JP3979879B2 - 熱硬化型塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱硬化型一液塗料組成物に関し、更に詳しくは、ブロック型ウレタン樹脂を配合したにもかかわらず、低粘性でスプレー特性が良好な熱硬化型一液塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用耐チッピング塗料やシーラーには塩化ビニル系プラスチゾルが使用されていた。しかし、近年、環境問題への取り組みからアクリルゾル系プラスチゾルが使用されつつある。
【0003】
アクリルゾル系プラスチゾルは、塩化ビニル系プラスチゾルに比較して密着性や耐チッピング性に劣るという欠点がある。その欠点を改良するために、ブロック型ウレタン樹脂及びその硬化剤を配合する検討が行われている。このブロック型ウレタン樹脂の配合量が多くなるほど塗膜の性能は改善されるが、従来のブロック型ウレタン樹脂は高粘性液体物質であるため、これを配合することにより、スプレー特性が悪くなる。従って、ブロック型ウレタン樹脂の配合量には限界があり、未だ性能的にも満足できるものは得られていない。また、ブロック型ウレタン樹脂に硬化剤を配合することにより、貯蔵安定性が低下するという問題も生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するものであり、本発明の目的は、ウレタン樹脂を配合しているにも拘わらず、密着性や耐チッピング性に優れ、しかもスプレー特性が良好な熱硬化型一液塗料組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱硬化型一液塗料組成物は、アクリル重合体微粒子(A)とブロック型ウレタン樹脂(B)とを含有する熱硬化型一液塗料組成物であって、前記ブロック型ウレタン樹脂(B)が、液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)と微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)とによって構成されていることを特徴とする。
【0006】
微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネートを使用することにより、高粘性の液体ブロック型ウレタン樹脂の使用量を削減できることから、従来問題とされたスプレー特性の低下もなく、また、粉体であることから硬化剤と混在しても貯蔵安定性に問題を生ずることもない。更に、密着性や耐チッピング性も向上させることができる。
【0007】
ここで、アクリル重合体微粒子(A)と、液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)と微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)との比率は、重量比で(A):(B1):(B2)=100:0〜40:3〜40であることが好ましい。
【0008】
また、微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)の熱溶融温度は、100℃以上160℃以下であることが好ましい。
【0009】
更に、微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)の粒子径は、50μm以下であることが好ましい。
【0010】
加えて、液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)及び微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)の熱解離温度は、それぞれ130℃以下であることが好ましい。
【0011】
本発明の熱硬化型一液塗料組成物は、硬化剤、可塑剤、充填剤、発泡剤及び溶媒からなる群から選択される添加物質を更に含有している。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の熱硬化型一液塗料組成物に使用されるアクリル重合体微粒子(A)としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート等のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等から選択されるモノマーの単一重合体及び共重合体の微粒子が挙げられる。
【0013】
アクリル重合体微粒子(A)は、アクリルゾルの貯蔵安定性を向上させるために、コア部を可塑剤親和性ポリマー、シェル部を可塑剤非親和性ポリマーで構成したコア−シェル型アクリル重合体微粒子であることが好ましい。アクリル重合体微粒子(A)を構成するポリマーの分子量は、塗膜強度、貯蔵安定性等の観点より、重量平均分子量で一万〜数百万であるものが好ましく、その平均粒子径は、塗装性の点で0.1〜50μmの範囲のものを用いることが好ましい。
【0014】
本発明の熱硬化型一液塗料組成物に使用される液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンとは、液状のブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであり、1分子当たり少なくとも2個以上の水酸基を有するポリオールに、過剰のポリイソシアネートを反応させて末端イソシアネート基含有プレポリマーとした後、ブロック化剤と反応せしめたものである。
【0015】
上記ポリオールとしては、例えば1,3−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、モノ、ジ、又はトリエタノールアミン、ジグリセリン、ソルビトール、庶糖等の単独若しくは混合物にプロピレンオキシド若しくはエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加重合させた、ポリオール、ヒマシ油等が挙げられる。更にアジピン酸、無水フタル酸等の二塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン等のグリコールやトリオールとの脱水縮合反応により得られる各種ポリエステルポリオール、ε−カプロラクタムの開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール、ポリオールのホスゲン化物、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法で合成されるポリカーボネートジオール、アクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオール等を挙げることができる。
【0016】
上記ポリイソシアネートとしては、従来から慣用されている芳香族、脂肪族又は脂環族の有機ポリイソシアネートを使用することができ、具体例として、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート、又はこれらのビュレット化物、イソシアヌレート化物、カルボジイミド変性体、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらポリイソシアネートの中で、芳香族ジイソシアネートは、ブロック剤の解離温度が低く、かつ反応速度が大きいという利点があるので好ましい。
【0017】
本発明の液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)に於ける末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー中のNCO基の含有量は、通常1.5〜10重量%であるが、2〜5重量%であることが好ましい。この範囲より少ないと、架橋性が不足するため、十分な強度が発現せず、耐ピッチング性も低下する。また、上記範囲を超えると、反応生成物は脆いものとなり、耐ピッチング性が低下し、発泡現象が認められるようになるので好ましくない場合がある。
【0018】
液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンの調製に使用される上記ブロック化剤としては、フェノール系、ラクタム系、オキシム系、活性メチレン系、アルコール系、ベンゾトリアゾール、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系のものを例示することができる。ここで、フェノール系ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール等を例示することができ、ラクタム系ブロック化剤としては、カプロラクタム、バレロラクタム、ブチロラクタム、プロピオラクタム等を例示することができ、オキシム系ブロック化剤としては、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等を例示することができ、活性メチレン系ブロック化剤としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等を例示することができ、アルコール系ブロック化剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を例示することができ、アミン系化合物としてはジシクロヘキシルアミン、3,5−ジメチルピラゾール等を例示することができる。
【0019】
これらのうちで好ましいブロック化剤は、オキシム化合物及びフェノール類、活性メチレン化合物、アミン系化合物であり、特に好ましいものはオキシム化合物である。
【0020】
液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンの製造に際して、粘度が上昇する場合には、予め粘度低下剤として溶媒や可塑剤を添加してもよい。液状ブロック型ウレタン樹脂のブロック剤の熱解離温度は、上述のように130℃以下とすることが好ましい。130℃を超える場合、塗料の焼付け乾燥時の反応が不十分となり満足される性能が得られない場合がある。
【0021】
本発明の熱硬化型一液塗料組成物に於ける微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとは、微粉状にしたブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーをいい、微粉状ブロックイソシアネートとは、微粉状にしたブロックイソシアネートをいう。ここにいう微粉状のブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、1分子当たりに水酸基を少なくとも2個以上有するポリオールに過剰のポリイソシアネートを反応させて末端イソシアネート基含有プレポリマーとした後、ブロック化剤と反応せしめたものである。ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを微粉末状とするためには、上記ポリオールとしては、例えば1,3−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の低分子量化合物や高結晶性の各種ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等を使用することが好ましい。
【0022】
上記ポリイソシアネートとしては、従来から慣用されている芳香族、脂肪族又は脂環族の有機ポリイソシアネートを使用できるが、ブロック剤の解離温度が低く、かつ反応速度が大きいという利点から芳香族ジイソシアネートが好ましい。
【0023】
本発明の(B2)成分に於ける微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー中のNCO基の含有量は、通常1.5〜10重量%であるが、2〜5重量%であることが好ましい。この範囲より少ないと、架橋性が不足するため、十分な強度が発現せず、耐ピッチング性も低下する。また、上記範囲を超えると、反応生成物は脆いものとなり、耐ピッチング性が低下し、発泡現象が認められるようになるので好ましくない場合がある。
【0024】
また、(B2)成分に於ける上記微粉状ブロックイソシアネートとは、従来から慣用されている芳香族、脂肪族又は脂環族の有機ポリイソシアネート、具体例的には、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートと、前述のブロック剤を反応させた高結晶性の化合物である。これらの化合物の中で、芳香族ジイソシアネートを使用したものは、ブロック剤の解離温度が低く、かつ反応速度が大きいという利点があるため好ましい。
【0025】
本発明に於いて微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)の調製に使用し得るブロック化剤としては、前述の液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンの場合と同様に、フェノール系、ラクタム系、オキシム系、活性メチレン系、アルコール系、ベンゾトリアゾール、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系のものを挙げることができる。ここで、フェノール系ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール等を例示することができ、ラクタム系ブロック化剤としては、カプロラクタム、バレロラクタム、ブチロラクタム、プロピオラクタム等を例示することができ、オキシム系ブロック化剤としては、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等を例示することができ、活性メチレン系ブロック化剤としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等を例示することができ、アルコール系ブロック化剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を例示することができ、アミン系化合物としてはジシクロヘキシルアミン、3,5−ジメチルピラゾール等を例示することができる。
【0026】
これらのうちで好ましいブロック化剤は、オキシム化合物及びフェノール類、活性メチレン化合物、アミン系化合物であり、特に好ましいものはオキシム化合物である。
【0027】
微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネートの製造に際して、粘度が上昇する場合には、予め粘度低下剤として溶媒や可塑剤を添加してもよい。
【0028】
微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネートの製造方法としては、噴霧乾燥法、再結晶法や結晶体の粉砕等いずれの方法でも製造は可能であるが、塗料とした場合の仕上がり性、密着性や強度等の性能、スプレー特性等からその粒子径を50μm以下とする必要がある。
【0029】
微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネートの熱溶融温度は100℃〜160℃の範囲であることが好ましい。100℃未満であれば、微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネートが室温下で軟化による粘着性を帯びたり、また、配合された可塑剤等により膨潤溶融が生じ、粘着性を帯びて配合物の二次凝集物発生等の問題を引き起こす場合があるので好ましくない。また、熱溶融温度が160℃を超える場合、塗料の焼付け乾燥時に均一に溶融反応せず、満足し得る塗膜の性能が得られない場合があるので好ましくない。
【0030】
また、微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネートのブロック剤の熱解離温度は130℃以下とすることが好ましい。130℃を超える場合、塗料の焼付け乾燥時の反応が不十分となり満足し得る塗膜の性能が得られない場合があるので好ましくない。
【0031】
本発明の熱硬化型一液塗料組成物には、必要に応じて、硬化剤、可塑剤、充填剤、発泡剤、溶媒からなる群から選択される添加物質が更に配合される。これらの添加物質の配合により、目的に応じた熱硬化型一液塗料を得ることができる。
【0032】
液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)の配合重量比率は、アクリル重合体微粒子(A)を100とした場合、0〜40の範囲であることが好ましい。液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)の配合比率が40を越えると、塗料の粘性が高くなり、スプレー特性が不良となる場合があるので好ましくない。また、微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)の配合重量比率は、アクリル重合体微粒子(A)を100とした場合、3〜40の範囲であることが好ましい。微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)の配合比率がこの範囲より小さいと、密着性が低下し、耐ピッチング性が劣ることとなる。また、この範囲より大きいと、反応生成物は脆いものとなり、耐ピッチング性が低下し、発泡現象が認められるようになるので好ましくない場合がある。
【0033】
【実施例】
<液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成>
(液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(I)の調製)
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加した分子量1100のポリオール350gと、グリセリンにプロピレンオキサイドを付加した分子量5000のポリオール234gとを混合したポリオールに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート168gを添加し、90℃で3時間反応させることにより、NCO基の含有量が3.1%の末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを調製した。次いで、希釈剤としてDINP(ジイソノニルフタレート)150gを添加した。この末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、メチルエチルケトンオキシム60gを添加して60℃で1時間反応させ、液状ブロック型ウレタン樹脂Aを得た。
【0034】
得られた液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(I)のブロック剤の熱解離温度は、示差熱分析の結果、約120℃であった。
【0035】
(液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(II)の調製)
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加した分子量2000のポリオール342gと、グリセリンにプロピレンオキサイドを付加した分子量5000のポリオール342gとを混合したポリオールに、2,4’−トリレンンジイソシアネート90gを添加し、90℃で3時間反応させ、NCO基の含有量が2.6%の末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを調製した。次いで、希釈剤としてDINP(ジイソノニルフタレート)100g添加した。この末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、メチルエチルケトオキシム50gを添加して60℃で1時間反応させ、液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(II)を得た。
【0036】
得られた液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(II)のブロック剤の熱解離温度は、示差熱分析の結果、約120℃であった。
<微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネートの合成>
(微粉状ブロックイソシアネート(III)の調製)
酢酸エチル溶媒に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1000gを溶解後、メチルエチルケトンオキシム730gを徐々に添加して40℃で1時間反応させた。NCO基の含有量が消失した時点で20℃迄冷却して24時間放置して再結晶させた後、その結晶化物を取り出して乾燥させ、ジェットミル粉砕機により粉砕処理した。
【0037】
得られた微粉状ブロックイソシアネート(III)の粒度分布をレーザー式粒度分布計で測定した結果、30μm以下であった。また、この微粉状ブロックイソシアネート(III)の示差熱分析による熱溶融温度は約120℃であり、ブロック剤の熱解離温度は、示差熱分析の結果、約120℃であった。
【0038】
(微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(IV)の調製)
酢酸エチル溶媒にトリメチロールプロパン200gを溶解後、2,4−トリレンジイソシアネート780gを添加し90℃で3時間反応させ、NCO基の含有量が19%の末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを調製した。これにメチルエチルケトンオキシム430gを徐々に添加して40℃で1時間反応させた。NCO基の含有量が消失した時点で20℃迄冷却して24時間放置して再結晶させた後、その結晶化物を取り出し乾燥させ、ジェットミル粉砕機により粉砕処理した。
【0039】
得られた微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(IV)の粒度分布をレーザー式粒度分布計で測定した結果、40μm以下であった。また、この微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(IV)の示差熱分析による熱溶融温度は約100℃であり、ブロック剤の熱解離温度は、示差熱分析の結果、約120℃であった。
<塗料の調製>
表1の配合により、各実施例及び各比較例の塗料を調製した。
【0040】
【表1】
Figure 0003979879
【0041】
<塗料の評価>
表1の配合により調製した塗料について、スプレー作業性、密着性、硬化塗膜外観、耐チッピング性及び貯蔵安定性を評価した。その結果を表2に示した。具体的な評価方法は以下の通りである。
【0042】
(塗装試料の調製)
実施例1〜9及び比較例1〜4の塗料をカチオン電着塗装板にエアレス塗装機を使用して膜厚が1mmとなるように塗装し、130℃×20分の条件で焼付けを行い、各実施例及び各比較例の塗装試料を調製した。
【0043】
(スプレー作業性)
上記のように、エアレス塗装機(旭サナック(株)製、塗装圧6Mpa、ガン距離300mm、ノズル12C09)を使用して膜厚が1mmとなるように塗装したときの被塗装物上に形成されるパターン幅により評価した。評価基準は以下のとおりである。
【0044】
◎:パターン幅が250mmを越える、
○:パターン幅が150mmを越える、
×:パターン幅が150mm未満。
【0045】
(密着性試験)
上記各試料の塗膜に幅25mmにカッターナイフで切り込みを入れ、180°剥離試験を行ってその剥離状況を観察した。評価基準は以下のとおりである。
【0046】
○:塗料の凝集破壊が生じる、
×:電着塗装板/塗料の界面剥離が生じる、
△:塗料の凝集破壊及び電着塗装板/塗料の界面剥離が生じる。
【0047】
(硬化塗膜外観:フクレ、ワキ、ピンホール等)
上記各試料を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
【0048】
○:フクレ、ワキ、ピンホール等なし、
×:フクレ、ワキ、ピンホールの何れかあり。
【0049】
(耐チッピング性)
JISに規定するM−4形状の鉄六角ナットを2mの高さから管径20mmの筒を通してナットの落下方向に対して60°の角度を有する各試料板上に落下させ、塗膜のキズが金属面に達した時の落下ナットの総重量(Kg)で評価した。
【0050】
(貯蔵安定性)
実施例1〜9及び比較例1〜4の塗料を35℃×10日間貯蔵し、貯蔵前後の塗料の粘度増加率(%)を測定した。
【0051】
○:増粘傾向がない、
×:増粘が顕著である。
【0052】
【表2】
Figure 0003979879
【0053】
表2の結果から、実施例1〜9の塗料は、何れの評価項目に於いても問題はなかった。これに対して、比較例1〜4の塗料では、スプレー作業性、密着性、硬化塗膜外観、耐チッピング性及び貯蔵安定性の何れかの評価項目に於いて劣り、満足し得るものではなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の熱硬化型一液塗料組成物は、ブロック型ウレタン樹脂(B)として、液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)と微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)とを使用しているので、高粘性を有する液体ブロック型ウレタン樹脂の使用量が削減でき、従来問題とされたスプレー特性の低下もない。また、粉体であることから硬化剤と混在しても貯蔵安定性に問題を生ずることもない。更に、密着性や耐チッピング性も向上させることができる。

Claims (7)

  1. アクリル重合体微粒子(A)とブロック型ウレタン樹脂(B)とを含有する熱硬化型塗料組成物であって、
    前記ブロック型ウレタン樹脂(B)は、熱溶融温度が100℃以上160℃以下で粒子径が50μm以下の微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)を含有していることを特徴とする熱硬化型塗料組成物
  2. 前記ブロック型ウレタン樹脂(B)は、液状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(B1)を更に含有していることを特徴とする請求項1記載の熱硬化型塗料組成物
  3. アクリル重合体微粒子(A)と、液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)と、微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)との比率が、重量比で(A)=100とした場合に、0<(B1)≦40、3≦(B2)≦40であることを特徴とする請求項2記載の熱硬化型塗料組成物
  4. アクリル重合体微粒子(A)と、微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)との比率が、重量比で(A):(B2)=100:3〜40であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化型塗料組成物。
  5. 液状ブロックイソシアネート基含有ウレタン(B1)の熱解離温度が130℃以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の熱硬化型塗料組成物
  6. 微粉状ブロックイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー又は微粉状ブロックイソシアネート(B2)の熱解離温度が130℃以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の熱硬化型塗料組成物
  7. 硬化剤、可塑剤、充填剤、発泡剤及び溶媒からなる群から選択される添加物質を更に含有している請求項1乃至6の何れかに記載の熱硬化型塗料組成物
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