JP3591913B2 - パイプ材のフレキシブル連結構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の排気管等を構成するパイプ材のフレキシブル連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平5−1532号公報に示されるように、自動車用エンジンの排気管を構成する第1パイプ材と、第2パイプ材との連結部にベローズ管を配設するとともに、このベローズ管を覆うように第1サポートカバーと第2サポートカバーとを設け、上記第1サポートカバーにピン部材を取り付け、かつ第2サポートカバーにキャップ部材を取り付け、上記ピン部材とキャップ部材との間に、ワイヤーメッシュからなる緩衝材を配設してなる排気管用フレキシブルパイプ装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の従来装置では、図9に示すように、自動車の前部に横置き式に設置されたエンジンEの作動時に発生するエンジンEの回転振動に応じ、第1パイプ材1を揺動変位させる矢印A1方向の荷重が作用した場合に、上記ピン部材およびキャップ部材の軸心Bを支点にして第1パイプ材1の揺動変位が許容されるため、この第1パイプ材1の振動が排気管の下流側に伝達されるのを防止できるという利点を有する。この反面、上記ピン部材を第1サポートカバーに溶接して上記緩衝材を設置した後、上記キャップ部材を第2サポートカバーに溶接して固定するように構成されており、その組み付け作業が繁雑であるとともに、部品点数が多いため、製造コストが高くつくという問題があった。
【0004】
また、特開平6−346729号公報に示されるように、第1パイプ材に取り付けられた第1カバーと、第2パイプ材に取り付けられた第2カバーとの重合部に、外方に膨出した球状部をそれぞれ形成し、この球状部の間にステンレスメッシュからなる異音防止体を配設することにより、上記エンジンの回動振動に応じた荷重の作用時に、上記異音防止体に沿って両カバーを摺動させることにより、上記両パイプ材をその連結部を支点にして屈曲変位させるように構成された排気管の継手構造が知られている。
【0005】
上記構成の排気管の継手構造においては、両カバーの重合部に相対向して形成された球状部に上記ステンレスメッシュを圧入することにより、このステンレスメッシュの表面および裏面の全域を両カバーの球状部によって規制するように構成されているため、ステンレスメッシュの取り付け作業が煩雑であるという問題がある。
【0006】
しかも、図10に示すように、エンジンEが横置き式に配設されてなる自動車の走行時に発生するエンジンEの回転振動に応じて両パイプ材1,2の連結部を矢印C方向に捩じり変形させる荷重が作用した場合に、この荷重を支持することができないので、ベローズ管が捩じり変形するのを防止することができない。このベローズ管は、伸縮方向に比べて捩じり方向の荷重に対する強度が著しく低いため、上記捩じり荷重による損傷を防止するため、その全長を大きくしてベローズ管の捩じり変形を許容し得るように構成しなければならず、両パイプ材1,2の連結部が大型化して大きな設置スペースが必要であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成でパイプ材との連結部に作用する荷重を効果的に支持してベローズ管を保護することができるパイプ材のフレキシブル連結構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、互いに連結される一対のパイプ材を接続するベローズ管と、このベローズ管の外周部を覆うように両パイプ材の端部に取り付けられた第1カバーおよび第2カバーとを有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記第1カバーの外壁部に、一対の側壁部と上壁部とを有する第1膨出部を形成するとともに、上記第2カバーの外壁部に、上記第1カバーの側壁部および上壁部の内面に対向する一対の側壁部と上壁部とを有する第2膨出部を形成し、上記第1,第2膨出部の上壁部の少なくとも一方をパイプ材の側面から見て円弧状に湾曲させて形成するとともに、上記第1膨出部と、第2膨出部との間に摺動支持部材を配設し、上記両パイプ材の連結部内に位置する一点を中心として上記両パイプ材が揺動変位する荷重が作用した場合に、上記摺動支持部材の上面および下面によって第1,第2膨出部が支持されつつ上記円弧状の湾曲面に沿った方向に摺動するように構成したものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載のパイプ材のフレキシブル連結構造において、第1カバーの第1膨出部および第2カバーの第2膨出部を構成する上壁部に、摺動支持部材の移動を規制する係止部を設けたものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2記載のパイプ材のフレキシブル連結構造において、第1カバーの第1膨出部および第2カバーの第2膨出部を構成する両上壁部を、それぞれパイプ材の正面から見て水平に形成したものである。
【0011】
請求項4に係る発明は、上記請求1〜3のいずれかに記載のパイプ材のフレキシブル連結構造において、摺動支持部材に、第1膨出部の側壁部と第2膨出部の側壁部との間に配設される左右一対の側板部と、第1膨出部の上壁部と第2膨出部の上壁部との間に配設される天板部とを設けたものである。
【0012】
【作用】
上記請求項1記載の発明によれば、両パイプ材の連結部を支点にしてパイプ材を揺動変位させる荷重が作用した場合に、摺動支持部材に沿って第1カバーの第1膨出部または第2カバーの第2膨出部が摺動変位することにより、パイプ材の揺動変位が許容され、かつ両パイプ材の連結部を捩じり変形させる荷重が作用した場合に、上記第1,第2膨出部において上記捩じり荷重が支持されて上記連結部の捩じり変形が抑制されることになる。
【0013】
上記請求項2記載の発明によれば、両パイプ材の連結部を支点にしてパイプ材を揺動変位させる荷重に応じ、摺動支持部材に沿って第1カバーの第1膨出部または第2カバーの第2膨出部が摺動変位する際に、上記摺動支持部材の移動が係止部により規制されて両カバー間に摺動支持部材が保持されることになる。
【0014】
上記請求項3記載の発明によれば、第1カバーの第1膨出部と、第2カバーの第2膨出部との間に摺動支持部材が挿入される際に、上記両膨出部の上壁部に沿って摺動支持部材がスムーズに挿入されることになる。
【0015】
上記請求項4記載の発明によれば、両パイプ材の連結部を支点にしてパイプ材を揺動変位させる荷重が作用した場合に、摺動支持部材の天板部に沿って第1カバーの第1膨出部または第2カバーの第2膨出部が摺動変位することにより、パイプ材の揺動変位が許容され、かつ両パイプ材の連結部を捩じり変形させる荷重が作用した場合に、上記第1,第2膨出部の側壁部が摺動支持部材の側板部に圧接されることにより、がたつきを生じることなく上記捩じり荷重が支持されることになる。
【0016】
【実施例】
図1および図2は、本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造の実施例を示している。このパイプ材のフレキシブル連結構造は、図外の排気マニホールド等に接続された第1パイプ材1と、その下流側部に配設された第2パイプ材2との連結部に設けられている。
【0017】
上記第1パイプ材1と第2パイプ材2との連結部には、この両パイプ材1,2を接続するステンレス鋼製の薄板等からなるベローズ管3と、このベローズ管3の外周部を覆うように上記第1パイプ材1および第2パイプ材2の端部に取り付けられた第1カバー4および第2カバー5とを有し、この第1カバー4と第2カバー5との間には摺動支持部材6が配設されている。さらに第1パイプ材1には、上記ベローズ管3の内周面に沿って第2パイプ材2側に伸びるステンレス鋼管等からなるインナパイプ7が取り付けられている。
【0018】
上記第1カバー4は、ベローズ管3の一側端部およびインナパイプ7の基端部とともに第1パイプ材1の端部に固着される取付部8と、この取付部8の端部から周方向に伸びる起立壁部9と、この起立壁部9の外周部から第2パイプ材2側に伸びる外壁部10とを有し、この第1カバー4の外壁部10には、上下一対の第1膨出部11が形成されている。
【0019】
上記第1膨出部11は、外方に向けて突設された左右一対の側壁部12と、この側壁部12の上端部間に設置された上壁部13とからなっている。上記第1膨出部11の上壁部13は、図3に示すように、両パイプ材1,2の正面から見て水平に形成されるとともに、図4に示すように、第1,第2パイプ材1,2の側面から見て円弧状に湾曲した形状に形成されている。すなわち、上記上壁部13は、その表裏両面が両パイプ材1,2の連結部内に位置する一点Oを中心とする曲率半径Rをもって湾曲した円弧面に形成されている。
【0020】
また、上記上壁部13の先端部には、下方に突出する係止部14が形成され、この係止部14によって上記摺動支持部材6が第2パイプ材2側に移動するのを規制するように構成されている。上記係止部14は、後述する組立時に、上記摺動支持部材6を両カバー4,5の間に設置後、図4の仮想線で示すように、上記上壁部13の先端部に形成された所定幅のフランジ部14aを下方に折り曲げることにより形成されるようになっている。
【0021】
上記第2カバー5は、ベローズ管3の他側端部とともに第2パイプ材2の端部に固着される取付部15と、この取付部15の端部から周方向に伸びる起立壁部16と、この起立壁部16の外周部から第1パイプ材1側に伸びる外壁部17とを有し、この第2カバー5の外壁部17には、上下一対の第2膨出部18が形成されている。
【0022】
上記第2膨出部18は、上記第1膨出部11の内方部においてその側壁部12および上壁部13と所定間隔をおいて対向する左右一対の側壁部19および上壁部20とからなっている。この上壁部20は、第1,第2パイプ材1,2の正面から見て水平に形成されるとともに、その側面から見て、上記第1膨出部11の上壁部13に対応する曲率半径をもって湾曲した円弧状に形成されている。
【0023】
また、上記第2膨出部18の先端部には、上記側壁部19の先端部に突設された所定長さの突片を側方に折り曲げてなる係止部21が形成され、この係止部21によって上記摺動支持部材6が第1パイプ材1側に移動するのを規制するように構成されている。
【0024】
また、上記摺動支持部材6は、マイカまたはカーボン等の耐火材をステンレスメッシュ等によって補強することにより形成された所定の剛性を有する素材からなり、第1膨出部11の側壁部12と第2膨出部18の側壁部19との間に嵌入される左右一対の側板部22と、第1膨出部11の上壁部13と第2膨出部18の上壁部20との間に嵌入される天板部23とを有する断面コ字状に形成されている。この摺動支持部材6の天板部23は、正面から見て水平に形成されるとともに、表裏両面が側面から見て円弧状に湾曲した形状に形成されている。
【0025】
上記第1パイプ材1および第2パイプ材2を連結するには、まずインナパイプ7の基端部およびベローズ管3の一側端部を第1カバー4の取付部8に取り付けるとともに、ベローズ管3の他側端部を第2カバー5の取付部17に取り付ける。次に、上記第1カバー4の第1膨出部11と、第2カバー5の第2膨出部18との間に摺動支持部材6を嵌入した後、上記第1膨出部11の先端フランジ部14aを下方に折り曲げることにより、摺動支持部材6の係止部14を形成する。
【0026】
そして、上記第1カバ4ーの取付部8および第2カバー5の取付部17に第1パイプ材1および第2パイプ材2を嵌入してこれらを溶接することにより、上記ベローズ管3および両カバー4,5によって第1パイプ材1と第2パイプ材2とを互いに連結する。
【0027】
このように互いに連結される一対のパイプ材1,2を接続するベローズ管3と、上記両パイプ材1,2の端部に取り付けられた第1カバー4および第2カバー5とを有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記第1カバー4の外壁部10に、左右一対の側壁部12と、両パイプ材1,2の側面から見て円弧状に湾曲した上壁部13とを有する一対の第1膨出部11を形成するとともに、上記第1カバー5の外壁部17に上記第1膨出部11の側壁部12および上壁部13の内面に対向する左右一対の側壁部19と、上壁部20とを有する第2膨出部18を形成し、上記第1膨出部11と、第2膨出部12との間に、摺動支持部材6を配設したため、簡単な構成で両パイプ材1,2の連結部を長期間に亘り良好な連結状態に維持することができる。
【0028】
すなわち、図9に示すように、自動車の前部に横置き式に設置されたエンジンEの作動時に発生するエンジンEの回転振動に応じ、両パイプ材1,2の連結部を支点にして第1パイプ材1を上下に揺動変位させる荷重が作用した場合には、上記第1カバー4に形成された第1膨出部11が摺動支持部材6の上面に沿って摺動するとともに、この摺動支持部材6の下面が第2カバー5に形成された第2膨出部18に沿って摺動することにより、第1パイプ材1の揺動変位が許容されるため、この第1パイプ材1の振動が第2パイプ材2側に伝達されるのを防止することができる。
【0029】
また、図10に示すように、縦置き式に設置された自動車の走行時に発生するエンジンEの回転振動に応じ、両パイプ材1,2の連結部を矢印C方向に捩じり変形させる荷重が作用した場合には、上記第1,第2膨出部11,18の側壁部12,19が上記摺動支持部材6の側板部22に圧接されて上記荷重が支持されるため、この荷重がベローズ管3に悪影響が及ぶのを防止することができる。したがって、上記捩じり荷重に対する強度の低いベローズ管3を効果的に保護し、連結部の全長を大きくすることなく、ベローズ管3の損傷を効果的に防止してそのシール機能を維持することができる。
【0030】
しかも、上記第1,第2カバー4,5の外壁部10,17にプレス加工等の手段で形成された上記第1,第2膨出部11,18の間に摺動支持部材6を嵌入し保持させるように構成したため、上記ベローズ管3の外周部を覆う両カバー(サポートカバー)に緩衝材を支持するピン部材やキャップ部材等を取り付けることにより、上記両パイプ材1,2を揺動変位可能に連結してなる従来装置に比べ、部品点数を少なくして組立作業を簡略化することができ、これによって製造コストを安価に抑えることができる。
【0031】
また、上記第1,第2カバー4,5の外壁部10,17に部分的に設けられた第1,第2膨出部11,18の間に嵌入された上記摺動支持部材6によって両カバー4,5を摺動自在に支持するように構成したため、球面状に形成された異音防止体をその表裏全面に亘って両カバーの球状部によって規制するように構成され従来装置に比べ、上記摺動支持部材6の設置作業を容易に行うことができる。
【0032】
上記実施例では、第1,第2カバー4,5の外壁部10,17に上下一対の第1,第2膨出部11,18をそれぞれ設けた例について説明したが、単一の第1,第2膨出部11,18を上記外壁部10,17に形成し、あるいは3個所以上の第1,第2膨出部11,18を配設した構造としてもよい。なお、両パイプ材1,2の連結部に作用する各種の荷重を効果的に支持するためには、少なくとも一対の第1,第2膨出部11,18を設け、その間にそれぞれ上記摺動支持部材6を配設した構造とすることが望ましい。
【0033】
また、上記のように第1,第2膨出部11,18を構成する上壁部13,20に、摺動支持部材6を係止する係止部14,21を設けた構成によると、上記第1カバー4等に摺動支持部材6を固着することなく、上記係止部14,21によって摺動支持部材6の軸方向移動を規制することができるため、簡単な構成で摺動支持部材6の脱落を防止し、この摺動支持部材6の取付状態を安定させることができる。
【0034】
さらに、第1パイプ材1の揺動変位時に、図5に示すように、第1カバー4の第1膨出部11が緩衝支持部材6の上面に沿って摺動し、上記係止部14が摺動支持部材6の当面に当接した時点で、上記第1パイプ材1の揺動変位が規制されることになる。したがって、上記係止部14,21を両パイプ材1,2の折れ曲がり角度を規制するストッパとして機能させることができる。
【0035】
なお、上記実施例では、摺動支持部材6を上記第1,第2膨出部11,18の間に設置した後に、上記上壁部13の先端部に突設された所定幅のフランジ部14aを下方に折り曲げることにより、上記係止部14を形成するように構成した例について説明したが、別体に形成された係止片を溶接または接着等の手段で、上記第1膨出部11の先端部に取り付けるように構成してもよい。
【0036】
さらに、上記実施例では、ベローズ管3の内周面に沿って第2パイプ材2側に伸びるインナパイプ7を第1パイプ材1に取り付け、この第1パイプ材1から連結部に導入された排気ガスを上記インナパイプ7によって案内するように構成したため、上記排気ガスがベローズ管3に接触して気流の乱れにより流速が低下するという事態の発生を効果的に防止することができるとともに、上記ガスがベローズ管3に衝突することに起因した異音の発生を抑制することができる。
【0037】
なお、上記実施例では、エンジンEの排気マニホールドに接続された第1パイプ材1に、摺動支持部材6の支持部16を有する第1カバー4を取り付けるとともに、排気通路の下流側に配設された第2パイプ材2に、摺動支持部材6の摺動面8に当接する外壁部19を有する第2カバー5を取り付けた例について説明したが、上記第1カバー4と第2カバー5との取り付け位置を逆にしてもよい。
【0038】
また、上記実施例では、第1,第2膨出部11,18の上壁板13,20および摺動支持部材9の天板部23を、それぞれ両パイプ材1,2の側面から見て水平に形成した例について説明したが、図6に示すように、上記上壁板13,20および天板部23を両パイプ材1,2の正面および側面から見てそれぞれ円弧状に湾曲させることにより、上記上壁板13,20および天板部23を球面状に形成した構造としてもよい。
【0039】
しかし、上記のように上壁板13,20および天板部23を球面状に形成した場合には、各部材の曲率変化に基づいて上記摺動支持部材6を上記第1,第2膨出部11,18に嵌入する際に、大きな抵抗が作用することとなるため、図3に示すように、第1,第2膨出部11,18の上壁板13,20および摺動支持部材9の天板部23を、それぞれ両パイプ材1,2の正面から見て水平に形成することにより、上記摺動支持部材6の嵌入作業を容易に行い得るように構成することが望ましい。
【0040】
なお、必ずしも上記第1膨出部11の上壁部13および第2膨出部18の上壁板20の両方を、両パイプ材1,2の側面から見て円弧状に湾曲させる必要はなく、図7に示すように、第2膨出部18の上壁板20を側面から見て水平に形成し、あるいは図8に示すように、第1膨出部11の上壁部13を側面から見て水平に形成してもよい。
【0041】
上記第1膨出部11の上壁部13を水平に形成した場合には、第1パイプ材1の揺動変位時に、上記第2膨出部18によって摺動支持部材6が支持された状態で、この摺動支持部材6の上面に沿って上記第1カバー4の第1膨出部11が摺動することにより、上記第1パイプ材1の揺動変位が許容される。また、第2膨出部18の上壁部20を水平に形成した場合には、第1パイプ材1の揺動変位時に、上記第1膨出部11によって摺動支持部材6が支持された状態で、第1カバー4とともに摺動支持部材6が上記第2カバー5の第1膨出部20の上面に沿って摺動することにより、上記第1パイプ材1の揺動変位が許容されることになる。
【0042】
また、上記実施例では、マイカまたはカーボン等の耐火材をワイヤメッシュ等によって補強することにより形成された剛体からなる摺動支持部材6を設けた例について説明したが、この摺動支持部材6の材質は上記実施例に限定されることなく種々の変形が可能であり、例えば硬質ゴム等からなる所定の弾性を有する素材によって上記摺動支持部材6を形成し、上記第1カバー4と第2カバー5との間に作用する荷重に応じて上記摺動支持部材6を弾性変形させるように構成してもよい。
【0043】
このように構成した場合には、摺動支持部材6が上記荷重によって塑性変形するのを効果的に防止することができるとともに、この摺動支持部材6を弾性変形させることによって上記荷重を吸収することができるため、上記ベローズ管3の損傷を効果的に防止することができる。
【0044】
また、上記第1膨出部11の側壁部12と第2膨出部18の側壁部19との間に嵌入される上記摺動支持材6の側板部22を省略し、第1膨出部11の側壁部12と第2膨出部18の側壁部19とを直接当接させるように構成することもできるが、このように構成した場合には、上記両側壁部12,19の間にわずかでも隙間があると、両パイプ材1,2の連結部に作用する捩じり荷重に応じてがたつきが生じるため、上記側板部22を設けてその緩衝作用により上記がたつきを防止することが好ましい。
【0045】
また、本発明に係るパイプ材の連結構造は、エンジンEに接続される排気管の設置部に限られず、冷却水管等からなる種々のパイプ材の連結部に適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明は、互いに連結される一対のパイプ材の端部に取付られた第1カバーおよび第2カバーの外壁部に、一対の側壁部と上壁部とを有する少なくとも一対の第1膨出部および第2膨出部をそれぞれ形成するとともに、この第1,第2膨出部の上壁部の少なくとも一方をパイプ材の側面から見て円弧状に湾曲させて形成し、かつ上記第1膨出部と、第2膨出部との間に摺動支持部材を配設し、上記両パイプ材の連結部内に位置する一点を中心として上記両パイプ材が揺動変位する荷重が作用した場合に、上記摺動支持部材の上面および下面によって第1,第2膨出部が支持されつつ上記円弧状の湾曲面に沿った方向に摺動するように構成したため、例えば自動車の前部に横置き式に設置されたエンジンの作動時に発生するエンジンの回転振動に応じ、両パイプ材の連結部を支点にして一方のパイプ材を上下に揺動変位させる荷重が作用した場合に、上記第1カバーに形成された第1膨出部を摺動支持部材の上面に沿って摺動させる等により、上記パイプ材の揺動変位を許容して、このパイプ材の振動が他方のパイプ材側に伝達されるのを防止できるという利点がある。
【0047】
また、縦置き式に設置された自動車の走行時に発生するエンジンの回転振動に応じ、両パイプ材の連結部を捩じり変形させる荷重が作用した場合には、上記第1,第2膨出部の側壁部によって上記荷重を支持してこの荷重がベローズ管に悪影響を及ぼすのを防止できるため、上記捩じり荷重に対する強度の低いベローズ管を効果的に保護することができる。したがって、連結部の全長を大きくする等の手段を講じることなく、ベローズ管の損傷を効果的に防止してそのシール機能を維持することができる。
【0048】
しかも、上記第1,第2カバーの外壁部にプレス加工等の手段で部分的に形成された上記第1,第2膨出部の間に摺動支持部材を嵌入して保持させるように構成したため、部品点数を少なくして組立作業を簡略化することができ、これによって製造コストを安価に抑えることができるとともに、上記摺動支持部材の設置作業を容易に行うことができるという利点がある。
【0049】
また、請求項2に係る発明は、第1カバーの第1膨出部および第2カバーの第2膨出部を構成する上壁部に、摺動支持部材の移動を規制する係止部を設けたため、上記第1カバー等に摺動支持部材を固着することなく、簡単な構成で上記両係止部によって摺動支持部材の移動を規制することができるとともに、上記両係止部材を摺動支持部材の端面にそれぞれ当接させることにより、両パイプ材の折れ曲がり角度を規制することができるという利点がある。
【0050】
また、請求項3に係る発明は、第1カバーの第1膨出部および第2カバーの第2膨出部を構成する両上壁部を、それぞれパイプ材の正面から見て水平に形成したため、上記第1,第2膨出部の間に摺動支持材を嵌入する際の嵌入抵抗を小さくし、この摺動部材の嵌入作業を容易に行うことができるという利点がある。
【0051】
また、請求項4に係る発明は、摺動支持部材に、第1膨出部の側壁部と第2膨出部の側壁部との間に配設される左右一対の側板部と、第1膨出部の上壁部と第2膨出部の上壁部との間に配設される天板部とを設けたため、上記摺動支持部材の側板部の緩衝作用により、両パイプ材の連結部に作用する捩じり荷重に対応したがたつきの発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造の実施例を示す側面断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第1,第2膨出部の構造を示す部分拡大断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】第1カバーが摺動変位した状態を示す図4相当図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す図3相当図である。
【図7】本発明のさらに別の実施例を示す図4相当図である。
【図8】本発明のさらに別の実施例を示す図4相当図である。
【図9】パイプ材のフレキシブル連結構造の設置状態を示す説明図である。
【図10】パイプ材のフレキシブル連結構造の設置状態の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第1パイプ材
2 第2パイプ材
3 ベローズ管
4 第1カバー
5 第2カバー
6 摺動支持部材
10,17 外壁部
11 第1膨出部
12,19 側壁部
13,20 上壁部
14,21 係止部
18 第2膨出部
22 側板部
23 天板部
Claims (4)
- 互いに連結される一対のパイプ材を接続するベローズ管と、このベローズ管の外周部を覆うように両パイプ材の端部に取り付けられた第1カバーおよび第2カバーとを有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記第1カバーの外壁部に、一対の側壁部と上壁部とを有する第1膨出部を形成するとともに、上記第2カバーの外壁部に、上記第1カバーの側壁部および上壁部の内面に対向する一対の側壁部と上壁部とを有する第2膨出部を形成し、上記第1,第2膨出部の上壁部の少なくとも一方をパイプ材の側面から見て円弧状に湾曲させて形成するとともに、上記第1膨出部と、第2膨出部との間に摺動支持部材を配設し、上記両パイプ材の連結部内に位置する一点を中心として上記両パイプ材が揺動変位する荷重が作用した場合に、上記摺動支持部材の上面および下面によって第1,第2膨出部が支持されつつ上記円弧状の湾曲面に沿った方向に摺動するように構成したことを特徴とするパイプ材のフレキシブル連結構造。
- 第1カバーの第1膨出部および第2カバーの第2膨出部を構成する上壁部に、摺動支持部材の移動を規制する係止部を設けたことを特徴とする請求項1記載のパイプ材のフレキシブル連結構造。
- 第1カバーの第1膨出部および第2カバーの第2膨出部を構成する両上壁部を、それぞれパイプ材の正面から見て水平に形成したことを特徴とする請求項1または2記載のパイプ材のフレキシブル連結構造。
- 摺動支持部材に、第1膨出部の側壁部と第2膨出部の側壁部との間に配設される左右一対の側板部と、第1膨出部の上壁部と第2膨出部の上壁部との間に配設される天板部とを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパイプ材のフレキシブル連結構造。
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