JPH09127813A - 誘導加熱定着装置 - Google Patents

誘導加熱定着装置

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JPH09127813A
JPH09127813A JP28199695A JP28199695A JPH09127813A JP H09127813 A JPH09127813 A JP H09127813A JP 28199695 A JP28199695 A JP 28199695A JP 28199695 A JP28199695 A JP 28199695A JP H09127813 A JPH09127813 A JP H09127813A
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coil
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空金属体とコアとの間の電気的な絶縁を十
分に確保しつつ加熱効率も良好にし得る誘導加熱定着装
置を提供する。 【解決手段】 コア23を、定着ローラ10内面との間
の距離dが0.5mm以上、4mm以下の寸法となるよ
うに配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機、プリンタおよびファクシミリなどの画像形成装置に
用いられる定着装置に関し、さらに詳しくは、誘導加熱
を利用してトナー像を記録媒体に定着する定着装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真式の複写機などには、記録媒体
である記録紙ないし転写材などのシート上に転写された
トナー像をシートに定着させる定着装置が設けられてい
る。この定着装置は、例えば、シート上のトナーを熱溶
融させる加熱ローラとも指称される定着ローラと、当該
定着ローラに圧接してシートを挟持する加圧ローラとを
有している。定着ローラは中空状に形成され、この定着
ローラの中心軸上には、発熱体が保持手段により保持さ
れている。発熱体は、例えば、ハロゲンランプなどの管
状発熱ヒータより構成され、所定の電圧が印加されるこ
とにより発熱するものである。このハロゲンランプは定
着ローラの中心軸に位置しているため、ハロゲンランプ
から発せられた熱は定着ローラ内壁に均一に輻射され、
定着ローラの外壁の温度分布は円周方向において均一と
なる。定着ローラの外壁は、その温度が定着に適した温
度(例えば、150〜200℃)になるまで加熱され
る。この状態で定着ローラと加圧ローラは摺接しながら
互いに逆方向へ回転し、トナーが付着したシートを挟持
する。定着ローラと加圧ローラとの摺接部(以下、ニッ
プ部という)において、シート上のトナーは定着ローラ
の熱により溶解し、両ローラから作用する圧力によりシ
ートに定着される。トナーが定着した後、定着ローラお
よび加圧ローラの回転に伴い、シートは、排紙ローラに
よって搬送され、排紙トレイ上に排出される。
【0003】ハロゲンランプなどから構成される発熱体
を備えた上記定着装置においては、電源を投入した後、
定着ローラの温度が定着に適した所定温度に達するまで
の時間(以下、「予熱時間」という)に、比較的長時間
を要していた。その間、使用者は複写機を使用すること
ができず、長時間の待機を強いられるという問題があっ
た。その一方、予熱時間の短縮を図ってユーザの操作性
を向上すべく多量の電力を定着ローラに印加したので
は、定着装置における消費電力が増大し、省エネルギ化
に反するという問題が生じていた。このため、複写機な
どの商品の価値を高めるためには、定着装置の省エネル
ギ化(低消費電力化)と、ユーザの操作性向上(クイッ
クプリント)との両立を図ることが一層注目され重視さ
れてきている。
【0004】かかる要請に応える装置として、特開昭5
4−39645号公報や特開昭59−33477号公報
に示されるように、加熱源として高周波誘導を利用し、
電気−熱変換効率を向上させ、予熱時間の短縮化を図る
ようにした誘導加熱方式の定着装置が提案されている。
この誘導加熱定着装置は、金属導体からなる中空の定着
ローラの内部にコイルが同心状に配置されており、この
コイルに高周波電流を流して生じた高周波磁界により定
着ローラに誘導渦電流を発生させ、定着ローラ自体の表
皮抵抗によって定着ローラそのものをジュール発熱させ
るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】誘導加熱定着装置に
は、磁路を形成するコアに巻線を巻回して誘導コイルを
構成したものがあるが、このコアと定着ローラとの間の
距離と、定着ローラを加熱する効率(エネルギー伝達効
率)との間には、次ぎの関係がある。つまり、コアと定
着ローラとの間の距離を短くすれば、磁気的な結合が強
くなるため加熱効率がよくなり定着ローラにおける発熱
量が増大し、逆に、距離を長くすれば、磁気結合が弱く
なるため加熱効率が悪くなり発熱量が減少する。
【0006】また、定着装置の損傷を防止するために短
絡の虞をなくすべく、定着ローラとコアとの間の電気的
な絶縁を十分に確保する必要がある。同様の理由によ
り、定着ローラとコイルとの間の電気的絶縁も必要であ
る。
【0007】上記電気的絶縁を十分に確保するために
は、定着ローラとコアとの間の距離を長くすればよい
が、このように構成すると、前述したように、十分な加
熱効率が得られなくなる。かかる場合に定着ローラにお
いて所定の発熱量を得るためには、より多くの電流をコ
イルに流す必要があるが、コイルの銅損による発熱量が
多くなりコイル自体の温度が200℃を超えてしまう。
このため、コアやコイルを支持するホルダ、あるいは、
コイルの材質として、前記温度に耐え得る高価な材質を
使用しなければならず、コストの増加を招くばかりでな
く、省エネルギ化に逆行する結果となる。
【0008】そこで、本発明者らは、定着装置の省エネ
ルギ化と、ユーザの操作性向上との両立を図るべく鋭意
研究した結果、コアと加熱される中空金属体との間の距
離を所定の寸法範囲にすれば、中空金属体とコアとの間
の電気的な絶縁を十分に確保しつつ加熱効率も良好にし
得ることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明は、中空金属体とコアとの間の電気
的な絶縁を十分に確保しつつ加熱効率も良好にし得る誘
導加熱定着装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の本発明は、加熱される中空金属体
と、磁性材からなるコアと、前記コアの周囲に絶縁部を
介して巻線を巻回して形成され前記中空金属体に誘導電
流を誘起させて加熱する誘導コイルと、前記コアおよび
前記誘導コイルを支持して前記中空金属体内に収納され
る非回転の保持部材と、を有する誘導加熱定着装置にお
いて、前記コアを、前記中空金属体との間の距離が0.
5mm以上、4mm以下の寸法となるように配置したこ
とを特徴とする誘導加熱定着装置である。
【0011】このように構成すれば、コイルの温度を高
価な材質を使用しなければならなくなる温度以下に抑え
てコストの上昇を抑えることができ、また加熱効率の悪
化を抑えて省エネルギ化に寄与できる。さらに中空金属
体とコアとの間の電気的な絶縁が確保される。
【0012】また、前記中空金属体は、中空金属ローラ
であることを特徴とする。
【0013】かかる構成にすれば、中空金属ローラとコ
アとの間の電気的な絶縁を十分に確保しつつ加熱効率も
良好にでき、中空金属ローラの回転も阻害しない誘導加
熱定着装置となる。
【0014】また、前記コアおよび前記誘導コイルのう
ち少なくとも前記保持部材から外部に露呈している部位
を、耐熱性を有する薄肉の電気絶縁体で覆うとよい。
【0015】かかる構成にすれば、コアを中空金属ロー
ラ内面に一層近付けても、中空金属ローラとコアおよび
誘導コイルとの間の電気的絶縁がより確実となり、例え
ば、誘導コイルの被覆が過昇温等により破壊された場合
であっても、電気的絶縁を確保して定着装置全体が破壊
されることを防止できる。
【0016】また、前記保持部材は、電気絶縁素材から
略円柱形状に形成されると共に前記コアと誘導コイルと
を絶縁する絶縁部が一体的に形成され、前記コアは、前
記保持部材の外周面に連なる端面が形成されていること
を特徴とする。
【0017】このように絶縁部と保持部材とを一体化す
ることで、十分な機械的強度を確保でき、また、コアの
端面を保持部材の外周面に連なるようにすることで、コ
アを中空金属ローラ内面に近付け易くなり、加熱効率の
向上を達成し易くなる。
【0018】また、前記中空金属体は、可撓性を有する
薄肉の金属スリーブであることを特徴とする。
【0019】かかる構成にすれば、薄肉金属スリーブと
コアとの間の電気的な絶縁を十分に確保しつつ加熱効率
も良好にできる誘導加熱定着装置となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0021】《実施の形態1》図1は、本発明の実施の
形態1に係る誘導加熱定着装置を概略で示す断面図であ
る。
【0022】図1に示すように、プリンタなどに組み込
まれた誘導加熱定着装置は、矢印a方向に回転駆動可能
に設けられた加熱ローラつまり定着ローラ10と、当該
定着ローラ10に圧接して設けられ定着ローラ10の回
転に伴って従動回転する加圧ローラ11とを有する。
【0023】定着ローラ10は、導電体の中空パイプで
あり、その内部には、当該定着ローラ10に誘導電流
(渦電流)を発生させるためのコイル・アセンブリ12
が配設されている。このコイル・アセンブリ12はホル
ダ24に保持され、全体としてホルダユニット13を構
成している。誘導電流により発熱するのは定着ローラ1
0自身であり、この定着ローラ10が中空金属体として
の中空金属ローラに相当する。また、ホルダ24が保持
部材に相当する。
【0024】定着ローラ10は、その両端にスベリ軸受
部が形成され、図示しない定着ユニットフレームに回転
自在に取り付けられている。さらに、定着ローラ10
は、その片端に図示しない駆動ギアが固定され、この駆
動ギアに接続されたモータなどの図示しない駆動源によ
って回転駆動される。また、ホルダ24は、定着ユニッ
トフレームに固定されて非回転となっており、定着ロー
ラ10の内周面との間に所定寸法の隙間を隔ててローラ
10内部に収納されている。
【0025】未定着のトナー像が転写されているトナー
担持体つまりシート14は、図1中矢印bで示すように
左方向から搬送され、定着ローラ10と加圧ローラ11
との間のニップ部に向けて送り込まれる。シート14
は、加熱された定着ローラ10の熱と、両ローラ10、
11から作用する圧力とが加えられながら、ニップ部を
搬送される。これにより、未定着トナーが定着されて、
シート14上には定着トナー像が形成される。ニップ部
を通過したシート14は、定着ローラ10の曲率によっ
て当該定着ローラ10から自然に分離し、あるいは、図
1に示すように先端部が定着ローラ10の表面に摺接す
るように設けられた分離爪15によって定着ローラ10
から強制的に分離され、図1中右方向に搬送される。こ
のシート14は、図示しない排紙ローラによって搬送さ
れ、排紙トレイ上に排出される。
【0026】定着ローラ10の上方には、当該定着ロー
ラ10の温度を検出する温度センサ16が設けられてい
る。この温度センサ16は、定着ローラ10を隔てて誘
導コイル22に向かい合うように、定着ローラ10の表
面に圧接している。温度センサ16は、例えば、サーミ
スタより構成され、このサーミスタ16で定着ローラ1
0の温度を検出しつつ、定着ローラ10の温度が最適温
度となるように誘導コイル22への通電が制御される。
【0027】定着ローラ10の上方にはさらに、温度異
常上昇時の安全機構として、サーモスタット17が設け
られている。このサーモスタット17は、定着ローラ1
0の表面に圧接しており、予め設定された温度になると
接点を開放して誘導コイル22への通電を切断し、定着
ローラ10が所定温度以上の高温となることを防止して
いる。
【0028】定着ローラ10は、鉄、ステンレス合金
管、ニッケル、炭素鋼管あるいはアルミニウム合金管な
どの導電性部材から形成され、その外周面にフッ素樹脂
をコーティングして、表面に耐熱性の離型層が形成され
ている。定着ローラ10は、導電性磁性部材から形成す
ることがさらに好ましい。加圧ローラ11の軸芯18の
周囲には、表面離型性耐熱ゴム層であるシリコンゴム層
19が形成されている。また、スベリ軸受や分離爪15
は、耐熱摺動性エンジニアリング・プラスチックなどか
ら形成されている。
【0029】図2に示すように、ホルダユニット13
は、前述したようにコイル・アセンブリ12と、ホルダ
24とから構成され、コイル・アセンブリ12は、磁性
材からなるコア23と、コア23の周囲に絶縁部を介し
て銅線21を巻回して形成され定着ローラ10に誘導電
流を誘起させて加熱する誘導コイル22とを有する。こ
れらコア23および誘導コイル22は、ホルダ24によ
り支持されている。
【0030】特に、本実施の形態1にあっては、ホルダ
24は、電気絶縁素材から略円柱形状に形成されると共
にコア23と誘導コイル22とを絶縁する絶縁部が一体
的に形成され、コア23には、ホルダ24の外周面33
に連なる端面38が形成されている。
【0031】さらに詳述すると、図3にも示すように、
ホルダ24は、略円柱形状に形成されたホルダ本体30
と、このホルダ本体30の軸方向両端に設けた開口31
を閉塞する端栓32とを有する。前記ホルダ本体30は
さらに、図中上下に位置し円弧状外周面33を有する円
弧部34と、軸方向に伸び両円弧部34,34を接続す
る矩形状のボビン部35とからなり、ボビン部35に
は、コア23を挿入するための通孔36が、円弧部3
4,34を貫通して形成されている。ホルダ本体30お
よび端栓32は、いずれも耐熱絶縁性エンジニアリング
・プラスチックから形成され、ホルダ本体30は、両円
弧部34とボビン部35とが一体的に形成されている。
また、各端栓32には、定着ユニットフレームに固定す
るための突起部37が設けられている。ボビン部35の
周りに銅線21を一方向に複数回巻いて誘導コイル22
が形成されるが、ボビン部35の4つの壁面が、ホルダ
24に一体的に形成された前記絶縁部として機能してい
る。
【0032】コア23は、比較的長尺の板形状をなし、
図4(A)に拡大して示すように、通孔36の開口方向
に沿う端面38は円弧部34の円弧状外周面33と同じ
曲率半径を有し、通孔36に挿入固定したときに、前記
端面38が前記円弧状外周面33に滑らかに連なるよう
になっている。また、コア23は、例えば、フェライト
コアまたは積層コアからなり、誘導コイル22の銅線2
1と直交するように配置されて磁路を形成する。
【0033】なお、図3には、誘導コイル22を形成し
た後にホルダ本体30の開口31に端栓32を取り付け
る形態を示したが、端栓32はホルダ24を構成する必
須の部材ではなく、定着ユニットフレーム側に開口31
に嵌まり合う部材を設けてホルダ本体30を保持するよ
うにしてもよい。また、コイル22としては表面に融着
層と絶縁層を持つ単一またはリッツ銅線を用いることが
好ましい。また、銅線21は、ホルダ外周面を超えない
範囲で巻回されている。
【0034】本実施の形態1ではさらに、図4(A)に
一点鎖線で示すように、ホルダ24全体を耐熱性を有す
る薄肉の電気絶縁体40で包んである。この薄肉の電気
絶縁体40は、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、フッ素樹脂などからなり、30μm〜100μm程
度の厚さを有する絶縁フィルムないし絶縁チューブであ
る。但し、電気絶縁体40はチューブ形状に限定される
ものでなく、コア23および誘導コイル22のうち少な
くともホルダ24から外部に露呈している部位を覆い得
るような形態であればよい。例えば、ホルダ24全体で
はなくコア23の端面38や誘導コイル22の側面を部
分的に覆うように、シート形状を有する電気絶縁体をホ
ルダ本体30の円弧部34に貼り付けたりコーティング
したりしてもよい。
【0035】そして、ホルダ24を定着ローラ10内に
非回転に収納した状態で、コア23を、定着ローラ10
内面との間の隙間(以下、ギャップとも言う)の距離d
が0.5mm以上、4mm以下の寸法となるように配置
してある。
【0036】ギャップの寸法を上記のように規定した理
由は次ぎのとおりである。
【0037】ホルダ24は、コイル22やコア23を保
持して定着ローラ10の中に収納され、また両端で定着
ユニットフレームに固定されるため、コイル22やコア
23の重量によってある程度のたわみが生ずる。また、
定着ローラ10内径の寸法振れ、ホルダ24外径の寸法
振れなどの部品バラツキがある。これらを考慮して、ギ
ャップを0.5mm以上に保つ必要がある。なお、ホル
ダ24のたわみ量はその長さにも左右されるものである
が、ギャップが最大4mmあれば、部品寸法のバラツキ
をも含め、コア23と定着ローラ10とが接触すること
はない。
【0038】一方、ギャップの寸法が長くなるほど、加
熱効率が悪くなり、より多くの電流をコイルに流す必要
がある。図5は、定着ローラとコア間の距離と、コイル
温度との関係を示すグラフであり、ギャップが4mmを
超えると、コイルの銅損による発熱量がかなり多くな
り、例えば、定着ローラの温度が160℃であればコイ
ル自体の温度が200℃を超えてしまう。このときの印
加電力は、外径20mmのローラで160W、外径30
mmのローラで300W、外径40mmのローラで70
0Wである。コイル自体の温度が200℃を超えると、
コアやコイルを支持するホルダ、あるいは、コイルの材
質として、前記温度に耐え得る高価な材質を使用しなけ
ればならず、コストの増加を招くばかりでなく、省エネ
ルギ化に逆行する結果となる。
【0039】以上の点より、ギャップを4mm以下にす
ることで、コイル温度を200℃以内に抑えることがで
き、0.5mm以上にすることで、コアが定着ローラに
接触せず、定着ローラを支障なく回転させることができ
る。
【0040】したがって、ギャップを4mm以下の寸法
に規定した本実施の形態1の誘導加熱定着装置によれ
ば、コストの上昇を抑え、省エネルギ化に寄与でき、ま
た、0.5mm以上の寸法に規定したので、定着ローラ
10の円滑な回転動を確保でき、コア23と定着ローラ
10との間の電気的な絶縁をも確保できる。さらに、ホ
ルダ24全体を絶縁フィルムないし絶縁チューブ40で
包んであるので、コア23と定着ローラ10との間およ
び誘導コイル22と定着ローラ10との間の電気的絶縁
が一層確実なものとなり、例えば、誘導コイル22の被
覆が過昇温等により破壊された場合であっても、電気的
絶縁を確保して定着装置全体が破壊されることを防止で
きる。
【0041】なお、一般に、複写機やプリンタにおける
定着装置では、外径が16mm〜60mm程度の範囲の
定着ローラが使用されている。また、単位時間当たりの
プリントページ数が多いほどつまり高速であるほど、用
紙を加熱するニップ幅を十分に確保するために、定着ロ
ーラの外径を大きくする必要がある。定着ローラの外径
が大きければホルダユニットのコイル・アセンブリも大
きくできる。しかし、必要とする電力が大きくなるた
め、コイル温度の上昇の状況は、図5に示したように、
ローラ外径によらずほぼ同じである。つまり、コイル温
度の上昇は、ローラ外径よりむしろギャップの寸法が大
きく影響していることがわかる。このため、上記外径範
囲の定着ローラを用いた定着装置では、定着ローラの外
径に拘らず、ギャップを4mm以下の寸法に設定するこ
とが必要となる。また、他の測定結果より、定着ローラ
の材質が異なっても、材質の違いよりもギャップの寸法
がコイル温度の上昇に大きく影響することも判明してい
る。
【0042】ところで、図4(B)に示すように、コア
43およびコイル42の全体をホルダ44で囲繞したホ
ルダユニット45を定着ローラ46の中に収納する形態
では、ホルダ44外周面と定着ローラ46内周面との間
の距離が本実施の形態1と同じであるとすると、ホルダ
44の厚みの分だけコア43が定着ローラ46内面から
遠ざけられることになる。ホルダ44を薄肉にしてコア
43を定着ローラ46内面に近付けることも考えられる
が、これではホルダユニット45を定着ユニットフレー
ムに固定するための機械的強度が不足してしまうことに
なる。
【0043】これに対して、本実施の形態1では、ホル
ダ本体30にボビン部35を一体化することによりホル
ダ24全体として十分な機械的強度を確保し、コア23
の端面38をホルダ30本体の円弧状外周面33に連な
るようにすることによりコア23を定着ローラ10内面
に可及的に近付けることができる。しかも、ホルダ24
全体を薄肉の絶縁フィルムないし絶縁チューブ40で包
んであるので、コア23を定着ローラ10内面により一
層近付けても、十分な電気的絶縁を得ることが可能とな
る。
【0044】《実施の形態2》図6は、本発明の実施の
形態2に係る誘導加熱定着装置を概略で示す断面図であ
り、実施の形態1と共通している部材には同一の符号を
付し、その説明は省略する。
【0045】この実施の形態2では、実施の形態1の定
着ローラ10に代えて、中空金属体として、可撓性を有
する薄肉の金属スリーブ50を使用している点で、実施
の形態1と相違する。また、ホルダユニット53の構成
の点においても相違している。
【0046】図6に示すように、この誘導加熱定着装置
は、定着ユニットフレームに固定された非回転のホルダ
ユニット53と、矢印c方向に回転可能に設けられホル
ダユニット53に圧接する加圧ローラ51と、当該加圧
ローラ51とホルダユニット53との間に挟持され加圧
ローラ51の回転に伴って従動回転する金属スリーブ5
0とを有する。
【0047】金属スリーブ50は、ニッケルなどの導電
性磁性部材から形成され、その外周面にフッ素樹脂をコ
ーティングして、表面に耐熱性の離型層が形成されてい
る。金属スリーブ50の肉厚は、20μm〜60μmで
ある。
【0048】金属スリーブ50の内部には、当該金属ス
リーブ50に誘導電流(渦電流)を発生させるためのコ
イル・アセンブリ52が配設されている。このコイル・
アセンブリ52はホルダ54に保持され、全体としてホ
ルダユニット53を構成している。
【0049】本実施の形態2のホルダユニット53は、
コイル・アセンブリ52の全体をホルダ54で囲繞した
形態である。コイル・アセンブリ52は、磁性材からな
るコア55と、コア55を挿入するための通孔57が形
成されたボビン58と、このボビン58の周囲に銅線2
1を巻回して形成され金属スリーブ50に誘導電流を誘
起させて加熱する誘導コイル56とを有する。ボビン5
8は、コア55と誘導コイル56とを絶縁する絶縁部と
して機能している。そして、コイル・アセンブリ52
は、ボビン58とは別体で2分割に形成されたホルダ5
4内に、外部に露呈しないように収納されている。
【0050】金属スリーブ50を用いた定着装置では、
当該金属スリーブ50の内周面にホルダユニット53が
押し当てられて摩擦が生じるため、実施の形態1で示し
たホルダ24や、このホルダ24全体を包む絶縁フィル
ムないし絶縁チューブ40を使用することは困難であ
る。
【0051】かかる構成の定着装置の場合、ホルダ54
は、加圧ローラ51との圧接に耐え得る機械的強度を確
保すべく、ある程度の厚み(例えば、樹脂である場合に
は1mm以上)に形成する必要がある。その一方、ニッ
プ部では金属スリーブ50とホルダ54とが相対的に摺
動するという構成上、定着ローラ10の場合のように円
滑な回転を確保する観点からのギャップを保つ必要はな
い。このため、コア55と金属スリーブ50内面との間
の隙間を、金属スリーブ50およびホルダ54の外径寸
法の違いから生じる隙間αにホルダ54の肉厚分を加え
た寸法にすることで、実施の形態1と同様に、コア55
を、金属スリーブ50内面との間の隙間(以下、ギャッ
プとも言う)の距離dが0.5mm以上、4mm以下の
寸法となるように配置することができる。
【0052】ギャップを4mm以下の寸法に規定した結
果、本実施の形態2の誘導加熱定着装置によっても、コ
イル56自体の温度が200℃を超える事態が生じるこ
とはなく、コストの上昇を抑え、省エネルギ化に寄与で
きる。また、コア55と金属スリーブ50との間にホル
ダ54の外周壁が介在するので、ギャップは0.5mm
以上の寸法となり、コア55と金属スリーブ50との間
の電気的な絶縁が十分に確保され、例えば、誘導コイル
の被覆が過昇温等により破壊された場合であっても、電
気的絶縁を確保して定着装置全体が破壊されることを防
止できる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
本発明によれば、コアを、中空金属体との間の距離が
0.5mm以上、4mm以下の寸法となるように配置し
たので、コイルの温度を高価な材質を使用しなければな
らなくなる温度以下に抑えてコストの上昇を抑えること
ができ、また加熱効率の悪化を抑えて省エネルギ化に寄
与でき、さらに中空金属体とコアとの間の電気的な絶縁
も確保できる。
【0054】また、請求項2に記載の本発明によれば、
中空金属ローラとコアとの間の電気的な絶縁を十分に確
保しつつ加熱効率も良好にでき、中空金属ローラを円滑
に回転させ得る誘導加熱定着装置を得る。
【0055】また、請求項3に記載の本発明によれば、
コアおよび誘導コイルのうち少なくとも保持部材から外
部に露呈している部位を薄肉電気絶縁体で覆ったので、
コアを中空金属ローラ内面に一層近付けても、中空金属
ローラとコアおよび誘導コイルとの間の電気的絶縁をよ
り確実に確保することができ、例えば、誘導コイルの被
覆が過昇温等により破壊された場合であっても、電気的
絶縁を確保して定着装置全体が破壊されることを防止で
きる。
【0056】また、請求項4に記載の本発明によれば、
コアと誘導コイルとを絶縁する絶縁部を保持部材に一体
化したので、保持部材全体として十分な機械的強度を確
保でき、また、コアの端面を保持部材の外周面に連なる
ようにしたので、コアを中空金属ローラ内面に近付け易
くなり、加熱効率の向上を達成し易くなる。
【0057】また、請求項5に記載の本発明によれば、
薄肉金属スリーブとコアとの間の電気的な絶縁を十分に
確保しつつ加熱効率も良好にできる誘導加熱定着装置を
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る誘導加熱定着装
置を概略で示す断面図である。
【図2】 図1に示されるホルダユニットの外観斜視図
である。
【図3】 同ホルダユニットのコアおよびホルダを示す
分解斜視図である。
【図4】 図4(A)は、実施の形態1に係る誘導加熱
定着装置の要部を示す拡大断面図、同図(B)は、対比
例のホルダユニットを用いた誘導加熱定着装置の要部を
示す拡大断面図。
【図5】 定着ローラとコア間距離とコイル温度との関
係を示すグラフである。
【図6】 本発明の実施の形態2に係る誘導加熱定着装
置を概略で示す断面図である。
【符号の説明】 10…定着ローラ(中空金属ローラ(中空金属体)) 11,51…加圧ローラ 22,56…誘導コイル 23,55…コア 24,54…ホルダ(保持部材) 33…円弧状外周面(保持部材の外周面) 35…ボビン部(絶縁部) 38…コアの端面 40…絶縁フィルムないし絶縁チューブ(電気絶縁体) 50…金属スリーブ(中空金属体) 58…ボビン(絶縁部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱される中空金属体と、磁性材からな
    るコアと、前記コアの周囲に絶縁部を介して巻線を巻回
    して形成され前記中空金属体に誘導電流を誘起させて加
    熱する誘導コイルと、前記コアおよび前記誘導コイルを
    支持して前記中空金属体内に収納される非回転の保持部
    材と、を有する誘導加熱定着装置において、 前記コアを、前記中空金属体との間の距離が0.5mm
    以上、4mm以下の寸法となるように配置したことを特
    徴とする誘導加熱定着装置。
  2. 【請求項2】 前記中空金属体は、中空金属ローラであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱定着装
    置。
  3. 【請求項3】 前記コアおよび前記誘導コイルのうち少
    なくとも前記保持部材から外部に露呈している部位を、
    耐熱性を有する薄肉の電気絶縁体で覆ったことを特徴と
    する請求項2に記載の誘導加熱定着装置。
  4. 【請求項4】 前記保持部材は、電気絶縁素材から略円
    柱形状に形成されると共に前記コアと誘導コイルとを絶
    縁する絶縁部が一体的に形成され、 前記コアは、前記保持部材の外周面に連なる端面が形成
    されていることを特徴とする請求項2または請求項3に
    記載の誘導加熱定着装置。
  5. 【請求項5】 前記中空金属体は、可撓性を有する薄肉
    の金属スリーブであることを特徴とする請求項1に記載
    の誘導加熱定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5870660A (en) * 1996-08-30 1999-02-09 Minolta Co., Ltd. Heating device
GB2319583B (en) * 1996-11-25 1999-09-22 Ricoh Kk Device with induction heating roller
US6262404B1 (en) 1998-09-25 2001-07-17 Ricoh Company, Ltd. Induction heating type fixing device and method of producing an induced current generating member therefor
US6724999B2 (en) 2002-04-22 2004-04-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Fixing apparatus
JP2007053267A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Totoku Electric Co Ltd コア一体型コイル

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