JP3590029B2 - 発酵茶飲料、半発酵茶飲料の製造法 - Google Patents

発酵茶飲料、半発酵茶飲料の製造法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は香味が高く、雑味が少なく、後味の良好な発酵茶飲料及び半発酵茶飲料の製造法及びこの製造法により得られる発酵茶飲料及び半発酵茶飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
紅茶、烏龍茶等の発酵茶飲料及び半発酵茶飲料が多数上市されている。これらの飲料は通常、加熱殺菌され容器詰めされるが、当該加熱殺菌の際異臭が発生したり、風味が変化する等の問題がある。
【0003】
殺菌処理を施す容器詰飲料の風味を改善する方法についてはいくつかの技術が開示されている。例えば、特開2001−231450においては殺菌処理による異臭の原因となる成分を除去した二煎目以降の緑茶抽出液のみを使用した緑茶缶飲料の製造方法が開示されている。この方法では抽出液からのカテキン類の抽出とレトルト臭の抑制に主眼がおかれているために、一煎目を使用できないという工程上の制約がある。
【0004】
一方、特開平11−113491号には煎茶や烏龍茶などの茶類飲料の製造方法において、茶類を20℃以下の冷水で抽出した冷水抽出液を除去した後、該残渣を30〜95℃の温水で再抽出することにより、殺菌による加熱臭を抑制する技術が開示されている。しかしながら、この方法においても一煎目を使用できないという問題が解決されておらず、前記と同様の課題が残る。また一煎目の冷水抽出の条件が的確ではない為に、二煎目における“雑味”発生を抑制できていないという問題がある。
またこれら二つの先行技術においては一煎目を使用できないことから、“香り”成分が失われると共にアミノ酸、糖類、有機酸類などのいわゆる旨味成分のない飲料になってしまうという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、殺菌処理を施した飲料においても紅茶や烏龍茶の“香り”が強く“雑味”が低減され、“後味”が改良された発酵茶飲料又は半発酵茶飲料の効率的な製造法とそのようにして得られる発酵茶飲料又は半発酵茶飲料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、発酵茶葉又は半発酵茶葉からの抽出手法について検討したところ、発酵茶葉又は半発酵茶葉を10℃未満の冷水にて抽出を行い、この抽出残渣から50℃以上の温水で抽出し、二つの工程によって得られた抽出液を混合し、次いで殺菌処理することによって、“香り”が強く、“雑味”が少なく、すっきりした“後味”の発酵茶飲料又は半発酵茶飲料が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は発酵茶葉又は半発酵茶葉を−5〜9℃の水で抽出し(第一工程)、第一工程の抽出残渣から50〜100℃の温水で抽出し(第二工程)、第一工程で得られた抽出液と第二工程で得られた抽出液を混合し、次いで殺菌処理を施す発酵茶飲料又は半発酵茶飲料の製造法、及び当該方法により得られる発酵茶飲料又は半発酵茶飲料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する茶葉としては、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica及び、やぶきた種、又はそれらの雑種から得られる茶葉から半発酵又は発酵工程を経て製茶された、紅茶、烏龍茶、黒茶等が挙げられる。このうち、発酵茶葉としては紅茶葉が、半発酵茶葉としては烏龍茶がそれぞれ好ましい。
【0009】
本発明の第一工程は、発酵茶葉又は半発酵茶葉を10℃未満の水で抽出する工程である。10℃以上の温度の水による抽出では最終的に得られた飲料の“雑味”の低減効果、“後味”の改善効果及び殺菌処理後の“香り”の強さが十分ではない。好ましい水温は−5〜9℃であり、より好ましくは−5〜8℃であり、更に好ましくは−5〜5℃である。あまり水温が低すぎると凍結の防止が困難であり、またエネルギー消費が大きくなり、好ましくない。
【0010】
抽出に用いる水の量は、発酵茶葉又は半発酵茶葉に対して2〜40重量倍、特に5〜25重量倍が好ましい。抽出時間は抽出方法及び抽出の際のスケールに依存するが1〜120分程度が好ましく、より好ましくは1〜100分、更に好ましくは1〜80分である。使用する水は水道水、蒸留水、イオン交換水などどれでも良いが、味の面からイオン交換水が好ましい。
【0011】
抽出方法は、撹拌抽出など従来の方法により行うことができる。特に第一工程についてはカラム中に茶葉を充填し、これに冷却水を通過させる方法が、茶葉繊維を痛めず不溶成分のきょう雑を回避する点で好ましい。カラムの配置は縦形(垂直)でも横形(水平)でもよい。カラムの配置が垂直の場合、内部に充填されている茶葉に対する冷水の流入方法はアップフローでもダウンフローでもよい。茶葉の沈降を抑え、液流速による抵抗を抑える意味ではアップフローが好ましく、カラム内の残液排出を簡便にする目的からはダウンフローが好ましい。ここでいうカラムとはいわゆる塔型の充填塔タイプでも、また単なるベッセル内に茶葉を充填したものでもよく、茶葉組織に対し過度の機械的シェアを与えないタイプから選ばれる。ベッセル内で攪拌翼を使用する場合は攪拌せん弾力の低いタイプの羽根形状が好ましく、攪拌回転数は抽出効率との兼ね合いから可能な限り低い方が好ましい。抽出時の水に、あらかじめアスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。また煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を用いてもよい。抽出液のpHとしては3〜7、特に4〜7が好ましい。
【0012】
本発明の第二工程は、第一工程の抽出残渣から50℃以上の温水で抽出する工程である。50℃未満の温水による抽出では、最終的に得られた飲料の“雑味”の低減効果及び“後味”の改善効果が十分でないばかりでなく、“香り”の高い飲料が得られない。この第二工程において抽出される主要な成分はポリフェノール類であり、目的とする風味に応じて抽出温度を選ぶのが好ましい。60〜100℃における抽出が抽出効率の面から好ましく、70〜100℃が更に好ましい。
【0013】
第二工程の抽出に用いる水の量は抽出残渣に対して2〜40重量倍、特に5〜25重量倍が好ましい。抽出時間は抽出方法及び抽出の際のスケールに依存するが、高温のため雑味等の発生を抑制する目的で1〜60分が好ましく、より好ましくは1〜40分、更に好ましくは1〜30分である。なお、抽出方法は、第一工程と同じ方法が採用できる。
【0014】
次に、第一工程で得られた抽出液(A)と第二工程で得られた抽出液(B)を混合する。第一工程の抽出液(A)と第二工程の抽出液(B)の混合比率は目的とする飲料に期待する呈味に応じて任意に決定されるが、第一工程で得られる抽出液(A)と第二工程で得られる抽出液(B)の混合重量比率(A/B)は、発酵茶飲料又は半発酵茶飲料中の苦味成分であるポリフェノール類濃度の確保、及び発酵茶又は半発酵茶の風味の維持の点から、6/1〜1/6が好ましく、より好ましくは4/1〜1/5、更に好ましくは2/1〜1/3である。
【0015】
次に当該混合液は殺菌処理される。殺菌処理は加熱殺菌であればよく、容器等に充填した後に行ってもよいし、充填前に行ってもよい。より具体的には、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行なわれる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。
【0016】
本発明により、殺菌処理後においても高い“香り”を含有しながらも、“雑味”が少なく、“後味”の良好な飲料の製造が可能となる。ここでポリフェノール類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類などの非重合カテキン類とそれらの重合物をあわせての総称である。ここでいう非重合カテキン類の40〜80重量%、特に半発酵茶飲料では40〜60重量%、発酵茶飲料では50〜80重量%がカテキンの没食子酸エステルであるのが、味のバランスの点で好ましい。ここで当該カテキンの没食子酸エステル含有率(ガレート体率)とはカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの総量を上記の8種のカテキン類の総量で除した値である。
【0017】
本発明の発酵茶飲料又は半発酵茶飲料には、更に酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、苦味調整剤、酸味料、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
【0018】
例えば甘味料としては、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、スクラロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、環状デキストリンが挙げられる。環状デキストリンとしては、α−、β−、γ−シクロデキストリン及び、分岐のα−、β−、γ−シクロデキストリンが使用できる。環状デキストリンは、本発明の発酵茶飲料又は半発酵茶飲料中に0.01〜0.3重量%、特に0.01〜0.2重量%含有することができる。酸味料としては、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が、有機酸類、有機酸塩類としてはクエン酸、コハク酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。また乳成分を加えてもよい。
【0019】
また本発明の発酵茶飲料又は半発酵茶飲料には、抗酸化剤としてのアスコルビン酸又はその塩を抽出工程で又は抽出後に添加することができる。発酵茶飲料又は半発酵茶飲料中におけるアスコルビン酸又はその塩の濃度は、抗酸化効果及び味の点から0.01〜0.2重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.15重量%、更に好ましくは0.03〜0.1重量%である。
【0020】
本発明の発酵茶飲料又は半発酵茶飲料は容器詰飲料とするのが好ましく、容器詰飲料に使用される容器としては、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などが挙げられる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、殺菌処理後においても高い“香り”を持つとともに“雑味”が少なく、“後味”の良好な発酵茶飲料又は半発酵茶飲料が得られる。
これらの効果の発現メカニズムについては明らかではないが、以下のように考えられる。
茶葉中にはカテキン類やアミノ酸類などの他、多様な成分が濃縮状態で存在している。しかしながら10℃以上の抽出条件においては茶葉と水分が共存するために茶葉中に含まれる成分間の反応が促進され、これらの悪影響を発現する成分が生成するものと考えられる。一方、10℃未満の抽出条件においてはこれらの反応が進行することなく、反応関与成分の片方もしくは両方が抽出希釈された状態におかれる。その結果、希釈状態での加熱によってはこれらの“雑味”を発現する成分の生成が極度に抑えられるものと考えられる。
一方、加熱殺菌処理においてもいわゆる“紅茶感”や“烏龍茶感”といわれる非常に高い“香り”が保たれている理由としては、香りの成分を分解する触媒の生成が低温抽出を施すことにより抑えられるものと推察される。
【0022】
【実施例】
カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)で濾過した飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(形式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmΦ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
総ポリフェノール類の測定
フィルター(0.8μm)で濾過した飲料と酒石酸鉄試薬(硫酸第1鉄水和物と酒石酸ナトリウムカリウム4水和物を水に溶解して、調製)を混合後、日立製分光光度計にて、540nmでの吸光度の測定を行った。ポリフェノールの検量線としては、没食子酸エチルを基準物質として、作成し、試料中のポリフェノール量を算出した。
【0023】
以下の実施例、比較例に関しては、飲料の1重量パーセントに相当する重量の茶葉から得られる抽出液を飲料中に配合することとして比較を行った。飲料の調製には第一工程の抽出液と第二工程の抽出液の量を等しくした。
【0024】
実施例1
烏龍茶葉(色種ホールリーフ)100gを内径7cm、高さ40cmの抽出用カラムに充填し、ポンプにて5℃の冷却水1500mLを毎分500mL、10分間アップフローで循環させ抽出を行った。抽出後、抽出液1426mLを回収し、抽出液1とした。抽出液1中の総ポリフェノール量は17mg/100mL、カテキン濃度は16mg/100mLであった。ついで85℃の温水1500mLを毎分500mL、20分間アップフローで循環させ抽出を行った。抽出後、抽出液1327mLを回収し、氷水で速やかに冷却し、抽出液2とした。抽出液2中の総ポリフェノール量は344mg/100mL、カテキン濃度は273mg/100mLであった。
抽出液1を110.1g、抽出液2を110.1g、アスコルビン酸0.8gにイオン交換水500gを加え、5%重曹水溶液にてpH6.3とし、更にイオン交換水を加え総量800gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行い実施例1の飲料を得た。飲料中のカテキン濃度は35mg/100mLであった。
【0025】
実施例2
表1に従い、実施例1と同様な方法にて実施例2の飲料を得た。
飲料中のカテキン濃度は43mg/100mLであった。
【0026】
実施例3
紅茶葉(ダージリン)200gを内径7cm、高さ40cmの抽出用カラムに充填し、ポンプにて5℃の冷水1500mLを毎分500mLで10分間アップフローで循環させ抽出を行った。抽出後、抽出液1270mLを回収し、抽出液1とした。抽出液1中の総ポリフェノール量は70mg/100mL、カテキン濃度は15mg/100mLであった。ついで85℃の温水1500mLを毎分500mL、20分間アップフローで循環させ抽出を行った。抽出後、抽出液1215mLを回収し、氷水で速やかに冷却し、抽出液2とした。抽出液2中の総ポリフェノール量は784mg/100mL、カテキン濃度は163mg/100mLであった。
抽出液1を49.7g、抽出液2を49.7g、アスコルビン酸0.8g、砂糖64gにイオン交換水550gを加え、5%重曹水溶液にてpH6.3とし、更にイオン交換水を加え総量800gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行い実施例3の飲料を得た。飲料中のカテキン濃度は8mg/100mLであった。
【0027】
実施例4
表1に従い、実施例3と同様な方法にて実施例4の飲料を得た。
飲料中のカテキン濃度は11mg/100mLであった。
【0028】
比較例1
表1に従い実施例1と同様な方法で比較例1の飲料を得た。
飲料中のカテキン濃度は39mg/100mLであった。
【0029】
比較例2
表1に従い実施例3と同様な方法で比較例2の飲料を得た。
飲料中のカテキン濃度は9mg/100mLであった。
【0030】
比較例3
烏龍茶葉(色種ホールリーフ)100gを内径7cm、高さ40cmの抽出用カラムに充填し、ポンプにて70℃の温水1500mLを毎分500mLで10分間循環させ抽出を行った。抽出後、抽出液1312mLを回収し、抽出液1とした。抽出液1中の総ポリフェノール量は176mg/100mL、カテキン濃度は151mg/100mLであった。抽出液1を104.9g、アスコルビン酸0.8gにイオン交換水600gを加え、5%重曹水溶液にてpH6.3とし、更にイオン交換水を加え総量800gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行い比較例3の飲料を得た。飲料中のカテキン濃度は19mg/100mLであった。
【0031】
比較例4
紅茶葉(ダージリン)200gを内径7cm、高さ40cmの抽出用カラムに充填し、ポンプにて70℃の温水1500mLを毎分500mLで10分間アップフローで循環させ抽出を行った。抽出後、抽出液1026mLを回収し、抽出液1とした。抽出液1中の総ポリフェノール量は741mg/100mL、カテキン濃度は154mg/100mLであった。抽出液1を41.0g、アスコルビン酸0.8g、砂糖64gにイオン交換水550gを加え、5%重曹水溶液にてpH6.3とし、更にイオン交換水を加え総量800gとした。これを缶に充填し、121℃にて20分間殺菌を行い実施例4の飲料を得た。飲料中のカテキン濃度は6mg/100mLであった。
【0032】
官能評価
香味に関する専門パネラー3名にて本発明の飲料(実施例1、2、3、4)及び比較の飲料(比較例1、2、3、4、)の評価を行った。評価項目は香り、飲用中の雑味、飲用後の後味であり、結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003590029
【0034】
実施例1、2の烏龍茶においては烏龍茶の香りが強く残っており、雑味がなく、後味もすっきりしていた。特に実施例1の香りは豊かであり、味に透明感があった。比較例1の烏龍茶においては香りが弱くなり、サポニンのような味が感じられ、後味にえぐみが感じられた。比較例3の烏龍茶については、香りが消失し、苦味・雑味が増し、後味に強い渋みが残った。全体的に味が濁った印象であった。
【0035】
実施例3、4の紅茶については軽い感じのアロマが残り、香りが豊かであった。雑味がなく、後味がすっきりしていた。特に実施例3は鼻に抜ける香りが豊潤であった。比較例2の紅茶については甘味料のため雑味、えぐみは目立たなかったが、紅茶の香りがかなり弱くなった。比較例4の紅茶については香りは消失し、甘味料が配合されているにもかかわらず、後味にえぐみが感じられた。

Claims (5)

  1. 発酵茶葉又は半発酵茶葉を−5〜9℃の水で抽出し(第一工程)、第一工程の抽出残渣から50〜100℃の温水で抽出し(第二工程)、第一工程で得られた抽出液(A)と第二工程で得られた抽出液(B)を混合し、次いで殺菌処理を施す発酵茶飲料又は半発酵茶飲料の製造法。
  2. 第一工程で得られる抽出液(A)と第二工程で得られる抽出液(B)の混合重量比(A/B)が6/1〜1/6である請求項1記載の発酵茶飲料又は半発酵茶飲料の製造法。
  3. 非重合体カテキン類を含有し、該非重合体カテキン類の40〜80重量%がカテキンの没食子酸エステルである請求項1又は2記載の発酵茶飲料又は半発酵茶飲料の製造法。
  4. 発酵茶葉が紅茶葉であり、半発酵茶葉が烏龍茶葉である請求項1〜3のいずれか1項記載の発酵茶飲料の製造法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造法により得られる発酵茶飲料又は半発酵茶飲料。
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