JP3593228B2 - 給排気管の抜け止め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼器具用の給排気管、衣類乾燥機の排気管等に適用される抜け止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
定尺の管を継ぎ足して延長する給排気管であって、特に排気管の場合、途中の接合部が外れたりすると、ここから排気が室内に流出して危険であることから、抜け止め対策を講じることが必要である。この抜け止め対策として、承け口側(メス側)にストッパー爪を形成し、これを挿入口側(オス側)の内ビードに係合させる方式が公知である。
【0003】
しかし、この爪方式は、一旦挿入して接合すると、あとで外せないことから、ストッパーリングを用いて爪を内方に押し込んだときにのみ内ビードに爪が係合し、ストッパーリングを廻して爪を上方に逃すと内ビードから外れて自由に抜きとることができるように構成したものが公知である(特公平3−19437号公報、特開平8−193681号公報)。
又、C字状に形成したワイヤーの両端を引き寄せて収経させることにより抜け止めを行う方式も公知である。
【0004】
しかし、上記従来例にあっては、次のような欠点がある。
1.爪方式は給排気管と同一材質のため、弾性力が弱く、長期間変形したままであると弾性力が弱まり、次のときに十分に機能しなくなる。
2.爪方式は、あまり爪を大きく形成できないため、係合面積が少なく、十分な強度を出しきれない。
3.ワイヤー方式は、両端に形成した引き寄せ部分が突出したり、ワイヤー及び部品数が多くなり、コストが嵩む。
4.ワイヤー方式は、円周方向において係合強度に不均一が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、加工が簡単で長期間そのまま接合されたものであっても、再使用時には十分に機能し、然も結合強度が十分な給排気管における抜け止め装置を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために提案する本発明に係る給排気管における抜け止め装置の構成は次のとおりである。
1.ストッパーリングに外ビードを形成したこと、
前記ストッパーリングの外ビードの内側に、遊端側を中心方向に傾斜させてストッ パーワイヤーを固定したこと、
接続対象給排気管の承け口側に、前記ストッパーワイヤーの遊端側が斜めに侵入でき る侵入穴を形成したこと、
前記ストッパーワイヤーの遊端側を前記ストッパーリングの外ビード内に逃がしなが らストッパーリングを承け口に外挿し、この状態で内ビードを形成した接続対象給排気 管の挿入口側を前記承け口内に挿入したのち、前記ストッパーリングを回転させてス トッパーワイヤーの遊端側を侵入穴から内ビード内に侵入させて抜け止めを行い、ス トッパーリングを反対方向に廻してストッパーワイヤーを内ビード及び侵入穴から逃が すことにより挿入口側の引き抜きを行うことができるように構成したこと、
を特徴とする給排気管の抜け止め装置。
【0007】
2.ストッパーワイヤーと侵入穴を円周方向において1ケ所又は2ケ所又は3ケ所に形成して成る前記1に記載の給排気管の抜け止め装置。
【0008】
【作用】
ストッパーリングは、そのストッパーワイヤーの遊端側を外ビード内に押し込んで接合対象管の承け口に外挿する。この時、ストッパーワイヤーと侵入穴が合致しないように注意する。その上で、承け口内に他の接合対象管の挿入口側を挿入し、ストッパーリングをストッパーワイヤーの遊端側に向けて回転すると、やがてストッパーワイヤーの遊端側が侵入穴にかかり、ストッパーワイヤーはここからその弾性作用で下方(中心方向)に侵入(変形)し、やがてストッパーワイヤーの根元側の固定部が侵入穴の縁に係合してストッパーリングが止まる。このとき、ストッパーワイヤーは挿入口側の内ビード内に十分に入り、ストッパーとして機能し、管は引き抜けなくなる。
【0009】
管を引き抜く場合には、ストッパーリングを先き程とは反対方向に回転すると、侵入穴の縁でストッパーワイヤーの遊端側が摺り上げられてストッパーワイヤーは侵入穴から外ビード内に収まる。この結果、管は簡単に引き抜くことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る抜き止め装置付給排気管の接合部分の分解斜視図である。この図1において、1は定尺の給排気管の一端に形成された承け口(メス側)、2、2aはこの承け口1に切開されたストッパーワイヤー侵入穴、3は承け口1に形成された外ビードである。
【0011】
4は前記承け口1に外挿されるストッパーリング、5はストッパーリング4に形成された外ビード、6、6aは外ビード5の内側に取り付けられた弾性ストッパーワイヤーであって、このストッパーワイヤー6、6aは、一端が外ビード5に溶接7、7aされていて、遊端8、8a側は中心方向に向けて少し湾曲している。
9は前記承け口1内に挿入される他管の挿入口(オス側)であって、この挿入口9には内ビード10が形成されている。
【0012】
次に、上記構造の抜け止め装置について、その使用例を説明する。
ストッパーリング4は、そのストッパーワイヤー6、6aの遊端8、8a側を外ビード5内に押し込んで承け口1に外挿する。この時、ストッパーワイヤー6、6aと侵入穴2、2aが合致しないように注意する。この状態のイメージを図2に示す。その上で、承け口1内に挿入口9側を挿入し、ストッパーリング4をストッパーワイヤー6、6aの遊端8、8a側に向けて回転すると、やがてストッパーワイヤー6、6aの遊端8、8a側が侵入穴2、2aにかかり、ここからその弾性作用で下方(中心方向)に侵入し、やがてストッパーワイヤー6、6aの根元側の溶接7、7a部分が侵入穴2、2aの縁に係合して止まる。このとき、ストッパーワイヤー6、6aは挿入口9側の内ビード10内に十分に入り、ストッパーとして機能し、管は引き抜けなくなる。この状態のイメージを図3に示す。
【0013】
図4は、侵入穴2、2a内にストッパーワイヤー6、6aが侵入した状態を示す説明図である。
管を引き抜く場合には、ストッパーリング4を先き程とは反対方向に回転すると、侵入穴2、2aの縁でストッパーワイヤー6、6aが摺り上げられてストッパーワイヤー6、6aは侵入穴2、2aから外ビード3内に収まる。この結果、管は簡単に引き抜くことができる。
【0014】
なお、実施例のストッパーワイヤー6、6aと侵入穴2、2aは2ケ所であるが、これは1ケ所又は3ケ所に構成してもよい。
又、ストッパーワイヤー6、6aの断面は、円形、四角形等、その断面形状は問わない。又、遊端8、8a側は、少し細くして侵入穴2、2a内に入り易くすると良い。
【0015】
【発明の効果】
本発明は以上のように、ストッパーリング側にストッパーワイヤーを取り付けてこのストッパーワイヤーの出入りにより抜け止めを行うように構成したため、次の効果を奏する。
【0016】
1.承け口側に侵入穴を形成し、ストッパーリング側にストッパーワイヤーを溶接するだけのため、製作が容易であり、加工コストが従来のワイヤー方式のものに比較して安い。
2.ストッパーワイヤーに弾性力の強いものを選択することにより、永く変形していても弾性力が失われるということがなく、再使用時にも問題なく抜け止め機能を発揮することができる。
【0017】
3.ストッパーワイヤーを2ヶ所以上設けることにより、円周方向において結合強度をバランスよく均一化できる。
4.ストッパーリングの外ビード内にストッパーワイヤーが収っているので、突出部がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抜け止め装置の分解斜視図。
【図2】ストッパーリングを承け口に外挿した状態のイメージ図。
【図3】ストッパーリングを廻してストッパーワイヤーを挿入口側の内ビードに侵入させた状態のイメージ図。
【図4】ストッパーワイヤーが侵入穴から内部に侵入した状態の説明図。
【符号の説明】
1 承け口
2、2a 侵入穴
3 外ビード
4 ストッパーリング
5 外ビード
6、6a ストッパーワイヤー
7、7a 溶接
8、8a 遊端
9 挿入口
10 内ビード

Claims (2)

  1. ストッパーリングに外ビードを形成したこと、
    前記ストッパーリングの外ビードの内側に、遊端側を中心方向に傾斜させてストッパーワイヤーを固定したこと、
    接続対象給排気管の承け口側に、前記ストッパーワイヤーの遊端側が斜めに侵入できる侵入穴を形成したこと、
    前記ストッパーワイヤーの遊端側を前記ストッパーリングの外ビード内に逃がしながらストッパーリングを承け口に外挿し、この状態で内ビードを形成した接続対象給排気管の挿入口側を前記承け口内に挿入したのち、前記ストッパーリングを回転させてストッパーワイヤーの遊端側を侵入穴から内ビード内に侵入させて抜け止めを行い、ストッパーリングを反対方向に廻してストッパーワイヤーを内ビード及び侵入穴から逃がすことにより挿入口側の引き抜きを行うことができるように構成したこと、
    を特徴とする給排気管の抜け止め装置。
  2. ストッパーワイヤーと侵入穴を円周方向において1ケ所又は2ケ所又は3ケ所に形成して成る請求項1に記載の給排気管の抜け止め装置。
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