JP3592469B2 - ラジオ受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FM放送とAM放送を受信可能なラジオ受信機に関し、特に、FM受信部とAM受信部とで構成部品の共有化を図るものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
スーパーヘテロダイン方式のラジオ受信機は、選局する周波数を変えてもバンドパスフィルタの中心周波数を変更する必要がないため、受信機内部の回路構成を簡略化できる。この種のラジオ受信機では、アンテナで受信した高周波信号を混合回路に入力して低周波の中間周波信号に変換した後に、中間周波増幅回路で中間周波数成分のみを抽出して増幅を行うのが一般的である。
【0003】
中間周波増幅回路には、セラミックフィルタを用いることが多いが、セラミックフィルタは中心周波数がほぼ固定であり、周波数を大きく変更することはできない。このため、FM放送とAM放送を受信可能なラジオ受信機では、FM用とAM用に別々にセラミックフィルタを設けなければならず、コストアップの要因になるとともに、受信機の小型化を妨げる要因にもなっていた。
【0004】
また、スーパーヘテロダイン方式のFMラジオ受信機では、アンテナで受信した高周波信号を中間周波信号に変換して検波処理を行った後に、L信号とR信号に分離再生するステレオ復調処理を行っている。このステレオ復調処理では、電圧制御発振回路(VCO)の出力をPLL制御するのが一般的であるが、上述した中間周波信号を生成する際に用いられる局部発振回路の内部にも電圧制御発振回路が別途必要となるため、回路が複雑化するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、構成部品の一部をFM受信時とAM受信時とで共用することで回路構成を簡略化して小型化を図ったラジオ受信機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1のラジオ受信機は、GICとキャパシタを並列接続した等価的なLC並列共振回路を内部に含んだ同調発振回路を備える。GICは、差動増幅回路とインピーダンス素子を用いて構成され、インピーダンス素子として適当な素子を選択することで、インダクタとして作用する。したがって、インダクタを別個に設けなくて済み、ラジオ受信機の構成部品の半導体化および小型化が容易になる。また、同調発振回路は、選択的に発振動作と同調動作を行うため、FM受信時とAM受信時の双方で同調発振回路を利用できる。すなわち、同調発振回路は、FM受信時にはステレオ復調用の発振回路として利用でき、AM受信時には所望の周波数成分のみを抽出する同調回路として利用でき、部品の共有化が図れる。
【0007】
請求項2のラジオ受信機は、スーパーへテロダイン方式の回路構成を有し、アンテナで受信した信号をAM中間周波信号に変換した後に同調発振回路に入力するため、AM中間周波信号に含まれる第2の周波数成分のみを抽出することができる。
【0008】
請求項3のラジオ受信機は、LC並列共振回路の一端を接地し、他端に入力抵抗を接続するため、入力抵抗の抵抗値に応じて、同調発振回路の動作状態を切り換えることができる。例えば、同調発振回路を発振動作させたい場合には、入力抵抗の抵抗値を所定値以上にすればよい。
【0009】
請求項4のラジオ受信機は、ステレオ複合信号に含まれるパイロット信号に基づいて、同調発振回路の発振出力をPLL制御するため、同調発振回路の発振出力をパイロット信号に精度よく同期させることができる。
【0010】
請求項5のラジオ受信機は、LC並列共振回路を構成するインピーダンス素子のうち少なくとも1つを可変インピーダンス素子とし、この可変インピーダンス素子のインピーダンスを調整して同調発振回路の発振出力をPLL制御する。
【0011】
請求項6のラジオ受信機は、可変インピーダンス素子としてスイットキャパシタを用いるため、スイッチトキャパシタのスイッチング周波数を可変することで、可変インピーダンス素子のインピーダンスを任意かつ正確に調整できる。
【0012】
請求項7のラジオ受信機は、FM受信時のステレオ復調回路の電圧制御発振器の発振周波数と、AM受信時の同調発振回路の同調周波数とを近い値にしたため、FM受信時とAM受信時とで回路を容易に兼用化できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したラジオ受信機について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
〔第1の実施形態〕
図1はラジオ受信機の一実施形態のブロック図である。同図に示すラジオ受信機は、FM放送を受信するFM受信部1と、AM放送を受信するAM受信部2とを備えている。FM受信部1は、高周波増幅回路101、混合回路102、局部発振回路103、選局回路104、サンプリング同調回路105、中間周波増幅回路106、FM検波回路107、ステレオ復調回路108、ディエンファシス回路109L、109R、低周波増幅回路110L、110R、およびスピーカ111L、111Rを含んで構成されている。一方、AM受信部2は、サンプリング同調回路201、混合回路202、局部発振回路203、選局回路204、中間周波増幅回路205、AM検波回路206、低周波増幅回路207、およびスピーカ208を含んで構成されている。
【0015】
また、図1に示すラジオ受信機は、アンテナ3、クロック発生回路4、および同調発振回路5を備えており、これらはFM受信部1とAM受信部2の双方で利用される。
【0016】
次に、FM受信部1とAM受信部2の構成および動作について詳細に説明する。
【0017】
(1)FM受信部1の構成および動作について
FM受信部1の高周波増幅回路101は、アンテナ3で受信した放送波のうち特定の帯域の放送波を選択的に増幅する。混合回路102、局部発振回路103および選局回路104は周波数変換器を構成しており、高周波増幅回路101から出力される周波数fc の搬送波信号と局部発振回路103から出力される周波数fL の局部発振信号とを混合し、変調内容を変えずに周波数変換を行ってfL −fc の中間周波信号を出力する。FM放送を受信する場合には、中間周波信号の周波数は例えば10.7MHzに設定される。この周波数は、FM放送の受信時は常に固定である。
【0018】
図2は、局部発振回路103と選局回路104の詳細構成を示すブロック図であり、PLL周波数シンセサイザー方式の電子選局を行う例を示している。基準発振器301から出力された基準発振信号はプリスケーラ302で例えば4分周されて局部発振回路103内の位相比較器303に入力される。また、局部発振回路103内の電圧制御発振回路(VCO)304から出力された局部発振信号は、プリスケーラ305に入力されて例えば4分周された後、プログラマブルカウンタ306で選局周波数に応じた分周比で分周されて位相比較器303に入力される。位相比較器303は、プリスケーラ302の出力の位相とプログラマブルカウンタ306の出力の位相とを比較し、位相差に応じた電圧をローパスフィルタ307を介して電圧制御発振回路304に入力する。
【0019】
以上により、電圧制御発振回路304から出力される局部発振信号は基準発振信号に同期するように制御される。また、制御回路308は、プログラマブルカウンタ306に分周比を設定するとともに、表示部309に選局周波数などの各種情報を表示する制御を行う。
【0020】
図1に示すサンプリング同調回路105は、混合回路102の出力に含まれる中間周波数成分のみを抽出する。図3は、サンプリング同調回路105の詳細構成を示す回路図である。同図に示すように、サンプリング同調回路105は、16出力を有するリングカウンタ401と、リングカウンタ401の各出力に接続されるMOSトランジスタ402と、各MOSトランジスタ402のドレイン端子に接続されるコンデンサ403と、並列接続された抵抗404およびコンデンサ405とを含んで構成されている。
【0021】
図4は、リングカウンタ401の出力変化を示す波形図である。同図に示すように、リングカウンタ401は、図1のクロック発生回路4から出力される基準クロックの16周期に1回の割合でパルスを出力する。より詳細には、リングカウンタ401は各出力端子から基準クロックの16倍の周期を有するパルスを出力する。また、各出力端子から出力されるパルスの位相を基準クロックの1クロック分ずつずらしている。
【0022】
リングカウンタ401の各出力は、図3に示すように、対応するMOSトランジスタ402のゲート端子に入力される。リングカウンタ401の各出力端子から出力されるパルスの位相は互いにずれているため、MOSトランジスタ402がオンする時期もそれぞれ異なっており、MOSトランジスタ402に接続されたコンデンサ403は、MOSトランジスタ402のオン・オフに応じて充放電を繰り返す。
【0023】
例えば、サンプリング同調回路105に基準クロックを16分周した信号と周波数が等しい信号Vinが入力された場合には、図3のa点の電圧は図4のように階段状に変化する。一方、基準クロックを16分周した信号と異なる周波数の信号がサンプリング同調回路105に入力された場合には、各周期ごとに図3のa点の電圧が変化するため、やがてa点の電位はゼロ電位に収束する。このように、図3のようなサンプリング同調回路を構成することにより、基準クロックの1/16の周波数と等しい周波数成分のみを抽出することができる。
【0024】
なお、図3のa点のラインはインピーダンスが高いため、入力インピーダンスが低い後段の回路に直接接続すると出力波形をそのままの形で取り出すことができない。このため、a点のラインを図3のようにFET406でいったん受けて、このFET406のソース端子を後段の回路に接続するのが望ましい。なお、図3のキャパシタ407は、混合回路102の出力Vinに含まれる直流分をカットするためのものであり、抵抗408および409はFET406に適当なバイアスを与えるためのものである。
【0025】
このように、サンプリング同調回路105は、リングカウンタ401やMOSトランジスタ402などの半導体化しやすい部品のみで構成されているため、回路全体を容易にチップ化することができる。また、図3の回路では、リングカウンタ401の出力数を増やして1周期内のサンプリング数を増やすことにより、同調精度を容易に上げることができる。
【0026】
なお、図1に示したサンプリング同調回路105では、同調周波数が一定になるように制御しているが、同調周波数を変更したい場合には、基準クロックの周波数を変えるだけでよく、サンプリング同調回路105は広範囲の周波数に対して同精度で同調処理を行うことができる。さらに、デジタル的に同調を行うため、温度特性等の影響を受けることがなく、常に安定した精度が得られる。また、増幅回路を持たないため、発振するおそれもない。また、図3の回路のQは、Q=πfCRN(Cはキャパシタ403の静電容量、Rは抵抗404の抵抗値、Nはサンプリング数)で表され、基準クロックの周波数が高くなるほどQが大きくなるため、同調周波数が変化しても帯域幅Δf=f/Qを常に一定にすることができる。
【0027】
上述した基準クロックは図1に示すクロック発生回路4で生成される。クロック発生回路4は、内部に電圧制御発振回路(VCO)を備えており、この電圧制御発振回路をPLL制御することで基準クロックの安定化を図っている。なお、クロック発生回路4は、後述するAM受信部2内のサンプリング同調回路201に対しても基準クロックを供給する。基準クロックの周波数を変更する場合は、クロック発生回路4内にプログラマブルカウンタを設けて、その分周比を変更すればよい。
【0028】
サンプリング同調回路105を通過した10.7MHzの中間周波信号は、中間周波増幅回路106で増幅された後にFM検波回路107に入力される。FM検波回路107は、中間周波信号を変調前のステレオ複合信号に変換する。このステレオ複合信号は、L信号成分と、R信号成分と、19kHzのパイロット信号とを合成したものである。このステレオ複合信号はステレオ復調回路108に入力されてL信号とR信号とに分離再生される。
【0029】
図5はステレオ復調回路108の詳細構成を示すブロック図である。同図に示すように、ステレオ復調回路108は、プリアンプ501と、位相比較器502と、ローパスフィルタ503と、DCアンプ504と、分周器505〜508と、スイッチング回路509とを含んで構成され、DCアンプ504の出力は同調発振回路5に入力される。同調発振回路5は、後述するように所定周波数、例えば456kHzで発振動作を行い、その発振出力は分周器505に入力される。分周器505〜507は同調発振回路5の出力を分周して38kHzの正弦波信号を生成し、分周器508はさらに2分周して19kHzの正弦波信号を生成する。位相比較器502は、ステレオ複合信号に含まれるパイロット信号と分周器508の出力とを位相比較し、位相差に応じた電圧を出力する。この出力はローパスフィルタ503を介してDCアンプ504に入力される。
【0030】
図6はステレオ復調回路108内の各部の信号波形図の一例であり、図6(a)はプリアンプ501に入力されるステレオ複合信号の波形、図6(b)は分周器507の出力の波形、図6(c)は分周器507の出力の位相を半周期ずらした信号の波形、図6(d)はスイッチング回路509から出力されるL信号の波形、図6(e)はスイッチング回路509から出力されるR信号の波形を示している。
【0031】
図6(a)に示すように、ステレオ復調回路108に入力されるステレオ複合信号は、L信号とR信号を38kHzの副搬送波で変調したものである。このため、ステレオ復調回路108内部の分周器505〜507で38kHzのスイッチング信号を生成し、生成したスイッチング信号に同期してステレオ複合信号を取り込むことで、図6(d)および(e)のように、L信号とR信号を取り出すことができる。なお、図6(d)、(e)では、説明を簡略化するために、L信号を正弦波で、R信号を矩形波で表している。
【0032】
図7は図1に示す同調発振回路5の中に含まれるGICの動作原理を説明する原理図である。同図に示すように、GIC600は、2個のオペアンプ601および602と、5個のインピーダンスZ1 〜Z5 とで構成され、図示の1−1′間のインピーダンスZは(1)式で表される。
【0033】
Z=(Z1 ・Z3 ・Z5 )/(Z2 ・Z4 ) …(1)
インピーダンスZ2 、Z4 のいずれかにキャパシタを、それ以外のインピーダンスに抵抗を割り当てることにより、図7の回路は等価的にインダクタンスと同じ性質を示す。
【0034】
図8は図1の同調発振回路5の詳細構成を示す回路図、図9は図8の等価回路図である。図8に示すように、抵抗605と607の間にはFET606が接続され、このFET606のゲート電圧を制御することにより、FET606のドレイン−ソース間の抵抗値が可変制御される。このFET606のゲート端子には、図1に示すスイッチSW1が接続されている。このスイッチSW1は、FM放送を受信する場合には接点p側に設定され、AM放送を受信する場合には接点q側に設定される。接点p側のラインは、図5に示すようにステレオ復調回路108内部のDCアンプ504に接続されており、同調発振回路5はFM放送の受信時にはDCアンプ504の出力に応じて発振周波数が可変制御される。
【0035】
また、GIC600と並列にキャパシタ608が接続されて等価的な並列共振回路が構成されており、さらに、GIC600とキャパシタ608の一端には、FET609を介して入力抵抗610が接続されている。FET609のゲート端子にはスイッチSW2が接続され、このスイッチSW2は、FM放送を受信する場合には接点r側に設定され、AM放送を受信する場合には接点s側に設定される。
【0036】
FET609として、例えばnチャネル−エンハンスメント型のMOSFETを用いた場合には、ゲート端子をローレベルにするとFET609はカットオフ状態となり、図8に示す同調発振回路5の入力抵抗610の抵抗値はみかけ上無限大になる。
【0037】
ところで、図8に示す同調発振回路5のQは(2)式で表される。
【0038】
Q=R/(ωL) …(2)
ただし、Rは入力抵抗610の抵抗値、LはGIC600のインダクタンスを示している。同調発振回路5を発振動作させたい場合には、(2)式に示すQを所定値以上に設定する必要がある。したがって、図8に示すスイッチSW2を接点r側に設定して入力抵抗610の抵抗値を無限大にすると、Qも無限大になり、同調発振回路5は安定に発振動作を行う。したがって、FET606のゲート電圧を制御することにより、同調発振回路5は、FM放送の受信時には電圧制御発振回路として機能する。
【0039】
なお、図8に示す同調発振回路5では、FET609をオン・オフさせることにより入力抵抗610の抵抗値をみかけ上変化させているが、FET609を設ける代わりに、入力抵抗610として可変抵抗を用いてその抵抗値を調整してもよい。
【0040】
また、同調発振回路5の出力Vout には、図1に示すようにスイッチSW3が接続され、このスイッチSW3はFM放送の受信時には接点t側に設定される。したがって、同調発振回路5の出力はスイッチSW3の接点tを通って図5に示したステレオ復調回路108内部の分周回路505に入力される。
【0041】
ステレオ復調回路108で分離再生されたL信号およびR信号は、図1に示すようにそれぞれ別々にディエンファシス回路109L、109Rに入力され、高域部を減衰させてSN比の改善を図った後、低周波増幅回路110L、110Rを経てスピーカ111L、111Rから音声出力される。
【0042】
(2)AM受信部2の構成および動作について
アンテナ3で受信したAM変調信号は図1に示すサンプリング同調回路201に入力される。サンプリング同調回路201は、図3に詳細構成を示すサンプリング同調回路105と同じように構成されており、クロック発生回路4から出力される基準クロックを16分周した周波数成分の信号のみを抽出する。なお、FM放送を受信する場合は、クロック発生回路4から出力される基準クロックの周波数は常に固定に設定されるが、AM放送を受信する場合は、選局する周波数に応じて基準クロックの周波数を変化させる必要がある。
【0043】
サンプリング同調回路201の出力は、混合回路202、局部発振回路203および選局回路204からなる周波数変換器に入力され、例えば450kHzの中間周波信号に変換される。局部発振回路203は、FM受信部1の局部発振回路103と同じように構成され、不図示の電圧制御発振回路(VCO)から出力される局部発振信号の周波数および位相を不図示の基準発振器から出力される基準発振信号に同期させる処理を行う。選局回路204は、AM放送の周波数範囲(例えば530〜1700kHz)の中で選局を行う。
【0044】
なお、サンプリング同調回路201の同調周波数と、局部発振信号の発振周波数とは連動して変化し、例えば周波数fの放送波を受信する場合は、サンプリング同調回路201の同調周波数はfに設定され、局部発振信号の発振周波数は例えばf+450kHzに設定される。
【0045】
混合回路202から出力された中間周波信号は、図8に詳細を示す同調発振回路5に入力される。AM放送の受信時には、図8に示すスイッチSW2が接点s側に設定されてFET609がオンし、混合回路202からの中間周波信号は入力抵抗610を介して抵抗603の一端に印加される。また、スイッチSW1は接点q側に設定され、FET606のゲート端子には、抵抗6および7の分圧比で定まる電圧が印加される。したがって、抵抗6および7の分圧比を予め調整しておくことで、図8に示した同調発振回路5は、FET609を介して入力された信号の中から450kHzの中間周波信号のみを抽出する同調動作を行う。
【0046】
また、AM放送の受信時には、図1に示すスイッチSW3は接点u側に設定され、同調発振回路5を通過した信号はスイッチSW3の接点uを介して中間周波増幅回路205に入力されてゲイン調整が行われた後にAM検波回路206に入力される。AM検波回路206は、ダイオード等を用いて中間周波信号を低周波信号に変換し、変換した低周波信号は低周波増幅回路207で増幅されてスピーカ208から音声出力される。
【0047】
このように、図1に示すラジオ受信機は、同調発振回路5をFM放送の受信時にはステレオ復調用の電圧制御発振回路として用い、AM放送の受信時には中間周波フィルタとして用いるため、電圧制御発振回路や中間周波フィルタを別個に設ける必要がなくなり、構成部品を削減できるとともに、受信機の小型化が可能となる。
【0048】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、同調発振回路5の内部にFET606を設け、このFET606のゲート電圧を制御することで同調発振回路5の動作を切り換えているが、FET606の代わりにスイッチトキャパシタを設けてもよい。
【0049】
図10は同調発振回路の第2の実施形態の詳細構成を示す回路図である。図10に示す同調発振回路5′は、図8に示したGIC600内の抵抗603、605、606、607をそれぞれスイッチトキャパシタ701、702、703、704に置き換えたものである。各スイッチトキャパシタ701〜704は、内部にスイッチを備えており、これらスイッチは電圧制御発振回路(VCO)702によって切り換え制御される。電圧制御発振回路702は、図5に示したステレオ復調回路5内部のDCアンプ504の出力電圧に応じた周波数のクロックを出力し、このクロックによって各スイッチトキャパシタ701〜704内部のスイッチが連動して切り換えられる。
【0050】
例えば、スイッチトキャパシタ701の抵抗値Rは、電圧制御発振器702から出力されるクロックの周波数をfCLK 、スイッチトキャパシタ701の容量をC2 とすると、(3)式で表される。
【0051】
R=1/(fCLK ・C2 ) …(3)
このように、同調発振回路5の一部にスイッチトキャパシタ701〜704を用いれば、電圧制御発振器702から出力されるクロックの周波数fCLK を可変することで、図10の2−2′間の抵抗値Rを任意かつ正確に調整することができる。
【0052】
なお、図8に示したGIC600内の抵抗をすべてスイッチトキャパシタに置き換えるのではなく、一部の抵抗だけをスイッチトキャパシタに置き換えてもよい。
【0053】
また、上述した第1および第2の実施形態において、同調発振回路5、5′の回路構成は図8あるいは図10に示したものに限定されない。各インピーダンス素子にどのような部品を用いるかは任意に変更可能である。
【0054】
上述した各実施形態では、スーパーヘテロダイン方式のラジオ受信機の例を説明したが、本発明は、スーパーヘテロダイン方式以外のラジオ受信機にも適用可能である。例えば、アンテナ3で受信したFM変調信号を中間周波信号に変換することなく検波し、検波して得られたステレオ復調信号をL信号とR信号に分離する際に、図1に示した同調発振回路5を用いてもよい。あるいは、アンテナ3で受信したAM変調信号を、中間周波信号に変換することなく図1に示す同調発振回路5に入力して、所望の周波数に同調させてもよい。
【0055】
なお、図3に示したサンプリング同調回路105において、MOSトランジスタ402の代わりに、図11に示すようにCMOS構成のトランジスタ402′を用いてもよい。CMOS構成のトランジスタ402′を用いることで、寄生容量の影響を受けにくくなる。また、サンプリング同調回路105を構成する全素子をCMOSプロセスで形成できるため、チップ化する場合の製造プロセスを簡易化できる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、インピーダンス素子の素子定数を変えることで、選択的に発振動作と同調動作を行うことができる同調発振回路をラジオ受信機内部に設けるため、FM放送の受信時にはステレオ復調用の発振回路として同調発振回路を利用でき、AM放送の受信時には所望の周波数成分のみを抽出する同調回路として同調発振回路を利用できる。したがって、ラジオ受信機の構成部品の一部をFM受信時とAM受信時とで共用でき、ラジオ受信機内部の回路構成を簡略化できるため、部品コストの低減と受信機の小型化が可能となる。また、同調発振回路の内部には、インダクタの代わりにGICを用いた共振回路を設けるため、構成部品の半導体化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラジオ受信機の一実施形態のブロック図である。
【図2】局部発振回路と選局回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】中間周波フィルタの詳細構成を示す回路図である。
【図4】リングカウンタの出力変化を示す波形図である。
【図5】ステレオ復調回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図6】(a)〜(e)はステレオ復調回路内の各部の信号波形図である。
【図7】同調発振回路の中に含まれるGICの動作原理を説明する原理図である。
【図8】同調発振回路の詳細構成を示す回路図である。
【図9】図8の等価回路図である。
【図10】同調発振回路の第2の実施形態の詳細構成を示す回路図である。
【図11】サンプリング同調回路の内部で使用されるCMOS構成のトランジスタの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 FM受信部
2 AM受信部
101 高周波増幅回路
102 混合回路
103 局部発振回路
104 選局回路
105 中間周波フィルタ
106 中間周波増幅回路
107 FM検波回路
108 ステレオ復調回路
109L、109R ディエンファシス回路
110L、110R 低周波増幅回路
111L、111R スピーカ
201 同調回路
202 混合回路
203 局部発振回路
204 選局回路
205 中間周波増幅回路
206 AM検波回路
207 低周波増幅回路
208 スピーカ

Claims (7)

  1. FM放送およびAM放送を受信可能なラジオ受信機であって、
    差動増幅回路およびインピーダンス素子を含みインダクタとして機能するGIC(Generalized Inpedance Converter )とキャパシタとを並列接続した等価的なLC並列共振回路を含んで構成され、選択的に発振動作および同調動作を行う同調発振回路を備え、
    FM放送の受信時には、FM検波された後のステレオ複合信号に含まれるパイロット信号に同期するように前記同調発振回路を第1の周波数で発振させ、この発振出力を用いて前記ステレオ複合信号をL信号とR信号とに分離再生し、
    AM放送の受信時には、受信信号の中から第2の周波数成分のみが抽出されるように前記同調発振回路を同調動作させることを特徴とするラジオ受信機。
  2. 請求項1において、
    アンテナで受信した信号をAM中間周波信号に変換するAM周波数変換回路と、前記AM中間周波信号を検波して音声信号を出力するAM検波回路を備え、
    前記同調発振回路は、前記AM中間周波信号に含まれる前記第2の周波数成分を抽出し、抽出した前記第2の周波数成分を前記AM検波回路に入力することを特徴とするラジオ受信機。
  3. 請求項2において、
    前記LC並列共振回路の一端を接地し、他端に抵抗値が変更可能な入力抵抗を接続し、AM放送の受信時には前記入力抵抗を介して前記同調発振回路に前記AM中間周波信号を入力し、FM放送の受信時には前記入力抵抗の抵抗値を所定値以上に設定することを特徴とするラジオ受信機。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    FM放送の受信時に、前記ステレオ複合信号に含まれるパイロット信号と前記同調発振回路の発振出力とを位相比較して、前記同調発振回路の発振出力を前記パイロット信号に同期させるPLL制御回路と、
    前記同調発振回路の発振出力に基づいて前記ステレオ複合信号を前記L信号および前記R信号に分離再生するスイッチング回路とを備えることを特徴とするラジオ受信機。
  5. 請求項4において、
    前記LC並列共振回路が有するインピーダンス素子のうち少なくとも1つはインピーダンスが変更可能な可変インピーダンス素子であり、
    前記PLL制御回路は、前記同調発振回路の発振出力が前記パイロット信号に同期するように前記可変インピーダンス素子のインピーダンスを調整することを特徴とするラジオ受信機。
  6. 請求項5において、
    前記可変インピーダンス素子としてスイッチトキャパシタを用い、前記同調発振回路の発振出力が前記パイロット信号に同期するように前記スイッチトキャパシタのスイッチング周波数を変更することを特徴とするラジオ受信機。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記第1の周波数は456kHzであり、前記第2の周波数は450kHzであることを特徴とするラジオ受信機。
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