JP3593409B2 - Mosゲートショットキー障壁トランジスタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MOSゲートショットキー障壁トランジスタに関し、特に、超小型で、高速、かつ、高い入力インピーダンスとなり得るMOSトランジスタとして、ULSIのSRAMやDRAMなどの高密度、高速スイッチング回路などに使用されるMOSゲートショットキー障壁トランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソースSとドレインD間にある半導体の表面に絶縁薄膜(酸化膜)を形成して、その上にゲート電極Gを形成したMIS(MOS)形FET、pn接合を用いた接合形FETのゲート長を極めて短くすることによりゲート位置におけるチャンネルポテンシャルを制御できるようにした静電誘導形トランジスタ(SIT)等があった。
【0003】
また、MOSFETのような構造をしているが、ソースとドレインとを金属で構成し、ドレインはオーミック電極にして、ソースと半導体との間のショットキー接合上にMOSゲートを設けてあり、ショットキー接合を逆バイアスで動作させるMOS型半導体装置(特開昭57−52168)や、このショットキー接合をトンネル接合として利用し、MOSゲート電圧の調整でトンネル電流を制御しようとするトンネルトランジスタなどが提案されている。
【0004】
スイッチングトランジスタでは、いかに小型、かつ、高速で、消費電力が小さいものが作れるかが重要な課題である。
【0005】
MOS形FETではゲート長が高速さを支配し、そのチャンネル抵抗およびゲート容量が問題になっている。また、ゲート長を極端に短くすると短チャンネル効果のためにゲート長を0.1μm以下にすることが極めて困難であった。
【0006】
SITでは、高速となりえるがゲート電極の埋め込みに高度な技術を必要とし、やはりチャンネル長を0.1μm以下にすることが極めて困難である。
【0007】
MOSゲートとショットキー障壁を持つ上述のMOS型半導体装置(特開昭57−52168)では、ショットキー接合の鏡像力の効果により、ショットキー障壁の高さが低められ、更に、ゲート電圧によってもショットキー障壁の高さや幅も変化はするが、極めてその程度が小さく、大きなゲート電圧変化が必要としていた。したがって、相互コンダクタンスGmを大きくすることが困難であった。また、上述のトンネルトランジスタにおいても、ゲート長を0.01μm程度に極端に短くすることができるが、ショットキー障壁を通る小さなトンネル電流を用いるために、オン抵抗が大きく、つまり相互コンダクタンスGmを大きくすることが困難であった。オン抵抗が大きいことは、結局、CR時定数が大きくなり、高速動作を困難なものにしていた。
【0008】
このように従来から小型で高速、かつ、入力インピーダンスが大きくて消費電力が小さく、高密度集積化が可能な高効率のスイッチング用トランジスタの開発が望まれていた。
【0009】
本出願人は、先にショットキー接合ダイオードの接合界面の上にMOSゲートを取り付けた三端子素子で、ソース(カソードと表現してある)とドレイン(アノードと表現してある)とを金属で構成し、ドレインはオーミック電極にして、ソースと半導体(ドレインとオーミック接触している)との間のショットキー接合をトンネル接合として利用し、MOSゲート電圧の調整でトンネル電流を制御しようとする「トンネルトランジスタ」を出願(特願平4ー186539および特願平5ー237092)してある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如きトンネルトランジスタにあっては、トンネル電流を主体としているので、スイッチング用トランジスタとして利用した場合には、オン抵抗が大きく、高速で、かつ、大きな電流を流すことが困難であった。
【0011】
本発明は、超小型に形成でき、高速、かつ、高入力インピーダンスで、オン時の相互コンダクタンスGmが大きく、高密度集積化が可能な高効率のスイッチング用トランジスタとしてのMOSゲートショットキー障壁トランジスタを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタは、半導体と金属との接合であるショットキー接合上に絶縁薄膜を介してゲート電極を設けた構造のMOSゲートショットキー障壁トランジスタにおいて、この金属(以後、ショットキー金属と呼ぶ)または半導体のうち少なくともMOSゲート直下のショットキー接合部付近の電気抵抗を高くして、ショットキー金属内でも電圧降下が発生するように形成しておくことにより、このゲート電極に電圧を印加してMOSゲート直下のショットキー金属と半導体との双方に高いキャリア濃度の蓄積層を形成させたとき、キャリアがショットキー障壁を越えて移動できる程度に、MOS界面付近のショットキー障壁の電位を低めさせてあり、ショットキー接合を流れる電流の主体が、これらのショットキー接合障壁を越えて移動するキャリアの流れによる電流であるようにしたものである。
【0013】
さらに詳細に説明すると、普通のショットキー接合にあっては、ショットキー金属の電気抵抗が小さいので、ショットキー接合がほぼゼロバイアスもしくは逆方向バイアスを印加したときには、このショットキー金属側にはほとんど電圧降下が生じないために、ショットキー接合に電圧を印加してもショットキー障壁の高さがほとんど変化しない。
【0014】
すなわち、ショットキー金属の抵抗が極めて小さいと、ゲート電圧で、ショットキー障壁の高さの変化を調節できず、ショットキー障壁の高さが大きいままなので、熱的に励起されたキャリア(電子または正孔)がショットキー障壁を越えて流れるキャリアの流れ(拡散電流)は非常に少なく、ほとんどがトンネル電流であった。ゲート電圧を大きく印加すると、鏡像力の効果により多少はショットキー障壁を越えて流れるキャリアの流れがあるが、相互コンダクタンスGmが小さいと言う問題があった。
【0015】
一般的には、通常のショットキー金属と半導体との接合だけでは、相互コンダクタンスGmが小さく、実用的でなかった。また、上述のトンネル電流は、その小さなトンネル確率のため非常に小さな電流となるので、相互コンダクタンスGmの大きなMOSゲートショットキー障壁トランジスタの作成は困難であった。
【0016】
しかし、本発明のMOSゲートショットキー障壁トランジスタは、少なくともMOSゲート直下のショットキー接合部付近に、ショットキー金属の厚みを極めて薄くするか、ショットキー金属として抵抗率の極めて大きい材料を選ぶか、または、極めて薄い電気抵抗の高い層である変質層を形成するかして、電気抵抗が高い層を形成しておくことにより、ゲート電極に電圧を印加してMOSゲート直下のショットキー金属と半導体との双方に高いキャリア濃度の蓄積層を形成させたとき、ショットキー接合部付近の上記電気抵抗が高い層での電圧降下を利用し、MOS界面でのショットキー障壁の電位を低め、ショットキー金属側から見た等価的なショットキー接合障壁の高さを低めて、キャリアがこのショットキー障壁を越えて移動できるようにし、一部にトンネル電流成分を含むものの、ショットキー接合を流れる電流の主体が、このようなショットキー障壁を越えて移動するキャリアの流れによる電流(拡散電流)であるようにしたもので、大きなコンダクタンスGmのトランジスタと成りえるものである。
【0017】
本発明の請求項1に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタにあっては、ショットキー金属のうち少なくともMOSゲート直下のショットキー接合部付近の電気抵抗を高くして、ショットキー金属内でも電圧降下が発生するようにすることにより、ショットキー障壁の電位を低めさせて、ショットキー接合を流れる電流の主体が、これらのショットキー接合障壁を越えて移動するキャリアの流れによる電流(拡散電流)であるようにしたものである。
【0018】
また、請求項2に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタにあっては、請求項1の実施態様の一つであり、ショットキー金属のうち、少なくともゲート電極とのオーバーラップ部分のショットキー金属層の厚みを薄く形成することで、MOSゲート直下のショットキー金属の電気抵抗が高くなるようにしたMOSゲートショットキー障壁トランジスタである。すなわち、金属と言えどもその厚みが薄くなるとその電気抵抗値は大きくなることを利用したものである。
【0019】
このようにたとえばショットキー金属として0.01μm厚程度の金属シリサイドにすると、ゲート電極とのオーバーラップ部分においては、ゲート電極に正の電圧を印加するとショットキー金属に電子がたまるがショットキー金属が極めて薄いので、ショットキー金属内にも電位降下が生じる。
【0020】
このときショットキー障壁の電位も一緒に低下するので、ショットキー金属のフェルミエネルギーから測定したショットキー障壁の高さ、すなわち等価的にショットキー障壁の高さが小さくなり、ショットキー障壁を越えて流れるキャリアの流れである拡散電流が流れるようになる。
【0021】
もちろん、このときショットキー障壁の厚みが極めて薄いとトンネル電流や熱励起電界放出電流も流れるが、これらの電流は小さなトンネル確率のため小さくなり、拡散電流が主に流れるようにすることができる。
【0022】
また、請求項3に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタにあっても、請求項1の実施態様の一つであり、金属にシリサイドを用いると一般の単一組成の金属よりも抵抗率が大きく、シリサイドの中でも特に鉄シリサイドはその抵抗率が極めて大きいものである。
【0023】
このようにショットキー金属の厚みがそれほど薄くなくとも、例えば鉄シリサイドを用いると、このショットキー金属としての鉄シリサイドの内部で電位降下が発生し、ゲート電極とのオーバーラップ部分において、正の電圧を印加したゲート電極直下のMOS界面付近では、ショットキー障壁の電位も一緒に低下するので、等価的にショットキー障壁の高さが小さくなり、ショットキー障壁を越えて流れる拡散電流が流れるようになる。
【0024】
もちろん、ショットキー金属の厚みが薄ければ、それだけ抵抗率の小さなショットキー金属を用いることができる。
【0025】
また、請求項4に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタにあっては、ショットキー金属と半導体との界面に、結晶格子の不一致による欠陥を多く含む変質層、ショットキー金属として再結晶温度の異なる異種金属の合金を用いて金属シリサイドを形成したときの変質層、さらに、二重層または多重層状態で金属シリサイド形成をした場合などに形成される電気抵抗の高い層である変質層を極めて薄く形成させて、この極めて薄い変質層の電圧降下を利用するものである。
【0026】
ゲート電極とのオーバーラップ部分の正の電圧を印加したゲート直下のMOS界面付近では、この薄い変質層に電圧降下が生じ、ショットキー障壁の電位は一緒に低下するので、等価的にショットキー障壁の高さが小さくなり、ショットキー障壁を越えて流れる拡散電流が流れるようになる。
【0027】
このとき、ゲート直下のMOS界面付近ではショットキー金属からの電子は、多くの場合、この極めて薄い電気抵抗の高い層としての変質層をトンネルで通過するが、半導体側のショットキー障壁の電位は十分低下させられるので、ショットキー金属側から見た半導体のショットキー障壁の高さ、すなわち、等価的なショットキー障壁の高さは、むしろ、負の値にすることもできる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタの実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明のMOSゲートショットキー障壁トランジスタの一実施の形態に示す平面図で、図2は図1に示した平面図のX−Xにおける断面図である。この実施の形態は、p形のシリコン(Si)単結晶基板1の(111)面方位にn形の1×1017cm−3程度の不純物濃度をもつ3μm厚のエピタキシャル層10を用い、MOSゲートショットキー障壁トランジスタを作成した場合を示している。
【0030】
この実施の形態によるMOSゲートショットキー障壁トランジスタは、例えば、次のようにして形成される。n形の1×1017cm−3程度の不純物濃度をもつ3μm厚のエピタキシャル層10の表面に約0.2μmの厚い熱酸化SiO膜30を形成し、フォトリソグラフィにより、先ず、各MOSゲートショットキー障壁トランジスタまたは複数のMOSゲートショットキー障壁トランジスタ素子の組を形成するためのn形のエピタキシャル層10における形成領域を他の領域から絶縁分離するために、その形成領域を囲むように幅5μm程度のp形領域20をホウ素Bのイオン注入と熱処理により形成する。
【0031】
つぎにドレイン領域4となるn形のエピタキシャル層10にオーム性接触を得るためのn+ 領域50をイオン注入により形成し、つぎにショットキー接合5を形成予定の領域に10μm角の窓を開け、更にゲートの絶縁薄膜としての0.05μm程度の薄い熱酸化SiO2膜31を形成する。その後、TiとAuとを二層重ねてスパッタ形成し、中央にショットキーダイオード形成のため6μm角の窓を開ける。
【0032】
つぎにTiとAuの二層薄膜をエッチングマスクにして、ショットキー接合形成のため6μm角の窓を通して0.05μm程度の薄い熱酸化SiO2膜31をエッチング除去する。その後、0.01μm厚以下のMo薄膜をスパッタ形成し、更に、熱処理することにより、Si面が露出した6μm角の窓にモリブデンシリサイド(MoSi2)の極めて薄いショットキー金属2を形成して、このモリブデンシリサイドからなるショットキー金属2とn形Siのエピタキシャル層10との間でショットキー接合5を形成する。このとき、モリブデンシリサイド薄膜は0.05μm程度の薄い熱酸化SiO2膜31の下部にも0.01μm程度潜り込み、ショットキー金属2のゲート電極3とのオーバーラップ部分2aを形成する。
【0033】
つぎに余分のMo膜をエッチング除去し、この極めて薄いショットキー金属2のオーバーラップ部分2aを除いて抵抗を小さくさせるために、ショットキー金属2の6μm角内に4μm角のAu電極40を0.1μm厚程度形成する。このとき、先のTiとAuとの二重層のスパッタ薄膜をゲート電極3となるようにフォトリソグラフイによりパターン化する。
【0034】
つぎに絶縁薄膜として窒化シリコン薄膜32を0.3μm厚程度にCVDにより形成し、パターン化し、更に、Al膜を1μm程度スパッタ形成して、ソース電極41、ゲート電極43およびドレイン電極42を形成する。このとき同時に他のMOSゲートショットキー障壁トランジスタ素子も含む各デバイスにソース、ゲートおよびドレインの各電極からの配線を形成することができる。このようにしてMOSゲートショットキー障壁トランジスタが完成する。
【0035】
上記のMOSゲートショットキー障壁トランジスタでは、ドレイン領域4としてn形のエピタキシャル層10を用いた場合であるが、n形のSi基板を用いて、これをドレイン領域4としてもよい。この場合は、ドレイン電極42をn形のSi基板のうち、どこに形成してもよく、例えば、n形のSi基板の裏面に形成してもよい。
【0036】
以上のようにして形成したMOSゲートショットキー障壁トランジスタをショットキー接合が逆方向バイアスになるようにソース端子Sとドレイン端子Dに負荷抵抗Rlを通して電源電圧VSDを印加しておき、ゲート端子Gにドレイン端子Dに対して正の電圧になるようにゲート電圧Vgを印加していく場合の駆動回路を図3に示す。
【0037】
本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタの動作原理について、エネルギーバンド図である図5と図6を用いて説明する。
【0038】
図5(A)は、先に出願した「トンネルトランジスタ」の動作を説明するためのエネルギーバンド図で、図5(B)は本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタの動作を説明するためのエネルギーバンド図である。
【0039】
図5(A)のようにショットキー金属2(ソースと表示)の厚みが厚く電気抵抗が非常に小さいと、ドレイン(n形半導体)に対してゲートに正の電圧を印加することにより、ゲート直下のMOS界面の半導体表面にn蓄積層51が形成されても、ゲート直下のMOS界面にあるショットキー金属2のオーバーラップ部分2aでの電圧降下が極めて小さく、MOS界面のショットキー障壁の電位の低下が小さいので、ショットキー金属2側から見たショットキー障壁の高さΦb ’の低下が小さい。
【0040】
したがって、ショットキー金属2からの電子はトンネル効果によりショットキー障壁を透過してn形半導体であるドレインのn蓄積層51に到達して電流として寄与する。
【0041】
しかし、図5(B)に示す本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタにおいては、ショットキー金属2のオーバーラップ部分2aの厚みが極めて薄く(0.01μm厚程度)、ゲートの正の電圧の印加により必要とされる電子数を得るため、オーバーラップ部分2aでの電位が下がり(電圧降下が生じる)電子数を賄うので、それと共にショットキー障壁の電位が低下し、ショットキー金属2のフェルミエネルギーEfs付近の電子は低下したショットキー障壁(等価的なショットキー障壁の高さΦb ’の低下)を越えてのn形半導体であるドレインのn蓄積層51へのキャリアである電子の流れ、すなわち拡散電流となり得る。もちろん、電子の移動方向と電流の向きとは逆である。
【0042】
また、ショットキー金属2の厚みが極めて薄くなくとも、抵抗率の大きな金属シリサイド、例えば、鉄シリサイドを0.02μm厚程度に形成すれば、鉄シリサイドの電気抵抗が大きいので、オーバーラップ部分2aでの電圧降下が生じるために、上述のショットキー金属2の厚みが極めて薄い場合とほぼ同様な効果があり、ショットキー金属2のフェルミエネルギーEfs付近の電子は低下したショットキー障壁(等価的なショットキー障壁の高さΦb ’の低下)を越えて、n形半導体であるドレインのn蓄積層51への電子の移動を行い、流れる電流の主体がほぼ拡散電流となり得る。なお、鉄シリサイドは鉄(Fe)をショットキー接合形成部の露出したSi表面にスパッタ形成して、熱処理することにより形成できる。
【0043】
また、このようにショットキー金属2として、鉄シリサイドのような抵抗率の大きな金属を用いると共に、その厚みを小さくすることにより、一層ショットキー金属2のフェルミエネルギーEfs付近の電子が、低下したショットキー障壁を越えてn形半導体のドレインに流れ、その電流の主体をほぼ拡散電流とさせることができる。
【0044】
図4には、本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタのドレイン電流Iとソース・ドレイン間電圧VSDとの関係をゲート電圧Vgをパラメータとした一例を示している。上述の原理により、例えば、ある特定のソース・ドレイン間電圧VSDに対して、ゲート電圧Vgを増大すると、一層ショットキー障壁の電位が低下するので、低下したショットキー障壁を越えてn形半導体のドレインに流れるキャリアとしての電子数が増大し、その電流の主体をほぼ拡散電流とするドレイン電流Iが増大している様子がわかる。
【0045】
図6には、本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタにおいて、MOSゲート直下のショットキー接合部付近に電子が容易にトンネルできる程度の極めて薄い電気抵抗の高い層である変質層を形成させた場合の動作を説明するためのエネルギーバンド図を示してある。
【0046】
極めて薄い変質層は、ショットキー金属2として、例えば、クロム(Cr)薄膜(約0.02μm厚)をレーザアニールにより瞬間的に熱処理してシリサイドを形成させることにより、ショットキー接合の全界面に欠陥を含む変質層を形成できる。他の形成工程は、ほぼ上述と同様である。この極めて薄い変質層を形成させた場合のMOSゲートショットキー障壁トランジスタの動作原理は、次のようになる。
【0047】
ドレイン領域(n形半導体)に対してゲートに正の電圧を印加することにより、ゲート直下のMOS界面の半導体表面にn+ 蓄積層51が形成されたとき、ゲート直下のMOS界面にあるショットキー接合の界面の極めて薄い変質層にも電圧の分担があり、ここに電圧降下を生じる。このためショットキー金属2のオーバーラップ部分2aでの電圧降下は小さいが、ショットキー接合の半導体側に生じるショットキー障壁の電位が下がり、更にショットキー障壁の高さ自体も小さくなる。
【0048】
しかし、極めて薄い変質層の障壁は、半導体側の電位降下のために三角形の電位形状となり、そのため等価的な変質層の障壁高さが低下するが、ショットキー金属2側からのキャリアとしての電子は、この極めて薄い変質層をトンネル効果で透過し、ドレインのn+ 蓄積層51へ抜けることになる。
【0049】
半導体側に生じるショットキー障壁の電位が下がるため、変質層をトンネル効果で透過した電子は、半導体側でのショットキー障壁を越えて流れる電流、いわゆる拡散電流として寄与する。このときショットキー障壁の高さΦbは、正の値でもショットキー金属2のフェルミエネルギーEfsから見た等価的なショットキー障壁の高さΦb'は、負の値にすることもできる。
【0050】
上述の本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタでは、ショットキー金属2のキャリアとしての電子は、フェルミ・デラック統計により熱的に励起されているので、ショットキー金属2のフェルミエネルギーEfsより高い等価的なショットキー障壁高さΦb ’であっても、その高さが200meV以下であれば、室温においてほぼこのショットキー障壁を越えて流れる拡散電流とみなすことができる。
【0051】
図7は、p形のシリコン(Si)単結晶基板1の(111)面方位にn形の1×1017cm−3程度の不純物濃度をもつ3μm厚のエピタキシャル層10を用い、同一基板に深いp形領域で絶縁分離し複数個のMOSゲートショットキー障壁トランジスタを形成した場合の実施の形態である。
【0052】
図8は、p形のシリコン(Si)単結晶基板1にn形の1×1017cm−3程度の不純物濃度を3μm程度の深さに島状に拡散して、それぞれの島状領域11にMOSゲートショットキー障壁トランジスタを形成した場合の実施の形態である。
【0053】
図7に示した実施の形態における絶縁分離したエピタキシャル層10の各領域や図8に示した実施の形態における各島状領域11に複数個のMOSゲートショットキー障壁トランジスタを形成してもよい。また、これらの複数個のMOSゲートショットキー障壁トランジスタのドレインを1個または複数個設けて、共通として使用することもできる。
【0054】
図9は、p形のシリコン(Si)単結晶基板1に絶縁層60を介して多層にn形の多結晶シリコン薄膜12、13を形成し、絶縁分離して各層ごとに複数個のMOSゲートショットキー障壁トランジスタを形成した場合の実施の形態を示したものである。説明を簡略化するため、中間層の各デバイスの記号は省略してある。この実施の形態の最上部の層には、1個のドレイン(端子D1)を共通に、2個のデバイス(ソース端子S1,S2;ゲート端子G1,G2)を1個のn形の多結晶シリコン薄膜13領域に形成した例を示している。
【0055】
以上の実施の形態では、キャリアとして電子を用いた場合であったが、上記の実施の形態でのp形とn形とを交代すれば、キャリアとして正孔を用いることができる。一般に正孔に対するシリコンのショットキー障壁は低く、耐圧を上げるには低温動作が好適である。以上の実施例(例えば、図2)では、ゲート電極が絶縁薄膜を介してショットキー金属の一部とオーバーラップしているが、ドレイン電極とオーム性接触をするためのn+ 領域とはオーバーラップしていない場合の例であったが、本発明のMOSゲートショットキー障壁トランジスタ製作の都合上、ゲート電極が絶縁薄膜を介してショットキー金属の一部とn+ 領域の一部との双方にオーバーラップしている構造でも、もちろん良い。
【0056】
本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタは、本実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨および作用・効果が同様ならば如何様にも変形してもよいことはもちろんである。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタは、電流を制御するために、半導体と金属の接合であるショットキー接合にMOSゲートを形成したトランジスタで、従来のMOSゲート界面のショットキー接合のトンネル電流を利用したトンネルトランジスタよりも、ゲート印加電圧の調節で等価的なショットキー障壁高さを変化させて、ショットキー障壁を越えて流れる拡散電流を主体にすることにより、同一の寸法でも相互コンダクタンスGmを大きくできるようにしたもので、単一の接合を持ち、しかも、ショットキー接合なので、低電圧駆動が可能で、接合部も0.01μm程度の極めて小型の接合にすることができると共に、共通ドレインの複数個のMOSゲートショットキー障壁トランジスタが形成できるので、スイッチングトランジスタなどとして超小型で高速化が可能になり、MOSゲートを採用しているので、高入力インピーダンスで高密度集積化が可能な高効率のトランジスタとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタの一実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1に示した平面図のX−X断面を示す断面図である。
【図3】本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタの駆動回路の一実施の形態を示す説明図である。
【図4】本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタのドレイン電流Iとソース・ドレイン間電圧VSDとの関係をゲート電圧Vgをパラメータとした一例を示すグラフである。
【図5】図5(A)は、従来の「トンネルトランジスタ」の動作を示すエネルギーバンド図で、図5(B)は本発明のMOSゲートショットキー障壁トランジスタの動作を示すエネルギーバンド図である。
【図6】本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタにおいて、極めて薄い電気抵抗の高い層を形成させた場合の動作を示すエネルギーバンド図である。
【図7】p形のシリコン(Si)単結晶基板の同一基板に深いp形領域で絶縁分離し、本発明に係る複数個のMOSゲートショットキー障壁トランジスタを形成した場合の一実施の形態を示す説明図である。
【図8】p形のシリコン(Si)単結晶基板にn形の島状領域を形成し、それぞれの島状領域に本発明に係るMOSゲートショットキー障壁トランジスタを形成した場合の一実施の形態を示す説明図である。
【図9】p形のシリコン(Si)単結晶基板に絶縁層を介して多層にn形の多結晶シリコン薄膜を形成し、絶縁分離して各層ごとに複数個のMOSゲートショットキー障壁トランジスタを形成した場合の一実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ショットキー金属
2a ショットキー金属のオーバーラップ部分
3 ゲート電極
4 ドレイン領域
5 ショットキー接合
10 エピタキシャル層
11 n形の島状領域
12,13 n形の多結晶シリコン薄膜
20 p形領域
30,31 熱酸化SiO2
32 窒化シリコン薄膜
40 Au電極
41 ソース電極
42 ドレイン電極
43 ゲート電極
50 n+ 領域
51 蓄積層

Claims (4)

  1. ショットキー接合上に絶縁薄膜を介してゲート電極を設けた構造のMOSゲートショットキー障壁トランジスタにおいて、
    前記ショットキー金属のうち少なくともゲート電極とのオーバーラップ部分のショットキー金属の電気抵抗を高くして、ショットキー金属内でも電圧降下が発生するように形成することにより、前記ゲート電極に電圧を印加してMOSゲート直下のショットキー金属と半導体との双方に高いキャリア濃度の蓄積層を形成させたとき、キャリアがショットキー障壁を越えて移動できる程度MOS界面付近のショットキー障壁の電位を低めさせてあり、ショットキー接合を流れる電流の主体が、前記ショットキー障壁を越えて移動するキャリアの流れによる電流であるようにしたことを特徴とするMOSゲートショットキー障壁トランジスタ。
  2. 前記ショットキー金属のうち、少なくともゲート電極とのオーバーラップ部分のショットキー金属層の厚みを薄く形成し、前記オーバーラップ部分のショットキー金属の電気抵抗が高くなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のMOSゲートショットキー障壁トランジスタ。
  3. 前記ショットキー金属として抵抗率の大きい材料を用いることにより、少なくともゲート電極とのオーバーラップ部分のショットキー金属の電気抵抗が高くなるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のMOSゲートショットキー障壁トランジスタ。
  4. ショットキー接合上に絶縁薄膜を介してゲート電極を設けた構造のMOSゲートショットキー障壁トランジスタにおいて、
    少なくともMOSゲート直下のショットキー接合部付近に電子が容易にトンネルできる程度の極めて薄い電気抵抗の高い層を形成することにより、前記ゲート電極に電圧を印加してMOSゲート直下のショットキー金属と半導持との双方に高いキャリア濃度の蓄積層を形成させたとき、キャリアがショットキー障壁を越えて移動できる程度MOS界面付近のショットキー障壁の電位を低めさせてあり、ショットキー接合を流れる電流の主体が、前記ショットキー障壁を越えて移動するキャリアの流れによる電流であるようにしたことを特徴とするMOSゲートショットキー障壁トランジスタ。
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