JP3589829B2 - 建築用ジッパーガスケットの取付構造 - Google Patents
建築用ジッパーガスケットの取付構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物においてガラス板や外壁板のような板材を固定するための建築用ジッパーガスケットの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図10に示すように、ガラス板(板材)1の端部10を嵌め込む板材嵌込溝21を有するゴム本体20とジッパー22とからなるジッパーガスケット2が知られている(たとえば、実開平6−47570号公報)。該ジッパーガスケット2は、ゴム本体20のジッパー溝23にジッパー22を嵌め込むことで、ゴム本体20における板材嵌込溝21の近傍部分24をガラス板1の側面に押し付けて、ガラス板1の端部をシールする。
【0003】
前記ジッパーガスケット2は、図11(a),(b)のような建物側の取付金物(取付部)30に取り付けられるのであるが、これらの図に示すように、コーナー部Cには取付金物30を設けられない場合があるため、以下に説明するように、該コーナー部Cにおけるシール性が低下する。
コーナー部以外の直線部Sでは、図10に示すように、ジッパーガスケット2のゴム本体20に被取付部25が一体に形成されており、該被取付部25が前記取付金物30にゴム弾性により嵌合して、ジッパーガスケット2が建物側に固定されている。しかし、コーナー部では、ゴム本体20が建物側に固定されておらず、そのため、ジッパーガスケット2が図10の上方に浮き上がって板材嵌込溝21の近傍部分24が十分にガラス板1に押し付けられず、シール性が低下する。
【0004】
また、図12に示すように、ジッパーガスケット2は枠状に形成されているのであるが、直線部Sとコーナー部Cとを比較すると、コーナー部Cでは、ジッパー22からゴム本体20の端までの距離Dが長く、そのため、シール性が低い。
【0005】
さらに、引張応力が働いた状態でゴムを用いるとゴムの経時的劣化を招くので、ジッパーガスケット2を、予め、5/1000〜8/1000程度長く形成して、該ジッパーガスケット2を軸方向(長手方向)に圧縮して取り付けている。そのため、コーナー部Cにおいては、二点鎖線で示すように、ジッパーガスケット2が歪み、その結果、見栄えが悪くなる上、シール性が一層低下する原因となる。
【0006】
ところで、図9のようなボルト100を多数用いてジッパーガスケット2を建物側に固定した取付構造が提案されている(たとえば、特開平4−115075号)。この取付構造によれば、コーナー部の固定が可能である。
【0007】
しかし、かかる従来の取付構造では、直線部およびコーナー部の双方をボルト100で固定するから、直線部にも所定のピッチでボルト挿通孔101を設ける必要があり、そのため、押出成形される直線部に、ボルト挿通孔101を機械加工で設ける必要がある。したがって、ジッパーガスケット2の製造性が低下する。
【0008】
また、補強用の長い金属板102を設ける必要があり、一方、前述のように、ジッパーガスケット2を予め長く作っておくので、ジッパーガスケット2のボルト挿通孔101と、金属板102のボルト挿通孔103のピッチが合わないから、施工性が著しく低下する。
【0009】
さらに、ボルト100をジッパー22側から挿入するので、雨水がジッパー溝23およびボルト挿通孔101などを介して建物内に浸入するおそれがある。
【0010】
したがって、本発明の主目的は、ジッパーガスケットの取付構造を改良することで、ジッパーガスケットのコーナー部のシール性を向上させることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成を図1および図2を用いて説明する。
ジッパーガスケット2の直線部は、従来と同様に、ゴム本体20に一体に形成された被取付部25が、図示しない建物側の取付部に嵌合されて固定される。一方、ゴム本体20のコーナー部Cは、ゴム本体20に一体に埋め込まれた(インサートされた)締結部材(ナット)3およびボルト4を介して建物側に固定される。
本発明において、直線部Sとはジッパーガスケット2自体が交差していない部分(非交差部)をいい、コーナー部Cとはジッパーガスケット2自体が交差している部分(交差部)をいう。
【0012】
本発明によれば、コーナー部Cが締結部材3により建物側に固定されるので、コーナー部のシール性が向上する。
なお、締結部材3におけるジッパー22側は、図2に示すように、ゴム本体20で包まれているのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
ジッパーガスケット2の直線部Sの取付構造は、前述の図10の従来例と同様であり、したがって主に、コーナー部Cについて説明する。
【0014】
図3はコーナー部Cの取付構造を示す。
図3において、コーナー部Cのゴム本体20には、ゴム本体20の成形時にナット(締結部材)3が一体に埋め込まれている(インサートされている)と共に、ボルト4の挿通孔26が形成されている。前記ナット3には、ボルト4がねじ込まれており、該ボルト4が建物側の挿通孔5に挿通していることにより、コーナー部Cのジッパーガスケット2が建物側に固定されている。なお、前記ナット3は、図4の各コーナー部Cに設けられている。また、コーナー部Cおよびコーナー部Cの近傍部分はプレス成型され、一方、直線部Sは押出成型され、両部分を加硫接着して枠状のジッパーガスケット2が形成される。
【0015】
本取付構造によれば、図3のボルト4およびナット3によりコーナー部Cについても、ジッパーガスケット2を建物側に引っ張っておくことができるから、ジッパーガスケット2が図3の上方に浮き上がるのを防止し得る。したがって、コーナー部Cのシール性が向上する。
【0016】
また、図4の各コーナー部Cは締結部材3,4(図3)を介して固定されるので、ジッパーガスケット2の位置決めを容易に行うことができると共に、図12において二点鎖線で示すように、ジッパーガスケット2が歪むおそれもない。したがって、施工性が向上すると共に見栄えも良くなる。
【0017】
また、図3のボルト4の挿通孔26は、プレス成型するコーナー部Cについてのみ設けられ、図4の直線部Sについては設ける必要がないので、図9の従来例のように、機械加工を必要とせず、また、補強用の金属板102とピッチを合わせる必要もないので、製造性、施工性が向上する。
また、図3のナット3のジッパー22側がゴム本体20によって包まれているから、ジッパー22側から雨水が建物内に浸入するおそれもない。
【0018】
本発明において、ゴム本体20に一体に埋め込む締結部材(インサート)は、図5(a),(b)のように、フクロナット3Aや座付ナット3Bとしてもよい。また、図6(a)のように、ボルト4の頭部4aをゴムの成形時に一体に埋め込んでもよい。また、図6(b)のように、ボルト4Aの頭部4aの形状は問わない。更に、図6(a),(b)のようにロックナット3Cを設けてもよい。
【0019】
また、本発明では、締結部材自体を埋め込む必要はなく、図7のように、金属製の係合部材(係合金物)6の一部を埋め込んでもよい。係合部材6はボルト4の軸方向および回転方向にゴム本体20に係合するものであればよく、図7(a)のように、ナット3Dを溶着(溶接)しておいてもよいし、図7(b)のようにナットEを係合部材6内に挿入できる構造としてもよい。なお、図7(b)の場合、係合部材6の一組の対片6aがナット3Eの回り止めを構成する。
【0020】
また、本発明における直線部Sの取付構造は、図8のようにゴム本体20に形成した溝(被取付部)25に取付金物30を嵌め込むものであってもよい。また、図2,図5ないし図7のように、コーナー部Cにはジッパーがなくてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ジッパーガスケットの直線部(非交差部)については従来の一般的な取付構造とし、一方、コーナー部(交差部)についてはゴム本体に埋め込んだインサートを介して建物側に締結するので、コーナー部の固定力も大きくなる。したがって、コーナー部のシール性が向上する。
また、前記コーナー部の取付構造を利用してジッパーガスケットの位置決めを行うことにより位置決めが容易になると共に、コーナー部が歪むなどの不具合もない。
さらに、インサートであるから締結部材等をゴム本体内に包み込むことができるから、インサートの部分から雨水等が浸入するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるジッパーガスケットの屋内側の斜視図である。
【図2】同屋外側の斜視図である。
【図3】第2実施形態にかかるコーナー部の取付構造を示す断面図である。
【図4】ジッパーガスケットの屋外側からの正面図である。
【図5】第3実施形態にかかるジッパーガスケットのコーナー部の断面図である。
【図6】第4実施形態にかかるジッパーガスケットのコーナー部の断面図である。
【図7】第5実施形態にかかるジッパーガスケットのコーナー部の断面図である。
【図8】直線部の取付構造の一例を示す断面図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【図10】直線部の一般的な取付構造を示す断面図である。
【図11】建物側の取付部の構造を示す斜視図である。
【図12】従来のジッパーガスケットの正面図である。
【符号の説明】
1:板材
2:ジッパーガスケット
20:ゴム本体
21:板材嵌込溝
22:ジッパー
23:ジッパー溝
25:被取付部
3:ナット
4:ボルト
Claims (3)
- 板材の端部を嵌め込む板材嵌込溝とジッパーを嵌め込むジッパー溝とをゴム本体に形成したジッパーガスケットの前記ゴム本体を建物側に取り付ける建築用ジッパーガスケットの取付構造であって、
前記ジッパーガスケットの直線部は、前記ゴム本体に一体に形成された被取付部が建物側の取付部に嵌合されて固定され、
一方、前記ジッパーガスケットのコーナー部は、ゴム本体に一体に埋め込まれた締結部材を介して前記建物側に固定されている建築用ジッパーガスケットの取付構造。 - 板材の端部を嵌め込む板材嵌込溝とジッパーを嵌め込むジッパー溝とをゴム本体に形成したジッパーガスケットの前記ゴム本体を建物側に取り付ける建築用ジッパーガスケットの取付構造であって、
前記ジッパーガスケットの直線部は、前記ゴム本体に一体に形成された被取付部が建物側の取付部に嵌合されて固定され、
一方、前記ジッパーガスケットのコーナー部は、ゴム本体に一体に埋め込まれた係合部材と締結部材を介して前記建物側に固定されている建築用ジッパーガスケットの取付構造。 - 請求項1もしくは2において、
前記締結部材または係合部材におけるジッパー側がゴム本体で包まれている建築用ジッパーガスケットの取付構造。
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JP11334397A JP3589829B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 建築用ジッパーガスケットの取付構造 |
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1997
- 1997-04-14 JP JP11334397A patent/JP3589829B2/ja not_active Expired - Fee Related
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