JP3586356B2 - 破砕組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は土木や建築現場で、岩石、コンクリート構造物等を破砕する場合に有用な破砕組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネルの掘削工事、土地造成工事、道路工事、港湾工事等の土木工事においては一般的にダイナマイト、含水爆薬、アンホ爆薬等の爆破剤やコンクリート破砕器といった火薬類や、トンネル掘削機等の爆破剤、破砕機器類が使用されている。
また、転石の破砕、コンクリート構造物の取り壊し工事、橋脚基礎の取り壊し工事等においてもコンクリート破砕器やブレーカー、ピック、くさび、静的破砕剤等の破砕剤若しくは破砕機器類が使用されている。
しかし破砕機器類は騒音が大きかったり作業効率が悪いという欠点があり、静的破砕剤は非常に遅い化学反応を利用するため施工処理に多大の時間と労力を要すという欠点を有している。
このような工事では火薬類は非常に有用で経済的な産業資材であるが、作業に当たっては煩雑な手続きを必要とする上、市街地や民家が近くにある場合においては爆発音や振動、さらには飛び石等が発生する等の問題があり、これを防止することが困難を伴うため使用が大きく制限されている。
そこで近年、火薬類を含まず、反応速度は爆薬等に比較すると小さいが振動及び騒音が少なく、また一般的に使用されている爆薬類と同様の作業方法で取り扱う事が出来るため施工処理が迅速にできる等の長所を有するテルミット反応を利用した非火薬系の破砕組成物が注目を集め開発されている。
例えば、(a)特開昭63−319285号公報(以下イ号公報と呼ぶ)にはアルミニウム23〜30重量部と酸化第二銅77〜70重量部からなるテルミット剤に、ガス発生剤として硝安やカリ明バンを所定量混合した破砕組成物が開示されている。(b)特開平2−204384号公報(以下ロ号公報と呼ぶ)には平均粒子径44μm以下の酸化第二銅70〜80重量%と平均粒子径75〜44μmのアルミニウム粉20〜30重量%からなるテルミット剤100重量部と、カリ明バン、硫酸ニッケルまたはホウ砂からなる分解ガス発生剤80〜120重量部と、で構成された破砕組成物が開示されている。(c)特開平8−169791号公報(以下ハ号公報と呼ぶ)には粉塵飛散防止剤と酸化防止剤を含んだ粒子径が44μm以下のアルミニウム粉と粒子径74μm以下の酸化第二銅からなるテルミット剤とホウ砂を除いた結晶水を有する無機物からなるガス発生剤とで構成された破砕組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の破砕組成物は、以下のような課題を有している。
(1)イ号乃至ハ号公報の破砕組成物ではテルミット剤の金属酸化物として酸化第二銅が使用されているが、酸化第二銅は、その生成熱が低いためテルミット反応の際の発熱量が大きい長所を有するが、銅の原子量が大きいために酸化第二銅の質量当たりの酸素含有量が小さく、酸素供給能力が小さい。
(2)また、いずれも酸化第二銅の粒子径が大きいため反応速度が遅い。
(3)反応速度が遅いため、燃焼速度が遅く燃焼が途切れ易かったりして、作業性を損なうとともに作業に時間を要す。
(4)従来の破砕組成物は反応速度が遅く燃焼速度が遅いため短時間に高温雰囲気が得られないので、高圧のガスを瞬時に得ることができず破砕力が弱いため多量の破砕組成物を要す。
(5)また、高圧のガス圧力を瞬時に得られないため破砕力に欠ける。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、反応速度が速く強力な破砕力を得ることができ破砕作業の作業性を著しく向上できる破砕組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の破砕組成物は、30wt%〜2wt%の酸化第二鉄と、83wt%〜10wt%の酸化第二銅と、30wt%〜15wt%のアルミニウム粉末を含有するテルミット剤100重量部と、20重量部〜125重量部のガス発生剤と、を含有し、前記酸化第二鉄の粒子径が0.15μm〜1μmであることを特徴とする構成を有している。
この構成により、従来の破砕組成物よりも反応速度が著しく向上し、短時間に高熱が得られ、その熱でガス発生剤が瞬時にガスを放出し、そのガスの膨張で強烈な破砕力を得ることができる、という作用が得られる。
【0006】
ここで、酸化第二鉄が30wt%よりも多くなるにつれて破砕力が酸化第二鉄を混合しない場合よりも低くなる傾向が現れ易く、特に60wt%を越えるとその傾向が著しいので好ましくない。また、酸化第二鉄の含有量が10wt%よりも少なくなるにつれて反応が低下し燃焼速度が遅くなり破砕力が低下する傾向を生じ、特に2wt%よりも少なくなるとその傾向が著しいので好ましくない。
酸化第二銅は70wt%〜30wt%の範囲から外れるにつれ、反応が低下し燃焼速度が遅くなり、ガス発生量が下がるという傾向を生じ、特にガス発生剤の種類にもよるが、83wt%〜10wt%の範囲を越えるとこの傾向が著しいので好ましくない。
アルミニウム粉末は30wt%〜15wt%の範囲から外れるにつれテルミット反応に過不足を生じて未反応物が生じ易いので好ましくない。
前記ガス発生剤は120重量部より多くなるにつれ、テルミット反応の反応熱を吸収し反応の進行を阻害するため高温が得られ難く、その分ガス発生量が減少し、十分な破砕力が得られなくなる傾向を生じ、特にテルミット剤の成分にもよるが150重量部を越えるとこの傾向が著しいので好ましくない。また50重量部、特に20重量部より少なくなるにつれてガス発生量が減少し、高圧が得られ難い傾向が生じるため好ましくない。
酸化第二鉄の粒子径が0.25μm、特に1μmを越えるにつれて反応速度が低下する傾向が生じるので好ましくない。また0.15μmより小さくなるにつれ取扱いが困難になる傾向が生じるので好ましくない。
【0007】
本発明の請求項2に記載の破砕組成物は、請求項1において、前記ガス発生剤が硫酸アルミニウム・18水和物、硫酸鉄・7水和物、硫酸亜鉛・7水和物、メタ珪酸バリウム・6水和物、硫酸コバルト・7水和物、硫酸マンガンカリウム・12水和物、カリ明バン・12水和物等の無機化合物、またはグラニュウ糖等の有機化合物の内いずれか一種以上からなる構成を有している。
この構成により、無機化合物の結晶水がテルミット反応によって発生した高い反応熱によって一瞬に気化して蒸気として放出され、高温下で膨張して極めて高圧を得ることができ、その圧力で岩石等を容易に破砕することができる。また、有機化合物は瞬時に反応し炭酸ガスや水蒸気となり高圧が得ることができるとともに、反応ガスが無害なので安全性に優れる。という作用が得られる。
尚、強力な破砕力を要しない場合は、グラニュウ糖に代え、オリゴ糖、木粉、尿素等も用いることができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記酸化第二銅の粒子径が1μm〜7μm好ましくは1μm〜4μmであり、かつ、前記アルミニウム粉末の粒子径が0.5μm〜16μm好ましくは2μm〜14μmで水面被覆面積が15,000cm/g〜100,000cm/g好ましくは20,000cm/g〜50,000cm/gである構成を有している。
この構成により、粒子径が著しく小さいので、各反応物の接触表面積が著しく大きくなり、その分固−固反応を一気に進行させることができる。反応速度を著しく速めることができるので短時間に高温を得ることができ、ガス分解剤を瞬時にガス化させ強力な破砕力を得ることができる。という作用を有する。
【0009】
ここで酸化第二銅の粒子径が4μm、特に7μmを越えるにつれて反応速度が低下する傾向が生じ、また1μmより小さくなるにつれて取扱いが困難になる傾向が生じるので好ましくない。
アルミニウム粉末の粒子径は酸化鉄や酸化銅の添加量や粒径等にもよるが、0.5μm〜16μm、特に2μm〜14μmの範囲で高い燃焼速度を得ることができる。この範囲、特に上限を外れていくにつれ、燃焼速度が低下する傾向が見られるので好ましくない。また水面被覆面積が、15,000cm/g〜100,000cm/g好ましくは20,000cm/g〜50,000cm/gを有するのが望ましく、酸化第二鉄や酸化銅と接触面積が広がり系を均一に反応させ、著しい高温を得ることができる。
水面被覆面積はアルミニウム粉末の撥水性と粒子径の指標となるものであり、アルミニウム粉末は水面被覆面積を高めるためパラフィンワックス、シリコーン類や、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩などの撥水剤でコーティングされる。これらのアルミニウムの撥水剤はテルミット反応で迅速に燃焼し、反応を阻害することがない上にガス発生の補助的役割が得られるとともに、水面被覆面積が大きい、すなわち粒子径が小さくかつ撥水性の大きいものを使用することにより燃焼速度を高め、さらにアルミニウムの劣化を防止し、経時安定性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
【実施例】
(実施例1)
粒子径5μm〜14μmで23,000cm/g以上の水面被覆面積を有するアルミニウム粉末46g、平均粒子径3μmの酸化第二銅124g、および平均粒子径0.2μm±0.05μmの酸化第二鉄30gを500mlの容器に計量し、混和機に移して十分に混合したのち、合成ゴム系のエラストマーコンパウンドを25wt%含有するトルエン溶液(以下、バインダー溶液という)32gを添加し、さらに170mlのトルエンを追加して十分に混練した。このものにガス発生剤として硫酸アルミニウム・18水和物200gを3回に分けて添加し、さらによく混練を行った。この湿状の破砕組成物をステンレス製の篩にかけて造粒、篩分けを行い粒子径が85μm〜326μmの間の粒状の破砕組成物を得た。これを温水乾燥機を用いて50°Cで造粒時に使用したトルエンが完全になくなるまで乾燥した。
次いで、得られた試料を用い開放燃焼性及び開放燃焼での燃焼速度の測定を行い、その結果を(表1)に示した。ここで、開放燃焼性の評価は実用性の面からプラスチック製薬筒の破砕状況を目視判定した。符号◎は燃焼が迅速で発熱、ガス発生量共に大で薬筒が細かく破砕された。○は燃焼が良好でガス発生量も良好、薬筒が2、3片に破砕された。△は燃焼性が遅く薬筒が割れるが断片にならず、実用性に難点が認められる。×は燃焼性が悪く薬筒が一部割れるが原形が残り実用性に欠ける。また、開放燃焼での燃焼速度は試料を内径26mm、長さ350mmのプラスチック製薬筒に充填し、点火具で着火して測定した。
また、破砕力の測定を弾道臼砲試験によって行った。その仕事効果はTNTに比較して35%であった。
【0011】
(実施例2)
実施例1で用いた原料を用い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二鉄40g、酸化第二銅114g、を混合し実施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
また、弾道臼砲試験における仕事効果はTNTに比較して34%であった。
【0012】
(実施例3)
実施例1で用いた原料を用い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二鉄60g、酸化第二銅94g、を混合し実施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
また、弾道臼砲試験における仕事効果はTNTに比較して31%であった。
【0013】
(実施例4)
実施例1で用いた原料を用い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二鉄20g、酸化第二銅134g、を混合し実施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
また、弾道臼砲試験における仕事効果はTNTに比較して33%であった。
【0014】
(実施例5〜8)
硫酸アルミニウム・18水和物の量を変えて、実施例1と同様の操作を行い、所定の粒状の破砕組成物を調製し、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を求めた。その結果を(表1)に示した。
【0015】
(実施例9〜15)
ガス発生剤を硫酸アルミニウム・18水和物以外のものとした他は、実施例1と同じ原料、操作を行い開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を求めた。その結果を(表2)に示した。
【0016】
(比較例1)
酸化第二鉄を使用しない以外は実施例1で用いた原料を用い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二銅154g、を混合し、実施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。
次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
また、弾道臼砲試験における仕事効果はTNTに比較して21%であった。
【0017】
(比較例2)
平均粒子径5μmの酸化第二鉄40gを用いた以外は、実施例1で用いた原料を使用し、配合量としてアルミニウム粉末46g、酸化第二銅114gを混合し、実施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。
次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
【0018】
(比較例3)
平均粒子径5μmの酸化第二鉄30gを用いた以外は実施例1で用いた原料を使用し、配合量としてアルミニウム粉末46g、酸化第二銅124gを混合し、実施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。
次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
【0019】
(比較例4)
実施例1で用いた原料を用い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二鉄90g、酸化第二銅64g、を混合し実施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。
次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
また、弾道臼砲試験における仕事効果はTNTに比較して15%であった。
【0020】
(比較例5)
硫酸アルミニウム・18水和物を300gに増やした以外は実施例1で用いた原料を同じ配合量で使用し破砕組成物を得た。
次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表1)に示した。
【0021】
(比較例6、7)
ガス発生剤として硫酸第一鉄・7水和物、グラニュウ糖を使用し、各々テルミット剤100重量部に対して150重量部にして破砕組成物を得た。
次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表2)に示した。
【表1】
Figure 0003586356
【表2】
Figure 0003586356
この(表1),(表2)から明らかなように、実施例1では開放燃焼時の燃焼速度は243m/sec.で、酸化第二鉄を加えていない比較例1と対比して1.43倍も向上していることがわかった。次に配合量が同一で酸化第二鉄の平均粒子径が5μmである比較例3と対比すると本実施例は1.71倍に向上していることがわかった。このことから酸化第二鉄の粒子径の燃焼速度に対する寄与率が大きいことがわかった。また、実施例1の開放燃焼性は比較例1,比較例2に比べ特に良好であった。
また、実施例1の破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比し1.67倍であり著しい向上がみられた。このことから酸化第二鉄の破砕力に対する寄与率が大きいことがわかった。
実施例2は開放燃焼時の燃焼速度は220m/sec.であり、酸化第二鉄を加えていない比較例1と対比して1.29倍に向上していることがわかった。次に配合量が同一で酸化第二鉄の粒径が5μmである比較例2と対比して1.51倍に燃焼速度が向上していることがわかった。このことからも 酸化第二鉄の粒子径の寄与が大きいことがわかった。
また、破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して1.62倍に向上していた。
実施例3では、開放燃焼時の燃焼速度は190m/sec.で、酸化第二鉄を加えていない比較例1と対比して1.12倍に向上していた。
また、破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して1.48倍であった。このことから、高価な酸化第二銅を比較例1の0.6倍に減らしても破砕力を向上させることができることがわかった。
実施例4では開放燃焼時の燃焼速度は221m/sec.で、酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して1.3倍に向上していた。
また、破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して1.57倍であった。このことから微小粒子の酸化第二鉄を少量添加するだけでも著しく破砕力を向上させることがわかった。
実施例1乃至4の結果から明らかなように、微小粒子の酸化第二鉄を添加することにより、破砕組成物の燃焼速度や破砕力、開放燃焼性等を著しく向上させることがわかった。
次に、比較例1と比較例4とを対比してみると、比較例4の開放燃焼時の燃焼速度は106m/sec.であり、酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して62%に燃焼速度が落ちていることがわかった。また、破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して0.71倍に落ちていた。このことから酸化第二鉄の添加量を多くしても燃焼速度や破砕力が落ちることが確認された。
【0022】
テルミット剤中の酸化第二鉄の含有量と対TNT仕事効果について、検討を行った。
図1は対TNT仕事効果のテルミット剤中の酸化第二鉄の含有量の依存性を示す図である。
この図1から明らかなように、対TNT仕事効果は平均粒子径0.2μm±0.05μmの酸化第二鉄の含有量が15%近辺で最大値を示すことがわかった。酸化第二鉄の含有量が10%未満になるにつれ、また、30%を越えるにつれ対TNT仕事効果が30%以下になることがわかった。
【0023】
次に、ガス発生剤の最適量について確認を行った。
実施例1,5乃至15,比較例5乃至7から明らかなように、テルミット剤100重量部に対してガス発生剤は25〜125重量部でより優れた燃焼速度や破砕力が得られることがわかった。特に実施例5は比較例5の1/6のガス発生剤の添加量で開放燃焼時の燃焼速度は2.26倍にもなることがわかった。また、実施例9と比較例6を対比すると比較例6はガス発生剤が1.5倍なのに対し燃焼速度は43%であった。このことからガス発生剤を多くしすぎると燃焼速度が低下することが確認された。これはテルミット剤が多量のガス発生剤で希釈され接触面積が狭まるとともに、ガス発生剤の吸熱反応によりテルミット反応の反応速度が低下したものと思われる。
【0024】
次に、ガス発生剤の種類を変えて最適量について確認を行った。
実施例9乃至15、比較例6,7から明らかなように、本実施例のガス発生剤によれば、いずれも良好な結果が得られることがわかった。
また、実施例14,15、比較例7から明らかなように有機物のガス発生剤であるグラニュウ糖でも同様の結果が得られることがわかった。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、30wt%〜2wt%を占める酸化第二鉄と、83wt%〜10wt%好ましくは70wt%〜30wt%の酸化第二銅、30wt%〜15wt%のアルミニウム粉末とで構成されるテルミット剤100重量部と、20重量部〜125重量部のガス発生剤とを含有する構成とし、前記酸化第二鉄の粒子径が0.15μm〜1μm好ましくは0.15μm〜0.25μmとする事で燃焼速度と破砕力が優れた破砕組成物が得られる。
また、前記ガス発生剤を硫酸アルミニウム・18水和物、硫酸鉄・7水和物、硫酸亜鉛・7水和物、メタ珪酸バリウム・6水和物、硫酸コバルト・7水和物、硫酸マンガンカリウム・12水和物、カリ明バン・12水和物等無機化合物、またはグラニュウ糖等の有機化合物等のいずれか一種以上とすることで破砕力の優れた破砕組成物が得られる。
さらに前記酸化第二銅の粒子径が1μm〜7μm好ましくは1μm〜4μmであり、かつ、前記アルミニウム粉末の粒子径が0.5μm〜16μm好ましくは2〜14μm、水面被覆面積が15,000cm/g〜100,000cm/g好ましくは20,000cm/g〜50,000cm/gとすることで、粒子径が大きいものよりも燃焼速度と破砕力が向上した破砕組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】対TNT仕事効果のテルミット剤中の酸化第二鉄の含有量の依存性を示す図

Claims (3)

  1. 30wt%〜2wt%の酸化第二鉄と、83wt%〜10wt%の酸化第二銅と、30wt%〜15wt%のアルミニウム粉末を含有するテルミット剤100重量部と、20重量部〜125重量部のガス発生剤と、を含有し、前記酸化第二鉄の粒子径が0.15μm〜1μmであることを特徴とする破砕組成物。
  2. 前記ガス発生剤が硫酸アルミニウム・18水和物、硫酸鉄・7水和物、硫酸亜鉛・7水和物、メタ珪酸バリウム・6水和物、硫酸コバルト・7水和物、硫酸マンガンカリウム・12水和物、カリ明バン・12水和物等の無機化合物、またはグラニュウ糖等の有機化合物の内いずれか一種以上からなることを特徴とする請求項1に記載の破砕組成物。
  3. 前記酸化第二銅の粒子径が1μm〜7μmであり、かつ、前記アルミニウム粉末の粒子径が0.5μm〜16μmで水面被覆面積が15,000cm/g〜100,000cm/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の破砕組成物。
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