JP3589612B2 - 包装機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は包装機、特に搬入装置から搬入された生鮮食料品などの被包装品を包装部に緊張保持されたフィルムの下方からリフト装置で押し上げる包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
トレーに収納された生鮮食料品などの被包装品を上記トレーごとフィルムにより包装する包装機が広く使用されている。この包装機においては、所定寸法に切断されたフィルムの両側縁を搬送ベルトにより挟持して包装部へ搬送して、その状態で該フィルムを緊張状態に保持すると共に、このフィルムの下方からリフト装置により被包装品をトレーに収納した状態で押し上げ、その状態で上記フィルムの前後左右の側縁部を複数の折込板によりトレーの底面側に折り込んで包装するように構成される。その場合に、この種の包装機に用いられるリフト装置においては、被包装品を支持する複数本のリフトポストが離間した状態で立設されて、これらのリフトポストの上に被包装品が載荷されるようになっている。
【0003】
ところで、この種の包装機においては、被包装品の大きさ、容量などに応じてサイズの異なる複数種のトレーが使用される。その場合に、フィルムの寸法よりもトレーが大きすぎるときには、包装過程でフィルムの長さが足りなくなって包装不良を生じたり、逆にトレーが小さすぎるときには、フィルムが余分にはみ出して見栄えを悪化させたり、包装不良を生じるなどの不具合が発生する。
【0004】
この問題に対しては、トレーのサイズに適合させてフィルムの幅ないし長さを変更することが行われるようになっているが、幅の狭いフィルムを使用する場合に次のような問題が発生する可能性がある。
【0005】
つまり、この種の包装機に使用されるリフト装置においては、サイズの大きなトレーの使用を前提として多数のリフトポストを広範囲に展開させて立設するのが通例であり、そのため、フィルム幅が狭くてフィルムの両側縁をそれぞれ挟持する一対の搬送ベルトの間隔が狭くなっているときに、該搬送ベルトとリフトポストとが干渉する可能性が生じるのである。
【0006】
これに対しては、例えば実開平3−78709号公報には、リフト装置の構成として、昇降するリフト台に複数本のリフトポストを立設すると共に、該リフト台の周縁に位置するリフトポストを、その基部を支点として倒伏可能とした構成が示されている。
【0007】
このリフト装置によれば、リフト台の周辺に位置するリフトポストを起立させることにより、比較的大きなトレーCを安定して支持することができるばかりでなく、サイズの小さなトレーCに対応させて幅の狭いフィルムを使用する場合には、上記リフト台の周辺に位置するリフトポストを倒すことで、該リフトポストとフィルムを搬送する搬送ベルトとの干渉を回避することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の従来技術においては、次のような解決すべき問題がある。
すなわち、リフト台の周辺に位置するリフトポストを該リフト台上に倒伏可能に設けただけの構成であるので、リフト装置の重量が重くなって、昇降動作を緻密にコントロールできないという問題がある。そこで、リフタの重量を軽くするためにリフトポストの本数を少なくすると共に、その間隔を広くして設置することが考えられるが、この場合、サイズの小さなトレーに対する安定性が悪化することになって好ましくない。
【0009】
この発明は、搬入装置から搬入された被包装品を包装部に緊張保持されたフィルムの下方からリフト装置で押し上げる包装機における上記の問題に対処するもので、重量を増加させることなく、被包装品をそのサイズの大小にかかわらず、安定して支持することができるリフト装置を備えた包装機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願の請求項1に係る発明(以下、第1発明という)は、搬入装置から搬入された被包装品を包装部に緊張保持されたフィルムの下方からリフト装置で押し上げ、フィルムの前後左右の側縁部を折込装置にて被包装品の底面側に折り込んで包装する包装機であって、上記リフト装置は、被包装品を支持する複数のポスト部材と、これらのポスト部材が立設されたベース部材と、これらを昇降させる昇降手段とを備え、各ポスト部材のうち上記搬入された被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材が水平にスライド可能に設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明の構成に加えて、水平にスライド可能なポスト部材は、搬入方向に進退スライド可能に設けられていることを特徴とする。
【0012】
次に、請求項3に係る発明(以下、第3発明という)は、上記第1または第2発明の構成に加えて、各ポスト部材のうち搬入装置に近接するポスト部材は、搬入方向に進退スライドしないことを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項4に係る発明(以下、第4発明という)は、上記第1から第3のいずれか1の発明の構成に加えて、被包装品のサイズを検知する手段を備え、該検知サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る発明(以下、第5発明という)は、上記第1から第3のいずれか1の発明の構成に加えて、被包装品のサイズを設定する手段を備え、該設定サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】
上記の構成によれば次のような作用が得られる。
【0016】
まず、第1発明によれば、搬入装置から搬入された被包装品を包装部に緊張保持されたフィルムの下方からリフト装置で押し上げ、フィルムの前後左右の側縁部を被包装品の底面側に折込装置にて折り込んで包装する包装機であって、リフト装置を構成する複数のポスト部材のうち、搬入された被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材が水平にスライド可能に設けられるので、サイズの大きなトレーを用いる場合には、上記ポスト部材を移動させて各ポスト部材の間隔を広くすることにより、該ポスト部材の本数を徒に多くしなくても該トレーを広い範囲で安定して支持することができると共に、サイズの小さなトレーを用いる場合には、上記ポスト部材を水平にスライドさせて各ポスト部材の間隔を狭くすることにより、隣接ポスト部材間にトレーが脱落するといった事態が回避されて、この場合も、安定して支持されることになる。そして、ポスト部材の本数が少なくて済むことにより、リフト装置が軽量化されることになる。
【0017】
また、第2発明によれば、サイズの大きなトレーを用いる場合には、被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材を搬入方向にスライドさせて各ポスト部材の間隔を広くすることにより、該ポスト部材の本数を徒に多くしなくても該トレーを広い範囲で安定して支持することができると共に、サイズの小さなトレーを用いる場合には、上記水平にスライド可能なポスト部材を搬入方向とは逆の方向に移動させて各ポスト部材の間隔を狭くすることにより、隣接ポスト部材間にトレーが脱落するといった事態が回避されて、この場合も、安定して支持されることになる。
【0018】
次に、第3発明によれば、各ポスト部材のうち搬入装置に近接するポスト部材は、搬入方向に進退スライドさせず、上記被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材を搬入方向に進退スライドさせて各ポスト部材の間隔を調節することにより、該ポスト部材の本数を徒に多くしなくてもサイズの大きなトレーを広い範囲で安定して支持することができると共に、サイズの小さなトレーが隣接ポスト部材間に脱落することなく安定して支持することができる。
【0019】
さらに、第4発明によれば、被包装品のサイズを検知する手段を備え、該検知サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたので、トレーを異なるサイズのものに変更する場合において該ポスト部材の間隔を変更する場合に、検知したトレーサイズに連動して自動的にポスト部材の間隔調整を行わせることも可能となる。
【0020】
また、第5発明によれば、被包装品のサイズを設定する手段を備え、該設定サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたので、トレーを異なるサイズのものに変更する場合において該ポスト部材の間隔を変更する場合に、トレーサイズの設定に連動して自動的にポスト部材の間隔調整を行わせることも可能となる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この実施例に係る包装機1は、その本体2の正面中央部に設けられた計量搬入装置10と、同じく本体2の両側部にそれぞれ設けられたフィルム収容部20a,20bと、これらのフィルム収容部20a,20bにそれぞれ収容されたフィルムロールA,A’のいずれか一方から繰り出されたフィルムFを捕捉して本体内の包装部3に搬送するフィルム供給装置30と、上記計量搬入装置10から搬入された生鮮食料品などの被包装品Bを上記包装部3に保持されたフィルムFの下方から押し上げるリフト装置50と、該リフト装置50で押し上げられた被包装品Bを上記フィルムFにより包装する折込装置60と、上記包装部3の前方における計量搬入装置10の上部に配設されて被包装品Bの底面側に折り込まれたフィルムを熱シールするシール装置70とを有する。
【0022】
また、上記本体2の上方には、表示部80aと操作部80bとを有するコンソール80が設置されており、内蔵されたメイン制御ユニット(図示せず)により上記各装置10,30,50,60の作動を制御すると共に、上記計量搬入装置10により計量された被包装品Bの重量を示す信号に基づいて該被包装品Bの価格などの算出を行うようになっている。さらに、上記折込装置60の上方にはオートラベラー81が設置されており、上記コンソール80からの出力信号に基づいて被包装品Bの重量や価格などをラベルに印字して発行すると共に、発行したラベルを折込装置60上に位置する包装済の被包装品Bに自動的に貼付するようになっている。
【0023】
ここで、上記フィルム供給装置30の構成を説明すると、この供給装置30は、上記フィルム収容部20a,20bに収容されたフィルムロールA,A’からフィルムF,Fを捕捉しながら繰り出す左右一対のフィルム繰出機構31,32と、フィルムFを中央部に位置する包装部3へ搬送するフィルム搬送機構33と、上記各繰出機構31,32から繰り出されたフィルムFをフィルム搬送機構33に選択的に導入する一対のフィルム導入機構34,35とを備えている。
【0024】
上記フィルム搬送機構33は、図2に示すように、フィルム繰出機構31,32から繰り出されたフィルムFの一方の側縁(図2において向かって右側の側縁)を挟持しながら搬送する可動側搬送ユニット36と、同じく上記フィルムFの他方の側縁(図2において向かって左側の側縁)を挟持しながら搬送する固定側搬送ユニット37とを有する。
【0025】
そして、これらの搬送ユニット36,37の下方には、図3にも示すように、両端が本体2に支持された2本のガイドロッド38,38が配設されていると共に、このうち可動側搬送ユニット36のフレーム36aの下面に固設された支持ブロック39,39が上記ガイドロッド38,38に摺動自在に外嵌されている。また、上記可動側搬送ユニット36の下方には、上記ガイドロッド38,38に沿って一対のタイミングプーリ40a,40b間に張設されたタイミングベルト40cがそれぞれ配設されていると共に、一方のタイミングプーリ40aと一体回転するスプロケット41aと、本体2に固定された駆動モータ42の回転軸に固設されたスプロケット41bとがチェーン41cを介して連動連結されている。そして、上記タイミングベルト41cの上面に、可動側搬送ユニット36のフレーム36aの下面に固設された上記支持ブロック39,39が固設されている。したがって、上記駆動モータ42を所定方向に回転させることにより、上記一対の支持ブロック39,39が各ガイドロッド38,38に沿ってスライドし、これにより、可動側搬送ユニット36の全体がガイドロッド38,38の軸心方向に移動されることになって、該可動側搬送ユニット36と上記固定側搬送ユニット37との間の間隔を適宜に調整し得るようになっている。一方、固定側搬送ユニット37は、上記各ガイドロッド38,38の端部に支持された状態で本体2側に固定されている。
【0026】
ここで、上記固定側搬送ユニット37と可動側搬送ユニット36とはそれぞれ同様の構成とされており、したがって、可動側搬送ユニット36の構成について説明し、固定側搬送ユニット37の構成についてはその説明を省略する。
【0027】
すなわち、図3に示すように、上記可動側搬送ユニット36には、そのフレーム36aの上部の両端部に回転自在に支持された一対のタイミングプーリ43a,43b間にフィルムFの搬送方向に沿ってタイミングベルトでなる上部搬送ベルト43cが張設されていると共に、同じくフレーム36aの両端部に回転自在に支持された一対のタイミングプーリ44a,44b間に上記上部搬送ベルト43cの下方に位置して該ベルト43cに平行してタイミングベルトでなる下部搬送ベルト44cが張設されている。図2において向かって右側に位置するタイミングプーリ44bは、ベルト駆動モータ46によって駆動されるようになっており、このベルト駆動モータ46を作動させて、上記タイミングプーリ44bを例えば反時計回りに回転させることにより、下部搬送ベルト44cと上部搬送ベルト43cとの間に挟在するフィルムFが包装部3へ向けて搬送される。その場合に、下部搬送ベルト44cと上部搬送ベルト43cとが互いに密着した状態で配置されており、これにより両搬送ベルト44c,43c間で上記フィルムFの一方の側縁が確実に挟持されることになる。
【0028】
なお、この可動側搬送ユニット36と同様な構成とされた上記固定側搬送ユニット37における下部搬送ベルト44cも上記ベルト駆動モータ46によって駆動されると共に、該搬送ベルト44cと上部搬送ベルト43cとにより上記フィルムFの他方の側縁が挾持されるようになっている。
【0029】
そして、このフィルム搬送機構33の両端側に、前述のフィルム繰出機構31,32とフィルム導入機構34,35とがそれぞれ配置されている。なお、これらのフィルム繰出機構31,32とフィルム導入機構34,35とはそれぞれ同様な構成となっているので、一方のみ説明して他方の説明は省略する。
【0030】
つまり、例えば図3においてフィルム搬送機構33の右側に位置する一方のフィルム繰出機構31は、前述の駆動モータ46により駆動されてフィルムFを捕捉しながら上記フィルムロールAより繰り出す繰出ローラ47と、該繰出ローラ47との間でフィルムFを挟持する押圧ローラ48とを有すると共に、この繰出機構31の上方位置に、上記フィルム導入機構34が上下揺動可能に配設されている。その場合に、該フィルム導入機構34には、上記フィルム搬送機構33における各搬送ユニット36,37を構成する下部搬送ベルト44c,44cとの間でフィルムFの両側縁を挟持する一対の導入ベルト49,49が備えられる。
【0031】
そして、上記フィルム導入機構35を、図3に示すように、上記導入ベルト49,49を下部搬送ベルト44c,44cに対接させた導入位置にセットし、この状態で繰出ローラ47を作動させれば、該繰出ローラ47から繰り出されたフィルムFの端部が、上記両搬送ユニット36,37に受け渡されて、幅方向の両側縁が挟持された状態で包装部3へと搬送される。
【0032】
なお、これらのフィルム繰出機構31及びフィルム導入機構34の近傍には、フィルムFの幅方向のミシン目を形成するミシン目形成装置90が備えられている。このミシン目形成装置90には、上記繰出ローラ47と上記フィルム導入機構34における導入ベルト49との間に配備されて、該繰出ローラ47によるフィルムFの繰出動作に連係して昇降することにより該フィルムFの幅方向にミシン目を形成するカッター91が備えられている。
【0033】
上記可動側搬送ユニット36と固定側搬送ユニット37とによってフィルムが搬送供給される包装部3の下方には、図2に示すように、トレーCに収納された生鮮食料品などの被包装品Bを計量搬入装置10より受け取って包装部3に押し上げる前述のリフト装置50が配設されていると共に、上記フィルムFの直上部には、該フィルムFの前後左右の側縁部をトレーCの底面側に折り込んで上記被包装品BをトレーCごと包装する上記折込装置60が配設されている。
【0034】
上記計量搬入装置10は、トレーCに収納された被包装品Bの重量を計量する計量器11と、該計量器11の両側部に配置された一対の搬入ベルト12,12とを有し、上記計量器11上にトレーCに収納された被包装品Bを載荷することにより、該被包装品Bの重量が計量器11によりトレーCごと計量されると共に、該トレーCが搬入ベルト12,12の駆動に伴って被包装品Bを収納した状態で上記リフト装置50に搬入されるようになっている。
【0035】
リフト装置50に搬入されたトレーCは、図2の鎖線で示すように、フィルムFの下方より押し上げられるようになっており、これによって上記フィルムFが被包装品Bの上面に密着すると共に、該フィルムFの幅方向の両側縁が可動側搬送ユニット36及び固定側搬送ユニット37における各搬送ベルト43c,44c間で保持されて該フィルムFが幅方向に張設状態で保持される。
【0036】
そして、このように張設状態とされたフィルムFにより被包装品BがトレーCごと折込装置60により包装されるようになっている。つまり、折込装置60は、図2に示すように、フィルムFの横断方向に対向配置された一対の折込板61,62と、これら折込板61,62の上方において上記フィルムFの配向方向に配置された後折込板63と、この後折込板63の上方に配置された排出用プッシャ64とを有する。そして、上記一対の折込板61,62が、駆動モータ65で駆動されることにより、フィルムFの長手方向に沿って互いに離接する方向に移動すると共に、後折込板63は、駆動モータ66で駆動されることにより、上記フィルムFの横断方向に進退するようになっている。また、排出用プッシャ64も駆動モータ67で駆動されることにより、上記フィルムFの横断方向に進退する。そして、上記各折込板61〜63により、図2の鎖線のように張設状態とされたフィルムFの前後左右の側縁部がトレーCの底面側に折り込まれた後、上記後折込板63より遅れたタイミングで前進する排出用プッシャ64により、トレーCごと包装された被包装品Bが、包装部3の前方に配置されたシール装置70に向けて押し出されることになる。シール装置70上に押し出されたトレーCの底面側に折り込まれたフィルムFが熱シールされる。
【0037】
前述したように、計量搬入装置10からリフト装置50に移載されたトレーCは、上方の包装部3へ押し上げられることになるのであるが、この実施例においては、上記リフト装置50が次のような構成とされる。
【0038】
すなわち、図4、図5に示すように、包装機1の本体2のフレーム2a,2aに水平状態で固定された支持フレーム100の前部上面には、左右適宜間隔をおいて2本の案内筒101,101が立設されていると共に、各案内筒101,101に本実施例における昇降手段を構成する2本の昇降ロッド102,102がそれぞれ上下動自在に挿通されている。また、上記支持フレーム100の後部上面には、サーボモータからなる駆動モータ103が据え付けられており、その回転がギヤボックス104を介して左右の出力軸105,105に伝達されるようになっている。そして、これらの出力軸105,105にそれぞれ固設されたピニオン106,106が、上記各昇降ロッド102,102の側面に形成されたラック部102a,102aに噛合されている。
【0039】
また、上記昇降ロッド102,102は、案内筒101,101を貫通して上方に突出していると共に、その上端には水平状態に配置された断面コ字形の昇降フレーム107が、六角穴ボルト108,108を介して連結されている。この昇降フレーム107に、この実施例におけるベース部材としての複数本(図例では5本)のベースロッド109…109が固設されている。その場合に、それぞれのベースロッド109…109は断面形状が六角形とされていると共に、互いに平行に配置されたベースロッド109…109の一方の端部が、それぞれボルト110…110を介して上記昇降フレーム107の上面に固定されている。そして、図6に示すように、上記ベースロッド109…109に複数本のリフトポスト111…111が適宜間隔をおいて立設されている。
【0040】
ここで、上記リフトポスト111…111の構成を説明すると、例えば図5における右側2本のベースロッド109,109に装着されるリフトポスト111は次のように構成されている。
【0041】
すなわち、このリフトポスト111は、図7、図8に示すように、正面視で凸形台状の基部ブロック112と、該基部ブロック112の上部に連結された中間ブロック113とを有すると共に、この中間ブロック113における上方へ突出する直方体状の突出部113aに、断面コ字形状に形成された連結部材114が連結されている。そして、この連結部材114の上端部に、支持軸115を介して被包装品を受支するリフトヘッド116が回動自在に装着されている。その場合に、上記リフトヘッド116は、支持軸115に外嵌された弦巻状のリターンスプリング117により、その頂面116aが常時上方を向くように付勢されていると共に、図7に示すようにW方向に外力が作用したときに、上記支持軸115を支点としてX方向に傾動することになる。
【0042】
一方、上記基部ブロック112と中間ブロック113とには、それぞれ前後一対の連結ピン118,118;119,119が左右の側面壁を貫通して設けられていると共に、基部ブロック112から突出する連結ピン118,118の突出端と、中間ブロック113から突出する連結ピン119,119の突出端との間に、互いに平行に配置された一対の連結片120…120がそれぞれ連結されている。また、上記基部ブロック112には、その上面から一方の端面にかけて突出台部112aが設けられており、図8に示すように上記連結片120…120が垂直方向からわずかに時計回りに偏位した状態のときに、上記突出台部112aの上面が上方に位置する中間ブロック113の下面に当接するようになっている。さらに、この突出台部112aに植設した係止ピン121と中間ブロック113の長手方向の中央部に植設した係止ピン122との間にリターンスプリング123が介設されている。したがって、中間ブロック113ないしリフトヘッド116は、リターンスプリング123の付勢力を受けて垂直方向に起立すると共に、図8に示すようにリフトヘッド116に対してY方向に外力が作用したときに、連結ピン118,118を支点として鎖線で示すようにZ方向に平行移動することになる。
【0043】
そして、上記基部ブロック112の底面には、図7に示すように、ベースロッド109の断面形状に対応して断面六角形状の係合溝112bが長手方向に形成されており、この係合溝112bがベースロッド109に摺動自在に係合されている。したがって、リフトポスト111はベースロッド109の長手方向に沿って自由にスライドできるようになっている。また、基部ブロック112には上記係合溝112bの上面に臨んで開口する孔122が形成され、この孔122にデテントボール123と該ボール123を外方に付勢するスプリング124とが収納されている。一方、ベースロッド109の上面にはデテント穴125が形成されており、この穴125に上記デテントボール123が入り込んだ状態のときに、その位置でリフトポスト111が保持される。なお、ベースロッド109…109には、図4、図6に示すように、それぞれ複数個のデテント穴125…125が適宜間隔をおいて設けられている。
【0044】
このようなリフト装置50の構成において、駆動モータ103を正逆転させれば、その回転がピニオン106,106を介して上下運動に変換されて昇降ロッド102,102に伝達されることになり、この上下運動によって上記昇降ロッド102,102と一体の昇降フレーム107が上下に昇降し、それに伴って該昇降フレーム107で支持されたベースロッド109…109ないしリフトポスト111…111も上下に昇降することになる。その場合に、昇降フレーム107ないしリフトポスト111…111は、通常時においては、図4に示す状態を下側のホームポジションとして上下に往復運動されるようになっている。
【0045】
さらに、リフト装置50には、図4、図5に示すように、リフトポスト111…111の間隔を調整するための間隔調整機構130が備えられている。次に、この間隔調整機構130について説明する。
【0046】
すなわち、上記支持フレーム100の後部上面の左右の両側部に立設された一対のサイドフレーム131,131の上部には、断面コ字形の支持プレート132が上記ベースロッド109…109の直交方向に架設されている。この支持プレート132の前後のフランジ部132a,132bには、図5に示すように左右の両側部に位置して一対のガイドロッド133,133が上記ベースロッド109…109と平行に架設されていると共に、これらのガイドロッド133,133に断面方形状の支持ブロック134が摺動自在に外嵌されている。そして、この支持ブロック134の上面に、図5に示すように、向かって左側から1番目、3番目及び5番目のベースロッド109…109の下方に対応位置して、上記リフトポスト111を構成する基部ブロック112に係合可能な3個の係合部材135…135が固設されている。この係合部材135は、その板状本体135aの中央部が上記支持ブロック134の上面に固設されていると共に、該板状本体135aの両端部分にそれぞれ左右一対の立上部135b…135bが対向状に設けられている。その場合に、左右の立上部135b,135bの間隔は、ベースロッド109の最大幅よりも大きく、かつリフトポスト111の基部ブロック112の幅よりも小さく設定されていると共に、前後の立上部135b,135bの間隔は上記基部ブロック112の全長よりもやや大きな間隔に設定されている。
【0047】
また、上記支持ブロック134の中間部が上記支持プレート132の前後のフランジ部132a,132bに回転自在に軸支された螺子軸136に螺合されていると共に、後方側(図4において図面上の右側)のフランジ部132bを貫通して突出する上記螺子軸136の突出端に従動プーリ137が固設されている。一方、上記支持プレート132から垂下する取付ブラケット138に駆動モータ139が支持されており、この駆動モータ139の駆動軸に固設された駆動プーリ140と上記従動プーリ137との間に動力伝達用のベルト141が巻き掛けられている。したがって、駆動モータ139を作動させれば、支持ブロック134がガイドロッド133,133に沿ってスライドし、それに伴って該支持ブロック134と一体の各係合部材134…134もガイドロッド133,133ないしベースロッド109…109に沿って移動する。
【0048】
なお、図4〜図6において、符号150はトレーストッパを示し、計量搬入装置10からリフト装置50に移載されたトレーないし被包装品の脱落を防止するために備えられている。
【0049】
次に、実施例の作用を説明する。
【0050】
すなわち、大きいサイズのトレーを使用する場合には、例えば図6に示すように、図面上の手前側から第2番目及び第4番目のベースロッド109,109に装着した2列目のリフトポスト111,111を中間部に配置すると共に、同じく第1番目、第3番目及び第5番目のベースロッド109…109に装着した2列目のリフトポスト111,111を先端側に配置する。
【0051】
したがって、図6の鎖線で示すように計量搬入装置10からリフト装置50に大きなサイズのトレーCが搬入されたとしても、リフトポスト111…111が広範囲に展開した状態で配置されているので、該トレーCがリフトポスト111…111によって安定して支持されることになる。しかも、複数本のリフトポスト111…111が互いに離間した状態で配置されているので、リフトポスト111…111の本数が少なくて済み、この種のリフト装置50の軽量化が図られることにもなる。
【0052】
一方、小さなサイズのトレーを使用する場合には、上記間隔調整機構130を用いてリフトポスト111の間隔が調整される。
【0053】
まず、駆動モータ103を作動させて昇降ロッド102,102を下降させることにより、昇降フレーム107ないしリフトポスト111…111を図4のホームポジションの位置よりもさらに降下させる。この場合、リフトポスト111の基部ブロック112が、ガイドロッド133で支持した支持ブロック134に装着した係合部材135…135の前後の立上部135b,135bの間に位置するように位置関係を設定しておけば、昇降ロッド102,102ないし昇降フレーム107の下降動作に伴って下降したリフトポスト111の基部ブロック112は、図9に示すように上記係合部材135における前後の立上部135b,135bの間に入り込む。その場合に、これら立上部135b,135bの左右の間隔が、前述したようにベースロッド109の最大幅よりも大きく設定されているので、ベースロッド109が入り込んできても干渉することがない。
【0054】
次いで、駆動モータ139を所定方向に回転させることにより、支持ブロック134ないし係合部材135…135を上記ベースロッド109…109に沿って矢印で示す方向に移動させて、これらベースロッド109…109の基端側に接近させる。そして、上記支持ブロック134ないし係合部材135…135を所定のストロークだけ移動させた時点で上記駆動モータ139を停止させる。そうすると、例えば図10に示すように、上記各ベースロッド109…109に装着した2列目のリフトポスト111…111が横一列状態に配列することになる。
【0055】
したがって、図10の鎖線で示すように計量搬入装置10からリフト装置50に小さなサイズのトレーC’が搬入されたとしても、リフトポスト111…111が密集した状態で配置しているので、隣接したリフトポスト111,111間に該トレーC’が脱落するという事態が回避されて、リフトポスト111…111によって安定して支持されることになる。
【0056】
しかも、上記間隔調整機構130がリフト装置50における昇降ロッド102,102や昇降フレーム107などの昇降部分と分離して設けられているので、該昇降部分の重量が増大することがなく、制御性も向上することになる。
【0057】
また、例えばトレーサイズやフィルム幅を検知し、あるいはトレーサイズの設定に連動して上記間隔調整機構130により自動的にリフトポスト111…111の位置調節を行うようにしても良い。
【0058】
なお、リフトポスト111の間隔を手動によって調整するようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上のように第1発明によれば、搬入装置から搬入された被包装品を包装部に緊張保持されたフィルムの下方からリフト装置で押し上げ、フィルムの前後左右の側縁部を被包装品の底面側に折込装置にて折り込んで包装する包装機であって、リフト装置を構成する複数のポスト部材のうち、搬入された被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材が水平にスライド可能に設けられるので、サイズの大きなトレーを用いる場合には、上記ポスト部材をスライドさせて各ポスト部材の間隔を広くすることにより、該ポスト部材の本数を徒に多くしなくても該トレーを広い範囲で安定して支持することができると共に、サイズの小さなトレーを用いる場合には、上記ポスト部材をスライドさせて各ポスト部材の間隔を狭くすることにより、隣接ポスト部材間にトレーが脱落するといった事態が回避されて、この場合も、安定して支持されることになる。そして、ポスト部材の本数が少なくて済むことにより、リフト装置が軽量化されることになる。
【0060】
また、第2発明によれば、サイズの大きなトレーを用いる場合には、被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材を搬入方向にスライドさせて各ポスト部材の間隔を広くすることにより、該ポスト部材の本数を徒に多くしなくても該トレーを広い範囲で安定して支持することができると共に、サイズの小さなトレーを用いる場合には、上記移動可能なポスト部材を搬入方向とは逆の方向にスライドさせて各ポスト部材の間隔を狭くすることにより、隣接ポスト部材間にトレーが脱落するといった事態が回避されて、この場合も、安定して支持されることになる。
【0061】
次に、第3発明によれば、各ポスト部材のうち搬入装置に近接するポスト部材は、搬入方向に進退スライドさせず、上記被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材を搬入方向に進退スライドさせて各ポスト部材の間隔を調節することにより、該ポスト部材の本数を徒に多くしなくてもサイズの大きなトレーを広い範囲で安定して支持することができると共に、サイズの小さなトレーが隣接ポスト部材間に脱落することなく安定して支持することができる。
【0062】
さらに、第4発明によれば、被包装品のサイズを検知する手段を備え、該検知サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたので、トレーを異なるサイズのものに変更する場合において該ポスト部材の間隔を変更する場合に、検知したトレーサイズに連動して自動的にポスト部材の間隔調整を行わせることも可能となる。
【0063】
また、第5発明によれば、被包装品のサイズを設定する手段を備え、該設定サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたので、トレーを異なるサイズのものに変更する場合において該ポスト部材の間隔を変更する場合に、トレーサイズの設定に連動して自動的にポスト部材の間隔調整を行わせることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る包装機の正面図である。
【図2】包装部の周辺の構成を示す一部切欠断面図である。
【図3】フィルム供給装置の一部を示す拡大断面図である。
【図4】リフト装置及びその周辺の構成を示す側面図である。
【図5】同じくリフト装置の背面図である。
【図6】リフト装置の駆動部分を省略した平面図である。
【図7】リフトポストの正面図である。
【図8】同じくリフトポストの側面図である。
【図9】間隔調整機構を用いたリフトポストの間隔調整中の状態を示す側面図である。
【図10】同じく間隔調整後のリフトポストの配置状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 包装機
3 包装部
50 リフト装置
102 昇降ロッド
107 昇降フレーム
109 ベースロッド
111 リフトポスト
130 間隔調整機構
134 支持ブロック
135 係合部材
136 螺子軸
B 被包装品
F フィルム
Claims (5)
- 搬入装置から搬入された被包装品を包装部に緊張保持されたフィルムの下方からリフト装置で押し上げ、フィルムの前後左右の側縁部を被包装品の底面側に折込装置にて折り込んで包装する包装機であって、
上記リフト装置は、被包装品を支持する複数のポスト部材と、
これらのポスト部材が立設されたベース部材と、
これらを昇降させる昇降手段とを備え、
各ポスト部材のうち上記搬入された被包装品の搬入方向下流側を支持するポスト部材が水平にスライド可能に設けられていることを特徴とする包装機。 - 上記水平にスライド可能なポスト部材は、上記搬入方向に進退スライド可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装機。
- 各ポスト部材のうち上記搬入装置に近接するポスト部材は、上記搬入方向に進退スライドしないことを特徴とする請求項1または2に記載の包装機。
- 被包装品のサイズを検知する手段を備え、
該検知サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機。 - 被包装品のサイズを設定する手段を備え、
該設定サイズに応じてポスト部材がスライドするようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機。
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