリイソシアネート1モルに換算し
た)、エチレングリコール14モルを温度が100℃を
越えないように分割添加して、その後にエタノール2モ
ルを同様に分割添加した。そのまま1時間攪拌を続け、
降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、
室温まで冷却した。
【0054】得られたポリマーを粉砕し、構造確認を行
ったところポリウレトジオンの構造単位を確認した。得
られたポリウレトジオンの潜在NCO%は、19.8
%、重量平均分子量6000、融点97℃であった。
【0055】
【実施例1】ヘンシェルミキサーに平均重合度1300
の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体粉末500gとステ
アリン酸カルシウム5g、ステアリン酸亜鉛5g、上記
合成例2で得られたポリウレトジオン70gと、ウレタ
ン硬化触媒としてジブチルスズジラウレート24gを配
合し、室温で攪拌混合した。この配合物をポリエステル
ポリオール220g(水酸基価=50mgKOH/g、
ガラス転移温度=60℃、重量平均分子量=1000
0、NCO/OH=1.5)とともにバンバリーミキサ
ーに投入し、ケーシング温度130℃で10分間混練
後、130℃の二軸押し出し機で溶融混合し、出てきた
溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、複合体のシ
ートを得た。
【0056】シートは冷却後ペレタイザーによりペレッ
ト化し、得られたペレットをミキシングロールでロール
温度170℃で5分間混練後175℃でプレスしてシー
トを作製し架橋性を測定した。架橋性は○(ゲル分率=
68%)であった。
【0057】
【実施例2】ヘンシェルミキサーに平均重合度1500
の塩化ビニル−マレイン酸共重合体粉末500gとステ
アリン酸カルシウム5g、ステアリン酸亜鉛5g、上記
合成例2で得られたポリウレトジオン120gと、ウレ
タン硬化触媒としてジブチルスズジラウレート27gを
配合し、室温で攪拌混合した。この配合物をポリエステ
ルポリオール270g(水酸基価=188mgKOH/
g、ガラス転移温度=55℃、重量平均分子量=500
0、NCO/OH=2.0)とともにバンバリーミキサ
ーに投入し、ケーシング温度130℃で10分間混練
後、130℃の二軸押し出し機で溶融混合し、出てきた
溶融物を10℃のピンチローラーで冷却し、複合体のシ
ートを得た。
【0058】シートは冷却後ペレタイザーによりペレッ
ト化し、得られたペレットをミキシングロールでロール
温度170℃で5分間混練後175℃でプレスしてシー
トを作製し架橋性を測定した。架橋性は○(ゲル分率=
75%)であった。
【0059】
【実施例3】平均重合度1300の塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体粉末500gと、ジオクチルフタレート5
g、二塩基性亜リン酸鉛3g、上記合成例3で得られた
ポリウレトジオン90gと、ウレタン硬化触媒としてジ
ブチルスズジラウレート27gを配合し、室温で攪拌混
合した。この配合物をポリアミド300g(アミン価=
200mgKOH/g、NCO/NH=1.5)ととも
に130℃で混練し塩ビゾル組成物を合成した。その組
成物を10℃のピンチローラーで冷却し、複合体のシー
トを得た。そのシートを175℃で熱処理して架橋性を
測定した。架橋性は○(ゲル分率=82%)であった。
【0060】
【発明の効果】本発明のPVC−PU複合体用組成物
は、溶剤を使用せず、かつ複合体成型時にポリイソシア
ネート中のブロック剤の悪臭がしないノンブロックタイ
プのポリウレトジオンを使用して架橋性を持たせてい
る。このため、このような複合体用組成物を利用した成
形体は、無可塑PVCとして、または、可塑剤を添加す
ることでプラスチゾルとして多くの用途に使用できる。
【0061】例えば、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子
レンジ等の外箱や扉およびその他部品として、ネットフ
ェンス、パイプフェンス等の建材やガードレール等の道
路資材として、ワイパー、コイルスプリング、バンパー
等の自動車部品、ステアリングホイール、ドアトリム、
レザー等の自動車内装、および自動車本体として、土木
機器、耕運機等の特殊機器の部品、本体として、スチー
ル家具、スチール棚等の事務家具として、分電盤、配電
盤、ラジエーター、トランス等の電機機器部品として使
用できる。
【0062】また、プラスチゾルとしては、接着剤、シ
ーラント、コーキング剤、アンダーコート剤、防錆剤、
耐チッピング剤、積層材、塗料などとして各種工業用途
に応用できる。応用範囲が広いため、上記に挙げたもの
には限られない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 179/04 C09D 179/04 Z // C08G 18/79 C08G 18/79 A 73/06 73/06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記、、を含むことを特徴とする
    ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体用組成物。 塩化ビニル単独重合体もしくは塩化ビニル共重合体。 ポリオール化合物またはポリアミド化合物。 下記(1)式で表される構造で、潜在NCO%が12
    〜21重量%、重量平均分子量が2000〜2000
    0、融点が60〜140℃である直鎖状結晶性ポリウレ
    トジオン。 【化1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022004320A1 (ja) * 2020-07-02 2022-01-06 Dic株式会社 塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物及びその成形品

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