JP3591789B2 - ホスフアゼン誘導体、樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、硬化性樹脂組成物、塗料、接着剤等のバインダー、カップリング剤等の添加剤として有用なホスファゼン誘導体、これを含む樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
従来から金属、ガラス等の無機材料と有機材料からなる複合材料の機能(物理的機械強度、接着性、耐熱性、電気特性、耐候性等)の向上あるいは表面処理等を目的として、カップリング剤が用いられている。例えば塗料、接着剤、封止材等の幅広い分野に於てシラン系のカップリング剤が多用されている。(以下、これを単にシランカップリング剤という。)
上記で挙げた塗料、接着剤、封止材等は、一般に硬化性樹脂を主成分(マトリックス)とし、更に有機あるいは無機フィラー、顔料、紫外線吸収剤等の種々の混和材を含有する樹脂組成物である。この場合、添加剤として用いられているシランカップリング剤は、有機物(主に硬化性樹脂)に親和性のある官能基と無機物に親和性のある官能基を持っているため、マトリックス中で各種混和材を均一に分散させる機能やマトリックスと混和材との親和性を高め、例えば硬化時の内部クラックを防止する機能を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般にシランカップリング剤はそれを含有してなる硬化物の機械強度の向上、あるいは無機物と有機物との相溶性の向上を目的として用いられる添加剤であり、マトリックスとしての機能はない。
そこで、それ自身がマトリックスとしての機能をもち、無機物と有機物とを相溶化あるいは均一分散する機能(カップリング機能)を有する化合物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題の解決を目的に鋭意検討した結果、ホスファゼン化合物一分子中に反応性二重結合とケイ素原子含有加水分解性基の両方を導入することによりカップリング機能およびマトリックスとしての機能を併せもつ化合物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は
(1)式(1)
【0006】
【化2】
【0007】
(式(1)中、nは3以上の整数を示し、2n個のAはそれぞれ独立して、(a)アリルアルコ−ル、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アリルフェノ−ル、アリルメルカプタン、アリルアミン、アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリレ−ト、アミノエチル(メタ)アクリレ−ト、アミノプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチルアリルアミン、N−エチルアリルアミン、N−プロピルアリルアミン、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N−エチルアミノメチル(メタ)アクリレ−ト、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレ−ト又はN−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレ−トの残基、(b)N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシランの残基、又は(c)炭素数1〜6の直鎖状、もしくは枝分かれ状のアルコキシル基または炭素数1〜4のアルキルメルカプト基の活性水素を除いた残基のいずれかを表し、2n個のAのうち少なくとも1つは(a)であり、かつ少なくとも1つは(b)である。)で表されるホスファゼン誘導体、
(2)式(1)におけるnの値が3または4である上記(1)記載のホスファゼン誘導体、
(3)上記(1)または(2)に記載のホスファゼン誘導体を含む樹脂組成物、
(4)上記(3)に記載の樹脂組成物の硬化物
に関する。
【0008】
本発明において、下記式(2)で表される環状ホスファゼン化合物にそれぞれ下記に特定される反応性二重結合を有する化合物、骨格中にケイ素原子を有する加水分解基を有する化合物並びにそのほかの化合物を求核付加反応により導入することにより本発明のホスファゼン誘導体を得ることができる。
【0009】
【化3】
【0010】
(式中nは3以上の整数を表し、Bはハロゲン原子を表す。)
これらの環状ホスファゼン化合物のうち用いうる好ましい具体例としてはヘキサクロロシクロトリホスファゼン(式(2)においてB=Cl、n=3)、オクタクロロシクロテトラホスファゼン(B=Cl、n=4)が挙げられる。
【0011】
本発明のホスファゼン誘導体を得るためには、加熱操作、紫外線や電子線等の照射により硬化が可能になるように下記する特定の反応性二重結合を有した化合物が反応に供される。
【0012】
本発明のホスファゼン誘導体を得るためには、ケイ素原子を有する加水分解性基を有した下記する特定のケイ素系化合物が反応に供される。
【0013】
上記において、反応性二重結合を有する化合物及び骨格中にケイ素原子を有する加水分解性基を有するケイ素系化合物は、式(2)の化合物のP原子に結合させるため、それぞれの分子内に更に活性水素を持つ官能基として水酸基、メルカプト基、1級アミノ基、2級アミノ基等を有している。
【0014】
本発明において、骨格中にケイ素原子を有する加水分解性基を有する化合物の具体例として、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを用いるが、これらは2種以上を併用する事も可能である。以下これらの化合物をケイ素含有化合物という。これらの化合物の使用量は環状ホスファゼン化合物のハロゲン原子1当量に対して通常1〜5当量、好ましくは1〜3当量(活性水素当量)である。
【0015】
本発明において、反応性二重結合を有する化合物として、アリルアルコ−ル、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アリルフェノ−ル、アリルメルカプタン、アリルアミン、アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリレ−ト、アミノエチル(メタ)アクリレ−ト、アミノプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチルァリルアミン、N−エチルァりルアミン、N−プロピルアリルァミン、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N−エチルアミノメチル(メタ)アクリレ−ト、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレ−ト又はN−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレ−トを用いる。以下これらの化合物を反応性二重結合化合物という。これらの化合物は2種以上を併用する事も可能である。
【0016】
本発明において、得られるホスファゼン誘導体の活性点を少なくする事により、硬化物の架矯密度を低下させ、硬化物の脆性の改善や融点の砥下をはかる目的で、少なくとも1個の活性水素をもつメタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、i−プロパノ−ル、n−ブタノ−ル、i−ブタノ−ル、n−ヘプタノ−ル、n−ヘキサノ−ル、シクロヘキサノ−ル、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘプチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタンを反応させる。以下これらの化合物を非反応性基含有化合物という。これらは2種以上を併用する事も可能である。これらの化合物は環状ホスファゼン化合物のハロゲン原子1当量に対して活性水素当量で4当量以下が用いられる。
【0017】
前記、ケイ素含有化合物、反応性二重結合含有化合物、非反応性基含有化合物は式(2)の化合物と以下のようにして反応させることができる。例えば式(2)の化合物を溶媒溶解し、これにこれらの化合物を加え40〜100℃で1〜48時間攪拌する。この場合反応容器内を窒素置換しておくことは特に好ましい。またこれらの化合物は、そのままで式(2)の化合物と反応させることもできるが、必要により水素化ナトリウム、金属ナトリウム等でナトリウム塩としてもよい。上記において溶媒は活性水素を持たないものであれば特に限定されないが、用いうる具体例としては、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、エチルエーテル等が挙げられる。溶媒の使用量は、用いる原料の合計重量100重量部に対して通常200〜1000重量部である。
【0018】
また、これら化合物と式(2)の化合物とをテトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒とともに撹拌しながら、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等のハロゲン化水素酸トラップ剤を滴下することによっても反応を行う事が出来る。この時の反応は、50〜100℃で1時間〜48時間加熱撹拌する事により行う。この場合の溶媒の使用量は、原料化合物の合計重量100重量部に対して通常200〜2000重量部である。また、ハロゲン化水素酸トラップ剤の使用量は、原料中の活性水素1当量に対して通常1〜1.5当量である。
【0019】
本発明の樹脂組成物は、前記のようにして得られたホスファゼン誘導体とともに、硬化させる方法に応じて、それに適した重合開始剤を必要により含有する。例えば、紫外線、可視光線を用いた硬化方法を利用する場合、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイルメチルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等が用いうる具体例として挙げられる。これら光重合開始剤は、単独あるいは、2種以上組み合わせて用いる事が出来る。これら光重合開始剤の使用量は、ホスファゼン誘導体100重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜6重量部である。
【0020】
また、加熱硬化方法や常温硬化方法を利用する場合の重合開始剤としては、例えば過酸化物系化合物、アミン系化合物が挙げられる。過酸化物系の化合物としては、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2.,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が用いうる具体例として挙げられる。
【0021】
アミン系の化合物としては、N,N−ジエタノール−p−トルイジン、ジメチル−p−トルイジン、p−トルイジン、メチルアミン、t−ブチルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン、4,4′−ジニトロジフェニルアミン、o−ニトロアミン、p−ブロモアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン等が用いうる具体例として挙げられる。これら過酸化物系、及びアミン系の化合物の使用量は、ホスファゼン誘導体100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0022】
本発明の樹脂組成物は、ホスファゼン誘導体、及び前記重合開始剤とともに必要に応じて充填材を含有していても良い。充填材としては、例えばシリカ、ガラス、金属、セラミックス、有機繊維などの粉体状または繊維状の無機、または有機充填材を挙げる事が出来る。これら充填材の使用量は、ホスファゼン誘導体100重量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは2〜100重量部である。
【0023】
さらに、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて有機溶媒、帯電防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、染色剤、増感剤、レベリング剤などの各種添加物を含有していても良い。これらの添加物の使用量は、有機溶媒の場合、ホスファゼン誘導体1重量部に対して、3〜30重量部であり、それ以外の添加物の場合ホスファゼン誘導体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
本発明の樹脂組成物は、各成分を所定の割合で均一に混合して得ることができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0025】
実施例1
温度計、撹拌装置、滴下ロート、及び冷却管を取り付けた500mlの四口フラスコを窒素置換した後、ヘキサクロロシクロホスファゼン27.8g、NaH87.5g、THF(テトラヒドロフラン)300mlを投入し、室温で撹拌し溶解させた。そこに、プロピルアルコール14.4gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間加熱撹拌を行った。次に、温度を室温に戻した後、アリルアルコール9.6gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間加熱撹拌を行った。次に、温度を室温に戻し、トリエチルアミン8.2gを添加した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン17.6gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下後、60℃で6時間反応を行った。反応終了後、反応液を分液ロートに移し、抽出溶媒としてメチルイソブチルケトンを200ml加え、水で数回洗浄を行った。溶液を無水硫酸マグネシウムで脱水を行った後、溶媒を減圧蒸留し、下式(3)で表される淡黄色の粘稠体(本発明のホスファゼン誘導体(A−1))を得た。
【0026】
【化4】
【0027】
得られた粘稠体は、赤外線吸収スペクトル分析の結果、1040cm−1、1070cm−1の位置にP−O−C結合に由来する吸収、1080cm−1にSi−O−C結合に由来する吸収、1240cm−1にP=N結合に由来する吸収、1640cm−1にC=Cに由来する吸収、3220cm−1にNH−Cに由来する吸収がみられた。
【0028】
実施例2
温度計、撹拌装置、滴下ロート、及び冷却管を取り付けた500mlの四口フラスコを窒素置換した後、ヘキサクロロシクロホスファゼン27.8g、トリエチルアミン52.6g、THF300mlを投入し、室温で撹拌し溶解させた。そこに、ヒドロキシエチルメタクリレート26.6gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で12時間加熱撹拌を行った。次に、温度を室温に戻した後、プロピルアミン14.2gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間加熱撹拌を行った。次に、温度を室温に戻した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン17.6gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下後、60℃で6時間反応を行った。反応終了後、反応液を分液ロートに移し、抽出溶媒としてメチルイソブチルケトンを200ml加え、水で数回洗浄を行った。溶液を無水硫酸マグネシウムで脱水を行った後、溶媒を減圧蒸留し、下式(4)で表される淡褐色の粘稠体(本発明のホスファゼン誘導体(A−2))を得た。
【0029】
【化5】
【0030】
得られた粘稠体は、赤外線吸収スペクトル分析の結果、1040cm−1、1070cm−1の位置にP−O−C結合に由来する吸収、1080cm−1にSi−O−C結合に由来する吸収、1240cm−1にP=N結合に由来する吸収、1640cm−1にC=Cに由来する吸収、1680cm−1にC=Oに由来する吸収、3220cm−1にNH−Cに由来する吸収がそれぞれみられた。
【0031】
実施例3
温度計、撹拌装置、滴下ロート、及び冷却管を取り付けた500mlの四口フラスコを窒素置換した後、ヘキサクロロシクロホスファゼン27.8g、トリエチルアミン52.6g、THF300mlを投入し、室温で撹拌し溶解させた。そこに、アリルアミン14.1gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間加熱撹拌を行った。次に、温度を室温に戻した後、プロピルアミン14.2gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下終了後、60℃で3時間加熱撹拌を行った。次に、温度を室温に戻した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン17.6gを滴下ロートから徐々に滴下した。滴下後、60℃で6時間反応を行った。反応終了後、反応液を分液ロートに移し、抽出溶媒としてメチルイソブチルケトンを200ml加え、水で数回洗浄を行った。溶液を無水硫酸マグネシウムで脱水を行った後、溶媒を減圧蒸留し、下式(5)で表される淡黄色の粘稠体(本発明のホスファゼン誘導体(A−3))を得た。
【0032】
【化6】
【0033】
得られた粘稠体は、赤外線吸収スペクトル分析の結果、1040cm−1、1070cm−1の位置にP−O−C結合に由来する吸収、1080cm−1にSi−O−C結合に由来する吸収、1240cm−1にP=N結合に由来する吸収、930,1420,2930cm−1にC=Cに由来する吸収、1650,3220cm−1にNH−Cに由来する吸収がみられた。
【0034】
実施例4
実施例1で得られたホスファゼン誘導体(A−1)を用いて、以下の組成の本発明の樹脂組成物(B−1)を調製した。
ホスファゼン誘導体(A−1) 10g
ベンゾフェノン 0.3g
メチルエチルケトン 100g
この樹脂組成物(B−1)を、バーコーターを用いて硝子板上に塗布し、乾燥後、高圧水銀灯を用いて紫外線を90mj/cm2 照射する事により本発明の硬化物(C−1)を得た。得られた硬化物(C−1)の膜厚は0.1mmであった。
【0035】
実施例5
実施例2で得られたホスファゼン誘導体(A−2)を用いて、以下の組成の本発明の樹脂組成物(B−2)を調製した。
ホスファゼン誘導体(A−2) 10g
ベンゾフェノン 0.3g
メチルエチルケトン 100g
この樹脂組成物(B−2)を、バーコーターを用いて硝子板上に塗布し、乾燥後、高圧水銀灯を用いて紫外線を90mj/cm2 照射する事により本発明の硬化物(C−2)を得た。得られた硬化物(C−2)の膜厚は0.1mmであった。
【0036】
実施例6
実施例3で得られたホスファゼン誘導体(A−3)を用いて、以下の組成の本発明の樹脂組成物(B−3)を調製した。
ホスファゼン誘導体(A−3) 10g
ベンゾフェノン 0.3g
メチルエチルケトン 100g
この樹脂組成物(B−3)を、バーコーターを用いて硝子板上に塗布し、乾燥後、高圧水銀灯を用いて紫外線を90mj/cm2 照射する事により本発明の硬化物(C−3)を得た。得られた硬化物(C−3)の膜厚は0.1mmであった。
【0037】
試験例
実施例4〜6で得られた硬化物の表面硬度、及び密着性の試験を行った。
密着性試験:粘着テープによる剥離試験を100回行って、剥離しなかった回数を求めた。(試験体は実施例4〜6で得られた本発明の硬化物と硝子板との接着物をそのまま用いた。)
表面硬度の測定:JIS K−5401による鉛筆硬度を求めた。
試験結果を以下の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1から明らかなように本発明のホスファゼン誘導体を含有する樹脂組成物から得られた硬化物は、密着性に優れ、本発明のホスファゼン誘導体はカップリング剤としての機能と硬化性樹脂としての機能を併せ持つ。
【0040】
【発明の効果】
本発明のホスファゼン誘導体は、カップリング剤機能、及びマトリックス(硬化性樹脂)としての機能を併せ持つ化合物であり、接着剤、封止材等の分野において極めて有用である。
Claims (4)
- 式(1)
- 式(1)におけるnの値が3または4である請求項1記載のホスファゼン誘導体。
- 請求項1または2に記載のホスファゼン誘導体を含む樹脂組成物。
- 請求項3に記載の樹脂組成物の硬化物。
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