JPH11209655A - 粉体塗料組成物 - Google Patents

粉体塗料組成物

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JPH11209655A
JPH11209655A JP2633098A JP2633098A JPH11209655A JP H11209655 A JPH11209655 A JP H11209655A JP 2633098 A JP2633098 A JP 2633098A JP 2633098 A JP2633098 A JP 2633098A JP H11209655 A JPH11209655 A JP H11209655A
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JP
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mol
weight
acid
parts
polyester polyol
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JP2633098A
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English (en)
Inventor
Takao Hamatsu
高夫 浜津
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタン粉体塗料において、特定の組成
から構成されたポリエステルポリオールと特定の直鎖状
結晶性ポリウレトジオンを用いることによって、特に塗
膜外観に優れた粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】 テレフタル酸が40〜50モル%、ネオ
ペンチルグリコールを30〜49モル%、トリメチロー
ルプロパンを1〜10モル%、1≦アジピン酸+1、6
ーヘキサンジオール≦20モル%から構成されたポリエ
ステルポリオールであって、水酸基価が10〜100m
gKOH/g、酸価が1〜10mgKOH/gの上記ポ
リエステルポリオール100重量部に対して、例えばヘ
キサメチレンジイソシアネートとエチレングリコールと
エタノールとから得られるポリウレトジオンであって、
潜在NCO%が12〜21重量%、重量平均分子量が2
000〜20000、融点が60〜140℃である直鎖
状結晶性ポリウレトジオン5〜100重量部を主成分と
することを特徴とする粉体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に塗膜外観に優
れた粉体塗料組成物に関する。
【0002】更に詳しくは、特定の組成から構成された
ポリエステルポリオールと硬化剤として、(1)式で表
される構造を有するポリウレトジオンを用いた粉体塗料
組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】現在のポリウレタン粉体塗料は、主剤の
ポリエステルポリオールと、硬化剤として特公昭61ー
31744号公報に開示されているようなイソホロンジ
イソシアネート(以下「IPDI」と略す)よりなるポ
リイソシアネートのNCO基を、εーカプロラクタムの
ようなブロック剤でブロックした硬化剤とからなるもの
が主流である。しかし、これは、塗装焼付け時にブロッ
ク剤が飛散し、作業環境汚染する等の点で問題がある。
【0004】この問題を解決するために、特公昭64ー
5627号公報、特公平2ー16332号公報にIPD
I、特公昭57ー46447号公報にトリレンジイソシ
アネートあるいはヘキサメチレンジイソシアネート(以
下「HDI」と略す)を用いてブロック剤を使用しない
ポリウレトジオン型硬化剤が開示されている。これら
は、2モルのNCO基同士でできるウレトジオン環が、
塗装焼付け時に再び2モルのNCO基に解離し、ポリオ
ールと反応することができるので、粉体塗料用硬化剤と
して使用できるというものである。しかし、IPDIは
脂環族であるため耐候性は芳香族イソシアネートより良
好であるが、まだ十分ではなく、表面平滑性に問題があ
り、また化学構造的にNCO基が非対称であるため解離
温度が高く、ゲル分率が上がらず、耐衝撃性等の機械的
物性にも問題がある。
【0005】特公昭57ー46447号公報では、実施
例にHDIのポリウレトジオンの製造方法が開示されて
いるが、潜在NCO%が低いために、ゲル分率が上がら
ず、耐衝撃性等の機械的物性が低下すると推測され、粉
体塗料用の硬化剤として満足できるものではない。上記
の問題点を解決するために、特開平7ー316258号
公報、特開平7ー316471号公報等に、硬化剤とし
て下記(1)式で表される構造を有するポリウレトジオ
ンを用いた粉体塗料組成物が開示されている。
【0006】
【化2】
【0007】この硬化剤を用いると表面平滑性、耐候
性、機械的物性の良好な塗膜を与える粉体塗料組成物を
得ることができる。しかしながら、近年、前述の作業環
境等の点に加えて、美装性、意匠性等の更なる向上が求
められてきており、ポリウレトジオン型硬化剤で、特に
表面平滑性が向上した塗膜外観に優れた粉体塗料組成物
の実現が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリウレタ
ン粉体塗料において、特に塗膜外観に優れた粉体塗料組
成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定の組成から構成
されたポリエステルポリオールと、硬化剤として(1)
式で表される構造を有するポリウレトジオンを主体とす
る粉体塗料組成物がその目的に適合することを見いだ
し、本発明に至った。
【0010】即ち本発明は、ジカルボン酸成分として、
テレフタル酸が40〜50モル%、グリコール成分とし
て、ネオペンチルグリコールを30〜49モル%、トリ
メチロールプロパンを1〜10モル%、1≦アジピン酸
(ジカルボン酸成分)+1、6ーヘキサンジオール(グ
リコール成分)≦20モル%から構成されたポリエステ
ルポリオールであって、水酸基価が10〜100mgK
OH/g、酸価が1〜10mgKOH/gの上記ポリエ
ステルポリオール100重量部に対して、下記(1)式
で表される構造で、潜在NCO%が12〜21重量%、
重量平均分子量が2000〜20000、融点が60〜
140℃である直鎖状結晶性ポリウレトジオン5〜10
0重量部を主成分とすることを特徴とする粉体塗料組成
物に関する。
【0011】
【化3】
【0012】以下、本発明につき詳述する。本発明で使
用するポリエステルポリオールは、ジカルボン酸成分と
して、テレフタル酸が40〜50モル%、グリコール成
分として、ネオペンチルグリコールを30〜49モル
%、トリメチロールプロパンを1〜10モル%、1≦ア
ジピン酸(ジカルボン酸成分)+1、6ーヘキサンジオ
ール(グリコール成分)≦20モル%から構成されたポ
リエステルポリオールであって、水酸基価が10〜10
0mgKOH/g、酸価が1〜10mgKOH/gのも
のである。
【0013】ポリエステルポリオールのジカルボン酸成
分として用いるのは、テレフタル酸とアジピン酸であ
る。テレフタル酸の含有量は、40〜50モル%であ
り、好ましくは45〜50モル%である。40モル%未
満では、ポリエステルのガラス転移点が低下して、ブロ
ッキングを生じやすくなる。50モル%を越えるとグリ
コール成分とのモル比のバランスがくずれる。また、ガ
ラス転移点が高くなりすぎ、塗膜形成時の流動性が低下
し、平滑な塗膜が得られなくなる恐れがある。
【0014】グリコール成分として用いるネオペンチル
グリコールの含有量は、30〜49モル%であり、好ま
しくは35〜47モル%である。30モル%未満では、
耐候性が不十分となり、49モル%を越えるとジカルボ
ン酸成分とのモル比のバランスがくずれポリエステルの
ガラス転移点が高くなりすぎ、塗膜形成時の流動性が低
下し、平滑な塗膜が得られなくなる恐れがある。トリメ
チロールプロパンの含有量は1〜10モル%であり、好
ましくは3〜6モル%である。トリメチロールプロパン
は3官能のグリコールであり、1モル%未満では、硬化
性(ゲル分率)が低下し塗膜の機械的物性が低下する恐
れがある。10モル%を越えると塗膜形成時の硬化が速
くなりすぎ流動性が低下し平滑な塗膜が得られなくなる
恐れがある。
【0015】また、ジカルボン酸成分のアジピン酸とグ
リコール成分の1、6ーヘキサンジオールの合計モル%
は、1〜20モル%であり、好ましくは3〜15モル%
である。アジピン酸と1、6ーヘキサンジオールは、直
鎖状の構造で、他のジカルボン酸成分、グリコール成分
と組み合わせた場合に、生成したポリエステルのフレキ
シビリティーが増加し、ガラス転移点を低くする効果が
ある。このアジピン酸と1、6ーヘキサンジオールの合
計モル%が、1モル%未満では、ポリエステルのガラス
転移点が高くなりすぎ、塗膜形成時の流動性が低下し、
平滑な塗膜が得られなくなる恐れがある。20モル%を
越えるとポリエステルのガラス転移点が低下して、ブロ
ッキングを生じやすくなる。このように、各構成成分と
含有量により、粉体塗料組成物として最適なポリエステ
ルのガラス転移点を持たせることができる。これによ
り、塗料のブロッキング性と塗膜形成時の流動性をバラ
ンス良く両立させることができる。
【0016】上記のジカルボン酸成分以外で使用可能な
酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、1、3ーシ
クロヘキサンジカルボン酸、1、4ーシクロヘキサンジ
カルボン酸、フマル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ
無水フタル酸等を挙げることができる。また、上記のグ
リコール成分以外で使用可能なものとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1、3ープロパン
ジオール、1、3ーブタンジオール、1、4ーブタンジ
オール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1、4ーシクロヘキサンジメタノール、トリメチロ
ールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等を挙
げることができる。
【0017】これらの酸成分、グリコール成分等は、前
述のように塗料のブロッキング性と塗膜形成時の流動性
をバランス良く両立させる範囲で選択される。ポリエス
テルポリオールの水酸基価は、10〜100mgKOH
/gであり、好ましくは20〜70mgKOH/gであ
る。水酸基価が10mgKOH/g未満では、硬化性
(ゲル分率)が低下し、塗膜の機械的物性が低下する恐
れがある。また、水酸基価が100mgKOH/gを越
えると塗膜形成時の硬化が速くなりすぎ流動性が低下し
平滑な塗膜が得られなくなる恐れがある。また、反応に
使用する硬化剤の量も増えるため、塗料全体のコストア
ップにつながる。
【0018】ポリエステルポリオールの酸価は、1〜1
0mgKOH/gであり、好ましくは3〜6mgKOH
/gである。ポリエステルの酸成分はカルボン酸であ
り、これは塗料中に配合する顔料の分散性に効果がある
と考えられる。酸価が1mgKOH/g未満では、この
顔料分散性が発現されず、10mgKOH/gを越える
とカルボン酸の顔料吸着効果が大きすぎて、顔料の一部
凝集を起こし、塗膜外観を低下させる恐れがある。
【0019】上記に示したポリエステルポリオールの好
ましいガラス転移点は40〜80℃であり、重量平均分
子量は2000〜50000である。上記に示したポリ
エステルポリオールには、粉体塗料のブロッキング性、
塗膜外観、機械的物性、耐候性等の物性を損なわない範
囲で、他のポリオールを加えることもできる。その具体
例としては、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、
ポリカーボネートポリオール、エポキシポリオール、ウ
レタンポリオール等が挙げられる。当該ポリエステルポ
リオールの合成方法は、特に制限はなく周知の方法が適
用できる。また、製造方法に関しても、エステル交換法
または直接エステル化法のいずれでも良く、加圧または
減圧操作、あるいは不活性ガスを通じて反応を促進させ
ることもできる。
【0020】本発明に使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンは、(1)式であらわされる代表的な構造単位を
有し、潜在NCO%が12〜21重量%、重量平均分子
量が2000〜20000、融点が60〜140℃のも
のである。(1)式の構造単位は、赤外分光光度計(F
T−IR)により、ウレトジオン環、ウレタン結合、ヘ
キサメチレン基特有の吸収ピークで確認することができ
る。また、(1)式は代表的な構造単位としてあらわし
ており、ポリマー構造中の下記(2)式のウレトジオン
環の一部が、下記(3)式のトリアジン環に置き換えら
れたものも一部含有しており、その部分がポリマーの分
岐として存在する。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】本発明における(1)式の代表的な構造単
位中のR1 は、R2 であらわされるジオールの2個のO
H基以外の残基もしくは2モルのジオールと1モルのジ
イソシアネートが反応した化合物の末端の2個のOH基
以外の残基である。R2 の具体例としては、エチレング
リコールの場合には、−CH2 −CH2 −で表され、ジ
エチレングリコールの場合は、−CH2 −CH2 −O−
CH2 −CH2 −で表される。R4 はジイソシアネート
の2個のNCO基以外の残基で表され、ヘキサメチレン
ジイソシアネートの場合、−(CH2 6 −で表され
る。R3 は、本発明に具体例としてあげられる活性水素
一個を持つ化合物の活性水素を除いた残基であり、エタ
ノールの場合には、−OC2 5 、ε−カプロラクタム
の場合には、C5 10C(O)N−であらわされる。
【0024】本発明で言う潜在NCO%とは、(2)式
中のウレトジオン環を2モルのNCOに換算した値であ
り、ポリウレトジオン中の潜在NCO%はウレトジオン
環含有量から計算できる。本発明で使用する直鎖状結晶
性ポリウレトジオンの潜在NCO%は、12重量%以
上、21重量%以下でであり、好ましくは14重量%以
上、21重量%以下ある。潜在NCO%が12重量%未
満だと、ゲル分率が上がらず、耐候性および耐衝撃性等
の機械的物性が劣るので好ましくない。21重量%を越
えるポリウレトジオンの製造は理論的に困難である。
【0025】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンの重量平均分子量は、2000以上、20000
以下で、好ましくは2000以上、15000以下であ
る。重量平均分子量は、2000未満だと末端基の増加
により、架橋に関与する潜在NCO%の低下が起こる。
架橋に関与するためにはウレトジオン環が、開環したと
きに、両末端がNCO基となることが必要であるが、O
H基と反応しない末端基が多量になりすぎるとゲル分率
が上昇しないことになる。また、20000を越える
と、ポリエステルポリオールと溶融混合、粉砕して塗料
とした場合、塗装焼付け時の溶融粘度が高くなり、塗膜
の表面平滑性が劣るようになるので好ましくない。
【0026】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンの融点は、60℃以上、140℃以下であり、好
ましくは70℃以上、120℃以下である。融点が60
℃未満であると、ポリエステルポリオールと溶融混合後
に粉砕して塗料とした場合、粉体同士がブロッキング
(塊状化)を引き起こすことがあるので好ましくない。
また、融点が140℃を越えるとこれ以上の熱溶融加工
温度が必要となり、ポリエステルポリオールと、例えば
押し出し機、ニーダー等で混練する場合に、ウレトジオ
ン環の開環が起こりNCO基とOH基の反応により架橋
が起こり、著しく混練機のトルクが上昇し、運転が困難
になるので好ましくない。
【0027】本発明に使用するポリエステルポリオール
100重量部に対して、上記に規定した(1)式で表さ
れる構造のポリウレトジオンの添加量は、5〜100重
量部である。ポリウレトジオンの添加量が5重量部未満
であると架橋反応が十分でなく、塗膜の耐候性、機械的
物性が劣り、100重量部を越えると余剰の架橋剤が残
存することになり、塗膜の機械的物性等が低下する。
【0028】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンは、HDIよりなり、ウレトジオン環単独もしく
はウレトジオン環およびトリアジン環を含有するポリイ
ソシアネート組成物とジオールまたはジオールと活性水
素一個を持つ化合物の混合物またはジオールとジイソシ
アネートの混合物またはジオールと活性水素一個を持つ
化合物とジイソシアネートの混合物を40〜120℃の
条件化でウレタン反応させることにより得ることができ
る。
【0029】本発明で使用するポリイソシアネート組成
物は、前記(2)式のウレトジオン環単独を含有したポ
リイソシアネート組成物であり、もしくはウレトジオン
環と前記(3)式のトリアジン環構造を少量混合したポ
リイソシアネート組成物でもよい。それらの含有率は、
ウレトジオン環含有率80重量%以上、トリアジン環含
有率20重量%以下である。それぞれの含有率は、赤外
吸収スペクトル(IR)(日本分光(株)製フーリエ変
換赤外分光光度計FT−IR−5M型)によって得られ
るウレトジオン環特有の吸収ピーク(1767cm-1
とトリアジン環特有の吸収ピーク(1688cm-1)の
高さ比から検量線により求めることができる。
【0030】使用するHDI中に少量のIPDIを混合
させてポリイソシアネート組成物を生成させてもかまわ
ない。IPDI中の2モルのイソシアネート基は、化学
構造的に非対称になっているため、添加量によってポリ
ウレトジオンの結晶構造を制御することができ、融点が
60℃未満にならないような量で添加することができ
る。添加量としては、HDI中に20重量%以下である
ことが必要である。
【0031】上記に示したポリイソシアネート組成物と
ジオールまたはジオールと活性水素一個を持つ化合物の
混合物またはジオールとジイソシアネートの混合物また
はジオールと活性水素一個を持つ化合物とジイソシアネ
ートの混合物との添加量は、NCO基/活性水素基のモ
ル数の比が、0.8以上、1.2以下になるように調整
する。モル数の比が0.8未満だと潜在NCO%が低く
なり、耐候性や機械的物性を満足できない。また1.2
を越えるとポリウレトジオンの末端基には多量のNCO
基が付いていることになり、押し出し機およびニーダー
等でポリオールと溶融混合する際に、OH基と架橋反応
が起こるため、溶融混合時の溶融流動性が悪くなる。
【0032】本発明で使用するポリウレトジオンの製造
に際して、上記ポリイソシアネート組成物中へのジオー
ル、活性水素一個を持つ化合物およびジイソシアネート
の添加は、単独かまたはそれらの混合物で行ってよい
が、添加方法は反応熱の急激な上昇を防ぐために少しず
つ連続的または分割添加するのが好ましい。なおそれぞ
れ単独で添加する場合の順序はどちらが先でも構わな
い。反応温度は、40℃以上、120℃以下である。反
応は、主にウレタン反応により鎖伸長が起こる。40℃
未満だとウレタン反応が遅く、120℃を越えるとウレ
タン反応以外の反応が起こり、ゲル化する場合があるの
で好ましくない。なお反応に際し、例えば有機スズ系等
のウレタン反応を促進するウレタン化触媒を併用しても
良い。
【0033】本発明に用いるジオールの使用目的は、鎖
伸長剤であるが、その例としては、脂肪族、脂環族、芳
香族のジオールであり、特に脂肪族、脂環族が耐候性の
面より良好である。例えばエチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−
メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,5−ヘキサンジオール、1.2−ヘキサン
ジオール、2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオー
ル、ノナンジオール、デカンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノール
A、シクロヘキサンジメタノール、フェニルハイドロキ
ノン、ジヒドロキシナフタレン、ハイドロキノン等であ
る。
【0034】本発明で用いる活性水素一個を持つ化合物
の使用目的は、分子量調整剤としての使用であるが、そ
の例としては、脂肪族、脂環族、芳香族のモノオール、
モノアミン、ラクタム、オキシムであり、特に脂肪族、
脂環族が耐候性の面より良好である。例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルア
ルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、ノニルアルコール、シクロブタノール、シクロヘキ
サノール、フェノール、ベンジルアルコール、アミノプ
ロパン、アミノブタン、アミノペンタン、アミノヘキサ
ン、アミノオクタン、ε−カプロラクタム、δ−バレロ
ラクタム、ホルムアルドオキシム、メチルエチルケトオ
キシム、シクロヘキサノンオキシム等である。また、本
発明で用いるジイソシアネートの使用目的は、鎖延長剤
と潜在NCO%の調整であるが、その例として脂肪族、
脂環族、芳香族ジイソシアネートであり、特にヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシア
ネートが耐候性の面より良好である。
【0035】本発明で使用されるHDIのポリイソシア
ネート組成物の合成は、イソシアネート基に対して反応
活性を持たない溶剤中もしくは非溶媒中で、以下に示す
(A)、(B)および(C)の構造で示される反応触媒
の単独もしくはそれら混合系の存在下、使用量としては
HDIに対し、0.01〜1.0重量%添加し、−10
〜120℃の範囲の温度で数時間反応し、HDIのイソ
シアネート基の少なくともひとつを二量化させ、所定の
転化率になったら触媒の反応性を失活させる触媒毒を添
加して反応を停止したあとに、未反応HDIを例えば薄
膜蒸留機等で除去すると得ることができる。このHDI
の除去精製は充分に行う必要がある。
【0036】(A) : (R2 N)3-n PLn (B) : R2 P−PR2 (C) : R2 P−A−PR2 ここで、RはC1 〜C8 のアルキル基およびフェニル
基、Lは−ORもしくはR、nは0〜2、AはC1 〜C
4 のアルキレン基、ビニレン基およびフェニレン基であ
る。
【0037】上記の反応触媒の(A)の具体例として
は、トリスジメチルアミノホスフィン、トリスジエチル
アミノホスフィン、トリスジプロピルアミノホスフィ
ン、トリスジブチルアミノホスフィン、トリスジペンチ
ルアミノホスフィンおよびトリスジヘキシルアミノホス
フィン等のトリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン類が
挙げられ、(B)としては、アルキル基がメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルのテト
ラアルキルビホスフィン、テトラフェニルビホスフィン
類が挙げられ、(C)としては、アルキレン基としてメ
チレン、エチレン、プロピレンおよびブチレン、アルキ
ル基がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及
びヘキシルの1.2−ビス(ジアルキルホスフィン)ア
ルキレン、1.2−ビス(ジフェニルホスフィン)アル
キレン、1.2−ビス(ジアルキルホスフィン)フェニ
レンおよび1.2−ビス(ジフェニルホスフィン)フェ
ニレン類等があげられる。上記の触媒は単独および混合
系で使用することができる。特にトリスジエチルアミノ
ホスフィン、1,2−ビス(ジメチルホスフィン)エタ
ン、テトラフェニルビホスフィンは反応性や工業的に入
手しやすい面より良好である。
【0038】触媒毒としては、使用する反応触媒
(A)、(B)、(C)の反応性を失活させる化合物の
ことである。例えば、アルキル化剤、アシル化剤、硫
黄、あるいは、大気酸素、酸素を放出する化合物、硫
酸、リン酸、アルコール類等が挙げられる。これらの触
媒毒の中の一種ないしそれ以上を、反応を止める際に残
存している触媒量に対して1.0倍モル以上、10.0
倍モル以下の範囲で用いることができる。これらの触媒
毒は、目的とするポリイソシアネートの組成、粘度にな
った時点で添加する。添加時期の目安としては、転化率
60%以下が好ましく、未反応のHDIを処理しやす
い。
【0039】前述したようにポリウレトジオンが粉体塗
料組成物の硬化剤として使用できるためには、ポリウレ
トジオン中のウレトジオン環含有率が最大の問題であ
る。特公昭57−46447号公報では、ウレトジオン
化触媒として脂肪族性置換基を有する第三級ホスフィ
ン、例えばトリエチルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、フェニルジメチルホスフィン等を用いてウレトジオ
ン環含有のポリイソシアネート組成物(公報では二量体
と表現)を得ている。これら触媒は、ウレトジオン化と
同時に、多量のトリアジン化が併発するものである。前
述したように、すなわちトリアジン環まで反応が進めば
分子構造が非直鎖状となるため塗膜の表面平滑性が発現
せず、更に塗膜形成時に再びNCO基に解離するのは不
可能となり、また潜在NCO%の低下が起こるため、塗
膜の耐候性や機械的物性が劣る。従って、特公昭57−
46447号公報に記載されているウレトジオン化触媒
より得られた硬化剤では、粉体塗料組成物として商品価
値のあるポリウレトジオンが得られない。
【0040】本発明の粉体塗料組成物の製造方法につい
て以下に示す。本発明の粉体塗料組成物100重量部に
対して、必要に応じてウレタン硬化促進触媒を5重量部
以下を添加したものを主成分としたものを、80℃〜1
40℃の温度で押し出し機またはニーダーにより溶融混
合させる。溶融混合温度が80℃未満であると、部分的
に未溶融のものができるために、混合が不十分になる。
140℃を越えると、ウレトジオン環の開環が一部起こ
り、生成したNCO基とポリエステルポリオール中の水
酸基が反応することにより架橋が始まる。それにより、
著しく溶融混合時のトルクが上昇し、運転が困難になる
ので好ましくない。この溶融混合は、押し出し機、ニー
ダーの他にも加熱下で機械的に混合できるものであれば
使用することができる。次に上記により得られた溶融混
合物を、粉砕機により粒径200μm以下の粉体にす
る。粉体の粒径が、200μmを越えると、塗膜の表面
平滑性が低下するので好ましくない。
【0041】使用するウレタン硬化促進触媒は、塗膜の
ゲル分率を調整するために使用する。ウレタン硬化促進
触媒としては、有機スズ系、有機亜鉛系、有機ジルコニ
ウム系、有機カドミニウム系、有機バリウム系等の溶剤
型のウレタン塗料に一般的に使用されているものであ
る。なかでも有機スズ系が良好であり、融点が100℃
以下のものが更に好ましい。融点が100℃以下である
と塗膜の可塑化効果も付与することができ、塗膜の表面
平滑性は更に良好になる。例としては、ブチルスズマレ
エート系、ブチルスズラウレート系、ジブチルスズマレ
エート系、ジブチルスズラウレート系、ジブチルスズア
セテート、ジブチルスズジステアレート等をあげること
ができる。
【0042】本発明の粉体塗料組成物には、上記に示し
たポリエステルポリオールと直鎖状結晶性ポリウレトジ
オンとウレタン硬化促進触媒の他に顔料、着色剤、表面
平滑剤、ハジキ防止剤、発泡防止剤、光劣化防止剤、紫
外線防止剤、可塑剤、酸化防止剤、塩害防止剤等の当該
技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用で
きる。用途に応じて適宜選択し、混合する。
【0043】本発明の粉体塗料組成物の調整方法と塗装
方法の一例を述べる。まず、上記に示したポリエステル
ポリオールと、硬化剤として、(1)式であらわされる
ポリウレトジオンをウレタン硬化促進触媒、顔料等の上
記に示した添加剤とともにヘンシェルミキサー等で一旦
混合し、押し出し機およびニーダー等で80〜140℃
の温度範囲で溶融混合させる。溶融混合された粉体塗料
原料は、冷却後、粗粉砕機と微粉砕機により、粒径が約
200μm以下の粉体にする方法でなされる。粉体塗料
の一般的な塗装方法はスプレーガンによる静電塗装であ
るが、流動浸漬法、スプレーコート、ロールコート、カ
ーテンフローコート等による塗装もなされる。次ぎに、
160℃以上の温度による加熱焼付けにより、塗膜を支
持体上に形成させる。
【0044】上記の支持体としては、金属板、プラスチ
ック板、コンクリート板、木材板、またはそれらの成形
製品を挙げることができる。金属板としては、ステンレ
ス板、アルミニウム板、チタン板、冷延鋼板、亜鉛メッ
キ鋼板、クロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、
ニッケルメッキ鋼板等があり、必要に応じて金属表面を
アルカリ脱脂等による洗浄や塗膜との密着性を挙げるた
めに金属表面を化成処理する。また、上記金属板を予め
所定の成形がなされた金属成形体でもよい。必要に応じ
て予め金属表面に下塗りを行っていてもよい。その下塗
りの塗膜厚みとしては10μm以下が好ましい。プラス
チック板としては、フェノール樹脂、FRP等の熱硬化
性樹脂やポリアミド、ポリカーボネート等の熱可塑性樹
脂が挙げられる。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明を更
に詳細に説明する。ポリエステルポリオールのジカルボ
ン酸成分、グリコール成分等については、合成後、NM
R及びマススペクトルにより定性、定量分析を行った。
分析結果は、仕込みモル%と一致した。ポリエステルポ
リオールの水酸基価は、無水酢酸でアセチル化後、水酸
化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた。ポリエス
テルポリオールの酸価は、水酸化カリウムメタノール溶
液で滴定して求めた。
【0046】ポリイソシアネート組成物中のNCO%含
有量は、過剰のジ−n−ブチルアミンを添加して、イソ
シアネート基と反応させた後、未反応のアミンの量を塩
酸で逆滴定し、重量%で求めた。ポリイソシアネート組
成物中のウレトジオン環含有ポリイソシアネートとトリ
アジン環含有ポリイソシアネートの含有量は、FT−I
Rによって得られるウレトジオン環ピーク(1767c
-1)、トリアジン環ピーク(1688cm-1)の高さ
の比から検量線により求めた。ポリウレトジオンの重量
平均分子量は、テトラヒドロフランに溶解してゲル浸透
クロマトグラフ(GPC−RI検出器)で測定して求め
た。
【0047】ポリウレトジオンの構造単位は、赤外分光
光度計(FT−IR)により、ウレトジオン環、ウレタ
ン結合、メチレン基の吸収で確認した。ポリウレトジオ
ン中の潜在NCO%は、赤外分光光度計(FT−IR)
にて検量線を作成して、それより求めた。ポリウレトジ
オンの融点は、示差走査熱量計(DSC)で測定した。
粉体塗料のブロッキング性は、塗料をサンプル瓶に20
g入れて40℃で7日間静置後、瓶を逆さまにして粉体
が崩れるかどうかを目視判定した。容易に崩れるものを
○、瓶を軽く叩いても崩れないものを×とした。
【0048】塗膜の表面平滑性は、60°と20°の光
沢値で示した。塗膜の機械的物性である耐衝撃性は、デ
ュポン式衝撃試験機で測定し、荷重1kg、1/2イン
チφの条件下で塗膜に割れが生じないときの高さで示し
た。塗膜の硬化性(ゲル分率)は、焼き付けた塗膜を4
00メッシュのステンレス製金網に入れ、テトラヒドロ
フランに24時間浸漬(20℃)したときの浸漬前後の
重量残存率(ゲル分率)を測定した。ゲル分率が60%
以上であれば、硬化性としては十分である。
【0049】<合成例1> 本発明に使用するポリエス
テルポリオールの合成 テレフタル酸606重量部(50モル%)、ネオペンチ
ルグリコール306重量部(40モル%)、1、6ーヘ
キサンジオール26重量部(3モル%)、トリメチロー
ルプロパン58重量部(6モル%)、エチレングリコー
ル4重量部(1モル%)をステンレス製反応器に仕込
み、触媒としてテトラブチルチタネート0.3重量部を
加えて240〜250℃で生成する水を反応系外へ除去
しながら理論量の水が留出するまでエステル化反応を行
った後、減圧度を90〜110mmHgにコントロール
しながら5時間反応させた。得らえたポリエステルポリ
オールの水酸基価は34mgKOH/g、酸価は6mg
KOH/gであった。
【0050】<合成例2> 本発明に使用するポリエス
テルポリオールの合成 テレフタル酸583重量部(47モル%)、アジピン酸
33重量部(3モル%)、ネオペンチルグリコール29
6重量部(38モル%)、トリメチロールプロパン60
重量部(6モル%)、エチレングリコール28重量部
(6モル%)をステンレス製反応器に仕込み、触媒とし
てテトラブチルチタネート0.3重量部を加えて240
〜250℃で生成する水を反応系外へ除去しながら理論
量の水が留出するまでエステル化反応を行った後、減圧
度を90〜110mmHgにコントロールしながら5時
間反応させた。得らえたポリエステルポリオールの水酸
基価は24mgKOH/g、酸価は5mgKOH/gで
あった。
【0051】<合成例3> 本発明に使用するポリエス
テルポリオールの合成 テレフタル酸590重量部(49モル%)、アジピン酸
10重量部(1モル%)、ネオペンチルグリコール30
5重量部(40モル%)、トリメチロールプロパン51
重量部(5モル%)、1、6ーヘキサンジオール44重
量部(5モル%)をステンレス製反応器に仕込み、触媒
としてテトラブチルチタネート0.3重量部を加えて2
40〜250℃で生成する水を反応系外へ除去しながら
理論量の水が留出するまでエステル化反応を行った後、
減圧度を90〜110mmHgにコントロールしながら
5時間反応させた。得らえたポリエステルポリオールの
水酸基価は33mgKOH/g、酸価は4mgKOH/
gであった。
【0052】<合成例4> 本発明に使用するポリイソ
シアネートの合成 攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、HDIを5モル
と、トリスジエチルアミノホスフィン0.01モルを加
えた。60℃で反応を進行させ、4時間後反応液に燐酸
0.03モルを添加し、反応を停止した。燐酸添加後、
数分で失活触媒が結晶をして析出した。その後、更に6
0℃で1時間加熱を続け、常温に冷却した。析出物を濾
過により除去した後、流下式薄膜蒸発装置を用いて、1
回目0.3Tor./155℃、2回目0.2Tor.
/145℃で未反応のHDIを除去した。得られた生成
物は、微黄色、透明の液体で、NCO%含有量は24.
5%であった。また、生成したポリイソシアネート中に
は、ウレトジオン環含有ポリイソシアネートの含有量が
94重量%、トリアジン環含有ポリイソシアネートの含
有量が6重量%であった。
【0053】<合成例5> 本発明に使用するポリウレ
トジオンの合成 合成例4で得られたポリイソシアネート組成物50モル
を攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を8
0℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になる
ように(ポリイソシアネートは、NCO基2モルをウレ
トジオン基含有ポリイソシアネート1モルに換算し
た)、エチレングリコール40モルを温度が100℃を
越えないように分割添加して、その後にエタノール20
モルを同様に分割添加した。そのまま1時間攪拌を続
け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移
し、室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構
造確認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確
認した。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は1
9.5%、重量平均分子量2100、融点89℃であっ
た。
【0054】<合成例6> 本発明に使用するポリウレ
トジオンの合成 合成例4で得られたポリイソシアネート組成物15モル
を攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに入れ、温度を8
0℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.0になる
ように(ポリイソシアネートはNCO基2モルをウレト
ジオン基含有ポリイソシアネート1モルに換算した)、
エチレングリコール14モルを温度が100℃を越えな
いように分割添加して、その後にエタノール2モルを同
様に分割添加した。そのまま1時間攪拌を続け、降温せ
ずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、室温ま
で冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構造確認を行
ったところポリウレトジオンの構造単位を確認した。得
られたポリウレトジオンの潜在NCO%は19.8%、
重量平均分子量6000、融点97℃であった。
【0055】
【実施例1】合成例1で得られたポリエステルポリオー
ル100重量部に、合成例5で得られたポリウレトジオ
ン13重量部と酸化チタン57重量部、モダフローパウ
ダー0.9重量部、ジブチルスズジラウレート0.5重
量部を配合した。この混合物をヘンシェルミキサーで一
旦混合した後に、二軸押し出し機で120℃で溶融混合
し、出てきた溶融物をピンチローラーで冷却し、粉体塗
料組成物を得た。これを粗粉砕機と微粉砕機により粉砕
し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電
塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、180℃で2
0分間オーブンで焼き付けた。粉体塗料のブロッキング
性は○、得られた塗板の塗膜光沢値は60°で99%、
20°で86%と塗膜外観はきわめて優れたものであっ
た。また、デュポン衝撃性は50cm、ゲル分率は70
%であった。
【0056】
【実施例2】合成例2で得られたポリエステルポリオー
ル100重量部に、合成例6で得られたポリウレトジオ
ン9重量部と酸化チタン57重量部、モダフローパウダ
ー0.9重量部、ジブチルスズジラウレート0.5重量
部を配合した。この混合物をヘンシェルミキサーで一旦
混合した後に、二軸押し出し機で120℃で溶融混合
し、出てきた溶融物をピンチローラーで冷却し、粉体塗
料組成物を得た。これを粗粉砕機と微粉砕機により粉砕
し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電
塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、180℃で2
0分間オーブンで焼き付けた。粉体塗料のブロッキング
性は○、得られた塗板の塗膜光沢値は60°で99%、
20°で96%と塗膜外観はきわめて優れたものであっ
た。また、デュポン衝撃性は50cm、ゲル分率は62
%であった。
【0057】
【実施例3】合成例3で得られたポリエステルポリオー
ル100重量部に、合成例5で得られたポリウレトジオ
ン13重量部と酸化チタン57重量部、モダフローパウ
ダー0.9重量部、ジブチルスズジラウレート0.5重
量部を配合した。この混合物をヘンシェルミキサーで一
旦混合した後に、二軸押し出し機で120℃で溶融混合
し、出てきた溶融物をピンチローラーで冷却し、粉体塗
料組成物を得た。これを粗粉砕機と微粉砕機により粉砕
し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電
塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、180℃で2
0分間オーブンで焼き付けた。粉体塗料のブロッキング
性は○、得られた塗板の塗膜光沢値は60°で99%、
20°で93%と塗膜外観はきわめて優れたものであっ
た。また、デュポン衝撃性は50cm、ゲル分率は65
%であった。
【0058】
【比較例】市販のポリエステルポリオール(テレフタル
酸=50モル%、ネオペンチルグリコール=47モル
%、トリメチロールプロパン=3モル%。水酸基価=3
3mgKOH/g、酸価=3mgKOH/g)100重
量部に、合成例5で得られたポリウレトジオン13重量
部と酸化チタン57重量部、モダフローパウダー0.9
重量部、ジブチルスズジラウレート0.5重量部を配合
した。この混合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した
後に、二軸押し出し機で120℃で溶融混合し、出てき
た溶融物をピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を
得た。これを粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100
メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐
酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、180℃で20分間オー
ブンで焼き付けた。粉体塗料のブロッキング性は○、得
られた塗板の塗膜光沢値は60°で85%、20°で4
9%と塗膜外観は実施例のものに比べると劣るものであ
った。また、デュポン衝撃性は50cm、ゲル分率は6
4%であった。
【0059】
【発明の効果】本発明の粉体塗料組成物は、上記のポリ
エステルとポリウレトジオンを使用しており、これによ
り得られた塗膜は特に表面平滑性が向上し塗膜外観が優
れている。従って、家電製品、建材、自動車部品、事務
用品、家具、電気機器部品等の塗料として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分として、テレフタル酸
    が40〜50モル%、グリコール成分として、ネオペン
    チルグリコールを30〜49モル%、トリメチロールプ
    ロパンを1〜10モル%、1≦アジピン酸(ジカルボン
    酸成分)+1、6ーヘキサンジオール(グリコール成
    分)≦20モル%から構成されたポリエステルポリオー
    ルであって、水酸基価が10〜100mgKOH/g、
    酸価が1〜10mgKOH/gの上記ポリエステルポリ
    オール100重量部に対して、下記(1)式で表される
    構造で、潜在NCO%が12〜21重量%、重量平均分
    子量が2000〜20000、融点が60〜140℃で
    ある直鎖状結晶性ポリウレトジオン5〜100重量部を
    主成分とすることを特徴とする粉体塗料組成物。 【化1】
JP2633098A 1998-01-26 1998-01-26 粉体塗料組成物 Pending JPH11209655A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001192613A (ja) * 2000-01-14 2001-07-17 Kansai Paint Co Ltd イソシアネート硬化型ポリエステル系粉体塗料
JP2012527513A (ja) * 2009-05-20 2012-11-08 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウレトジオンと他の官能基を有する化合物を含有する硬化可能な塗料組成物および硬化した塗膜

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JP2001192613A (ja) * 2000-01-14 2001-07-17 Kansai Paint Co Ltd イソシアネート硬化型ポリエステル系粉体塗料
JP2012527513A (ja) * 2009-05-20 2012-11-08 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウレトジオンと他の官能基を有する化合物を含有する硬化可能な塗料組成物および硬化した塗膜

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