JP3590638B2 - グリコペプチド誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明はグリコペプチド誘導体、更に詳しくはグリコペプチド誘導体またはその関連誘導体の改良化合物に関する。
【0002】
本発明は式:
【化9】
Figure 0003590638
で示される新規グリコペプチド誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
[式中、Rは水素または
【化10】
Figure 0003590638
で示される(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、または
【化11】
Figure 0003590638
で示されるグルコシル基;
Xは水素またはクロロ;
Yは水素またはクロロ;
、RおよびRはそれぞれ個別に水素、C〜C12アルキル、C〜Cアルカノイルまたは
【化12】
Figure 0003590638
【化13】
Figure 0003590638
もしくは
【化14】
Figure 0003590638
で示される基;
nは1〜3;
は水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは
【化15】
Figure 0003590638
で示される基;
およびRはそれぞれ個別に水素またはC〜Cアルキル;
pは0〜2;mは2または3;rは3−mを表わす。但しRが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基である場合、R、RおよびRはすべて水素でない。Rが水素またはグルコシル基である場合、RおよびRはその双方が水素でない]に関する。
【0003】
また本発明は、式:
【化16】
Figure 0003590638
[式中、Rは水素または
【化17】
Figure 0003590638
で示される(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、または“化11”で示されるグルコシル基;
Xは水素またはクロロ;
Yは水素またはクロロ;
を表わす]
で示される化合物[II]と、
(a) 式:
【化18】
Figure 0003590638
[式中、RxはH、C〜C11アルキルまたは
【化19】
Figure 0003590638
もしくは
【化20】
Figure 0003590638
で示される基(基中、nは1〜3、Rは水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは“化15”(ここにRおよびRはそれぞれ個別に水素またはC〜Cアルキル)、mは2または3、rは3−m)を表わす]
で示されるアルデヒドと反応させてシツフ塩基中間体を製し、次いでこれを還元してN−アルキル誘導体を得るか、または
(b) 式:
【化21】
Figure 0003590638
[式中、RyはC〜Cアルキルまたは
【化22】
Figure 0003590638
で示される基、pは0〜2、Zは活性化基を表わす]
で示される所望のアシル基を有するアルカン酸誘導体の活性化エステルを反応させることから成る化合物[I]の製造法に関する。
【0004】
また本発明は、化合物[I]を、細菌感受性感染症を処置するための薬剤に関する。本発明の組成物[I]を用いて細菌感受性感染症を処置する方法はまた本発明の一部である。
改良された新しい抗生物質は、特にヒトの疾病を治療するために絶えず必要とする。病原菌抑制効力を増大させ、その範囲を拡大し、生体内薬効を増強させることは、改良された抗生物質の目標の一部分である。
【0005】
腸球菌類は重要なヒトの病原体である。腸球菌に起因する感染症は一般に治療困難である。バンコマイシンおよびテイコプラニン(teicoplanin)のようなグリコペプチド類は、腸球菌類に起因する感染症の処置における重要な治療手段となった。しかし最近、バンコマイシンに対して耐性を有するエンテロコッカス・フエシウム(E.faecium)およびエンテロコッカス・フエカリス(E.faecalis)の菌株が単離された[レクラーク(R.Leclercq)ら“バンコマイシンおよびテイコプラニンに対するエンテロコッカス・フエシウムのプラスミド介在抵抗性”(Plasmid Mediated Resistance to Vancomycin and Teicoplanin inEnterococcus Faecium)ザ・ニユー・イングランド・ジャーナル・オブ・メデイシン(The New England Journal of Medicine)319(3)巻157〜116(1988年)、およびアトレイ(A.H.C.Uttley)ら“バンコマイシン−耐性腸球菌類”(Vancomycin−Resistant Enterococci)ランセット(Lancet)第1巻57〜58頁(1988年)]。また単離された菌株は他の抗生物質に対しても耐性を有する。
【0006】
バンコマイシンおよびテイコプラニンのようなグリコペプチド類は血清タンパクと種々の度合で結合する。バンコマイシンおよびテイコプラニンのヒト血清タンパクとの結合濃度は、それぞれ55%および約90%である[メーレリング(R.Moellering)ら”正常なヒトおよび腎機能の低下した患者におけるバンコマイシンの薬物動態学”(Pharmacokinetics of Vancomycin in Normal Subjects and in Patients with Reduced Renal Function)レビュウス・オブ・インフェクシアス・デイジーズ(Reviews of Infectious Disease)第3巻(補遺)S230〜S235頁(1981年)、ならびにアッサンドリー(A.Assandri)およびベルナレジー(A.Bernareggi)“テイコプラニンのヒト血清アルブミンとの結合”(Binding of Teicoplanin to Human Serum Albumin)ユーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ファーマコロジー(Eur.J.Clinical Pharmacol.)第33巻191〜195頁(1987年)]。テイコプラニンにより示される血清タンパクとの結合%は高濃度の結合であると考えられるが、バンコマイシンにより示される血清タンパクとの結合濃度は比較的に低い。遊離型または未結合型抗生物質は生物学的活性に関与する型である。それ故抗生物質の血清タンパクへの結合は、抗生物質の薬理学的性質に影響を及ぼす。
【0007】
新規抗生物質の研究において、公知抗生物質の構造上の改良を試みることはいずれの場合でも可能である。グリコペプチド抗生物質は、より小形の変化が困難な複雑な構造を有する。更にこれらの変化により形成される抗菌性および生理学的性質における効果を予言することは困難である。それ故、公知抗生物質の改良法およびかかる方法により製せられる新規活性誘導体は、その大なる重要性を保持し続ける。
【0008】
以前にグリコペプチド・バンコマイシン、A51568A、A51568B、M43AおよびM43DのN−アルキルおよびN−アシル誘導体が製せられた(米国特許第4,639,433号、第4,643,987号および第4,698,327号)。これら数種の化合物はバンコマイシンに耐性を有する単離菌株に対して微生物学的活性を現わした[ナイカス(T.Nicas)ら、アンチミクロバイアル・エイジェンツ・アンド・ケモセラピー(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)第33(9)巻1477〜1481頁(1989年)]。
【0009】
本発明によれば、バンコマイシンに耐性を有する単離菌株に対して抗微生物活性を現わす高度に好ましい性質を有し、比較的低い血清タンパク結合濃度を有する新規グリコペプチド誘導体を提供することができる。
また本発明は、新規グリコペプチド誘導体[I]の製造法を提供する。更に本発明は、新規グリコペプチド誘導体[I]の有効量と適当な薬学的担体を含有する薬理学的組成物を提供する。
【0010】
化合物[I]はグリコペプチド類抗生物質に属する新規化合物である。これらの新規化合物は、公知A82846グリコペプチド類、因子A、BおよびC(EPO265,071A1)ならびにPA−42867−A(EPO231,111A2)のN−アルキルおよびN−アシル誘導体である。代表的化合物[I]はバンコマイシンに耐性の単離菌株に対して抗微生物活性を現わす。また新規化合物は、他のグリコペプチド類のような高い血清タンパク結合性はない。化合物[I]の血清タンパク結合濃度はバンコマイシンにより現わされる濃度と同様である。この濃度はテイコプラニンのような他の高い結合能を有するグリコペプチド類の結合能より非常に低い。
【0011】
N−アルキル誘導体という語句は、A82846A、A82846B、A82846CまたはPA−42867−Aのアミノ基の水素原子1個ないしそれ以上がアルキル基もしくは置換アルキル基で置換された誘導体を意味する。
N−アシル誘導体という語句は、A82846A、A82846B、A82846CまたはPA−42867−Aのアミノ基の水素原子1個ないしそれ以上がアルカノイル基もしくは置換アルカノイル基で置換された誘導体を意味する。
【0012】
アルキルという語は、C〜C12の直鎖もしくは分枝状炭化水素基たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、n−ヘプチル、2−メチルヘプチル、n−オクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、n−ノニル、2−メチルノニル、n−デシル、2−メチルデシル、n−ウンデシル、2−メチルウンデシルまたはn−ドデシルを意味する。アルキルがC〜Cアルキルとして記載されているとき、この基はたとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルまたはn−オクチルを意味する。アルキルがC〜C12アルキルとして記載されているとき、この基はたとえばn−オクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、n−ノニル、2−メチルノニル、n−デシル、n−ウンデシル、2−メチルウンデシルまたはn−ドデシルを意味する。アルキルがC〜C10アルキルとして記載されているとき、この基はたとえばn−オクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、n−ノニル、2−メチルノニルまたはn−デシルを意味する。アルキルがC〜Cアルキルとして記載されているとき、この基はメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルを意味する。
【0013】
〜Cアルカノイルは、カルボニル基に結合した前記のような直鎖もしくは分枝状C〜Cアルキル基を意味する。
〜Cアルコキシは、酸素原子に結合した前記のようなC〜Cアルキル基を意味する。C〜Cアルコキシ基は、たとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシおよびn−オクチルオキシを包含する。
ハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードのようなハロゲンを意味する。
【0014】
化合物[I]の薬理学的に許容される付加塩は本発明の一部である。薬理学的に許容される付加塩類は、その塩型の毒性が非塩型の毒性より大でないという点で温血動物の化学療法において有用な塩である。各化合物[I]は、反応により種々の塩を形成することができるカルボキシル基及び1個ないしそれ以上のアミノ基を有する。化合物[I]と有機酸または無機酸の双方との標準的反応により生成する酸付加塩は好ましい塩である。薬理学的に許容される塩の例は、化合物[I]と塩酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リン酸または酢酸との反応により生成する塩である。
【0015】
Rが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基である化合物[I]は、A82846抗生物質、因子A、BおよびC、ならびにPA−42867−Aから製せられる。これらの抗生物質の構造を下記式[III]に示す。A82846A、A82846BおよびA82846Cの製造法は欧州特許公報265,071A1に開示されている。PA−42867−Aの製造法は欧州特許公報231,111A2に開示されている。
【化23】
Figure 0003590638
Figure 0003590638
【0016】
Rが水素またはグルコシル基である化合物[I]は、A82846A、A82846B、A82846CおよびPA−42867−Aの酸加水分解生成物から製せられる。酸加水分解生成物の構造を式[IV]および[V]に示す。PA−42867−A、デス−(4−epi−バンコサミニル)−PA−42867−A[IVd]、およびデス−(4−epi−バンコサミニル−O−グルコシル)−PA−42867−A[Vd]の酸加水分解生成物の製造法は、欧州特許公報231,111A2に開示されている。A82846A、BおよびCのデス−(4−epi−バンコサミニル)およびデス−(4−epi−バンコサミニル−O−グルコシル)誘導体は、A82846A、BまたはCを、約−10〜80℃で約1〜60時間トリフルオロ酢酸(TFA)で処理することにより製せられる(グリコペプチド様抗生物質から糖成分を選択的に脱離させる方法について米国特許第4,552,701号の記載参照)。A82846A、BおよびC(式[IVa]〜[IVc])のデス−(4−epi−バンコサミニル)誘導体の製造のため、短時間たとえば1〜2時間および低温度(0℃)の反応が好ましい。
【化24】
Figure 0003590638
Figure 0003590638
【0017】
本発明のN−アルキル誘導体は次のように製造する。化合物[II]とアルデヒド体を反応させてシツフ塩基中間体を製する。この反応は、ジメチルホルムアミドのような極性有機溶媒、またはジメチルホルムアミドとメタノールの混合物のような極性有機溶媒混合物中、約25〜100℃で進行させる。このシツフ塩基生成反応は好ましくはジメチルホルムアミドとメタノールの混合物中、約60〜70℃で30分間ないし2時間処理する。
【0018】
得られたシツフ塩基中間体を、好ましくは単離することなく還元してN−アルキル誘導体を製する。シツフ塩基中間体の還元は、水素化ホウ素金属たとえば水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化シアノホウ素ナトリウムのような化学的還元剤を用いて進行させることができる。この反応は、ジメチルホルムアミドのような極性有機溶媒、またはジメチルホルムアミドとメタノールのような極性有機溶媒混合物中で行なうことができる。この還元は約25〜100℃で1〜5時間反応させることにより行なうことができる。還元は好ましくはジメチルホルムアミドとメタノールの混合物中、水素化シアノホウ素ナトリウム過剰量を用い、約60〜70℃で1〜2時間反応させて行なわれる。
【0019】
本発明化合物の製造法に用いることができるアルデヒド類は、式:“化18”[式中、Rxは水素、C〜C11アルキルまたは“化19”もしくは“化20”で示される基;
nは1〜3;mは2または3;rは3−m;
は水素、ハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたは“化15”で示される基;
およびRはそれぞれ個別に水素またはC〜Cアルキル;
pは0〜2;
mは2または3;rは3−mを表わす]
で示される。
【0020】
アルデヒド体の化合物[II]に対する比および反応条件は反応生成物を決定する。モノアルキル化誘導体の生成は、わずかに過剰量のアルデヒド体を用い、より短時間およびより低い温度の反応が好ましい。モノアルキル化誘導体は、1個のアミノ基の水素原子がアルキル基または置換アルキル基で置換されたN−アルキル誘導体である。一般に(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基が存在するとき、そのアミノ基を最初にアルキル化してRがアルキル量または置換アルキル基、RおよびRが水素である化合物[I]を製造する。化合物[III]のジアルキル化およびトリアルキル化誘導体ならびに化合物[IV]および[V]のジアルキル化誘導体の製造のため、大過剰量のアルデヒド体を使用するのが好ましい。ジアルキル化誘導体は、アミノ基2個の水素原子をアルキル基または置換アルキル基で置換したN−アルキル誘導体である。一般にこの部類の化合物[III]誘導体は、RおよびRまたはRのいずれかがアルキル基または置換アルキル基、Rが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基である化合物[I]を包含する。化合物[IV]および[V]のジアルキル化誘導体は、RおよびRがアルキル基または置換アルキル基、Rがそれぞれグリコシル基([IV]の場合)および水素([V]の場合)である化合物[I]である。トリアルキル化誘導体は、Rが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、R、RおよびRがアルキル基または置換アルキル基である化合物[I]である。
【0021】
本発明のN−アルキル誘導体は、R、RおよびRがそれぞれ個別にC〜C12アルキルまたは水素である化合物[I]を包含する。この部類の好ましいN−アルキル誘導体はRが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、RおよびRが水素、RがC〜C12アルキルである化合物である。好ましいアルキル誘導体の例として、Rがn−オクチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、n−ノニル、2−メチルノニル、n−デシル、2−メチルデシル、n−ウンデシル、2−メチルウンデシルまたはn−ドデシルである化合物が挙げられる。より好ましくはXおよびYはクロロ、Rはn−オクチル、n−ノニルまたはn−デシルである。
【0022】
また本発明のN−アルキル誘導体は、R、RおよびRがそれぞれ個別に水素または“化12”で示される置換アルキル基である化合物[I]を包含する。
【0023】
nが1であるとき、この置換アルキル基の例は次の基を包含する:ベンジル、p−フルオロベンジル、p−クロロベンジル、p−ブロモベンジル、p−ヨードベンジル、m−フルオロベンジル、m−クロロベンジル、m−ブロモベンジル、m−ヨードベンジル、o−フルオロベンジル、o−クロロベンジル、o−ブロモベンジル、o−ヨードベンジル、p−メチルベンジル、p−エチルベンジル、p−プロピルベンジル、p−イソプロピルベンジル、p−ブチルベンジル、p−ペンチルベンジル、p−ヘキシルベンジル、p−ヘプチルベンジル、p−オクチルベンジル、m−メチルベンジル、m−エチルベンジル、m−プロピルベンジル、m−イソプロピルベンジル、m−ブチルベンジル、m−ペンチルベンジル、m−ヘキシルベンジル、m−ヘプチルベンジル、m−オクチルベンジル、o−メチルベンジル、o−エチルベンジル、o−プロピルベンジル、o−イソプロピルベンジル、o−ブチルベンジル、o−ペンチルベンジル、o−ヘキシルベンジル、o−ヘプチルベンジル、o−オクチルベンジル、p−メトキシベンジル、p−エトキシベンジル、p−プロポキシベンジル、p−イソプロポキシベンジル、p−ブトキシベンジル、p−ペントキシベンジル、p−ヘキシルオキシベンジル、p−ヘプチルオキシベンジル、p−オクチルオキシベンジル、m−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、m−プロポキシベンジル、m−イソプロポキシベンジル、m−ブトキシベンジル、m−ペントキシベンジル、m−ヘキシルオキシベンジル、m−ヘプチルオキシベンジル、m−オクチルオキシベンジル、o−メトキシベンジル、o−エトキシベンジル、o−プロポキシベンジル、o−イソプロポキシベンジル、o−ブトキシベンジル、o−ペントキシベンジル、o−ヘキシルオキシベンジル、o−ヘプチルオキシベンジル、o−オクチルオキシベンジル、p−アミノベンジル、p−メチルアミノベンジル、p−ジメチルアミノベンジル、p−エチルアミノベンジル、p−ジエチルアミノベンジル、p−プロピルアミノベンジル、p−ジプロピルアミノベンジル、m−アミノベンジル、m−メチルアミノベンジル、m−ジメチルアミノベンジル、m−エチルアミノベンジル、m−ジエチルアミノベンジル、m−プロピルアミノベンジル、m−ジプロピルアミノベンジル、o−アミノベンジル、o−メチルアミノベンジル、o−ジメチルアミノベンジル、o−エチルアミノベンジル、o−ジエチルアミノベンジル、o−プロピルアミノベンジルまたはo−ジプロピルアミノベンジル。
【0024】
好ましくはRはハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはジ(C〜C)アルキルアミノである。かかる置換アルキル基の好ましい例としてp−ブロモベンジル、p−クロロベンジル、p−フルオロベンジル、m−クロロベンジル、o−クロロベンジル、p−オクチルベンジル、p−オクチルオキシベンジルおよびp−ジエチルアミノベンジルが挙げられる。より好ましくし置換アルキル基はp−ブロモベンジル、p−オクチルベンジル、p−オクチルオキシベンジルまたはp−ジエチルアミノベンジルである。
好ましくはRがハロ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはジ(C〜C)アルキルアミノであるとき、XおよびYはクロロである。より好ましくはRは(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、RおよびRは水素である。最も好ましくはRはp−ブロモベンジル、p−オクチルベンジル、p−オクチルオキシベンジルまたはジエチルアミノベンジルである。
【0025】
nが2であるとき、この置換アルキル基の例を示せばフェニルエチル、(p−フルオロフェニル)エチル、(p−クロロフェニル)エチル、(p−ブロモフェニル)エチル、(p−メチルフェニル)エチル、(p−エチルフェニル)エチル、(p−メトキシフェニル)エチルおよび(p−ジメチルアミノフェニル)エチルを包含する。好ましくはこの置換アルキル基はフェニルエチル(Rが水素)である。より好ましくはRは(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、Rはフェニルエチル、XおよびYはクロロ、RおよびRは水素である。
nが3であるとき、この置換アルキル基の例はフェニルプロピル、(p−フルオロフェニル)プロピル、(p−クロロフェニル)プロピル、(p−ブロモフェニル)プロピル、(p−メチルフェニル)プロピル、(p−エチルフェニル)プロピル、(p−メトキシフェニル)プロピルおよび(p−ジメチルアミノフェニル)プロピルを包含する。好ましくはこの置換アルキル基はフェニルプロピル(Rが水素)である。
【0026】
また本発明のN−アルキル誘導体は、アルキル基が“化14”で示される置換アルキル基である化合物[I]を包含する。この基の例はジフェニルエチル(m=2、r=1)およびトリフェニルエチル(m=3、r=0)である。好ましくはXおよびYはクロロ、Rは(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、Rは水素、RおよびRはそのいずれかが水素またはジフェニルエチルである。
【0027】
本発明のN−アシル誘導体は、化合物[II]を、所望のアシル基含有アルカン酸の活性化エステル体と反応させることにより製せられる。活性化エステル体という語は、グリコペプチドのアミノ基に結合させるため、アシル化剤のカルボキシル基を反応性にしたエステル誘導体を意味する。N−アシル化反応は、ジメチルホルムアミドのような極性有機溶媒中、約50〜110℃で1〜5時間反応させることにより行なわれる。このN−アシル誘導体生成反応は好ましくは約70〜80℃、約2〜4時間で行なわれる。
【0028】
活性化エステル誘導体は、所望のアシル基を有する遊離酸を、p−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2−クロロ−4,6−ジメトキシトリアジン、N−クロロスクシンイミド、N−クロロマレインイミド、N−クロロフタルイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは1−ヒドロキシ−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾールのような活性化試薬でエステル化することにより製せられる。活性化エステル誘導体は式:
【化25】
Figure 0003590638
[式中、RyはC〜Cアルキルまたは“化22”で示される基;pは0〜2;Zは活性基を表わす]で示される。好ましい活性化エステル誘導体は2,4,5−トリクロロフェノールエステルである。
【0029】
活性化エステルの化合物[II]に対する比および反応条件は反応生成物を決定する。モノアシル化誘導体の生成は、わずかに過剰量のエステルを用い、短い反応時間で反応させるのが好ましい。モノアシル化誘導体は、アミノ基1個の水素原子をアルカノイルまたは置換アルカノイル基で置換されたN−アシル誘導体である。一般に化合物[III]のモノアシル化誘導体は、Rが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、R、RまたはRのいずれかがアルカノイル基もしくは置換アルカノイル基である化合物[I]である。化合物[IV]または[V]のモノアシル化誘導体は、RあるいはRがアルカノイル基もしくは置換アルカノイル基、Rがそれぞれグリコシル基([IV]の場合)または水素([V]の場合)である化合物[I]である。化合物[III]のジアシル化およびトリアシル化誘導体ならびに化合物[IV]および[V]は、大過剰量の活性エステル体を用いることにより製せられる。ジアシル化誘導体は、2個のアミノ基の水素がアルカノイル基または置換アルカノイル基で置換されたN−アシル誘導体である。一般に化合物[III]の上記のような誘導体群は、Rが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、R、RおよびRのうちの2個がアルカノイル基または置換アルカノイル基である化合物[I]である。化合物[IV]または[V]のジアシル化誘導体は、RおよびRの双方がアルカノイル基または置換アルカノイル基、Rがそれぞれグリコシル基([IV]の場合)または水素([V]の場合)である化合物[I]である。トリアシル化誘導体は、R、RおよびRがアルカノイル基または置換アルカノイル基である化合物[III]の誘導体である。
【0030】
本発明のN−アシル誘導体は、R、RおよびRがそれぞれ個別にC〜Cアルカノイルまたは水素である化合物[I]を包含する。アシル誘導体のアシル基としてたとえばアセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、n−ペンタノイル、n−ヘキサノイル、n−ヘプタノイル、n−オクタノイルおよびn−ノナノイルが例示される。好ましいアシル基はn−ブチリル、n−ペンタノイル、n−ヘキサノイルおよびn−ヘプタノイルである。好ましくはRは(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、Rは水素、RまたはRはアシル基である。
【0031】
また本発明のN−アシル誘導体は、R、RおよびRがそれぞれ個別に水素または“化13”で示される置換アルカノイル基である化合物[I]を包含する。この置換アシル基としてベンゾイル、フェニルアセチルおよびフェニルプロピオニルが例示される。好ましくはRは(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、Rは水素、RまたはRのいずれかが置換アシル基である。
【0032】
前記のように製造されて本発明の一部を構成する化合物を化合物[I]として以下の表1、表2および表3に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003590638
Figure 0003590638
【0034】
【表2】
Figure 0003590638
Figure 0003590638
【0035】
【表3】
Figure 0003590638
【0036】
化合物[I]はグラム陽性病原細菌に対して試験管内および生体内活性を有する。特定の細菌を抑制する化合物[I]の最小発育阻止濃度(MIC)を表4、表5、表6、表7、表8、表9および表10に示す。MIC値は標準寒天−希釈試験法を用いて測定した。
【0037】
表中の供試微生物名を以下に列挙する:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・プネウモニエ(Streptococcus pneumoniae)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、ヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus inbluenzae)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、クレブシエラ・プネウモニエ(Klebsiella pneumoniae)、
【0038】
【表4】
Figure 0003590638
【0039】
【表5】
Figure 0003590638
【0040】
【表6】
Figure 0003590638
【0041】
【表7】
Figure 0003590638
【0042】
【表8】
Figure 0003590638
【0043】
【表9】
Figure 0003590638
【0044】
【表10】
Figure 0003590638
【0045】
注)aは表1、表2および表3記載の化合物No.
bは以前のStreptococcus faecium X66
cは以前のStreptococcus faecalis 2041
【0046】
また化合物[I]は、実験的に感染を誘発させた実験動物に対して生体内抗微生物活性を示す。供試微生物に実験的に感染させたマウスに試験化合物を2回投与量で投与したとき、観察される活性をED50値[供試動物を50%保護する有効投与量mg/kg(ウィツク(W.Wick)ら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bactercol.)第81巻233〜235頁(1961年)参照)]として測定した。実例の化合物について観察されたED50値を表11に示す。
【0047】
【表11】
Figure 0003590638
Figure 0003590638
Figure 0003590638
【0048】
化合物[I]の抗微生物活性に関する一つの重要な観点は、バンコマイシン耐性腸球菌類に対する活性である。この活性を表12に示す。表12は、代表的バンコマイシン耐性およびバンコマイシン感受性腸球菌類に対する例示の化合物[I]の活性を標準寒天−希釈試験法で測定した比較結果を要約したものである。24時間培養後の終点を読取る。バンコマイシン耐性菌株に対する化合物のMIC平均値をバンコマイシン感受性菌株に対する化合物のMIC平均値で割ることによりその比を算出する。高い比の数値は、その化合物がバンコマイシン−感受性菌株に比しバンコマイシン−耐性菌株に対する活性が非常に低いことを示す。化合物[I]は、約2〜10mcg/mlの範囲の最小発育阻止濃度(MIC)平均値によって証明されるように、一般にバンコマイシン−耐性菌株に対して活性である。
【0049】
【表12】
Figure 0003590638
【0050】
化合物[I]の上記以外の重要な性質は、この化合物が他のグリコペプチド抗生物質と比較して血清タンパクとの結合性が低いことである。ブドウ球菌類および腸球菌類に属する6種のバンコマイシン感受性菌株に対する選択された化合物の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。ヒト血清の不存在(−)およびヒト血清で40%に補足したヒト血清存在(+)のそれぞれの培養液中、MICを測定する。細菌の相当数10/mlを含む培地0.2ml容量を用い、一連の希釈試験法でMIC値を測定した。結果を表13に示す。血清を加えた血清存在下に測定したMIC値の血清不存在下に測定したMIC値に対する比(表中、単に比と表示)は、血清との結合度を示す指標である。およそ1例の化合物における比は、血清の存在が試験管内抗微生物活性に影響しないこと、およびその化合物が高度には血清と結合しないことを示した。1より大なる値たとえば約10の比の値は、その化合物の血清との結合度が高いことを示す。
【0051】
【表13】
Figure 0003590638
【0052】
化合物[I]が血清と低い結合度を現わすことは予期できなかったことである。表13に示されるようにほぼ2例の比は、その化合物が約50%血清と結合することを示している。この結合度はバンコマイシンにより現わされる度合と同様である。従来、バンコマイシンのN−アルキル誘導体は、バンコマイシンにより現わされる血清との結合度より高い結合度(5〜10の比)を現わすことが見いだされている。バンコマイシンのアミノ基1個ないしそれ以上のアルキル化は、血清タンパクとの結合度増大の原因であると考えられるが、本発明の化合物[I]は予期に反して親化合物(すなわちA82846B)とほぼ同等の血清結合度を現わす。
【0053】
化合物[I]の薬剤はまた本発明の一部である。このように化合物[I]好ましくはその薬理学的に許容される塩型化合物を、細菌感染症治療または予防のための経口的もしくは非経口的投与薬剤として製造することができる。
【0054】
たとえば化合物を常套の薬学的担体および賦形剤と混合し、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウエーファスなどの剤型で使用することができる。化合物[I]を含有する薬剤組成物は、該活性化合物約0.1〜90重量%、より一般的には約10〜30%を含有させる。薬剤組成物は、これに通常の担体および賦形剤、たとえばコーンスターチまたはゼラチン、ラクトース、シュクロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウムおよびアルギン酸を含有させることができる。
【0055】
本発明の製剤中に通常使用する崩壊剤は、クロスカルメロース(croscarmellose)、微結晶セルロース、コーンスターチ、ナトリウムスターチグリコラートおよびアルギン酸を包含する。
【0056】
錠剤に含有させることができる結合剤は、アラビアゴム、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン(Povidone)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シュクロース、スターチおよびメチルセルロースである。
【0057】
使用することができる滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムまたは他の金属のステアリン酸塩類、ステアリン酸、流体シリコーン、タルク、ワックス類、油類およびコロイド状シリカを包含する。
またハッカ、冬緑油、チェリー着香料などのような着香料を使用することができる。
投与剤型の外観をより美しくし、その生成物の同一性を助けるため、着色料を加えるのが好ましいこともある。
【0058】
静脈内(IV)投与のため、水溶性型の抗生物質を通常使用する静脈内投与用流体に溶解し、注射により投与することができる。たとえば生理的食塩水、リンゲル溶液または5%デキストロース溶液のような流体を使用することができる。
筋肉内投与製剤のため、適当な可溶性塩型化合物たとえば塩酸塩の滅菌調製物を、発熱性物質を含まない水(蒸留水)、生理的食塩水または5%グルコース溶液のような薬学的希釈剤に溶解し、これを投与することができる。適当な不溶性型化合物は、これを水性基剤または薬学的に許容される油性基剤たとえばオレイン酸エチルのような長鎖脂肪酸エステル中に懸濁した懸濁液として製造し、これを投与することができる。
【0059】
経口的使用のため、適当な塩型抗生物質たとえば塩酸塩を蒸留水または脱イオン水のような希釈剤中に調製した滅菌製剤が特に有用である。
また別途、この抗生物質の単位投与剤型は、抗生物質好ましくはその塩型化合物の適当な滅菌希釈剤溶液を密封したアンプル剤であることができる。単位投与剤型中の抗生物質の濃度は、抗生物質の特定の種類、その溶解性および医師の要求する投与量に依存してたとえば約1〜50%の範囲で変えることができる。
【0060】
更に別の観点から本発明は、動物の感染症特にグラム陽性微生物により引起こされる感染症の治療法を提供するものである。本発明の化合物は、特にメチシリン耐性ブドウ球菌類により引起こされる感染症を処置するのに有用である。また本発明化合物は腸球菌類に起因する感染症を処置するのに有用である。かかる疾病として、重篤なブドウ球菌感染、すなわちブドウ球菌による心内膜炎およびブドウ球菌による敗血症が例示される。動物は微生物に感受性を有するかまたは感染するかいずれかであるといってもよい。治療法はこの目的のために有効な化合物[I]の有効量を動物に投与することから成る。一般に化合物[I]の有効量は約0.5〜100mg/kgの投与量である。好ましい投与量は活性化合物約1〜60mg/kgである。成人の典型的1日当り投与量は約50mg〜1.0gである。
【0061】
かかる処置法の実施において、抗生物質を1日1回または1日当り複数回投与することができる。処置療法は期間を延ばして、たとえば数日間または1〜6週間投与する必要があることもある。1回投与当り量または全投与量は、感染の性質および重篤度、患者の年令および一般的健康状態、抗生物質および微生物に対する患者の耐性、または感染症に伴う微生物のような因子に依存する。
【0062】
処置法を実施する好都合な方法は、抗生物質を静脈注射により投与する方法である。この方法において抗生物質の適当な可溶性塩の滅菌調製物を5%デキストロース溶液のような生理的流体中に配合し、この溶液をゆっくり静脈内注射する。また別法として静脈注射の相乗り(piggy−back)方法を用いることができる。
【0063】
本発明の実施をより十分に説明するため、以下に実施例(製造例を含む)を述べる。一般に化合物[III]および[IV]は製造例1および2に述べるように製造する。N−アルキル誘導体は実施例1および2に述べるように製造する。またN−アシル誘導体は実施例3および4に述べるように製造する。
【0064】
製造例1
化合物[IIIa]および[IVa]の製造
A82846A(500mg、0.32ミリモル)をアニソール10ml含有トリフルオロ酢酸100mlに溶解する。この混合物を窒素雰囲気下、室温で24時間撹拌する。減圧下に揮発性溶媒を除き、灰褐色残留物を得る。残留物をジエチルエーテル/クロロホルム(1:1)で(50ml×2回)摩砕処理する。得られた固体物質(トリフルオロ酢酸塩)を水(50ml相当量)に溶解し、溶液のpHをピリジンで6.2に調節する。この溶液を濾過し、濾液を凍結乾燥して灰白色粉末426mgを得る。高速液体クロマトグラフィー(hplc)分析により、2個の主要ピーク(23%相当および43%の量)が示された。
【0065】
ウォータース・プレプ−パック(Waters Prep−pak)カラム(ミルフォード、Ma.)を用い、分取−スケールの逆相hplcにより、1%ピリジニウム酢酸塩水溶液からアセトニトリル/1%ピリジニウム酢酸塩水溶液(1:3)までの勾配溶離剤8l、次いで1%ピリジニウム酢酸塩水溶液で溶離することにより、2個の主生成物を分離する。各250ml分画を250ml/分の流速で集め、薄層クロマトグラフィー(tlc)およびhplcで分析する。
【0066】
化合物[IIIa]を含む分画(#10〜16)を合して凍結乾燥し、クリーム色の固体として化合物[IIIa]82mgを得る。FAB質量スペクトル(FAB−MS)(M+1):1414(正確な質量計算値:C667724Cl=1414.4770;実測値:1414.40)。
また化合物[IVa]を含む分画(#27〜29)を合して凍結乾燥し、クリーム色の粉末として化合物[IVa]128mgを得る。FAB−MS(M+1):1252,1109
(質量計算値:C606719Cl=1252.4242;実測値:1252.4240)
【0067】
製造例2
化合物[IIIb]および[IVb]の製造
A82846B(1g)をアニソール10ml含有トリフルオロ酢酸200mlに溶解する。この混合物を窒素雰囲気下、室温で約2時間撹拌する。
【0068】
前記製造例1記載のように処理して反応を終結させ、生成物の混合物1.12gを得る。FAB−MS(M+1):1448,1305,1286,1252,1142。高速液体クロマトグラフィー分析により、この物質は2個の主要ピーク(それぞれ42%相当および43%の量)を含むことが証明された。
前記製造例1記載の条件により分取スケールの逆相hplcを行ない、化合物[IIIb]283mgを得る。FAB−MS(M+1):1448(計算値:C667624Cl=1448.4380;実測値:1448.4375)。
また分取スケールの逆相hplcにより、化合物[IVb]270mgを得る。FAB−MS(P+1):1286(計算値:C606619Cl=1286.3852;実測値:1286.3879)。
【0069】
参考例1(製造法A)
化合物1、2および3の製造
A82846A遊離塩基(293.5mg、0.19ミリモル)を、ジメチルホルムアミドとメタノール(各10ml)の混合物に溶解する。溶液をn−オクチルアルデヒド(44.8mg、0.35ミリモル)で処理し、70℃で1.75時間撹拌する。溶液を水素化シアノホウ素ナトリウム(75mg、1.19ミリモル)で処理し、70℃で更に2時間撹拌する。反応溶液を減圧下に濃縮し、残留物を水25mlで希釈し、この溶液を凍結乾燥する。逆相高速液体クロマトグラフィー(hplc)により、ウォータース(Waters)C18カラム(19mm×150mm)を用い、15%アセトニトリル/0.05%トリエチルアミン・リン酸塩水溶液(pH3)から60%アセトニトリル/0.05%トリエチルアミン・リン酸塩水溶液(pH3)までの20分線型勾配溶離剤で溶離することにより、生成物を分離する。HP20SS樹脂を用い、分析的hplcで証明された生成物含有分画を、メタノール/0.1%酢酸(8:2)で脱塩する。溶出液を蒸発乾固し、水で処理し、凍結乾燥して化合物1(36.6mg、収率14.8%)、化合物2(39.6mg、収率16.0%)および化合物3(11.7mg、収率3.5%)を得る。
【0070】
実施例1(製造法B)
化合物38の製造
A82846B遊離塩基(1.1g、0.69ミリモル)をジメチルホルムアミド(50ml)に溶解する。溶液をn−オクチルアルデヒド(195mg、1.52ミリモル)で処理し、70℃で30分間撹拌する。この溶液を水素化シアノホウ素ナトリウム(162.6mg、2.5ミリモル)で処理し、70℃で90分間撹拌する。室温に冷やした後、反応溶液を濾過する。残留物をメタノール(50ml)中5%酢酸に溶解し、溶液を室温で一夜撹拌する。この溶液を減圧下に蒸発乾固し、残留物を水50mlとn−ブタノール(数滴)で処理し、凍結乾燥する。逆相hplcによりライニン(Rainin)C18カラム(5cm×35cm、ウォバーン(Woburn)MA)を用い、20%アセトニトリル/1%ピリジニウム酢酸塩水溶液から40%アセトニトリル/1%ピリジニウム酢酸塩水溶液までの20分線型勾配溶離剤で溶離することにより、生成物を精製し、化合物38(120mg、収率10%)を得る。
【0071】
参考例2 (製造法C)
化合物28および29の製造
A82846A遊離塩基(100.5mg、0.06ミリモル)をジメチルホルムアミド(15ml)に溶解する。溶液を3−フェニルプロピオン酸2,4,5−トリクロロフェニルエステル(75mg、0.23ミリモル)で処理し、70℃で2時間撹拌する。この溶液を減圧下に蒸発乾固し、残留物を水で処理し、凍結乾燥する。この残留物をジクロロメタンで摩砕処理して未反応の活性化エステル体を除く。逆相hplcにより、ウォーターズC18カラム(19mm×150mm)を用い、15%アセトニトリル/1%ピリジニウム酢酸塩水溶液から40%アセトニトリル/1%ピリジニウム酢酸塩水溶液までの30分線型勾配溶離剤で溶離することにより生成物を分離し、化合物28(4.0mg、収率3.7%)および化合物29(3.6mg、収率3.3%)を得る。
【0072】
実施例2(製造法C)
化合物28および29の製造
A82846A遊離塩基(100.5mg、0.06ミリモル)をジメチルホルムアミド(15ml)に溶解する。溶液を3−フェニルプロピオン酸2,4,5−トリクロロフェニルエステル(75mg、0.23ミリモル)で処理し、70℃で2時間撹拌する。この溶液を減圧下に蒸発乾固し、残留物を水で処理し、凍結乾燥する。この残留物をジクロロメタンで摩砕処理して未反応の活性化エステル体を除く。逆相hplcにより、ウォーターズC18カラム(19mm×150mm)を用い、15%アセトニトリル/1%ピリジニウム酢酸塩水溶液から40%アセトニトリル/1%ピリジニウム酢酸塩水溶液までの30分線型勾配溶離剤で溶離することにより生成物を分離し、化合物28(4.0mg、収率3.7%)および化合物29(3.6mg、収率3.3%)を得る。
【0073】
実施例3
例示の化合物の製造法および物性を要約して表14に示す。生成物の収率は、特定の試剤としての化合物[II]、[III]または[IV]の量を用いて計算する。合成法は実施例1〜4記載の製造法を引用する。試剤の当量は、化合物[II]、[III]または[IV]の量に関連して対応するN−アルキルもしくはN−アシル誘導体に対するアルデヒド体または活性化エステル体のいずれかのモル当量を示す。高速液体クロマトグラフィー(hplc)保持時間(R)は、ウォータース・ミューボンダパック(Waters μbondapak)C18カラム(4mm×300mm、P/N27324)を用い、5%アセトニトリル/0.2%トリエチルアミン・リン酸塩水性緩衝液(pH=3)から80%アセトニトリル/0.2%トリエチルアミン・リン酸塩水性緩衝液(pH=3)までの15分線型勾配溶離剤で流速1ml/分の下に溶離し、280nm紫外線で検出することにより、測定する。
【0074】
【表14】
Figure 0003590638
Figure 0003590638
Figure 0003590638
Figure 0003590638
【0075】
【表15】
Figure 0003590638
【0076】
実施例4
カプセル剤の製造
次に示す成分を用い化合物38(250mg)を含むカプセル剤を製造する
Figure 0003590638
化合物38(塩酸塩型、255.4mg)、コーンスターチの流動性粉末(150mg)およびコーンスターチ(144.6mg)を適当な混合機中で均質になるまで混和する。この混合物を用いて硬質ゼラチンカプセル中に充填し、正味充填重量550mgとする。
【0077】
実施例5
懸濁液剤の製造
滅菌した不溶性型化合物38を粉砕するか、または篩にかけて懸濁液に適当粒形にする。この微粒物質を次に示す担体中に懸濁する。
Figure 0003590638
【0078】
実施例6
錠剤の製造
次の組成を有する成分を用いて化合物38(250mg)を含む錠剤を製造する。
Figure 0003590638

Claims (4)

  1. 式:
    Figure 0003590638
    [式中、Rは
    Figure 0003590638
    で示される(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基;
    Xは クロロ;
    Yは クロロ;
    1およびR3はそれぞれ個別に水素、C1〜C12アルキル、C2〜C9アルカノイル、または
    Figure 0003590638
    Figure 0003590638
    もしくは
    Figure 0003590638
    で示される基;
    2は、C8〜C12アルキル、 または
    Figure 0003590638
    もしくは
    Figure 0003590638
    で示される基;
    nは1〜3;
    4は水素、ハロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシまたは
    Figure 0003590638
    で示される基;
    5およびR6は独立に水素またはC1〜C3アルキル;
    pは0〜2;
    mは2または3;および
    rは3−mを表わす
    で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
  2. Rが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、 およびRが水素、Rがn−オクチルである請求項1記載の化合物。
  3. Rが(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル基、 およびRが水素、R
    Figure 0003590638
    で示される基(基中、nは1、Rはクロロ)である請求項1記載の化合物。
  4. 活性成分として請求項1、2または3記載の化合物を、適当な薬学的担体と組合わせて含有する薬理学的抗菌剤。
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