JP3596624B2 - 爆薬組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、採石,採鉱,隧道堀進等の発破作業に汎く利用される爆薬組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発破作業等に用いられている爆薬としては、ダイナマイト,含水爆薬,硝安爆薬,アンモン爆薬,ANFO爆薬等が良く知られている。
これらの爆薬のうち、ANFO爆薬は、細孔を有した粒状の硝酸アンモニウム(以下ポーラスプリル硝安と呼ぶ)に軽油を混合した粒状の爆薬であり、原料物質の安価さ,製造方法の簡便さから、安価な爆薬として市販されており、更にはANFO爆薬は通常粒状で供給される為、薬包として横孔に装填される以外に、縦孔に流し込む装薬方法が採れる事に依り、国内で極めて広範に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ANFO爆薬は、感度が極めて鈍感で、使用時に市販の6号雷管では爆発せず、必ず雷管起爆性の爆薬をブースターとして使用する必要があり、又装薬の密閉性が要求され、非密閉あるいは半密閉下では爆轟中断を生じ、更には、発破後の後ガス組成に有害成分が多い等の欠点が見られる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ANFO爆薬の持つ利点、即ち原料物質の安価さ,製造の簡便さは出来るだけ活かして、しかも鋭感で、密閉度が低くなっても完爆し、かつ発破後の後ガス組成も良好な爆薬組成物を得ようと鋭意研究した結果、ポーラスプリル硝安を、当業者の常識としては従来考えられていなかったβ型からγ型への結晶転移点32.3℃を越える35℃から160℃の高温で、予め加温するかあるいは混合時に加温するかしながら液状の燃料物質を加えて混合すると、理由は判然としないが、上述のような期待を満足するような爆薬組成物が得られる事を見い出し本発明を完成させたものである。
【0005】
即ち本発明は
(1)35℃〜160℃の温度下で、ポーラスプリル硝酸アンモニウムと混合時に液状の燃料物質を混合してなる爆薬組成物
(2)混合時に液状の燃料物質が芳香族ジニトロ化合物の単独又は2種以上の混合物である前項(1)に記載の爆薬組成物
(3)追加燃料として金属粉末が加えられた前項(1)又は(2)に記載の爆薬組成物
(4)35℃〜160℃の温度下で、ポーラスプリル硝酸アンモニウムと混合時に液状の燃料物質を混合する事を特徴とする爆薬組成物の製造方法
に関する。
【0006】
本発明を詳細に説明する。
本発明の爆薬組成物に用いられるポーラスプリル硝安は、一般にANFO爆薬用に用いられているものが使用できるが、それよりも吸油率が高いポーラスプリル硝安も使用可能である。本発明においては、粒径が通常0.2〜5mm、好ましくは0.5〜3mm,吸油率が通常5〜25%、好ましくは10〜24%のポーラスプリル硝安が使用される。又ポ−ラスプリル硝安は通常30〜99重量%、好ましくは70〜96重量%の割合で本発明の爆発組成物に含有させられる。ポーラスプリル硝安は予め加温しておくか、燃料物質と混合時に加温して使用に供される。加温温度は通常は35〜160℃好ましくは50℃〜100℃の範囲である。
【0007】
本発明の爆薬組成物に使用される燃料物質としては、混合時に液体であるものが使用可能である。例えばANFO爆薬に通常使用されているJIS規格K2204に規定される2号軽油やその他灯油、流動パラフィンの他、加温して液状としたパラフィンワックスなども使用できるが,燃料物質として好ましいものは芳香族ジニトロ化合物でこれらは必要により加温して液状にして使用に供される。使用しうる芳香族ジニトロ化合物の具体例としては、ジニトロベンゼン,ジニトロトルエン,ジニトロキシレン,ジニトロフェノールの様な芳香族ジニトロ化合物が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して使用に供される。
本発明の爆薬組成物に使用される液状燃料は、液状であれば加温して加える必要はないが、混合時の熱降下を考慮して、ポーラスプリル硝安と同程度あるいはそれ以上に加温しておく方が好ましい。
【0008】
本発明の爆薬組成物に使用される燃料物質は、1〜50重量%好ましくは4〜20重量%の範囲で爆薬組成物に含有させられる。
【0009】
又本発明の爆薬組成物には威力を向上させるために、ポーラスプリル硝安と燃料物質を混合する際に金属粉末を追加成分として混合することが出来る。特に微細ないし表面積の大きい金属粉末を加えると、威力と共に感度も向上する。用いうる金属粉末の具体例としては、アルミニウム,マグネシウム,鉄,ケイ素鉄,マグナリウム等、一般に火薬に使用される金属粉末が挙げられるが、特にアルミニウム粉末が好ましい。又アルムニウム粉末のうち、フレークアルミと呼ばれるりん片状で表面積の広いアルミニウムを用いると威力、感度向上効果が著しい。これらの金属粉末は、燃料物質と同時に添加混合したり、燃料物質を添加したのちに添加混合する事もできるが、燃料物質を充分混合した後、35℃以下に冷却してから、混合する方法がより好ましい。
金属粉末は、本発明の爆薬組成物中50重量%以下の範囲で使用されるが、20重量%以下で使用するのが好ましい。
【0010】
本発明による爆薬組成物には、当業者が周知の如く、必要によってはポーラスプリル硝安以外の酸化剤、更には金属粉末以外の粉末追加燃料あるいは他の添加剤を加える事が可能である。
【0011】
本発明の爆薬組成物は、加温装置の装備されたニ−ダ−、回転ミキサ−のような混合機に、必要により予め加温処理された燃料物質、ポーラスプリル硝安及びその他必要により金属粉末、及びその他の追加燃料を加え、35〜160℃好ましくは50〜160℃の温度で十分攪拌処理を行ったあと冷却して得られる。
尚金属粉末は上記のように燃料物質との混合時に加えてもよいが、より好ましくはポーラスプリル硝安と燃料物質との混合が終わり、得られた混合物が35℃以下に冷却されてから添加、混合するのが好ましい。混合時間は使用する混合機の効率にもよるが、通常1〜30分である。
【0012】
本発明による爆薬組成物は、粒状のままで使用する事が、特に縦孔への装填の場合便利であるが、必要によっては、粉状品として使用する事も可能である。本発明の爆薬組成物の粉状品をえるには上記で得た粒状爆薬組成物を擂潰機、エッジランナ−、ボ−ルミル等の粉砕機で粉砕処理を施すことによって得られる。
【0013】
本発明の爆薬組成物はその製造法が簡単であり、またその威力、感度に優れるという特徴がある。又燃料物質として芳香族ジニトロ化合物を使用し、又追加燃料として金属粉末を併用することによって威力、感度が一段と優れた爆薬組成物が得られる。更に本発明の爆薬組成物は爆発後の後ガスの組成が良好である。
【0014】
【実施例】
本発明を実施例を挙げて更に詳しく説明する。実施例において部は重量部を意味する。又%は重量%である。
【0015】
実施例1
吸油率12%のポーラスプリル硝安94部を90℃で5分間加温した後、90℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、室温の2号軽油6部を添加し10分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却して本発明の爆薬組成物を得た。
【0016】
実施例2
吸油率22%のポーラスプリル硝安94部を90℃で5分間加温した後、90℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、2号軽油6部を添加し10分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却し本発明の爆薬組成物を得た。
【0017】
実施例3
吸油率10%のポーラスプリル硝安86部を40℃で5時間加温した後、40℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、予め40℃に加温したジニトロキシレンとジニトロトルエンの40:60重量比(以下同じ)の混合物14部を加え5分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却して本発明の爆薬組成物を得た。
【0018】
実施例4
吸油率19%のポーラスプリル硝安86部を40℃で5時間加温した後、40℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、予め40℃に加温したジニトロキシレンとジニトロトルエンの40:60の混合物14部を加え5分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却して本発明の爆薬組成物を得た。
【0019】
実施例5
吸油率19%のポーラスプリル硝安84部を70℃で2時間加温した後、70℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、予め70℃に加温したジニトロキシレンとジニトロトルエンの40:60の混合物14部を加え5分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却した後、室温の横型ニーダーに移しアトマイズドアルミニウム(東洋アルミ社製、商品名AC−0460)2部を加え5分間混合した後、ポリ袋に取り出し本発明の爆薬組成物を得た。
【0020】
実施例6
吸油率19%のポーラスプリル硝安85部を70℃に加温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、5分間撹拌した後、予め70℃に加温溶解したジニトロトルエン14部を加え10分間混合した。ポリ袋に取り出し、室温迄冷却した後、室温の横型ニーダーに移しフレーク状アルミ(東洋アルミ社製、商品名P−0100)1部を加え5分間混合した後、ポリ袋に取り出し本発明の爆薬組成物を得た。
【0021】
比較例1
吸油率12%のポーラスプリル硝安94部を25℃に1時間加温した後、25℃に保温した実施例1と同じ型のニーダーに移し、予め25℃に加温した2号軽油6部を添加し10分間混合した。この後ポリ袋に取り出し、室温迄冷却した。
【0022】
性能試験
実施例1〜6の爆薬組成物及び比較例1の爆薬混合物をJIS−K4826に規定されている起爆感度試験方法A(塩ビ雨樋試験法)で試験した。起爆には、8号,6号及び工業火薬協会規格ES−32の(5)弱雷管試験に規定した弱雷管を使用した。
又実施例1〜6の爆薬組成物及び比較例1の爆薬混合物を、各200gづつ、径30mmの紙筒にいれ、工業火薬協会規格ES−32の(5)弱雷管試験に規定されている弱雷管及び6号,8号雷管により起爆試験を行った。紙筒の下部に鉛板を敷き、鉛板に残った爆痕により爆・不爆を判定した。
実施例1〜6の爆薬組成物及び比較例1の爆薬混合物をそれぞれ内径35mm,厚さ2mm,長さ250mmの両端フタ付きの鋼管に入れ、砂中に埋め、実施例1及び比較例1については、6号雷管及び2号榎ダイナマイト20gにて、又実施例2〜6については、8号雷管にて一端より起爆し、発生した後ガスを官能により刺激の有無を調べた。
実施例4〜6の爆薬組成物について、工業火薬協会規格ES−45に規定する弾道振子試験を行った。
これらの試験結果を表1、2にまとめた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
実施例1〜6と比較例1を較べれば、本発明の爆薬組成物の感度が著しく高いことが明白である。
実施例1〜2と実施例3〜4を較べると、芳香族ジニトロ化合物を用いた爆薬組成物の感度が著しく向上している事は明白である。
実施例1〜6と比較例1の後ガスの官能試験結果を比較すると、比較例では後ガスが悪く強い刺激を感じるのに対し、本発明の製造方法による爆薬組成物は、刺激のない良好な後ガスとなっていることが判る。
実施例4,5,6間で比較すると、アルミ粉の添加により威力が向上する事、特にフレーク状アルミを用いると、感度と威力の両方が向上している事が判る。
【0026】
【発明の効果】
威力、感度に優れ、爆発後の後ガスの組成が良好な爆薬組成物が得られた。又この爆薬組成物は製造法が簡便である。
【産業上の利用分野】
本発明は、採石,採鉱,隧道堀進等の発破作業に汎く利用される爆薬組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発破作業等に用いられている爆薬としては、ダイナマイト,含水爆薬,硝安爆薬,アンモン爆薬,ANFO爆薬等が良く知られている。
これらの爆薬のうち、ANFO爆薬は、細孔を有した粒状の硝酸アンモニウム(以下ポーラスプリル硝安と呼ぶ)に軽油を混合した粒状の爆薬であり、原料物質の安価さ,製造方法の簡便さから、安価な爆薬として市販されており、更にはANFO爆薬は通常粒状で供給される為、薬包として横孔に装填される以外に、縦孔に流し込む装薬方法が採れる事に依り、国内で極めて広範に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ANFO爆薬は、感度が極めて鈍感で、使用時に市販の6号雷管では爆発せず、必ず雷管起爆性の爆薬をブースターとして使用する必要があり、又装薬の密閉性が要求され、非密閉あるいは半密閉下では爆轟中断を生じ、更には、発破後の後ガス組成に有害成分が多い等の欠点が見られる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ANFO爆薬の持つ利点、即ち原料物質の安価さ,製造の簡便さは出来るだけ活かして、しかも鋭感で、密閉度が低くなっても完爆し、かつ発破後の後ガス組成も良好な爆薬組成物を得ようと鋭意研究した結果、ポーラスプリル硝安を、当業者の常識としては従来考えられていなかったβ型からγ型への結晶転移点32.3℃を越える35℃から160℃の高温で、予め加温するかあるいは混合時に加温するかしながら液状の燃料物質を加えて混合すると、理由は判然としないが、上述のような期待を満足するような爆薬組成物が得られる事を見い出し本発明を完成させたものである。
【0005】
即ち本発明は
(1)35℃〜160℃の温度下で、ポーラスプリル硝酸アンモニウムと混合時に液状の燃料物質を混合してなる爆薬組成物
(2)混合時に液状の燃料物質が芳香族ジニトロ化合物の単独又は2種以上の混合物である前項(1)に記載の爆薬組成物
(3)追加燃料として金属粉末が加えられた前項(1)又は(2)に記載の爆薬組成物
(4)35℃〜160℃の温度下で、ポーラスプリル硝酸アンモニウムと混合時に液状の燃料物質を混合する事を特徴とする爆薬組成物の製造方法
に関する。
【0006】
本発明を詳細に説明する。
本発明の爆薬組成物に用いられるポーラスプリル硝安は、一般にANFO爆薬用に用いられているものが使用できるが、それよりも吸油率が高いポーラスプリル硝安も使用可能である。本発明においては、粒径が通常0.2〜5mm、好ましくは0.5〜3mm,吸油率が通常5〜25%、好ましくは10〜24%のポーラスプリル硝安が使用される。又ポ−ラスプリル硝安は通常30〜99重量%、好ましくは70〜96重量%の割合で本発明の爆発組成物に含有させられる。ポーラスプリル硝安は予め加温しておくか、燃料物質と混合時に加温して使用に供される。加温温度は通常は35〜160℃好ましくは50℃〜100℃の範囲である。
【0007】
本発明の爆薬組成物に使用される燃料物質としては、混合時に液体であるものが使用可能である。例えばANFO爆薬に通常使用されているJIS規格K2204に規定される2号軽油やその他灯油、流動パラフィンの他、加温して液状としたパラフィンワックスなども使用できるが,燃料物質として好ましいものは芳香族ジニトロ化合物でこれらは必要により加温して液状にして使用に供される。使用しうる芳香族ジニトロ化合物の具体例としては、ジニトロベンゼン,ジニトロトルエン,ジニトロキシレン,ジニトロフェノールの様な芳香族ジニトロ化合物が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して使用に供される。
本発明の爆薬組成物に使用される液状燃料は、液状であれば加温して加える必要はないが、混合時の熱降下を考慮して、ポーラスプリル硝安と同程度あるいはそれ以上に加温しておく方が好ましい。
【0008】
本発明の爆薬組成物に使用される燃料物質は、1〜50重量%好ましくは4〜20重量%の範囲で爆薬組成物に含有させられる。
【0009】
又本発明の爆薬組成物には威力を向上させるために、ポーラスプリル硝安と燃料物質を混合する際に金属粉末を追加成分として混合することが出来る。特に微細ないし表面積の大きい金属粉末を加えると、威力と共に感度も向上する。用いうる金属粉末の具体例としては、アルミニウム,マグネシウム,鉄,ケイ素鉄,マグナリウム等、一般に火薬に使用される金属粉末が挙げられるが、特にアルミニウム粉末が好ましい。又アルムニウム粉末のうち、フレークアルミと呼ばれるりん片状で表面積の広いアルミニウムを用いると威力、感度向上効果が著しい。これらの金属粉末は、燃料物質と同時に添加混合したり、燃料物質を添加したのちに添加混合する事もできるが、燃料物質を充分混合した後、35℃以下に冷却してから、混合する方法がより好ましい。
金属粉末は、本発明の爆薬組成物中50重量%以下の範囲で使用されるが、20重量%以下で使用するのが好ましい。
【0010】
本発明による爆薬組成物には、当業者が周知の如く、必要によってはポーラスプリル硝安以外の酸化剤、更には金属粉末以外の粉末追加燃料あるいは他の添加剤を加える事が可能である。
【0011】
本発明の爆薬組成物は、加温装置の装備されたニ−ダ−、回転ミキサ−のような混合機に、必要により予め加温処理された燃料物質、ポーラスプリル硝安及びその他必要により金属粉末、及びその他の追加燃料を加え、35〜160℃好ましくは50〜160℃の温度で十分攪拌処理を行ったあと冷却して得られる。
尚金属粉末は上記のように燃料物質との混合時に加えてもよいが、より好ましくはポーラスプリル硝安と燃料物質との混合が終わり、得られた混合物が35℃以下に冷却されてから添加、混合するのが好ましい。混合時間は使用する混合機の効率にもよるが、通常1〜30分である。
【0012】
本発明による爆薬組成物は、粒状のままで使用する事が、特に縦孔への装填の場合便利であるが、必要によっては、粉状品として使用する事も可能である。本発明の爆薬組成物の粉状品をえるには上記で得た粒状爆薬組成物を擂潰機、エッジランナ−、ボ−ルミル等の粉砕機で粉砕処理を施すことによって得られる。
【0013】
本発明の爆薬組成物はその製造法が簡単であり、またその威力、感度に優れるという特徴がある。又燃料物質として芳香族ジニトロ化合物を使用し、又追加燃料として金属粉末を併用することによって威力、感度が一段と優れた爆薬組成物が得られる。更に本発明の爆薬組成物は爆発後の後ガスの組成が良好である。
【0014】
【実施例】
本発明を実施例を挙げて更に詳しく説明する。実施例において部は重量部を意味する。又%は重量%である。
【0015】
実施例1
吸油率12%のポーラスプリル硝安94部を90℃で5分間加温した後、90℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、室温の2号軽油6部を添加し10分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却して本発明の爆薬組成物を得た。
【0016】
実施例2
吸油率22%のポーラスプリル硝安94部を90℃で5分間加温した後、90℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、2号軽油6部を添加し10分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却し本発明の爆薬組成物を得た。
【0017】
実施例3
吸油率10%のポーラスプリル硝安86部を40℃で5時間加温した後、40℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、予め40℃に加温したジニトロキシレンとジニトロトルエンの40:60重量比(以下同じ)の混合物14部を加え5分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却して本発明の爆薬組成物を得た。
【0018】
実施例4
吸油率19%のポーラスプリル硝安86部を40℃で5時間加温した後、40℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、予め40℃に加温したジニトロキシレンとジニトロトルエンの40:60の混合物14部を加え5分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却して本発明の爆薬組成物を得た。
【0019】
実施例5
吸油率19%のポーラスプリル硝安84部を70℃で2時間加温した後、70℃に保温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、予め70℃に加温したジニトロキシレンとジニトロトルエンの40:60の混合物14部を加え5分間混合した。得られた混合物をポリ袋に取り出し、室温迄冷却した後、室温の横型ニーダーに移しアトマイズドアルミニウム(東洋アルミ社製、商品名AC−0460)2部を加え5分間混合した後、ポリ袋に取り出し本発明の爆薬組成物を得た。
【0020】
実施例6
吸油率19%のポーラスプリル硝安85部を70℃に加温したシグマ翼を備えた横型ニーダーに移し、5分間撹拌した後、予め70℃に加温溶解したジニトロトルエン14部を加え10分間混合した。ポリ袋に取り出し、室温迄冷却した後、室温の横型ニーダーに移しフレーク状アルミ(東洋アルミ社製、商品名P−0100)1部を加え5分間混合した後、ポリ袋に取り出し本発明の爆薬組成物を得た。
【0021】
比較例1
吸油率12%のポーラスプリル硝安94部を25℃に1時間加温した後、25℃に保温した実施例1と同じ型のニーダーに移し、予め25℃に加温した2号軽油6部を添加し10分間混合した。この後ポリ袋に取り出し、室温迄冷却した。
【0022】
性能試験
実施例1〜6の爆薬組成物及び比較例1の爆薬混合物をJIS−K4826に規定されている起爆感度試験方法A(塩ビ雨樋試験法)で試験した。起爆には、8号,6号及び工業火薬協会規格ES−32の(5)弱雷管試験に規定した弱雷管を使用した。
又実施例1〜6の爆薬組成物及び比較例1の爆薬混合物を、各200gづつ、径30mmの紙筒にいれ、工業火薬協会規格ES−32の(5)弱雷管試験に規定されている弱雷管及び6号,8号雷管により起爆試験を行った。紙筒の下部に鉛板を敷き、鉛板に残った爆痕により爆・不爆を判定した。
実施例1〜6の爆薬組成物及び比較例1の爆薬混合物をそれぞれ内径35mm,厚さ2mm,長さ250mmの両端フタ付きの鋼管に入れ、砂中に埋め、実施例1及び比較例1については、6号雷管及び2号榎ダイナマイト20gにて、又実施例2〜6については、8号雷管にて一端より起爆し、発生した後ガスを官能により刺激の有無を調べた。
実施例4〜6の爆薬組成物について、工業火薬協会規格ES−45に規定する弾道振子試験を行った。
これらの試験結果を表1、2にまとめた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
実施例1〜6と比較例1を較べれば、本発明の爆薬組成物の感度が著しく高いことが明白である。
実施例1〜2と実施例3〜4を較べると、芳香族ジニトロ化合物を用いた爆薬組成物の感度が著しく向上している事は明白である。
実施例1〜6と比較例1の後ガスの官能試験結果を比較すると、比較例では後ガスが悪く強い刺激を感じるのに対し、本発明の製造方法による爆薬組成物は、刺激のない良好な後ガスとなっていることが判る。
実施例4,5,6間で比較すると、アルミ粉の添加により威力が向上する事、特にフレーク状アルミを用いると、感度と威力の両方が向上している事が判る。
【0026】
【発明の効果】
威力、感度に優れ、爆発後の後ガスの組成が良好な爆薬組成物が得られた。又この爆薬組成物は製造法が簡便である。
Claims (3)
- 50℃〜160℃の温度下で、ポーラスプリル硝酸アンモニウムと混合時に液状の芳香族ジニトロ化合物を混合してなる爆薬組成物
- 追加燃料として金属粉末が加えられた請求項1記載の爆薬組成物
- 50℃〜160℃の温度下で、ポーラスプリル硝酸アンモニウムと混合時に液状の芳香族ジニトロ化合物を混合する事を特徴とする爆薬組成物の製造方法
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JP20304994A JP3596624B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | 爆薬組成物及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20304994A JP3596624B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | 爆薬組成物及びその製造方法 |
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JPH0848590A JPH0848590A (ja) | 1996-02-20 |
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JP20304994A Expired - Fee Related JP3596624B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | 爆薬組成物及びその製造方法 |
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JP2011168458A (ja) * | 2010-02-22 | 2011-09-01 | Japan Carlit Co Ltd:The | 爆薬組成物 |
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1994
- 1994-08-05 JP JP20304994A patent/JP3596624B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0848590A (ja) | 1996-02-20 |
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