JP3591205B2 - 台車駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、台車に装着され、例えば予め設定した軌道に沿って自動走行するのに用いられる台車駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の台車駆動装置としては、床面に設けた軌道を検出する手段と、個別に回転駆動する左右の駆動輪を備え、軌道の検出信号に基づいて各駆動輪の回転を制御することにより、軌道に沿って自動走行するようにしたものがある。また、近年では、台車側に取付けられる上部フレームと、駆動輪を備えた下部フレームとの間にスプリングを設けた構成を有し、下部フレームとともに駆動輪を床面に押付けることにより、駆動力を確実に床面に伝えるようにしたものがあり、この種の台車駆動装置には、台車の手押し走行に対処するために、上部フレームに対して下部フレームを上昇させる機構を備えたものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、駆動輪を床面に押付ける機能を備えた台車駆動装置において、上下のフレームの間にスプリングを備えた従来の台車駆動装置では、駆動輪の走行経路に凹凸や左右の傾斜があると、その凹凸あるいは傾斜において下部フレーム全体が傾斜した状態となり、この下部フレームには各駆動輪を駆動するモータなどの重量物が設けてあるので、下部フレームの重量により傾斜下側の駆動輪の接地荷重が大きくなり、その結果、左右の駆動力がアンバランスになって直進性等の走行機能が損なわれることがあるという問題があり、このような問題を解決することが課題であった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、駆動輪を床面に押付ける機能を備えた台車駆動装置であって、駆動輪の走行経路に凹凸や傾斜がある場合でも、左右の駆動輪の駆動力をバランス良く床面に伝えることができ、良好な走行機能を得ることができる台車駆動装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる台車駆動装置は、請求項1として、台車側となる上部フレームと、下部フレームを備え、下部フレームには、左右の駆動輪を保持する車軸を所定の上下範囲において移動自在に且つ左右に傾斜可能に設けると共に、両駆動輪の中心に対応する位置から上方向に延出する中空シャフトを固定し、上部フレームに中空シャフトを軸方向に移動自在に且つ軸回りに回転自在に装着すると共に、中空シャフト内に上部フレームに対して車軸を下方向に押圧するスプリングを備えた構成とし、請求項2として、左右の駆動輪を車軸に対して回転自在に設けると共に、下部フレームに個々の駆動輪の回転駆動源を設け、各駆動輪と回転駆動源との間に回転伝達用のチェーンを設けた構成とし、請求項3として、上部フレームに、中空シャフトを軸方向に移動させる昇降機構を備えた構成とし、請求項4として、昇降機構が、中空シャフトの外周側に張出したフランジ部と、昇降用モータと、フランジ部の下面に当接して昇降用モータによる回転運動をフランジ部の上下運動に変換するカムを備えている構成としており、上記の構成を従来の課題を解決するための手段としている。
【0006】
【発明の作用】
【0007】
本発明の請求項1に係わる台車駆動装置では、下部フレームにおいて中空シャフトが両駆動輪の中心に対応する位置に固定してあり、この中空シャフトを上部フレームに対して軸回りに回転自在に装着してあるので、上部フレームに対して下部フレームが回動可能であり、両駆動輪の回転速度を異ならせることによる旋回走行を円滑なものにする。また、中空シャフトを上部フレームに対して軸方向に移動自在に装着すると共に、中空シャフト内に上部フレームに対して車軸を下方向に押圧するスプリングを備えているので、スプリングによって両駆動輪の中心位置で車軸を下方向に押圧し、これにより両駆動輪を床面に押付けて駆動力を床面に確実に伝えている。そして、当該台車駆動装置では、下部フレームに対して車軸が所定の上下範囲において移動自在で且つ左右に傾斜可能になっているので、駆動輪の走行経路に凹凸や左右の傾斜がある場合には、その凹凸あるいは傾斜において車軸および駆動輪だけが傾斜することとなり、この際、スプリングで両駆動輪の中心位置つまり車軸の中央を直接押圧しているので、スプリングの力が車軸を水平に戻そうとする方向に働いて左右の駆動輪の接地荷重をほぼ均一にする。
【0008】
本発明の請求項2に係わる台車駆動装置では、左右の各駆動輪が下部フレームに設けた個々の回転駆動源およびチェーンにより個別に駆動されることとなり、走行経路の凹凸や傾斜により車軸および駆動輪が傾斜した際には、スプリングの力が車軸を水平に戻そうとする方向に働くのに加えて、チェーンの張力が下部フレームと各駆動輪との間に生じた変位を元に戻そうとする方向に働き、左右の駆動輪の接地荷重をより均一にする。
【0009】
本発明の請求項3に係わる台車駆動装置では、上部フレームに中空シャフトを軸方向に移動させる昇降機構を備えているので、昇降機構により中空シャフトを上昇させることにより下部フレームを上昇させ、さらには各駆動輪を床面から上昇させ、作業者による台車の手押し走行に対処し得る。また、請求項1に記載したように、スプリングは車軸を直接押圧しており、車軸は下部フレームに対して所定の上下範囲において移動自在になっているので、中空シャフトとともに下部フレームを上昇させる際、少なくとも下部フレームに対して車軸が下降限に至るまでの間は、スプリングの力が下部フレームに加わることがなく、その分昇降機構の負荷が軽減される。
【0010】
本発明の請求項4に係わる台車駆動装置では、中空シャフトの外周側に張出したフランジ部と、昇降用モータと、フランジ部の下面に当接して昇降用モータによる回転運動をフランジ部の上下運動に変換するカムを備えた昇降機構を採用したので、上昇の場合には、カムにより、フランジ部を押し上げるようにして中空シャフトを軸方向に上昇させ、中空シャフトとともに下部フレームを上昇させることとなり、下降の場合には、カムの案内に伴って、中空シャフトおよび下部フレームをそれらの自重やスプリングの反発力により下降させる。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係わる台車駆動装置によれば、駆動輪を床面に押付ける機能を備えた台車駆動装置において、上部フレームに対して、下部フレームの両駆動輪の中心に対応する位置に固定した中空シャフトを軸回りに回転自在に装着したことから、両駆動輪の回転速度を異ならせることによる旋回走行を円滑に行うことができ、さらに、駆動輪の走行経路に凹凸や傾斜がある場合に、車軸および駆動輪だけを傾斜させて、駆動輪に下部フレームの重量が加わるのを防止することができると共に、凹凸や傾斜により直進性が損なわれるような事態を防止することができ、しかも、スプリングで車軸を直接押圧することにより、左右の駆動輪の接地荷重をほぼ均一なものにして、左右の駆動輪の駆動力をバランス良く床面に伝えることができ、直進時や旋回時において良好な走行機能を得ることができる。また、スプリングにより車軸を直接押圧して、駆動輪を床面に押付ける構造であることから、例えば上下のフレームの間にスプリングを設けた従来の装置に比べて、スプリングの上下方向の組付けスペースを大きく得ることができ、これにより、駆動輪の押付け力の増大などにも容易に対処することができ、あるいは上下寸法の小型化を図ることもできる。
【0013】
本発明の請求項2に係わる台車駆動装置によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえに、走行経路の凹凸や傾斜により車軸および駆動輪が傾斜した際には、スプリングの力に加えてチェーンの張力が働くことにより、左右の駆動輪の接地荷重ならびに左右の駆動力がより均一なものとなり、走行機能をより一層向上させることができる。
【0014】
本発明の請求項3に係わる台車駆動装置によれば、請求項1および2と同様の効果を得ることができるうえに、昇降機構により、下部フレームおよび駆動輪を上昇させて作業者による台車の手押し走行に容易に対処させることができ、しかも、請求項1に記載したように、下部フレームに対して上下に移動自在な車軸をスプリングで直接押圧していることから、中空シャフトとともに下部フレームを上昇させる際に、少なくとも下部フレームに対して車軸が下降限に至るまでの間は、スプリングの力が下部フレームに加わることがなく、その分昇降機構の負荷を軽減することができ、また、スプリングの中心に沿って中空シャフトを垂直方向に上昇させるので、円滑な動作を実現することができ、昇降機構のとくに駆動源に対する過負荷を防止することができる。
【0015】
本発明の請求項4に係わる台車駆動装置によれば、請求項3と同様の効果を得ることができるうえに、中空シャフトの外周側に張出したフランジ部と、昇降用モータと、フランジ部の下面に当接して昇降用モータによる回転運動をフランジ部の上下運動に変換するカムを備えた昇降機構を採用したことから、簡単な構造で円滑な昇降動作を実現することができ、装置の小型化および軽量化、モータに対する過負荷の防止などに貢献することができる。
【0016】
【実施例】
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係わる台車駆動装置の一実施例を説明する。なお、図1、図3および図4では、各々の左方向が台車駆動装置の進行方向である。また、図2は台車駆動装置を正面側から見た状態を示している。
【0017】
図示の台車駆動装置1は、図1および図2中に一部を仮想線で示す台車Cの下面に装着される。台車Cは、図示は省略したが、前側および右側である後側に左右の前輪および後輪を備えている。また、前輪は、旋回走行に対処するために回動自在なブラケットに取付けてある。
【0018】
台車駆動装置1は、基本構成としては、その上面部を台車Cに装着するボックス状の上部フレーム2と、同じくボックス状の下部フレーム3を備え、下部フレーム3には、左右の駆動輪4,4を保持し且つ所定の上下範囲において移動自在な車軸5と、両駆動輪4,4の中心に対応する位置から上方向に延出する中空シャフト6を備え、上部フレーム2に中空シャフト6を軸方向に移動自在に且つ軸回りに回転自在に装着すると共に、中空シャフト6内に上部フレーム2に対して車軸5を下方向に押圧するスプリング7を備えている。
【0019】
車軸5は、下部フレーム3の前後方向の中央に位置し、下部フレーム3を左右に貫通した状態になっている。ここで、下部フレーム3の左右側壁には、図1および図4に示すように、その下側から、車軸5の直径よりも小さい一定の幅で所定の長さに切り欠いた案内溝3aが形成してあり、これに対して車軸5には、左右側壁に対応する2か所に、その前後2か所を切り込んだ状態の規制部5aが形成してある。そして、左右の案内溝3aに車軸5の各規制部5aを摺動自在に係合し、各案内溝3aの下端開放部分に止め板8を固定する。これにより、車軸5は、案内溝3aの上端部から止め板8に至る上下範囲において移動自在であり、且つ回転不能な状態になっている。
【0020】
各駆動輪4,4は、図2〜図4に示すように、下部フレーム3側に従動スプロケット9,9を同軸状に備えており、この従動スプロケット9とともに車軸5に対して回転自在に取付けてある。
【0021】
下部フレーム3における車軸5の前後側には、2つの回転駆動源(モータ)10,10が設けてある。このとき、前側回転駆動源10は出力軸を左向きにし、後側回転駆動源10は出力軸を右向きにして配置してあり、各々の出力軸には駆動スプロケット11,11が同軸状に取付けてある。そして、前側回転駆動源10の駆動スプロケット11と左駆動輪4の従動スプロケット9との間、および後側回転駆動源10の駆動スプロケット11と右駆動輪4の従動スプロケット9との間に、回転伝達用のチェーン12,12がそれぞれ巻掛けてある。つまり、この実施例では、前側回転駆動源10により左駆動輪4を駆動し、後側回転駆動源10により右駆動輪4を駆動する。
【0022】
また、各回転駆動源10は、下部フレーム3内において、各々のケース13により前後方向に移動可能に保持してあると共に、下部フレーム3の前後端部に設けた各々のアジャスタ14により前後方向の位置調整が成されるようになっている。つまり、回転駆動源10の位置調整に伴って各チェーン12の張り具合を調整し得るようにしてある。
【0023】
さらに、下部フレーム3は、その上面の中央部に、円形の開口部を有すると共に、この開口部に、下部フレーム3の上面側に凹部を形成する円形の保持プレート15が複数のボルトにより固定してある。保持プレート15は、その中心に、上側から見て車軸5の中央部を覗かせる円形の開口部が形成してある。そして、この保持プレート15に、両駆動輪4,4の中心に対応する位置から上方向に延出する中空シャフト6が設けてある。
【0024】
中空シャフト6は、上下に開放された円筒体であって、下端部には固定用フランジ6aを有しており、保持プレート15に対して同心状に配置されると共に、固定用フランジ6aに螺着する複数のボルトによって保持プレート15に固定してある。
【0025】
上記の中空シャフト6に対して、上部フレーム2の下壁部2aの中央には、上下方向に開放されたベアリング16がその外周を保持するベアリングケース17により固定してある。そして、中空シャフト6は、ベアリング16にその上側まで貫通する状態に挿設してあり、これにより、上部フレーム2に対して軸方向に移動自在に且つ軸回りに回転自在に装着してある。
【0026】
さらに、中空シャフト6内には、圧縮コイルばねであるスプリング7が設けてある。ここで、左右の駆動輪4,4の中心に対応する位置つまり車軸5の中央部には、その上部にばね座18がボルト19により固定してある。このばね座18は、保持プレート15の中心の開口部を通して中空シャフト6の下端部内側に係脱自在である。スプリング7は、下端部をばね座18に当接させると共に、上端側を中空シャフト6の上端から突出させ、さらに、上端部を上部フレーム2の上壁部2bに当接させており、これにより、上部フレーム2に対して車軸5の中央部を下方向に押圧している。なお、上部フレーム2の上壁部2bに、スプリング7の上端部を位置規制する手段を設けることも良い。
【0027】
上部フレーム2には、中空シャフト6を軸方向に移動させる昇降機構が設けてある。昇降機構は、中空シャフト6の外周側に張出したフランジ部20と、昇降用モータ21と、フランジ部20の下面に当接して昇降用モータ21による回転運動をフランジ部20の上下運動に変換するカム22を備えている。
【0028】
フランジ部20は、この実施例の場合、中空シャフト6の上端部分に対して回転不能に係合させた円形のプレートで構成してあって、中空シャフト6の上端部に抜け止め用のナット23を螺着することによって完全に固定されており、中空シャフト6とともに上下動可能であり且つ回転可能である。
【0029】
昇降用モータ21は、出力軸21aを前方に向けた状態で上部フレーム2内の後部に配置してある。他方、カム22は、昇降用モータ21の出力軸21aに同心状に装着された円形の本体部22aと、本体部22aに対して偏心した位置に設けた円形の接触部22bを備えており、この接触部22bがフランジ部20の下面に当接する。
【0030】
上記のカム22は、図2に示すように、中空シャフト6を含む下部フレーム3側の重量に耐え得るように、上部フレーム2の下壁部2aに設けた左右一対の案内部材24,24によって、本体部22aの下部両側が摺動自在に支持されている。また、本体部22aの外周の一部には、その半径を一段小さくしたcが設けてある。
【0031】
上記のカム22に対して、上部フレーム2内には、カム22の回転状態を検出し、これにより昇降機構の作動状態を判断するための2つのリミットスイッチ25A,25Bが配置してある。両リミットスイッチ25A,25Bは、カム22の両側に配置してあって、本体部22aの外周面に対する接触子25aを備えており、この接触子25aにより先の凹部22cを検出する。
【0032】
つまり、図2に示すカム22のように、接触部22bが下側に位置し、且つ凹部22cが図中左側に位置しているときには、左側のリミットスイッチ25Aにより凹部22cを検出し、これにより昇降機構が下降状態にあることを判断する。また、カム22の回転により接触部22bが上側に移動すると、凹部22cが図2中右側へ移動し、その凹部22cを右側のリミットスイッチ25Bで検出することにより、昇降機構が上昇状態にあることを判断する。
【0033】
さらに、当該台車駆動装置1は、下部フレーム3の前部に、床面に設けた軌道(図示略)を検出するための3個のセンサ26を備えているほか、センサ26からの信号により各回転駆動源10,10の回転制御を行う制御部やバッテリーなどを備えている。また、下部フレーム3の上面には、両フレーム2,3の最接近位置で上部フレーム2に当接するストッパ27が設けてあり、両フレーム2,3の接近し過ぎによる内部機構の損傷を防止している。
【0034】
上記の構成を備えた台車駆動装置1は、例えば、上部フレーム2を保持して下部フレーム3を吊り下げた状態にすると、フランジ部20がベアリング16の上端部に当接することにより、中空シャフト6を含む下部フレーム3全体の下降位置を規制する。また、スプリング7が伸長して車軸5が下がる状態になるが、車軸5はチェーン12さらには止め板8により下降位置が規制される。なお、スプリング7は、車軸5が下降しても完全に伸びきることはなく、ある程度の圧縮状態にある。
【0035】
次に、台車駆動装置1は、台車Cの下面に上部フレーム2を装着すると、図1に示すように、上部フレーム2に対して中空シャフト6が上昇して、フランジ部20とベアリング16とが離間すると共に、スプリング7がさらに圧縮され、ばね座18が中空シャフト6の下端部内側に係合し、車軸5は案内溝3aの上端部により位置規制される。
【0036】
この状態において、台車駆動装置1は、スプリング7で両駆動輪4,4の中心位置つまり車軸5の中央部を下方向に直接押圧し、これにより両駆動輪4,4を床面Fに押付けて駆動力を床面Fに確実に伝えており、センサ26で床面Fの軌道を検出しながら両駆動輪4,4の回転速度を個別に制御して走行する。このとき、台車駆動装置1は、左右の駆動輪4,4の回転速度を異ならせることによって旋回走行を行うことができ、この際には、下部フレーム3において中空シャフト6が両駆動輪4,4の中心(旋回中心)に対応する位置にあり、この中空シャフト6を上部フレーム2に対して軸回りに回転自在に装着してあるので、下部フレーム3全体が回動して旋回走行を円滑なものにする。
【0037】
さらに、台車駆動装置1は、駆動輪4,4の走行経路に凹凸や左右の傾斜がある場合には、下部フレーム3の案内溝3aにおいて車軸5が上下移動自在であることから、図2中に仮想線で駆動輪を示すように、車軸5および駆動輪4,4だけが傾斜することとなり、この際、スプリング7で車軸5の中央を直接押圧しているので、スプリング7の力が車軸5を水平に戻そうとする方向(図2中の矢印A方向)に働いて左右の駆動輪4,4の接地荷重をほぼ均一にする。
【0038】
しかも、当該台車駆動装置1は、車軸5および駆動輪4,4が傾斜した際、スプリング7の作用に加えて、左右のチェーン12,12の張力が下部フレーム3と各駆動輪4,4との間に生じた変位を元に戻そうとする方向(図2中の矢印B方向)に働き、左右の駆動輪4,4の接地荷重をより均一にする。
【0039】
つまり、この種の台車駆動装置では、凹凸や傾斜により車軸が傾いた場合、傾斜下側の駆動輪の接地荷重が大きくなり、また、従来技術の項で述べたように上下のフレームの間にスプリングを備えたものでは、下部フレーム全体の重量によって傾斜下側の駆動輪の接地荷重が著しく大きくなり、これにより直進性が損なわれることがあるが、当該台車駆動装置1では、車軸5および両駆動輪4,4だけが傾斜するので、傾斜下側の駆動輪4に下部フレーム3の重量が加わることがなく、しかも、スプリング7とチェーン12の力により左右の駆動輪4,4の接地荷重を均一にして左右の駆動力のバランスを維持しており、これにより安定した走行性が得られることとなる。
【0040】
そしてさらに、台車駆動装置1は、昇降機構により中空シャフト6とともに下部フレーム3を上昇させることにより、作業者による台車Cの手押し走行に対処し得る。すなわち、図1および図2に示す状態から、昇降用モータ21によりカム22を180度回転させると、カム22の接触部22bが上側に移動してフランジ部20を押し上げることとなり、これにより中空シャフト6とともに下部フレーム3が上昇し、最終的には車軸5が上昇して両駆動輪4,4が床面Fから離間する。このとき、下部フレーム3に対して、車軸5は止め板8により下降位置が規制される。なお、駆動輪4が床面Fに接触していると、その回転が回転駆動源(モータ)10に伝達されて抵抗を生じるので、駆動輪4を床面Fから離間させるようにしている。
【0041】
このとき、当該台車駆動装置1では、スプリング7は車軸5を直接押圧しており、車軸5は下部フレーム3に対して所定の上下範囲において移動自在になっているので、中空シャフト6とともに下部フレーム3を上昇させる際、少なくとも下部フレーム3に対して車軸5が下降限に至るまでの間は、スプリング7の力が下部フレーム3に加わることがなく、その分昇降機構とくに昇降用モータ21の負荷が軽減されることとなる。また、スプリング7の中心に沿って中空シャフト6を垂直方向に上昇させるので、動作がきわめて円滑であり、昇降用モータ21の過負荷が防止されることとなる。
【0042】
なお、当該台車駆動装置1による自動走行に戻す場合には、昇降用モータ21によりカム22を180度回転させると、カム22の接触部22bの案内に伴って、中空シャフト6および下部フレーム3がそれらの自重やスプリング7の反発力により下降し、再び両駆動輪4,4を床面Fに押付けた状態にする。
【0043】
上記の台車駆動装置1は、その構造において、例えば上下のフレームの間にスプリングを備えた従来の装置と比べると、スプリング7により車軸5を直接押圧する構造であることから、部品点数も少なくて済み、しかも、スプリング7の上下方向の組付けスペースを大きく得ることができ、これにより、駆動輪4の押付け力の増大などにも対処する容易であり、あるいは上下寸法の小型化を図ることが可能である。
【0044】
また、台車駆動装置1では、フランジ部20と、昇降用モータ21と、カム22を備えた昇降機構を採用すると共に、昇降機構による中空シャフト6の移動方向とスプリング7の中心軸方向とが一致していることから、簡単な構造で円滑な昇降動作が行われることとなる。なお、昇降機構において、フランジ部の下面に当接して昇降用モータによる回転運動をフランジ部の上下運動に変換するカムとしては、上記実施例以外の形態を有するカムあるいはカム機構を採用することも当然可能である。
【0045】
【図面の説明】
【0046】
【図1】本発明に係わる台車駆動装置の一実施例において一部を破断した状態の側部断面図である。
【0047】
【図2】図1に示す台車駆動装置において上部フレームをカムの前面位置で破断した状態の正面断面図である。
【0048】
【図3】図1に示す台車駆動装置において上部フレームを一部破断した状態の平面断面図である。
【0049】
【図4】図1に示す台車駆動装置の底面図である。
【0050】
【符号の説明】
C 台車
1 台車駆動装置
2 上部フレーム
3 下部フレーム
4 駆動輪
5 車軸
6 中空シャフト
7 スプリング
10 回転駆動源
12 チェーン
20 フランジ部(昇降機構)
21 昇降用モータ(昇降機構)
22 カム(昇降機構)

Claims (4)

  1. 台車側となる上部フレームと、下部フレームを備え、下部フレームには、左右の駆動輪を保持する車軸を所定の上下範囲において移動自在に且つ左右に傾斜可能に設けると共に、両駆動輪の中心に対応する位置から上方向に延出する中空シャフトを固定し、上部フレームに中空シャフトを軸方向に移動自在に且つ軸回りに回転自在に装着すると共に、中空シャフト内に上部フレームに対して車軸を下方向に押圧するスプリングを備えたことを特徴とする台車駆動装置。
  2. 左右の駆動輪を車軸に対して回転自在に設けると共に、下部フレームに個々の駆動輪の回転駆動源を設け、各駆動輪と回転駆動源との間に回転伝達用のチェーンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の台車駆動装置。
  3. 上部フレームに、中空シャフトを軸方向に移動させる昇降機構を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の台車駆動装置。
  4. 昇降機構が、中空シャフトの外周側に張出したフランジ部と、昇降用モータと、フランジ部の下面に当接して昇降用モータによる回転運動をフランジ部の上下運動に変換するカムを備えていることを特徴とする請求項3に記載の台車駆動装置。
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