JPH1129389A - 非火薬破砕組成物 - Google Patents
非火薬破砕組成物Info
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Abstract
非火薬破砕組成物を危険物第2類第二種可燃性固体以下
の鈍感な組成物に感度を低下すること。 【解決手段】 アルミニウム、酸化第二銅から成るテル
ミット剤と、明礬から成るガス発生剤と、塩化ビニルか
ら成るバインダーと、ステアリン酸塩、蓚酸塩、炭酸
塩、重炭酸塩又は融点が80℃以上のマイクロクリスタ
リンワックスの何れか一種以上から成る鈍感化剤とで構
成した。ステアリン酸塩は、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム
又はステアリン酸亜鉛である。蓚酸塩は、蓚酸マグネシ
ウムである。炭酸塩は、炭酸マグネシウムである。重炭
酸塩は、重炭酸ナトリウムである。鈍感化剤の含有量
が、0.5〜5.0重量%の範囲である。鈍感化剤の含
有量が、0.7〜3.0重量%の範囲である。明礬は、
カリウム明礬又はアンモニウム明礬である。
Description
に係り、特に、非火薬破砕組成物の小ガス炎着火感度を
低減することに関するものである。
定される火薬類以外の成分から成る組成物であって、こ
れは専用の着火具で燃焼反応させると、成分中の結晶水
が急激に気化し主として水蒸気ガスを発生する。従っ
て、これを適度な間隔に配置した密閉空間、例えば、岩
石、岩盤、コンクリート等(以下、脆性体と呼ぶ)の穿
孔いわゆるボアホールに充填し閉塞後、着火具で着火燃
焼させれば、その発生ガス圧によって脆性体を瞬時に引
張破砕(破壊)させるものである。
術としては、最も汎用的な方法である火薬類による破壊
手段、或いは建設重機、油圧割岩機等による機械的破砕
手段、又は石灰等を主成分とする膨張性破砕剤による破
砕方法等がある。火薬類による破壊手段では、先ず消費
許可を取得し、その後実際の施工に移るが、消費許可が
認可されるまでに1〜l.5ケ月を要し、緊急の場合に
は対応しきれない面があるばかりか、苦労して取得した
消費許可も実際の施工による地盤振動、騒音等のために
施工方法の変更を余儀なくされる場合もある。
工に起因する地盤振動、騒音については許容レベル以下
であっても、施工効率が劣るために施工期間が長くな
り、採用には至らなくなる場合もある。同様に、膨張性
破砕剤を用いた施工法は、地盤振動、騒音が殆ど発生せ
ず極めて環境に優しいが、やや施工速度が遅く、而も施
工単価が高いという欠点がある。
方法を提供するために、低振動・低騒音破砕薬剤ガンサ
イザー(日本工機株式会社製商品名)がある。これは、
火薬類を用いた施工方法と全く同じ手順で消費許可を必
要とせずに迅速に脆性体を破壊する施工法を提供するも
ので、ダイナマイト等の産業爆薬を使用したことのある
現場作業員には違和感を与えない破砕剤である。
特開昭63−319285号公報、特開平2−2043
84号公報、特開平8−169791号公報等に開示さ
れている。
は、裸火に対する安全性が低く、危険物第2類可燃性固
体の識別試験である小ガス炎着火感度試験では第一種可
燃性固体に該当し、かねてよりその鈍感化が望まれてい
た。
る組成物の裸火に対する危険性評価方法としては、消防
法に基づく危険物判定試験方法があり、これには各危険
物の類別に応じた各種の試験方法が明記されている。こ
こで、危険物判定試験方法とは、当該物品が本来有する
危険性の性状を正確に把握することにより、一定以上の
危険性を有するものを危険物として規制し、貯蔵・取扱
い等に関して火災予防上の見地から保安規制するもので
ある。この中で、非火薬破砕組成物に関係する危険性判
定試験には小ガス炎着火試験があり、これは危険物第2
類に該当するか否か、若し危険物第2類に該当するなら
ば、その中の第一種可燃性固体なのか、第二種可燃性固
体なのかを判断する試験法である。
破砕組成物は、小ガス炎着火試験で3秒以内に着火する
易着火性の第一種可燃性固体であった。そのために、指
定数量は100Kgであって、当該物質単独で100K
g以上の貯蔵・取扱いにあっては消防法に基づく特定場
所での貯蔵・取扱い許可が必要である。
例に基づく少量危険物の貯蔵・取扱いとして規制される
のみである。従って、本発明は、危険物第2類第一種可
燃性固体である現在の非火薬破砕組成物を危険物第2類
第二種可燃性固体以下の鈍感な組成物に感度を低下する
ことを目的とする。
ミニウム、酸化第二銅から成るテルミット剤と、明礬か
ら成るガス発生剤と、塩化ビニルから成るバインダー
と、ステアリン酸塩、蓚酸塩、炭酸塩、重炭酸塩又は融
点が80℃以上のマイクロクリスタリンワックスの何れ
か一種以上から成る鈍感化剤とで構成したことを特徴と
する。
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸アルミニウム又はステアリン酸亜鉛であるこ
とを特徴とする。請求項3の発明は、蓚酸塩は、蓚酸マ
グネシウムであることを特徴とする。請求項4の発明
は、炭酸塩は、炭酸マグネシウムであることを特徴とす
る。
トリウムであることを特徴とする。請求項6の発明は、
鈍感化剤の含有量が、0.5〜5.0重量%の範囲であ
ることを特徴とする。請求項7の発明は、鈍感化剤の含
有量が、0.7〜3.0重量%の範囲であることを特徴
とする。
又はアンモニウム明礬であることを特徴とする。
成物の裸火に対する着火感度、即ち小ガス炎着火感度試
験は、組成物の原料成分のうち何が最も火炎に対して敏
感であるかを検討した。更に、これを低減するためには
どうすれば良いか、何をどのように利用すべきかを検討
した。
予め混ぜることによって特定の感度を鈍感化することが
できることを見い出した。その概要を簡単に記すと、非
火薬破砕組成物は、燃料(還元剤)であるアルミニウ
ム、酸化剤である酸化第二銅及びガス発生剤であるカリ
ウム明礬の3主成分からなるが、この何れかの1原料又
はこれらの混合物に鈍感化に寄与する添加剤を予め混ぜ
込むことによって、当該原料又は混合物を特定の添加剤
で被覆してしまうことである。こうした添加剤入り原料
又は混合物とその他の成分を再度混和するという2工程
から成る配合方法により得た非火薬破砕組成物は、種々
の感度特性を持つことが分かった。その一例としてステ
アリン酸カルシウムの効果について表1に示した。
ペーパー落槌とはJlS落槌試験で有意差を生じないた
め、サンドペーパー(CC1000)を用いて実施し
た。以上より、添加剤(以下、鈍感化剤と呼ぶ)である
ステアリン酸カルシウムは、混合物である破砕剤そのも
のに外割添加した実験No.2,10,11の方が、小
ガス炎着火感度等その他の感度が大きく低減する。一
方、酸化第二銅に予め混ぜた実験No.8は、鈍感化傾
向は弱い。
よっては少量でもある種の感度を大きく低減できること
が分かり、以下のような知見を得て本発明に至ったもの
である。 (1)ガス発生剤の種類によって加えるべき鈍感化剤の
種類と量、特に量が異なる。
化第二銅及びカリウム明礬から成るとき、鈍感化剤はカ
リウム明礬又はアルミニウムに混ぜた実験No.7又は
9の方が、小ガス炎着火感度の鈍感化効果は大きい。 (3)鈍感化剤としては燃料(還元剤)の表面を万遍な
く被覆することのできる表面積の大きなものが効果があ
る。従って、嵩密度の小さなステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸亜鉛であり、そのほか蓚酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、マイクロク
リスタリンワックスが好ましい。
組み合わせによっては、外割0.7重量%の添加量(実
験No.4)で小ガス炎着火試験に有効なものもあれ
ば、外割3.0重量%(表1に表示せず)でもそれに無
効なものもある。 (5)添加量が外割2.0重量%以上であれば、ステア
リン酸塩は何れも小ガス炎着火感度に鈍感化傾向を示
す。
表1の配合比は、何れも重量部で表示したが、表中の重
量部はそのまま重量%と置き換えても良い。アルミニウ
ム、酸化第二銅及び明礬の3主成分の合計で丁度100
になるように設計しているからであり、バインダー或い
は鈍感化剤は何れも外割重量%になる。
したが、アルミニウム明礬についても同様である。本発
明は、基本的に、現在流通している非火薬破砕組成物の
性能を大きく低下することなく、危険物第2類第一種可
燃性固体から同類第二種可燃性固体へと鈍感化すること
を狙って改良するものである。即ち、現在の非火薬破砕
組成物の貯蔵又は取扱い指定数量を100Kgから50
0Kgへと緩和し、貯蔵・取扱いを容易にすることを目
的に改良したものである。
のみを追求してきたため、非火薬組成物でありながら、
例えば火薬類であるコンクリート破砕器と同様な性能を
持った破砕薬であって、破壊性能的にも十分な能力を持
っている。そこで、多少の仕事効果を犠牲にしてでも、
もっと貯蔵及び取扱い量を増やせるようにすることを狙
いとした。
薬破砕組成物の90%以上の脆性体破壊性能を有するも
のに目標設定した。このような組成物の仕事効果は、一
定容積内に閉塞された一定容積の組成物が燃焼反応等で
急激に分解しガスを発生するとき、一定時間内に発生す
るガス量によって、即ちガス発生速度とその量によって
決まる。例えば、ガス量が十分であっても反応速度が遅
ければ、反応ガス中の水蒸気は周辺媒体を加熱すると同
時に冷却され凝縮してしまう。こうなると、ガス圧は急
激に低下し、脆性体を破壊する力が弱くなってしまう。
従って、一般にこのような組成物の仕事効果は、燃焼反
応速度と発生ガス量によって決まり、燃焼速度が密閉状
態で100m/s以下と極めて低下しない限り、弾動臼
砲比が90%以上になるような組成物を得ることを目標
とした。
アリン酸マグネシウム等のステアリン酸塩が最も有効
で、そのほか炭酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、蓚
酸マグナシウム、マイクロクリスタリンワックス等も有
効あることが分かった。特に、ステアリン酸塩は、非火
薬破砕組成物の仕事効果に大きな性能低下を惹起するこ
となく、効果的に小ガス炎着火感度の低下に寄与するこ
とが分かった。非火薬破砕組成物の小ガス炎着火機構
は、非火薬破砕組成物のテルミット剤が最も裸火に対し
て敏感であることから、テルミット剤中のアルミニウム
が着火源に成るものと判断される。従って、アルミニウ
ムを鈍感化剤で被覆するか、燃料であるアルミニウムと
酸化剤である酸化第二銅との接触を断つことによって、
テルミット反応を生起しないようにすれば最も有効であ
ろうことは想像される。
て、食塩、重炭酸ナトリウム及び炭酸マグネシウムは有
効であろうことは想像に難くない。又、同じ被覆であっ
ても、一定量の例えばアルミニウムを同一重量の被覆剤
で被覆するには嵩比重が低く、微粒子のものほど被覆効
果は上がることは自明である。冷却剤の作用機能は、そ
れ自身裸火に対して鈍感で、比較的融点或いは分解温度
の低いものであれば有効である。今、小ガス炎着火感度
の鈍感化だけについて着眼すると、前述の通りアルミニ
ウムが発火する温度より低い温度で分解、或いは溶融す
るようなものは、その状態変化の際に熱を奪うため、目
的とする混合組成物の熱的感度が鈍感になる。このよう
な作用機構で本非火薬破砕組成物の小ガス炎着火感度が
鈍感になるものと解釈される。
槌感度或いはピックハンマーによる衝撃感度)が鈍感に
なる機構についても同様に推理される。即ち、本非火薬
破砕組成物のような可燃性固体から成る危険物等の衝撃
発火機構を調査してみると、発火(反応開始)の発端は
摩擦熱に起因するものが大半である。従って、前述のよ
うに着火源と成る要素(成分)を熱的に鈍感化する或い
は燃料と酸化剤の接触を断ってやれば、目的は達せられ
る筈である。後述する実施例を示す表2の結果を見て
も、小ガス炎着火感度試験で鈍感化効果のあるものはピ
ックハンマーによる衝撃感度試験でも鈍感化傾向が認め
られている。
1から8はそれぞれ鈍感化剤の種類を変えたものであ
り、実施例9〜13は鈍感化剤の添加量効果を確認した
もの、実施例14はガス発生剤としてアンモニウム明礬
を用いた場合の鈍感化効果を調査したものである。
く使われる冷却剤(炭酸マグネシウム:融点350℃、
重炭酸ナトリウム:融点270℃)を用いたものであ
る。即ち、有色煙薬等ではこれらの冷却剤を用いること
によって鮮やかな有色煙を発生させることができる。こ
れらの目的は、反応温度の上昇を抑えることによって、
成分中の染料の燃焼を防止し、ガス担持体にその染料を
付着させ鮮やかな有色煙を発生させるものである。
を狙って鈍感化効果を確認したものである。即ち、実施
例3,4は、鈍感化剤に低融点(蓚酸マグネシウム:2
50〜270℃分解、マイクロクリスタリンワックス:
融点92℃)のものを利用したものであり、実施例5
(ステアリン酸亜鉛:融点130℃)、実施例6(ステ
アリン酸アルミニウム:融点103℃)、実施例7(ス
テアリン酸マグネシウム:融点86℃)及び実施例8
(ステアリン酸カルシウム:融点180℃)は実施例
2、4と同様に低融点でありながら嵩密度が低く微粒子
であるものを選定して実施したものである。嵩比重の低
いステアリン酸塩の中では、融点の高いカルシウム塩の
方が、小ガス炎着火感度試験では良好な結果を与える傾
向にあることが分かった。
リン酸カルシウムを用い、その添加量を変えることによ
って最も有効な量的範囲を調査したものである。一般
に、鈍感化剤を増やせば、所望の鈍感化効果が得られる
ことは比較例5、6からも自明である。然し乍ら、本非
火薬破砕組成物の脆性体破壊性能を大きく低下すること
なく小ガス炎着火感度のような特定の感度性能を低下す
ることは困難を伴う。
は、その添加量が外割1重量部以下であっても表2の実
施例9〜11にあるように2工程から成る混合方法に特
定すれば、最終目標である小ガス炎着火感度をクリアす
ることができることを示す。然し、これは製造方法の煩
雑さから製品単価が高くなるなどの理由から1工程で得
られる組成物で小ガス炎着火感度試験をクリアするよう
な組成物であることが望ましい。
工程で所望の組成物が得られるかを確認したところ、鈍
感化剤の添加量が外割2%以上であれば、1工程で所望
の小ガス炎着火感度性能のものが得られ、而も脆性体破
壊性能の1指標である弾動臼砲比が元の組成物の90%
以上のものが得られることが分かった。又、鈍感化剤の
添加量上限は、実施例13に記したように、破砕性能は
元の性能の90%以下に低下してしまう可能性があるこ
とが分かった。
下の作用機構は、先にも記したように主成分であるアル
ミニウム、酸化第二銅及び明礬のうち燃料成分であるア
ルミニウムを本非火薬破砕組成物の最終目的である破砕
性能に影響を及ぼさない程度に非着火性にするか、難着
火性にすることによって小ガス炎着火感度を低下するも
のである。
他の実施例の調合法について分けて記す。先ず、実施例
8は、アルミニウム11.5重量部と酸化第二銅38.
5重量部、カリウム明礬50重量部及び予めアセトンに
溶かしておいた塩化ビニル粉正味1.5重量部を同一容
器に入れ、更に適量のアセトンを加えて良く混ぜる。ア
セトンがほば揮発し固まってきたら、8メッシュの篩で
造粒し、それを乾燥させる。乾燥後、鈍感化剤としてス
テアリン酸カルシウムを2.5重量部とアセトン適量を
加えゆっくり混和し、先と同様にアセトンが気化し固ま
ってきたら造粒し、乾燥して得た。
については実施例1を代表に説明する。先ず、アルミニ
ウム11.5重量部と酸化第二銅38.5重量部、カリ
ウム明礬50重量部及び鈍感化剤としての炭酸マグネシ
ウム2.5重量部と予めアセトンに溶かしておいた塩化
ビニル粉正味1.5重量部を同一容器に入れ軽く混ぜ合
わせる。次に、適量のアセトンを加えてから各成分が十
分に混ざり合うようにゆっくりと而も十分に混ぜ込む。
アセトンがほぼ揮発し固まってきたら、8メッシュの篩
で造粒し、それを乾燥して得た。
酸ナトリウム、蓚酸マグネシウム、マイクロクリスタリ
ンワックス(Luvax2191)、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムに順次変えたものである。
ルシウムを用いて順次添加量を増やしたものであり、実
施例14は実施例8と同じ配合比であるがカリウム明礬
の代わりにアンモニウム明礬を用いたものである。これ
らの実施例の中でも、鈍感化剤の種類及び添加量として
は、ステアリン酸カルシウムが最も有効で、その量は
2.0〜2.5重量部である。この添加量が少な過ぎる
と、目的とする小ガス炎着火感度が鋭敏になり、本非火
薬破砕組成物が危険物第2類第一種可燃性固体になって
しまい、一方この量が多すぎると、目的とする組成物の
脆性体破砕(破壊)性能が低下し、ユーザーから不評を
買ってしまう。
感度の低下だけをターゲットに改良を進めてきたが、ス
テアリン酸カルシウムを2.0重量部程度以上添加する
ことによってピックハンマーによる繰当て感度も大きく
低下したことは大きな副次効果である。 (比較例)比較例の組成、性能を表3に示した。
いものについて性能を示した。従来の非火薬破砕組成物
は、ここに示すように小ガス炎着火感度は約1秒前後で
あり、このためこれまで危険物第2類第一種可燃性固体
であった。比較例2、3、4は、比較例1のガス発生剤
であるカリウム明礬の代わりにアンモニウム明礬をそれ
ぞれ40、50、60と用いた場合の結果である。即
ち、燃焼剤であるテルミットの多少と性能の関係を調査
したものであり、テルミット剤が減少すると、落槌感度
と燃焼速度は低下する傾向にあるが、小ガス炎着火感度
はそれほど低下しない。
成物に爆薬技術で減熱消炎剤として良く使われる塩化ナ
トリウムを用いたものは、鈍感化剤の量が増えると、鈍
感化傾向が強まるが、それにつれ破砕性能につながる燃
焼速度及び弾動臼砲値も大きく低下し、ついには脆性体
を破壊する能力を失ってしまう。この塩化ナトリウム
(融点800℃)の粒度も重要なファクターであるが、
たとえ微粒子のものが得られても、潮解性の問題がある
ために現状では利用できない。
じ試作品であり、従来の非火薬破砕組成物に外割で鈍感
化剤を添加して得られたものであって2工程から成る
が、その他の実施例、比較例は工数低減のために各原料
を同時に混ぜ1工程で得られた試作品試料である。
く危険物判定試験法の危険物第2類の確認試験方法であ
り、火炎による着火の危険性を判断するための小ガス炎
着火試験による着火までの最短時間を表記した。ここ
で、危険物第2類第一種可燃性固体は、小ガス炎着火試
験で3秒以内に着火するもの、危険物第2類第二種可燃
性固体は、小ガス炎着火試験で3〜10秒以内に着火す
るものをいう。
したカートリッジ筒体を専用イグナイターで着火させた
時、試料が全量消失した時を燃焼、試料が未燃焼で残っ
たときを燃焼中断と記した。又、燃焼速度は、長さ30
0mmのガス管(SGPW20A)中における燃焼速度
で、K0NTlNlTR0 AG製のExplomet
(光ファイバー式測定器)による光ファイバーー法によ
って計測した。
較例1)を100としたときの値で示した。又、ピック
繰当て試験は、アルミニウム製の筒体(27φ、40m
m)に30gの試料を入れ、これをコンクリート製の深
さ100mmのボアホールに装填後その上からピックハ
ンマーによる繰当て試験を最大30秒間実施した結果を
示しており、分母は試験数で分子は発火数である。
ものを使用した。 アルミニウム 東洋アルミニウム株式会社製商品名PF0100S 酸化第二銅 日新ケムコ株式会社製 カリウム明礬 大明化学工業株式会社製 アンモニウム明礬 大明化学工業株式会社製 塩化ビニル粉 日本ゼオン株式会社製商品名ゼオン400 塩化ナトリウム 関東化学株式会社製試薬鹿一級 塩基性炭酸マグネシウム 関東化学株式会社製試薬鹿一級 重炭酸ナトリウム 関東化学株式会社製試薬鹿一級 蓚酸マグネシウム二水和物 関東化学株式会社製試薬鹿一級 マイクロクリスタリンワックス 日本精蝋株式会社Luvax 2191 ステアリン酸亜鉛 関東化学株式会社製試薬鹿一級 ステアリン酸アルミニウム 関東化学株式会社製試薬鹿一級 ステアリン酸マグネシウム 関東化学株式会社製試薬鹿一級 ステアリン酸カルシウム 関東化学株式会社製試薬鹿一級
焼源であるアルミニウムを火炎に触れさせないようにす
るか又はテルミット反応の根元である燃料(可燃剤)と
酸化剤との接触或いは又明礬との接触を阻害することに
よって、破砕組成物が持つ脆性体の破砕(破壊)性能を
大きく低下することなく特定の感度性能のみを低減する
ことができた。
物判定試験法である小ガス炎着火試験に合格させ、本非
火薬破砕組成物を危険物第2類第一種可燃性固体から危
険物第2類第二種可燃性固体へと鈍感化することができ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 アルミニウム、酸化第二銅から成るテル
ミット剤と、明礬から成るガス発生剤と、塩化ビニルか
ら成るバインダーと、ステアリン酸塩、蓚酸塩、炭酸
塩、重炭酸塩又は融点が80℃以上のマイクロクリスタ
リンワックスの何れか一種以上から成る鈍感化剤とで構
成したことを特徴とする非火薬破砕組成物。 - 【請求項2】 ステアリン酸塩は、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム又はステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請
求項1記載の非火薬破砕組成物。 - 【請求項3】 蓚酸塩は、蓚酸マグネシウムであること
を特徴とする請求項1記載の非火薬破砕組成物。 - 【請求項4】 炭酸塩は、炭酸マグネシウムであること
を特徴とする請求項1記載の非火薬破砕組成物。 - 【請求項5】 重炭酸塩は、重炭酸ナトリウムであるこ
とを特徴とする請求項1記載の非火薬破砕組成物。 - 【請求項6】 鈍感化剤の含有量が、0.5〜5.0重
量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の非火
薬破砕組成物。 - 【請求項7】 鈍感化剤の含有量が、0.7〜3.0重
量%の範囲であることを特徴とする請求項6記載の非火
薬破砕組成物。 - 【請求項8】 明礬は、カリウム明礬又はアンモニウム
明礬であることを特徴とする請求項1記載の非火薬破砕
組成物。
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---|---|---|---|
JP18088997A JP3688855B2 (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 非火薬破砕組成物 |
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JP (1) | JP3688855B2 (ja) |
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