JPH1155996A - 同期型電動機の可動子位置検出方法および可動子位置検出装置 - Google Patents

同期型電動機の可動子位置検出方法および可動子位置検出装置

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JPH1155996A
JPH1155996A JP9221125A JP22112597A JPH1155996A JP H1155996 A JPH1155996 A JP H1155996A JP 9221125 A JP9221125 A JP 9221125A JP 22112597 A JP22112597 A JP 22112597A JP H1155996 A JPH1155996 A JP H1155996A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポールセンサのような固定子と可動子の相対
位置を検出するための専用のセンサを用いることなく、
固定子と可動子の相対位置を検出できる同期型電動機の
可動子位置検出方法および可動子位置検出装置を提供す
る。 【解決手段】 ステッピングモータ1などの同期型電動
機の運転開始時または運転再開時に、ある特定の固定子
極または固定子極群を所定の極性に励磁した場合におけ
るその励磁された極に対する可動子12の挙動により可
動子12の初期位置を検出し、その検出された初期位置
を用いてその後の可動子12の位置を検出するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同期モータ、ステ
ッピングモータ、直線運動型同期モータのような同期型
電動機の可動子位置検出方法および可動子位置検出装置
に関する。さらに詳しくは、ポールセンサのような固定
子と可動子の相対位置を検出するための専用のセンサを
用いることなく、同期型電動機の可動子位置を検出でき
る同期型電動機の可動子位置検出方法および可動子位置
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステッピングモータは、マグネットロー
タ(可動子)(以下、単にロータということもある)の
磁極とステータコイル(励磁コイル)の磁力との相互作
用によりマグネットロータを回転させるもので、この場
合、図8に示すように、マグネットロータaのN極をス
テータ(固定子)bの励磁コイルL4に相対させ、つい
で励磁コイルL1をS極に励磁すると最大効率でマグネ
ットロータaを回転させることができる。このように、
ステッピングモータcにおいてはロータaの位置に対応
してステータbの励磁コイルを適切に選定して効率よく
ロータaに回転力を与える必要があり、そのためロータ
aの位置を精度良く検出しなければならない。
【0003】そこで、従来よりポールセンサと称される
ステータbとロータaの相対位置を検出するためのセン
サと、インクリメンタルセンサと称されるロータaの回
転変位を高い分解能でもって検出するセンサとを組み合
わせることにより、位置検出の分解能を向上させること
が一般的になされている。これは、ポールセンサの分解
能を上げようとするとポールセンサの大型化およびコス
ト上昇が著しいため、その回避策として採用されている
方法あるいは構成である。
【0004】しかしながら、前記従来の方法あるいは構
成においては、2種類のセンサが用いられているところ
から、構造の複雑さを招来するという問題ばかりでな
く、ポールセンサ自体が高価であるところから検出装置
が高価になるという問題も有している。
【0005】なお、この問題は前記ステッピングモータ
cに特有のものではなく、同期型電動機に共通した問題
であることは言うまでもない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、ポールセンサの
ような固定子と可動子の相対位置を検出するための専用
のセンサを用いることなく、固定子と可動子の相対位置
を検出できる同期型電動機の可動子位置検出方法および
可動子位置検出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の同期型電動機の
可動子位置検出方法は、同期型電動機の運転開始時また
は運転再開時に、ある特定の固定子極または固定子極群
を所定の極性に励磁した場合におけるその励磁された極
に対する可動子の挙動により可動子の初期位置を検出す
ることを特徴とする。
【0008】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第1形態は、励磁されたある特定の固定子極の位置
をその励磁された固定子極の極性に対応する可動子極の
位置とすることを特徴とする。
【0009】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第2形態は、ある特定の固定子極を異なる電流パタ
ーンにより励磁した場合における可動子の回転量の差、
およびその際に可動子に生成されるトルクと外力との釣
合い関係により可動子の初期位置を検出することを特徴
とする。
【0010】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第3形態は、二つの異なる固定子極をそれぞれ可動
子を動かし得る電流により励磁し、その際に可動子に生
成されるトルクと外力との関係により可動子の初期位置
を検出すること特徴とする。
【0011】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第4形態は、各固定子極を順次同一の極性になるよ
うに励磁し、その際の可動子の挙動により可動子の初期
位置を検出することを特徴とする。
【0012】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第5形態は、各固定子極を順次同一の極性になるよ
うに励磁し、ついで複数の固定子極の組合せごとに同時
に同一の極性になるように順次励磁し、その際の可動子
の挙動により可動子の初期位置を検出することを特徴と
する。
【0013】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第5形態においては、複数の固定子極を励磁する電
流値が所定の比率とされてもよい。
【0014】ここで、固定子極を励磁する時間は、例え
ば可動子を動かし得る最小時間とされる。
【0015】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第6形態は、回転磁界などのような交番移動磁界が
形成されるようにして各固定子極を励磁するとともにそ
の周波数を可動子が追従できないような周波数とし、そ
の際に可動子が生成する振動波形と励磁電流波形との位
相差により可動子の初期位置を検出することを特徴とす
る。
【0016】本発明の同期型電動機の可動子位置検出方
法の第6形態においては、励磁する電流値および/また
は電流周波数を変化させてもよい。
【0017】なお、前記により検出された可動子の初期
位置に基づいてその後の可動子の位置を可動子の回転量
により検出してもよい。
【0018】本発明の同期型電動機の可動子位置検出装
置は、可動子の回転量を検出する回転量検出手段と、前
記回転量検出手段により検出された回転量を積算するカ
ウント手段と、前記カウント手段によるカウント数に基
づいて可動子の位置を検出するものであって、その可動
子の初期位置として前記方法により検出された初期位置
を用いることを特徴とする。
【0019】ここで、前記回転量検出手段は、例えばイ
ンクリメンタルセンサとされる。
【0020】
【作用】本発明は前記の如く構成されているので、ポー
ルセンサを用いることなく起動時あるいは再起動時にお
けるロータなどの可動子の位置、すなわちロータなどの
可動子の初期位置を検出できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明はかか
る実施の形態のみに限定されるものではない。
【0022】実施の形態1 本発明の実施の形態1のロータ位置検出方法(以下、単
に検出方法という)によるロータ位置検出装置(以下、
単に検出装置という)Dを備えたステッピングモータ1
の概略図を図1に示し、このステッピングモータ1は、
ステッピングモータ本体10と、このステッピングモー
タ本体10に設けられた、ロータ(可動子)の回転量を
検出する回転量検出手段20、例えばインクリメンタル
センサ20Aと、このステッピングモータ本体10を駆
動するための駆動装置30とを主要構成要素としてな
る。また、この駆動装置30は制御装置40と電力増幅
器50とを主要構成要素としてなる(図1参照)。
【0023】そして、この実施の形態1では、前記イン
クリメンタルセンサ20Aと、前記制御装置40に設け
られたインクリメンタルセンサ20Aからのパルス数を
カウントするパルスカウント部41およびそのパルスカ
ウント部41によりカウントされたパルス数に基づいて
ロータ位置を算出するロータ位置算出部42を有するロ
ータ位置検出手段43により検出装置Dが構成される。
【0024】次に、図1および図2を参照しながらかか
る構成とされている検出装置Dによるロータ位置の検出
について説明する。
【0025】(1)ステッピングモータ1の起動時ある
いは再起動時にある極を所定の極性に励磁する。例えば
第1極11をS極に励磁する。
【0026】(2)これにより、ロータ12の対応する
極、すなわちN極がその励磁された極に引き込まれる
(図2参照)。つまり、ロータ12の対応する極を励磁
された極に相対させることによりロータ12を初期化す
る。例えば、ロータ12のN極をS極に励磁されている
第1極11に相対させることにより初期化する。
【0027】(3)ロータ12の初期化が完了したと推
定される時間経過後にパルスカウント部41をリセット
する。
【0028】(4)パルスカウント部41がリセットさ
れた後、ステッピングモータ1を起動する。つまり、ス
テッピングモータ1に所定動作をさせる。
【0029】(5)ステッピングモータ1の起動に伴い
インクリメンタルセンサ20Aによりカウントされたカ
ウント数がパルスカウント部41に送出される。
【0030】(6)パルスカウント部41は入力された
カウント数を積算してロータ位置算出部42に送出す
る。
【0031】(7)ロータ位置算出部42は入力された
積算値に基づいて常法によりロータ位置を算出する。
【0032】このように、この実施の形態1によればポ
ールセンサを用いることなく、インクリメンタルセンサ
20Aなどのようなロータ12の回転量を検出する回転
量検出手段20のみでロータ12の位置を検出できる。
また、用いる検出手段が一つでよいことから検出装置D
の構成が簡素化される。そして、それに伴ってステッピ
ングモータ1の構成も簡素化されるので、ステッピング
モータ1を低コストにできる。
【0033】実施の形態2 本発明の実施の形態2の検出方法の原理を図3に示す。
この実施の形態2の検出方法は、ある特定の極を2段階
的に励磁し、この2段階的に励磁した際のロータ位置の
位相差Δθによりロータ12の初期位置を検出するもの
である。
【0034】例えば、第1極11を電流値i1の所定幅
のパルス電流で励磁し、ついでこの電流値i1より大き
い電流値i2の所定幅のパルス電流で励磁する(図3参
照)。その場合、図3に示すように電流値i1のパルス
電流で励磁した際にロータ12がバランスした位相角を
θ1とし、またその時におけるロータ12のトルクをT
m1とする。一方、電流値i2のパルス電流で励磁した際
にロータ12がバランスした位相角をθ2とし、またそ
の時におけるロータ12のトルクをTm2とする。そし
て、励磁された第1極11の位相角をψとすると下記各
式が成立する。
【0035】 Tm1=Tm2=TL (1) Tm1=K*i1sin(ψ−θ1) (2) Tm2=K*i2sin(ψ−θ2) (3) Δθ=θ2−θ1 (4) ここに、TL:負荷トルク、K:係数
【0036】しかして、Δθはインクリメンタルセンサ
20Aからのパルスにより測定可能であるから、このΔ
θを用いて常法によりθ1あるいはθ2を算出し、その算
出されたθ1あるいはθ2を初期位置とすることによりロ
ータ12の初期位置を検出できる。
【0037】なお、この実施の形態2のその余の構成お
よび作用・効果は実施の形態1と同様とされている。
【0038】このように、この実施の形態2によればロ
ータ12に負荷が作用していることにより、ロータ12
を初期化した際にロータ12が励磁されている極に相対
する位置に来ない場合においても、ロータ12の初期位
置を検出できる。
【0039】実施の形態3 本発明の実施の形態3の検出方法の原理を図4に示す。
この実施の形態3の検出方法は、ある特定の二つの極を
それぞれロータ12を動かし得る最小の電流imで励磁
することによりロータ12の初期位置を検出するもので
ある。ここで、ロータ12を動かし得る最小の電流値i
mは、例えばパルス電流の電流値を徐々に上げていき、
インクリメンタルセンサ20Aによってロータ12が動
きだすことを検出し、その時の電流値を最小の電流値i
mとすることにより得られる。
【0040】例えば、第1極11を電流値im1の所定幅
のパルス電流で励磁し、ついで第2極13を電流値im2
の所定幅のパルス電流で励磁する(図4参照)。そし
て、ロータ12の位相角をθとし、また第1極11およ
び第2極13を励磁した際のロータ12のトルクをそれ
ぞれTm1およびTm2とし、励磁された第1極11および
第2極13の位相角をそれぞれψ1およびψ2とすると下
記各式が成立する。
【0041】 Tm1=Tm2=TL (5) Tm1=K*im1sin(ψ1−θ) (6) Tm2=K*im2sin(ψ2−θ) (7) ここに、TL:負荷トルク、K:係数
【0042】しかして、前記三式を用いて常法によりθ
を算出し、その算出されたθを初期位置とすることによ
りロータ12の初期位置を検出できる。
【0043】なお、この実施の形態3のその余の構成お
よび作用・効果は実施の形態1と同様とされている。
【0044】このように、この実施の形態3によればロ
ータ12に負荷が作用していることにより、ロータ12
を初期化した際にロータ12が励磁されている極に相対
する位置に来ない場合においてもロータ12の初期位置
を検出できる。しかも、この実施の形態3は実施の形態
2に比較してロータ12の動きを小さくしてロータ12
の初期位置を検出できるので、負荷が作用している場合
におけるロータ12の動きが制限されているときにとり
わけ有効である。
【0045】実施の形態4 本発明の実施の形態4の検出方法の原理を図5を用いて
説明する。この実施の形態4の検出方法は、各極を順次
ロータ12を動かし得る電流値、例えば最小の電流値i
mで同一極性となるように励磁することによりロータ1
2の初期位置を検出するものである。この場合、各極を
励磁する時間はロータ12がわずかしか動かない時間と
する。すなわち、インクリメンタルセンサ20Aの1〜
2ピッチ程度の動きでロータ12の移動方向を判断す
る。
【0046】例えば、四極のステッピングモータ1にお
いて図5に示すような位置にロータ12があるとし、つ
まりロータ12のN極が第1極11と第2極13との間
にあるとし、また図5に示すように、第1極11と第2
極13との間を第I象限と第II象限とに等分し、第2
極13と第3極14との間を第III象限と第IV象限
とに等分し、第3極14と第4極15との間を第V象限
と第VI象限とに等分し、第4極15と第1極11との
間を第VIIと第VIII象限とに等分する。そして、
第1極11を同極がS極となるような電流 で励磁すれ
ば、ロータ12のN極は、第1極11の方向に動く。す
なわち、ロータ12の支持軸は反時計方向に回転する。
ついで、第2極13を同極がS極となるような電流 で励
磁すれば、ロータ12のN極は、第2極13の方向に動
く。すなわち、ロータ12の支持軸は時計方向に回転す
る。ついで、第3極14を同極がS極となるような電流
で励磁すれば、ロータ12のN極は、第2極13の方向
に動く。すなわち、ロータ12の支持軸は時計方向に回
転する。ついで、第4極15を同極がS極となるような
電流 で励磁すれば、ロータ12のN極は、第1極11の
方向に動く。すなわち、ロータ12の支持軸は反時計方
向に回転する。
【0047】このように、ステータ11,13,14,
15を順次同一極性となるように励磁すれば、ロータ1
2の位置に応じてロータ12の支持軸の回転方向が規定
されるので、その回転方向のパターンを観察すれば、ロ
ータ12がどの象限にあるかが検出できる。例えば、前
記のように第1極から順次S極に励磁し、それにつれて
ロータ12の支持軸の回転方向が、反時計方向ー時計方
向ー時計方向ー反時計方向と変化すれば、ロータ12の
N極が第1極11と第2極13との間、つまり第I象限
と第II象限とのいずれかに存在しているのが検出でき
る。
【0048】このように、この実施の形態4によればス
テータ11,13,14,15を順次同一の極性となる
ように励磁し、その時のロータ12の回転方向のパター
ンを観察するだけで、ロータ12がどの象限にあるかが
検出できる。つまり、ロータ12の初期位置を検出でき
る。
【0049】実施の形態5 本発明の実施の形態5の検出方法の原理を同じく図5を
用いて説明する。この実施の形態5は実施の形態4を改
変したものであって、実施の形態4により検出されたロ
ータ12が存在している象限をさらに限定するものであ
る。すなわち、実施の形態4によりロータ12の存在し
ている象限を検出した後、隣接する二つの極の組合せを
順次ロータを動かし得る電流値、例えば最小の電流値i
mで同時に同一の極性となるように励磁することにより
ロータ12の初期位置を検出するものである。この場合
も各極を励磁する時間はロータ12がわずかしか動かな
い時間とする。すなわち、インクリメンタルセンサ20
Aの1〜2ピッチ程度の動きでロータ12の移動方向を
判断する。
【0050】例えば、実施の形態4と同様の位置にロー
タ12があるとし、また実施の形態4と同様に各象限を
設定し(図5参照)、そして第1極11および第2極1
3を両極が同時にS極となるような電流 で励磁すれば、
ロータ12のN極は第2極13の方向に動く。すなわ
ち、ロータ12の支持軸は時計方向に回転する。つい
で、第2極13および第3極14を両極が同時にS極と
なるような電流 で励磁すれば、ロータ12のN極は第2
極13の方向に動く。すなわち、ロータ12の支持軸は
時計方向に回転する。ついで、第3極14および第4極
15を両極が同時にS極となるような電流 で励磁すれ
ば、ロータ12のN極は第1極11の方向に動く。すな
わち、ロータ12の支持軸は反時計方向に回転する。つ
いで、第4極15および第1極11を両極が同時にS極
となるような電流 で励磁すれば、ロータ12のN極は第
1極11の方向に動く。すなわち、ロータ12の支持軸
は反時計方向に回転する。
【0051】このように、隣接するステータ11と1
3,13と14,14と15,15と11の各組合せを
順次同時に同一極性となるように励磁すれば、ロータ1
2の位置に応じてロータ12の支持軸の回転方向が規定
されるので、その時の回転方向のパターンを観察すれ
ば、ロータ12がどの象限にあるかが検出できる。例え
ば、前記のように第1極11および第2極13、第2極
13および第3極14、第3極14および第4極15、
第4極15および第1極11の各組合せを順次同時にS
極に励磁し、それにつれてロータ12の支持軸の回転方
向が、時計方向ー時計方向ー反時計方向ー反時計方向と
変化すれば、ロータ12のN極が第1極11近傍、つま
り第I象限と第VIII象限とのいずれかに存在してい
るのが検出できる。したがって、この結果と実施の形態
4の結果を組合せることによりロータ12のN極は両方
の共通する象限にあると検出できる。つまり、第I象限
にあると検出できる。
【0052】このように、この実施の形態5によればス
テータ11,13,14,15を順次同一の極性となる
ように励磁し、ついで隣接する一対の極11と13,1
3と14,14と15,15と11ごとに同時に同一の
極性となるように順次励磁するだけで、ロータ12がど
の象限にあるのかがより精度よく検出できる。
【0053】この場合においてさらに精度を上げたいと
きは、例えば第1極11と第2極13の電流値が5:2
となるようにして第1極11および第2極13の組合せ
をS極に励磁する。そして、このように第1極11およ
び第2極13を励磁した場合、第1極11および第2極
13の合成S極は図6においてα方向、つまり第1極1
1に対して約22度(arctan2/5≒22°)の方向となる
ので、ロータ12のN極が図6においてI−1にあれば
ロータ12は時計方向に動き、ロータ12のN極が図6
においてI−2にあればロータ12は反時計方向に動
く。したがって、このようにすればロータ12の位置を
さらに限定できる。すなわち、ロータ12の初期位置を
より精度よく検出できる。
【0054】なお、この処理を収束的に繰り返すことに
より、より一層精度よくロータ12の位置を検出でき
る。例えば、ロータ12のN極がI−1にあれば、第1
極11と第2極13の合成磁極が第1極11側になるよ
うに第1極11および第2極13の組合せを同時に励磁
すればよい。例えば5:1に同時に励磁すればよい。
【0055】実施の形態6 本発明の実施の形態6のロータ12の位置検出方法は、
次のようにしてロータ12の初期位置を検出するもので
ある。すなわち、図2および図5に示すような構成のス
テッピングモータ本体10内に連続的に回転磁界が発生
するように各極11,13,14,15を励磁し、しか
もその回転周波数をロータ12が追従できないような高
い周波数にすると、ロータ12は初期位置の近傍を中心
として振動する。この振動は、回転磁界がロータ12の
磁極と一致した時に最高値を取る一方、回転磁界がロー
タ12の磁極と正反対になった時に最低値を取る。した
がって、時計方向に回転する回転磁界で各極11,1
3,14,15を励磁した場合において、ロータ12の
N極が第1極11に対して時計回り方向にΔθの位置に
あれば、第1極11がS極となったΔθ後にロータ12
の振動は最低値を取る。つまり、第1極11を励磁する
回転磁界とロータ12の振動とにはΔθの位相差が発生
する。そこで、この位相差Δθを検出することによりロ
ータ12の初期位置を検出できる。
【0056】例えば、四極のステッピングモータ本体1
0のステータ11,13,14,15を順次所定の高周
波数の電流(図7(a)、(b)参照)で励磁したとき
に、図7(c)に示ようなロータ12の振動波形が得ら
れたとする。そして、ロータ12の振動波形が第1極1
1を励磁している電流波形と位相差Δθの遅れを有して
いれば、ロータ12は第1極より時計方向にΔθの角度
をなす位置にあると検出できる。なお、図7(a)、
(b)において+側はS極を形成する電流方向を示す一
方、−側はN極を形成する電流方向を示す。そして、図
7(a)、(b)に示す電流波形により励磁すれば、回
転磁界は時計方向に回転する。また、図7(c)におい
て+側への動き(微分値として+)は反時計方向にロー
タ12が移動することを示し、−側への動きは(微分値
として−)は時計方向にロータ12が移動することを示
す。そして、図7(a)、(b)および(c)の波形関
係にあれば、ロータ12のN極の位置は第1極11より
時計方向回りにΔθの位置にある。
【0057】このように、この実施の形態6によれば、
ステッピングモータ本体10内に回転磁界が形成される
ように各磁極11,13,14,15を所定周波数の電
流で励磁し、その際にロータ12に発生する振動を計測
し、ついでこの振動波形のある特定の磁極、例えば第1
極11の励磁電流波形との位相差Δθを測定するという
簡単な処理によりロータ12の初期位置を検出できる。
【0058】なお、この実施の形態6において、各磁極
11,13,14,15を励磁する電流の周波数および
電流値を変化させ、それにより磁界強度を変化させてロ
ータ12の振動を測定すると、ロータ12の慣性、軸摩
擦力、ステッピングモータの負荷などの影響を少なくで
きる。したがって、ロータ12の初期位置をより精度よ
く検出できる。また、この実施の形態6を直線運動型ス
テッピングモータに適用する場合には、回転磁界に替え
て交番移動磁界が用いられる。
【0059】なお、前記各実施の形態においては説明の
簡略化のため、各磁極の励磁はS極になるようにしてい
るが、回転運動型電動機の場合にはそれと同時に、S極
に励磁されている磁極と軸対称な磁極をN極になるよう
に励磁することは、ロータへの力が回転力として有効に
働くため、より好ましいことは言うまでもない。
【0060】以上、本発明を実施の形態に基づいて説明
してきたが、本発明はかかる実施の形態のみに限定され
るものではなく、種々改変が可能である。例えば実施の
形態では同期型電動機として回転運動型ステッピングモ
ータを例に説明してきたが、回転運動型ステッピングモ
ータに限定されず、直線運動型ステッピングモータにも
適用でき、さらには各種の同期型電動機にも適用でき
る。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ポールセンサのような固定子と可動子との相対位置を検
出するための専用センサを用いることなく、可動子の初
期位置を検出できるという優れた効果が得られる。ま
た、可動子の初期位置を検出できるので、その後の可動
子の位置も把握でき、それにより常に最大効率で同期型
電動機を稼働させることができるという優れた効果も得
られる。さらに、ポールセンサを用いることなく、可動
子の回転量を検出する回転量検出手段にのみにより可動
子の位置を検出できるので、同期型電動機の構成を簡素
化できるとともに、その低コスト化を達成できるという
優れた効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータの位置検出装置を備えたステッ
ピングモータの概略図である。
【図2】ロータが初期化される様子を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態2の検出方法の原理を示す
説明図である。
【図4】本発明の実施の形態3の検出方法の原理を示す
説明図である。
【図5】本発明の実施の形態4および実施の形態5の検
出方法の原理を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施の形態5の改変例における検出方
法の原理を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態6における励磁電流波形と
ロータの振動波形を示すグラフである。
【図8】ステッピングモータの駆動原理を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ 10 ステッピングモータ本体 11 第1極(ステータ) 12 ロータ 13 第2極(ステータ) 14 第3極(ステータ) 15 第4極(ステータ) 20 回転量検出手段 20A インクリメンタルセンサ 30 駆動手段 40 制御装置 50 電力増幅器 D ロータ位置検出装置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期型電動機の運転開始時または運転再
    開時に、ある特定の固定子極または固定子極群を所定の
    極性に励磁した場合におけるその励磁された極に対する
    可動子の挙動により可動子の初期位置を検出することを
    特徴とする同期型電動機の可動子位置検出方法。
  2. 【請求項2】 励磁されたある特定の固定子極の位置を
    その励磁された固定子極の極性に対応する可動子極の位
    置とすることを特徴とする請求項1記載の同期型電動機
    の可動子位置検出方法。
  3. 【請求項3】 ある特定の固定子極を異なる電流パター
    ンにより励磁した場合における可動子の回転量の差、お
    よびその際に可動子に生成されるトルクと外力との釣合
    い関係により可動子の初期位置を検出することを特徴と
    する請求項1記載の同期型電動機の可動子位置検出方
    法。
  4. 【請求項4】 二つの異なる固定子極をそれぞれ可動子
    を動かし得る電流により励磁し、その際に可動子に生成
    されるトルクと外力との関係により可動子の初期位置を
    検出すること特徴とする請求項1記載の同期型電動機の
    可動子位置検出方法。
  5. 【請求項5】 各固定子極を順次同一の極性になるよう
    に励磁し、その際の可動子の挙動により可動子の初期位
    置を検出することを特徴とする請求項1記載の同期型電
    動機の可動子位置検出方法。
  6. 【請求項6】 各固定子極を順次同一の極性になるよう
    に励磁し、ついで複数の固定子極の組合せごとに同時に
    同一の極性になるように順次励磁し、その際の可動子の
    挙動により可動子の初期位置を検出することを特徴とす
    る請求項1記載の同期型電動機の可動子位置検出方法。
  7. 【請求項7】 複数の固定子極を励磁する電流値が所定
    の比率とされてなることを特徴とする請求項6記載の同
    期型電動機の可動子位置検出方法。
  8. 【請求項8】 固定子極を励磁する時間が可動子を動か
    し得る最小時間とされてなることを特徴とする請求項4
    ないし請求項7記載の同期型電動機の可動子位置検出方
    法。
  9. 【請求項9】 交番移動磁界が形成されるようにして各
    固定子極を励磁するとともにその周波数を可動子が追従
    できないような周波数とし、その際に可動子が生成する
    振動波形と励磁電流波形との位相差により可動子の初期
    位置を検出することを特徴とする請求項1記載の同期型
    電動機の可動子位置検出方法。
  10. 【請求項10】 励磁する電流値および/または電流周
    波数を変化させることを特徴とする請求項9記載の同期
    型電動機の可動子位置検出方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10に記載され
    た方法により検出された可動子の初期位置に基づいてそ
    の後の可動子の位置を可動子の回転量により検出するこ
    とを特徴とする同期型電動機の可動子位置検出方法。
  12. 【請求項12】 可動子の回転量を検出する回転量検出
    手段と、前記回転量検出手段により検出された回転量を
    積算するカウント手段と、前記カウント手段によるカウ
    ント数に基づいて可動子の位置を検出する同期型電動機
    の可動子位置検出装置であって、その可動子の初期位置
    として請求項1ないし請求項10に記載された方法によ
    り検出された初期位置を用いることを特徴とする同期型
    電動機の可動子位置検出装置。
  13. 【請求項13】 前記回転量検出手段がインクリメンタ
    ルセンサとされてなることを特徴とする請求項12記載
    の同期型電動機の可動子位置検出装置。
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