JP3594254B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、挿入部に自動焦点調節装置を設けた内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体腔内に細長の挿入部を挿入することにより、体腔内臓器等を観察したり、必要に応じ処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置のできる内視鏡が広く利用されている。
【0003】
ところで、最近、半導体基板上に作られたステータとロータを有する静電モータ等、超小型運動機構(マイクロメカニクス)が脚光を裕びてきた。このマイクロメカニクスは、細径である内視鏡の先端部等にも配置可能である。そこで、このマイクロメカニクスを内視鏡の焦点調節機構や絞り駆動機構に応用することが考えられる。例えば、内視鏡先端部に、マイクロメカニクスによる焦点調節機構を設け、更に、内視鏡先端部に設けられた固体撮像素子からの画像信号を用いて焦点検出を行い前記焦点調節機構を駆動してオートフォーカスを行うことが考えられる。これにより、内視鏡操作部から先端部まで焦点調節機構駆動用の駆動伝達部が不要となり、挿入部の細径化が期待できる。
【0004】
このような内視鏡装置としては、例えば特開平2−304413号公報に示されるように、マイクロメカニクスによる焦点調節機構及びこの焦点調節機構の制御手段を設けると共に、内視鏡操作部にオートフォーカス機構の起動と停止を行う切替手段を設けることで、オートフォーカス機構に起動をかけたり、オートフォーカスが不能な被写体やオートフォーカス不要時に、オートフォーカス動作を停止することのできるものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平2−304413号公報では、オートフオーカス停止/起動ボタン(以下AF停止/起動ボタンと記す)を操作し、オートフォーカス動作を停止したとき、術者の望む適当な焦点距離に焦点調節機構の焦点を固定することができないという欠点がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、焦点調節機構の制御手段に対するオートフォーカス機構の起動と停止を指示する切替手段を操作して制御手段を停止する際に、焦点調節機構の焦点を術者の望む適当な位置に固定可能な内視鏡装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡装置は、管腔内に挿入され被写体像を撮像する内視鏡と、前記内視鏡の対物光学系の焦点を調節する焦点調節機構と、前記焦点調節機構を駆動する駆動機構と、前記駆動機構を制御すると共に、前記駆動機構を自動制御することで前記対物光学系の焦点を自動調節するオートフォーカス制御を行う制御手段と、上記制御手段に対して前記オートフォーカス制御の停止及び起動を指示する切替手段と、を備えた内視鏡装置であって、前記制御手段は、さらに焦点位置設定手段を有しており、前記切替手段から前記オートフォーカス制御の停止指示を受けた際に、前記オートフォーカス制御から切り替えて前記対物光学系の焦点を予め前記焦点位置設定手段により設定された設定値に応じた焦点位置に固定するよう前記駆動機構を制御することを特徴とする。
【0008】
【実施例】
図1及び図2は本発明の第1実施例に係わり、図1は内視鏡装置の構成を示す構成図、図2は図1の挿入部の先端部の構成を示す構成図である。
【0009】
図1に示すように内視鏡装置は、内視鏡1と、この内視鏡1が接続されるビデオプロセッサ30とこのビデオプロセッサ30に接続されるモニタ31を備えている。
【0010】
前記内視鏡1は細長で、例えば可撓性を有する挿入部2と、この挿入部2の後端に連設された操作部3とを備えている。前記操作部3からは側方に可撓性を有するユニバーサルコード4が延設され、このユニバーサルコード4の端部に前記ビデオプロセッサ30に接続されるコネクタ5が設けられている。前記ビデオプロセッサ30には、内視鏡1に照明光を供給する光源(図示せず)と、信号処理を行う信号処理回路(図示せず)とが内蔵されている。
【0011】
前記挿入部2の先端部6には、図示しない照明窓と観察窓が設けられている。前記観察窓の内側には対物レンズ系7が設けられ、この対物レンズ系7の結像位置に撮像装置8が配設されている。この撮像装置8には撮像ケーブル9が接続されていて、挿入部2,操作部3及びユニバーサルコード4内に挿通された撮像ケーブル9内の信号線10により後述する自動制御装置11を介し前記コネクタ5を経て、前記ビデオプロセッサ30内の信号処理回路に接続されるようになっている。そして、撮像装置8は、この信号処理回路内の駆動回路からの駆動パルスによって駆動されると共に、この撮像装置8から読み出された画像信号は、前記信号処理回路によって映像信号化され、この信号処理回路からの映像信号が、モニタ31に入力されるようになっている。そして、このモニタ31に被写体像が表示されるようになっている。
【0012】
また、図示はしないが、前記照明窓の内側には、ライトガイドの先端面が配置されており、このライトガイドは、挿入部2,操作部3及びユニバーサルコード4内を挿通されて、入射端部は前記コネクタ5に接続されている。そして、前記ビデオプロセッサ30内の光源から出射された光が、前記ライトガイドの入射端に入射し、このライトガイドを通して、前記照明窓から出射されるようになっている。
【0013】
前記対物レンズ系7は、対物レンズ枠12により保持されている。この対物レンズ枠12に接続された対物レンズ駆動棒13(焦点調節機構)は、アクチュエータ14(駆動手段)によって前記対物レンズ系7の光軸方向に移動できる。そのた前記対物レンズ系7は、少なくともその一部を光軸方向に移動できるようになっている。アクチュエータ14は、アクチュエータ駆動ケーブル15内を挿通する信号線16により操作部3内に設けられたアクチュエータ14の駆動を制御する自動制御装置11(制御手段)に接続されており、この対物レンズ系7とアクチュエータ14及び自動制御装置11とにより自動焦点調節装置が構成している。
【0014】
一方、操作部3には、先端部6に送気送水を行う図示しない送気送水制御装置に対して送気送水を指示する送気送水ボタン17と先端部6からの吸引を行う図しない吸引装置に対して吸引を指示する吸引ボタン18及び自動制御装置11に対してオートフォーカス停止/起動を指示するオートフォーカス停止/起動スイッチ(以下AF停止/起動スイッチと記す)19(切替手段)が設けられており、このAF停止/起動スイッチ19は信号線20により自動制御装置11に接続されている。
【0015】
また、前記アクチュエータ14と、アクチュエータ駆動ケーブル15の接続部を設け、この接続部を結束部21とし、図2に示すように、この結束部21を挿入部先端硬質部長A内に収めるように構成している。
【0016】
つまり、一般に結束部21が内視鏡1の湾曲部の第1駒よりも操作部3側に突出している場合は、内視鏡挿入部2に湾曲をかけた際に、硬質部である結束部21が曲げられることになり、結束部21が破損することにより焦点調整機構が破損したり、アクチュエータ駆動ケーブル15が断線する虞がある。
【0017】
また、結束部21がたとえ破損しなくても、結束部21は硬質部であるので、湾曲した挿入部の形状に沿って曲がらず、挿入部の湾曲形状に沿って曲がっている他の内蔵物、例えば照明用ライトガイドや送気送水菅路を圧迫して破損させる虞があり、内視鏡の故障の原因となる。
【0018】
しかし、本実施例では、図2に示すように、回動軸22により回動自在に接続された第1湾曲駒23と第2湾曲駒24等により構成される挿入部2先端側に設けられた湾曲部25において、上述したように、結束部21を先端部6及び第1湾曲駒23からなる挿入部先端硬質部長A内に収めるように構成しているので、上記したような問題を解決している。
【0019】
次に、このように構成された本実施例の内視鏡装置の作用について説明する。対物レンズ系7によって結像された被写体像は、撮像装置8により撮像される。この撮像装置8からの画像信号は、ビデオプロセッサ30に入力されると共に自動制御装置11に入力される。この自動制御装置11は、例えば前記画像信号を輝度信号と色信号とに分け、この輝度信号を高域フィルタに通して輪郭信号等の高域成分を抽出し、山登り制御回路によって、この抽出成分のレベルが少しでも大きくなる方向ヘ、アクチュエータ14により前記対物レンズ系7の少なくとも一部を光軸方向に移動することで、合焦となるように焦点調節を行う。従って、撮像装置8、対物レンズ系7、アクチュエータ14および自動制御装置11によって、オートフォーカスが行われるようになっている。
【0020】
また操作部3に設けられたAF停止/起動スイッチ19を操作することによりのAF停止/起動スイッチ19から前記自動制御装置11にオートフォーカスの起動と停止を指示する信号が出力され、オートフォーカスの起動と停止を制御することができる。
【0021】
ここで、自動制御装置11は、AF停止/起動スイッチ19を操作して、オートフォーカスの停止を行う際、焦点調節機構の焦点を前記AF停止/起動スイッチ19の停止操作時の焦点に固定するように制御する。
【0022】
このように本実施例の内視鏡装置によれば、内視鏡1のオートフォーカス動作を停止する際、焦点調節機構の焦点をAF停止/起動スイッチ19の停止操作時の焦点に固定できるようにしたので、オートフォーカスを停止する場合に、焦点調節機構の焦点を術者の望む位置に固定可能となり、例えば、術者が内視鏡を用いて患者の体腔内を観察中にある特定の部位を詳しく観察したいとき、容易に焦点調節機構の焦点をその部位に固定することができ、より観察を容易に行うことができる。
【0023】
なお、上記実施例において、内視鏡1のオートフォーカス動作を停止する際、焦点調節機構の焦点をAF停止/起動スイッチ19の停止操作時の焦点に固定するように制御するとしたが、これに限らず、第1実施例の変形例として、AF停止/起動スイッチ19の停止操作時に、焦点調節機構の焦点を観察範囲の最遠点に固定するように制御するようにしてもよく、この場合、オートフォーカス機構作動中に、AF停止/起動スイッチ19を操作して、オートフォーカス動作を停止する際に、焦点調節機構の焦点を観察範囲の最遠点に固定することで、術者が内視鏡を用いて患者の体腔内を観察するときに広い範囲の観察を行うことができ、例えば、病変部が周辺に及ぼす影響を観察したり、観察目的部位を特定することが容易に行うことができる。
【0024】
次に第2実施例について説明する。図3は第2実施例に係るAF停止/起動スイッチの構成を示す構成図である。第2実施例は第1実施例とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0025】
第2実施例では、第1実施例におけるAF停止/起動スイッチ19を、図3に示すようなスイッチとしている。すなわち、図3に示す本実施例のAF停止/起動スイッチ19aは、操作部ボディ42より突出するボタン40と、ボタン40に接続されている押し棒44と、ボタン40とバネ押さえ43の間に設けられるバネ41と、図示しない前記自動制御装置11に接続されるスイッチ信号線48と、このスイッチ信号線48の別の一端が接続されるスイッチ基板47と、このスイッチ基板47に取り付けられているスイッチ板A45とスイッチ板B46から構成されている。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0026】
このように構成された第2実施例では、オートフォーカス作動中に、ボタン40を押すと、押し棒44がスイッチ板A45を押し、このスイッチ板A45がスイッチ板B46と接触すると、スイッチ信号線48より自動制御装置11に信号が送られ、オートフォーカスを停止する。
【0027】
前記ボタン40は、バネ41により、操作部ボディ42より外方に付勢されているため、ボタン40を押している間中、オートフォーカスは停止され、ボタン40を押す動作を中止すると、ボタン40および押し棒44は、バネ41によって操作部ボディ42側に移動し、スイッチ板A45がスイッチ板B46から離れ、再びオートフォーカスが作動する。その他の作用は第1実施例と同じである。
【0028】
なお、前記ボタン40において、オートフォーカス作動時に前記ボタン40を押してスイッチを閉止している間中オートフォーカスを停止する代わりに、オートフォーカス停止中にボタン40を押してスイッチを閉止している間中、オートフォーカスを作動することができるようにしてもよい。
【0029】
従って第2実施例は、第1実施例の効果に加え、バネ41により操作部ボディ42より外方に付勢されたボタン40を設けたことにより、ボタン40を押している間中、内視鏡1のオートフォーカス停止または作動を操作できるようにしたので、オートフォーカス作動/停止を切替えるたびにボタンを操作する必要がなくなり、オートフォーカスの作動または停止の操作をより容易に行うことができる。
【0030】
次に第3実施例について説明する。図4及び図5は第3実施例に係わり、図4は内視鏡装置の構成を示す構成図、図5は図4の焦点固定位置設定装置の作用を説明する説明図である。第3実施例は第1実施例とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0031】
図4に示すように、第3実施例は、第1実施例の構成に加えて内視鏡操作部3に、焦点固定位置設定装置51を設けた。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0032】
なお、この焦点固定位置設定装置51は他の部分に設けてもよく、内視鏡1と別体であってもよい。
【0033】
次に、このように構成された本実施例の作用について説明する。
【0034】
図5に内視鏡先端から被写体までの距離(以下、物体距離と記す)と、前記画像信号の輪郭成分等より得られる物体面解像力との関係を示す。
【0035】
一般にオートフォーカス機構作動時の物体距離と物体面解像力との関係は図中の破線Dのようになっている。すなわち、オートフォーカス機構により合焦し、決定された物体距離における物体面解像力は、この破線D上にのるようになっている。
【0036】
オートフォーカスを停止し、焦点調節機構の焦点を固定した場合、物体距離と物体面解像力との関係は、例えば曲線A,B,Cのようになる。ここで、曲線Aは物体距離近点の限界である、例えば、内視鏡先端より2mmの位置に焦点調節機構の焦点を固定した場合、曲線Bは術者が観察を行うときによく使用する、例えば内視鏡先端より8mmの位置に焦点調節機構の焦点を固定した場合、曲線Cは焦点調節機構の焦点を術者が観察を行うときによく使用する位置よりも遠点側に固定した場合である。
【0037】
本実施例では、術者が、オートフォーカス機構停止時に焦点調節機構の焦点を固定する位置を、オートフォーカス機構停止以前に、3mm以上の遠点で、術者の望む位置に焦点固定位置設定装置51によりあらかじめ設定する。この設定方法は、例えば、ツマミを回して、設定距離に目盛を合わせるなどの方法で行う。
【0038】
上記のように焦点固定位置を設定後、オートフォーカス機構作動中に前記AF停止/起動スイッチ19を操作して、オートフォーカス動作を停止すると、焦点調節機構の焦点は、あらかじめ設定された3mm以上の遠点に固定される。その他の作用は第1実施例と同じである。
【0039】
なお、上記のように、オートフォーカス動作を係止しあらかじめ設定した焦点位置で観察を行っている間に、再度、焦点固定位置設定装置51を操作して、観察を行いながら焦点位置を調節することができるようにしてもよい。
【0040】
このように本実施例によれば、内視鏡1のオートフォーカス動作を停止する際、焦点調節機構の焦点を、3mm以上の遠点で術者の望む位置に固定することができる手段である焦点固定位置設定装置51を設けたので、オートフォーカス動作を停止する際に、焦点調節機構の焦点を3mm以上の遠点で術者の望む位置に固定することが可能となり、例えば、術者が内視鏡を用いて患者の体腔内を観察するとき、容易に術者の望む位置に焦点を圃定でき、観察を容易に行うことができる。
【0041】
なお、第3実施例において、術者が、オートフォーカス機構停止時に焦点調節機構の焦点を固定する位置を、オートフォーカス機構停止以前に、3mm以上の遠点で、術者の望む位置に焦点固定位置設定装置51によりあらかじめ設定するとしたが、これに限らず、例えば第1の変形例として、前記AF停止/起動スイッチ19の停止操作時に、焦点調節機構の焦点を、焦点固定位置設定装置51によりあらかじめ設定された3〜25mmの間の位置に固定するようにしてもよく、この場合、オートフォーカス機構作動中に、前記AF停止/起動スイッチ20を操作して、オートフォーカス動作を停止する際に、焦点調節機構の焦点を、焦点固定位置設定装置51により設定された3〜25mmの問の位置に固定することになるが、この3〜25mmという焦点位置は、術者が患者の体腔内を観察する際、オリエンテーションがつけやすく、最もよく使用される位置であるので、術者が内視鏡を用いて患者の体腔内を観察するとき、常によく使用する焦点位置で観察を行うことができるため、観察を行いやすい内視鏡装置を提供することができる。また、3〜25mmの焦点位置においては、近点側と遠点側に、バランスのとれた被写体深度をもった画像が得られるため術者が、内視鏡を患者の体腔内、例えば大腸に挿入する場合に、挿入操作を容易に行うことができる。
【0042】
また、第2の変形例として、焦点固定位置設定装置51により前記AF停止/起動スイッチ19停止操作時に、物体距離が、術者がよく使用する焦点位置、例えば8mmよりも近点側の場合、焦点調節機構の焦点を8mmの位置に固定し、また物体距離が8mmよりも遠点側の場合には、焦点調節機構の焦点をあらかじめ設定した位置、あるいは、前記AF停止/起動スイッチ19停止操作時の焦点位置に固定するようにしてもよく、この場合は、オートフォーカス機構作動中に、前記AF停止/起動スイッチ19を操作して、オートフォーカス動作を停止する際に、物体距離が術者がよく使用する焦点位置、例えば8mmよりも近点側の場合、焦点調節機構の焦点を8mmの位置に固定し、物体距離が8mmよりも遠点側の場合には、焦点調節機構の焦点を、前記焦点固定位置設定装置51により、あらかじめ設定した位置、あるいは前記AF停止/起動スイッチ19停止操作時の焦点位置に固定することで、術者が、内視鏡により患者の体腔内を観察するとき、内視鏡挿入部先端が被写体に接近しすぎて観察が行いにくい場合、すなわち物体距離が短い場合には、焦点調節機構の焦点を術者がよく使用する焦点位置に固定することができ、また内視鏡挿入部先端が、8mmよりも遠い位置にある場合には、術者の望む位置に焦点を固定することができるので、オートフォーカス動作停止時の物体距離によって、焦点調節機構の焦点を、より観察の行いやすい位置に固定することができる。
【0043】
次に第4実施例について説明する。図6は第4実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図である。第4実施例は第3実施例とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0044】
図6に示すように、第4実施例では、第3実施例の構成に加えて、自動制御装置11からは、側方に焦点制御ユニット用コード52が延設され、この焦点制御ユニット用コード52は、その端部に設けられた焦点制御ユニット用コネクタ53によって、前記自動制御装置11に対して起動、停止の指示を行う焦点制御ユニット54に接続されている。この焦点制御ユニット54には、その電源の入/切を行う電源スイッチ55が設けられている。その他の構成は第3実施例と同じである。
【0045】
なお、本実施例においても、前記自動制御装置11に対して起動、停止を行う切替手段として、AF停止/起動スイッチ19が設けられており、切替手段が2つ存在しているが、前記AF停止/起動スイッチ20を取り除き、焦点制御ユニット54を唯一の切替手段としてもよい。
【0046】
第4実施例では、第3実施例の作用に加えて、焦点制御ユニット用コネクタ53を焦点制御ユニット54に接続した後、焦点制御ユニット54に設けられている電源スイッチ54を操作して電源を入れることにより、焦点調節機構の焦点をあらかじめ前記焦点固定位置設定装置27によって設定された、3mmより遠点の術者の望む位置に固定する。あるいは、第1実施例の変形例、第3実施例の第1及び第2の変形例に示したように、焦点調節機構の焦点を3mmから観察範囲の最遠点までの問の任意の位置、あるいはオートフォーカス動作停止時の物体距離によって術者がよく使用する位置か、あらかじめ設定された位置に固定する。
【0047】
なお、本実施例において、オートフォーカス動作を停止し、焦点調節機構の焦点を固定するために、焦点制御ユニット用コネクタ53を焦点制御ユニット54に接続した後、焦点制御ユニット54に設けられている電源スイッチ55を操作して電源を入れる代わりに、焦点制御ユニット用コネクタ53を、電源ON済の焦点制御ユニット54に接続する操作のみ、としてもよい。
【0048】
このように、本実施例によれば、第3実施例の効果に加えて、さらに内視鏡1のオートフォーカス動作を内視鏡本体以外で停止/起動することが可能となり、術者以外の者がオートフォーカスの停止/起動を容易に行うことができる。
【0049】
次に第5実施例について説明する。図7は第5実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図である。第5実施例は第3実施例とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0050】
第5実施例では、図7に示すように、第3実施例の構成に加えて、内視鏡挿入部2の先端部6内に、例えば加速度ピックアップなどの加速度あるいは速度を検知するセンサ60を設けると共に、操作部3内にセンサ60からの信号を受け加速度あるいは速度を検出する検出回路61を設けた。その他の構成は第3実施例と同じである。
【0051】
本実施例では、内視鏡1のオートフォーカス動作中に、センサ60がある一定の値を超える速度または加速度を検知すると、その信号が検出回路61に送られ、さらに検出回路61から自動制御装置11にオートフォーカス動作を停止する信号が送られ、自動制御装置11はオートフォーカス動作を停止させ、焦点調節機構の焦点を前記焦点固定位置設定装置51によりあらかじめ設定された3mmよりも遠点の、術者の望む位置に圃定する。
【0052】
この状態で、センサ60が前記ある一定の値を下回る速度または加速度を検知すると、その信号が検出回路61を経て自動制御装置11に送られ、自動制御装置11は、再びオートフォーカス動作を起動する。その他の作用は第3実施例と同じである。
【0053】
なお、オートフォーカス動作を停止する場合、第1実施例の変形例、第3実施例の第1及び第2の変形例に示したように、焦点調節機構の焦点を3mmから観察範囲の最遠点までの間の任意の位置、あるいは、オートフォーカス動作停止時の物体距離に応じて、術者が、よく使用する位置か、あらかじめ設定された位置に固定するようにしてもよい。
【0054】
このように本実施例によれば、第3実施例の効果に加え、センサ60が内視鏡挿入部先端におけるある一定の値以上の速度または加速度を検知した場合、その信号を検出回路61を経て自動制御装置11に送り、オートフォーカス動作を停止できるようにしたので、センサ60が検知する速度または加速度の値を適当な値に設定することにより、術者の望むときに自動的にオートフォーカスが停止/起動されるようになり、ボタン操作の必要がなくなるため、オートフォーカスの停止/起動をより容易に行うことができる。
【0055】
次に第6実施例について説明する。図8は第6実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図である。第6実施例は第3実施例とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0056】
図8に示すように、本実施例の構成は第3実施例の構成とほぼ同じであるが、本実施例の内視鏡は、面順次式電子内視鏡70となっており、さらに、内視鏡操作部3内に色ズレ検出機構71を設けた。その他の構成は第3実施例と同じである。
【0057】
第6実施例においては、面順次式電子内視鏡70の撮像装置8は、図示しない被写体のR,G,B三原色画像を1/60秒毎に撮像する。図示しない被写体に動きがあるとき、前記撮像装置8は同一時間にR,G,Bの三原色を取り込むことができないので、物体の色が分離し、色ズレが発生する。この撮像装置8からの画像信号は色ズレ検出回路71に入力される。この色ズレ検出回路71が、前記色ズレを検出すると、色ズレ検出回路71より自動制御装置11に信号が出力され、この自動制御装置11は、起動中のオートフォーカス動作を停止させ、焦点調節機構の焦点を、あらかじめ前記焦点固定位置設定装置51により設定された3mmよりも遠点の、術者の望む位置に固定する。
【0058】
このオートフォーカス停止状態において、被写体の動きが小さくなり、前記色ズレが発生しなくなると、色ズレ検出回路71は、自動制御装置11へのオートフォーカス停止信号の出力を停止し、この自動制御装置11は、再びオートフォカス動作を起動する。その他の作用は第3実施例と同じである。
【0059】
なお、オートフォーカス動作を停止する際、第1実施例の変形例、第3実施例の第1及び第2の変形例に示したように、焦点調節機構の焦点を、3mmから観察範囲の最遠点までの間の任意の位置、あるいはオートフォーカス動作停止時の物体距離に応じて術者がよく使用する位置か、あらかじめ設定された位置に固定するようにしてもよい。
【0060】
このように、本実施例によれば、面順次式電子内視鏡70において、色ズレ検出回路71を設けたことにより、被写体の動きに対応してオートフォーカス動作の起動、停止を行うことができ、オートフォーカスの起動、停止をより容易に行うことができる。
【0061】
[付記]
1)前記制御手段が制御する前記焦点調節機構の焦点の固定位置を設定する焦点位置設定手段(図4の焦点固定位置設定装置51)を備えた
請求項1に記載の内視鏡装置。
【0062】
付記1のように構成された内視鏡装置では、焦点位置設定手段により、オートフォーカス動作を停止する際に、焦点調節機構の焦点を3mm以上の遠点で所望の位置に固定することが可能となり、例えば、術者が内視鏡を用いて患者の体腔内を観察するとき、容易に術者の望む位置に焦点を固定でき、観察を容易に行うことができる。
【0063】
2)前記内視鏡の挿入部先端部内に前記挿入部先端の加速度または速度を検知する検知手段(図7のセンサ60)を有し、
前記制御手段は、
前記検知手段の出力に応じて前記駆動手段を制御し、前記切替手段による前記制御手段の停止時の焦点位置または前記焦点位置よりも所定の遠点位置に前記焦点調節機構の焦点を固定する
請求項1または付記1に記載の内視鏡装置。
【0064】
付記2のように構成された内視鏡装置では、検知手段が内視鏡挿入部先端におけるある一定の値以上の速度または加速度を検知した場合、その信号を制御装手段に送り、オートフォーカス動作を停止することが可能となり、検知手段が検知する速度または加速度の値を適当な値に設定することにより、術者の望むときに自動的にオートフォーカスが停止/起動されるようになり、ボタン操作の必要がなくなるため、オートフォーカスの停止/起動をより容易に行うことができる。
【0065】
3)前記切替手段は、押している間中、前記制御手段を停止または作動させるスイッチ手段であり、前記スイッチ手段を操作して前記制御手段を停止する際、前記焦点調節機構の焦点を、前記スイッチ手段の停止操作時の焦点に固定する
請求項1または付記1に記載の内視鏡装置。
【0066】
4)前記制御手段が前記焦点調節機構の焦点を固定する前記制御手段の停止時の焦点位置よりも所定の前記遠点位置は、
前記焦点位置よりも3mm以上の遠点位置である
請求項1または付記1に記載の内視鏡装置。
【0067】
5)前記制御手段が前記焦点調節機構の焦点を固定する前記制御手段の停止時の焦点位置よりも所定の前記遠点位置は、
焦点位置よりも3〜25mm離れた遠点位置である
請求項1または付記1に記載の内視鏡装置。
【0068】
6)前記制御手段が前記焦点調節機構の焦点を固定する前記制御手段の停止時の焦点位置よりも所定の前記遠点位置は、
観察範囲の最遠点である
請求項1または付記1に記載の内視鏡装置。
【0069】
7)前記切替手段は、
前記内視鏡本体または前記内視鏡本体以外の少なくともどちらか一方に設けられた
請求項1、付記1、2、3、4、5または6のいずれか1つに記載の内視鏡装置。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、制御手段が切替手段による前記制御手段の停止動作時に、対物光学系の焦点を予め設定された焦点位置に固定するよう駆動機構を制御するので、例えば最も良く使用される焦点位置や、術者の望む適当な位置などより、観察のし易い位置に対物光学系の焦点を固定することができ、観察の行いやすい内視鏡装置を提供することができるという本発明特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図2】図1の挿入部の先端部の構成を示す構成図
【図3】第2実施例に係るAF停止/起動スイッチの構成を示す構成図
【図4】第3実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図5】図4の焦点固定位置設定装置の作用を説明する説明図
【図6】第4実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図7】第5実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図8】第6実施例に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【符号の説明】
1…内視鏡
2…挿入部
3…操作部
4…ユニバーサルコード
5…コネクタ
6…先端部
7…対物レンズ系
8…撮像装置
9…撮像ケーブル
10、16、20…信号線
11…自動制御装置
12…対物レンズ枠
13…対物レンズ駆動棒
14…アクチュエータ
15…アクチュエータ駆動ケーブル
17…送気・送水ボタン
18…吸引ボタン
19…AF停止/起動スイッチ
21…結束部
22…回動部
23…第1湾曲駒
24…第2湾曲駒
25…湾曲部
30…ビデオプロセッサ
31…モニタ
32…モニタ用コード
40…ボタン
41…バネ
42…操作部ボディ
43…バネ押さえ
44…押し棒
45…スイッチ板A
46…スイッチ板B
47…スイッチ基板
48…スイッチ信号線
51…焦点固定位置設定装置
52…焦点制御ユニット用コード
53…焦点制御ユニット用コネクタ
54…焦点制御ユニット
55…電源スイッチ
60…センサ
61…検出回路
70…面順次式電子内視鏡
71…色ズレ検出回路

Claims (5)

  1. 管腔内に挿入され被写体像を撮像する内視鏡と、
    前記内視鏡の対物光学系の焦点を調節する焦点調節機構と、
    前記焦点調節機構を駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構を制御すると共に、前記駆動機構を自動制御することで前記対物光学系の焦点を自動調節するオートフォーカス制御を行う制御手段と、
    上記制御手段に対して前記オートフォーカス制御の停止及び起動を指示する切替手段と、
    を備えた内視鏡装置であって、
    前記制御手段は、さらに焦点位置設定手段を有しており、前記切替手段から前記オートフォーカス制御の停止指示を受けた際に、前記オートフォーカス制御から切り替えて前記対物光学系の焦点を予め前記焦点位置設定手段により設定された設定値に応じた焦点位置に固定するよう前記駆動機構を制御することを特徴とする内視鏡装置。
  2. 記焦点位置設定手段は、前記焦点調節機構により調節される焦点位置を操作者が設定するための焦点固定位置設定装置を更に備え、
    前記制御手段は、前記切替手段による前記制御手段の停止動作時に、前記対物光学系の焦点を前記焦点固定位置設定装置によって予め設定された焦点位置に固定するよう前記駆動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  3. 前記制御手段は、前記切替手段による前記制御手段の停止動作時に、前記対物光学系の焦点位置を3mmから25mmの間の予め設定された焦点位置に固定するよう前記駆動機構を制御することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
  4. 前記制御手段は、前記切替手段による前記制御手段の停止動作時に、内視鏡挿入部の先端と物体との距離に応じ、前記対物光学系の焦点を設定された焦点位置に固定するよう前記駆動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  5. 前記制御手段は、内視鏡先端と被写体との距離が8mmよりも小さい場合には前記焦点調節機構の焦点を8mmに固定し、内視鏡先端と被写体との距離が8mmよりも大きい場合には前記切替手段による前記制御手段の停止動作時における前記対物光学系の焦点位置、または前記焦点調節機構による前記対物光学系の焦点位置を設定する焦点固定位置設定装置によって設定された焦点位置に前記焦点調節機構の焦点を固定するよう前記駆動機構を制御することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
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