JP3586860B2 - 歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造 - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造に係り、より詳しくは、フェンダパネルとエプロンパネルとの上部間に衝撃吸収具を設けて、フェンダパネルに衝撃の発生時に前記衝撃吸収具がその衝撃を吸収するとともに、衝撃吸収具の上部の締結部が折れて、前記フェンダパネルとエプロンパネルとの間に衝撃吸収空間を確保し、その衝撃吸収空間が衝撃を吸収できるようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、自動車のフードパネルやフェンダパネルには、歩行者が衝突した場合、前記フードパネルやフェンダパネルが塑性変形できる空間を確保することによって、歩行者に加わる衝撃を最大限に吸収して、歩行者の傷害度を最小限にする車体の設計が何よりも肝要である。
【０００３】
かかる肝要な機能を有する従来のフェンダパネル１０の衝撃吸収構造は、図１及び図２に示すように、エプロンパネル２０の上面にフェンダパネル１０の折曲部１１の下面が載せられ、その載せられたフェンダパネル１０の折曲部１１とエプロンパネル２０とは、ボルト２１が貫通してナット２２で固定されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のエプロンパネル２０とフェンダパネル１０との固定は、堅固性がきわめて良好であることから、歩行者が衝突した場合、その衝突エネルギーを吸収することができないという欠点があるため、衝突者の傷害度が高くなるという決定的な問題点が提起されていた。
【０００５】
また、エプロンパネル２０の上面にフェンダパネル１０の折曲部１１の下面が載せられた状態でボルト２１が貫通してナット２２で固定された構造は、エプロンパネル２０の上面とフェンダパネル１０との間隔がきわめて狭いため、歩行者との衝突によってフェンダパネル１０およびフードパネル５０は十分変形されない。したがって、衝突者は相対的に衝撃エネルギーを大きく受けて傷害度が高まるという問題点があった。
【０００６】
そこで、本発明は上記種々の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、フェンダパネルとエプロンパネル上部との間に衝撃吸収具を設けて、前記フェンダパネルとエプロンパネルとの間に十分な空間を確保することによって、歩行者が衝突した際、その衝突エネルギーを最大限吸収できるようにしたことはもとより、 前記衝撃吸収具は衝突エネルギーを吸収して衝突者の傷害度を最小限にするようにした歩行者への保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明による歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造は、自動車のフードパネルの下部に位置づけられるフェンダパネルの折曲部の端部とエプロンパネルの上部を相互に締結して自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造を形成するにあたって、前記フェンダパネルの折曲部の終端とエプロンパネルの上部との間に連設されて、上下部のすべてが一側方向へ折曲された衝撃吸収具（３０）が設けられ、前記衝撃吸収具の上部にはフェンダパネルの折曲部の終端と嵌合する締結部が形成され、前記衝撃吸収具の中央部には折曲溝が形成され、前記衝撃吸収具の下部の折曲された部分には補強リブが形成されると共に、前記衝撃吸収具の下部がエプロンパネルと固定部材で固定されたことを特徴とする。
【０００８】
また、前記衝撃吸収具は、プラスチックにて形成されることが好ましい。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好ましい一実施の形態について、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
【００１２】
図３は、本発明の歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収具の抜萃斜視図であり、図４は、本発明の歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収具を自動車のフェンダパネルに適用させた状態の断面図である。
本発明は、まず、図３及び図４に示すように、自動車のフードパネル５０の下部に位置づけられるフェンダパネル１０の折曲部１１の端部とエプロンパネル２０の上部を衝撃吸収具３０に締結して、自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造を形成している。
【００１３】
かように、フェンダパネル１０の折曲部１１の終端とエプロンパネル２０の上部との間に締結された衝撃吸収具３０は、フェンダパネル１０及びフードパネル５０に歩行者が衝突すると、その衝突エネルギーが衝撃吸収具３０に伝達されて、中央部に形成された折曲溝３１が前記衝突エネルギーを吸収して消尽させる。
【００１４】
また、前記衝突エネルギーの強さが一定量を超すと、フェンダパネル１０の折曲部１１の終端を挿入する締結部３３が折れて、フェンダパネル１０が変形して衝突エネルギーを吸収するのに十分な空間を拡大させる。したがって、フェンダパネル１０の衝突エネルギーの吸収量はさらに多くなる。
【００１５】
さらに、本発明の衝撃吸収具３０の下部の折曲部に補強リブ３２を形成させた理由は、衝撃吸収具３０に堅固性を持たせるためであり、かつ、エプロンパネル２０との締結時に安定性を確保するためである。
【００１６】
さらに、本発明の衝撃吸収具３０は、所定の弾性力を有するプラスチックから形成されているため、フェンダパネル１０に衝突が起こり車体側に押されて寄せられる際、フェンダパネル１０を支持する役割を演じ、かつ、衝撃を緩める役割を果す。
【００１７】
【発明の効果】
上述のように、本発明による歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造は、フェンダパネルとエプロンパネルの上部との間に衝撃吸収具を設けて、前記フェンダパネルとエプロンパネルとの間に十分な空間を確保することによって、歩行者が衝突した際、その衝突エネルギーを最大限吸収して衝突者の傷害度を最小限にする特有の効果がある。
【００１８】
さらに、本発明の衝撃吸収具の中央部には、折曲溝を形成してフェンダパネルに衝突エネルギーが発生した際、その衝突エネルギーを前記折曲溝が吸収することによって、衝突者の傷害度を最小限にする特有の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】一般の自動車の前面の抜萃側面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図であって、従来の歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造を示す断面図である。
【図３】本発明に係る歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収具を示す抜萃斜視図である。
【図４】本発明に係る歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収具を自動車のフェンダパネルに適用させた状態の断面図である。
【符号の説明】
１０ フェンダパネル
１１ 折曲部
２０ エプロンパネル
３０ 衝撃吸収具
３１ 折曲溝
３２ 補強リブ
３３ 締結部
４０ 固定部材
５０ フードパネル

Claims (2)

  1. 自動車のフードパネルの下部に位置づけられるフェンダパネルの折曲部の端部とエプロンパネルの上部を相互に締結して自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造を形成するにあたって、
    前記フェンダパネルの折曲部の終端とエプロンパネルの上部との間に連設されて、上下部のすべてが一側方向へ折曲された衝撃吸収具（３０）が設けられ、前記衝撃吸収具の上部にはフェンダパネルの折曲部の終端と嵌合する締結部が形成され、前記衝撃吸収具の中央部には折曲溝が形成され、前記衝撃吸収具の下部の折曲された部分には補強リブが形成されると共に、前記衝撃吸収具の下部がエプロンパネルと固定部材で固定されたことを特徴とする歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造。
  2. 前記衝撃吸収具は、プラスチックにて形成されたことを特徴とする請求項１に記載の歩行者の保護機能を有する自動車のフェンダパネルの衝撃吸収構造。
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