JPH07316471A - 粉体塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents

粉体塗料組成物およびその製造方法

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JPH07316471A
JPH07316471A JP6109850A JP10985094A JPH07316471A JP H07316471 A JPH07316471 A JP H07316471A JP 6109850 A JP6109850 A JP 6109850A JP 10985094 A JP10985094 A JP 10985094A JP H07316471 A JPH07316471 A JP H07316471A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の粉体塗料組成物は、焼き付け時にブ
ロック剤の悪臭がしない新規なポリウレトジオン硬化剤
で、塗膜は、表面平滑性、耐候性、機械的物性に優れて
いる。 【構成】 水酸基価が20〜300mgKOH/gであ
って室温で固体のポリエステルポリオール、アクリルポ
リオール、フッ素ポリオールから選ばれた一種以上のポ
リオール100重量部に対して、下記(1)式であらわ
される構造で、潜在NCO%が12〜21重量%、重量
平均分子量が2000〜20000、融点が60〜14
0℃でかつ40℃以下でブロッキングしない直鎖状結晶
性ポリウレトジオン2〜50重量部からなる粉体塗料組
成物、その製造方法およびその粉体塗料組成物で金属表
面に塗膜を形成したプレコート金属に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体塗料組成物および
その製造方法に関する。更に、本発明は、家庭電気製
品、建材、道路資材、自動車部品及び自動車本体、事務
家具及び電機機器部品として使用できる金属板及び金属
成形品の表面に塗膜を形成させたプレコート金属に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤系塗料は、作業環境を悪く、悪
臭防止の観点から安全および衛生性等の問題であり、ま
た、最近の世界の動向であるVOC規制で、塗料および
塗装産業においては、脱溶剤型塗料へとシフトする状況
となりつつある。また、溶剤型塗料を塗装したプレコー
ト金属は、金属表面への塗装時に大量の有機溶剤を使用
するためにしており、問題である。粉体塗料は、火災の
危険性が少なく、塗料を回収して再使用できるので環境
汚染も少なく、また厚膜形成が可能であり、塗膜物性の
向上が期待できるので、ポリウレタン塗料も粉体化の要
求が高まってきている。
【0003】現在のポリウレタン粉体塗料は、主剤のポ
リエステルポリオールと、硬化剤として特公昭61−3
1744号公報に開示されているようなイソホロンジイ
ソシアネート(以下IPDIと略)よりなるポリイソシ
アネートのNCO基をε−カプロラクタムのようなブロ
ック剤でブロックしたものを押出機でブロック剤が解離
しない温度で溶融混合し、その後粉砕して塗料とするも
のが主流である。しかるに、この方法は塗装焼付け時に
ブロック剤を解離させてポリオールと架橋反応をさせる
ため、放出されるブロック剤が環境および衛生に影響を
およぼすので問題である。この欠点を解決するには特公
昭64−5627号公報、特公平2−16332号公報
にIPDI、特公昭57−46447号公報にトリレン
ジイソシアネートあるいはヘキサメチレンジイソシアネ
ート(以下HDIと略)を用いてブロック剤を使用しな
いポリウレトジオン型硬化剤が開示されている。これは
2モルのNCO基同士でできるウレトジオン環が塗装焼
付け時に再び2モルのNCO基に解離し、ポリオールと
反応することができるので、粉体塗料用硬化剤とするも
のである。しかし、IPDIは脂環族であるため耐候性
は芳香族イソシアネートより良好ではあるが、まだ十分
でなく、表面平滑性に問題があり、また化学構造的にN
CO基が非対称であるため解離温度が高く、ゲル分率が
上がらず、耐衝撃性等の機械的物性にも欠点がある。
【0004】特公昭57−46447号公報では、実施
例にHDIのポリウレトジオンの製造方法が開示されて
いるが、潜在NCO%が低くために、ゲル分率が上がら
ず、耐衝撃性等の機械的物性が低下すると推測され、粉
体塗料用の硬化剤として、満足できるものではない。粉
体塗料を焼き付けしたプレコート金属では、エポキシ系
樹脂をポリオールの硬化剤とした粉体塗料を塗装したプ
レコート金属では、耐候性が著しく悪くなり使用範囲が
限られるという問題がある。また、耐候性を改善するた
めに、硬化剤としてブロック型のイソシアネートを使用
すると、塗料焼き付け時にブロック物が飛散し、溶剤型
塗料と同様に塗装作業環境を悪くし、かつ悪臭を伴うと
いう問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
な粉体塗料用硬化剤を使用して表面平滑性、耐候性、機
械的物性に優れた塗膜を与える粉体塗料組成物、その製
造方法およびその粉体塗料で塗装したプレコート金属を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意検討した結果、ポリウレトジオン構
造単位中にヘキサメチレン基を導入した新規なポリウレ
トジオンを粉体塗料用硬化剤として採用することによ
り、耐候性、表面平滑性、機械的物性に優れた粉体塗料
組成物を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、水酸基価が20〜300m
gKOH/gであって室温で固体のポリエステルポリオ
ール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールから選ば
れた一種以上のポリオール100重量部に対して、下記
(1)式であらわされる構造で、潜在NCO%が12〜
21重量%、重量平均分子量が2000〜20000、
融点が60〜140℃でかつ40℃以下でブロッキング
しない直鎖状結晶性ポリウレトジオン2〜50重量部か
らなることを特徴とする粉体塗料組成物であり、該粉体
塗料組成物を80〜140℃の温度で溶融混合させたこ
とを特徴とする粉体塗料組成物、その製造方法および該
粉体塗料組成物で金属表面に塗膜を形成したプレコート
金属である。
【0008】
【化2】
【0009】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンは、(1)式であらわされる構造で、(1)式の
構造中のR1 は、具体的には、ジオールの2個のOH基
以外の残基であり、エチレングリコールの場合は、−C
2 −CH2 −、ジエチレングリコールの場合は、−C
2 −CH2 −O−CH2 −CH2 −で表される。また
2 は、具体的には、活性水素一個を持つ化合物の活性
水素を除いた残基であり、エタノールの場合は、−OC
2 5 、ε−カプロラクタムの場合は、C5 10
(O)N−で表される。
【0010】本発明で潜在NCO%とは、下記(2)式
中のウレトジオン環を2モルのNCOに換算した値であ
り、ポリウレトジオン中の潜在NCO%はウレトジオン
環含有量から計算できる。
【0011】
【化3】
【0012】本発明のポリウレトジオンの潜在NCO%
は、12重量%以上、21重量%以下で、好ましくは、
14重量%以上、19重量%以下である。潜在NCO%
が12重量%未満だと、ゲル分率が上がらず、耐候性お
よび耐衝撃性等の機械的物性が劣るので好ましくない。
21重量%を越えるポリウレトジオンの製造は、理論的
に困難である。
【0013】本発明のポリウレトジオンの重量平均分子
量は、2000以上、20000以下で、好ましくは、
2000以上、15000以下である。重量平均分子量
は、2000未満だと末端基の増加により、架橋に関与
する潜在NCO%の低下が起こる。架橋に関与するため
にはウレトジオン環が、開環したときに、両末端がNC
O基となることが必要であるが、OH基と反応しない末
端基が多量になりすぎるとゲル分率が上昇しない。また
20000を越えると、ポリオールと溶融混合、粉砕し
て塗料とした場合、塗装焼付け時の溶融粘度が高くな
り、塗膜の表面平滑性が劣るので好ましくない。
【0014】本発明のポリウレトジオンの融点は、60
℃以上、140℃以下で、好ましくは、70℃以上、1
30℃以下である。融点が60℃未満だと、ポリオール
と溶融混合、粉砕して粉体とした場合、粉体どうしがブ
ロッキング(塊状化)を引き起こすことがあるので好ま
しくない。また140℃を越えるとこれ以上の熱溶融加
工温度が必要なポリオールと例えば押出機、ニーダー等
で混練する場合、ウレトジオン環の開環が起こりNCO
基とOH基の反応により架橋が起こり、著しく混練機の
トルクが上昇し、運転が困難になるので好ましくない。
【0015】本発明のポリウレトジオンは、40℃以下
でブロッキングしないことが必要である。その理由は、
ポリオールと溶融混合、粉砕して粉体とした場合、夏期
には保存中に粉体どうしがブロッキング(塊状化)を引
き起こすためである。ブロッキングしないためには、ポ
リウレトジオンの結晶性を高くする方が良く、そのため
にはジオールの選択が重要であり、側鎖のない直鎖のジ
オールが多いものの方が好ましい。
【0016】また、水酸基価が20〜300mgKOH
/gであって室温で固体で、好ましくは、酸価が10m
gKOH/g以下、ガラス転移温度40〜80℃、重量
平均分子量5000〜30000であるポリエステルポ
リオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールから
選ばれた一種以上のポリオール100重量部に対して、
上記で規定した(1)式で表せる直鎖状結晶性ポリウレ
トジオンを2〜50重量部からなる粉体塗料組成物であ
る。ポリウレトジオンの添加量が2重量%未満であると
架橋反応が十分でなく、塗膜の耐候性、機械的物性が劣
り、50重量%を越えると余剰の架橋剤が残存し、塗膜
の機械的物性等が低下する。
【0017】ポリエステルポリオール類としては、例え
ば、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、
無水マレイン酸、無水フマル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸などのカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単
独または混合物と、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの
単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエ
ステルポリオール樹脂類、及びε−カプロラクトンを多
価アルコールを用いて開環重合して得られるポリカプロ
ラクトン、さらには、ヒマシ油に代表される、水酸基を
有する脂肪族と多価アルコールとのエステル類等が挙げ
られる。
【0018】アクリルポリオール類としては、分子中に
1個以上の活性水素をもつ重合性モノマーと、これに共
重合可能なモノマーを共重合させることによって得られ
る。このようなものとしては、例えば、アクリル酸−2
−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロ
ピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチルなどの活性水
素をもつアクリル酸エステル類、メタアクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシプ
ロピル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシブチルなどの
活性水素をもつメタアクリル酸エステル類、またはグリ
セリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸
モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モ
ノエステルあるいはメタアクリル酸モノエステル等の多
価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類等の
群から選ばれた単独または混合物とアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなど
のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタ
アクリル酸エチル、メタアクリル酸イソプロピル、メタ
アクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、
メタアクリル酸−n−ヘキシルなどのメタアクリル酸エ
ステル類の群から選ばれた単独または混合物とを、アク
リル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カル
ボン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミドなどの不飽和アミド、お
よびスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリル
ニトリルなどのその他の重合性モノマーの群から選ばれ
た単独または混合物の存在下、あるいは非存在下におい
て重合させて得られるアクリルポリオール樹脂類が挙げ
られる。
【0019】フッ素ポリオール類としては、フルオロオ
レフインまたはフッ素含有ビニル単量体と水酸基含有ビ
ニル単量体を必須成分として、これらと共重合可能なビ
ニル単量体と共重合させて得られるフッ素ポリオール類
があげられる。上記に示したポリオール類は適宜混合し
て用いることも可能である。また、上記ポリエステルポ
リオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオールの他
にエポキシ樹脂類、ポリカーボネートポリオール類、ウ
レタンポリオール類等のポリオールを使用してもかまわ
ない。エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラック
型、β−メチルエピクロルヒドリン型、環状オキシラン
型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グ
リコールエーテル型、脂肪族不飽和化合物のエポキシ化
型、エポキシ化脂肪族エステル型、多価カルボン酸エス
テル型、アミノグリシジル型、レゾルシン型などのエポ
キシ樹脂類が挙げられる。ポリカーボネートポリオール
類としては、ビスフェノールA等のような芳香族多価ア
ルコールや1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族・脂環
族多価アルコール類を原料として常法により得られるも
のが挙げられる。また、ウレタンポリオール類として
は、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートと活性
水素を持つ化合物との付加反応の繰り返しで生成するポ
リマーであり、ポリマー中にウレタン結合を持ち、ポリ
マー側鎖や末端にOH基を持つものをあげることができ
る。
【0020】また、本発明の粉体塗料組成物は、上記ポ
リエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、フッ
素ポリオールから選ばれた一種以上のポリオールと
(1)式で示される直鎖状結晶性ポリウレトジオンを8
0〜140℃の温度で溶融混合させる。80℃未満であ
ると、部分的に未溶融のものができるために、混合が不
十分になる。140℃を越えると、ウレトジオン環の開
環が起こりNCO基とOH基の反応により架橋が起こ
り、著しく混練機のトルクが上昇し、運転が困難になる
ので好ましくない。この溶融混合は、例えば押出機、ニ
ーダー等により機械的に行うことができる。
【0021】本発明で使用する直鎖状結晶性ポリウレト
ジオンは、ウレトジオン環およびトリアジン環を含有す
るHDIからなるポリイソシアネート組成物とジオール
および/またはジオールと活性水素一個を持つ化合物を
反応させることにより製造することができる。本発明に
用いるポリイソシアネート組成物は、前記(2)式のウ
レトジオン環、下記(3)式のトリアジン環構造を有す
るポリイソシアネートの混合物であり、ウレトジオン環
含有ポリイソシアネートが80重量%以上、トリアジン
環含有ポリイソシアネートが20重量%以下のポリイソ
シアネート組成物である。
【0022】
【化4】
【0023】特公昭57−46447号公報で示されて
いるポリウレトジオンとの根本的な違いは、このポリイ
ソシアネート組成物の純度にある。トリアジン環含有ポ
リイソシアネートが20重量%を越えるとポリウレトジ
オン構造単位の直鎖性がなくなり、即ち粉体塗料として
焼き付けるときの溶融流動性が悪くなって塗膜表面平滑
性に劣るようになるので粉体塗料用硬化剤としては価値
のないものとなる。
【0024】上記ポリイソシアネート組成物とジオール
および/またはジオールと活性水素一個を持つ化合物の
添加量は、NCO基/活性水素基のモル数の比が、0.
8以上、1.2以下、好ましくは、0.9以上、1.1
以下になるように調整する。モル数の比が0.8未満だ
と潜在NCO%が低くなり、耐候性や機械的物性を満足
できない。また1.2を越えるとポリウレトジオンの末
端基には多量のNCO基が付いていることになり、押出
機およびニーダー等でポリオールと溶融混合する際に、
OH基と架橋反応が起こるため、焼き付け時の溶融流動
性が悪くなり、塗膜表面平滑性が良くない。
【0025】本発明で使用するポリウレトジオンの製造
に際して、上記ポリイソシアネート組成物中へのジオー
ルおよび活性水素一個を持つ化合物の添加は、単独かま
たは混合して行ってよいが、添加方法は反応熱の急激な
上昇を防ぐために少しずつ連続的または分割添加するの
が好ましい。なお単独で添加する場合の順序はどちらが
先でも構わない。反応温度は、60℃未満だと反応が遅
く、120℃を越えるとウレタン反応以外(ウレタン反
応により鎖伸長が起こる)の反応が起こり、ゲル化する
場合があるので好ましくない。なお反応に際し、例えば
有機スズ系等のウレタン化触媒を併用しても良い。
【0026】本発明で使用されるHDIのポリイソシア
ネート組成物の合成は、イソシアネート基に対して反応
活性を持たない溶剤中もしくは非溶媒で、以下に示す触
媒の存在下、使用量としてはHDIに対し、0.1〜
1.0重量%添加し、室温から100℃の範囲の温度で
数時間反応し、触媒の反応性を失活させるリン酸等の触
媒毒を添加して反応を停止したあとに、未反応HDIを
例えば薄膜蒸留機等で除去すると得ることができる。こ
のHDIの除去精製は充分に行う必要がある。
【0027】上記の触媒としては、トリスジメチルアミ
ノホスフィン、トリスジエチルアミノホスフィン、トリ
スジプロピルアミノホスフィン、トリスジブチルアミノ
ホスフィン、トリスジペンチルアミノホスフィン及びト
リスジヘキシルアミノホスフィン等のトリス(ジアルキ
ルアミノ)ホスフィン類や、アルキル基がメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルのテトラ
アルキルビホスフィン、テトラフェニルビホスフィン類
や、アルキレン基としてメチレン、エチレン、プロピレ
ン及びブチレン、アルキル基がメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル及びヘキシルの1.2−ビス(ジ
アルキルホスフィン)アルキレン、1.2−ビス(ジフ
ェニルホスフィン)アルキレン、1.2−ビス(ジアル
キルホスフィン)フェニレン及び1.2−ビス(ジフェ
ニルホスフィン)フェニレン類等があげられる。上記の
触媒は単独及び混合系で使用することができる。
【0028】ポリウレトジオンが粉体塗料用の硬化剤と
して使用できるためには、製造原料(本発明中で言うポ
リイソシアネート組成物である)であるウレトジオン環
構造を有するポリイソシアネートの純度が最大の問題で
あり、特公昭57−46447号公報では、ウレトジオ
ン化触媒として脂肪族性置換基を有する第三級ホスフィ
ン、例えばトリエチルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、フェニルジメチルホスフィン等を用いてウレトジオ
ン環含有ポリイソシアネート(公報では二量体と表現)
を得ている。これら触媒は、ウレトジオン化と同時に、
多量のトリアジン化が併発するものである。すなわちト
リアジン環まで反応が進めば分子構造が非直鎖状となる
ため塗膜表面平滑性が発現せず、更に焼付け塗装時に再
びNCO基に解離するのは不可能となり、また潜在NC
O%の低下が起こるため、塗膜の耐候性や機械的物性が
劣り、商品価値のないものとなるからである。
【0029】本発明に用いるジオールの使用目的は、鎖
伸長剤であるが、その例としては、脂肪族、脂環族、芳
香族のジオールであり、例えばエチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオー
ル、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペン
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール1,5−ヘキサンジオール1.2−ヘキ
サンジオール2,5−ヘキサンジオール、オクタンジオ
ール、ノナンジオール、デカンジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、シクロヘキサンジオール、フェニルハイドロキ
ノン、ジヒドロキシナフタレン、ハイドロキノン等であ
る。
【0030】また、本発明で用いる活性水素一個を持つ
化合物の使用目的は、分子量調整剤であるが、その例と
しては、脂肪族、脂環族、芳香族のモノオール、モノア
ミン、ラクタム、オキシムであり、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコ
ール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノ
ニルアルコール、シクロブタノール、シクロヘキサノー
ル、フェノール、ベンジルアルコール、アミノプロパ
ン、アミノブタン、アミノペンタン、アミノヘキサン、
アミノオクタン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラク
タム、ホルムアルドオキシム、メチルエチメケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等である。
【0031】本発明の粉体塗料組成物は、上記に示した
ポリオール類と直鎖状結晶性ポリウレトジオンの他に顔
料、着色剤、表面平滑剤、ハジキ防止剤、発泡防止剤、
硬化反応促進剤、光劣化防止剤、紫外線防止剤、可塑
剤、酸化防止剤、塩害防止剤等の当該技術分野で使用さ
れている各種添加剤を混合して使用できる。本発明の粉
体塗料組成物の調整方法と塗装方法の一例を述べる。ま
ず、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フ
ッ素ポリオールより選ばれた一種以上のポリオールと、
(1)式であらわされるポリウレトジオンを顔料等の上
記に示した添加剤とともにヘンシェルミキサー等で一旦
混合し、多軸押出し機およびニーダー等で80〜140
℃の温度範囲で溶融混合させる。溶融混合された粉体塗
料原料は、冷却後、粗粉砕機と微粉砕機により約100
μm以下の粉体にする方法でなされる。粉体塗料の一般
的な塗装方法はスプレーガンによる静電塗装であるが、
流動浸漬漕、スプレーコート、ロールコート、カーテン
フローコート等による塗装もなされる。次に、160℃
以上の温度による加熱焼き付けにより、均一な塗膜を塗
被体上に形成させる。
【0032】上記の塗被体としては、主として金属板を
あげることができる。金属板としては、ステンレス板、
アルミニウム板、チタン板、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼
板、クロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ニッ
ケルメッキ鋼板等があり、必要に応じて金属表面をアル
カリ脱脂等による洗浄や、塗膜との密着性を上げるため
に金属表面を化成処理する。また、上記金属板をあらか
じめ所定の成形がなされた金属成形体でもよい。必要に
応じてあらかじめ金属表面に下塗りを行っていてもよ
い。その下塗りの塗膜厚みとしては10μm以下が好ま
しい。
【0033】本発明の塗膜を形成したプレコート金属の
製造方法としては、前述した金属板もしくはあらかじめ
成形された金属成形体をスプレーコート、ロールコー
ト、カーテンフローコート、静電塗装等の通常行われて
いる方法により金属表面に粉体塗料を付着させる。次に
140℃以上の温度による加熱焼き付けにより均一な塗
膜を形成させる。金属板以外の塗被体としては、コンク
リート製品、木材製品及びプラスチック製品をあげるこ
とができる。
【0034】
【実施例】ポリイソシアネート組成物中のNCO%含有
量は、過剰のジ−n−ブチルアミンを添加して、イソシ
アネート基と反応させた後、未反応のアミンの量を塩酸
で逆滴定し、重量%で求めた。ポリイソシアネート組成
物中のウレトジオン環含有ポリイソシアネートとトリア
ジン環含有ポリイソシアネートの含有量は、赤外分光光
度計(FT−IR)にて検量線を作成し、ウレトジオン
環の吸収(1767cm-1)とトリアジン環の吸収(1
688cm-1)の比から求めた。
【0035】ポリウレトジオンの構造単位は、赤外分光
光度計(FT−IR)により、ウレトジオン環、ウレタ
ン結合、ヘキサメチレン基の吸収で確認した。ポリウレ
トジオン中の潜在NCO%は、赤外分光光度計(FT−
IR)にて検量線を作成して、それより求めた。ポリウ
レトジオンの融点は、示差走査熱量計(DSC)で測定
した。
【0036】ポリウレトジオンのブロッキング性は、試
料を粉砕機で粉砕し、8メッシュで篩ったものを、40
mmφの試験管中に15gとり、20g/cm2 の荷重
をかけ、40℃で240時間放置後、試料を取り出した
時、もとの紛末状に戻るものを○、戻りにくいものを×
とした。ポリウレトジオンの重量平均分子量は、テトラ
ヒドロフランに溶解してゲル浸透クロマトグラフ(GP
C−RI検出器)で測定して求めた。
【0037】塗膜物性は、得られた塗料組成物を微粉砕
用ハンマーミルで粉砕し、100メッシュで篩ったもの
を、燐酸亜鉛処理した鋼板に静電塗装し、210℃で7
分間焼き付けたものを測定した。塗膜の表面平滑性は2
0°光沢の値で表した。塗膜の耐衝撃性はデュポン式衝
撃試験器で測定し、1kg−1/2インチφの条件下で
塗膜に破れが生じない最高の高さ(cm)で表した。
【0038】耐候性試験は、サンシャインウェザーメー
ターにて行い、250時間後の60°光沢値を試験開始
前の60°光沢値で除し、保持率(%)で表した。ゲル
分率は、焼き付けた塗板を20℃のアセトンに浸し、2
4時間後に取り出して、100℃で1時間乾燥した後の
重量から酸化チタン顔料の重量を減じた値を元の重量か
ら酸化チタンの重量を減じた値で除し、百分率(%)で
求めた。
【0039】(合成例1)〔本発明に用いるポリウレト
ジオンの合成〕 撹拌機を取り付けた四ッ口フラスコに、HDIを5モル
と、トリスジエチルアミノホスフィン0.01モルを加
えた。60℃で反応を進行させ、4時間後反応液にリン
酸0.03モルを添加し、反応を停止した。リン酸添加
後、数分で失活触媒が結晶として析出した。その後、さ
らに60℃で1時間加熱を続け、常温に冷却した。析出
物を濾過により除去した後、流下式薄膜蒸発装置を用い
て、1回目0.3Tor./155℃、2回目0.2t
or./145℃で未反応のHDIを除去した。
【0040】得られた生成物は、微黄色、透明の液体
で、NCO%含有量は24.5%であった。また、生成
したポリイソシアネート中にはウレトジオン環含有ポリ
イソシアネートの含有量が94重量%、トリアジン環含
有ポリイソシアネートの含有量が6重量%であった。 (比較合成例1)触媒をトリブチルホスフィンとする他
は合成例1と同様にしてポリイソシアネート組成物を得
た。
【0041】得られた生成物は、微黄色、透明の液体
で、NCO%含有量は24.5%であった。また、生成
したポリイソシアネート中にはウレトジオン環含有ポリ
イソシアネートの含有量が75重量%、トリアジン環含
有ポリイソシアネートの含有量が25重量%であった。
【0042】
【実施例1】合成例1で得たポリイソシアネート組成物
50モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、
温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.
0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モル
をウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算
した)エチレングリコール40モルを温度が100℃を
越えないように分割添加して、その後にエタノール20
モルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続
け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移
し、室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構
造確認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確
認した。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は1
9.5%、重量平均分子量2100、融点89℃及びブ
ロッキング性は○であった。
【0043】つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガ
ラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重
量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と酸
化チタンを39重量部、モダフローパウダーを0.5
部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この
配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸
押出機で120℃において溶融混合し、出てきた溶融物
を10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を
得た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機に
より粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガ
ン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き
付けた塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光
沢値82、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率
91%であり、非常に良好なものであった。
【0044】
【実施例2】水酸基価23mgKOH/g、ガラス転移
温度54℃のポリエステルポリオール100重量部に実
施例1で得られたポリウレトジオン20重量部と酸化チ
タン40重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブ
チル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物を
ヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で
100℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃
のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得
られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕
し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電
塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗
膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値8
0、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率91%
であり、非常に良好なものであった。
【0045】
【実施例3】水酸基価188mgKOH/g、ガラス転
移温度54℃のポリエステルポリオール100重量部に
実施例1で得られたポリウレトジオン22重量部と酸化
チタン41重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジ
ブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。この配合物
をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機
で120℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10
℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。
得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉
砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静
電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた
塗膜物性を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値7
4、耐衝撃性50cm、耐候性80%、ゲル分率94%
であり、非常に良好なものであった。
【0046】
【実施例4】合成例1で得たポリイソシアネート組成物
15モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、
温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.
0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モル
をウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算
した)エチレングリコール14モルを温度が100℃を
越えないように分割添加して、その後にエタノール2モ
ルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続け、
降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、
室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構造確
認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確認し
た。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は19.
8%、重量平均分子量6000、融点97℃及びブロッ
キング性は○であった。
【0047】つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガ
ラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重
量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と3
9重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫
ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシ
ェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で125
℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピン
チローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた
粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、1
00メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機
で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性
を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値80、耐衝
撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率90%であり、
非常に良好なものであった。
【0048】
【実施例5】合成例1で得たポリイソシアネート組成物
30モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、
温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.
0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モル
をウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算
した)エチレングリコール29モルを温度が100℃を
越えないように分割添加して、その後にエタノール2モ
ルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続け、
降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移し、
室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構造確
認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確認し
た。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は19.
8%、重量平均分子量12000、融点98℃及びブロ
ッキング性は○であった。
【0049】つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガ
ラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重
量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と3
9重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫
ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシ
ェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120
℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピン
チローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた
粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、1
00メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機
で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性
を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値80、耐衝
撃性50cm、耐候性84%、ゲル分率90%であり、
非常に良好なものであった。
【0050】
【実施例6】合成例1で得たポリイソシアネート組成物
15モルを撹拌翼を取り付けた四つ口フラスコに入れ、
温度を80℃に保ち、NCO基/OH基のモル比が1.
0になるように(ポリイソシアネートはNCO基2モル
をウレトジオン環含有ポリイソシアネート1モルに換算
した)1,4−ブタンジオール14モルを温度が100
℃を越えないように分割添加して、その後にエタノール
2モルを同様に分割添加した。そのまま1時間撹拌を続
け、降温せずにそのままポリプロピレン製ビーカーに移
し、室温まで冷却した。得られたポリマーを粉砕し、構
造確認を行ったところポリウレトジオンの構造単位を確
認した。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%は1
8.9%、重量平均分子量6400、融点126℃及び
ブロッキング性は○であった。
【0051】つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガ
ラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重
量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と3
9重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫
ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシ
ェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で130
℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピン
チローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた
粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、1
00メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機
で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性
を測定した。得られた塗膜は、20°光沢値81、耐衝
撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率91%であり、
非常に良好なものであった。
【0052】
【実施例7】水酸基価53mgKOH/gのアクリルポ
リオール100重量部に実施例1で得られたポリウレト
ジオン18重量部と酸化チタン39重量部、モダフロー
パウダーを0.5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部
を配合した。この配合物をヘンシェルミキサーで一旦混
合した後に、二軸押出機で120℃において溶融混合
し、出てきた溶融物を10℃のピンチローラーで冷却
し、粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組成物を
粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、100メッシュで篩
った粉体をスプレーガン式静電塗装機で燐酸亜鉛処理し
た鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性を測定した。得ら
れた塗膜は、20°光沢値81、耐衝撃性50cm、耐
候性88%、ゲル分率90%であり、非常に良好なもの
であった。
【0053】
【実施例8】ヘキサメチレンジイソシアネートの二量体
15モルとエチレングリコール14モルとエタノール2
モルを100℃の反応温度でウレタン反応させて得られ
たポリウレトジオンは、潜在NCO%19.8%、重量
平均分子量6000、融点97℃及びブロッキング性も
良好であった。
【0054】水酸基価39mgKOH/gのポリエステ
ルポリオール55重量%、上記で得られたポリウレトジ
オン8重量%(ポリエステルポリオール100重量%に
対して15重量部)、酸化チタン顔料35重量%、レベ
リング剤2重量%を二軸押し出し機により110℃で混
練する。押し出し機のダイスより出てきた混練されたも
のを冷却後、ペレット状に粉砕し、次にそのペレットを
微粉砕機により平均粒度約100μmの粉体にする。
【0055】得られた粉体を静電塗装機により、あらか
じめ脱脂した1mm厚みの鋼板に塗装し、180℃の雰
囲気温度の焼き付け炉に入れ、約10分で硬化した塗膜
が得られた。焼き付け時にはブロック剤の臭気もなく、
焼き付け炉にも付着物はなかった。得られた塗膜は、厚
み約80μmの平滑な塗膜であり、ピンホールのない仕
上がり外観も良好であった。塗膜の物性は、20°光沢
値80、耐衝撃性50cm、耐候性85%、ゲル分率9
0%であり、非常に良好なものであった。
【0056】
【実施例9】水酸基価53mgKOH/gのアクリルポ
リオールを用いて実施例8と同様に行った。焼き付け時
にはブロック剤の臭気もなく、焼き付け炉にも付着物も
なく、得られた塗膜は、厚み約80μmの平滑な塗膜で
あり、ピンホールのない仕上がり外観も良好であった。
塗膜の物性は、20°光沢値81、耐衝撃性50cm、
耐候性88%、ゲル分率90%であり、非常に良好なも
のであった。
【0057】
【比較例1】比較合成例1で得られたポリイソシアネー
ト組成物を用いて、実施例4と同様にしてポリウレトジ
オンを得た。得られたポリウレトジオンの潜在NCO%
は15.8%、テトラヒドロフランに不溶のため重量平
均分子量は測定不能であり、融点なし及びブロッキング
性は×であった。
【0058】つぎに、水酸基価40mgKOH/g、ガ
ラス転移温度59℃のポリエステルポリオール100重
量部に上記で得られたポリウレトジオン16重量部と3
9重量部、モダフローパウダーを0.5部、ジブチル錫
ジラウレート0.3部を配合した。この配合物をヘンシ
ェルミキサーで一旦混合した後に、二軸押出機で120
℃において溶融混合し、出てきた溶融物を10℃のピン
チローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得た。得られた
粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機により粉砕し、1
00メッシュで篩った粉体をスプレーガン式静電塗装機
で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付けた塗膜物性
を測定した。塗膜は、20°光沢値20、耐衝撃性30
cm、耐候性60%、ゲル分率80%であった。
【0059】
【比較例2】水酸基価53mgKOH/gのアクリルポ
リオール100重量部にヒュルス製のIPDIから得ら
れたポリウレトジオン(商品名:B1540)18重量
部と酸化チタン39重量部、モダフローパウダーを0.
5部、ジブチル錫ジラウレート0.3部を配合した。こ
の配合物をヘンシェルミキサーで一旦混合した後に、二
軸押出機で120℃において溶融混合し、押出溶融物を
10℃のピンチローラーで冷却し、粉体塗料組成物を得
た。得られた粉体塗料組成物を粗粉砕機と微粉砕機によ
り粉砕し、100メッシュで篩った粉体をスプレーガン
式静電塗装機で燐酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、焼き付
けた塗膜物性を測定した。塗膜は、20°光沢値72、
耐衝撃性30cm、耐候性55%、ゲル分率70%であ
った。
【0060】
【比較例3】ポリウレトジオンの替わりにヒュルス社製
のイソホロンジイソシアネートよりなるブロックイソシ
ヌレート(商品名:B1530)を用いて実施例8と同
様に行った。塗膜は、厚み約80μmの平滑な塗膜であ
り、ピンホールのない仕上がり外観も良好であったが、
焼き付け時にε−カプロラクタムの臭気が発生し、焼き
付け炉内にε−カプロラクタムが付着していた。塗膜の
物性は、20°光沢値88、耐衝撃性50cm、耐候性
61%、ゲル分率90%であった。
【0061】
【発明の効果】本発明の粉体塗料組成物は、焼き付け時
にブロック剤の悪臭がしない新規なポリウレトジオン硬
化剤を使用しており、また得られた塗膜は、表面平滑
性、耐候性、機械的物性に優れている。従って、家電製
品、建材、自動車部品、事務家具、電機機器部品の塗料
として有用で、本発明の粉体塗料を塗装したプレコート
金属は、家庭電気製品、建材、道路資材、自動車部品及
び自動車本体、事務家具及び電機機器部品として使用で
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基価が20〜300mgKOH/g
    であって室温で固体のポリエステルポリオール、アクリ
    ルポリオール、フッ素ポリオールから選ばれた一種以上
    のポリオール100重量部に対して、下記(1)式であ
    らわされる構造で、潜在NCO%が12〜21重量%、
    重量平均分子量が2000〜20000、融点が60〜
    140℃でかつ40℃以下でブロッキングしない直鎖状
    結晶性ポリウレトジオン2〜50重量部からなることを
    特徴とする粉体塗料組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粉体塗料組成物を80〜
    140℃の温度で溶融混合させたことを特徴とする粉体
    塗料組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の粉体塗料組成物で金属表
    面に塗膜を形成したことを特徴とするプレコート金属
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005118731A3 (en) * 2003-09-30 2006-03-02 Gen Electric Coating compositions, their preparation, and coated articles made therefrom
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