JP3590834B2 - 紙幣取引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鑑別部のラインセンサ上に紙片や汚れ等が存在しても、動作を停止することなく取引を継続することが可能な紙幣取引装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の紙幣取引装置では、鑑別部のラインセンサで紙幣搬送前にセンサ出力が一定値以下になってしまうと、ラインセンサの破損とみなしセンサ異常を表示して装置を停止させていた。例えば、特開昭58−189794号公報に示された金融機関等で使用される現金自動取引装置では、紙幣の形状を必要とする正損判定を透過センサ(ラインセンサ)を用いて行っており、センサのチェックはセンサ出力がある一定の値であるか否かで行っていた。
しかし、従来では、ラインセンサ上の紙片、汚れ等は全く考慮されておらず、単にセンサ出力の値だけで正常または異常の判定を行っていたため、センサ自体が正常であるにもかかわらず、紙片や汚れ等でセンサ出力が一定値以下となった場合にも異常として装置を停止させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、銀行等の金融機関では、現金自動取引装置の稼働率の面で向上しており、無人化運用を可能にするために装置をできる限り停止させずに運用したいという要求が高まってきている。このような要望があるにもかかわらず、従来では、鑑別部のラインセンサに紙片や汚れ等があるだけで、センサの破損もなく、また紙幣の搬送や判別に影響は全くない場合でも、装置を停止していた。そして、装置停止の多くの場合、ラインセンサに紙片、汚れ等が付着していることが殆んどであることも判明した。
このような異常による装置の停止が多発していたため、センサのチェック方法の見直しが課題となっていた。
また、ラインセンサの異常時に、付着した紙片、汚れの位置が判らないため、これらを除去することができず、その結果として、鑑別部ユニットを交換しなければならないという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明の第1の目的は、このような従来の課題を解決し、ラインセンサ上に紙片、汚れ等が付着していても、装置を停止することなく、取引を継続することができ、稼働率を向上させることが可能な紙幣取引装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、ラインセンサ上に紙片、汚れ等が付着していた場合、これらの紙片、汚れ等のラインセンサ上の位置を上位装置に連絡して、上位装置から係員にこれらを除去させるように指示することができる紙幣取引装置を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、ラインセンサ上に紙片、汚れ等が付着していた場合、これらのラインセンサ上の位置を鑑別部にて係員または保守員に直接連絡でき、係員や保守員の作業を容易にして、センサ上の紙片、汚れ等を確実に除去することが可能な紙幣取引装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の紙幣取引装置では、▲1▼取引開始前に鑑別部のラインセンサ上の紙片や汚れを検知する手段と、これらの紙片、汚れのラインセンサ上の位置およびその大きさを記憶する手段と、これらの紙片、汚れの位置と大きさとを考慮して、ラインセンサの出力を取り込む手段とを設ける。これにより、ラインセンサ上に紙片、汚れ等があっても装置を停止させることなく、そのまま運用を継続することができ、稼働率を向上させることができる。
▲2▼また、鑑別部のラインセンサ上の紙片、汚れの位置を算出する手段と、これらの紙片、汚れを上位装置である紙幣取引装置に連絡する手段と、この上位装置から係員または保守員に連絡する手段を設ける。これにより、取引開始前にラインセンサをチェックして、紙片、汚りを検知した場合には、取引の終了と同時に紙片、汚りの位置を報告することができる。
▲3▼さらに、鑑別部のラインセンサ上の紙片、汚れの位置を算出する手段と、鑑別部にてセンサ上の紙片、汚れの位置を目視により連絡する手段を設ける。これにより、取引開始前にラインセンサをチェックして、紙片、汚れの位置を検知した場合には、取引終了時に鑑別部において紙片、汚れの位置を係員に報告することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される紙幣取引装置の側断面図である。
図1により、装填時の動作、入金取引時の動作、および出金取引時の動作を説明する。先ず、装填時には、係員が紙幣が集積された紙幣カセット6を紙幣取引装置の下部分に装着し、装填開始の起動を行うと、紙幣カセット6から図示されていない分離機構により1枚ずつ紙幣を分離して、搬送路11を通って鑑別部2で金種、真偽、正損等の必要な鑑別を行った後、鑑別結果が正券であれば、搬送路12、搬送路14、搬送路24を通って万円リサイクルボックス3,4あるいは千円リサイクルボックス5に集積する。一方、鑑別結果がリジェクト券であれば、搬送路12、搬送路16、搬送路21を通って装填リジェクト庫26に集積される。そして、図示されていないセンサにより、紙幣カセット6の空を検知したならば、分離を停止して装填動作を終了する。
【0007】
次に、入金取引時には、利用者が入出金口1に紙幣を投入すると、投入された紙幣は入出金口1に設けられた図示しない分離機構により1枚ずつ分離されて、搬送路20、搬送路24、搬送路15を通って鑑別部2に搬送される。紙幣は、鑑別部2で金種、真偽、正損等の必要な鑑別が行われた後、搬送路12、表裏反転部9、搬送路16、搬送路22を通って一時集積機構10に集積される。また、鑑別部2でリジェクト紙幣と判別された場合には、同じようにして搬送路12、搬送路13、搬送路19を通って入出金口リジェクト集積機構25に集積される。このように、入出金口リジェクト集積機構25に紙幣が集積された場合には、入出金口1に移動した後、利用者に対して再度の投入を促す。
一時集積機構10に投入された紙幣が集積されるとともに、利用者が確認キーを押下して所定の入金取引が成立すると、紙幣は一時集積機構10から図示されない分離機構により分離されて、搬送路23を介して鑑別部2に再度搬送され、ここで金種の鑑別が行われることにより、金種の鑑別結果が正券のときには、搬送路12、搬送路13、搬送路14、搬送路24、搬送路15を通って万円リサイクルボックス3,4または千円リサイクルボックス5に搬送され、集積収納される。一方、鑑別部2での金種の鑑別結果が5千円あるいは種類判定不能券のときには、同じようにして、搬送路12、搬送路13、搬送路14、搬送路24を通って非環流ボックス7に集積収納される。また、鑑別部2での鑑別結果が例えば搬送紙幣が大きくシフトしている場合等の搬送異常券のときには、搬送路12、搬送路17を介してリジェクトボックス8に収納される。一時集積機構10に集付された紙幣がなくなったならば、入金取引は終了する。
【0008】
次に、出金取引時には、利用者から出金要求があると、要求された枚数の紙幣が各金種の保管庫であるリサイクルボックス3,4または5から図示されていない分離機構により1枚ずつ分離され、搬送路15を介して鑑別部2に搬送され、さらに搬送路12、搬送路13、搬送路19を通って入出金口1に集積された後、放出されて出金取引を終了する。このとき、鑑別部2による鑑別結果が金種判定不能券であるときには、搬送路12、搬送路13、搬送路14、搬送路24を通って非環流ボックス7に集積収納され、また搬送異常券であるときには、搬送路12、搬送路17を通ってリジェクトボックス8に収納される。
【0009】
図2は、本発明の一実施例を示す紙幣取引装置の制御ブロック図である。
図2における上位装置30は紙幣取引装置(ATM本体)のことである。また、回線制御部31は上位装置30との交信を行う部分であって、上位装置30からの入金、出金等の指示情報を受信して主制御部32に連絡したり、処理結果を主制御部32から受取り、上位装置30に送信したりする。鑑別回線制御部33は、主制御部32からの鑑別センサチェック、鑑別開始、停止等の鑑別部2に対する指示情報を受信して、鑑別制御部34に連絡したり、処理結果や紙幣1枚毎の鑑別結果を鑑別制御部34から受取り、主制御部32に送信したりする。
本発明の対象となる鑑別部は、鑑別制御部34からセンサ39までのブロックを指す。この中で、本発明により新たに設置されたものは鑑別記憶部36と鑑別表示部89である。鑑別センサチェック部35は、鑑別制御部34からの指示により鑑別で制御する全てのセンサ39をチェックする。また、鑑別記憶部36は、鑑別センサチェック部35で行った鑑別センサチェックの結果を記憶する。鑑別データ取込み部37は、鑑別制御部34からの指示により搬送されてくる紙幣の金種、真偽、正損等の鑑別に必要なデータを取込む。紙幣鑑別部38は、鑑別データ取込み部37で取込んだ紙幣1枚分のデータを鑑別する。鑑別表示部89は、鑑別記憶部36に記憶された鑑別センサチェックの結果を、係員または保守員に表示して連絡するものである。
【0010】
図3は、図1における鑑別部2のラインセンサの正面図である。
(a)はラインセンサに対する紙幣の搬送状態を示す図であり、(b)はラインセンサ上の紙幣に対する位置に対するデータ出力を示す図である。ラインセンサ40は、矢印41に示すように左側から右側に向ってスキャンされ、紙幣42が同図矢印の方向に搬送されてくると、ラインセンサ40は(b)に示すようなデータを出力する。すなわち、1スキャン毎に、最初の紙なし区間43(左端から紙幣までのライト有りの区間Wd)の出力、最後の紙なし区間44(右端から紙幣までのライト有りの区間Wn)の出力、および総紙なし区間45(左端よりスキャンして紙幣を除いたライト有りの区間Wi)の出力が与えられる。
図2において、主制御部32は、回線制御部31を介して上位装置30からの取引の指示を受けると、紙幣搬送前に鑑別制御部34に鑑別回線制御部33を通して鑑別部のセンサチェックを指示する。鑑別制御部34は、センサのチェックを鑑別センサチェック部35に指示し、鑑別センサチェック部35は、図3のラインセンサ40からの出力データを使用して、図4のフローに示すようなチェックを実行する。
【0011】
(紙幣搬送前のラインセンサチェック)
図4は、本発明のラインセンサのチェック動作のフローチャートである。
先ず、鑑別センサチェック部35は、ラインセンサの出力データWd,Wn,Wiを読取り(ステップ100)、Wd,Wn,Wiの全てがラインセンサ幅41と等しいか否かをチェックする(ステップ101)。Wd=Wn=Wi=ラインセンサ幅であれば、ラインセンサの破損やセンサ上に紙片や汚れがないと判断し、鑑別制御部34に正常であることを報告して、ラインセンサのチェックを終了する(ステップ106)。
等しくない場合には、ラインセンサの破損またはラインセンサ上に紙片、または汚れがあるものと判断する。従来では、ここで直ちに異常を報告したが、本発明ではさらに2つのチェックを行う。すなわち、(Wd+Wn)=Wiが成立するか否か(ステップ102)、および(ラインセンサ幅−Wi)>3mmであるか否か(ステップ103)のチェックである。前者のチェックの結果、上式が成立しない場合には、ラインセンサ上に2箇所以上の紙片、汚れがあるか、ラインセンサが破損している可能性があるため、鑑別制御部34に異常を報告する(ステップ107)。また、後者のチェックの結果、上式が成立した場合、つまり最ラインセンサ幅から総紙なし区間Wiを差し引いた値が3mmより大きいときには、やはり大きい紙片、汚れがあるか、ラインセンサが破損している可能性が高いため、鑑別制御部34に異常を報告する(ステップ107)。
次に、ラインセンサ上に1箇所のみの紙片、汚れがあり、かつ上記値が3mm以下のときには、センサ異常とせずに鑑別記憶部36に紙片、汚れの位置を記憶する(ここでは、Wd,Wnを記憶)(ステップ104)。また、紙片、汚れの大きさを記憶する(ここでは、ラインセンサ幅からWiを引いた値を記憶)(ステップ105)。そして、鑑別制御部34に対して正常を報告する(ステップ106)。
【0012】
図5および図6は、それぞれ図4のフローにおける第1番目のチェックの説明図であって、図5は2箇所以上に紙片、汚れが付着している場合のラインセンサの出力図、図6は1箇所に紙片、汚れが付着している場合のラインセンサの出力図である。
前者のチェック(図4のステップ102)で考えられる場合の1つ目は、図5に示すように、Wd46とWn47の合計がWi48と等しくない場合である。この場合には、図5に示すように、ラインセンサ上に紙片、汚れ49が2箇所以上付着している場合も考えられるが、ラインセンサが破損している可能性もあるため、センサ異常とする。
前者のチェック(図4のステップ102)で考えられる場合の2つ目は、図6に示すように、Wd50とWn51の合計がWi52と等しい場合である。この場合には、Wi52とラインセンサ幅41との差が大きいとき(例えば、3mmより大)と小さいとき(例えば、3mm以下)がある。大きいときには、ラインセンサ上に3mmより大きい紙片、汚れ53が付着していることも考えられるが、センサが破損している可能性もあるために、図4のように異常とする。
【0013】
図7は、図2における鑑別記憶部が記憶するデータのフォーマット図である。鑑別記憶部36に記憶させる紙片、汚れのデータは、図7に示すように、位置Wd、位置Wn、およびその大きさが記録される。鑑別センサチェック部35は、センサチェックが終了すると、鑑別制御部34に結果を報告して、鑑別回線制御部33を通して主制御部32にセンサチェックの正常終了を報告する。
以上のように、紙幣搬送前にセンサチェックを行い、鑑別センサチェック時にラインセンサ上に3mm以下の紙片、汚れを検知しても、この紙片の位置、大きさを記憶しておくことにより、正常を報告して引き続き取引を実行する。
【0014】
(ラインセンサのデータ取込み)
次に、鑑別センサチェック後の紙幣データの取込みについて説明する。
図8は、本発明におけるラインセンサのデータ取込みの動作フローチャートである。
主制御部32は、鑑別センサチェックが正常に終了すると、鑑別制御部34に鑑別開始を指示し、鑑別部2に紙幣を搬送する。鑑別制御部34は紙幣データの取込みを鑑別データ取込み部37に指示する。鑑別データ取込み部37は、紙幣が搬送されてくると、図3に示すラインセンサからの出力データを図8に示すような順序で取込む。
鑑別センサチェック時に、ラインセンサ上の紙片、汚れを検知していない場合(ステップ108)、現在の総紙なし区間Wi45がラインランサ幅41と等しくなくなった時点をラインセンサに紙幣が搬送されたと判断して(ステップ109)、例えば紙幣1枚分の出力データを必要量だけ取り込む(ステップ112)(図9で後述する)。また、ラインランサ上に3mm以下の紙片、汚れを検知した場合には(ステップ108)、ランセンサ幅41からセンサチェック時に記憶した紙片、汚れの大きさ53を差し引き、それが現在の総紙なし区間Wi45と等しくななった時点を紙幣が搬送されたと判断し(ステップ110)、次の3つの場合に区分して制御を行う。すなわち、その1つ目はデータをそのまま取り込む場合であり(図9の場合)、2つ目は誤判定の可能性があるために、記憶したデータを補正した後にデータを取り込む場合であり(図10の場合)、3つ目は取り込み異常とする場合である(図11の場合)。以下、3つの場合を詳述する。
【0015】
図9は、図8における1つの目の場合の説明図であって、紙片、汚れが搬送紙幣に隠れる場合のラインセンサ出力図である。
この場合には、ランイセンサ上の紙片、汚れ61が搬送された紙幣60で隠れてしまう。従って、ラインセンサ上の紙片、汚れ61は紙幣形状に何等影響を及ぼさない。そこで、ラインセンサのチェック時に記憶した最初の紙なし区間Wd55と最後の紙なし区間Wn56とが、現在の最初の紙なし区間Wd57、最後の紙なし区間Wn58とそれぞれ等しくない場合には(ステップ111)、そのままラインセンサからの出力データを取り込む(ステップ112)。
【0016】
図10は、図8における2つ目の場合の説明図であって、紙片、汚れと搬送された紙幣68とが離れている場合のラインセンサ出力図である。
この場合には、出力データをそのまま取り込むと、紙幣形状が図10(b)に示すように判断されるので、記憶したデータを補正してから出力データを取り込む。すなわち、紙幣形状の大きさが図10(b)の70のように横方向に伸びてしまい、また紙幣70上に穴71があいているように判断されてしまう。そこで、ラインセンサのチェック時に記憶した最初の紙なし区間Wd63と最後の紙なし区間Wn64のどちら一方が、現在の最初の紙なし区間Wd65、最後の紙なし区間Wn66と等しく(ステップ111)、かつ現在の最初の紙なし区間Wd65と最後の紙なし区間Wn66の合計が総紙なし区間Wi67と等しくない場合(ステップ113)、記憶したWdが現在のWdと等しいか否かを判別して(ステップ115)、等しくなければ、WnとWiとを補正する(ステップ117,118)。また、等しければ、WdとWiとを補正する(ステップ116)。
【0017】
すなわち、記憶したWdと現在のWdが等しくなければ(ステップ115)、図10(a)の状態と同じように、紙片、汚れ69が紙幣68の右側にあると判断し、最後の紙なし区間Wn64を補正して、現在の総紙なし区間Wiから現在の最初の紙なし区間Wd65を差し引き、さらにセンサチェック時に記憶した紙片、汚れの大きさ62を加算する(ステップ116)。次に、総紙なし区間Wiを補正して、現在の総紙なし区間Wi67にチェック時に記憶した紙片、汚れの大きさ62を加算する(ステップ118)。これにより、図9で説明した場合と同じように、紙幣68内に紙片、汚れ69が隠れたと同じ状態として出力データを取り込むことができる。従って、図8の最初に戻ってステップ108,119,112の順に処理を進める。
一方、記憶したWdと現在のWdが等しければ(ステップ115)、紙片、汚れ69が紙幣68の左側にあると判断し、最初の紙なし区間Wd63を補正して、現在の総紙なし区間Wi67から現在の最後の紙なし区間Wn66を差し引き、さらにチェック時に記憶した紙片、汚れの大きさ62を加算する(ステップ117)。次に、総紙なし区間Wi67を補正して、現在の総紙なし区間Wi67にチェック時に記憶した紙片、汚れの大きさ62を加算する(ステップ118)。これにより、図9で説明した場合と同じように破幣58内に紙片、汚れ69が隠れたと同じ状態として出力データを取り込むことができる。従って、図8の最初に戻ってステップ108,119,112の順に処理を進める。
【0018】
図11は、図8における3つ目の場合の説明図であって、紙片が搬送紙幣と引っ付いている場合のラインセンサの出力図である。
この場合には、出力データをそのまま取り込むと、紙幣形態80は図11(b)に示すよう、横方向に伸びて破線の部分だけ実際よりも幅広に判定され、誤判定される可能性がある。また、ラインセンサの出力データから紙片、汚れ77を対象外にすることは、紙幣78と紙片、汚れ77とがどれだけ重複しているかが不明であり、その結果、搬送される紙幣の寸法79が判別できないために不可能である。そこで、この場合だけは取り込み異常とする。すなわち、ラインセンサのチェック時に記憶した最初の紙なし区間Wd72と最後の紙なし区間Wn73のどちらかが、現在の最初の紙なし区間Wd74、最後の紙なし区間Wn75と等しく(ステップ111)、かつ現在の最初の紙なし区間Wd74と最後の紙なし区間Wn75の合計値が現在の総紙なし区間Wi76に等しい場合(ステップ113)には、紙幣78はデータ取り込み異常にする(ステップ114)。
鑑別データ取込み部73は、紙幣1枚分のデータ取込みを終了すると、鑑別制御部34に対して、取り込み終了を報告する。これにより、紙片、汚れが存在しても、それらを考慮したデータ取り込みが可能となる。
【0019】
(紙幣データ取り込み後の紙幣判別)
図12は、本発明における紙幣1枚毎の判別フローチャートである。
鑑別制御部34は、紙幣1枚分のデータの取り込みが終了すると、紙幣鑑別部38に対して紙幣判別を指示する。
紙幣判別部38は、データ取り込み時に異常があったか否かを判別し(ステップ119)、異常があれば鑑別結果を不明券とする(ステップ129)。なお、この場合、図8のフローで説明した第2の場合、つまり記憶したデータを補正した後に出力データを取り込んだ場合には、取り込み異常ではなく正常である。データ取り込みが正常であれば、寸法判定を行い(ステップ120)、それが正常であれば(ステップ121)、金種判定を行い(ステップ122)、それが正常であれば(ステップ123)、真偽判定を行い(ステップ124)、それが正常であれば(ステップ125)、正損判定を行い(ステップ126)、それが正常であれば(ステップ127)、鑑別結果を正券とする(ステップ128)。それぞれの判定において異常があれば、鑑別結果を不明券とする(ステップ129)。
鑑別判定部38は、紙幣1枚分の判別が終了すると、鑑別制御部34に鑑別結果を報告する。鑑別制御部34は、鑑別回線制御部33を通じて主制御部32に鑑別結果を報告する。
このように、取引開始時の紙幣搬送前にラインセンサ上に紙片、汚れが存在しても、それらの紙片、汚れを考慮した後に鑑別センサチェックとデータ取り込みを行うことにより、装置を停止することなく取引を継続することができる。
なお、実施例では、紙幣搬送前に紙片、汚れが付着していた場合の処理を説明したが、紙幣搬送中のラインセンサ上に紙片、汚れが付着した場合でも、同様の方法で鑑別可能である。
【0020】
(ラインセンサ上の紙片、汚れの位置の連絡)
図13は、本発明におけるラインセンサと、該ラインセンサの紙片位置確定のフローチャートである。
鑑別センサチェック部35は、紙幣搬送前に図4に示すラインセンサチェックを行う。
先ず、図13(a)に示すように、ラインセンサを紙片、汚れの除去に必要な区間(例えば、a81、b82、c83の3つ)に分ける。次に、図13(b)のフローの実行を開始し、紙片、汚れを検知し(ステップ130)、センサチェック時の最初の紙なし区間Wdが区間a81の範囲内にあるか否かを判定し(ステップ131)、紙片84のように区間a81に付着しているときには、位置が区間a81であることをコードで記憶する(ステップ132)。区間a81でなければ、区間b82の範囲内にあるか否かを判定し(ステップ133)、破片85のように区間b82に紙片が付着していれば、センサチェック時の最初の紙なし区間Wd88が区間b82であることをコードで記憶する(ステップ134)。区間a81でもなく、区間b82でもないときには、紙片86のように付着しているものと判断し、コードでcを記憶する(ステップ135)。
【0021】
図2において、鑑別センサチェック部35は、センサチェックが終了した時点で、鑑別制御部34にチェック終了を報告する。鑑別制御部34は、鑑別センサチェック部35から報告を受けると、鑑別回線制御部33を通じて主制御部32にセンサチェックの終了を鑑別記憶部36で記憶したコードとともに報告する。主記憶部32は、センサチェックの終了を受けると、ラインセンサの紙片、汚れ位置のコードを記憶する。そして、引き続き取引可能な場合には、取引を続行する。取引が終了すると、主制御部32は、記憶したコードを終了報告データに反映して、回線制御部31を通じて上位装置30に報告する。
上位装置30は、報告されたデータをもとにしてラインセンサ上の紙片、汚れの位置を取引の終了とともに係員または保守員に操作パネルに表示することにより連絡する。
【0022】
図14は、操作パネルの表示例を示す図である。
この操作パネルは、紙幣取引装置の裏蓋を開いた場所に存在している。鑑別部(ラインセンサ)残留の標示の下には、左側に取引装置内部の紙幣の搬送通路が表示され、右側には鑑別部のラインセンサに付着された紙片、汚れの位置を示している。ラインセンサ上の操作側から着色された境界線の位置に付着されていることを示す。このようにして、ラインセンサ上の紙片、汚れの有無および位置を上位装置、係員または保守員に連絡することができる。
なお、実施例では、操作パネルでラインセンサに付着した紙片、汚れの位置を連絡しているが、それ以外にも、上位装置から係員または保守員への連絡方法としては、音声ガイダンス、遠隔操作パネル、センタ監視システム等の方法も考えられる。
【0023】
図15は、鑑別部に直接表示された紙片、汚れ位置の表示図である。
図14で説明したように、操作パネルの表示によっても係員や保守員にラインセンサ上の紙片、汚れの位置を連絡することができるが、本実施例では、直接鑑別部にラインセンサ上の紙片、汚れの位置を表示する場合を示す。
図2において、鑑別記憶部36は、紙幣搬送前にラインセンサ上の紙片、汚れの位置を記憶する。そして、取引が終了すると、主制御部32は、鑑別回線制御部33を通じて鑑別制御部34に鑑別停止を指示する。鑑別制御部34は、鑑別データ取込み部37と紙幣鑑別部38に停止を指示する。また、鑑別記憶部36は、紙片、汚れの位置を記憶した場合には、鑑別表示部89に位置の表示を指示する。鑑別表示部89は、位置表示の指示を受けると、セインセンサ上の紙片、汚れの位置を連絡する方法として、鑑別記憶部36で記憶したセンサ上の紙片、汚れのコードに対応する位置のセンサを点灯する。
鑑別表示部89は、ラインセンサ上の紙片、汚れの位置の表示を終了すると、鑑別制御部34に対して終了を報告する。鑑別制御部34は、鑑別回線制御部33を通じて主制御部32に鑑別停止の終了を報告する。図15に示すように、ラインセンサの操作側からランプ4個目の位置が紙片、汚れの付着した位置である。
このようにして、ラインセンサ上の紙片、汚れの位置を取引終了時に鑑別部において係員または保守員に連絡し、係員または保守員によりセンサ上の紙片、汚れを確実に除去することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ラインセンサ上に紙片、汚れがある場合でも、装置を停止せずに取引を継続するので、稼働率を向上することができる。また、ラインセンサ上に紙片、汚れがあった場合には、取引終了後に、その紙片、汚れの位置を上位装置に連絡し、上位装置から係員または保守員に連絡することができる。さらに、ラインセンサ上に紙片、汚れがあった場合には、取引終了後に、その紙片、汚れの位置を鑑別部で直接、係員または保守員に連絡することができるので、係員または保守員により、センサ上の紙片、汚れを確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される紙幣取引装置の側断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す紙幣取引装置の制御部のブロック図である。
【図3】本発明が適用される鑑別部のラインセンサの配置図である。
【図4】本発明の一実施例を示すラインセンサのチェックのフローチャートである。
【図5】図4において、2箇所以上に紙片が付着された場合のラインセンサ出力図である。
【図6】図4において、1箇所のみに紙片が付着された場合のラインセンサ出力図である。
【図7】本発明の鑑別記憶部に記憶される紙片、汚れのデータフォーマット図である。
【図8】本発明の一実施例を示すラインセンサのデータ取り込みフローチャートである。
【図9】図8における紙片が搬送紙幣に隠れる場合のラインセンサ出力図である。
【図10】図8における紙片が搬送紙幣と離れる場合のラインセンサ出力図である。
【図11】図8における紙片が搬送紙幣と引っ付く場合のラインセンサ出力図である。
【図12】本発明の一実施例を示す紙幣1枚毎の判別フローチャートである。
【図13】本発明におけるラインセンサと紙片の位置確定のフローチャートである。
【図14】本発明の一実施例を示す操作パネルの表示図である。
【図15】本発明の一実施例を示す鑑別部における紙片、汚れ位置表示図である。
【符号の説明】
1…入出金口、2…鑑別部、3,4,5…リサイクルボックス、
6…紙幣カセット、7…非環流ボックス、8…リジェクトボックス、
9…表裏反転部、10…一時集積機構、11〜24…搬送路、
25…入出金口リジェクト集積機構、26…装填リジェクト庫、27…仕切板、
28…紙幣押圧材、29…入出金口シャッタ、30…上位装置、
31…回線制御部、32…主制御部、33…鑑別回線制御部、
34…鑑別制御部、35…鑑別センサチェック部、36…鑑別記憶部、
37…鑑別データ取込み部、38…紙幣鑑別部、39…センサ、
89…鑑別表示部、40…ラインセンサ、
43,46,50,55,57,63,65,72,74…最初の紙なし区間、
44,47,51,56,58,64,66,73,75…最後の紙なし区間、
45,48,52,59,67,76…総紙なし区間、
49,53,61,69,77…紙片、汚れ、60,68,78…紙幣。
Claims (2)
- 紙幣の出し入れを行う入出金口と、該入出金口に対して紙幣を搬送するために取り出し、あるいは該入出金口からの紙幣を収納するリサイクルボックスと、該リサイクルボックスに紙幣を装填し、かつ該リサイクルボックスから紙幣を回収する紙幣カセットと、紙幣を判別する鑑別部と、上記各部間を結ぶ搬送路とを有する紙幣取引装置において、
紙幣の搬送前または搬送中に、上記鑑別部のラインセンサをチェックして該ラインセンサ上に付着した紙片、汚れを検知する手段と、
該紙片、汚れの位置および大きさを記憶する手段と、
紙幣が搬送された際に、前記ラインセンサ上に付着した紙片、汚れが検出された場合であって、前記記憶手段に記憶されたデータとラインセンサの出力を参照し前記紙片、汚れが搬送された紙幣で隠れると判定される場合は前記ラインセンサのデータ出力を取り込み、前記紙片、汚れが検出された場合であって、前記記憶手段に記憶されたデータとラインセンサの出力を参照し前記ラインセンサに付着した紙片、汚れが搬送された紙幣で隠れないと判定される場合は、前記記憶手段に記憶されたデータを補正することによって前記紙片、汚れが搬送された紙幣で隠れたと同じ状態として前記ラインセンサのデータ出力を取り込む鑑別データ取込み手段とを設けたことを特徴とする紙幣取引装置。 - 請求項1に記載の紙幣取引装置において、
前記鑑別部のラインセンサ上の紙片、汚れの位置を判定する手段と、
取引終了時に、該ラインセンサ上の紙片、汚れの位置を係員または保守員に連絡する手段とを設けたことを特徴とする紙幣取引装置。
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