JP3586436B2 - 落石防護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば山岳地や傾斜地などで発生する落石を捕捉し、落下方向下方にある道路、鉄道、人家、その他の構築物、施設などを落石から防護するための落石防護装置に係り、殊に離間して立設配置された複数本の支柱と、これら支柱間に張り渡され、防護ネットを支柱間に支持している上側サポートロープおよび下側サポートロープとを有している、大エネルギー吸収用落石防護装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の落石防護装置は種々提案されているが、何れの場合にも上側サポートロープおよび下側サポートロープ共に単一のロープから成るか、あるいは複数の平行ロープを金具などで束ねて1本にしたロープから成っている(例えば特開平6−173221号公報参照)。ロープの太さ、および複数ロープの場合のロープ本数は捕捉落石のエネルギーに応じて決定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
落石防護装置の防護ネットが落石による衝撃を受けたとき、捕捉落石のエネルギーはサポートロープへも及ぼされるが、サポートロープが1本のロープから成る場合は固より、束ねられた複数ロープから成る場合でも、及ぼされたエネルギーにより発生した張力に対して同じ挙動を示す。即ち、1本のロープから成る場合でも、複数ロープから成る場合でも、全体が1本のロープであるかのように作用する。そして、このような意味での1本のサポートロープに発生する張力は短時間の間に急激に増大し、突出したピーク値を示す。このように急激に発生する高張力に対処するため、サポートロープは高強度にする必要があり、必然的に太く、大重量のものになり、その結果作業性が悪く、価格も高くなる。
【0004】
そこで本発明は、高い張力を一時的に急激に受けることがないよう、サポートロープによるエネルギーの吸収を比較的長い時間に亘って分散させ、その結果としてサポートロープの太さや重量を軽減することのできるようにした落石防護装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、離間して立設配置された複数本の支柱と、これら支柱間に張り渡され、防護ネットを支柱間に支持している上側サポートロープおよび下側サポートロープとを有している落石防護装置において、上側サポートロープおよび下側サポートロープのうちの少なくとも一方が2本の並行ロープ部材を有しており、これら2本のロープ部材は交互に一つ置きの支柱に、支柱に付設されたロープ部材支持手段によって、長手方向へ摺動可能に支持されており、各支柱における支持されているロープ部材と非支持のロープ部材とは当該支柱の側方において相互に摩擦摺動可能に結束されており、上記の防護ネットは各支柱間におけるロープ部材結束箇所の間の範囲では2本のロープ部材に共通的に係合し、それ以外の範囲では非支持ロープ部材に係合していることを特徴とする。
【0006】
ここでロープ部材としては、1本のロープから成るものでも、複数本のロープを束ねて、或いは撚り合わせて1本のロープとしたものでもよく、所望の強度を有するロープ状材料の全てを含むものである。
【0007】
請求項1に記載のように構成することにより、落石が防護ネットに衝突した際、衝突部において防護ネットが谷側方向へ撓んで突出すると、それに伴って上側サポートロープおよび下側サポートロープが引っ張られ緊張するが、その際、衝突部付近にある2本の支柱の間及びその側方において、サポートロープは当初、支柱間におけるロープ部材結束箇所の間の範囲では2本のロープ部材が結束部材の作用により相互間の長手方向移動のない一体状態で防護ネットの動きに追随し、ロープ部材支持手段に掛けられたロープ部材には比較的大きな引張り力が掛かり、非支持ロープ部材には然程大きな引張り力は及ばない、という状況にある。
【0008】
サポートロープに掛かる張力が増大するにつれて、両ロープ部材結束箇所の間にある範囲はその両側のロープ部材によって両側から引っ張られる状態になり、その引張り力がロープ部材結束箇所における部材間の摩擦力を超えたとき、結束箇所で両ロープ部材は相対的に摩擦摺動し、その結果非支持ロープ部材にも大きな張力が及んで行くことになる。従って、サポートロープが受ける力は、支持されたロープ部材の緊張増大、結束部分での両ロープ部材の摩擦摺動、非支持ロープ部材の緊張増大によって順次吸収され、それらのエネルギー吸収作用がある程度の時間差を以って行なわれるので、サポートロープに一時的に大きな張力が掛かることはない。
【0009】
請求項2に記載の発明は、各ロープ部材が、ロープ部材支持手段に支持された箇所と、この支持箇所に隣接する結束箇所との間において、ロープ部材上に発生する張力エネルギーを吸収する緩衝装置を有していることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、上記のような結束部分での両ロープ部材の摩擦摺動によるエネルギー吸収の前後において、更に緩衝装置によるエネルギー吸収が行なわれるため、更に長い時間に亘るエネルギー吸収効果が得られる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、緩衝装置がループ管を有しており、このループ管は重ね合わされた両端部を有しており、重なり合ったこの両端部が掴み部材によって締め付け状態で相互に固定されており、ロープ部材がこのループ管の重ね合わされた両端部の内の一方端部の管口から入り、ループ管内を通り、他方端部の管口から出ていることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、支持されたロープ部材へ及ぼされる張力はループ管の径を縮小させるように作用し、その際ループ管の重ね合わされた両端部が緊締部材によって緊締されているために、ループ管径の縮小動作が生じると、緊締部でのループ管重畳部の摩擦及びループ管と緊締部材との間の摩擦並びに、ループ管それ自体の強さによってエネルギー吸収が行なわれ、また、ループ管の径縮小に要する力もエネルギー吸収となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、ロープ部材の中途に、ロープ部材に掛かる張力エネルギーを集中的に吸収する部分が交換可能に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、張力エネルギー集中吸収部分がエネルギー吸収作用を果たしその効力を失ったとき、この利用済部分のみをロープ部材から取り外し、その箇所に新規の張力エネルギー集中吸収部分を介装連結することができる。従ってロープ部材全体を交換する場合に比べ、交換作業ないしメンテナンスが極めて簡単になると供に費用を大幅に低減することができる。
【0015】
張力エネルギー集中吸収部分を、請求項5に記載のように緩衝装置と、この緩衝装置へ緊張エネルギーを伝達するように同緩衝装置に取り付けられた線材とによって構成し、この線材の端部と、これらに対向するロープ部材本体中途端部とを互いに連結可能なるように構成すれば、比較的大きなエネルギー吸収能力のある緩衝装置を容易に交換することが可能となる。
【0016】
また、請求項6に記載のように、エネルギー集中吸収部分を、ロープ部材に比較して小さな引張り力で塑性変形する寸法形状の若しくは材料の線材によって形成すれば、エネルギー集中吸収部分を比較的安価に製作することができる。
【0017】
更に、請求項7に記載のように、エネルギー集中吸収部分を、ロープ部材に比較して小さな引張り力で塑性変形する寸法形状の若しくは材料の少なくとも2本の線材によって形成し、エネルギー集中吸収部分が引張り力を受けた際に、それら線材の塑性変形開始時期が異なるように構成すれば、一つの線材から他の一つの線材へとエネルギー吸収作用が受け継がれ、ロープ部材に掛かる張力エネルギーは比較的長い期間にわたって緩やかに吸収される。
【0018】
請求項8に記載の発明は、上側サポートロープにおける一方のロープ部材の一方端部が一方の端部支柱の基部に固定され、当該端部支柱に沿って上方へ延び、当該端部支柱の上部において長手方向へ摺動可能に支持されており、上記一方のロープ部材の他方端部が他方の端部支柱の上部に固定されており、また他方のロープ部材の一方端部が上記他方の端部支柱の基部に固定され、当該他方の端部支柱に沿って上方へ延び、当該他方の端部支柱の上部において長手方向へ摺動可能に支持されており、上記他方のロープ部材の他方端部が上記一方の端部支柱の上部に固定されていることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明によれば、両端の端部支柱に沿って延伸するロープ部材に対して防護ネット側辺部を係留することができるので、防護ネット側辺部からロープ部材に落石衝撃ネルギーの一部を伝達してこれを吸収するようにすることができる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、上側サポートロープのロープ部材支持手段が、ロープ部材と緩く係合しロープ部材延伸方向へ延びている案内溝を有し、この案内溝がその上部においてロープ部材を着脱するためのスリットと連通していることを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明によれば、上側サポートロープのロープ部材をスリット上方からスリット内へ差込み、ラグの案内溝内へ落とし込むことにより容易にロープ部材支持手段に掛けることができ、また必要に応じてロープ部材をラグの案内溝から容易に抜き出すことができる。
【0022】
請求項10に記載の発明は、下側サポートロープのロープ部材支持手段が、支柱の基部に、支柱に対して横方向へ且つロープ部材の延伸方向に対して交差する方向へ延びている円柱状乃至円筒状ロープ押え部材を有しており、このロープ押え部材がその下側にロープ部材通過可能の隙間を形成しており、この隙間は支柱に対して遠方側が開放しており、隙間の開放側端部がロープ押え部材に設けたフランジによりロープ部材の太さより幾分大きな寸法の間隔に狭められており、上記隙間の両側方にはこの隙間の高さ範囲内若しくはこの範囲より上方に上縁を有する偏向用部材が上記ロープ押え部材と並行して設けてあることを特徴とする。
【0023】
請求項10に記載の発明によれば、ロープ押え部材下側の隙間に差し込まれた下側サポートロープのロープ部材は偏向用部材によってロープ押え部材の両側で持ち上げられ、ロープ押え部材の下部に接触した状態に維持され、隙間の開放側端部で上記フランジによって抜け出しを阻止されるので、ロープ部材は確実にロープ部材支持手段に支持され、またロープ部材はそれをU字状に曲げ、曲げた結果できる円弧部を上記フランジの下をくぐらせることによって上記隙間に対し容易に出し入れすることができる。
【0024】
請求項11に記載の発明は、防護ネットが支柱列に対して谷側に配置されていることを特徴とする。
【0025】
請求項11に記載の発明によれば、落石の衝撃が先ず防護ネットによって受け止められ、次いで防護ネットからサポートロープへ衝撃が伝達されるので、防護ネットとサポートロープによる衝撃エネルギー吸収が効果的に行える。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の例を図面に基づいて説明する。
【0027】
図面において、図1は本発明による落石防護装置の1実施形態を示す斜視図、図2は図1の落石防護装置の一部を上方から見た拡大尺上面図、図3は一本の支柱の全体側面図、図4は支柱の上部に付設した上側サポートロープ用ロープ部材支持手段を示す図、図5は支柱の下部に付設した下側サポートロープ用ロープ部材支持手段を示す図、図6は2本のロープ部材の結束手段としてのクリップを示す図、図7は防護ネットをロープ部材に係留するためのシャックルを示す図、図8はクリップおよびシャックルの使用状態を示す図、図9は緩衝装置の具体例を示す斜視図、図10はロープ部材の中途に設けられる張力エネルギー集中吸収部分の実施形態を示す図、図11は張力エネルギー集中吸収部分の他の実施形態を示す図、図12は同吸収部分ぼ更に他の実施形態を示す図、図13は本発明と従来技術によるサポートロープのエネルギー吸収動作の差異を示すグラフである。
【0028】
まず、図1において落石防護装置全体を説明する。この落石防護装置は落石発生の可能性のある傾斜地に所望の間隔を置いて立設された支柱1a〜1dと、これら支柱を巡ってその上部と下部にそれぞれ張り渡された上側サポートロープ2および下側サポートロープ3と、これら上下のサポートロープに上縁と下縁にて係留された防護ネット4とを有している。防護ネット4は全部の支柱に亘って張り渡されているが、図1では一部のみが示されている。
【0029】
上側サポートロープ2は2本の並行するロープ部材2a、2bを有しており、実線で示すロープ部材2aは図示の状態においてその左端を端部支柱1aの上部に固定され、次いで隣接支柱1bの上部に支持され、次の支柱1cに対してはフリー(非支持)になされ、次の支柱1dの上部に支持され、右端は支柱1dの基部に固定されている。一方、点線で示すロープ部材2bはその左端を端部支柱1aの基部に固定され、支柱1aに沿って上方へ延び、支柱1aの上部に支持され、次いで隣接支柱1bに対してフリーになされ、次の支柱1cの上部に支持され、右端は末端支柱1dの上部に固定されている。支柱に対するロープ部材の支持は、後述の具体例で明らかなように、ロープ部材がその長手方向へ移動可能なるように行なわれている。非支持のロープ部材は、このロープ部材にネットからの衝撃が伝達した際に簡単に外れるように支柱に取り付けておいても良い。
【0030】
このように、これら2本のロープ部材2a、2bは交互に一つ置きの支柱に支持され、これによって各ロープ部材は一つ置きの支柱において交互に非支持部分2bf、2afをもたらしている。なお、この実施形態では支柱が4本の場合を説明しているが、4本以上の場合でも支柱に対するロープ部材2a、2bの支持は上記と同様に交互の態様で行なわれる。
【0031】
これら2本のロープ部材2a、2bは、各支柱側方の適所で結束手段5により相互に摩擦摺動可能に結束されている。結束手段5の具体例は図6を参照して後述される。
【0032】
上側サポートロープ2に対するネット4の取り付けは次のように行なわれる(図1、図2および図8参照)。即ち、2本の支柱の間にある2つの結束手段5の間においては、ネット4の上縁部は2本のロープ部材2a、2bの双方に共通的に係留され、1本の支柱を挟んだ2つの結束手段5の間においては、非支持部分2bf、2afに係留されている。また、末端の支柱1aまたは1dとこの支柱のすぐ隣にある結束手段5との間においては、支柱上部に結合されている方のロープ部材に係留されている。ロープ部材とネットとの係留はネットの網目にロープ部材を挿通することによって行っても良いが、図7を参照して後述するような係留具、例えばシャックルを使用してもよい。
【0033】
末端の支柱1aまたは1dに沿って延びるロープ部材部分にも上記と同様の手段でネットを係留することが好ましい。
【0034】
両ロープ部材2a、2bには、支柱に支持されている部分とその側方の結束手段5との間の範囲において、ロープ部材上に発生する張力エネルギーを吸収するための緩衝装置6が設けてある。この緩衝装置の具体例は図9を参照して後述される。
【0035】
一方、下側サポートロープ3も基本的に上側サポートロープ2と同様に張設されている。下側サポートロープも2本のロープ部材3a、3bを有しており、実線で示すロープ部材3aは図示の状態においてその左端を端部支柱1aの基部に固定され、次いで隣接支柱1bの基部に支持され、次の支柱1cに対してはフリー(非支持)になされ、次の支柱1dの基部に固定されている。一方、点線で示すロープ部材3bはその左端を端部支柱1aの基部に固定され、次いで隣接支柱1bに対してフリーになされ、次の支柱1cの基部に支持され、右端は末端支柱1dの基部に固定されている。支柱に対するロープ部材の支持は、図5を参照する後述の具体例から明らかなように、ロープ部材が軸線方向へ移動可能なるように行なわれている。
【0036】
このように、これら2本のロープ部材3a、3bは交互に一つ置きの支柱に支持され、これによって各ロープ部材は一つ置きの支柱において交互にフリー(非支持)になった部分3bf、3afをもたらしている。なお、この実施形態では支柱が4本の場合を説明しているが、4本以上の場合でも支柱に対するロープ部材3a、3bの支持は上記と同様に交互の態様で行なわれる。
【0037】
これら2本のロープ部材3a、3bは、各支柱側方の適所で結束手段5により相互に摩擦摺動可能に結束されている。結束手段5の具体例は図6を参照して後述されるとおりである。
【0038】
下側サポートロープ3に対するネット4の取り付けは上側サポートロープ2の場合と基本的に同様である。即ち、2本の支柱の間にある2つの結束手段5の間においては、ネット4の下縁部は2本のロープ部材3a、3bの双方に係留されており、1本の支柱を挟んだ2つの結束手段5の間においては、非支持部分3bf、3afに係留されている。また、末端支柱1aまたは1dとこの支柱のすぐ隣にある結束手段5との間においては、一方のロープ部材(下記の緩衝装置6が設けられていない方のロープ部材)に係留されている。ロープ部材とネットとの係留は上側サポートロープの場合と同様に、ネットの網目にロープ部材を挿通することによって行っても良いが、図7を参照して後述するような係留具、例えばシャックルを使用してもよい。
【0039】
両ロープ部材3a、3bには、支柱に支持または固定されている部分とその側方の結束手段5との間の範囲において、ロープ部材上に発生する張力エネルギーを吸収するための緩衝装置6が設けてある。この緩衝装置の具体例は図9を参照して後述される。
【0040】
図3は支柱1の具体的構成の側面図を示している。図面において支柱の左側が山側、右側が谷側であるとすると、支柱は山側から谷側へ、或いはその逆に揺動可能なるように基部において基礎にヒンジ結合されており、この支柱の上部谷側には上側サポートロープ2のロープ部材支持手段7が、基部谷側には下側サポートロープ3のロープ部材支持手段8が付設してある。
【0041】
ロープ部材支持手段7は図4に示すように、支柱本体上部に固着され谷側へ突出した円柱状ないし筒状担持体7aと、この担持体の前端部に固着され、支柱との間で担持体7a上にロープ部材案内溝7bを形成しているフランジ7cと、フランジおよび支柱の頂部に対向配置され固着された2つの筒状抜止め部材7cとを有している。2つの筒状抜止め部材7c間のスリットの幅寸法は、フランジ7cと支柱との間の間隔よりも大幅に狭めてあり、ロープ部材(2aまたは2b)が辛うじて通過できる程度の寸法になされている。従って、ロープ部材2aまたは2bは、ロープ部材案内溝7b内で長手方向へ自由に摺動し得るが、支持溝外へ不用意に抜け出すことは阻止される。
【0042】
図5は支柱1の基部に設けられた下側サポートロープのロープ部材支持手段8の具体的構成を示している。図中9は地面に設置固定されたグラウンドプレートであり、このグラウンドプレートの上面には支柱1を揺動可能に支持するように支柱の下部とヒンジ結合された直立プレート10が固定されている。この直立プレート10はグラウンドプレート9上において図の右方向、即ち支柱1に対して谷側へ延びており、その端部に結合して下側サポートロープのロープ部材支持手段8が設けてある。
【0043】
下側サポートロープ3用のロープ部材支持手段8は上記の直立プレート10に対して直角に延び、グラウンドプレート9と直立プレート10の両者に固着された端板8aと、この端板の中央部から谷側へ突出している円柱状または円筒状ロープ押え部材8bと、このロープ押え部材8bの側方に離間してロープ押え部材と並行に延びている板状のロープ偏向用部材8cとを有している。ロープ押え部材8bはグラウンドプレート9の表面との間にロープ部材の太さを超える寸法の隙間8gをもたらしており、ロープ偏向用部材8cはグラウンドプレート9に固着され、その上縁は上記ロープ押え部材8bとグラウンドプレート9の表面との間の隙間8gの高さ範囲内若しくはこの範囲より上方に位置している。
【0044】
ロープ押え部材8bの先端にはロープ部材離脱防止用のフランジ8dが取り付けてあり、このフランジとグラウンドプレート9の表面との間にはロープ部材の太さよりも僅かに大きな間隙8eが設けてあり、この間隙はロープ押え部材8bとグラウンドプレート9との間の隙間8gと比較して狭くなっている。フランジ8dとロープ偏向用部材8cとの間にはロープ部材3aまたは3bが通過可能の間隙8fが設けてある(図5B参照)。
【0045】
下側サポートロープ3用のロープ部材支持手段8にロープ部材3aまたは3bを掛けるには、まずロープ部材を下に凸なるように湾曲させ、湾曲部をフランジ8dへ向けて移動させ、間隙8eおよび間隙8fを通過させてロープ押え部材8bの下側へ差込む。その結果、ロープ部材は一方のロープ偏向用部材8c上を越え、ロープ押え部材8bの下側を通り、他方のロープ偏向用部材8c上を越えてジグザグ状に延び、従ってロープ押え部材8bの下部に接触した状態に維持され、上記フランジ8dによって隙間8gから抜け出るのを阻止されるので、ロープ部材は確実にロープ部材支持手段に支持される。この場合、ロープ部材はその長手方向へ移動可能になされている。ロープ部材はそれをU字状に曲げ、曲げた結果できる円弧部を上記フランジ8dの下をくぐらせることによって上記隙間8gに対し容易に出し入れすることができる。
【0046】
図6は結束手段5の具体例としてのクリップを示している。このクリップ5はU字状のボルト部材5aと、このボルト部材と協働する締付け部材5bとを有している。ボルト部材5aはロープ部材2a,2bまたは3a,3bが重なり合って進入可能なるように間隔が決められた2つの脚部を有しており、また締付け部材5bはロープ部材2a,2bまたは3a,3bが重なり合って進入可能のU字状溝5b1を有する係合部5b2と、上記ボルト部材脚部を緩く挿通することができる貫通孔を設けた基部5b3とを一体的に有している。
【0047】
このクリップ5によって例えばロープ部材2a,2bを結束するには、先ずU字状ボルト部材5aの2つの脚部間に両ロープ部材を脚部延伸方向に重ねた状態で挟み込み、次いで締付け部材5bをU字状ボルト部材5aに対して、ロープ部材を挟んで反対側から、U字状溝5b1に両ロープ部材が進入し且つ貫通孔にUボルト部材脚部が進入するように係合させ、基部5b3から突出したUボルト部材脚部の雄ネジ形成端部5a1にナット5cを螺合して締め付ける。ナット5cの締め付け具合によってロープ部材間の摩擦接触およびロープ部材とU字状ボルト部材5aおよび締付け部材5bとの摩擦接触が調整可能である。ロープ部材2a,2bを結束した状態が図6および図8に示されている。
【0048】
図7は係留具の具体例としてのシャックル12を示している。このシャックル12はU字状の本体部12aを有しており、この本体部を構成する脚部12a1,12a2の間にはネット縁部線材4aと2つのロープ部材(2a,2bまたは3a,3b)が進入可能の間隙が設けられており、脚部12a1,12a2のうち一方脚部12a2の先端には頭付きボルト12bの軸部が差込み可能となっている孔が設けてあり、他方脚部12a1の先端には軸部先端に形成された雄ネジ部12b1が螺合可能の雌ネジ部が設けてある。
【0049】
シャックル12を用いて、ロープ部材2a,2bの両者に対して共通的にネット縁部線材4aを係留した状態が図6および図8に示されており、ロープ部材2bに対してネット縁部線材4aを係留した状態が図8に示されている。
【0050】
図9は上記の緩衝装置6の具体例を示すものであって、図示のようにこの緩衝装置はループ管6aと緊締部材6bとを有しており、ループ管6aには上記のロープ部材2aまたは2b、3aまたは3bの中途部分が挿通されている。ループ管6aの両端部は重畳並置されており、この重畳部は緊締部材、例えば圧縮スリーブ6bによって締固され、締固部分でループ管の重畳部は相互に摩擦接触し、またループ管と圧縮スリーブも相互に摩擦接触している。ループ管6aは鋼管であることが好ましいが、他の金属材料、プラスチック材料で製作することもできる。
【0051】
上記緩衝装置の作用について図9および図8を参照して説明すると、落石エネルギーの伝播により上記のロープ部材2aまたは2b、3aまたは3bに張力が発生すると、ループ管6aの径を縮小しようとする力が働き、ループ管の両端部はロープ部材に沿って互いに反対方向へ向かう力を受ける。ロープ部材に加わっている張力が、圧縮スリーブ6bによる締固箇所におけるループ管同志およびループ管と圧縮スリーブとの間の摩擦力を超えると、相互間に滑りが生じて張力エネルギーが吸収されると共に、ループ管の変形によっても張力エネルギーが吸収される。
【0052】
ループ管6の直径、管壁の厚さおよび管材料を選択することにより、エネルギー吸収能力は様々に変更可能であり、様々な要求に簡単に対応することができる。また、図9の実施形態ではループ管が一巻きである場合が示されているが、2重巻きまたはそれ以上の巻数であってもよい。
【0053】
図10〜図13はロープ部材の他の実施形態を示している。これらの実施形態によれば、ロープ部材2a,2b,3a,3bの中途に、ロープ部材に掛かる張力エネルギーを集中的に吸収する部分13が交換可能に設けられている。
【0054】
図10に示す張力エネルギー集中吸収部分13は、緩衝装置6と、この緩衝装置によって吸収されるべきエネルギーをこの緩衝装置に及ぼすように組み合わされている線材13aとによって形成されている。緩衝装置6は図9を参照して説明したものと同様の構成を有しており、線材13aはロープ部材本体2a1(2b1,3a1,3b1)と同様にループ管6a内を挿通されループ管端部からそれぞれ逆の方向へ所望の長さだけ延出している。
【0055】
線材13aの両端部には、図示のように端部をループ状に屈曲させ、ループ根元の線材重ね合わせ部を締固部材13bによって締め付けて互いに結合することによって接続用ループ13cが形成されている。
【0056】
このように形成した張力エネルギー集中吸収部分13はロープ部材の中途に直列的に介装されるが、その際エネルギー集中吸収部分13とロープ部材本体2a1との連結は、図10に示すように、ロープ部材本体側中途端部に同様に設けたループ2a1cとループ13cとを、図7に示すものと同様のシャックル14を使用して互いに連結して行うか、或いは図11に示すように、例えば部分13のループ形成前の線材端部をロープ部材本体側に形成したループ2a1cの輪をくぐらせて同ループと係合させ、次いで同線材端部をループ状に屈曲し、その根元部を緊締することによってループとループを直接的に係合させても良い。
【0057】
線材13aはロープ部材本体2a1と同様の材料および太さ寸法のもので構成してもよいが、ロープ部材本体に比較して小さな太さ寸法のものとし、従ってロープ部材が大きな張力を受け、緩衝装置によるエネルギー吸収が行なわれた後或いはその前に、ロープ部材本体より先にこの線材が弾性変形および塑性変形してエネルギーを吸収するようにすることが好ましい。先に線材の弾性変形および塑性変形をもたらすようにするために、線材の太さ寸法を考慮する代わりに材質を選定するようにしてもよく、またそれら両者の組み合わせであってもよい。線材は、ロープ部材本体と同様スチール、炭素繊維、アラミド繊維などで製作することができる。
【0058】
なお図には、張力エネルギー集中吸収部分13が一つの緩衝装置6を有する場合が示されているが、必要に応じて二つ以上の部材を直列的または並列的に取り付けてもよい。
【0059】
上記の張力エネルギー集中吸収部分13は緩衝装置6を持たない、単に線材のみにて構成してもよく、その場合に線材はロープ部材本体に比べて、上記のように小寸法径のものにするか、材質を変更するか、その両者を組み合わせたものにするか、或いはその他にもロープ部材本体よりも先に弾性変形及び塑性変形が開始されるような構成になされる。線材の材料は上記したものと同様にスチール、炭素繊維、アラミド繊維などで製作することができ、また鋼棒で構成してもよい。
【0060】
このような線材は単一線から成るものでも良いが、図12は両端のループ13cの間に互いに長さの異なる2本の線材部を設けた実施形態を示している。即ち、図示のように、長さの異なる線材部13d及び線材部13eがその両端側において連結用ループ13cの根元部を緊締する締固部材13bによって確固に締め付け結合されている。
【0061】
ロープ部材の中途に設けられたこのような張力エネルギー集中吸収部分13が張力を受けた際、その張力の大きさによるが、先ず線材部13dがその長手方向へ弾性並びに塑性変形しエネルギーを吸収する。このとき、線材部13eは弛みを解消するような動作のみを行う。線材部13dによっては吸収しきれないエネルギーが更に存在している場合には、線材部13dは破断に至り、その作用を線材部13eに引き継ぐ。従って、今度は線材部13eが弾性並びに塑性変形しエネルギー吸収を行う。
【0062】
容易に理解され得るように、互いに長さの異なる3本以上の線材部を設けても良い。
【0063】
次に、上記の防護ネット4は公知の菱形金網状のワイヤネットでもよいが、落石の直撃を受けたとき落石を包み込むように谷側へ大きく撓むことができる構成のものが好ましい。そのような構成のネットとしては、多数のリング部材をそれぞれ隣り合うリング部材の内周側または外周側が接触するように相互に連結して構成されたネットが有利である。
【0064】
次に、上記実施態様にて説明した構成を有する本発明による落石防護装置の作用について説明する。図1に示す落石防護装置の支柱1bと1cとの間のネット部に落石Sの直撃を受けたと仮定すると、落石による衝撃エネルギーの一部は防護ネット4の変形により吸収されるが、エネルギーの他の部分はネットから上側サポートロープ2および下側サポートロープ3へ伝播する。
【0065】
このエネルギー伝播により図1Bに示すように、上側サポートロープ2および下側サポートロープ3が引っ張られ緊張するが、その際、サポートロープは当初、支柱1b,1c間におけるロープ部材結束箇所の間の範囲では2本のロープ部材が結束部材5の作用により相互間の長手方向移動のない一体状態で防護ネット4の動きに追随し、ロープ部材支持手段7に掛けられたロープ部材には比較的大きな引張り力が掛かり、非支持ロープ部材2bf、2afには然程大きな引張り力は及ばない、という状況にある。
【0066】
サポートロープ2,3に掛かる張力が増大するにつれて、両ロープ部材結束箇所の間にある範囲はその両側のロープ部材によって両側から引っ張られる状態になり、その引張り力がロープ部材結束箇所における部材間の摩擦力を超えたとき、結束箇所で両ロープ部材は相対的に摩擦摺動し、その結果非支持ロープ部材2bf、2afにも大きな張力が及んで行くことになる。従って、サポートロープが受ける張力は、支持されたロープ部材の緊張増大、結束部分5での両ロープ部材の摩擦摺動、非支持ロープ部材の緊張増大、そしてロープ部材に張力エネルギー集中吸収部分が設けてある場合には、その作用によって順次吸収され、それらのエネルギー吸収作用がある程度の時間差を以って行なわれるので、サポートロープに一時的に大きな張力が掛かることはない。
【0067】
このような経過は図13の線図のように張力とその作用時間の関係で表すことができる。図中曲線Bは従来の落石防護装置、曲線Aは本発明による落石防護装置におけるサポートロープの変化を示しており、図から明らかなように、従来の装置の場合サポートロープには一時的に高張力が掛かるのに対し、本発明によるサポートロープの場合、張力エネルギーが比較的低い値で長い作用時間に亘って分散して吸収されている。
【0068】
【発明の効果】
このように本発明によれば、サポートロープによるエネルギー吸収を比較的長い時間に亘って分散させて行うことができ、その結果としてサポートロープの太さや重量を軽減することができ、大きな落石エネルギーを吸収することのできる落石防護装置の製作コストを下げることが出来るものであり、またロープ部材に張力エネルギー集中吸収部分が設けてある場合には、その部分だけの交換でサポートロープを正常状態に復旧できるので、復旧に要する作業や材料の費用および経費が低減できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による落石防護装置の1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の落石防護装置の一部を上方から見た平面図である。
【図3】一本の支柱全体の側面図である。
【図4】支柱の上部に設けた上側サポートロープのロープ部材支持手段を示す図である。
【図5】支柱の下部に設けた下側サポートロープのロープ部材支持手段を示す図である。
【図6】2本のロープ部材の結束手段としてのクリップを示す図である。
【図7】防護ネットをロープ部材に係留するためのシャックルを示す図である。
【図8】クリップおよびシャックルの使用状態を示す図である。
【図9】緩衝装置の具体例を示す斜視図である。
【図10】緩衝装置を交換容易にする張力エネルギー集中吸収部分の実施態様を示す図である。
【図11】緩衝装置を有する他の張力エネルギー集中吸収部分の実施態様を示す図である。
【図12】緩衝装置を持たない張力エネルギー集中吸収部分の実施態様を示す図である。
【図13】サポートロープのエネルギー吸収動作を示すグラフである。
【符号の説明】
1(1a、1b、1c)・・・支柱
2・・・上側サポートロープ
2a、2b・・・上側サポートロープのロープ部材
2af、2bf・・・非支持ロープ部材
3・・・下側サポートロープ
3a、3b・・・下側サポートロープのロープ部材
3af、3bf・・・非支持ロープ部材
4・・・防護ネット
5・・・結束手段
6・・・緩衝装置
7・・・上側ロープ部材支持手段
8・・・下側ロープ部材支持手段
9・・・グラウンドプレート
10・・・直立プレート
12・・・シャックル
13・・・張力エネルギー集中吸収部分
14・・・シャックル
Claims (11)
- 離間して立設配置された複数本の支柱と、これら支柱間に張り渡され、防護ネットを支柱間に支持している上側サポートロープおよび下側サポートロープとを有している落石防護装置において、上側サポートロープおよび下側サポートロープのうち少なくとも一方が2本の並行ロープ部材を有しており、これら2本のロープ部材は交互に一つ置きの支柱に、支柱に付設されたロープ部材支持手段によって、長手方向へ摺動可能に支持されており、各支柱における支持されているロープ部材と非支持のロープ部材とは当該支柱の側方において相互に摩擦摺動可能に結束されており、上記の防護ネットは各支柱間におけるロープ部材結束箇所の間の範囲では2本のロープ部材に共通的に係合し、それ以外の範囲では非支持ロープ部材に係合していることを特徴とする落石防護装置。
- 各ロープ部材が、ロープ部材支持手段に支持された箇所と、この支持箇所に隣接する結束箇所との間において、ロープ部材上に発生する張力エネルギーを吸収する緩衝装置を有していることを特徴とする、請求項1に記載の落石防護装置。
- 緩衝装置がループ管を有しており、このループ管は重ね合わされた両端部を有しており、重なり合ったこの両端部が掴み部材によって締め付け状態で相互に固定されており、ロープ部材がこのループ管の重ね合わされた両端部の内の一方端部の管口から入り、ループ管内を通り、他方端部の管口から出ていることを特徴とする、請求項2に記載の落石防護装置。
- ロープ部材の中途に、ロープ部材に掛かる張力エネルギーを集中的に吸収する部分が交換可能に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の落石防護装置。
- エネルギー集中吸収部分が、緩衝装置と、この緩衝装置へ緊張エネルギーを伝達するように同緩衝装置に取り付けられた線材とによって構成され、この線材の端部と、これらに対向するロープ部材本体中途端部とが互いに連結されていることを特徴とする請求項4に記載の落石防護装置。
- エネルギー集中吸収部分が、ロープ部材に比較して小さな引張り力で塑性変形する寸法形状の若しくは材料の線材によって形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の落石防護装置。
- エネルギー集中吸収部分が、ロープ部材に比較して小さな引張り力で塑性変形する寸法形状の若しくは材料の少なくとも2本の線材によって形成されており、エネルギー集中吸収部分が張力エネルギーを受けた際に、それら線材の塑性変形開始時期が異なることを特徴とする、請求項4に記載の落石防護装置。
- 上側サポートロープにおける一方のロープ部材の一方端部が一方の端部支柱の基部に固定され、当該端部支柱に沿って上方へ延び、当該端部支柱の上部において長手方向へ摺動可能に支持されており、上記一方のロープ部材の他方端部が他方の端部支柱の上部に固定されており、また他方のロープ部材の一方端部が上記他方の端部支柱の基部に固定され、当該他方の端部支柱に沿って上方へ延び、当該他方の端部支柱の上部において長手方向へ摺動可能に支持されており、上記他方のロープ部材の他方端部が上記一方の端部支柱の上部に固定されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の落石防護装置。
- 上側サポートロープのロープ部材支持手段が、ロープ部材と緩く係合しロープ部材延伸方向へ延びている案内溝を有し、この案内溝がその上部においてロープ部材を着脱するためのスリットと連通していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の落石防護装置。
- 下側サポートロープのロープ部材支持手段が、支柱の基部に、支柱に対して横方向へ且つロープ部材の延伸方向に対して交差する方向へ延びている円柱状乃至円筒状ロープ押え部材を有しており、このロープ押え部材がその下側にロープ部材通過可能の隙間を形成しており、この隙間は支柱に対して遠方側が開放しており、隙間の開放側端部がロープ押え部材に設けたフランジによりロープ部材の太さより幾分大きな寸法の間隔に狭められており、上記隙間の両側方にはこの隙間の高さ範囲内若しくはこの範囲より上方に上縁を有する偏向用部材が上記のロープ押え部材と並行して設けてあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の落石防護装置。
- 防護ネットが支柱列に対して谷側に配置されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の落石防護装置。
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