JPH06101789A - 絶縁フランジ継手および該継手を用いた絶縁構造体 - Google Patents

絶縁フランジ継手および該継手を用いた絶縁構造体

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JPH06101789A
JPH06101789A JP3080380A JP8038091A JPH06101789A JP H06101789 A JPH06101789 A JP H06101789A JP 3080380 A JP3080380 A JP 3080380A JP 8038091 A JP8038091 A JP 8038091A JP H06101789 A JPH06101789 A JP H06101789A
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insulating
bolt
flange
flange joint
bush
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Withdrawn
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JP3080380A
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English (en)
Inventor
Teruo Kobayashi
輝雄 小林
Toshio Motoki
敏雄 元木
Hiromitsu Takamoto
裕光 高本
Toru Tachibana
徹 橘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Sanwa Tekki Corp
East Japan Railway Co
Original Assignee
Teijin Ltd
Sanwa Tekki Corp
East Japan Railway Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な絶縁性、力学的物性および部品成形性
が得られる絶縁フランジ継手および該継手を用いた絶縁
構造体を提供することを目的とし、また座金を別装着し
なくてよく、さらにより力学的物性が良好な絶縁フラン
ジ継手および前記絶縁構造体を提供することができる。 【構成】 フランジ5、6間に、ボルト孔7を有する繊
維強化樹脂製の絶縁スペーサ8を介在し、絶縁ブッシュ
11が外装されたボルト9を各ボルト孔3、4、7内に
一連に挿通したのち、前記ボルト9にナット10を螺着
して両フランジ5、6を締着・固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボルト締結フランジ接
続型の継手で、電気絶縁性を有する継手およびこの継手
を用いた絶縁構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フランジ継手は、継手剛性、
強度および形状の柔軟性の面より種々の構造物を組み立
てる際に汎用されているが、継手の各構成体の素材は材
料物性および価格の点より導電性を有する鋼が一般使用
されている。
【0003】このため、この絶縁フランジ継手を境に構
造物を構成する被接続部材間を電気的に絶縁区分する場
合の従来技術として、ボルトを絶縁素材からなる絶縁ボ
ルトとし、かつフランジ間に絶縁素材からなる絶縁スペ
ーサを介在してこの絶縁ボルトで相対するフランジを締
着した絶縁フランジ継手がある。
【0004】この継手に採用される絶縁素材としては、
例えばゴム、合成樹脂、磁器、ガラスなどが挙げられ
る。
【0005】また、この絶縁フランジ継手を境に構造物
を構成する被接続部材間を電気的に絶縁区分する場合の
他の従来技術として、構造物全体を前述した絶縁素材で
設けたり、被接続部材を絶縁素材で設けたり、フランジ
を絶縁素材で設けたりするものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに従来の絶縁フランジ継手では、絶縁スペーサおよび
絶縁ボルトに採用される絶縁素材として、例えばゴム、
合成樹脂、磁器、ガラスなどが挙げられるが、例えばゴ
ム、合成樹脂などの比較的軟性素材の場合には成形温度
も低く良好な成形性を有する反面、力学的物性が劣って
低強度で衝撃荷重性が悪くなり、一方例えば磁器、ガラ
スなどの比較的硬性素材の場合には比較的良好な剛性を
有する反面、成形温度が高く工作が困難などの課題があ
った。
【0007】また、前述したように構造物全体を絶縁素
材で設けたり、被接続部材を絶縁素材で設けたり、フラ
ンジを絶縁素材で設けたりする場合には、同様に力学的
物性が劣って低強度で衝撃荷重性が悪くなったり、工作
が困難などの課題があるとともに、特に合成樹脂を絶縁
素材に採用した場合には、低強度であるために、荷重が
かかっている時に経時的に寸法が変化するいわゆるクリ
ープ現象が発生して構造物全体の寸法や形状が変わって
しまう恐れがある。
【0008】これらの従来技術は、構造物が小さいとか
電気絶縁が主たる目的で強度がそれほど必要ない場合に
は有効であるが、電車線の電柱やビームのように強度、
剛性および長期寸法安定性が求められる場合には採用で
きない。
【0009】本発明は、このような実情に鑑みなされた
もので、良好な絶縁性、力学的物性および部品成形性が
得られる絶縁フランジ継手および該継手を用いた絶縁構
造体を提供することを目的とし、また座金を別装着しな
くてよく、さらにより力学的物性が良好な絶縁フランジ
継手および該継手を用いた絶縁構造体を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボルト締結さ
れるフランジ継手において、相対するフランジ間に介在
され、かつ両フランジのボルト孔に重合し得るボルト孔
が形成された繊維強化樹脂製の絶縁スペーサと、両フラ
ンジおよび絶縁スペーサの各ボルト孔内に一連に挿通し
得るボルトと、このボルトに螺着し得るナットと、一端
部に絶縁フランジを設けてボルトの首下部に一体または
個別に外装され、かつこのボルトとともに両フランジお
よび絶縁スペーサの各ボルト孔内に一連に挿入し得る繊
維強化樹脂製の絶縁ブッシュとを備えたことを特徴とす
る絶縁フランジ継手を提供するものである。
【0011】また、この絶縁ブッシュの絶縁フランジ側
に配置される座金と、この絶縁フランジとが一体的に成
形されている絶縁フランジ継手を提供するものでもあ
る。さらに、これらの絶縁ブッシュおよび絶縁フランジ
用の繊維強化樹脂に使用される強化繊維が、ガラス繊維
または有機物繊維である絶縁フランジ継手を提供するも
のでもある。
【0012】さらにまた、絶縁ブッシュ用の合成樹脂が
熱硬化性合成樹脂である絶縁フランジ継手を提供するも
のでもある。また、支柱の少なくとも一つの中間継手が
前述した絶縁フランジ継手である絶縁構造体を提供する
ものでもある。さらに、2本の支柱および横梁からなる
門形構造体であって支柱の少なくとも一つの中間継手が
前述した絶縁フランジ継手である絶縁構造体を提供する
ものでもある。
【0013】
【作用】本発明の絶縁フランジ継手は、相対するフラン
ジ間に絶縁スペーサを介在し、そののち両フランジおよ
び絶縁スペーサの各ボルト孔内に一連にボルトおよびこ
のボルトに外装される絶縁ブッシュ挿通し、次にまたこ
のボルトにナットを螺着して両フランジを締着する。ま
た、本発明の絶縁構造体では、この絶縁フランジ継手を
介して支柱を接続する。
【0014】このように、本発明の絶縁フランジ継手お
よび該継手を用いた絶縁構造体は、絶縁スペーサおよび
絶縁フランジを繊維強化樹脂製としているため、良好な
絶縁性、力学的物性および部品成形性が得られ、例えば
通常の合成樹脂製のものでみられるクリープ現象も発生
することなく寸法的にも安定した継手となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。まず、図1〜図3に示す本発明の第1実施
例の絶縁フランジ継手を説明する。
【0016】本発明の第1実施例の絶縁フランジ継手の
全体構成は、図1に示すように接続される一対の中空管
状を有する軸1、2の各端部に溶接などで固定されたボ
ルト孔3、4を有するフランジ5、6間に、両フランジ
5、6のボルト孔3、4に所定位置に形成されたボルト
孔7を重合して絶縁スペーサ8を介在させ、各ボルト孔
3、4、7内に一連にボルト9を挿通してナット10を
螺着することで両フランジ5、6を締着している。
【0017】なお、この第1実施例では、フランジ5、
6が固定される被接続部材として図2および図3に示す
ような中空管状を有する軸1、2を示したが、必ずしも
これに限定させる必要はなく、例えば中実軸、H型、I
型のどの支柱などであってもよい。
【0018】前記絶縁スペーサ8は、図1に示すように
フランジ5、6間の電気絶縁を行うもので、その素材と
して電気絶縁性のある後述する絶縁ブッシュ11と同じ
短繊維または長繊維を含有する繊維強化樹脂が好まし
い。しかし、ボルト9の荷重を負担する面積が大きいた
め、一般にクリープは大きな配慮因子でなく、必ずしも
この繊維強化樹脂を使用する必要はなく、通常の熱可塑
性または熱硬化性合成樹脂を使用してもよい。
【0019】この絶縁スペーサ8のボルト孔7の径は、
両フランジ5、6のボルト孔3、4に等しいかそれ以上
が好ましく、通常は加工誤差を考慮して5〜15mm程度
大きくするのが好ましい。この絶縁スペーサ8のボルト
孔7は、成形と同時にまたは成形後機械加工のいずれに
より施工してもよい。
【0020】前記ボルト9には、規定以外の特殊座金が
装着されており、具体的にはその表面のみを外部露出し
て絶縁ブッシュ11のボルト頭12側の一端部に一体成
形された絶縁フランジ13内に埋設されている。この絶
縁ブッシュ11は、このようにボルト頭12側の一端部
に絶縁フランジ13を設けてボルト9の首下部14に座
金15を介して外装された電気絶縁性を有するブッシュ
である。
【0021】この座金15は、ボルト9の締着時にボル
ト9、特殊座金16、絶縁ブッシュ11の組立体に過度
な締付トルクがかからないように座金15とフランジ5
間で滑りが発生し易くするためのものである。なお、ナ
ット10とフランジ6間にも同様な座金17が介在され
ており、この座金17はナット10とフランジ5、6間
の滑りを容易にしてボルト9の締着時におけるナット1
0の回転によるフランジ5、6の損傷を極力防止するも
のである。これらの座金15、17は、本発明をより効
果的になすものであるものの必ずしも必要ではない。
【0022】また、継手の剛性、絶縁性を低下させない
ため、絶縁ブッシュ11には耐クリープ性、電気絶縁性
が求められ、このため絶縁ブッシュ11は繊維強化樹脂
で成形される。電気絶縁性を発揮するためには、繊維強
化樹脂に使用される強化繊維として、電気絶縁性を有す
る繊維であればどのような繊維でも使用できるが、ガラ
ス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維、アラミド繊維、
ポリエチレン繊維などの有機繊維が好ましい。
【0023】絶縁ブッシュ11の継手への組付時には、
落下および殴打などによる衝撃、摩擦など種々の損傷要
因があり、これらによる亀裂発生、部分欠落を防止する
観点により荷重の大きくない周縁部、首下部14には、
前記強化繊維以外にナイロン繊維、ポリエチレンテレフ
タレート繊維、ビニロン繊維などを単独あるいは前記強
化繊維と混在して用いることができる。強化繊維の形態
は、絶縁ブッシュ11の形状に応じて短繊維、長繊維の
いずれでもよく、また長繊維の場合、マット、布状、組
紐、筒状などのいずれも使用できる。
【0024】また、特殊座金16と座金15との間に挟
まれる絶縁フランジ13の底部18は、ボルト9の大き
な締付荷重がかかるために長期使用に際してはクリープ
現象を発生し易く、これを防止するために強化繊維の使
用が非常に有効であり、特に荷重方向へ繊維を配列させ
ると強度が向上して繊維量を減少させることができ、従
ってこのような繊維配列状態を有する強化繊維の賦形
体、例えば三次元織物、編物などが好ましい。なお、そ
の他の繊維配列状態の賦形体の場合、繊維含有率を上げ
ることでもクリープ防止は達成できる。
【0025】この強化繊維の体積含有率は、繊維配列、
荷重の大きさ、繊維の弾性率、強度にもよるが10〜6
0%、特に20〜50%が好ましい。絶縁ブッシュ11
に用いられる合成樹脂は、電気絶縁性を有するものであ
れば熱可塑性または熱硬化性のいずれの合成樹脂であっ
てもよいものの、クリープの点より例えばエポキシ樹
脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂などの熱硬化性合成樹脂が好ましい。
【0026】この絶縁ブッシュ11は、単独あるいは特
殊座金16と一体的に一般の成形方法で作られる。この
際、ボルト9も含めて一体的に作る場合には、ボルト張
力をあるいは熱膨張差による歪みに起因する絶縁ブッシ
ュ11の損傷を防止するため、ボルト9の首下部14と
絶縁ブッシュ11の本体部が強固な接着または密着状態
でないことが好ましい。このため、ボルト9の首下部1
4に例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどの易滑性樹脂シートを巻着した
り、同樹脂の薄肉チューブを嵌入することが好ましい。
【0027】短繊維からなる強化繊維の場合には、射出
あるいは圧縮成形法を採用でき、特に熱硬化性合成樹脂
の場合にはBMCが一般的に用いられ、BMCで用いら
れる成形法はいずれも適用可能である。
【0028】一方、長繊維からなる強化繊維の場合に
は、一般的に熱硬化性合成樹脂との組み合わせとなるの
で、RTM、S−RIM、SMC成形、ハンドレイ、ス
プレイアップ、フィラメントワインディングなどの方法
を用いることができ、特にRTM、S−RIMが好まし
い。
【0029】絶縁ブッシュ11とボルト9および特殊座
金16との寸法的な関係は、耐荷重、成形法などと密接
な関係があり、耐荷重が小さければ特殊座金16は必ず
しも必要ない。一般的には、特殊座金16をボルト頭1
2と絶縁ブッシュ11との間に装着する方が、応力分散
が容易になって絶縁ブッシュ11のクリープ量が大幅に
低減できて好ましい。
【0030】また、絶縁ブッシュ11と特殊座金16と
を一体的に成形することにより、特殊座金16の下面に
多少の凹凸があっても成形樹脂が充填されて応力分散が
良好になり、また絶縁ブッシュ11と特殊座金16との
間に疎間ができずに水、塵などが入りにくく、さらに成
形後に絶縁ブッシュ11の中心部の入れ子を抜く場合、
特殊座金を押圧部使用できて離型し易いなどの利点があ
る。
【0031】この絶縁ブッシュ11と両フランジ5、6
のボルト孔9との寸法関係は、半径で0.5〜5mm、特
に1〜3mmが好ましい。実施例の絶縁ブッシュ11は、
前述したようにボルト9と個別に成形されたものである
が、必ずしもこれに限定させる必要はなく、例えばボル
ト9の首下部14に一体成形することで設けてもよい。
【0032】第1図のように組み立てられた継手におい
て、両フランジ5、6間の電気絶縁性を所要耐電圧まで
維持するには、絶縁ブッシュ11および絶縁スペーサ8
の絶縁抵抗以外に、組立外面に沿う漏洩、閃絡を防止す
るだけの絶縁部長さである沿面距離が必要になる。
【0033】ボルト9(厳密にはボルト9と接触する特
殊座金16)とフランジ5(厳密にはフランジ5と接触
する座金15)との間の沿面距離は、L1 で、フランジ
5、6間の沿面距離はL2 で示され、L1 、L2 を電圧
に応じた所定長以上確保することが必要であり、その確
保策としてL1 については絶縁ブッシュ10のツバ部1
9の高さあるいは上面の周縁部20の幅の和を所定長さ
以上にすることで、L2 については絶縁スペーサ8の厚
さおよび両フランジ5、6の外周面からの突出部21の
上下突出幅の和を所定長さ以上にすることで容易に実現
できる。
【0034】絶縁スペーサ11を両フランジ5、6の外
周面から突出させて沿面距離を長くすることは、絶縁ス
ペーサ8を薄くすることができることを意味し、従って
絶縁スペーサ8として既製の安価なものとすることがで
きて入手がし易くなるという長所がある。絶縁スペーサ
8のボルト孔7は密閉状態にあるので外面ほどの沿面距
離は必要ないものの、両軸1、2間の隙間22はこの外
面と同等の沿面距離L 3 を確保した方が好ましい。
【0035】本発明の第1実施例の絶縁フランジ継手
は、絶縁スペーサ8および絶縁ブッシュ11を繊維強化
樹脂製としているため、良好な絶縁性、力学的物性およ
び部品成形性が得られ、例えば通常の合成樹脂製のもの
でみられるクリープ現象も発生することなく寸法的にも
安定した継手となる。
【0036】次に、図4に示す本発明の第2実施例の絶
縁フランジ継手を説明する。第2実施例の絶縁フランジ
継手は、図4に示すように特殊座金23を絶縁フランジ
24内に完全に埋没収納させて特殊座金23と一体化し
た絶縁ブッシュ25の成形のより以上の容易性を図った
ものである。なお、そのほかの構成および作用は第1実
施例とほぼ同様であるため省略する。
【0037】次に、図5に示す本発明の第3実施例の絶
縁フランジ継手を説明する。第3実施例の絶縁フランジ
継手は、図5に示すように上部を開口する絶縁フランジ
26を有する絶縁ブッシュ27を単独に成形し、ボルト
28および特殊座金29を成形後に装着したもので、用
途に応じて厚みや素材の異なる座金を選択使用できるよ
うにしたものである。なお、そのほかの構成および作用
は第1実施例から容易に推測できるため省略する。
【0038】次に、図6に示す本発明の第4実施例の絶
縁フランジ継手を説明する。第4実施例の絶縁フランジ
継手は、図6に示すように特殊座金30と絶縁ブッシュ
31の上部を開口する絶縁フランジ32に絶縁コーキン
グ剤33を施し、特殊座金30と絶縁ブッシュ31とを
一体化したものを示す。なお、そのほかの構成および作
用は第1実施例および第2実施例とほぼ同様であるため
省略する。
【0039】次に、図7に示す本発明の第5実施例の絶
縁フランジ継手を説明する。第5実施例の絶縁フランジ
継手は、図7に示すようにナット34側の他端部に絶縁
フランジ35を設けた絶縁ブッシュ36を使用したもの
であるが、実際には図1に示す第1実施例の絶縁ブッシ
ュ10を図7に示すナット34側から両フランジ37、
38および絶縁スペーサ39の各ボルト孔40、41、
42内に挿入させたもので、電気絶縁機能は第1実施例
と同様であるが、この第5実施例ではボルト43と絶縁
ブッシュ35とは一体成形できず、各ボルト孔40、4
1、42内に絶縁ブッシュ36とボルト43とを両側か
ら順次挿入しなければならない。なお、そのほかの構成
および作用は第1実施例とほぼ同様であるため省略す
る。
【0040】次に、図8および図9に示す本発明の第6
実施例の絶縁フランジ継手を説明する。第6実施例の絶
縁フランジ継手は、図8および図9に示すように両軸4
4、45にH型部材を用い、かつ絶縁スペーサ46をボ
ルト孔のない大伴板状のものに代えたものである。な
お、そのほかの構成および作用は第1実施例とほぼ同様
であるため省略する。
【0041】次に、図10および図11に示す本発明の
絶縁フランジ継手を用いた絶縁構造体を説明する。この
絶縁構造体は、図10に示すように各々途中接続された
一対の上下支柱(支柱)47〜50と、上支柱49、5
0間に横架される横梁51とからなる門形を有する例え
ば電車線の架線懸垂用構造体で、この構造体の各上下支
柱47−49、48−50間の接続に、図11に示すよ
うな上支柱49、50を伝わって落ちる雨水の流れを円
滑にするため、上部周縁部に下方へ向かって徐々に拡径
化するテーパ部52が設けられた絶縁スペーサ53を有
する絶縁フランジ継手54が採用されることで、上下支
柱47−49、48−50間を絶縁するものである。
【0042】このように絶縁フランジ継手54を使用し
て架線懸垂用構造体の上部側が基礎側と絶縁されている
ことで、例えば架線作業時に万が一架線に電圧がかかっ
て作業員が架線および横梁51に接触しても感電するこ
ともなく安全な作業ができる。なお、そのほかの構成お
よび作用は第1実施例と同様であるため省略する。
【0043】次に、図12および図13に示す本発明の
他の絶縁構造体を説明する。この絶縁構造体は、図12
に示すように使用される構造体として各上下支柱55−
57、56−58間の接続に図10および図11に示す
絶縁フランジ継手54を採用するとともに、等分割され
た横梁(支柱)59、60の接続部にも図13に示す上
下部周縁部にテーパ部61、62が設けられた絶縁スペ
ーサ63を有する絶縁フランジ継手64を使用したもの
である。なお、そのほかの構成および作用は第1実施例
とほぼ同様であるため省略する。
【0044】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではなく、要旨を
逸脱しない範囲での設計変更などがあっても本発明に含
まれる。
【0045】例えば、絶縁フランジ継手は、実施例以外
の絶縁スペーサおよび絶縁ブッシュを有するどのような
構成体からなるものでも採用できる。
【0046】また、絶縁構造体は、絶縁フランジ継手を
用いた絶縁構造体もどのような形状を有する構成体から
なるものでもよい。
【0047】さらに、繊維強化樹脂を多層構造にして、
片面に発生した亀裂が多面側へ広がることを防止できて
経時的な絶縁性を向上させることもできる。
【0048】さらにまた、繊維強化樹脂の強化繊維、合
成樹脂を適宜選択して、衝撃的荷重にも強く、かつクリ
ープの無いまたは少ない寸法安定性の良好な継手とする
こともできる。
【0049】
【発明の効果】本発明は、このような絶縁フランジ継手
および該継手を用いた絶縁構造体であるため、絶縁スペ
ーサおよび絶縁フランジを磁器、金属に比べ成形温度が
低く、ボルト、座金などとの一体成形が容易にでき、し
かも耐食性に優れる繊維強化樹脂製としているため、良
好な絶縁性、力学的物性および部品成形性が得られる。
【0050】またこの絶縁ブッシュの絶縁フランジ側に
配置される座金とこの絶縁フランジとが一体的に成形さ
れている場合には、座金を別装着しなくてよいという効
果が得られる。
【0050】絶縁ブッシュの繊維強化樹脂が熱硬化性合
成樹脂である場合には、より力学的物性が良好となると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の絶縁フランジ継手の要部
拡大断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の絶縁フランジ継手の全体
側面図である。
【図3】本発明の第1実施例の絶縁フランジ継手の全体
縦断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の絶縁フランジ継手の要部
拡大断面図である。
【図5】本発明の第3実施例の絶縁フランジ継手の要部
拡大断面図である。
【図6】本発明の第4実施例の絶縁フランジ継手の要部
拡大断面図である。
【図7】本発明の第5実施例の絶縁フランジ継手の要部
拡大断面図である。
【図8】本発明の第6実施例の絶縁フランジ継手の全体
正面図である。
【図9】本発明の第6実施例の絶縁フランジ継手の全体
側面図である。
【図10】本発明の一実施例の絶縁フランジ継手を用い
た絶縁構造体の全体図である。
【図11】図10のXI部分の拡大断面図である。
【図12】本発明の他の実施例の絶縁フランジ継手を用
いた絶縁構造体の全体図である。
【図13】図12のXIII 部分の拡大断面図である。
【符号の説明】 9、28、43 ボルト 5、6、37、38 フランジ 3、4、7、40、41、42 ボルト孔 8、39、46、53、63 絶縁スペーサ 11、25、27、31、36 絶縁ブッシュ 10、34 ナット 14 首下部 47、48、55、56 下支柱(支柱) 49、50、57、58 上支柱(支柱) 59、60 横梁(支柱)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元木 敏雄 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 高本 裕光 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 橘 徹 東京都品川区南品川6−5−19 三和テッ キ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルト締結されるフランジ継手におい
    て、相対するフランジ間に介在され、かつ両フランジの
    ボルト孔に重合し得るボルト孔が形成された繊維強化樹
    脂製の絶縁スペーサと、両フランジおよび絶縁スペーサ
    の各ボルト孔内に一連に挿通し得るボルトと、このボル
    トに螺着し得るナットと、一端部に絶縁フランジを設け
    てボルトの首下部に一体または個別に外装され、かつこ
    のボルトとともに両フランジおよび絶縁スペーサの各ボ
    ルト孔内に一連に挿入し得る繊維強化樹脂製の絶縁ブッ
    シュとを備えたことを特徴とする絶縁フランジ継手。
  2. 【請求項2】 この絶縁ブッシュの絶縁フランジ側に配
    置される座金とこの絶縁フランジとが一体的に成形され
    ている請求項1に記載の絶縁フランジ継手。
  3. 【請求項3】 これらの絶縁ブッシュおよび絶縁フラン
    ジ用の繊維強化樹脂に使用される強化繊維が、ガラス繊
    維または有機物繊維である請求項1または2に記載の絶
    縁フランジ継手。
  4. 【請求項4】 絶縁ブッシュ用の合成樹脂が熱硬化性合
    成樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁
    フランジ継手。
  5. 【請求項5】 支柱の少なくとも一つの中間継手が請求
    項1〜4項のいずれか1項に記載の絶縁フランジ継手で
    ある絶縁構造体。
  6. 【請求項6】 2本の支柱および横梁からなる門形構造
    体であって支柱の少なくとも一つの中間継手が請求項1
    〜4項のいずれか1項に記載の絶縁フランジ継手である
    絶縁構造体。
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