JP6395487B2 - 熱定着装置およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

熱定着装置およびそれを用いた画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6395487B2
JP6395487B2 JP2014148614A JP2014148614A JP6395487B2 JP 6395487 B2 JP6395487 B2 JP 6395487B2 JP 2014148614 A JP2014148614 A JP 2014148614A JP 2014148614 A JP2014148614 A JP 2014148614A JP 6395487 B2 JP6395487 B2 JP 6395487B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exciting coil
coil
magnetic core
fixing device
longitudinal direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014148614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016024352A (ja
Inventor
洋 北
洋 北
静磨 西村
静磨 西村
賢太郎 山下
賢太郎 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014148614A priority Critical patent/JP6395487B2/ja
Publication of JP2016024352A publication Critical patent/JP2016024352A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6395487B2 publication Critical patent/JP6395487B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Description

本発明は、電磁誘導加熱方式の熱定着装置、及び該熱定着装置を具備した画像形成装置に関する。
電子写真複写機・プリンタ等の画像形成装置に装備される熱定着装置(画像加熱装置)は、近年では、オンデマンド性が高く、省エネルギーな電磁誘導加熱方式の装置が広く使われている。一例として、電磁誘導発熱する筒状の回転体の中空部に挿通され、この回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、磁性芯材の長手方向に交差する方向(以下、断面方向)に磁性芯材に巻き回された励磁コイルを備えたものがある(特許文献1、2)。
磁性芯材および励磁コイルは磁界発生手段として機能する。特許文献1では磁性芯材に直接励磁コイルが巻き回されている。特許文献2の熱定着装置では、励磁コイルはボビンを介して磁性芯材の外周に巻回されている。
特開平9−102385号公報 特開2002−229361号公報
しかしながら、磁性芯材に直接、あるいはボビンを介して励磁コイルを巻回した、上記熱定着装置を連続使用する場合、次のような事象が生じ得る。即ち、巻線抵抗によって損失するエネルギーであるいわゆる銅損および、磁性芯材に励磁コイルを巻き交流で磁化した時に失われるエネルギーであるいわゆる鉄損により、磁性芯材、励磁コイルともに自己昇温してしまう。
さらに、磁性芯材の長手方向にそって、励磁コイルを巻き回すため、磁性芯材の長さより励磁コイルを形成しているコイル線材(銅線)の長さは長い。一般に、磁性芯材よりも励磁コイルの方が、線膨張係数が高い事も考慮すると、磁性芯材に対してコイルは数倍に伸びてしまう。この際、励磁コイルを磁性芯材に巻き回しているため、励磁コイル自身は断面でなく長さ方向へ伸びていても、断面方向の伸びとして顕在化する場合があった。結果、断面方向への励磁コイルの伸びにより、発熱回転体と接触する恐れや、発熱回転体自体の外径を大きくする必要が生じていた。
本発明は上記に鑑みて提案されたものである。その目的とするところは、励磁コイルと筒状の回転体との接触を防止できるようにして、回転体の小径化を可能とし、省スペースな熱定着装置および、それを具備した画像形成装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る熱定着装置の代表的な構成は、導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、前記中空部において前記磁性芯材の外周面に前記磁性芯材の長手方向に沿って螺旋状に巻かれた励磁コイルと、を有し、前記励磁コイルに交流電流流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用してトナー像を記録材に定着する熱定着装置において、前記長手方向に交差する断面方向における前記励磁コイルの外側位置を前記長手方向にわたって規制する第1の規制部と、前記長手方向における前記励磁コイルの位置を規制する第2の規制部と、を有し、前記第2の規制部が、前記励磁コイルを形成しているコイル線材の部分に対応して前記磁性芯材の外周面に前記長手方向に沿って螺旋状に形成されている溝部であることを特徴とする。
本発明によれば、磁性芯材に巻き回した励磁コイルと回転体との接触を防止できることで、回転体の小径化が可能となり、省スペースな熱定着装置および、それを具備した画像形成装置を提供することができる。
実施例1の画像形成装置の概略図 実施例1の熱定着装置の概略構成の斜視模型図 実施例1の熱定着装置の磁束の流れを示す概略図 実施例1の熱定着装置の自己昇温測定結果 実施例2の熱定着装置のコイルホルダの斜視模型図 実施例3の熱定着装置に用いる磁性芯材の概略構成図 実施例4の熱定着装置に用いるコイルホルダの斜視模型図 実施例5の熱定着装置の磁束の流れを示す概略図
[実施例1]
1.熱定着装置を備えた画像形成装置の概略説明
図1は本実施例の熱定着装置110を用いた画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、搬送されるシート状の記録材Pに対してトナー像を形成する電子写真方式のレーザービームプリンタである。なお、以下の説明においては、記録材Pの扱いに関して、給紙、通紙、排紙、紙粉等の紙にまつわる用語を用いるが、記録材Pは紙に限られるものではない。
101は像担持体としての感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)にて回転駆動される。感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
103は画像露光手段としてのレーザービームスキャナである。スキャナ103は、不図示のコンピュータ等の外部機器から入力され、画像処理手段によって生成されたデジタル画像信号に対応してオン/オフ変調されたレーザー光Lを出力して、感光体ドラム101の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光体ドラム101表面の露光明部の電荷が除電されて感光体ドラム101表面に画像信号に対応した静電潜像が形成される。
104は現像装置であり、現像ローラ104aから感光体ドラム101表面に現像剤(トナー)が供給されて、感光体ドラム101表面の静電潜像は、可転写像であるトナー像として順次に現像される。
105は給紙カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ106が駆動されて、給紙カセット105内の記録材Pは、一枚ずつ分離給紙される。そして、レジストローラ対107を介して、感光体ドラム101と接触して従動回転する転写ローラ108との当接ニップ部である転写部位108Tに、所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム101上のトナー像の先端部と記録材Pの先端部とが、同時に転写部位108Tに到達するように、レジストローラ107で記録材Pの搬送が制御される。
その後、記録材Pは転写部位108Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ108には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。転写ローラ108にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、転写部位108Tにおいて感光体ドラム101表面側のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。転写後の記録材Pは、感光体ドラム101表面から分離されて搬送ガイド109を通り熱定着装置110に導入されて、トナー画像の熱定着処理を受ける。
一方、記録材Pに対するトナー像転写後の感光体ドラム101表面はクリーニング装置111で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。熱定着装置110を通った記録材Pは、排出口112から排出トレイ113上に排出される。
2.熱定着装置
図2は熱定着装置110の概略構成の斜視模型図である。本例の熱定着装置110は電磁誘導加熱方式の熱ローラ式装置である。
1は導電層を有する筒状の回転体としての定着ローラである。この定着ローラ1は、Ni、Cu、Cr、Fe、Co等の磁性金属の中空ローラを基体(導電層)1aとし、その外周面に離型層1bとして耐熱ゴム層等を形成したものである。
この定着ローラ1の中空部に挿入配置されていて磁界発生部として機能する、磁性芯材12および励磁コイル11を有する。本実施例では、磁性芯材12として、φ12mm、比透磁率1800の焼成フェライトを用いており、定着ローラ1の中空部に挿通され定着ローラ1の母線方向(長手方向)に沿って配置されている。即ち、定着ローラ1の中空部には、定着ローラ1の母線方向に長い磁性芯材12が挿通されている。磁性芯材12は、定着ローラ1の外側でループを形成しない形状、つまり有端形状であり、磁路の一部が断絶した開磁路を形成している。
励磁コイル11は、コイルを形成する線材(電線)として、250℃の耐熱性を有したポリイミドコーティングされた断面0.5×4mmの平角銅線を用いている。そして、図2に示した通り、磁性芯材12の軸方向(以下、長手方向)に交差する方向で励磁コイル11が巻き回(ラジアル巻き)されている。即ち、励磁コイル11は定着ローラ1の中空部において定着ローラ1母線方向に交差する方向で磁性芯材12の外側に巻かれている。励磁コイル11は磁性芯材12に直接もしくはボビンなどの他物を介して巻き回すことができる。
30は励磁コイル11に高周波電流(交番電流、交流電流)を供給するための高周波コンバーターである。11a・11bは給電接点部である。励磁コイル11は、定着ローラ1の内空部にて、定着ローラ1の母線方向に交差する方向に巻き回されている。そのため、この励磁コイル11に高周波コンバーター30と給電接点部11a・11bを介して交流電流を流すと、定着ローラ1の母線方向に平行な方向に磁束を発生させることが出来る。
13は定着ローラ1の温度を検出する温度検出素子、例えばサーミスタである。本実施例は定着ローラ1の内側面であって、定着ニップ(加熱ニップ)N付近の記録材搬入側に対応する位置に接触させて配設してある(定着ローラに内接)。31は温度検出素子13によって検出された温度を基に高周波コンバーター30を制御する制御回路である。
2はニップ形成部材としての加圧ローラ(加圧部材)である。加圧ローラ2は、芯金2aと、この芯金周りに同心一体に形成したシリコーンゴム等の耐熱性弾性層2bからなる。定着ローラ1と加圧ローラ2は、互いに平行に配列され、かつ弾性層2bの弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設されている。この圧接による弾性層2bの弾性変形により定着ローラ1と加圧ローラ2との間に記録材の搬送方向Yに関して所定幅の定着ニップNが形成される。定着ローラ1と加圧ローラ2は記録材搬送方向に所定の周速度で回転される。
そして、定着ローラ1と加圧ローラ2が回転され、また定着ローラ1が電磁誘導加熱されて所定の温度に温調された状態において、定着ニップNに画像定着すべき記録材Pが導入されて挟持搬送される。これにより、定着ローラ1の熱と定着ニップNにおける加圧力にて未定着画像(トナー画像)Tが加熱溶融して熱定着される。
励磁コイル11には高周波電流Iが流されることで磁界が発生する。図3は本例装置における磁束21の流れを示す概略図である。本例では励磁コイル11が発生させる磁界の方向が、定着ローラ1の回転軸線Xに平行な方向になる方向に励磁コイル11は磁性芯材12に施されており、図3に示す様に磁性芯材12に均一に巻かれている。
基層1aが磁性金属で構成されている定着ローラ1は、磁性芯材12と主磁路を形成するため、励磁コイル11より生じる磁束の大部分21が磁性金属の定着ローラ1に供給される。磁性金属に高周波磁界が印加されると、渦電流損が生じ、定着ローラ1自体が発熱することになる。つまり定着ローラ1は、励磁コイル11に高周波電流Iが流されることで発生する磁界の作用で磁性金属基体1aに渦電流が生じ、ジュール熱で磁性金属基体1a自体、即ち定着ローラ1自体が電磁誘導加熱方式で発熱する。
定着ローラ1の温度は、該ローラ1に内接の温度検出素子13で検出され、制御回路31により予め決定された温度と比較することにより、高周波コンバーター30の出力が制御されて、定着ローラ1の温度が目標の一定温度に温調制御される。
3.磁性芯材および励磁コイルの自己昇温
磁性芯材12の長手方向に交差する方向で、磁性芯材12に励磁コイル11を巻き回し、高周波電流を流し、電磁誘導加熱させて円筒回転体1を加熱する方式の定着装置においては、連続使用とともに、磁性芯材12および励磁コイル11が自己昇温する。
巻線抵抗によって損失するエネルギーである、いわゆる銅損および、磁性芯材12に励磁コイル11を巻き交流で磁化した時に失われるエネルギーである、いわゆる鉄損である。表1、表2は、鉄損および銅損による、磁性芯材12および励磁コイル11の自己昇温の影響を算出した一例である。
鉄損の計算に用いた磁性芯材はスイッチング電源用フェライトの代表値を用い、本計算においては、長さを240mmとした。また、銅損の計算に用いた励磁コイルは銅線の代表値を用いており、本実施例の励磁コイル外径φ12mmに18回巻き回した時の必要長さ(励磁コイルを形成しているコイル線材(銅線)の長さ)として、0.675mとした。
放熱の影響を加味していないことと、実際には、定着ローラ1の温度が目標の一定温度に到達した時点で、励磁コイル11に流れる電流は抑制される。したがって、実際の昇温速度は、上記表1,表2の値よりも遅くなる。
図4は、本実施例の画像形成装置を連続使用した場合の、磁性芯材12および励磁コイル11の自己昇温を測定した実験結果である。図4から分かるように、表1および表2の昇温速度に対して遅くなるものの、約50分で、励磁コイル11は210℃に、磁性芯材12は165℃に達する。また、通紙開始直後の約10分間においては、表1,表2の温度上昇率の傾向と同じく、時間当たりの昇温度合いが異なる様子が見られた。
4.昇温時における各部材の伸び
次に、常温(25℃)から図4における各部材の飽和温度(磁性芯材は165℃、励磁コイルは210℃とした)の昇温における、本実施例の磁性芯材12および励磁コイル11の熱膨張の違いを表3に示す。なお、本実施例の特徴で、後述するコイルホルダ14の一例としてのLCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂の熱膨張も併記する。LCPは住友化学(株)製のE5204L材を用い、MDおよびTDは、樹脂材の流れ方向(MD)とその直角方向(TD)を表す。
表3からわかるように、磁性芯材と、励磁コイルとの熱膨張率の違い、および励磁コイルを形成しているコイル線材(銅線)の長さが他よりも長いため、装置の昇温とともに磁性芯材12と励磁コイル11の伸びが約4倍以上も異なる。
またさらに、本実施例の定着装置のように、磁性芯材に直接あるいはボビンを介して励磁コイルを巻き回した定着装置においては、励磁コイル自身は断面でなく長さ方向へ伸びていても、断面方向の伸びとして顕在化してしまう。
5.断面方向の励磁コイル伸び規制部
そこで、本実施例の定着装置110においては、励磁コイル11の長手方向に交差する断面方向の外側位置を長手方向にわたって規制する第1の規制部を有する。より具体的には、磁性芯材12の長手方向全域にわたって、励磁コイル11の外側に、筒部材としてのパイプ状のコイルホルダ14(図2)を外嵌して配している。
コイルホルダ14の寸法は、内径φ12.8mmで、厚さ2mm、長手方向長さ240mmであり、磁性芯材12および励磁コイル11を長手方向にわたって保持収容する保持部材でもある。材質は、上述したLCP樹脂で、非磁性物質であるとともに、耐熱性に優れている。表3の列3・列4からわかる通り、励磁コイルとしての銅線の伸び(線膨張係数)に対して伸びが小さく、励磁コイルの断面方向位置(外側位置)を決める位置固定用部材として機能する。
励磁コイル11の外側に第1の規制部としての上記のコイルホルダ14が外嵌されていることで、装置110を連続利用した際の自己昇温によって生ずる励磁コイル11の断面方向の伸びを規制することができる。これにより、励磁コイル11と定着ローラ1との内面接触を防止することができる。結果、円筒回転体1の小径化ができ、省スペースな熱定着装置および、それを具備した画像形成装置を提供することができる。
なお、本実施例では、第1の規制部として、耐熱性樹脂からなるコイルホルダ14について説明したが、第1の規制部の形態に限られない。たとえば、ポリイミドやポリアミドイミドなど耐熱性樹脂フィルム材(テープ材)を予め励磁コイル11の上から、長手方向全域にわたって巻き回して固定して、この巻き回し層により励磁コイル11の断面方向の伸びを規制するといった構成でもよい。
[実施例2]
本実施例では、実施例1で述べたパイプ状のコイルホルダ14を用いて断面方向のコイル伸びを規制するのに加え、長手方向の伸びも規制するコイルホルダ形状について説明する。なお、本実施例で言及しないものに関しては、実施例1と同様の構成である。
1.磁性芯材と励磁コイルの相対位置ずれによる発熱分布への影響
本実施例の方式の熱定着装置における主磁路は、図3で示した通り、定着ローラ1の母線方向(回転軸線)Xに平行な方向である。安定した画像を得るためには、定着ローラ1内を貫通する磁束21が、定着ローラ1の母線方向に関し記録材P上の画像Tの最大通過領域幅Zにわたって長手一様であることが求められる。磁性芯材12と励磁コイル11の長手方向位置が所定の位置からずれた場合、励磁コイル11に流れる電流によって発生する磁界が励磁コイルを形成している隣り合うコイル線材間で異なってしまう。
特に、実施例1で説明した図4の実験結果のように、磁性芯材11と励磁コイル12と時間当たりの昇温度合いが異なる状況においては、発生の可能性が高いと考えられる。その結果、本来なら励磁コイルを形成している隣り合うコイル線材間で打消し合っていた磁束21以外の方向(例えば、磁束21に対して垂直方向)の磁束が発生してしまう。これにより、定着ローラ1内を貫通する磁束が長手一様ではなくなってしまい、発熱ムラが生じる場合があった。
2.断面方向および長手方向の励磁コイル伸び規制部
図5は、本実施例のコイルホルダ14の断面および長手方向の一部を切り出した、斜視模型図である。斜線領域は、励磁コイル11のコイル線材が磁性芯材12に巻き回される部分に相当し、他の領域よりも凹形状(凹溝部14a)になっている。凹部分の厚みが1.2mm、それ以外の厚みを2mmとし、凹部分の幅を励磁コイルのコイル線材の幅2mmに対してわずかに大きい2.1mmとした。この凹形状部に磁性芯材12に巻き回されたコイル線材が対応位置する関係構成である。
コイルホルダ14は実施例1と同様、LCP樹脂を用いている。本実施例では、半円状の上記コイルホルダ14を重ね合わせることで、コイルホルダ14の内周面に長手に沿って、磁性芯材12に巻き回されたコイル線材の部分に対応する螺旋状に形成された凹溝部14aを有する形態の円筒状のコイルホルダとなる構成である。本実施例においては、この螺旋状に形成された凹溝部14aが励磁コイル11の長手方向の位置を規制する第2の規制部である。
そこで、磁性芯材12に巻き回された励磁コイル11の外側を囲うように、上記2つのコイルホルダ14を、それぞれ、内面側の凹形状部に磁性芯材12に巻き回されたコイル線材を対応位置させてあてがって重ね合わせた状態にする。そして、その2つのコイルホルダ14を一体的に結合する。結合手段は、接着剤を用いる、締結バンドを用いる、耐熱性樹脂フィルムを巻き回すなどの適宜の手段を用いることができる。
本実施例におけるコイルホルダ14も磁性芯材12および励磁コイル11を長手方向にわたって保持収容する保持部材であって、励磁コイル12に対して長手に渡って外嵌され励磁コイル12の断面方向の外側位置を長手方向にわたって規制する。従って、実施例1のコイルホルダ14と同様に、熱定着装置110を連続利用した際の自己昇温によって生ずる励磁コイル11の断面方向の伸びを規制することができ、励磁コイル11と定着ローラ1との内面接触を防止することができる。
また、本実施例のコイルホルダ14の場合は、磁性芯材12に巻き回されたコイル線材がそれに対応してホルダ内面側に形成されている凹溝部14aに嵌まり込んで位置している。そのため、熱定着装置110を連続利用した際の自己昇温によって生ずる励磁コイル11の長手方向の伸びも図5の斜線で示す凹溝部14aの両側の壁面で規制される。即ち、励磁コイルを形成している隣り合うコイル線材間が所定に規制されて磁性芯材12と励磁コイル11の長手方向位置が所定の位置に保持される。
これにより、定着ローラ1内を貫通する磁束21が、定着ローラ1の母線方向に関し記録材P上の画像Tの最大通過領域幅Zにわたって長手一様に保たれて、定着ローラ1の長手発熱ムラが生じることを防止し、出力物が一定の画像品質とすることができる。
またさらに、コイルホルダ14の凹溝部14a以外の内面を、磁性芯材12において励磁コイルが巻き回されていない部分と密着させるコイルホルダ構成とする。そうすると、実施例1で示したパイプ形状のコイルホルダ14に対して、より小さな外径の励磁コイルおよび磁性芯材の保持部材とすることが可能となる。これにより、より小型の定着ローラを採用することが可能となる。
[実施例3]
本実施例では、実施例2の別形態であり、励磁コイル11の断面方向の位置規制(第1の規制部)は実施例1と同様にパイプ形状のコイルホルダ14によって行い、長手方向の位置規制(第2の規制部)は、磁性芯材12自身が担う場合について説明する。
図6は、本実施例3の熱定着装置に用いる磁性芯材12の形態を示している。磁性芯材12の外周面には長手方向にそって励磁コイル11を巻き回すための、第2の規制部としての螺旋状の凹溝部12aが所定のピッチで切られている。この凹溝部12aにコイル線材を嵌め込みながら励磁コイル12を磁性芯材11に巻き回す。従って、凹溝部12aが励磁コイル12の長手方向の位置規制部材として機能する。
かくして、装置の連続使用による自己昇温が発生した場合においても、第1の規制部としてのコイルホルダ14と第2の規制部としての凹溝部12aとにより、励磁コイル12の断面方向および長手方向のコイル伸びを規制することができる。したがって、省スペースかつ安定した長手発熱分布の熱定着装置となる。
[実施例4]
本発明の別形態として、励磁コイル11の断面方向のコイル伸びは、磁性芯材12に励磁コイル11を巻き回すときの引っ張り力(テンション)を強くしておき、コイルホルダ14には長手方向の位置規制部材だけを担わせる場合について説明する。
図7の(a)は、磁性芯材12と励磁コイル11の保持部材としてのコイルホルダ140が励磁コイル11の長手方向の位置規制部材を兼ねる一例である。Aの部分に貫通孔を設けて図7の(b)に拡大図を示した。尚、この孔はコイルホルダの形状をわかりやすくするために設けたものであり、実際には設けない。コイルホルダ140は、磁性芯材12の外周面を覆うように設けられ、外周面に励磁コイル11の長手方向の位置規制部材としての溝部140aが設けられている。励磁コイル12は、溝部140aに沿って巻き回す。
以上の説明した構成によれば、省スペースかつ安定した長手発熱分布の熱定着装置が提供可能となる。
[実施例5]
実施例1〜4の熱定着装置は、磁性芯材12の一端から出た磁束が導電層1aの材料を通過し他端に戻る構成であり、導電層1aを流れる渦電流のジュール熱によって導電層1aが発熱するものであるが、これに限定されない。図8の(a)(b)に示すように、磁性芯材12の一端から出た磁束のうち70%以上、好ましくは90%以上が導電層1aの外側を通過して他端に戻り、導電層1aに流れる周方向の電流Jによるジュール熱で発熱するものでも適用できる。
ここで、熱定着装置には、未定着トナー画像を固着像として定着する以外にも、記録材に仮定着されたトナー画像あるいは一度加熱定着されたトナー像を再度加熱加圧して光沢度を向上させる装置(この場合も熱定着装置と呼ぶ)も包含される。
導電層1aを有する筒状の回転体1は、硬質あるいは可撓性の中空ローラあるいはパイプの形態のものにすることもできるし、複数の張架部材間に懸回張設されて回転駆動される可撓性を有するエンドレスベルト形態のものにすることもできる。
1‥‥定着ローラ、2‥‥加圧ローラ、11‥‥磁性芯材、12‥‥励磁コイル、13‥‥温度検出素子、14‥‥コイルホルダ、N‥‥加熱ニップ、T‥‥トナー画像、P‥‥記録材、110‥‥熱定着装置

Claims (6)

  1. 導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、前記中空部において前記磁性芯材の外周面に前記磁性芯材の長手方向に沿って螺旋状に巻かれた励磁コイルと、を有し、前記励磁コイルに交流電流流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用してトナー像を記録材に定着する熱定着装置において、
    前記長手方向に交差する断面方向における前記励磁コイルの外側位置を前記長手方向にわたって規制する第1の規制部と、前記長手方向における前記励磁コイルの位置を規制する第2の規制部と、を有し、前記第2の規制部が、前記励磁コイルを形成しているコイル線材の部分に対応して前記磁性芯材の外周面に前記長手方向に沿って螺旋状に形成されている溝部であることを特徴とする熱定着装置。
  2. 前記第1の規制部が、前記励磁コイルに対して前記長手方向に渡って外嵌されており前記励磁コイルを形成しているコイル線材よりも線膨張係数が小さい材質の筒部材であることを特徴とする請求項1に記載の熱定着装置。
  3. 記第1の規制部が、前記励磁コイルの上から前記長手方向全域にわたって巻き回して固定されており前記励磁コイルを形成しているコイル線材よりも線膨張係数が小さい材質のフィルム材の巻き回し層であることを特徴とする請求項1に記載の熱定着装置。
  4. 導電層を有する筒状の回転体と、前記回転体の中空部に挿通され前記回転体の母線方向に長い磁性芯材と、前記中空部において前記磁性芯材の外周面に前記磁性芯材の長手方向に沿って螺旋状に巻かれた励磁コイルと、を有し、前記励磁コイルに交流電流を流すことで前記導電層が電磁誘導により発熱し、この熱を利用してトナー像を記録材に定着する熱定着装置において、
    前記長手方向に交差する断面方向における前記励磁コイルの外側位置を前記長手方向にわたって規制する規制部を有し、前記規制部が、前記励磁コイルの上から前記長手方向全域にわたって巻き回して固定されており前記励磁コイルを形成しているコイル線材よりも線膨張係数が小さい材質のフィルム材の巻き回し層であることを特徴とする熱定着装置。
  5. 前記回転体に当接して前記記録材を搬送する定着ニップを形成するニップ形成部材を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の熱定着装置。
  6. 請求項1乃至の何れか一項に記載の熱定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
JP2014148614A 2014-07-22 2014-07-22 熱定着装置およびそれを用いた画像形成装置 Active JP6395487B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014148614A JP6395487B2 (ja) 2014-07-22 2014-07-22 熱定着装置およびそれを用いた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014148614A JP6395487B2 (ja) 2014-07-22 2014-07-22 熱定着装置およびそれを用いた画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016024352A JP2016024352A (ja) 2016-02-08
JP6395487B2 true JP6395487B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=55271132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014148614A Active JP6395487B2 (ja) 2014-07-22 2014-07-22 熱定着装置およびそれを用いた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6395487B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10928764B2 (en) 2018-08-29 2021-02-23 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus
JP7346111B2 (ja) * 2018-08-29 2023-09-19 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP7312482B2 (ja) 2021-07-09 2023-07-21 日本ミクロン株式会社 自然発電無線センサー

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10111610A (ja) * 1996-10-04 1998-04-28 Ricoh Co Ltd 定着装置
JP3591826B2 (ja) * 2000-06-19 2004-11-24 東京特殊電線株式会社 電磁誘導加熱コイル用線材
JP2003338363A (ja) * 2002-05-21 2003-11-28 Harison Toshiba Lighting Corp 誘導加熱ローラ装置および画像形成装置
JP6223003B2 (ja) * 2012-06-19 2017-11-01 キヤノン株式会社 定着装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016024352A (ja) 2016-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4756918B2 (ja) 像加熱装置
JP6366399B2 (ja) 加熱定着装置
JP4731982B2 (ja) 像加熱装置
JP6395487B2 (ja) 熱定着装置およびそれを用いた画像形成装置
JP2011090087A (ja) 像加熱装置
JP2006259722A (ja) 画像形成装置の定着装置
JP2005267950A (ja) 加熱装置
JP5863385B2 (ja) 画像加熱装置
JP5207775B2 (ja) 定着装置
JP4035248B2 (ja) 定着装置
JP2017097144A (ja) 定着装置および加熱回転体
JP2006126410A (ja) 加熱装置、定着装置および画像形成装置
JP4321385B2 (ja) 誘導加熱用励磁コイル及びこれを備えた定着装置、画像形成装置
JP5157633B2 (ja) 誘導加熱装置,定着装置および画像形成装置
JP4428170B2 (ja) 加熱装置、定着装置および画像形成装置
JP6381336B2 (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JP4321386B2 (ja) 誘導加熱用励磁コイル及びこれを備えた定着装置、画像形成装置
JP6140639B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2005221575A (ja) 定着装置
JP5993972B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP6468794B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4360312B2 (ja) 励磁コイルおよび加熱装置
JP6463021B2 (ja) 定着装置
JP2000215973A (ja) 励磁コイル、定着装置、及び画像形成装置
JP2006171275A (ja) 磁界発生装置および加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180828

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6395487

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03