JP3590866B2 - ロール紙ホルダ及びこれを用いたロール紙給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、プリンター用のロール紙を保持するためのロール紙ホルダ、及びこれを用いたロール紙給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は従来のロール紙ホルダのスプールの構造を示す斜視図である。このスプール107は、軸100、112を六角穴付きネジで固定し、片側にギア102、スペーサ103、ブレーキ104、ディスク105、スプリング106、スプリング受け101を設けている。ブレーキ104は、スプリング106によりギア102に一定の圧力で押し付けらる。これは、ロール紙を装着して搬送する時にスプール107に負荷を付けないと、ロール紙1が慣性によりたるむ等するのを防ぐためのものである。
【0003】
ロール紙1をスプール107に固定するために、レバー109を設けてある。レバー109は、段ビス109を中心として回動可能で、スプリング110でレバー109を押し上げ得るようになっている。レバー109の途中部位には、山切り状部109aが設けてあり、ロール紙を挿入してセットする時、ロール紙の紙管に山切り状部109aが喰い込むことでスプール107にロール紙1が固定される。
【0004】
ところで、この種のロール紙を使用する画像形成装置のユーザーは、スプールをオプションとして複数購入し、種々のサイズのロール紙に対して各サイズ毎にスプール107を持っている場合が多い。そして、使用していないロール紙を保管する場合、スプール107と一緒にして立て掛けておくことが非常に多い。この場合、図2に示すように、ギア102を下側にする。この状態では、スプール107とロール紙1は、上述のようにレバー109で固定されているので、ロール紙1がその自重等で下に落ちてしまうことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これを防止するために、図3に示すように、スプール107にストッパ114を設けることがある。しかしながら、ストッパ114を設けると、ロール紙のセットが非常に困難になる。即ち、ロール紙1をスプール107にセットするときはギア102の方から装着しなければならない(反対側の軸112側からではレバー109があってセットしづらい)ので、ストッパ114を一度はずしてからでないとロール紙1を交換できないからである。
【0006】
そこで本発明は、ストッパをはずさなくてもロール紙を交換できるロール紙ホルダと、これを用いたロール紙給紙装置を提供することを目的とする。
【0007】
また上述のような従来のロール紙ホルダでは、実際にコピー等するときの横レジストのずれが問題になることがあり、そこで本発明は上述のロール紙ホルダとともに、ロール紙のスラスト方向のズレを表示可能として試し用のコピー等画像形成動作を不要にできるロール紙給紙装置を提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のロール紙ホルダのうち請求項1に係るものは、上記目的を達成するために、ロール紙を保持するスプールと、該スプールに取り付けるストッパとからなるロール紙ホルダにおいて、上記ストッパが、上記スプール上への折り畳み及び上記スプール上から離れるように立ち上げ可能にストッパ本体上に軸支したストップ部材を有し、該ストップ部材を上記スプール上へ折り畳んで、上記スプールに装着する上記ロール紙を回避可能とし、該ロール紙装着後に上記スプール上から立ち上げて装着したロール紙が上記スプールのスラスト方向に移動しないようにしてなり、該ストップ部材の回動方向を、上記スプールのラジアル方向としてなることを特徴とする。
【0009】
同請求項2に係るものは、上記ストップ部材が上記ストッパ本体上で上記スプールのスラスト方向に沿って移動可能とする微調整機構を有することを特徴とする。
【0010】
同請求項3に係るものは、上記微調整機構が、上記ストッパ本体の上記スプールへの固定部位に設けたスラスト方向に伸びる長孔と、該長孔を通して上記ストッパ本体を上記スプールへ固着するネジであることを特徴とする。
【0011】
同請求項4に係るものは、上記ストップ部材を、上記ストッパ本体上へ軸支した軸に沿って移動可能とし、上記ストッパ本体に、上記軸に沿って上記ストッパ本体内へ出没操作可能な部材を設けて上記微調整機構を構成してなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお以下では従来と共通する部分には共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
図4は本発明に係るロール紙ホルダの一実施形態の要部を拡大して示す断面図で、(A)はスラスト方向の断面図、(B)はラジアル方向の断面図である。本実施形態のロール紙ホルダは、従来と同様のスプール107に、従来のストッパ114に代わるストッパ3を取り付けたものである。
【0013】
本実施形態のストッパ3は、主に、ブラケット3a、ストップ部材3b、軸3c及び段付ネジ3dという4部品からなる。
【0014】
一方、スプール107には溝107aが設けてあり、ブラケット3aの両縁がこの溝107aに入り込んでいてスプール107の長手方向に移動可能となっている。またスプール107には各種のロール紙1の幅に対応するところにネジ孔が切ってあり、ブラケット3aを段付ネジ3dにより所定の位置でスプール107に固定できるようになっている。なお段付ネジ3dにはEリング3eを装着してブラケット3aから外れないようにしてある。
【0015】
ストップ部材3bは、ブラケット3aにスプール107のスラスト方向で取り付けた軸3cを中心としてラジアル方向に回動可能としてある。図5はストップ部材3の状態を示す側面図で、この図中に実線で示すストップ部材3bの位置はロール紙1のストッパとなる立ち上がり状態で、ストップ部材3bの端部側がロール紙1の用紙1aを巻き付けるための紙管1b部分に当接できる状態である。また図中鎖線で示すストップ部材3bの位置はスプール107に取り付けるロール紙1の紙管1bの内側に入ってロール紙1の交換時に当たらないようにした折り畳み状態である。
【0016】
即ち、この実施形態では、ストップ部材3bをスプール107上(具体的にはブラケット3a上)へ折り畳んで、スプール107に装着するロール紙1が当たらないように回避し、ロール紙1を装着後に回動させてスプール107上から立ち上げ、装着したロール紙1がスプール107のスラスト方向に移動しないように固定する。
【0017】
図6は、図4のストッパ3の位置の微調整機構の一例を示す平面図である。ブラケット3aの端部に設ける段付ネジ3dの取り付け穴3gを長穴にすることでスプール107へのブラケット3aの取り付け位置を微調整できるようになっている。一応の目安として目盛り3fを設けてあるので、移動量がわかるようになっている。
【0018】
図7は、図4のストッパ3の位置の微調整機構の他の例を示すである。この例の機構は、ブラケット3aの軸3cの取り付け部分3kにタップが切ってあり、この部分に取り付けたネジ3hを回転させて、ストップ部材3bを移動させるものである。具体的には、ネジ3hが回転しつつ移動するとストップ部材3bが一体となって移動し、スラスト方向の位置を微調整できる。なおネジ3hにはストップ部材3bのスラスト方向の固定のため、止め輪3jを設けてある。またブラケット3aをスプール107固定する部分は基準穴3lとなっている。この機構では、スプール107からロール紙1をはずさないでストップ部材3bの位置を移動させることができる。
【0019】
図8は、上述のロール紙ホルダを用いたロール紙給紙装置を備えたロール紙給紙装置の一実施形態と、その上に搭載した画像形成装置を概念的に示す断面図である。図中200はロール紙給紙装置を、210は画像形成装置を示す。
【0020】
このロール紙給紙装置200は、ロール紙ホルダを上下2段に各2本セットするための給紙トレイ200a、200bを備え、上段の給紙トレイ200aには第1ホルダ201及び第2ホルダ202、下段の給紙トレイ200bには第3ホルダ203及び第4ホルダ204を搭載している。各ロール紙ホルダ201〜204の構成は、図1〜図7で示したものである。
【0021】
また上段の給紙トレイ200aには検知手段205を備え、この検知手段205ではロール紙1の有無、サイズだけでなく、位置も検知できるようにしてある。そのため検知手段205には例えばCCDを用いたセンサ等を採用すればよい。さらに、上下段の給紙トレイ200a、200bともに簡易カッタ206を設けてあり、セットしたロール紙ホルダ201〜204から引き出したロール紙1の先端部をカットして側縁に対して直角な端縁を得られるようにしてある。
【0022】
この装置では、ロール紙ホルダ201〜204をセットして図示せぬ給紙部の蓋を閉じると、上下段のロール紙ホルダ201〜204の有無、ロール紙1サイズを検知するために、各ロール紙ホルダ201〜204毎に検知手段205までロール紙1を送る。検知手段205ではロール紙1の有無、サイズだけでなく、位置も、即ちロール紙1の端部を検出し、ロール紙1が所定のセット位置からどれくらいずれているかを算出して、その結果を図示せぬディスプレイ等に表示する。この表示されたずれ量を上述のストッパ3の位置の微調整機構により修正する。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に係るロール紙ホルダは、以上説明してきたようなものなので、スプールを立て掛けたときにロール紙がその重さ等で落下するのを防止できるだけでなく、ストッパを外さなくてもロール紙の着脱できるようになるという効果がある。
【0024】
請求項2、3に係るロール紙ホルダは、上記共通の効果に加え、スプールのスラスト方向にストッパの位置を微調整可能であるため、ロール紙幅のバラツキに対応できるという効果がある。
【0025】
請求項4に係るロール紙ホルダは、上記請求項2と共通の効果に加え、ロール紙を取り外さなくてもスプールのスラスト方向にストッパの位置を微調整可能できるという効果がある。
【0026】
請求項5に係るロール紙給紙装置は、以上説明してきたようにロール紙端縁の位置検知により、スプールのスラスト方向でのズレが表示できるので試し用のコピーが不要となり省資源化が達成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のロール紙ホルダのスプールの構造を示す斜視図である。
【図2】使用していないロール紙を保管する場合にスプールと一緒にして立て掛けておく状態の側面図である。
【図3】ストッパを使用してロール紙をスプールと一緒にして立て掛けておく状態の側面図である。
【図4】本発明に係るロール紙ホルダの一実施形態の要部を拡大して示す断面図で、(A)はスラスト方向の断面図、(B)はラジアル方向の断面図である。
【図5】図4のストッパの拡大側面図である。
【図6】図4のストッパの位置の微調整機構の一例を示す平面図である。
【図7】図4のストッパの位置の微調整機構の他の例を示す平面図である。
【図8】ロール紙ホルダを用いたロール紙給紙装置を備えたロール紙給紙装置の一実施形態と、その上に搭載した画像形成装置を概念的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ロール紙
1a 用紙
1b 紙管
3 ストッパ
3a ブラケット
3b ストップ部材
3c 軸
3d 段付ネジ
3e Eリング
3f 目盛り
3g 取り付け穴
3h ネジ
3j 止め輪
3k 軸の取り付け部分
3l 基準穴
107 スプール
107a 溝
200 ロール紙給紙装置
210 画像形成装置
200a、200b 給紙トレイ
201〜204 ロール紙ホルダ
205 検知手段
206 簡易カッタ
Claims (5)
- ロール紙を保持するスプールと、該スプールに取り付けるストッパとからなるロール紙ホルダにおいて、上記ストッパが、上記スプール上への折り畳み及び上記スプール上から離れるように立ち上げ可能にストッパ本体上に軸支したストップ部材を有し、該ストップ部材を上記スプール上へ折り畳んで、上記スプールに装着する上記ロール紙を回避可能とし、該ロール紙装着後に上記スプール上から立ち上げて装着したロール紙が上記スプールのスラスト方向に移動しないようにしてなり、該ストップ部材の回動方向を、上記スプールのラジアル方向としてなることを特徴とするロール紙ホルダ。
- 上記ストップ部材が上記ストッパ本体上で上記スプールのスラスト方向に沿って移動可能とする微調整機構を有することを特徴とする請求項1のロール紙ホルダ。
- 上記微調整機構が、上記ストッパ本体の上記スプールへの固定部位に設けたスラスト方向に伸びる長孔と、該長孔を通して上記ストッパ本体を上記スプールへ固着するネジであることを特徴とする請求項2のロール紙ホルダ。
- 上記ストップ部材を、上記ストッパ本体上へ軸支した軸に沿って移動可能とし、上記ストッパ本体に、上記軸に沿って上記ストッパ本体内へ出没操作可能な部材を設けて上記微調整機構を構成してなることを特徴とする請求項2のロール紙ホルダ。
- 請求項1ないし4のいずれかの上記ロール紙ホルダを装着して用いるロール紙給紙装置において、上記ロール紙ホルダから引き出したロール紙端の側縁位置を検知する手段を有し、該ロール紙端縁検知手段によりロール紙のスラスト方向のずれを検出することを特徴とするロール紙給紙装置。
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