JP3587821B2 - 緑化構造及び緑化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンションやビル等の陸屋根或いは緩勾配の屋根を緑化してヒートアイランド現象の緩和や環境改善、景観向上に役立つ緑化構造及び緑化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市部ではアスファルトやコンクリート等の構造物や建築物が多く、景観保全、環境保全等の目的で緑化スペースの確保並びに緑化推進が、奨励されている。
そこで、マンションやビル等の陸屋根或いは緩勾配の屋根を緑化する試みが行われ、具体的には多数の鉢植え、或いは煉瓦やコンクリートにて囲った部分に土壌をいれて植裁させる方法が採られている。そして、例えば陸屋根上には各種防水処理が施されているが、老化等による亀裂の発生が生じても漏水を生じないように、新たにシート防水層を設ける試みもなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多くの植物の育成に欠かせない土壌は、雨水等を保水する機能をも果たすため、湿潤状態にあることが多く、それがまた植物にとっては好適な環境となってはいるが、前記陸屋根上の緑化構造においては、土壌の下面に漏水を防止する高い耐水性が求められていた。前述の従来の緑化構造では、シート防水層がその役割を果たす。しかし、特に広い面積に対しては、複数の防水シート材の端部200mm程度を重ね継ぎ(重合)して溶着するのであるが、平滑面に形成されるため、その重ね継ぎ部分が常に水の流路となる。そのため、重ね継ぎ部分に万が一溶着不良があったり、経年の後に重ね継ぎ部分に隙間が生じた場合などに、特に多量の雨水が浸透した際には不良箇所上を水が流下することになり、漏水が生じる恐れがあった。
そのため、本発明は、仮に重ね継ぎ部分に溶着不良が生じた場合であっても漏水を生ずることがなく、広い面積にわたって緑化することができる緑化構造を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記事情に鑑み提案されたもので、建築物や構造物の屋根の水勾配に沿って配設した受け部材の上面部上にて防水シート材の端部を重合接続したシート防水層を形成し、その上に植裁層を形成したことを特徴とする緑化構造及び緑化方法に関するものである。
【0005】
前記緑化構造において、植裁層は、土壌を必ずしも必要とするものではないが、一種の土壌にて形成される培土層よりも、上層よりも透水速度が高い透水層を下層に設けた二層である培土層を備えることが望ましい。
また、シート防水層上に排水層を設けることが望ましい。
さらに、仕切部材を周辺に配することが望ましく、加えて、仕切部材の下方には、水抜き部を設けることが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の緑化構造を施工する対象は、既設或いは新築の建築物や構造物の屋根であって、陸屋根であっても緩勾配であっても良い。
【0007】
本発明の緑化構造は、図1に示すように受け部材1の上面部11上にて隣り合う防水シート材2,2の端部(重合代21)を重合接続したシート防水層20を形成し、その上に植裁層として、土壌を充填して培土層3を形成し、その地表面に植物(芝生等)4を植裁させている。
【0008】
本発明に用いる受け部材1は、水勾配に沿って取り付けるものであって、設置する下地面(屋根)よりも高い位置に上面部11を有する構成であり、特にその他の形状構成や素材(材質)構成について限定するものではなく、例えば角パイプ、形鋼(ハット状、円弧状、三角状等)などからなり、また素材についても例えばその上面部11への防水シート材2の固定方法に応じてビス等の固着が可能な材質、溶着が可能な材質でも良い。
また、この受け部材1の下地(屋根)に対する取り付けは、接着或いはビス止めであっても良いし、位置規制するだけであっても良い。但し、既設の建築物に適用する場合、既存の防水処理層を破損させないためには、接着等により固定することが望ましい。
図1の実施例における受け部材1は断面が略ハット状の形鋼であって、上面部11と起立部12,12と固定部13,13とからなり、下地(屋根)5への取り付けは固定部13の下面に接着剤(図示せず)を介在させた接着により行っている。
【0009】
また、本発明に用いる防水シート材2は、非透水性のゴム系シート或いは樹脂系シートが用いられ、特に限定するものではないが、例えば一般的なシートとして、ゴムアスファルト系シート、塩ビ系シート等の防水シート、非加硫ブチルゴム系シート、高分子可塑剤を添加した特殊塩化ビニル樹脂系シートなどを使用することができる。
この防水シート材2にてシート防水層20を形成するには、隣り合う防水シート材2,2の端部(重ね代21)同士を前記受け部材1の上面部11上にて重合接続(接合)するのであるが、接合は溶着、接着、ビス止め、或いはこれらの併用等の公知の手段によって行えばよい。
図1の実施例における防水シート材2の端部(重ね代21)同士は溶着によって接合されており、下側に位置する重ね代11の受け部材1の上面部11への固定も溶着により行われている。
【0010】
さらに、本発明に用いる植裁層は、前述のように土壌等の培土層を必ずしも必要とするものではなく、植物が生育されるものであれば特にその構成、構造を限定するものではなく、どのようなものでも適用できる。
この植裁層に植裁させる植物4も、特にその種類を限定するものではなく、どのような草木をも植裁させることができるが、図1の実施例では地被植物(芝生等)を植裁させた。
そして、植裁させる植物4の生育環境に応じた植裁基盤を設ければ良い。
例えば培土層3を設ける場合は、その表面に植裁する植物に応じて適宜な種類の土壌を選択することができ、例えば畑土、人工土壌、改良土壌等を使用しても良いし、土、パーライト等の軽量土壌を用いても良いし、或いは培土層3の代わりにポーラス状のコンクリートブロック、繊維マット等の公知の緑化基盤材を用いても良く、或いは両者を併用しても良い。
また、予め培土層と芝、セダム、低木等の植物が一体化(コンテナ、トレイ等に充填されたものでも良い)されたパネル、ユニット等が既に市場に多種類提供されているので、これらをそのまま用いるようにしても良い。
【0011】
特に、培土層3を用いる場合、一種の土壌にて形成するよりも、上層よりも透水速度が高い透水層を下層に設けた二層であることが望ましい。即ち上層には相対的に透水性が低く保水性に富んだ層(土壌)を、下層には相対的に保水性が低く透水性に富んだ層(透水層)を形成することにより、多量の雨水が浸透した場合に透水層に至った雨水を速やかに水下側へ流下させることができ、その下方のシート防水層と水分との接触時間を低減することができる。
図1の実施例における培土層3は、大部分が畑土等からなるが、受け部材1,1間の最下層に砕石を充填した透水層31を設けた。
【0012】
このように本発明の緑化構造は、水勾配に沿って配した受け部材1の上面部11上にて隣接する防水シート材2,2を重合接続するようにしてシート防水層20を形成するようにしたので、例えば重ね継ぎ部分に溶着不良があったり、経年の後に重ね継ぎ部分に隙間が生じた場合に、仮に多量の雨水が浸透してきた際にも水勾配に沿って排水することができ、重ね継ぎ部分から漏水を生ずることがない。即ち培土層3の地表面から浸透してくる雨水は、自重により、より下方へ浸透しようとするので、受け部材1の上面部11上の重ね継ぎ部分にまで浸透した雨水はそこからさらに下方へ浸透し、受け部材1,1の配設間隔に至り、水勾配に沿って水下側へ流下させることができる。そして、水は、重ね継ぎ部分より下方を流下するため、万が一の破損等における漏水の危険が少ない。
これに対し、受け部材1を配さずに下地(屋根)5の直上、即ち平坦部分にて防水シート材2,2を重ね継ぎした場合には、雨水は重ね継ぎ部分を含む底面部分に滞留するので、その部分から漏水が生じ易い。
また、平坦な部分にて防水シート材2,2を重ね継ぎした場合には、経年の使用中に防水シート材2が熱収縮することがあった場合にその応力が重ね継ぎ部分に作用し、接合不良を起こす恐れがあった。
しかし、本発明の緑化構造におけるシート防水層20は、防水シート材2が熱収縮してもその応力は平坦部分にのみ作用して重ね継ぎ部分に及ぶことがなく、そのため重ね継ぎ部分での接合不良が生ずる恐れがない。
【0013】
このように本発明の緑化構造は、特に広い面積の緑化に好適であり、建築物や構造物の陸屋根等を緑化することにより、緑化対象である建築物等に対して、並びに自然環境に対して以下に示す極めて多大な効果を果たすものである。
例えばヒートアイランド現象の緩和があり、土壌等で保水し、その水分を蒸気として発散することで温度上昇を抑えることができる。
また、建築物の断熱性を向上し、その結果、エアコン等の稼働を抑制して冷暖房費を軽減すると共に排熱を抑制し、前記ヒートアイランド現象の緩和にもつながる。
さらに、紫外線による建築物自体或いは陸屋根上の防水処理層の劣化を防止してその耐用年数を長期化することができる。
また、植物による大気の浄化作用も大いに期待される。
【0014】
また、図示実施例では、培土層3を、上層よりも透水速度が高い透水層31を下層に設けた二層構造としたので、前述の雨水の流下作用をこの透水層31の存在により著しく促進することができ、培土層3の適度な保水量を維持できる。
さらに、この透水層31は、その下方の防水シート材2(シート防水層20)と水分との接触時間を低減することができるので、防水シート材2の表面は常に乾いた状態となるので、その耐用年月を長期化することができる。
また、この透水層31として、適当な粒度の砕石類やゼオライト等を使用することにより、前述の作用に加え、上方の土壌を通過した泥水を濾過して浄化させる作用、即ち濾過層としての作用を付加することもできる。そして、この濾過層により浄化された水は、貯水して例えば緊急時の貯水源として利用するようにしても良い。
【0015】
図2に示す実施例は、受け部材1として上面フランジ部(上面部11)を有する断面が略ユ形状の形鋼を用い、この形鋼(受け部材1)の左右(配設間隔)に発泡スチロール等からなる断熱材52,53を配設した以外は、前記図1の実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この実施例に用いた受け部材1は、二重縦片からなる起立部14の上端に上面フランジ部(上面部11)を、下端に固定部15を有する構成であり、下地(屋根)本体50上に立設したアンカー51に起立部14が跨るように配設して取り付けた。
また、上面部11の下方には断面略L字状の断熱材53を、それ以外には一定厚みの断熱材52を下地(屋根)本体50上に配設し、これら断熱材52,53及び受け部材1の上面部11を覆うようにシート防水層20を形成した。
【0016】
この実施例では、断熱材50,50’による断熱層が下地(屋根)本体50上に形成されているので、この緑化構造はより一層高い断熱性能を有するものとなり、図1の実施例にて説明した前述のヒートアイランド現象の緩和に関する効果はより一層大きなものとなる。
【0017】
図3に示す実施例は、シート防水層20上に排水層60を設けた例である。
この実施例における受け部材1は、その断面形状が異なるものの前記図1の実施例における受け部材1と同様の断面が略ハット状の形鋼からなる。
また、排水層60は、複数の排水部材6が並列状に配設されて形成され、排水部材6,6の配設間隔及び排水部材6の裏面側に長さ方向に形成される溝部61が排水空間Aとなる。
そして、該排水層60上には防根シート32が敷設され、その上に培土層3が形成され、その地表面に植物(芝生等)4を植裁させている。
ここで用いられる排水部材6は、上辺が下辺より長い略台形状の断面形状を有し、裏面中央に長さ方向に溝部61が形成され、前記受け部材1に対しては上面部11及び傾斜状の起立部12,12に溝部61が跨るように配置され、それ以外では一定間隔を隔てて並列状に配設される。また、溝部61の左右に形成される2本の脚部62には、横方向の浅溝部621(図4参照)が形成され、凸凹状の脚部62の底面がシート防水層20に接するように配設される。
このような排水部材6は、発泡スチロール等からなるが、浸透してきた雨水を吸水しないような独立気泡型の発泡樹脂成形体、或いはその他の素材などからなる。
これら以外は、前記実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0018】
この実施例では、雨水の流れは、図中、破線で示すように培土層3中を浸透、降下し、最下部に至り、防根シート32に沿うように移動して排水部材6,6間より排水空間Aに浸入する。排水空間Aに至った雨水は浅横溝621などにより横方向にも移動可能ではあるが、水勾配があるため水下側へ排水される。
このようにシート防水層20上に排水層60が設けられているので、前述の透水層31と同様に雨水の流下、排水作用を促進でき、培土層3の適度な保水量を維持できる。特に受け部材1の上面部11上にて防水シート材2の端部(重ね代21)を重合接続した部分に跨るように排水部材6を配設する、即ち排水空間Aを重合接続する重ね代21以外の平坦部分上に形成することにより、接続部分への水廻りが抑止され、漏水が確実に防止される。
また、この排水層60は、複数の排水部材6から構成されているので、そのメンテナンス等に際して取り外すことも容易に実施できる。特に図示実施例では排水部材6として発泡ポリスチレン等の独立気泡型の発泡樹脂成形体を用いたので、断熱性能も向上することができる。
さらに、排水層60は、シート防水層20と水分との接触面積を小さくすることができ、微量な水分を集めて流下させ易いので、シート防水層20を構成する防水シート材2の耐用年月を更に長期化することができる。
【0019】
図4は、前記図3の緑化構造の分解斜視図であり、水下端の側面に、仕切部材7a及び水抜き部材7bを配設した状態を示す。
上方に配される仕切部材7a(ボーダー)は、仕切面部71の上下端にフランジ72,73を有する断面略コ字状であり、培土層3を構成する土壌の流れ止めに寄与し、例えば梅雨時などには培土層3が雨水を多く含んで流れやすくなっているので有効である。
下方に配される水抜き部材7b(水抜き面戸)は、縦面部74と横面部75とからなる断面略L字状であり、孔やスリット等が形成された素材、例えばパンチングメタル等を成形してなり、排水空間Aを流下してくる雨水等を排出することができる。
これらの仕切部材7a及び水抜き部材7bを安定に立設させるための受け金具81は、図5に示すように水下端の側面に縦方向に配される縦片部と防水シート材2,2の重ね継ぎ部分(受け部材1の上面部11)上に配される横片部(固定部811)とからなり、略L字状のフレーム材の縦片部分812の外側に、短冊状の締め付け片813が取り付けられ、締め付け具814を締め付けたり緩めたりしてフレーム材の縦片部分812と締め付け片813との隙間を調整できる構成である。
この受け金具81は、横片部(固定部)811から固定具815を受け部材1の上面部11に打ち込んで固定(図中、816はシール材である。)した状態で、フレーム材の縦片部分812と締め付け片813との隙間に仕切部材7aの仕切面部71及び水抜き部材7bの縦面部74の左右の端縁を挿入し、締め付け具814にて締め付ければ安定に立設できる。
そして、これらの部材を含めた施工に際しては、まず受け金具81を上述のように固定し、排水部材6を敷設した後、隣り合う受け金具81間に水抜き部材7bを上方から落とし込むように臨ませて横面部75が排水部材6の上面に載置されるように配設し、縦片部分812と締め付け片813との隙間に縦面部74の左右の端縁を挿入すれば良い。仕切部材7aの配設も同様に行うことができるが、特に施工手順を限定するものではなく、防根シート32や植裁層(培土層3及び植物4)の配設後でも配設前でも良い。
これら以外は、前記実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0020】
図6は、前記図2の緑化構造の水下側の側断面図であり、水下端に断面略コ字状の仕切部材7cを配設した状態を示す。図中、82は仕切部材7cを安定に立設させるための押さえ部材(角パイプ)、821は仕切部材7cを押さえ部材81に固定するための固定具、83は仕切部材7cの水上側への傾倒を防止するアングル、84は受け部材1の中央空間部を塞ぐキャップ、85は上面部11から突出する突起物であってアングル83に設けた孔を挿着させて所定位置に配設するための突起物、86は陸屋根の側壁、2’は仕切部材7cの更に水下側から臨む防水シート材である。
この仕切部材7cは、上方部分が培土層3を構成する土壌の流れ止めに寄与し、下方部分に孔やスリット等が穿設されて水抜き部76を形成している。
このような仕切部材7cは、水下側に限らず、水上側や側方等の周辺全てに配するようにしても良い。また、周辺に限らず、緑化部分を区分するように適宜に複数箇所に配するようにしても良い。特に勾配屋根の場合や緑化範囲が広い場合に有用である。
これら以外は、前記実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
図7に示す実施例は、受け部材1の上面部11に支持材91を固定し、この支持材91に支持杭92を連結して培土層3の表面から露出させ、その先端部から植裁した低木4’へ傾倒防止ロープ93を張ったものである。
このように受け部材1(上面部11)は、植裁する草木(低木4’)の生育を補助する部材(支持材91、支持杭92、傾倒防止ロープ93)の支持部として用いることもできる。また、図4〜5,図6,図9〜10に示すように仕切部材7a,7c,7d,7eの傾倒を防止する受け金具81やアングル83,87a,87bの固定部として用いるようにしても良く、或いは図示しないが培土層3から風雨により土が吹き飛ばされない(舞い上がらない)ように配するカバー材の固定部として用いるようにしても良い。尚、支持材91はシート防水層20を貫通するので、当該部分にはシーリングを施した。
また、この実施例では透水層31がシート防水層20の重ね継ぎ部分にまで及び、透水層31中にて防水シート材2の重ね代21,21を重合接続した構成となっている。そのため、上方からゆっくりと(図中、細点線矢印で示した)浸透してきた雨水等は、透水層31の上面に到達時点で急速に(図中、太実線矢印で示した)下方へ浸透して重ね継ぎ部分に雨水が滞留することがないので、重ね継ぎ部分の防水性はより高いものとなる。
これら以外は、前記実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
図8に示す実施例は、培土層3の透水層31’が砕石等の充填層からなるものではなく、比較的径の大きな連続空隙を有する発泡樹脂成形体(透水マット)からなる構成である。
この実施例に用いられる透水マット31’は、厚肉のシート材として取り扱うことができ、しかも樹脂成形体であるため、砕石等を敷き詰める場合に比べて極めて容易に敷設することができる。また、このような透水マット31’は砕石等を敷き詰めた場合のように上方から強い圧力を受けても流れることがなく、さらに断熱性の向上にも寄与する。この透水マット31’の下面には、予め受け部材1に嵌め込まれるような溝部を下面に形成した。
尚、図中の矢印は、透水性(透水速度)を示し、前記図7の実施例にて説明したように培土層3の上層では雨水がゆっくりと浸透していき、下層の浸透層31’では速やかに浸透する状況を示している。
これら以外は、前記実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
図9は前記図8の緑化構造の側方の断面図、図10は水下側の側断面図であり、側端には水抜き部を有しない仕切部材7dを、水下端には前記図6に示す仕切部材7cと略同様に水抜き部76を有する仕切部材7eを配設した。これら仕切部材7d,7eの固定は、アングル87a,87bの横片部を防水シート材2,2の重ね継ぎ部分(受け部材1の上面部11)上に沿わせて固定具88a,88bを打ち込んで固定した。
このように複数の仕切部材7e,7dを水下側、側方、並びに図示しないが水上側に配することにより、容易に緑化構造の周囲を囲うことができ、例えばレンガを積み上げたりコンクリート壁を施工して桝状とする場合に比べて、建築物や構造物に対する積載荷重の増加を軽減することができる。
また、レンガの積み上げやコンクリート壁による施工は、防水シート材2を敷設した上に実施した場合には高重量が作用するため破断する原因となることが多く、そのため防水シート材2を敷設する以前(敷設しない状態の陸屋根)に施工し、その後、その桝状の内側に防水シート材2を敷設していた。したがって、防水シート材2が壁面にて不連続となり、桝状の隅部にて漏水が生じ易かったり、隅部における防水シート材2の施工が困難であった。これに対し、この実施例のように、仕切部材7d,7eが防水シート材2上に設置される構造では、上述の問題を生ずることがなく、容易に施工でき、且つ漏水を生ずることがない構造とできる。
これら以外は、前記実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
図11に示す実施例は、植物4’としてセダム類を植裁し、前記図3〜5の実施例における培土層3の代わりに排水性に優れた植裁基盤マット30を配設した以外は殆ど同一であり、符号を付して説明を省略する。
例えば芝生等の多くの植物は、適切な水分の供給を必要とするが、気象条件の厳しい場所に生息するセダム類等の一部の植物では、他の植物と同程度の水分を与えても生育できるが、水分の供給はむしろ虚弱になってしまい、基本的に殆ど水分を与えない方が長持ちすることが知られている。そのため、適切な水分の供給を必要とする多くの植物を植裁する場合には、保水性(吸水保持性)に優れた培土層3或いは吸水性を有する植裁基盤マットなどを用いれば良いし、乾燥状態を好むセダム類などを植裁する場合には、図示実施例のように排水性(透水性)に優れた植裁基盤マット30或いは排水性に富む土壌などを用いれば良い。
このように本発明の緑化構造における植裁層は、土壌(培土層)を必ずしも必要とするものではなく、植裁させる植物に応じて好適な環境を備えるものが望ましく、公知の植裁装置、ユニットとして用いられるのものであれば、どのようなものでも良い。
これら以外は、前記実施例と殆ど同様であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0025】
以上本発明を図面の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の緑化構造及び緑化方法は、防水シート材を高い位置で重ね継ぎするので、仮に経年の使用の後に重ね継ぎ部分に溶着不良が生じた場合であっても漏水を生ずることがなく、広い面積にわたって緑化することができる緑化構造を提供できる。
また、本発明の緑化構造におけるシート防水層は、防水シート材が熱収縮してもその応力は平坦部分にのみに作用して重ね継ぎ部分に及ぶことがないため、重ね継ぎ部分での接合不良が生ずる恐れがない。
そのため、本発明は、特に広い面積の緑化に好適であり、建築物や構造物の陸屋根等を緑化することにより、緑化対象である建築物等に対して、並びに自然環境に対して極めて優れた効果を有し、例えばヒートアイランド現象の緩和、建築物の断熱性向上、紫外線による建築物自体或いは陸屋根上の防水処理層の劣化防止、植物による大気の浄化作用など極めて多大な貢献を果たすものである。
【0027】
また、シート防水層上に排水層を設けた場合、前記透水層と同様に雨水の水下側への流下作用を促進できる。特に排水空間を、重合接続する端部以外の平坦部分上に形成することにより、接続部分への水廻りが抑止され、漏水を確実に防止することができる。
また、この排水層を、複数の排水部材から構成した場合、そのメンテナンス等に際して容易に取り外すことができる。
【0028】
また、植裁層として、上層よりも透水速度が高い透水層を下層に設けた培土層を備える場合、多量の雨水が浸透した場合に透水層に至った雨水を速やかに水下側へ流下させることができ、培土層を適度な湿潤状態に維持することができる。さらに、透水層として濾過層としての作用を付加した場合、得られる濾過浄化水を貯水して例えば緊急時の貯水源として有効活用することができる。
【0029】
また、仕切部材を周辺に配した場合、植裁層を構成する土壌の流れ止めに寄与する。
【0030】
さらに、仕切部材の下方に水抜き部(或いは水抜き部材)を設けた場合、過剰な水分を水抜き部から排出できるので、植裁層に水分が滞留して過剰な湿潤状態になったり、シート防水層の表面が常時濡れた状態になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緑化構造の一実施例を示す一部を拡大した断面図である。
【図2】本発明の緑化構造の他の一実施例を示す一部を拡大した断面図である。
【図3】(a)本発明の緑化構造の他の一実施例を示す断面図、(b)その一部の拡大断面図である。
【図4】図3の緑化構造の分解斜視図である。
【図5】図3の緑化構造の水下側の側断面図である。
【図6】図2の緑化構造の水下側の側断面図である。
【図7】本発明の緑化構造の他の一実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の緑化構造の他の一実施例を示す断面図である。
【図9】図8の緑化構造の側方の断面図である。
【図10】図8の緑化構造の水下側の側断面図である。
【図11】本発明の緑化構造の他の一実施例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 受け部材
11 上面部
2 防水シート材
20 シート防水層
3 培土層
31 透水層
4 植物
5 下地(屋根)
6 排水部材
60 排水層
7a,7c,7d,7e 仕切部材
7b 水抜き部材
76 水抜き部
A 排水空間
Claims (6)
- 建築物や構造物の屋根の水勾配に沿って配設した受け部材の上面部上にて防水シート材の端部を重合接続したシート防水層を形成し、その上に植裁層を形成したことを特徴とする緑化構造。
- シート防水層上に排水層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の建築物の緑化構造。
- 植裁層は、上層よりも透水速度が高い透水層を下層に設けた培土層を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の建築物の緑化構造。
- 仕切部材を周辺に配したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の建築物の緑化構造。
- 仕切部材の下方に水抜き部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の建築物の緑化構造。
- 建築物や構造物の屋根の水勾配に沿って上面部を有する受け部材を配設した後、防水シート材を敷設すると共にその端部を受け部材の上面部上で重合接続してシート防水層を形成し、その上に植裁層を形成することを特徴とする緑化方法。
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