JP3587992B2 - 油脂性菓子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、型成型によって製造される油脂性菓子の底壁形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
油脂性菓子でフィリングを完全被覆したり、油脂性菓子以外の食品と組み合わせて外周や底壁を油脂性菓子で被覆した菓子には種々のものがある。例えば、完全被覆する油脂性菓子にチョコレートを用い、フィリングに、チョコレートやクリーム、又はシロップを用いたシェルチョコレート、さらには、クリーム状、又は、シロップ状の、油脂性、又は、水性の連続相の中に、固形物、例えば、アーモンドやピーナッツなどの可食粒状物や果肉、又は、ビスケットやパイなどの焼き菓子の組み合わせにより構成されるフィリングを持つシェルチョコレート等がある。
【0003】
型成型で製造される油脂性菓子で、フィリングを完全被覆したシェルチョコレート様油脂性菓子の製造方法としては、通常、型内に油脂性菓子生地を充填した後、型を反転させて、余剰の油脂性菓子生地を除去することによって底面以外の油脂性菓子の外殻を形成する工程、次いで、その油脂性菓子殻の中に、底壁を形成するのに必要な空間を残してフィリングを充填した後、フィリング表面を平滑にするために振動を与え、必要によりフィリング表面を固化させる工程、さらに、底壁を形成するのに必要な空間を満たす必要十分量以上の油脂性菓子生地を充填し、型容積以上に充填された余剰の生地は型面の高さで掻き取り、除去する工程よりなる、方法が知られている。しかし、この方法では、内容物表面が平滑でないと、底壁の薄い部分からフィリングが透けて見えたり、フィリングが露出したり、底壁が厚くなったりする等、底壁の厚みが不均一で、外観が好ましくないものが生じることがある。特に粘性の高いフィリングを用いる際には、振動により表面を平滑にすることは困難であり、さらには、フィリングとして粘性の高い気泡含有チョコレートを用いる際には、振動によって含有された気泡が破壊され消失してしまうために、振動を与えることはできず、底壁を形成するに必要な空間を残してフィリング表面を平滑にすることはできなかった。
【0004】
また、気泡含有チョコレートをフィリングとしたシェルチョコレートの製造方法で、そのフィリング及び底壁の両者に接するように板状食品を配置することによって、底壁のチョコレートの厚みを均一に、なおかつ、フィリングの気泡含有チョコレートを完全被覆する方法(特開平8−242768号)が知られているが、この方法では、板状食品を使用することが前提となり、フィリングが気泡含有チョコレートと板状食品とで構成されているので、気泡含有チョコレートの食感のみを特徴づけることはできない。
【0005】
さらに、気泡含有チョコレートをフィリングとしたシェルチョコレートの製造方法で、型の内周壁に沿った形で形成したチョコレート殻の凹部に気泡含有チョコレートフィリングを充填し、余剰のフィリングの生地をスクレーパーによって除去した後、ボトムチョコレート生地で底壁を形成する方法(特許第2749211号)が知られているが、この方法で用いられるスクレーパーは、幅が型口より狭く、かつ、硬質であるため、型にあてることはできないので、この方法では、フィリング表面を正方形あるいは長方形の形でしか削ることができず、型面の形状に沿った形、例えば円形状に削るのは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、型に油脂性菓子あるいはフィリングを充填してほぼ満たした状態から、型面の形状に沿った形で油脂性菓子の底壁を形成するための空間を設ける形成方法を提供することを課題とし、特には、シェルチョコレートに代表されるフィリングを油脂性菓子で完全被覆した底壁を有する型成型油脂性菓子の製造において、充填されるフィリングの粘性が高いため、表面が振動によって平滑にならない場合、あるいは、振動を与えることのできない物性を有するフィリングの場合においても、フィリングと底壁との境界面が均一で底壁が薄く、型面の形状に沿った形の底壁の形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、型に油脂性菓子あるいはフィリングを充填してほぼ満たした状態で、押力によって可逆的に曲がり、かつ、型口より幅が広い掻き取り板を型にあてて、型方向への押力を加えつつ移動させることにより、掻き取り板の先を型の内部にまで侵入させて、余分なフィリングを掻き取り除去し、底壁を形成するための空間を作り、次いで、底壁となる油脂性菓子生地を流し込み、型面で掻き取ると、底壁の厚みが2mm以下であり、油脂性菓子あるいはフィリングと底壁との境界面が均一となり、フィリングや底壁直近の層を完全被覆することのできるという知見を得た。
【0008】
すなわち、第1の本発明は、型に1種あるいは2種以上の油脂性菓子生地を充填する工程と、押力によって可逆的に曲がり、かつ型口より幅が広い掻き取り板を型にあてて、型方向への押力を加えつつ移動させることにより、掻き取り板の先を型内に侵入させて、表面のフィリングを掻き取り除去して底壁を形成するための空間を作る工程と、前記空間に油脂性菓子生地を充填し、底壁を形成する工程とからなる、底壁の厚みが、2mm以下であることを特徴とする油脂性菓子の製造方法を提供するものである。
また、第2の本発明は、型の内周壁に沿った形で形成した油脂性菓子殻の凹部にフィリングを充填する工程、と押力によって可逆的に曲がり、かつ型口より幅が広い掻き取り板を型にあてて、型方向への押力を加えつつ移動させることにより、掻き取り板の先を型内に侵入させて、表面のフィリングを掻き取り除去して底壁を形成するための空間を作る工程と、前記空間に油脂性菓子生地を充填し、底壁を形成する工程とからなる、底壁の厚みが、2mm以下であることを特徴とする油脂性菓子の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において油脂性菓子生地としては、カカオマス、砂糖、粉乳、カカオ脂、乳化剤、香料等の原料からなるチョコレート生地、砂糖、粉乳、カカオ脂、乳化剤、香料等の原料からなるホワイトチョコレート生地、ショートニング、砂糖、粉乳、香料、乳化剤等からなるクリーム生地があげられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0010】
本発明において油脂性菓子殻としては、シェル型油脂性菓子を製造する際に用いられる油脂性菓子生地、例えば、前記のチョコレート、ホワイトチョコレート生地を公知の方法で任意の型の内壁に付着固化することにより成形したものを用いることができる。具体的に例示すると、任意の型内に前記油脂性菓子生地を充填した後、型を反転して余剰の生地を除去することにより、上壁及び周壁を形成した油脂性菓子殻があげられる。
【0011】
本発明において前記油脂性菓子殻に充填するフィリングとしては、シェルチョコレートに適用されるフィリングを用いることができ、チョコレート、ホワイトチョコレート、気泡含有チョコレート、気泡含有ホワイトチョコレート、クリーム、シロップ、キャラメル、ジャム、果物ソース等の1種または2種以上の組み合せや、クリーム状の油脂性連続相又はシロップ状水性連続相の中に粒状ナッツ、加工果肉あるいは焼成菓子を混合組み合せたものがあげられる。特に本発明は、粘性の高いフィリングや気泡含有フィリングを用いる場合に適しており、粘性の高いフィリングとしては、チョコレートに生クリームを乳化混合させた、粘度が50000〜100000cpsのガナッシュクリーム等があげられ、気泡含有フィリングとしては、気泡含有チョコレート、気泡含有ホワイトチョコレートがあげられる。
【0012】
本発明において掻き取り板は、型口より幅が広く、押力によって可逆的に曲がるものが適用でき、好適には、掻き取り板の素材が、型を損傷しない硬度50〜70度のシリコンゴム製、ウレタン製等の樹脂製で厚さ1〜2mmのものが、あげられる。
【0013】
本発明において掻き取り板が油脂性菓子生地あるいはフィリングの表面を掻き取る深さ、即ち、本発明によって提供される油脂性菓子の底壁の厚さは、約0.5〜2.0ミリに調整し、掻き取り方法は、型口上からの押力によって掻き取り板を型にあてて、さらに型方向への押力により、型の開いた部分に対応する掻き取り板の先を侵入させ、型口に沿った掻き取り板先は型にあてながら、掻き取り板を移動させるかあるいは、型を移動させるかによる。つまり、掻き取る際の型内に進入している部分の掻き取り板両端は、型面の形状に従っている。
【0014】
以下、より具体的に図面を用いて第1の本発明の製造方法について工程順に油脂性菓子の状態を断面図で示した図1〜6に沿って説明する。
【0015】
まず、図1に示したように油脂性菓子の形状を決定する型1の凹部に、油脂性菓子生地2を充填する。ここで、油脂性菓子生地2には、複数種の生地を用いてもよく、生地中に固形状の食品、例えば、アーモンドやピーナッツなどの可食粒状物や果肉、又は、ビスケットやパイなどの焼き菓子の食品が単独または混合で含有されていてもよい。
次に、図2に示したように油脂性菓子生地2の型1よりはみ出た部分を型面でスクレーパーによって掻き取る。この型面での掻き取り工程は、次の工程の前処理であるので、次の工程に支障がなければ省略することができる。
次に、図3に示したように型面上方からの押力により掻き取り板を型にあて、その先を型面及び油脂性菓子殻生地2における位置が3a〜cの順になるように、型あるいは掻き取り板を動かすことによって移動させながら型内に侵入した掻き取り板の先で油脂性菓子生地表面2aを掻き取り、底壁を形成するための空間を作る。すなわち、ここで、3a、3cに位置する掻き取り板の先は、押力により可逆的に曲がることによって型を損傷することなく、型にあったている。移動により3bに位置した掻き取り板の先は、型1に充填した油脂性菓子生地2の中に侵入し、余剰の油脂性菓子生地表面2aを除去しながら3b’の位置まで移動する。押力により型内に侵入している掻き取り板の先の両端は型1の型面の形状に従っている。次に、図4に示したように油脂性菓子生地2と底壁となる油脂性菓子生地が接する境界面4を冷却、固化させた後、底壁となる油脂性菓子生地5を充填する。この冷却、固化の目的は、その後の工程により油脂性菓子生地2と油脂性菓子生地5が混ざりあって、底壁の外観が悪くなるのを回避するためであるので、例えば油脂性菓子生地2と油脂性菓子生地5とが同色の場合等、特に支障がなければ省略しても良い。
さらに、図5に示したように底壁の油脂性菓子生地5の余剰分をスクレーパーによって型面で掻き取り、底壁形成を終える。これを冷却、固化した後、型1から取り出すと図6に示したように油脂性菓子生地で底壁を形成した油脂性菓子製品が得られる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例をあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
カカオマス20部、砂糖40部、全粉乳20部、カカオ脂10部、レシチン0.5部を混合し、常法により、ロール掛け後、コンチング処理を行った後、カカオ脂10部を加えることにより一般的なチョコレートAを得た。
全粉乳20部、砂糖30部、乳糖20部、カカオ脂15部、レシチン0.5部を混合し、ロール掛け後、カカオ脂15部を加えることにより一般的なホワイトチョコレートBを得た。
チョコレートAが50g入る容積の型に、常法に従って、テンパリングしたチョコレートAを充填し、型を反転することによる余剰生地の除去を行い、その時に型上面に付着し生地もスクレーパーによって除去し、底面を保有しないチョコレート外殻A’を形成した。このチョコレート外殻A’は15gであった。
チョコレート外殻A’凹部に、フィリングとなるホワイトチョコレートBを型を満たすまで約35g充填し、硬度70度、厚さ1mmのウレタン製の掻き取り板で、板の先の約1mmの部分が型内に侵入するように板にかかる押力を調整して掻き取り、底壁用の空間を作り、フィリング入りチョコレート殻を得た。掻き取り除去されたホワイトチョコレートBは約5gであった。ホワイトチョコレートBの掻き取り面は平滑であった。その後、該フィリング入りチョコレート殻を型ごと5℃の冷蔵庫に約5分間入れて、底壁と接するその面を冷却固化させた後、底壁となるチョコレートAを、型を満たすまで充填し、型面で掻き取ったところ、ホワイトチョコレートBが底壁のチョコレートAと混ざって外観を損ねることなく底壁を形成できた。底壁のチョコレートとして5g必要だった。このようにして、ホワイトチョコレートをフィリングとしたシェルチョコレートXを得た。
【0017】
比較例1
実施例1に記載の方法に準じてチョコレートA、チョコレート外殻A’、ホワイトチョコレートBを製造した。チョコレート外殻A’凹部に、フィリングとなるホワイトチョコレートBを20g充填し、振動を与えて充填したホワイトチョコレートBと底壁が接する面をできるだけ平滑にしてフィリング入りチョコレート殻を得た。しかし、フィリング表面を完全に平滑にすることはできず、凹凸が存在した。その後、該フィリング入りチョコレート殻を型ごと5℃の冷蔵庫に約5分間入れて、底壁と接するその面を冷却固化させた後、チョコレートAを、型を満たすまで充填し、型面でスクレーパーによって掻き取ったところ、ホワイトチョコレートBが底壁のチョコレートAと混ざって外観を損ねることなく底壁を形成できた。底壁のチョコレートとして15g必要だった。このようにして、ホワイトチョコレートをフィリングとしたシェルチョコレートYを得た。
【0018】
比較例2
実施例1に記載の方法に準じてチョコレートA、チョコレート外殻A’、ホワイトチョコレートBを製造した。チョコレート外殻A’に、フィリングとなるホワイトチョコレートBを30g充填し、振動を与えて充填したホワイトチョコレートBと底壁が接する面をできるだけ平滑にしてフィリング入りチョコレート殻を得た。しかし、フィリング表面を完全に平滑にすることはできず、凹凸が存在した。その後、該フィリング入りチョコレートを型ごと5℃の冷蔵庫に約5分間入れて、底壁と接するその面を冷却固化させた後、チョコレートAを、型を満たすまで充填し、型面で掻き取ったところ、ホワイトチョコレートBが底壁のチョコレートAから透けて外観を損ねた。底壁のチョコレートとして5g必要だった。このようにして、ホワイトチョコレートをフィリグとしたシェルチョコレートZを得た。
【0019】
試験例1
実施例1、比較例1、比較例2に記載の方法で得られたフィリング入りチョコレートX、Y、Zについて底壁の厚みを測定し、底壁とフィリングが接する面の凹凸具合を調べ、また官能評価を行って結果を表1に示した。
【表1】
Figure 0003587992
【0020】
実施例2
実施例1に記載の方法に準じてホワイトチョコレートBを製造した。また、ホワイトチョコレートBが50g入る容積の型に、常法に従って、テンパリングしたホワイトチョコレートBを充填し、型を反転することによる余剰の生地の除去を行い、その時に型上面に付着し生地もスクレーパーによって除去し、底面を保有しないホワイトチョコレート外殻B’を得た。このホワイトチョコレート外殻B’は15gであった。
一方、ホワイトチョコレートBを、約26℃に保温しながらオーバーミキサーのホイッパーにて約2分間攪拌し、ホワイトチョコレートに空気を混入させて、比重0.6の気泡含有ホワイトチョコレートを得た。
ホワイトチョコレート外殻B’に、この気泡含有ホワイトチョコレートを十分に型を満たすまで充填した後、硬度50度、厚さ2mmのシリコンゴム製の掻き取り板で、板の先が約0.5mm型内に侵入するように板にかかる押力を調製して掻き取った。
その後、掻き取り板で作成した空間に、ホワイトチョコレートBを、十分に型を満たすまで充填し、余剰の生地を型面でスクレーパーによって掻き取り除去することにより、気泡含有チョコレートをフィリングとしたシェルチョコレートを製造した。
製造したシェルチョコレートの底壁の厚みは0.5mmで、均一であった。
【0021】
実施例3
実施例1に記載の方法に準じてチョコレート外殻A’、ホワイトチョコレートBを製造した。
一方、溶融したクーベルチュールチョコレート90部、生クリーム10部をオーバーミキサーにて攪拌、混合し、粘度が30℃の時に50000cpsの油中水滴型乳化チョコレートを得た。
この乳化チョコレートを、十分に型を満たすまでチョコレート外殻A’内に充填し、硬度60度、厚さ1mmのウレタン製掻き取り板で、板の先が約1mm型内に侵入するように板にかかる押力を調整して掻き取った。
その後、掻き取り板で作成した空間に、ホワイトチョコレートBを、十分に型を満たすまで充填し、余剰の生地を型面でスクレーパーによって掻き取り除去することにより、高粘度チョコレートをフィリングとしたシェルチョコレートを製造した。製造したシェルチョコレートの底壁の厚みは1mmで、均一であった。
【0022】
実施例4
実施例1に記載の方法に準じてチョコレートA、ホワイトチョコレートBを製造した。また、チョコレートAが5g入る容積の型に、常法に従って、テンパリングしたチョコレートAを2g充填し、アーモンド1粒を入れ、さらにテンパリングしたチョコレートAを十分に型を満たすまで充填した後、硬度50度、厚さ1mmのシリコン製掻き取り板で、板の先が約2mm型内に侵入するように板にかかる押力を調整して掻き取り、約5℃の冷蔵庫で約5分間冷却し、掻き取り面を冷却固化させた。その後、掻き取り板で作成した空間に、常法に従って、テンパリングしたホワイトチョコレートBを、十分に型を満たすまで充填し、余剰の生地を型面でスクレーパーによって掻き取り除去することにより、アーモンド入り2層チョコレートを製造した。この方法により得られた2層チョコレートの底壁の厚みは2mmで、均一であった。
【0023】
【発明の効果】
シェルチョコレートに代表される底壁を有する型成型油脂性菓子を製造する際、本発明の製造法によれば、フィリングあるいは油脂性菓子生地の粘性にかかわらず、底壁の厚みを薄く、フィリングと底壁との境界面を均一に、型口に沿った形の底壁を形成することができる。また、本発明により、底壁が薄い場合でも外観を損なうことなく、フィリングの特徴をよく表した油脂性菓子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】底面に直近の油脂性菓子生地を型凹部に充填した直後の断面図。
【図2】充填した油脂性菓子生地の表面を型面で掻き取った状態の断面図。
【図3】底壁となる生地を流すための空間を掻き取り板によって油脂性菓子生地表面に設けた直後の断面図。
【図4】底壁となる油脂性菓子生地を充填した直後の断面図。
【図5】底壁を形成する油脂性菓子生地を型面で掻き取った状態の断面図。
【図6】型から取り出した油脂性菓子の断面図。
【符号の説明】
1 成形型
2 油脂性菓子生地
2a 掻き取り板によって掻き取られた油脂性菓子生地
3a 型面にある時の掻き取り板の先の位置
3b 型内に侵入した時の掻き取り板の先の位置
3c 掻き取り後の型面にある時の掻き取り板の先の位置
4 掻き取られた油脂性菓子生地表面と底壁の油脂性菓子生地との境界面
5 底壁の油脂性菓子生地

Claims (3)

  1. 型に1種あるいは2種以上の油脂性菓子生地を充填する工程と、押力によって可逆的に曲がり、かつ型口より幅が広い掻き取り板を型にあてて、型方向への押力を加えつつ移動させることにより、掻き取り板の先を型内に侵入させて、表面のフィリングを掻き取り除去して底壁を形成するための空間を作る工程と、前記空間に油脂性菓子生地を充填し、底壁を形成する工程とからなる、底壁の厚みが、2mm以下であることを特徴とする油脂性菓子の製造方法。
  2. 型の内周壁に沿った形で形成した油脂性菓子殻の凹部にフィリングを充填する工程と、押力によって可逆的に曲がり、かつ型口より幅が広い掻き取り板を型にあてて、型方向への押力を加えつつ移動させることにより、掻き取り板の先を型内に侵入させて、表面のフィリングを掻き取り除去して底壁を形成するための空間を作る工程と、前記空間に油脂性菓子生地を充填し、底壁を形成する工程とからなる、底壁の厚みが、2mm以下であることを特徴とする油脂性菓子の製造方法。
  3. 底壁を形成する油脂性菓子生地とは異なる油脂性又は水性の連続相を保有している食品をフィリングとして一種又は二種以上組み合わせて用いる、請求項2に記載された油脂性菓子の製造方法。
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