JP3590493B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂組成物に関し、更に詳しくは、ポリアルキレンナフタレートと、脂環族及び/または脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸無水物よりなるポリイミドとからなる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンナフタレート(PEN)と非晶性ポリエーテルイミドであるULTEM(ゼネラルエレクトリック社製)とは相溶化することによってPENのガラス転移温度が上がり、耐熱性等に優れた樹脂組成物が得られることは知られている。(例えば、ANTEC1995 p.1453、POLYMER Vol.36 Number23 1995 p.4449、RESEARCH DISCLOSURE 1987 p.677、特開平7−228761号公報)。しかしながらさらなる耐熱性に優れたポリエチレンナフタレート樹脂が望まれている。
【0003】
ところで、ポリアルキレンナフタレートは近年その優れた性能を生かして様々な用途に使用されてきている。例えば、ポリエチレンナフタレートは高強度高弾性率のフィルムとして、各種オーディオテープ、ビデオテープに利用されているし、ポリブチレンナフタレートについても各種樹脂用途への利用がなされている。ところが、ポリアルキレンナフタレートは紫外線の照射により青白い蛍光を発するという欠点を有していることが従来から知られている。このために、食品包装や飲料用ボトルといった用途へは外観上の問題からこれまでその利用が制限されていた。
【0004】
このようなポリアルキレンナフタレートの蛍光については、例えば、Journal of Polymer Science: Polymer Letters Edition, Vol.17,227−232(1979) において、ポリ(1,2−エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)フィルムの蛍光について研究がされており、その蛍光の発光種が、ナフタレートのエキシマーから由来するという内容のことが記載されている。
【0005】
こうしたポリアルキレンナフタレートの蛍光の防止方法としては、米国特許第5310857号において、芳香族ケトンを共重合することによる蛍光の防止方法が記載されている。こうした方法は、比較的少量の共重合により、効率的に蛍光を抑制できるものの、ポリマーの製造時に共重合成分をポリマーの他の構成成分と共に反応させるため、製造時にポリマー銘柄の切り替えが必要になるという問題、芳香族ケトンが特殊なものとなるため高価になるという問題、また、芳香族ケトンの反応性が低いために高重合度のポリマーを得にくいという問題がある。
【0006】
さらに、紫外線による発光を抑制する方法としては、紫外線吸収剤を混合することにより、ポリマーによる紫外光の吸収を抑制する方法が考えられる。この方法は、従来、各種の高分子重合体の紫外線による劣化を防止する方法として利用されてきた。こうした紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の各種紫外線吸収剤が実用化されている。しかし、こうした紫外線吸収剤はヒドロキシ基を分子中に有していることが多いが、この場合はポリアルキレンナフタレートと混合した場合に分子量の低下を引き起こすとか、耐熱性が不足するために、溶融混合時に分解してしまい効果を発現できないといった問題点がある。
【0007】
また、このような低分子の紫外線吸収剤は十分な効果を発現するためには、ポリマーに対し、数パーセント場合によっては10パーセント以上の添加が必要となるが、一般にポリマーへの均一混合が難しく、大量の添加は成形物の均一性や機械的物性低下の原因となり好ましくない。
【0008】
一方、ポリイミドは一般に溶融粘度が非常に高く成形性が悪いのが難点である。上述のポリイミドは、溶融粘度を下げるために溶融温度を上げていくと該ポリイミドは劣化するなどの不都合を生ずる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特定のポリイミドとポリアルキレンナフタレートとを混合することにより、全く新しい樹脂組成物を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、極めて耐熱性に優れたポリアルキレンナフタレート樹脂を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる他の目的は、蛍光の発光の抑制されたポリアルキレンナフタレート樹脂を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる他の目的は、成形性を大幅に改善したポリイミド樹脂を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のポリイミドとポリアルキレンナフタレートとを混合することにより、該ポリアルキレンナフタレートのガラス転移温度が非常に上昇し、さらに該ポリアルキレンナフタレートに由来する蛍光の発生が著しく減少するとともに、該ポリイミドの溶融粘度が下がり、成形性が改善することを見い出した。
【0014】
即ち、本発明は、少なくとも構成単位の80モル%が下記式(1)
【0015】
【化4】
Figure 0003590493
【0016】
(上記式(1)において、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を表す)
で示される繰り返し単位からなるポリアルキレンナフタレート(A)と、下記式(2)
【0017】
【化5】
Figure 0003590493
【0018】
(上記式(2)において、Rは、炭素数4以上12以下の脂環族アルキレン基及び/または脂肪族アルキレン基であり、Arは炭素数6以上13以下の芳香族残基である)
で示される繰り返し単位からなるポリイミド(B)とからなる樹脂組成物であって、かつ該樹脂組成物全体に対する(A)と(B)との割合が重量比で99.95:0.05〜5:95の範囲にある樹脂組成物である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる下記式(1)
【0020】
【化6】
Figure 0003590493
【0021】
(上記式(1)においてRはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数2〜6のアルキレン基を表す)
で示される繰り返し単位を有するポリアルキレンナフタレート(A)としては、ポリ(1,2−エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ(1,4−ブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)、ポリ(1,3−(2,2−ジメチル)プロピレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)およびそれらの共重合体を例示できる。これらのうちポリ(1,2−エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)において好ましく実施できる。
【0022】
本発明で用いられるポリアルキレンナフタレートは、上記式(1)で示される繰り返し単位から主としてなるが、それ以外にも以下に示すような構成成分を20モル%を超えない範囲で共重合成分として含んでいてもよい。そうした共重合の酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸があげられる。また、共重合のジオール成分としては、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族のジオールがあげられる。こうした共重合成分の共重合量は好ましくは10モル%以下である。
【0023】
本発明におけるポリアルキレンナフタレートは、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中35℃で測定した固有粘度が0.3以上であることが必要である。固有粘度が0.3以下の場合には、成型品の強度が不足し好ましくない。固有粘度は好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.5以上である。上限は特に制限はないが、実用的には5程度である。
【0024】
本発明におけるポリイミド(B)は、上記式(2)で示される繰り返し単位からなり、かかるポリイミドはポリアルキレンナフタレート(A)との溶解性の点から非晶性であることが好ましい。但し、結晶性のポリイミドであっても、ポリアルキレンナフタレートへ添加時には結晶化していないものならばポリアルキレンナフタレートに溶解せしめることは可能であるが、該結晶性ポリイミドはポリアルキレンナフタレートに非常に溶けにくい。ここでいう非晶性とは、示差走査熱量計(DSC)の測定で、明確な融点ピークが見られないものを指し、一般的には透明な樹脂である。
【0025】
上記式(2)において、Rはポリイミドが非晶性となるために、ポリアルキレンナフタレートと非反応性の置換基(アルキル基、アルコキシ基等)を含んでもよい炭素数4以上12以下の脂環族アルキレン基、脂肪族アルキレン基である。これらは2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、以下に挙げるジアミン化合物またはジイソシアネートから誘導されイミド結合を形成するものを例示することができる。例えばイソホロンジアミン、シクロヘキサンジアミン、1,8−ジアミノ−p−メンタン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。この中で、Rは、上記(A)との相溶性が良好で該(A)のガラス転移温度を著しく上昇させるのでイソホロンジアミン、1,8−ジアミノ−p−メンタン、シクロヘキサンジアミン、イソホロンジイソシアネートから導かれる脂環族アルキレン基、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンから導かれる脂肪族アルキレン基がより好ましく、中でも下記式(3)
【0026】
【化7】
Figure 0003590493
【0027】
で表されるイソホロンジアミン、イソホロンジイソシアネートから導かれる基が最も好ましい。
【0028】
Arは、ポリアルキレンナフタレートと非反応性の置換基(アルキル基、アルコキシ基等)を含んでいてもよい炭素数6以上13以下の芳香族残基である。Arとしては、例えば
【0029】
【化8】
Figure 0003590493
【0030】
が挙げられるが、この中で下記式
【0031】
【化9】
Figure 0003590493
【0032】
で表される無水ピロメリット酸から誘導されるものが最も好ましい。
【0033】
本発明で用いられるポリイミド(B)としては、具体的には下記式(4)
【0034】
【化10】
Figure 0003590493
【0035】
で表される繰り返し単位からなるものが好適である。
【0036】
本発明におけるポリイミド(B)の製造方法は、一般的に知られている方法を用いて構わない。例えば、(1)上記Arを誘導する原料のジカルボン酸無水物と、上記Rを誘導するジアミンとから先ず得られるポリアミド酸を加熱閉環するか、又は無水酢酸とピリジン、カルボジイミド、亜燐酸トリフェニルなどの化学的脱水剤を用いて化学閉環してもよいし、(2)上記ジカルボン酸無水物と上記Rを誘導するジイソシアネートとを加熱して脱炭酸を行って重合してもよい。このほか、(3)ジカルボン酸無水物をメタノールやエタノールのような低級アルコールで中間的に部分エステルや全エステルとした後、チオニルクロライドや塩素、五塩化リンなどで酸クロリド化し、該当ジアミンと反応させた後、環化反応を行ってもよい。
【0037】
本発明におけるポリイミド(B)の分子量は特に制限はない。該ポリイミドの添加量が少ない場合は、成形体の機械的物性を損なわない範囲で低分子量のものでもよいが、該添加量が多い場合は、成形性を損なわない範囲で高分子量のものが好ましい。一般に、該ポリイミドがフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)に溶ける場合は、35℃、ポリマー濃度1.2g/dlで測定した固有粘度が0.15以上好ましくは0.25以上が好ましい。上限は特に制限はないが、実用的には5程度である。
【0038】
本発明におけるポリアルキレンナフタレート(A)とポリイミド(B)との混合比率は樹脂組成物全体に対して重量比で99.95:0.05〜5:95であり、この範囲内で目的に応じて混合比率を適宜選ぶことができる。ガラス転移点が飛躍的に向上することにより耐熱性に優れたポリアルキレンナフタレート組成物を得る場合には(A)と(B)の重量割合は95:5〜40:60、好ましくは90:10〜50:50である。該ポリイミドが5重量部より少ないと、ポリアルキレンナフタレート組成物のガラス転移温度向上効果が少ないので耐熱性の向上効果も少ない。一方、蛍光の発光の抑制されたポリアルキレンナフタレート組成物を得る場合は、ポリアルキレンナフタレート(A)とポリイミド(B)との混合比率は樹脂組成物全体に対して重量比で99.95:0.05〜50:50であり、好ましくは99.90:0.10〜50:50である。(B)の混合割合が0.05より少ないと蛍光防止効果が十分でない。(B)の混合割合(添加量)の上限は、成形性に問題がなければ特に問題ないが、(A)の蛍光抑制効果の点で50:50である。さらに、ポリイミド(B)の成形性を大幅に改良したポリイミド組成物を得る場合は、全樹脂組成物が100重量部としてポリアルキレンナフタレートとポリイミドとの重量部比で60:40〜5:95、好ましくは50:50〜5:95が好まれる。ポリアルキレンナフタレートが5重量部より少ないと該ポリイミドの成形性向上効果が十分でない。
【0039】
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、2軸エクストルーダーを用いてポリアルキレンナフタレート(A)とポリイミド(B)とを混合する方法が好ましく用いられる。混合温度は、ポリマーの分解が起きない範囲で、ポリアルキレンナフタレートの融点以上であることが必要である。ポリアルキレンナフタレート(A)の融点以下では実質的に混合は不可能である。さらに、混合温度はポリイミド(B)のガラス転移温度以上であることが好ましい。例えば、ポリアルキレンナフタレートがポリ(1,2−エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)のときは、280〜290℃が好ましい。
【0040】
また、本発明における樹脂組成物は、必要に応じて各種の添加剤を配合することも可能である。こうした添加剤としては、ガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウィスカー、炭素繊維、アスベストのような繊維状強化材、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、酸化チタン、酸化アルミニウム、ガラスフレーク、ミルドファイバー、金属フレーク、金属粉末のような各種充填剤、リン酸エステル、亜リン酸エステルに代表されるような熱安定剤あるいは酸化安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃化剤、難燃助剤、可塑剤、結晶核剤などをあげることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリアルキレンナフタレートと特定のポリイミドとを混合することにより、全く新しい樹脂組成物が得られる。即ち、従来のポリアルキレンナフタレートのガラス転移温度が大幅に向上した耐熱性ポリアルキレンナフタレート組成物、あるいはポリアルキレンナフタレートを添加することによりポリイミドの成形性を大幅に改良したポリイミド組成物が得られる。さらに本発明によれば、ポリアルキレンナフタレートに由来する蛍光の発光を防止したポリアルキレンナフタレート組成物を得ることができる。これは、ポリイミドをポリアルキレンナフタレートにある程度大量に添加しても両者は均一に相溶してポリアルキレンナフタレートの機械的物性などの低下の原因となり難い。一般に紫外線吸収剤をポリマーに大量に添加した場合には紫外線吸収剤の凝集物が不均一にポリマー中に分散することが多いので、該凝集物の内部の紫外線吸収剤は紫外線を吸収する効果は小さくなってしまい、添加した分相応の紫外線吸収能を期待し難い。しましながら本発明の如く相溶性が良好でポリイミドがポリアルキレンナフタレートに均一に分散している系では、すべてのポリイミド分子がポリアルキレンナフタレートの蛍光防止に効果を発揮できるため、紫外光照射による発光の防止効果が極めて高いものと考えられる。このため、外観上の問題、物性の低下を引き起こすことなく、ポリアルキレンナフタレートの優れた性能を生かした樹脂材料を提供することができる。
【0042】
本発明の樹脂組成物は、ポリアルキレンナフタレート、ポリイミドの優れた特性を利用して、各種包装材、飲料ボトル、各種容器、チューブ、フィルム、カバー、ケース等の成型品、繊維、フィルムなどへ展開でき、その工業的意義は大きい。特に耐熱性を利用して高温で十分な殺菌、高温充填ができて循環再利用のできるリフィラブル飲料用ボトルへの展開は大きく期待でき、その意義は大きい。
【0043】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例にのみ限定されるものではない。実施例中「部」は「重量部」を表すものとする。実施例においてポリマーの固有粘度はフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中35℃での値である。
【0044】
[参考例1:ポリイミド(PIPM)の合成]
窒素を雰囲気下で、N−メチル−2−ピロリドン 2000ml中に、イソホロンジイソシアネート 131.5gを仕込み、この溶液に無水ピロメリット酸129.0gを室温で添加した後、徐々に昇温していくと二酸化炭素が発生した。この後180℃で5時間加熱したところ、二酸化炭素の発生がおさまったので加熱を終了した。このポリマー溶液を、水に展開して十分に洗浄した後、得られたポリマーを乾燥した。ポリマーの固有粘度は、0.50(dl/g)であった。以下、このポリマーをPIPMと呼ぶ。
【0045】
[参考例2:ポリイミド(PHPM)の合成]
窒素を雰囲気下で、N−メチル−2−ピロリドン 2000ml中にトリメチルヘキサメチレンジアミン(2,2,4体、2,4,4体混合物)104.5gを仕込み、氷浴で冷却した後、この溶液に無水ピロメリット酸 144.0gを添加した。引き続いて氷浴中で8時間重合した。次に、無水酢酸148.2g、ピリジン114.7gをこの系に添加した後、12時間更に0℃で撹袢した。このポリマー溶液を、水に展開して十分に洗浄した後、得られたポリマーを乾燥した。ポリマーの固有粘度は、0.30であった。以下、このポリマーをPHPMと呼ぶ。
【0046】
[比較例1]
固有粘度0.71のポリ(1,2−エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(以下PEN)を、30mmφ同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、PCM30)を用いて、ポリマー温度290℃、平均滞留時間約20分の条件下で溶融混練したのち吐出した。このようにして得られたポリマーを、示差走査熱量計(DSC)で20℃/分で昇温したのち融点+30℃まで昇温したのち、正確を期すため、サンプルを取り出してドライアイスで急冷した後、再度20℃/分で昇温し、ガラス転移温度を求めた。結果を表1に記載する。
【0047】
[実施例1〜3]
固有粘度0.71のPEN100部に対して、PIPMを所定量添加し、比較例1と同様に30mmφ同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、PCM30)を用いて、ポリマー温度290℃、平均滞留時間約20分の条件下で溶融混練した。ガラス転移温度は比較例1と同様に求めた。
【0048】
ポリマー組成物中10重量パーセント存在すると、ガラス転移温度が全て10℃以上向上した。結果を表1に記載する。なお、実施例3については、融点は検出できなかった(ND)。
【0049】
[比較例2]
PIPMの代わりに、下記式(5)で表わされるULTEM1000(ゼネラルエレクトリック社製)を用いて、実施例1と同様にPENに溶融混練した。PENのガラス転移温度は上昇するが、PIPMを用いたときよりもガラス転移温度の上昇はわずかであった。
【0050】
【化11】
Figure 0003590493
【0051】
【表1】
Figure 0003590493
【0052】
[実施例4、比較例3]
固有粘度0.71のPEN10部を、上記PIPMに対し90部を添加して310℃でよく混練したポリマーを、フローテスターで0.5mm径の孔から310℃で押し出したところ、糸状のサンプルが得られた。しかし、PENを加えずPIPMのみのポリマーは同条件ではPIPMを押し出せず、糸状サンプルは得られなかった。すなわち、PENを少量添加することにより、PIPMの溶融粘度が下がり、成形性が改善された。
【0053】
[参考例3]
上記のPENを、上記と同様30mmφ同方向回転2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)製、PCM30)を用いて溶融混練したのち、厚さ100ミクロンのフィルムを得た。得られたフィルムを用いて厚みに依存しない領域で、PENフィルムからの蛍光の発光強度(I)を測定した。
【0054】
蛍光の発光強度は、日立製作所(株)製F−2000日立蛍光分光光度計を用いて、励起波長350nm(バンドパス10nm)、蛍光の発光領域400〜550nm(バンドパス10nm)における発光量を以下の実施例との相対比較により実施した。
【0055】
[実施例5〜9]
固有粘度0.71のPEN100部とPIPMまたはPHPMの所定量とを混合し、比較例3と同様に溶融混練したのち、厚さ100ミクロンのフィルムを得て、このフィルムの蛍光強度の減少率を求めた。
【0056】
蛍光強度の減少率は、上記参考例3での発光強度をI 、実施例での発光強度をIとして、
【0057】
【数1】
蛍光強度の減少率 = (I−I)/I × 100 (%)
により算出した。結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
Figure 0003590493

Claims (3)

  1. 少なくとも構成単位の80モル%が下記式(1)
    Figure 0003590493
    (上記式(1)において、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を表す)
    で示される繰り返し単位からなるポリアルキレンナフタレート(A)と、下記式(2)
    Figure 0003590493
    (上記式(2)において、Rは、炭素数4以上12以下の脂環族アルキレン基及び/または脂肪族アルキレン基であり、Arは炭素数6以上13以下の芳香族残基である)
    で示される繰り返し単位からなるポリイミド(B)とからなる樹脂組成物であって、かつ該樹脂組成物全体に対する(A)と(B)との割合が重量比で99.95:0.05〜5:95の範囲にある樹脂組成物。
  2. ポリイミド(B)が非晶性であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 上記式(2)におけるRが、下記式(3)
    Figure 0003590493
    で表わされる脂環族アルキレン基であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
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