JP3591918B2 - パイプ材のフレキシブル連結構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の排気管等を構成するパイプ材のフレキシブル連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば図6に示すように、自動車用エンジンの排気管等を構成する第1パイプ材1と、第2パイプ材2との連結部にベローズ管3を配設して両パイプ材1,2の連結部のシール性を維持するとともに、このベローズ管3の外周部を囲むように、ワイヤ等によって編成されたブレードカバー40を設置し、このブレードカバー40の両端部を取付金具41によって第1,第2パイプ材1,2の端部に固着することにより、上記連結部の軸方向に作用する振動荷重に応じて上記ベローズ管3およびブレードカバー40を変形させて上記振動荷重を吸収し、排気管の上流側に位置する第1パイプ材1の振動荷重等が下流側の第2パイプ材2に伝達されるのを防止するように構成された排気系の伸縮継手が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の伸縮継手構造においては、第1パイプ材1と第2パイプ材2との連結部に設置されたベローズ管3を伸長させる方向に大きな引張荷重Cが作用した場合に、この引張荷重Cを上記ブレードカバー40によって支持することにより、ベローズ管3が損傷するのを防止できるという利点を有する反面、このベローズ管3を収縮させる方向に大きな圧縮荷重Bが作用した場合に、この圧縮荷重Bを上記ブレードカバー40によって効果的に支持することができないため、上記圧縮荷重Bがベローズ管3に入力されてベローズ管3が損傷し易いという問題があった。
【0004】
すなわち、エンジンルーム内にエンジンが横置き式に設置された自動車において、急発進時あるいは悪路走行時にエンジンの駆動力および路面からの反力に応じ、ベローズ管3を伸長させる方向に大きな引張荷重Cが作用した場合には、この引張荷重Cに対する抵抗部材としてブレードカバー40が作用するため、引張荷重Cを効果的に支持することができる。この反面、急後退時あるいは悪路走行時等に、ベローズ管3を収縮させる方向に圧縮荷重Bが作用した場合には、この圧縮荷重Bに応じてブレードカバー40の中間部が膨出、あるいは座屈変形を生じ易く、上記圧縮荷重Bに対する抵抗部材として上記ブレードを作用させることができないので、ベローズ管3が損傷し易く、これを防止するためにはベローズ管3の全長を大きくしなければならないという問題がある。
【0005】
また、上記両パイプ材1,2が排気ガスに加熱されて膨張した場合においても、ベローズ管3を収縮させる方向に圧縮荷重Bが作用するため、この圧縮荷重Bによって上記ベローズ管3が損傷するのを防止できることが望まれている。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、一対のパイプ材の連結部に設置されたベローズ管を収縮させる方向の大きな荷重および伸長させる方向の大きな荷重のいずれが作用した場合においても、これを効果的に支持することができ、ベローズ管の全長を大きくすることなくその損傷を防止できるパイプ材のフレキシブル連結構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、一対のパイプ材を接続するベローズ管を有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記ベローズ管の外周部を覆うように両パイプ材の端部に第1カバーおよび第2カバーをそれぞれ取り付け、上記第1カバーの先端部の外方に第2カバーの先端部を配設して両先端部を相対向させるとともに、この第1カバーと第2カバーとの間に、線材によって編成された連結部材を配設し、第1カバーの基端部近傍にフランジ部を設け、第1カバーの先端部に連結部材の一端部を固着するとともに、上記フランジ部に連結部材の他端部を固着し、かつ第2カバーの先端部に連結部材の中間部外周面を固着したものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、一対のパイプ材を接続するベローズ管を有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記ベローズ管の外周部を覆うように、線材によって編成された第1連結部材を設置してその両端部を上記両パイプ材の端部にそれぞれ固着するとともに、上記ベローズ管の一端部からその内周面に沿って他端部側に伸びる第1インナパイプと、上記ベローズ管の他端部からその内周面に沿って一端部側に伸びる第2インナパイプとを設け、上記第1インナパイプの先端部を第2インナパイプの先端部内に導入して第1インナパイプ材の先端部を上記ベローズ管の他端部側に位置させるとともに、第2インナパイプ材の先端部を上記ベローズ管の一端部側に位置させた状態で、第1インナパイプと第2インナパイプとの間に、線材によって編成された第2連結部材を配設し、この第2連結部材の両端部をそれぞれ上記第1インナパイプの先端部および第2インナパイプの先端部に固着したものである。
【0009】
【作用】
上記請求項1記載の発明によれば、両パイプ材の連結部に配設されたベローズ管を伸縮させる方向の小さな振動荷重等が作用した場合には、第1カバーと第2カバーとの間に配設された連結部材が変形することにより、上記荷重が吸収されることになる。また、上記ベローズ管の収縮方向および伸長方向に大きな荷重が作用した場合には、この荷重に対する抵抗部材として上記連結部材が機能することになる。また、両パイプ材の連結部に配設されたベローズ管の収縮方向に大きな圧縮荷重が作用した場合には、第1カバーの先端部と第2カバーの先端部との間に配設された連結部材の部分が抵抗部材として機能するとともに、両パイプ材の連結部に配設されたベローズ管の伸長方向に大きな引張荷重が作用した場合には、第1カバーのフランジ部と第1カバーの先端部との間に配設された連結部材の部分が抵抗部材として機能することになる。
【0010】
上記請求項2記載の発明によれば、両パイプ材の連結部に配設されたベローズ管の伸長方向に大きな引張荷重が作用した場合には、ベローズ管の外周部を覆うように設置された第1連結部材が上記引張荷重に対する抵抗部材として機能するとともに、両パイプ材の連結部に配設されたベローズ管の収縮方向に大きな圧縮荷重が作用した場合には、第1インナパイプと第2インナパイプとの間に配設された第2連結部材が上記圧縮荷重に対する抵抗部材として機能することになる。
【0011】
【実施例】
図1は、本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造の第1実施例を示している。このパイプ材のフレキシブル連結構造は、図外の自動車用エンジンに設けられた排気マニホールド等に接続される第1パイプ材1と、その下流側部に配設される第2パイプ材2との連結部に設けられている。
【0012】
上記第1パイプ材1と第2パイプ材2との連結部には、この両パイプ材1,2を接続するステンレス材等の薄板からなるベローズ管3と、このベローズ管3の外周部を覆う第1カバー4および第2カバー5と、この両カバー4,5を連結する連結部材6とが設置されている。また、上記第1パイプ材1には、上記ベローズ管3の内周面に沿って第2パイプ材2側に伸びるステンレス材等からなる薄板等かによって形成されたインナパイプ7が取り付けられている。
【0013】
上記第1カバー4は、所定の剛性を有するステンレス材等によって形成され、ベローズ管3の一側端部およびインナパイプ7の基端部とともに第1パイプ材1の端部に固着される取付部8と、この取付部8の端部から周方向に伸びる側壁部9と、この側壁部9の外周部から第2パイプ材2側に伸びる外壁部10と、上記側壁部9に取り付けられた外方側に伸びるフランジ部11とを有している。また、上記第1カバー4のフランジ部11には、上記連結部材6の後端部が固着される折り曲げ部12が設けられている。
【0014】
上記第2カバー5は、所定の剛性を有するステンレス材等によって形成され、ベローズ管3の他側端部とともに第2パイプ材2の端部に固着される取付部13と、この取付部13の端部から周方向に伸びる側壁部14と、この側壁部14の外周部から第1パイプ材1側に伸びる外壁部15とを有している。そして、上記第1カバー4の外壁部10の先端部が第2カバー5の外壁部15の先端部内に導入されることにより、この第1カバー4の外壁部10と第2カバー5の外壁部15とが所定間隔を置いて相対向して設置されている。
【0015】
上記連結部材6は、所定の剛性と適度の可撓性を有するステンレスワイヤ等からなる線材をメッシュ状に編成する等によって先窄まりの筒状に形成され、その先端部が第1カバー4の先端部外面に固着されるとともに、後端部が上記第1カバー4の基端部近傍に突設された上記フランジ部11の折り曲げ部12に固着されている。
【0016】
また、上記連結部材6の外周部、つまり連結部材6の中間部外面には、第2カバー5の先端部、つまり上記外壁部15の先端部内面が固着され、これによって上記第1カバー4の先端部と、第2カバー5の先端部との間に、連結部材6の下流側に位置する第1連結部6aが配設されるとともに、第1カバー4の基端部近傍と第2カバー5の先端部との間に連結部材6の上流側に位置する第2連結部6bが配設されることになる。
【0017】
上記構成において、第1パイプ材1および第2パイプ材2を連結するには、まずインナパイプ7の基端部およびベローズ管3の一端部に第1カバー4の取付部8を外嵌して溶接等の手段で固着するとともに、上記第1カバー4の外壁部10の先端部およびフランジ部11の折り曲げ部12に、上記連結部材6の両端部をそれぞれ溶接等の手段で固着する。
【0018】
次いで、ベローズ管3の他側端部に第2カバー5の取付部13を外嵌して溶接等の手段で固着した後、この第2カバー5の先端部を上記連結部材6の中間部外周面に溶接等の手段で固着することにより、上記ベローズ管3と第1,第2カバー4,5と、連結部材6とインナパイプ7とを有するフレキシブル連結部を組み立てる。
【0019】
そして、上記第1カバ4ーの取付部8および第2カバー5の取付部13内に第1パイプ材1および第2パイプ材2の端部を挿入してこれらをそれぞれ溶接することにより、上記ベローズ管3、第1,第2カバー4,5および連結部材6を介して第1パイプ材1と第2パイプ材2とを連結する。
【0020】
このように一対のパイプ材1,2を接続するベローズ管3と、上記両パイプ材1,2の端部に取り付けられた第1カバー4および第2カバー5とを有するパイプ材1,2のフレキシブル連結構造において、第1カバー4の先端部を第2カバー5の先端部内に導入して両カバー4,5の先端部同士を相対向させるとともに、この第1カバー4と第2カバー5との間に、線材によって編成された連結部材6を配設し、この連結部材6の両端部および外周部を上記第1カバー4および第2カバー5の先端部および第2カバー5の先端部にそれぞれ固着したため、簡単な構成で上記両パイプ材1,2の連結部に作用する種々の荷重を効果的に支持することができる。
【0021】
すなわち、図2に示すように、自動車の前部に横置き式に設置されたエンジンEの作動時に発生するエンジン16の回転振動に応じ、両パイプ材1,2の連結部を支点として第1パイプ材1を上下に揺動変位させる矢印A方向の振動荷重が作用した場合には、上記連結部に配設されたベローズ管3および連結部材6が曲げ変位することによって上記振動荷重が吸収されつつ、第1パイプ材1の揺動変位が許容されるため、この第1パイプ材1の振動変位が第2パイプ材2側に伝達されるのを防止することができる。
【0022】
また、上記第1,第2パイプ材1,2の連結部に配設されたベローズ管3を伸縮させる方向に小さな振動荷重が作用した場合には、上記連結部材6の全体が伸縮変形することによって上記振動荷重が吸収され、第1パイプ材1側から上記連結部に入力された振動荷重が第2パイプ材2側に伝達されるのを効果的に防止することができるとともに、第2パイプ材2側から上記連結部に入力された振動荷重が第1パイプ材1側に伝達されるのを効果的に防止することができる。
【0023】
そして上記第1,第2パイプ材1,2内を通る排気ガス等により両パイプ材1,2が加熱されて熱膨張した場合、あるいはエンジンが横置き式に設置された自動車の急発進時または悪路走行時に大きなエンジン駆動力および路面から大きな反力が作用した場合には、連結部材6の変形によって吸収できない大きな圧縮荷重Bが、上記ベローズ管3を収縮させる方向に作用することとなるが、この圧縮荷重Bは、図1に示すように、第1カバー4の先端部と、第2カバー5の先端部との間に配設された連結部材6の第1連結部6aを引っ張る方向に作用することになる。
【0024】
したがって、上記連結部材6の第1連結部6aを上記荷重Bの抵抗部材として機能させ、これによって上記両パイプ材1,2の熱膨張およびエンジンの駆動力等に起因した大きな圧縮荷重Bを上記連結部材6において効果的に支持し、上記ベローズ管3の全長を大きくすることなく、上記荷重Bによるベローズ管3の損傷を確実に防止することができる。
【0025】
さらに、寒冷時等に両パイプ材1,2が冷却されて熱収縮した場合、あるいは上記自動車の急後退時または悪路走行時に大きなエンジン駆動力および路面から大きな反力が作用した場合には、連結部材6の変形によって吸収できない大きな引張荷重Cが、ベローズ管3を伸長させる方向に作用することとなるが、この引張荷重Cが第1カバー4の基端部近傍に突設されたフランジ部12と、第2カバー5の先端部との間に配設された連結部材6の第2連結部6bを引っ張る方向に作用することになる。
【0026】
したがって、上記連結部材6の第2連結部6bを上記引張荷重Cの抵抗部材として機能させることにより、上記ベローズ管3を伸長させる方向に作用する大きな引張荷重Cを上記連結部材6の上流側部に位置する第2連結部6bにおいて効果的に支持し、これによって上記ベローズ管3の全長を大きくすることなく、上記引張荷重Cによるベローズ管3の損傷を確実に防止することができる。
【0027】
また、上記ベローズ管3の外周部を覆うように、上記第1カバー4の外壁部10と、連結部材6および第2カバー5の外壁部15とが二重に設置されているため、自動車の走行時に路面から飛来する小石等によって入力される外力から上記ベローズ管3を効果的に保護してその損傷を確実に防止することができる。
【0028】
さらに、上記実施例では、ベローズ管3の内周面に沿って第2パイプ材2側に伸びるインナパイプ7を第1パイプ材1の端部に取り付け、この第1パイプ材1から連結部に導入された排気ガスを上記インナパイプ7によって案内するように構成したため、上記排気ガスがベローズ管3に接触して気流の乱れにより流速が低下するという事態の発生を効果的に防止することができるとともに、上記ガスがベローズ管3に衝突することに起因した異音の発生を抑制することができる。
【0029】
また、上記インナパイプ7を設けることにより、排気ガスがベローズ管3に接触するのを防止することができるため、このベローズ管3が排気ガスによって加熱されることに起因する強度の低下を防止し、上記ベローズ管3の寿命を効果的に向上させることができる。
【0030】
図3は、本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造の第2実施例を示している。この第2実施例では、第1カバー4の取付部8から外方に突設された側壁部9の外端部と、第2カバー5の外壁部15の先端部とを内外に相対向させて設置するとともに、両カバー4,5の先端部の間に、ステンレスワイヤ等の線材によって編成されたドーナツ盤状の連結部材18を配設し、その内周部と外周部とを上記第1カバー4の先端部外面と、第2カバー5の先端部に設けられたフランジ部19とにそれぞれ固着している。
【0031】
また、図4は、本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造の第3実施例を示している。この第3実施例では、第1カバー4の外壁部10の先端部と、第2カバー5の外壁部15の先端部とを内外に相対向させて設置し、上記第1,第2カバー4,5の外壁部10,15にそれぞれフランジ部20,21を設け、このフランジ部22,23にドーナツ盤状の連結部材18の内周部および外周部をそれぞれ固着している。
【0032】
このように相対向して設置された第1,第2カバー4,5間にドーナツ盤状の連結部材18を配設し、その内周部および外周部を上記第1,第2カバー5の先端部にそれぞれ固着するようにした上記構成によると、上記ベローズ管3を伸縮させる方向、つまり図3および図4の仮想線で示すように、連結部材18を揺動変位させる方向に作用する大きな荷重B,Cに対し、上記連結部材19を抵抗部材として機能させることができる。
【0033】
したがって、上記両パイプ材1,2の連結部に設置されたベローズ管3を伸長させる方向の大きな引張荷重Cおよびこのベローズ管3を収縮させる方向の大きな圧縮荷重Bのいずれが作用した場合においても、これらの荷重B,Cを上記連結部材18によってそれぞれ効果的に支持することができ、これによって簡単な構成で上記ベローズ管3の損傷を効果的に防止することができる。
【0034】
なお、上記第1〜第3実施例では、エンジンEの排気マニホールドに接続された第1パイプ材1に第1カバー4を取り付けるとともに、下流側に配設された第2パイプ材2に第2カバー5を取り付け、かつ上記第1カバー4の先端部を第2カバー5内に導入してこれらの間に上記連結部材6,18を配設した例について説明したが、上記第1カバー4と第2カバー5との取り付け位置を逆にしてもよい。
【0035】
図5は、本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造の第4実施例を示している。この第4実施例では、ベローズ管3の外周部を覆う第1連結部材22と、上記ベローズ管3の一端部からその内周面に沿って他端部側に伸びるステンレス鋼等からなる第1インナパイプ23と、上記ベローズ管3の他端部からその内周面に沿って一端部側に伸びるステンレス鋼等からなる第2インナパイプ24と、第1インナパイプ23の先端部と第2インナパイプ24の先端部とを連結する第2連結部材25とが、上記第1パイプ材1と第2パイプ材2との連結部に設置されている。
【0036】
上記第1連結部材22は、第1カバー4の端部および第2カバー5の端部に外嵌される円筒状の取付部26,26と、この取付部26,26の内端部から斜め外方に伸びる側壁部27,27と、両側壁部27,27間に設置された円筒状の外壁部28とを有し、ステンレスワイヤ等の線材によって編成されている。そして、第1連結部材22の取付部26,26および側壁部27,27を覆うように設置された補強部材29,30により、第1連結部材22の両端部が補強された状態で上記第1,第2パイプ材1,2の端部に固着されている。
【0037】
上記第1インナパイプ23は、第1パイプ材1の端部に外嵌されて固着される取付部31と、先窄まりに形成された中間部32と、上記第2パイプ材2側に伸びる円筒状部33とを有している。また、上記第2インナパイプ24は、第2パイプ材2の端部から第1パイプ材1側に伸びる円筒体からなり、この第2インナパイプ24内に上記第1インナパイプ23の円筒状部33が導入されることにより、第1インナパイプ材23の先端部が上記ベローズ管3の他端部側に位置するとともに、第2インナパイプ材24の先端部が上記ベローズ管3の一端部側に位置した状態で、両インナパイプ23,24の先端部同士が相対向して設置されている。
【0038】
そして、上記第1インナパイプ23の円筒状部33と、上記第2インナパイプ24との間には、ステンレスワイヤ等の線材によって編成され第2連結部材25が設置され、その両端部が上記第1インナパイプ23の先端部と、第2インナパイプ24の先端部とにそれぞれ固着されている。
【0039】
このように第1パイプ1の端部と第2パイプ2の端部とを連結する第1連結部材22をベローズ管3を覆うように設置するとともに、このベローズ管3の内方において相対向するように設置された第1,第2インナパイプ23,24の先端部同士を連結する第2連結部材25を設けた構成によると、第1,第2パイプ材1,2を接続するベローズ管3を収縮させる方向に作用する大きな圧縮荷重Bが作用した場合に、この圧縮荷重Bに対する抵抗部材として上記第2連結部材25を機能させることができる。また、上記ベローズ管3を伸長させる方向に作用する引張荷重Cが作用した場合に、この引張荷重Cに対する抵抗部材として上記第1連結部材22を機能させることができる。
【0040】
したがって、ベローズ管3の収縮方向および伸長方向に作用する大きな荷重B,Cを上記第1,第2連結部材22,25によって効果的に支持し、上記ベローズ管3に悪影響が及ぶのを確実に防止することができる。しかも、上記ベローズ管3の軸方向に小さな振動荷重が作用した場合および両パイプ材1,2の連結部を支点にして第1パイプ材1を上下に揺動変位させる方向に振動荷重が作用した場合等においては、上記第1,第2連結部材22,25を変形させることにより、上記各振動荷重を効果的に吸収して第2パイプ材2側に振動が伝達されるのを抑制することができる。
【0041】
また、上記実施例では、排気管の上流側に配設された第1パイプ材1の端部から第2パイプ材2側に伸びるように設置された第1インナパイプ23の円筒状部33を、第2パイプ材2の端部に取り付けられた第2インナパイプ24の先端部内に挿入することにより、両インナパイプ23,24の先端部同士を相対向させるように構成したため、上記第1パイプ材1を通って上記連結部に導入された排気ガス等が両インナパイプ23,24の間隙を通ってベローズ管3の設置部に侵入するのを効果的に防止することができる。
【0042】
したがって、上記排気ガスがベローズ管3に接触して気流の乱れにより流速が低下するという事態の発生したり、上記ガスがベローズ管3に衝突することに起因して異音が発生したりするのをさらに効果的に防止することができるとともに、ベローズ管3が排気ガスにより加熱されることを防止して、このベローズ管3の温度上昇に起因する強度の低下を抑制し、ベローズ管3の寿命をさらに効果的に向上させることができる。
【0043】
なお、本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造は、エンジンEに接続される排気管の設置部に限られず、冷却水管等からなる種々のパイプ材の連結部に適用可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明は、一対のパイプ材を接続するベローズ管を有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記ベローズ管の外周部を覆うように両パイプ材の端部に第1カバーおよび第2カバーをそれぞれ取り付け、上記第1カバーの先端部の外方に第2カバーの先端部を配設して両先端部を相対向させるとともに、この第1カバーと第2カバーとの間に、線材によって編成された連結部材を配設し、第1カバーの基端部近傍にフランジ部を設け、第1カバーの先端部に連結部材の一端部を固着するとともに、上記フランジ部に連結部材の他端部を固着し、かつ第2カバーの先端部に連結部材の中間部外周面を固着したため、上記両パイプ材の一方からその連結部に入力された振動荷重等を上記連結部材によって効果的に吸収し、他方のパイプ材に伝達されるのを防止することができる。
【0045】
しかも、エンジンが横置き式に設置された自動車の急発進時、急後退時または悪路走行時等に、エンジンの駆動力および路面から入力される反力等に起因して上記連結部の軸方向に大きな荷重が入力された場合、あるいは上記両パイプ材の熱膨張および熱収縮に起因して上記連結部の軸方向に大きな荷重が入力された場合に、これらの荷重を上記連結部材によって効果的に支持し、ベローズ管が損傷するのを確実に防止することができる。
【0046】
また、上記第1カバーの基端部近傍にフランジ部を設け、第1カバーの先端部に連結部材の一端部を固着するとともに、上記フランジ部に連結部材の他端部を固着し、かつ第2カバーの先端部に連結部材の中間部外周面を固着したため、ベローズ管を収縮させる方向に大きな荷重が作用した場合には、上記第1カバーの先端部と第2カバーの先端部との間に設置された連結部材の第1連結部を上記荷重に対する抵抗部材として機能させることができる。また、ベローズ管を伸長させる方向に大きな荷重が作用した場合には、上記フランジ部と第2カバーの先端部との間に設置された連結部材の第2連結部を上記荷重に対する抵抗部材として機能させることができる。
【0047】
したがって、上記エンジンの駆動力、路面からの反力、両パイプ材の熱膨張および熱収縮等に起因した大きな荷重を、上記連結部材の第1,第2連結部によりそれぞれ効果的に支持し、ベローズ管が上記荷重に応じて損傷することを確実に防止してベローズ管のシール性が損なわれるのを効果的に防止できるという利点がある。
【0048】
また、請求項2に係る発明は、一対のパイプ材を接続するベローズ管を有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記ベローズ管の外周部を覆うように、線材によって編成された第1連結部材を設置してその両端部を上記両パイプ材の端部にそれぞれ固着するとともに、上記ベローズ管の一端部からその内周面に沿って他端部側に伸びる第1インナパイプと、上記ベローズ管の他端部からその内周面に沿って一端部側に伸びる第2インナパイプとを設け、上記第1インナパイプの先端部を第2インナパイプの先端部内に導入して第1インナパイプ材の先端部を上記ベローズ管の他端部側に位置させるとともに、第2インナパイプ材の先端部を上記ベローズ管の一端部側に位置させた状態で、第1インナパイプと第2インナパイプとの間に、線材によって編成された第2連結部材を配設し、この第2連結部材の両端部をそれぞれ上記第1インナパイプの先端部および第2インナパイプの先端部に固着したため、上記ベローズ管を伸長させる方向および収縮させる方向に作用する大きな荷重を上記第1連結部材および第2連結部材によってそれぞれ効果的に支持し、上記ベローズ管の損傷を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイプ材のフレキシブル連結構造の第1実施例を示す断面図である。
【図2】上記フレキシブル連結構造の設置状態の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す断面図である。
【図6】パイプ材のフレキシブル連結構造の従来例を示す半部断面図である。
【符号の説明】
1 第1パイプ材
2 第2パイプ材
3 ベローズ管
4 第1カバー
5 第2カバー
6,18 連結部材
11 フランジ部
22 第1連結部材
23 第1インナパイプ材
24 第2インナパイプ材
25 第2連結部材
Claims (2)
- 一対のパイプ材を接続するベローズ管を有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記ベローズ管の外周部を覆うように両パイプ材の端部に第1カバーおよび第2カバーをそれぞれ取り付け、上記第1カバーの先端部の外方に第2カバーの先端部を配設して両先端部を相対向させるとともに、この第1カバーと第2カバーとの間に、線材によって編成された連結部材を配設し、第1カバーの基端部近傍にフランジ部を設け、第1カバーの先端部に連結部材の一端部を固着するとともに、上記フランジ部に連結部材の他端部を固着し、かつ第2カバーの先端部に連結部材の中間部外周面を固着したことを特徴とするパイプ材のフレキシブル連結構造。
- 一対のパイプ材を接続するベローズ管を有するパイプ材のフレキシブル連結構造において、上記ベローズ管の外周部を覆うように、線材によって編成された第1連結部材を設置してその両端部を上記両パイプ材の端部にそれぞれ固着するとともに、上記ベローズ管の一端部からその内周面に沿って他端部側に伸びる第1インナパイプと、上記ベローズ管の他端部からその内周面に沿って一端部側に伸びる第2インナパイプとを設け、上記第1インナパイプの先端部を第2インナパイプの先端部内に導入して第1インナパイプ材の先端部を上記ベローズ管の他端部側に位置させるとともに、第2インナパイプ材の先端部を上記ベローズ管の一端部側に位置させた状態で、第1インナパイプと第2インナパイプとの間に、線材によって編成された第2連結部材を配設し、この第2連結部材の両端部をそれぞれ上記第1インナパイプの先端部および第2インナパイプの先端部に固着したことを特徴とするパイプ材のフレキシブル連結構造。
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