JP3589677B2 - 画像記録装置のフィニッシャ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像記録装置から排出される記録シートに対してパンチング処理を施すフィニッシャに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭60−290965号公報には、複写機から排出された記録シートの束に対して、当該記録シートサイズに最適な位置にファイリング用のパンチ孔を穿設することが可能な複写機が開示されている。また、特開昭61−43759号公報には、複写機から排出される記録シート一枚毎にファイリング用のパンチ孔を穿設する複写機が開示されている。
このように記録シートにパンチ孔を穿設する場合において重要なことは、各穿設作業毎のパンチ孔の位置に偏りがなく、記録シートをファイリングした際にその整合が良好なことである。
【0003】
このような観点から特開平3−92299号公報に開示さたれ複写機においては、記録シートの幅方向端部位置の検出情報に基づいて記録シートの幅方向の中心を検出するシート中心検出手段が設けられ、検出した記録シートの中心とパンチ刃の中心が合致するようにパンチ刃を記録シートの幅方向に沿って移動させている。従って、この複写機によれば、記録シートの幅方向の位置ずれに追従してパンチ刃が移動設定されるので、幅方向については各穿設作業毎のパンチ孔の位置を正しく合致させることができるほか、記録シートのサイズに応じてパンチ孔の穿設位置を変更することができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複写機から排出される記録シートは、例えば当該シートを搬送する搬送ローラの周速の違い等により、搬送方向に対して若干傾いた姿勢で排出されることが間々ある。従って、このような場合にはパンチ孔が記録シートの縁部に対して平行に穿設されないので、譬え記録シートの幅方向についてパンチ孔の穿設位置を補正したとしても、ファイリングした記録シートに乱れが発生する問題点を避けることは出来なかった。
【0005】
このような問題点は、パンチング処理機能を内蔵した複写機(特開昭61−43759号公報、特開平3−92299号公報等)では余り問題とならず、特に、複写機やプリンタに外付けされて使用されるフィニッシャで問題となる。何故ならば、複写機やプリンタでは記録シートに画像を転写する直前において記録シートの姿勢を一定の向きに合致させる補正がなされ、前者では画像転写部からパンチ刃までのシート搬送経路が短いため、パンチ刃を通過する記録シートにもこの時の補正が有効に作用しているからである。これに対して、後者では画像転写部からパンチ刃に至るまでのシート搬送経路が前者に比較して長いため、パンチ刃を通過する記録シートが所定の姿勢に保持されていることは皆無である。
【0006】
ところで、複写機にパンチング処理機能を内蔵した場合、パンチング処理のために停止した記録シートの後端は常に定着器から排出されていなければならないので、パンチング処理は搬送される記録シートの後端近傍にしか行えないといった欠点がある。しかしながら近年においては、例えば記録シートの一側縁部に連続的にパンチ孔を穿設するルーズリーフ処理等のように、パンチング処理の多様化の要請があり、定着器からパンチ刃迄の距離すなわちを画像転写部からパンチ刃迄のシート搬送経路は長尺化を余儀なくされている。従って、上記問題点は更に増長される傾向にある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、パンチ刃を通過する記録シートの姿勢及び幅方向の位置を補正することによって、記録シートの適正な位置にパンチ孔を穿設することが可能な画像記録装置のフィニッシャを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像記録装置のフィニッシャは、シート搬送路の途上に孔あけ手段を備え、画像記録装置から排出された記録シートに綴じ孔を穿設する画像記録装置のフイニッシャにおいて、上記孔あけ手段に搬送される記録シートの姿勢を一定の向きに合致させる姿勢合わせ手段を設けると共に、姿勢合わせのなされた記録シートの側端位置を検出するシート側端検出手段を設け、更にこのシート側端検出手段からの情報に基づいて記録シートの側端を所定の位置に合致させる側端合わせ手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
上記技術的手段によれば、画像記録装置から排出された記録シートは姿勢合わせ手段によってその姿勢を一定の向きに合致させられ、更に側端合わせ手段によってその側端を所定の位置に合致させられるので、孔あけ手段は常に記録シートの適正な位置に綴じ孔を穿設する。
【0010】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本発明の画像記録装置のフィニッシャを詳細に説明する。
図1は本発明が適用されたフィニッシャ1の第一実施例を示すものであり、同図においてフィニッシャ1は図示外のADF付の複写機本体(画像記録装置)2に付設されている。
【0011】
同図において、符号11はフィニッシャ1のハウジングである。ハウジング11の複写機本体2と相反する側にはハウジング3内部に通じる排出口12が形成され、この排出口12にはシート排出トレイ13が装着されている。上記複写機本体2のシート排出口21に対応するハウジングプレート11aにはシート導入口14が開設されており、このシート導入口14から導入された記録シート3はシート搬送系30を介して上記シート排出トレイ13に搬送されるようになっている。
【0012】
上記シート搬送系30は、パンチング処理を必要としない記録シート3を上記シート導入口14から直接シート排出トレイ13に導く第一のシート搬送路31と、パンチング処理が必要とされる記録シート3を上記シート導入口14からパンチャ(孔あけ手段)4を介してシート排出トレイ13に導く第二のシート搬送路32とから構成され、シート導入口14の近傍に配設された切り換えゲート33によっていずれか一方のシート搬送路が切り換え選択される。
【0013】
上記第二のシート搬送路32について説明すると、上記切り替えゲート33の下流側には姿勢合わせ手段5が配設されている。この姿勢合わせ手段5は、第二のシート搬送路32に対して進退自在に配設されたゲート部材51と、このゲート部材51を駆動するソレノイド52と、上記ゲート部材51より記録シート搬送方向の上流側に配設された第1シート検出センサ53とから構成され、シート搬送路32に進出したゲート部材51に対してこのシート搬送路32を進行してきた記録シート3の先端が突き当たり、記録シート3の姿勢が一定の向きに補正されるようになっている。上記ゲート部材51の進退は第1シート検出センサ53のON/OFFタイミングに同期した所定のタイミングで行われる。すなわち、第1シート検出センサ53が記録シート3を検出すると、この記録シート3がゲート部材51に突き当たるタイミングよりも遅いタイミングでソレノイド52に通電され、ソレノイド52がゲート部材51をシート搬送路32から後退させる。また、ゲート部材51が後退すると、記録シート3がゲート部材51を完全に通過し終えるタイミングよりも遅いタイミングでソレノイド52への通電が遮断され、ゲート部材51は再度シート搬送路32内に進出して次の記録シート3の姿勢補正に備える。
【0014】
また、上記姿勢合わせ手段5の下流側には側端合わせ手段6が配設されている。図2及び図3に示すように、この側端合わせ手段6は記録シート3を挟持する一対の補正ロール61及び従動ロール62から構成され、シャフト61a,62aに回転自在に嵌合したピンチローラ61b,62bが記録シート3を挟み込んでいる。各ロール61,62のシャフト61a,62aは軸受63によって軸方向に移動可能に支持され、更に補正ロール61のシャフト61aの一端にはラック64が形成されている。また、上記ラック64には正逆回転可能なステッピングモータ65に駆動されるピニオン歯車66が噛み合っている。
従って、この側端合わせ手段6では、記録シート3が上記補正ロール61と従動ロール62に挟み込まれた状態で上記ステッピングモータ65を回転させると、このモータ65の回転量に応じて補正ロール61が軸方向に進退し、記録シート3はその幅方向について移動する。
【0015】
上記ステッピングモータ65は、側端合わせ手段6の下流側近傍に配設されたシート側端センサ7からの情報に基づいて駆動される。このシート側端センサ7は、発光素子が所定のピッチで配列された発光部7aと、受光素子が所定のピッチで配列された受光部7bとから構成され、これら発光部7aと受光部7bとが記録シート3を挟むように対向配置されている。図2に示すように、補正ロール61と従動ロール62に挟み込まれた記録シート3は、その側端が発光部を部分的に遮光してシート側端センサ7を通過する。このときシート側端センサ7に接続されたコントローラ71は、遮光された素子の数あるいは受光した素子の数から記録シート3の側端位置を検出し、予め定められた幅方向の搬送基準位置に対する記録シート3の偏位量tを導出する。更にコントローラ71は、検出した記録シート3の側端を搬送基準位置に合致させるべく、導出した偏位量に対応した制御パルス信号をステッピングモータ65に出力する。これによりステッピングモータ65が補正ロール61を偏位量だけ軸方向に送り、記録シート3の側端位置が搬送基準位置に合致する。
【0016】
更に、第二のシート搬送路32において側端合わせ手段6の下流側にはパンチャ4が配設されている。パンチャ4はシート搬送路32を挟んで配設されたパンチ刃41とパンチダイ42とから構成され、パンチ刃41はリンク機構を介してソレノイド43と接続されている。従って、ソレノイド43に通電するとパンチ刃41がパンチダイ42に押し込まれ、記録シート3にパンチ孔が穿設される。また、ソレノイド43への通電を遮断すると、スプリング(図示せず)の付勢力によってパンチ刃41がパンチダイ42から引き抜かれる。尚、パンチ刃の駆動機構は上記ソレノイド43以外にも特開平3−92299号に示される偏心カムであっても差し支えない。但し、偏心カムを用いる場合にはソレノイドを用いる場合に比較して記録シートを打ち抜く速度が低下するので、パンチ孔を穿設する際には記録シートを一端停止させる必要が生じる。
【0017】
また、上記パンチャ4の上流側近傍には第2シート検出センサ44が配設され、パンチャ4のソレノイド43はこの第2シート検出センサ44による記録シート3の検出タイミングに同期した所定のタイミングで通電される。従って、この実施例では第2シート検出センサ44による記録シート3の検出タイミングからソレノイド43へ通電する迄の時間sを任意に選定することにより、記録シート3の先端や後端等、記録シート3の任意の位置にパンチ孔が穿設される。この時間sについては、記録シート3のサイズ及びパンチ孔の穿設位置に応じた複数のパラメータを上記ソレノイド43への通電を制御するコントローラ(図示せず)にメモリーしておくのが好ましい。
【0018】
上記パンチャ4は、図4(a)に示すように、所定の間隔で2本のパンチ刃が配設されたデュアルパンチャ4aを記録シート3の搬送方向(矢線A方向)と直交する矢線B方向へ移動させ、搬送されてくる記録シートサイズに対応した最適な位置に設定するものであっても良い。
また、図4(b)に示すように、シングルパンチャ4bを記録シート3の搬送方向と直交するB方向へ移動させ、ユーザーの要請に応じた任意の位置にこのシングルパンチャ4Bを設定するものであつても良い。
パンチャ4を移動設定するための機構としては、パンチャ4を矢線B方向に沿って摺動自在なキャリッジに搭載し、このキャリッジをステッピングモータに架け回されたケーブルによって駆動することができる。
【0019】
図5は図4(b)に示すシングルパンチャ4bを利用したパンチング処理の例を示すものである。すなわち、これら例ではシングルパンチャ4bを記録シート3の縁部に対応する位置Pに設定し、ソレノイド43へ通電するタイミングを調整して記録シート3の搬送方向Aと平行な方向について連続的にパンチ孔31を穿設した。この処理方法によれば、図5(a)に示すように記録シート3の搬送方向Aと平行な記録シート3の縁部についてデュアルパンチング処理を施すことができるほか、図5(b)に示すように連続的にパンチ孔を穿設するルーズリーフ処理を記録シート3の縁部に施すことができる。
【0020】
このような本実施例のフィニッシャ1によれば、姿勢合わせ手段5及び側端位置合わせ手段6が複写機本体2からフィニッシャ1内に取り込まれた全ての記録シート3を所定の姿勢及び幅方向の基準位置に合致させるので、その後にパンチャ4で穿設されたパンチ孔が穿設作業毎に位置ずれを生じることがない。
また、このように記録シート3の姿勢及び幅方向の位置をパンチング処理前に適正な姿勢及び位置に補正しているので、特に記録シート3の搬送方向と平行な記録シート3の縁部に連続的にパンチング処理を施す場合(図5参照)にパンチ孔の位置ずれか少ない利点を有している。
【0021】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の画像記録装置のフィニッシャによれば、姿勢合わせ手段が画像記録装置から排出された記録シートの姿勢を一定の向きに合致させ、また側端合わせ手段が記録シートの側端を所定の位置に合致させるので、孔あけ手段は常に記録シートの適正な位置に綴じ孔を穿設することができ、ファイリングした記録シートを美しく整合することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置のフィニッシャの実施例を示す概略図である。
【図2】実施例に係る側端合わせ手段を示す側面図である。
【図3】実施例に係る側端合わせ手段を示す正面図である。
【図4】本発明に適用可能なパンチャの例を示す概略図である。
【図5】本発明のフィニッシャによるパンチング処理の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…フィニッシャ、2…複写機本体(画像記録装置)、3…記録シート、4…パンチャ(孔あけ手段)、5…姿勢合わせ手段、6…側端合わせ手段、7…シート側端センサ(シート側端検出手段)

Claims (5)

  1. 画像記録装置に連結されて使用され、この画像記録装置から排出される記録シートに対してパンチング処理を行うフィニッシャであって、
    画像記録装置から排出される記録シートを1枚ずつ受け入れるシート導入口と、
    このシート導入口から導入された記録シートのうち、パンチング処理を必要としない記録シートを1枚ずつ搬送する第一のシート搬送路と、
    前記シート導入口から導入された記録シートのうち、パンチング処理が必要とされる記録シートを1枚ずつ搬送する第二のシート搬送路と、
    前記シート導入口から導入された記録シートを前記第一のシート搬送路又は前記第二のシート搬送路のいずれかへ選択的に導く切り換えゲートと、
    前記第一及び第二のシート搬送路から排出される記録シートを受け入れるシート排出トレイと、
    前記第二のシート搬送路の途中に設けられると共に搬送されてきた記録シートの姿勢を1枚ずつ一定の向きに合致させる姿勢合わせ手段と、
    この姿勢合わせ手段によって姿勢合わせのなされた記録シートに対して1枚ずつパンチング処理を行うパンチャとを備えたことを特徴とする画像記録装置のフィニッシャ。
  2. 前記第一のシート搬送路は略水平であり、前記第二のシート搬送路は、第一のシート搬送路と分岐又は合流する略垂直な経路と、前記パンチャが設けられた略水平な経路とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置のフィニッシャ。
  3. 前記パンチャよりもシート搬送路の上流側には、記録シートの幅方向の位置を検出するシート検出手段を設け、このシート検出手段からの情報に基づいて記録シートの幅方向に関し該記録シートと前記パンチャとの位置合わせを行う位置合わせ手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置のフィニッシャ。
  4. 前記シート検出手段が記録シートの側端位置を検出するシート側端検出手段であり、前記位置合わせ手段が記録シートの側端を所定の基準位置に合致させる側端合わせ手段であることを特徴とする請求項3記載の画像記録装置のフィニッシャ。
  5. 画像記録装置から連続して排出される複数枚の記録シートに対してパンチング処理を行い、かかる処理のなされた記録シート束を作成する方法であって、
    記録シートを一枚ずつ導入する工程と、導入された記録シートをパンチング処理の要否に応じて異なるシート搬送路へ搬送する工程と、パンチング処理が必要な記録シートを1枚ずつ所定の姿勢に合致させる工程と、姿勢合わせのなされた記録シートを1枚ずつパンチング処理する工程と、パンチング処理のなされた記録シートをシート搬送路から排出する工程と、排出された記録シートをシート排出トレイに順次積載する工程とから構成されることを特徴とするパンチング処理シート束の作成方法。
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