JP3590237B2 - ディスク駆動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フレキシブル磁気ディスク装置などに用いられるディスク状記録媒体のインデックス位置を決めるためのインデックス信号を出力するディスク駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のディスク駆動装置を搭載したフレキシブル磁気記録装置を示す概略図、図6は図5に示す従来のディスク駆動装置を示す説明図、図7は図6に示すAから見た磁気センサを示す説明図である。
図5において、40はフレキシブル磁気ディスク装置、41はフレキシブル磁気ディスク装置40のフレーム、42はヘッド43を搭載したキャリッジ機構であり、キャリッジ42aとアーム42bを有している。
図6において、50は磁性材を積層して設けられたステータコア、51u〜wはそれぞれステータコア50に設けられてティースであり、51uはu相のティース、51vはv相のティース、51wはw相のティースを示す。なお、ティース51vは長手方向のセンターの延長線が回転軸55の中心と一致するように配置されている。
また、52u〜wはそれぞれティース51u〜51wに巻回されたコイルであり、52uはティース51uに巻回されたコイル、52vはティース51vに巻回されたコイル、52wはティース51wに巻回されたコイルであり、それぞれ一端を制御部53に電気的に接続されている。52nは共通コイルであり、一端を制御部53に電気的に接続されている。
【0003】
54はディスク状のロータであり、チャッキング機構(不図示)を介してディスク状の記録媒体(不図示)を所定の位置に保持して回転する。55はロータ54の回転軸、56は外周部に設けられたロータ磁石であり、S極とN極を交互にそれぞれ16極づつ設けられている。なお、このロータ磁石56とティース51u〜51wは、それぞれロータ磁石56とティース51u〜51wの間に所定の寸法のギャップを形成するように配置されている。
また、57はチャッキング機構に設けられたチャッキングピンであり、ロータ54に対して記録媒体を所定の位置に保持する。58はロータ54に設けられたインデックス磁石であり、磁気センサ59(後述する)との対向部分をS極又はN極に着磁されている。
【0004】
59は磁気センサであり、所定のギャップを介してインデックス磁石58と対向するように設けられ、インデックス磁石58の磁束を検出する。59aは磁気センサ59を制御部53に電気的に接続するフラットケーブルである。なお、磁気センサ59がインデックス磁石58の磁束を検出する際にヘッド43が記録媒体(不図示)のインデックス位置に配置可能なように、チャッキングピン57とインデックス磁石58とのロータ54上での位置及びそれらに対する磁気センサ59の相対的な位置が決められて配置されている。
また、60はベースであり、上述の符号50〜59を付した構成を固定又は支持する。なお、このベース60は、フレキシブル磁気ディスク装置40のフレーム41(図5に示す)と一体に形成されている。61はディスク駆動装置であり、上述の符号50〜60を付した構成を含む。
【0005】
図7において、58aはインデックス磁石58の磁極部である。Bはインデックス磁石58と磁気センサ59とのギャップ、C,Dは磁気センサ59をベース60に取り付ける際の磁気センサ59の位置調整方向である。
【0006】
次に動作を図により説明する。図8はディスク駆動装置61の動作を示す説明図であり、110はv相のティース51vの鎖交磁束、111はv相のコイル52vに生じる逆起電圧、112は制御部53が出力する矩形波信号であり、逆起電圧111がゼロ電位と交差するタイミングによりHIとLOとを切り替えられる。113は制御部53が出力する逆起パルスであり、矩形波信号112の立ち下がりエッジをパルス化している。
なお、逆起パルス113はロータ磁石56のN極によるティース51vの鎖交磁束110が最大かつ逆起電圧111がゼロ電位に交差するタイミングで生成されるので、ロータ54が22.5度回転する毎に出力される。
【0007】
114は磁気センサ59によりインデックス磁石58の磁束を検出した検出波形である。なお、磁気センサ59は、逆起パルス113のパルス間隔の中間で検出波形114が最大値となるように図7に示す位置調整方向C又はDに位置調整移動されてベース60に固定される。また、上述の検出波形114はインデックス磁石58と磁気センサ59との相対的な位置寸法が良好な場合のものである。また、115は磁気センサ59から出力される検出パルスであり、検出波形114の示す磁束の値が所定の閾値Eを超えている間出力される。116は制御部53が出力するフリップフロップパルス(以下FFパルスと称する)であり、常時HIの信号が出力され、検出パルス115の立ち上がりによりLOに切り替えられて出力される。
また、117は制御部53が出力するインデックスパルスであり、FFパルス116がLOの間に生じた逆起パルス113から生成される。なお、FFパルス116はインデックスパルス117の立ち上がりでHIに戻る。
【0008】
また、114aは磁気センサ59によりインデックス磁石58の磁束を検出した検出波形である。なお、この検出波形114aはインデックス磁石58と磁気センサ59との相対的な位置寸法が良好でなく、ギャップBが比較的狭い場合やインデックス磁石58の着磁の強さ、磁気センサ59の感度等のバラツキにより磁束の大きさが比較的大きい場合の検出波形である。
115aは検出波形114aによる磁気センサ59の検出パルス、116aは検出パルス115aによるFFパルス、117aはインデックスパルスであり、FFパルス116aがLOの間に生じた逆起パルス113から生成される。
【0009】
まず、ディスク駆動装置61を駆動するように指示すると、制御部53はコイル52u〜wに順に電流を流してステータ50のティース51u〜wを励磁する。ロータ54は、ロータ磁石56をティース51u〜wと対向されて設けられているので、ティース51u〜wの励磁により回転する。
【0010】
次に、ロータ54が回転すると、ロータ磁石56の鎖交磁束110(但し、ティース51vに鎖交する鎖交磁束のみ図示する。)がティース51u〜wにそれぞれ鎖交し、鎖交磁束110の変化量に比例して逆起電圧111(但し、コイル52vに誘起する逆起電圧のみ図示する。)がコイル52u〜wにそれぞれ誘起される。これら鎖交磁束110と逆起電圧111とはu〜w相のそれぞれで90度の位相差があり、鎖交磁束110のピークで逆起電圧111はゼロ電位となる。
【0011】
次に、制御部53は逆起電圧111がゼロ電位と交差するタイミングにより矩形波信号112のHIとLOを切り替えて出力する。また、制御部53は矩形波信号112の立ち下がりのタイミングで逆起パルス113を所定時間出力する。
【0012】
また、磁気センサ59はインデックス磁石58の近接に伴い、インデックス磁石58(図6に示す)の磁束を検出して検出波形114を生成し、その磁束の値が所定の閾値Eを超えている間、検出パルス115を制御部53に出力する。
また、制御部53は検出パルス115の立ち上がりのタイミングでFFパルス116をHIからLOに切り替えて出力する。
【0013】
ここで、制御部53はFFパルス116がLOの間に出力した逆起パルス113の立ち上がりのタイミングでインデックスパルス117を生成し、そのインデックスパルス117をフレキシブル磁気ディスク装置40に出力する。
【0014】
フレキシブル磁気ディスク装置40はシステム(不図示)にインデックスパルス117を出力し、システムは記録媒体(不図示)に情報を記録する上での基準位置を定める。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディスク駆動装置は以上のように構成されていたので、例えば、インデックス磁石58と磁気センサ59との相対的な位置寸法が良好でなくギャップbが比較的狭い場合、或いはインデックス磁石58の着磁の強さ、磁気センサ59の感度等のバラツキにより、磁気センサ59が検出する磁束の大きさが比較的大きい場合、即ち、図8に示す検出波形114aのように、すそ部分が広くなり複数の逆起パルス113にまたがる場合には、その検出波形114aは正常な場合の検出波形114よりも早いタイミングで所定の閾値Eを超えるので、それに伴い検出パルス115a、FFパルス116aも早いタイミングで出力される。したがって、図8に示すように正確なインデックスパルス117から1パルス分ズレたインデックスパルス117aが出力されてしまう。
【0016】
また、ロータ54を円滑に回転させるためにロータ磁石56の磁極数を増加すると、逆起パルス113の出力間隔が狭くなり、出力されるインデックスパルスのズレがさらに大きくなる。
【0017】
この発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、インデックス磁石と磁気センサとの寸法精度を緩和でき、磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも正確なインデックスパルスを出力することができるディスク駆動装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明のディスク駆動装置は、ディスク状記録媒体を所定の位置に保持して回転するロータと、コイルを巻回され前記ロータに回転力を与えるステータと、前記ロータに設けられて前記ロータと共に回転するインデックス磁石と、前記インデックス磁石の磁束を検出して検出パルスを出力する磁気センサと、前記ロータの回転に伴って前記コイルに誘起する逆起電圧と前記検出パルスとに基づいて前記ディスク状記録媒体のインデックス位置を示すインデックス信号を出力する制御部とを備えたディスク駆動装置において、前記インデックス磁石は第1の磁極とこの第1の磁極と極性の異なる第2の磁極とを隣接して形成されると共に前記第1、第2の磁極を前記磁気センサに対向可能に設けられ、前記磁気センサは前記第1、第2の磁極の磁束を順に検出すると共に前記第2の磁極の磁束の値が所定の閾値を超えた場合に前記検出パルスを出力するものである。
【0019】
この発明のディスク駆動装置は、第1の磁極の磁力の大きさと第2の磁極の磁力の大きさは等しいものである。
【0020】
この発明のディスク駆動装置は、磁気センサは第1、第2の磁極の磁束を順に検出してそれぞれの磁束に対応した第1、第2の検出波形を順に生成し、前記第2の検出波形の示す磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明のディスク駆動装置の一実施の形態を説明する。図1は実施の形態1によるディスク駆動装置を示す説明図、図2は図1に示すFから見たインデックス磁石と磁気センサとを示す説明図である。図3は図1に示す制御部のブロック図である。
図において、図6と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。1は制御部であり、ヘッド43が記録媒体(不図示)にフォーマットを形成する場合の開始位置であるインデックス位置を示すインデックスパルス117の生成及び出力を行う。なお、制御部1はティース51u〜wに巻回されたコイル52u〜w及び共通コイル52nのそれぞれの一端が電気的に接続されている。
2はインデックス磁石であり、磁気センサ3との対向部分をS極とN極とに着磁されてロータ54に設けられ、ロータ54の回転に伴い回転する。
また、3は磁気センサであり、所定のギャップを介してインデックス磁石2と対向するように設けられ、インデックス磁石2の磁束を検出する。なお、磁気センサ3はN極の磁束を検出した場合は正の検出波形、S極の磁束を検出した場合は負の検出波形を生成するように構成されている。3aは磁気センサ3を制御部1に電気的に接続するフラットケーブル、4はディスク駆動装置であり、上述の符号1〜3を付した構成及び符号50〜52,54〜57,60を付した構成を含む。
【0026】
図2において、2aはインデックス磁石2に設けられたN極部、2bはインデックス磁石2に設けられたS極部である。これらN極部2aとS極部2bは隣接して設けられている。また、N極部2aとS極部2bの磁力の大きさは等しい方が好ましい。
また、Gはインデックス磁石2と磁気センサ3とのギャップ、H,Iは磁気センサ3をベース60に取り付ける際の磁気センサ3の移動方向である。ディスク駆動装置4の製造工程において、磁気センサ3は逆起パルス113の間隔の中間にてS極部2bの磁束の検出波形が最大となるようにH方向又はI方向に移動させてベース60に固定される。
なお、この実施の形態1によるディスク駆動装置4は、磁気センサ3がインデックス磁石2のS極部2bの磁束を検出する際に記録媒体(不図示)のインデックス位置を特定できるように、チャッキングピン57とインデックス磁石2とのロータ54上での位置及びそれらに対する磁気センサ3の相対的な位置が決められて配置されている。
例えば、図1に示すように、チャッキングピン57のセンターはロータ磁石56の2つのN極の中心と回転軸55とを通る直線上に位置するようにロータ54に設けられている。また、インデックス磁石2は、そのS極部2bが上述の直線に対してロータ54の回転方向に回転軸55を中心としてθ=22.5度の角度でロータ54に設けられている。また、磁気センサ3は上述の直線上にヘッド43の中心が位置すると共にチャッキングピン57が回転軸55とヘッド43の間に位置する場合に、同様にθ1=11.25度の角度になるようにベース60に設けられている。
【0027】
図3において、1aは差動アンプ、1bはゼロクロスコンパレータ、1cはパルス回路、1dは逆起パルス出力回路であり符号1a〜1cを付した構成を含む。1eはフリップフロップ回路、1fはAND回路、1gはパルス回路、1hはインデックスパルス出力回路であり符号1e〜1gを付した構成を含む。また、1iは駆動制御回路であり、コイル52u〜wに電流を流すタイミングを制御する。なお、制御部1は符号1d,1h,1iを付した構成を含む。
【0028】
次に動作を図により説明する。図4は磁気センサ3の検出する磁束を示す説明図である。図において、図8と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。118は磁気センサ3が検出したインデックス磁石2の磁束を示す検出波形であり、118aはN極部2aの磁束による第1の波形、118bはS極部2bの磁束による第2の波形である。なお、この磁束118はインデックス磁石2と磁気センサ3との相対的な位置寸法(ギャップGの寸法等)が良好な場合の検出波形である。
【0029】
また、119は磁気センサ3が検出したインデックス磁石2の磁束を示す検出波形であり、119aはN極部2aの磁束の検出波形、119bはS極部2bの磁束の検出波形である。
なお、この検出波形119はインデックス磁石2と磁気センサ3との相対的な位置寸法が良好でなくギャップGが比較的狭い場合、或いはインデックス磁石2の着磁の強さ、磁気センサ3の感度等のバラツキにより、磁気センサ3が検出する磁束の大きさが比較的大きい場合の検出波形である。この検出波形119は、その第1の波形119aから第2の波形119bに移る部分の波形は、N極部2aとS極部2bとの相互の磁気干渉により比較的急激に立ち下げ又は立ち上げられ、第1の波形119aと第2の波形119bの他の端部は磁気干渉するものがないので急激に立ち上げ又は立ち下げられず、すそが広くなる。
【0030】
また、120は磁気センサ3から出力される検出パルスであり、第2の波形118b(或いは第2の波形119b)が所定の閾値J(負の値)を超えている期間、磁気センサ3より制御部1に出力される。なお、所定の閾値Jは、所定の閾値E(図8に示す)の逆極性かつその絶対値は同等である。
【0031】
まず、ディスク駆動装置4を駆動するように指示すると、制御部1の駆動制御回路1iはコイル52u〜wに順に電流を流してステータ50のティース51u〜wを励磁する。ロータ54は、ロータ磁石56をティース51u〜wと対向されて設けられているので、ティース51u〜wの励磁により回転する。
【0032】
次に、ロータ54が回転すると、ロータ磁石56の鎖交磁束110(但し、ティース51vに鎖交する鎖交磁束のみ図示する。)がティース51u〜wにそれぞれ鎖交し、鎖交磁束110の変化量に比例して逆起電圧111(但し、コイル52vに誘起する逆起電圧のみ図示する。)がコイル52u〜wにそれぞれ誘起されて逆起パルス出力回路1dに入力される。これら鎖交磁束110と逆起電圧111とはu〜w相のそれぞれで90度の位相差があり、鎖交磁束110のピークで逆起電圧111はゼロ電位となる。
【0033】
次に、制御部1の逆起パルス出力回路1dは、逆起電圧111がゼロ電位と交差するタイミングで差動アンプ1a、ゼロクロスコンパレータ1bにより矩形波信号112のHIとLOを切り替えると共に、その矩形波信号112のLOへの切り替えタイミングで逆起パルス113を所定時間生成する。
【0034】
また、磁気センサ3はロータ54の回転に伴うインデックス磁石2の近接により、インデックス磁石2のN極部2a、S極部2bの磁束を検出して図4に示す検出波形118(或いは検出波形119)を生成する。
次に、磁気センサ3は2波目の第2の波形118b(或いは第2の波形119b)の磁束が所定の閾値Jを超えた場合、その第2の波形118b(或いは第2の波形119b)の磁束が所定の閾値Jを超えている期間、検出パルス120をインデックスパルス出力回路1hに出力する。
【0035】
次に、制御部1のインデックスパルス出力回路1hは、検出パルス120を受け、その立ち上がりのタイミングでフリップフロップパルス116(以下、FFパルス116と称す)をHIからLOに切り替える。
【0036】
次に、制御部1のインデックスパルス出力回路1hはFFパルス116がLOの間に生成した逆起パルス113の立ち上がりのタイミングでインデックスパルス117を生成し、例えば、フレキシブル磁気ディスク装置40にそのインデックスパルス117を出力する。
【0037】
フレキシブル磁気ディスク装置40の場合は、インデックスパルス117を受け、フレキシブル磁気ディスク装置40が接続されるパーソナルコンピュータ等のシステム(不図示)にそのインデックスパルス117を出力し、システムはそのインデックスパルス117のタイミングを基に記録媒体(不図示)に情報を記録する上でのタイミングを定める。
【0038】
なお、この実施の形態1では、インデックス磁石2に磁極を隣接させて2つ設け、磁気センサは検出波形118(或いは検出波形119)のうち、2波目の第2の波形118b(或いは第2の波形119b)が所定の閾値Jを超えている期間に検出パルス120を出力したが、これに限定するものではなく、インデックス磁石2に極性の異なる複数の磁極をロータ54の円周方向に交互に複数隣接かつ磁気センサ3に対向可能に設け、磁気センサ3はロータ54の回転方向から順に複数の磁極の磁束を検出して第2番目以降の偶数番目又は奇数番目の所定の磁極の磁束から生成した検出波形の示す磁束が所定の閾値を超えている期間、検出パルス120を出力するようにしても良い。また、この場合も複数の磁極の磁力の大きさは等しい方が好ましい。
【0039】
以上のようにこの実施の形態1によるディスク駆動装置4によれば、インデックス磁石2にN極部2aとS極部2bとを隣接して設け、磁気センサ3はインデックス磁石2から検出した検出波形118(或いは検出波形119)のうち、S極部2bの磁束による第2の波形118b(或いは第2の波形119b)が所定の閾値Jを超えている期間、検出パルス120を出力し、制御部1は検出パルス120を受けてFFパルス116を切り替えると共に、FFパルス116を切り替えている間に生成した逆起パルス113によりインデックスパルス117を生成して出力するので、即ち、磁気センサ3は、インデックス磁石2のN極部2aとS極部2bとが互いに干渉し合い、比較的急激な立ち上げとなる波形を検出パルス120の生成に用いているので、磁気センサ3が検出するインデックス磁石2の磁束にバラツキが有り、その検出波形118(或いは検出波形119)が複数の逆起パルス113にまたがる場合でも、正確なインデックスパルス117を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置4を得ることができる。また、インデックス磁石2と磁気センサ3との寸法精度を緩和でき、磁気センサ3の取り付け作業を容易にすることができる。
【0040】
【発明の効果】
この発明のディスク駆動装置によれば、インデックス磁石は第1の磁極とこの第1の磁極と極性の異なる第2の磁極とを隣接して形成されると共に第1、第2の磁極を磁気センサに対向可能に設けられ、磁気センサは第1、第2の磁極の磁束を順に検出すると共に第1、第2の磁極の磁束のうち後に検出する磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、例えば、磁気センサは、第1、第2の磁極が互いに干渉し、検出される磁束が比較的急激な立ち上げとなる方の磁極の磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも、正確なインデックス信号を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置を得ることができる。また、磁気センサとインデックス磁石との寸法精度を緩和することができる。
【0041】
さらに、次の発明のディスク駆動装置によれば、第1の磁極と第2の磁極との磁力の大きさは等しいので第1、第2の磁極は良好に磁気干渉し、2つの磁極のうち、後から検出される磁極の磁束は比較的急激な立ち上げとなり、磁気センサはこの後側の磁極の磁束が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも、正確なインデックス信号を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置を得ることができる。また、磁気センサとインデックス磁石との寸法精度をより緩和することができる。
【0042】
さらに、次の発明のディスク駆動装置によれば、磁気センサは第1、第2の磁極の磁束を順に検出して第1、第2の検出波形を順に生成し、第1、第2の検出波形のうち第2番目の検出波形の示す磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、磁束の検出波形のうち比較的急激な立ち上げとなる第2番目の検出波形を用いて容易に検出パルスを出力でき、同様に磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも、正確なインデックス信号を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるディスク駆動装置を示す説明図である。
【図2】図1に示すFから見たインデックス磁石と磁気センサとを示す説明図である。
【図3】図3は図1に示す制御部を示すブロック図である。
【図4】図4は磁気センサの検出する磁束を示す説明図である。
【図5】図5は従来のディスク駆動装置を搭載したフレキシブル磁気記録装置を示す概念図である。
【図6】図6は図5に示す従来のディスク駆動装置を示す説明図である。
【図7】図7は図6に示すAから見た磁気センサを示す説明図である。
【図8】図8はディスク駆動装置61の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 制御部、1d 逆起パルス出力回路、1h インデックスパルス出力回路、1i 駆動制御回路、2 インデックス磁石、2a N極部、2b S極部、3 磁気センサ、4 ディスク駆動装置、50 ステータ、51u〜w ティース、52u〜w コイル、54 ロータ、55 回転軸、56 ロータ磁石、57 チャッキングピン、60 ベース。
【発明の属する技術分野】
この発明は、フレキシブル磁気ディスク装置などに用いられるディスク状記録媒体のインデックス位置を決めるためのインデックス信号を出力するディスク駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のディスク駆動装置を搭載したフレキシブル磁気記録装置を示す概略図、図6は図5に示す従来のディスク駆動装置を示す説明図、図7は図6に示すAから見た磁気センサを示す説明図である。
図5において、40はフレキシブル磁気ディスク装置、41はフレキシブル磁気ディスク装置40のフレーム、42はヘッド43を搭載したキャリッジ機構であり、キャリッジ42aとアーム42bを有している。
図6において、50は磁性材を積層して設けられたステータコア、51u〜wはそれぞれステータコア50に設けられてティースであり、51uはu相のティース、51vはv相のティース、51wはw相のティースを示す。なお、ティース51vは長手方向のセンターの延長線が回転軸55の中心と一致するように配置されている。
また、52u〜wはそれぞれティース51u〜51wに巻回されたコイルであり、52uはティース51uに巻回されたコイル、52vはティース51vに巻回されたコイル、52wはティース51wに巻回されたコイルであり、それぞれ一端を制御部53に電気的に接続されている。52nは共通コイルであり、一端を制御部53に電気的に接続されている。
【0003】
54はディスク状のロータであり、チャッキング機構(不図示)を介してディスク状の記録媒体(不図示)を所定の位置に保持して回転する。55はロータ54の回転軸、56は外周部に設けられたロータ磁石であり、S極とN極を交互にそれぞれ16極づつ設けられている。なお、このロータ磁石56とティース51u〜51wは、それぞれロータ磁石56とティース51u〜51wの間に所定の寸法のギャップを形成するように配置されている。
また、57はチャッキング機構に設けられたチャッキングピンであり、ロータ54に対して記録媒体を所定の位置に保持する。58はロータ54に設けられたインデックス磁石であり、磁気センサ59(後述する)との対向部分をS極又はN極に着磁されている。
【0004】
59は磁気センサであり、所定のギャップを介してインデックス磁石58と対向するように設けられ、インデックス磁石58の磁束を検出する。59aは磁気センサ59を制御部53に電気的に接続するフラットケーブルである。なお、磁気センサ59がインデックス磁石58の磁束を検出する際にヘッド43が記録媒体(不図示)のインデックス位置に配置可能なように、チャッキングピン57とインデックス磁石58とのロータ54上での位置及びそれらに対する磁気センサ59の相対的な位置が決められて配置されている。
また、60はベースであり、上述の符号50〜59を付した構成を固定又は支持する。なお、このベース60は、フレキシブル磁気ディスク装置40のフレーム41(図5に示す)と一体に形成されている。61はディスク駆動装置であり、上述の符号50〜60を付した構成を含む。
【0005】
図7において、58aはインデックス磁石58の磁極部である。Bはインデックス磁石58と磁気センサ59とのギャップ、C,Dは磁気センサ59をベース60に取り付ける際の磁気センサ59の位置調整方向である。
【0006】
次に動作を図により説明する。図8はディスク駆動装置61の動作を示す説明図であり、110はv相のティース51vの鎖交磁束、111はv相のコイル52vに生じる逆起電圧、112は制御部53が出力する矩形波信号であり、逆起電圧111がゼロ電位と交差するタイミングによりHIとLOとを切り替えられる。113は制御部53が出力する逆起パルスであり、矩形波信号112の立ち下がりエッジをパルス化している。
なお、逆起パルス113はロータ磁石56のN極によるティース51vの鎖交磁束110が最大かつ逆起電圧111がゼロ電位に交差するタイミングで生成されるので、ロータ54が22.5度回転する毎に出力される。
【0007】
114は磁気センサ59によりインデックス磁石58の磁束を検出した検出波形である。なお、磁気センサ59は、逆起パルス113のパルス間隔の中間で検出波形114が最大値となるように図7に示す位置調整方向C又はDに位置調整移動されてベース60に固定される。また、上述の検出波形114はインデックス磁石58と磁気センサ59との相対的な位置寸法が良好な場合のものである。また、115は磁気センサ59から出力される検出パルスであり、検出波形114の示す磁束の値が所定の閾値Eを超えている間出力される。116は制御部53が出力するフリップフロップパルス(以下FFパルスと称する)であり、常時HIの信号が出力され、検出パルス115の立ち上がりによりLOに切り替えられて出力される。
また、117は制御部53が出力するインデックスパルスであり、FFパルス116がLOの間に生じた逆起パルス113から生成される。なお、FFパルス116はインデックスパルス117の立ち上がりでHIに戻る。
【0008】
また、114aは磁気センサ59によりインデックス磁石58の磁束を検出した検出波形である。なお、この検出波形114aはインデックス磁石58と磁気センサ59との相対的な位置寸法が良好でなく、ギャップBが比較的狭い場合やインデックス磁石58の着磁の強さ、磁気センサ59の感度等のバラツキにより磁束の大きさが比較的大きい場合の検出波形である。
115aは検出波形114aによる磁気センサ59の検出パルス、116aは検出パルス115aによるFFパルス、117aはインデックスパルスであり、FFパルス116aがLOの間に生じた逆起パルス113から生成される。
【0009】
まず、ディスク駆動装置61を駆動するように指示すると、制御部53はコイル52u〜wに順に電流を流してステータ50のティース51u〜wを励磁する。ロータ54は、ロータ磁石56をティース51u〜wと対向されて設けられているので、ティース51u〜wの励磁により回転する。
【0010】
次に、ロータ54が回転すると、ロータ磁石56の鎖交磁束110(但し、ティース51vに鎖交する鎖交磁束のみ図示する。)がティース51u〜wにそれぞれ鎖交し、鎖交磁束110の変化量に比例して逆起電圧111(但し、コイル52vに誘起する逆起電圧のみ図示する。)がコイル52u〜wにそれぞれ誘起される。これら鎖交磁束110と逆起電圧111とはu〜w相のそれぞれで90度の位相差があり、鎖交磁束110のピークで逆起電圧111はゼロ電位となる。
【0011】
次に、制御部53は逆起電圧111がゼロ電位と交差するタイミングにより矩形波信号112のHIとLOを切り替えて出力する。また、制御部53は矩形波信号112の立ち下がりのタイミングで逆起パルス113を所定時間出力する。
【0012】
また、磁気センサ59はインデックス磁石58の近接に伴い、インデックス磁石58(図6に示す)の磁束を検出して検出波形114を生成し、その磁束の値が所定の閾値Eを超えている間、検出パルス115を制御部53に出力する。
また、制御部53は検出パルス115の立ち上がりのタイミングでFFパルス116をHIからLOに切り替えて出力する。
【0013】
ここで、制御部53はFFパルス116がLOの間に出力した逆起パルス113の立ち上がりのタイミングでインデックスパルス117を生成し、そのインデックスパルス117をフレキシブル磁気ディスク装置40に出力する。
【0014】
フレキシブル磁気ディスク装置40はシステム(不図示)にインデックスパルス117を出力し、システムは記録媒体(不図示)に情報を記録する上での基準位置を定める。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディスク駆動装置は以上のように構成されていたので、例えば、インデックス磁石58と磁気センサ59との相対的な位置寸法が良好でなくギャップbが比較的狭い場合、或いはインデックス磁石58の着磁の強さ、磁気センサ59の感度等のバラツキにより、磁気センサ59が検出する磁束の大きさが比較的大きい場合、即ち、図8に示す検出波形114aのように、すそ部分が広くなり複数の逆起パルス113にまたがる場合には、その検出波形114aは正常な場合の検出波形114よりも早いタイミングで所定の閾値Eを超えるので、それに伴い検出パルス115a、FFパルス116aも早いタイミングで出力される。したがって、図8に示すように正確なインデックスパルス117から1パルス分ズレたインデックスパルス117aが出力されてしまう。
【0016】
また、ロータ54を円滑に回転させるためにロータ磁石56の磁極数を増加すると、逆起パルス113の出力間隔が狭くなり、出力されるインデックスパルスのズレがさらに大きくなる。
【0017】
この発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、インデックス磁石と磁気センサとの寸法精度を緩和でき、磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも正確なインデックスパルスを出力することができるディスク駆動装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明のディスク駆動装置は、ディスク状記録媒体を所定の位置に保持して回転するロータと、コイルを巻回され前記ロータに回転力を与えるステータと、前記ロータに設けられて前記ロータと共に回転するインデックス磁石と、前記インデックス磁石の磁束を検出して検出パルスを出力する磁気センサと、前記ロータの回転に伴って前記コイルに誘起する逆起電圧と前記検出パルスとに基づいて前記ディスク状記録媒体のインデックス位置を示すインデックス信号を出力する制御部とを備えたディスク駆動装置において、前記インデックス磁石は第1の磁極とこの第1の磁極と極性の異なる第2の磁極とを隣接して形成されると共に前記第1、第2の磁極を前記磁気センサに対向可能に設けられ、前記磁気センサは前記第1、第2の磁極の磁束を順に検出すると共に前記第2の磁極の磁束の値が所定の閾値を超えた場合に前記検出パルスを出力するものである。
【0019】
この発明のディスク駆動装置は、第1の磁極の磁力の大きさと第2の磁極の磁力の大きさは等しいものである。
【0020】
この発明のディスク駆動装置は、磁気センサは第1、第2の磁極の磁束を順に検出してそれぞれの磁束に対応した第1、第2の検出波形を順に生成し、前記第2の検出波形の示す磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明のディスク駆動装置の一実施の形態を説明する。図1は実施の形態1によるディスク駆動装置を示す説明図、図2は図1に示すFから見たインデックス磁石と磁気センサとを示す説明図である。図3は図1に示す制御部のブロック図である。
図において、図6と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。1は制御部であり、ヘッド43が記録媒体(不図示)にフォーマットを形成する場合の開始位置であるインデックス位置を示すインデックスパルス117の生成及び出力を行う。なお、制御部1はティース51u〜wに巻回されたコイル52u〜w及び共通コイル52nのそれぞれの一端が電気的に接続されている。
2はインデックス磁石であり、磁気センサ3との対向部分をS極とN極とに着磁されてロータ54に設けられ、ロータ54の回転に伴い回転する。
また、3は磁気センサであり、所定のギャップを介してインデックス磁石2と対向するように設けられ、インデックス磁石2の磁束を検出する。なお、磁気センサ3はN極の磁束を検出した場合は正の検出波形、S極の磁束を検出した場合は負の検出波形を生成するように構成されている。3aは磁気センサ3を制御部1に電気的に接続するフラットケーブル、4はディスク駆動装置であり、上述の符号1〜3を付した構成及び符号50〜52,54〜57,60を付した構成を含む。
【0026】
図2において、2aはインデックス磁石2に設けられたN極部、2bはインデックス磁石2に設けられたS極部である。これらN極部2aとS極部2bは隣接して設けられている。また、N極部2aとS極部2bの磁力の大きさは等しい方が好ましい。
また、Gはインデックス磁石2と磁気センサ3とのギャップ、H,Iは磁気センサ3をベース60に取り付ける際の磁気センサ3の移動方向である。ディスク駆動装置4の製造工程において、磁気センサ3は逆起パルス113の間隔の中間にてS極部2bの磁束の検出波形が最大となるようにH方向又はI方向に移動させてベース60に固定される。
なお、この実施の形態1によるディスク駆動装置4は、磁気センサ3がインデックス磁石2のS極部2bの磁束を検出する際に記録媒体(不図示)のインデックス位置を特定できるように、チャッキングピン57とインデックス磁石2とのロータ54上での位置及びそれらに対する磁気センサ3の相対的な位置が決められて配置されている。
例えば、図1に示すように、チャッキングピン57のセンターはロータ磁石56の2つのN極の中心と回転軸55とを通る直線上に位置するようにロータ54に設けられている。また、インデックス磁石2は、そのS極部2bが上述の直線に対してロータ54の回転方向に回転軸55を中心としてθ=22.5度の角度でロータ54に設けられている。また、磁気センサ3は上述の直線上にヘッド43の中心が位置すると共にチャッキングピン57が回転軸55とヘッド43の間に位置する場合に、同様にθ1=11.25度の角度になるようにベース60に設けられている。
【0027】
図3において、1aは差動アンプ、1bはゼロクロスコンパレータ、1cはパルス回路、1dは逆起パルス出力回路であり符号1a〜1cを付した構成を含む。1eはフリップフロップ回路、1fはAND回路、1gはパルス回路、1hはインデックスパルス出力回路であり符号1e〜1gを付した構成を含む。また、1iは駆動制御回路であり、コイル52u〜wに電流を流すタイミングを制御する。なお、制御部1は符号1d,1h,1iを付した構成を含む。
【0028】
次に動作を図により説明する。図4は磁気センサ3の検出する磁束を示す説明図である。図において、図8と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。118は磁気センサ3が検出したインデックス磁石2の磁束を示す検出波形であり、118aはN極部2aの磁束による第1の波形、118bはS極部2bの磁束による第2の波形である。なお、この磁束118はインデックス磁石2と磁気センサ3との相対的な位置寸法(ギャップGの寸法等)が良好な場合の検出波形である。
【0029】
また、119は磁気センサ3が検出したインデックス磁石2の磁束を示す検出波形であり、119aはN極部2aの磁束の検出波形、119bはS極部2bの磁束の検出波形である。
なお、この検出波形119はインデックス磁石2と磁気センサ3との相対的な位置寸法が良好でなくギャップGが比較的狭い場合、或いはインデックス磁石2の着磁の強さ、磁気センサ3の感度等のバラツキにより、磁気センサ3が検出する磁束の大きさが比較的大きい場合の検出波形である。この検出波形119は、その第1の波形119aから第2の波形119bに移る部分の波形は、N極部2aとS極部2bとの相互の磁気干渉により比較的急激に立ち下げ又は立ち上げられ、第1の波形119aと第2の波形119bの他の端部は磁気干渉するものがないので急激に立ち上げ又は立ち下げられず、すそが広くなる。
【0030】
また、120は磁気センサ3から出力される検出パルスであり、第2の波形118b(或いは第2の波形119b)が所定の閾値J(負の値)を超えている期間、磁気センサ3より制御部1に出力される。なお、所定の閾値Jは、所定の閾値E(図8に示す)の逆極性かつその絶対値は同等である。
【0031】
まず、ディスク駆動装置4を駆動するように指示すると、制御部1の駆動制御回路1iはコイル52u〜wに順に電流を流してステータ50のティース51u〜wを励磁する。ロータ54は、ロータ磁石56をティース51u〜wと対向されて設けられているので、ティース51u〜wの励磁により回転する。
【0032】
次に、ロータ54が回転すると、ロータ磁石56の鎖交磁束110(但し、ティース51vに鎖交する鎖交磁束のみ図示する。)がティース51u〜wにそれぞれ鎖交し、鎖交磁束110の変化量に比例して逆起電圧111(但し、コイル52vに誘起する逆起電圧のみ図示する。)がコイル52u〜wにそれぞれ誘起されて逆起パルス出力回路1dに入力される。これら鎖交磁束110と逆起電圧111とはu〜w相のそれぞれで90度の位相差があり、鎖交磁束110のピークで逆起電圧111はゼロ電位となる。
【0033】
次に、制御部1の逆起パルス出力回路1dは、逆起電圧111がゼロ電位と交差するタイミングで差動アンプ1a、ゼロクロスコンパレータ1bにより矩形波信号112のHIとLOを切り替えると共に、その矩形波信号112のLOへの切り替えタイミングで逆起パルス113を所定時間生成する。
【0034】
また、磁気センサ3はロータ54の回転に伴うインデックス磁石2の近接により、インデックス磁石2のN極部2a、S極部2bの磁束を検出して図4に示す検出波形118(或いは検出波形119)を生成する。
次に、磁気センサ3は2波目の第2の波形118b(或いは第2の波形119b)の磁束が所定の閾値Jを超えた場合、その第2の波形118b(或いは第2の波形119b)の磁束が所定の閾値Jを超えている期間、検出パルス120をインデックスパルス出力回路1hに出力する。
【0035】
次に、制御部1のインデックスパルス出力回路1hは、検出パルス120を受け、その立ち上がりのタイミングでフリップフロップパルス116(以下、FFパルス116と称す)をHIからLOに切り替える。
【0036】
次に、制御部1のインデックスパルス出力回路1hはFFパルス116がLOの間に生成した逆起パルス113の立ち上がりのタイミングでインデックスパルス117を生成し、例えば、フレキシブル磁気ディスク装置40にそのインデックスパルス117を出力する。
【0037】
フレキシブル磁気ディスク装置40の場合は、インデックスパルス117を受け、フレキシブル磁気ディスク装置40が接続されるパーソナルコンピュータ等のシステム(不図示)にそのインデックスパルス117を出力し、システムはそのインデックスパルス117のタイミングを基に記録媒体(不図示)に情報を記録する上でのタイミングを定める。
【0038】
なお、この実施の形態1では、インデックス磁石2に磁極を隣接させて2つ設け、磁気センサは検出波形118(或いは検出波形119)のうち、2波目の第2の波形118b(或いは第2の波形119b)が所定の閾値Jを超えている期間に検出パルス120を出力したが、これに限定するものではなく、インデックス磁石2に極性の異なる複数の磁極をロータ54の円周方向に交互に複数隣接かつ磁気センサ3に対向可能に設け、磁気センサ3はロータ54の回転方向から順に複数の磁極の磁束を検出して第2番目以降の偶数番目又は奇数番目の所定の磁極の磁束から生成した検出波形の示す磁束が所定の閾値を超えている期間、検出パルス120を出力するようにしても良い。また、この場合も複数の磁極の磁力の大きさは等しい方が好ましい。
【0039】
以上のようにこの実施の形態1によるディスク駆動装置4によれば、インデックス磁石2にN極部2aとS極部2bとを隣接して設け、磁気センサ3はインデックス磁石2から検出した検出波形118(或いは検出波形119)のうち、S極部2bの磁束による第2の波形118b(或いは第2の波形119b)が所定の閾値Jを超えている期間、検出パルス120を出力し、制御部1は検出パルス120を受けてFFパルス116を切り替えると共に、FFパルス116を切り替えている間に生成した逆起パルス113によりインデックスパルス117を生成して出力するので、即ち、磁気センサ3は、インデックス磁石2のN極部2aとS極部2bとが互いに干渉し合い、比較的急激な立ち上げとなる波形を検出パルス120の生成に用いているので、磁気センサ3が検出するインデックス磁石2の磁束にバラツキが有り、その検出波形118(或いは検出波形119)が複数の逆起パルス113にまたがる場合でも、正確なインデックスパルス117を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置4を得ることができる。また、インデックス磁石2と磁気センサ3との寸法精度を緩和でき、磁気センサ3の取り付け作業を容易にすることができる。
【0040】
【発明の効果】
この発明のディスク駆動装置によれば、インデックス磁石は第1の磁極とこの第1の磁極と極性の異なる第2の磁極とを隣接して形成されると共に第1、第2の磁極を磁気センサに対向可能に設けられ、磁気センサは第1、第2の磁極の磁束を順に検出すると共に第1、第2の磁極の磁束のうち後に検出する磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、例えば、磁気センサは、第1、第2の磁極が互いに干渉し、検出される磁束が比較的急激な立ち上げとなる方の磁極の磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも、正確なインデックス信号を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置を得ることができる。また、磁気センサとインデックス磁石との寸法精度を緩和することができる。
【0041】
さらに、次の発明のディスク駆動装置によれば、第1の磁極と第2の磁極との磁力の大きさは等しいので第1、第2の磁極は良好に磁気干渉し、2つの磁極のうち、後から検出される磁極の磁束は比較的急激な立ち上げとなり、磁気センサはこの後側の磁極の磁束が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも、正確なインデックス信号を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置を得ることができる。また、磁気センサとインデックス磁石との寸法精度をより緩和することができる。
【0042】
さらに、次の発明のディスク駆動装置によれば、磁気センサは第1、第2の磁極の磁束を順に検出して第1、第2の検出波形を順に生成し、第1、第2の検出波形のうち第2番目の検出波形の示す磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力するので、磁束の検出波形のうち比較的急激な立ち上げとなる第2番目の検出波形を用いて容易に検出パルスを出力でき、同様に磁気センサが検出するインデックス磁石の磁束にバラツキがある場合でも、正確なインデックス信号を出力することができ、信頼性の高いディスク駆動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるディスク駆動装置を示す説明図である。
【図2】図1に示すFから見たインデックス磁石と磁気センサとを示す説明図である。
【図3】図3は図1に示す制御部を示すブロック図である。
【図4】図4は磁気センサの検出する磁束を示す説明図である。
【図5】図5は従来のディスク駆動装置を搭載したフレキシブル磁気記録装置を示す概念図である。
【図6】図6は図5に示す従来のディスク駆動装置を示す説明図である。
【図7】図7は図6に示すAから見た磁気センサを示す説明図である。
【図8】図8はディスク駆動装置61の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 制御部、1d 逆起パルス出力回路、1h インデックスパルス出力回路、1i 駆動制御回路、2 インデックス磁石、2a N極部、2b S極部、3 磁気センサ、4 ディスク駆動装置、50 ステータ、51u〜w ティース、52u〜w コイル、54 ロータ、55 回転軸、56 ロータ磁石、57 チャッキングピン、60 ベース。
Claims (3)
- ディスク状記録媒体を所定の位置に保持して回転するロータと、コイルを巻回され前記ロータに回転力を与えるステータと、前記ロータに設けられて前記ロータと共に回転するインデックス磁石と、前記インデックス磁石の磁束を検出して検出パルスを出力する磁気センサと、前記ロータの回転に伴って前記コイルに誘起する逆起電圧と前記検出パルスとに基づいて前記ディスク状記録媒体のインデックス位置を示すインデックス信号を出力する制御部とを備えたディスク駆動装置において、前記インデックス磁石は第1の磁極とこの第1の磁極と極性の異なる第2の磁極とを隣接して形成されると共に前記第1、第2の磁極を前記磁気センサに対向可能に設けられ、前記磁気センサは前記第1、第2の磁極の磁束を順に検出すると共に前記第2の磁極の磁束の値が所定の閾値を超えた場合に前記検出パルスを出力することを特徴とするディスク駆動装置。
- 第1の磁極の磁力の大きさと第2の磁極の磁力の大きさは等しいことを特徴とする請求項1に記載のディスク駆動装置。
- 磁気センサは第1、第2の磁極の磁束を順に検出してそれぞれの磁束に対応した第1、第2の検出波形を順に生成し、前記第2の検出波形の示す磁束の値が所定の閾値を超えた場合に検出パルスを出力することを特徴とする請求項1に記載のディスク駆動装置。
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