JP3591826B2 - 電磁誘導加熱コイル用線材 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、複写機内において未定着画像を被記録材面に永久画像として加熱定着するのに用いられる電磁誘導加熱装置の加熱コイルを構成する線材に係わり、特には耐熱性に優れた電磁誘導加熱コイル用線材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンター等の画像形成装置には画像形成用の加熱定着装置が用いられており、電子写真プロセス、静電記録プロセス、磁気記録プロセス等適宜の画像形成手段で被記録材(転写材シート・静電記録紙・エレクトロファックス紙・印字用紙等)に転写式あるいは直接式により画像を形成担持させ、目的の画像情報に対応した未定着画像(トナー画像)を被記録材面に永久画像として加熱定着させている。
この加熱定着装置としては、例えば、ハロゲンランプからなる加熱ヒータを内側に挿通し、この加熱ヒータの外周を回転するよう配設した加熱ローラと、加熱ローラとは別に設けた加圧ローラを弾性的に接触させた構造の加熱ローラ式定着装置が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した加熱定着装置では、アルミニウム中空金属ローラからなる加熱ローラの内側に加熱源となるハロゲンランプが挿通固定されており、ハロゲンランプを発光、発熱させるとその熱が輻射するとともに対流して加熱ローラを加熱する。そして、加熱された加熱ローラは熱伝導により加熱ローラ全体を一様な温度分布に形成し、被記録材面に永久画像を定着させるよう機能する。
ところで、加熱ヒータがハロゲンランプの場合、加熱ローラ全体を一様な温度分布にするまでの時間、即ち、ウォームアップ時間が長くなる難点があり、所謂、クイックスタートへの対応が難しかった。
また、画像形成装置がプリント作業を停止した待機状態では、待機状態に応じてスタンバイ温度を調整する必要があり、近時要求の強い省電力への対応も難しかった。
【0004】
そこで、これらの難点を解消するため、加熱効率が高い電磁誘導加熱コイルを用いた加熱定着装置も検討されるようになってきた。
しかし、電磁誘導加熱コイルの場合には、加熱ローラからの輻射熱と電磁誘導加熱コイル自身の銅損による熱により、電磁誘導加熱コイル自身の温度が200℃以上にも達してしまっていた。ところが、電磁誘導加熱コイルに使用されているエナメル銅線の耐熱温度は200℃近辺であるため、連続使用した場合にはエナメル銅線の絶縁皮膜に熱劣化を引き起こし、実用に耐えられなくなる危険性が極めて高かった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、簡便な手段でエナメル銅線絶縁皮膜の熱劣化を引き起こさず、端末加工性にも優れた電磁誘導加熱コイル用線材を提供し、電磁誘導加熱コイル自身の温度を抑えることが出来、加熱ローラのウォームアップ時間の短縮化や省電力化、クイックスタートに対応可能な加熱定着装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の観点によれば、本発明の電磁誘導加熱コイル用線材は、電磁誘導加熱定着装置内に配設する加熱コイルを構成する電磁誘導加熱コイル用線材であって、
ポリアミドイミド銅線、ポリエステルイミド・ポリアミドイミド銅線、ポリイミド銅線、ポリエステルイミド銅線の耐熱性に優れたエナメル銅線2を複数本束ねて撚るとともに、その外周に熱融着層3Aを備えた耐熱性絶縁テープ3を、該熱融着層3Aを外側にして螺旋状に巻付け構成したことを特徴とする電磁誘導加熱コイル用線材を提供する。
【0007】
第1の観点の電磁誘導加熱コイル用線材は、耐熱性に優れたエナメル銅線2を複数本束ねて撚るとともに、その外周には熱融着層3Aを備えた耐熱性絶縁テープ3を、該熱融着層3Aを外側にして螺旋状に巻付けるので、コイル用線材の表面積が増え、高周波電流に対する表皮効果によりコイル銅損が低減し、電磁誘導加熱コイル3の温度を大幅に低下させることが出来る。
また、耐熱性300度以上の熱融着層3Aを備えた耐熱性絶縁テープ3を、該熱融着層3Aを外側にして巻付けることで、電磁誘導加熱コイル3に対する加熱ローラ1からの輻射熱が遮られ、エナメル銅線2の絶縁皮膜が高温から保護されるので、長期間にわたり連続使用してもエナメル線の絶縁皮膜に熱劣化を引き起こさない電磁誘導加熱コイルが得られる。さらに、加熱効率に優れ、ウォームアップ時間の短縮が可能で、省電力化やクイックスタートに対応可能な加熱定着装置を提供できる。
また、熱融着層3Aを外側にして巻付けるので、電磁誘導加熱コイルが密着した状態で巻線形状を保持される。また、エナメル銅線2と熱融着層3Aとは接触しないので、コイル用線材の端末加工において、耐熱性絶縁テープ3を簡単に除去することができる。
【0008】
第2の観点によれば、本発明の電磁誘導加熱コイル用線材は、耐熱性絶縁テープ3は2分の1ラップ巻して構成したことを特徴とする電磁誘導加熱コイル用線材を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に沿って説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態による複写機用加熱定着装置に用いられる電磁誘導加熱コイル用線材の説明図で、同図(a)は要部構成を示す説明図、同図(b)は同図(a)のA-A線断面図である。図2は電磁誘導加熱定着装置の要部構成を示す説明図である。
【0010】
図において、2は一般的に用いられているポリアミドイミド銅線、ポリエステルイミド・ポリアミドイミド銅線、ポリイミド銅線、ポリエステルイミド銅線等からなり、0.3〜0.5mmΦの耐熱性に優れたエナメル銅線である。
これらのエナメル銅線2を10〜40本束ねて撚るとともに、その外周に熱融着層3Aを具備する厚さ10〜70μmのポリイミドテープ3を熱融着層3Aを外側にして2分の1ラップ巻(テープ幅の半分を重ねて巻回する)して電磁誘導加熱コイル用線材1を製造する。
なお、束ねたエナメル銅線2の外周に熱融着層3Aを外側にしたポリイミドテープ3を巻付ければ、熱融着層3Aはエナメル銅線2と接触せず、エナメル銅線2の端末加工時にポリイミドテープ3を除去し易くなる効果が得られる。
9は電磁誘導加熱コイル用線材1を巻線したボビンであり、機械強度と耐熱性に優れた、例えば、テフロン系のPP(ポリプロピレン),PBT(ポリブチレンテレフタレート),PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体),シリコーン等の耐熱性材料で構成されている。
4は加熱定着装置を構成する加熱ローラで、5は加圧ローラである。 熱ローラ式の熱定着装置では、加熱ローラ4と加圧ローラ5との並行圧接ローラ対を基本構造とし、ローラ対を回転させてローラ対の圧接部である加熱ニップ部6に画像定着すべき被記録材を導入して挟持搬送させ、加熱ローラ4の熱と圧接ニップ部6の加圧力により未定着画像を加熱融着させて被記録材面に染み込ませて熱定着させている。
また、加熱ローラ4内側には加熱ローラ4との間に隙間を形成して電磁誘導加熱コイル用線材1を巻線した加熱コイル8が挿通され、加熱ローラ4とは接触せず、回転もしないよう固定されている。
なお、加熱コイル8には高透磁率のフェライトなどの磁性体を配設するのが望ましい。
【0011】
このように形成された電磁誘導加熱コイル用線材1を複写機用加熱定着装置の電磁誘導加熱コイルに用いれば、電磁誘導加熱コイルを構成する線材としての表面積が増加し、高周波電流に対する表皮効果が向上してコイル銅損を大幅に低減することが可能になる。
また、耐熱性のポリイミドテープ3を具備するので、電磁誘導加熱コイル8に対する加熱ローラ4からの熱輻射が遮られ、電磁誘導加熱コイル8の温度上昇が抑えられてエナメル銅線2の絶縁皮膜の熱劣化が防止される。
この結果、冷却ファン等の特別な冷却装置を設けることなく電磁誘導加熱コイルの熱耐久性を向上させることができ、200℃以上の使用環境における連続使用にも耐えうる電磁誘導加熱コイルを提供することができる。
【0012】
また、プリント時における加熱ローラ4の温度を下げることなく電磁誘導加熱コイル8の温度のみ200℃以下に下げることが可能であり、エナメル線2を電磁誘導加熱コイル8に用いた加熱効率の高い電磁誘導加熱式加熱定着装置を具備する複写機の提供が可能になる。
さらに、ウォームアップ時間が短縮し、省電力化やクイックスタートに対応可能な加熱定着装置を提供することができる。
【0013】
なお、本発明の特徴をなす電磁誘導加熱コイル8は、1個のコイルで構成しても、複数のコイルで構成してもよいことは言うまでもない。
また、この電磁誘導加熱コイル8は、加熱定着装置内に配設した加熱用電源回路の出力側と接続されて用いられる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、エナメル銅線を加熱定着装置の電磁誘導加熱コイルに用いることが出来、端末加工性にも優れた加熱効率の高い加熱定着装置を具備する複写機の提供が可能になる。また、ウォームアップ時間が短縮され、省電力化とクイックスタートに対応可能な複写機やプリンターを提供できる等、その実用上の効果は大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による複写機用加熱定着装置に用いられる電磁誘導加熱コイル用線材の説明図で、同図(b)は同図(a)のA−A線断面図である。
【図2】電磁誘導加熱定着装置の要部構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電磁誘導加熱コイル用線材
2 エナメル銅線
3 耐熱性テープ
3A 熱融着層
4 加熱ローラ
5 加圧ローラ
6 加熱ニップ部
8 電磁誘導加熱コイル
9 コイルボビン
Claims (2)
- 電磁誘導加熱定着装置内に配設する加熱コイルを構成する電磁誘導加熱コイル用線材であって、
ポリアミドイミド銅線、ポリエステルイミド・ポリアミドイミド銅線、ポリイミド銅線、ポリエステルイミド銅線の耐熱性に優れたエナメル銅線2を複数本束ねて撚るとともに、その外周に熱融着層3Aを備えた耐熱性絶縁テープ3を、該熱融着層3Aを外側にして螺旋状に巻付け構成したことを特徴とする電磁誘導加熱コイル用線材。 - 請求項1に記載の耐熱性絶縁テープ3は2分の1ラップ巻したことを特徴とする電磁誘導加熱コイル用線材。
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