JPH10291884A - 破砕組成物 - Google Patents

破砕組成物

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JPH10291884A
JPH10291884A JP11431497A JP11431497A JPH10291884A JP H10291884 A JPH10291884 A JP H10291884A JP 11431497 A JP11431497 A JP 11431497A JP 11431497 A JP11431497 A JP 11431497A JP H10291884 A JPH10291884 A JP H10291884A
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ferric oxide
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五郎 小林
Yumie Uehara
弓枝 上原
Hirohiko Yoshitomi
宏彦 吉富
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応速度が速く強力な破砕力を得ることがで
き破砕作業の作業性を著しく向上できる破砕組成物を提
供することを目的とする。 【解決手段】60wt%〜2wt%好ましくは30wt
%〜10wt%の酸化第二鉄と、83wt%〜10wt
%好ましくは70wt%〜30wt%の酸化第二銅と、
30wt%〜15wt%のアルミニウム粉末を含有する
テルミット剤100部と、20部〜150部好ましくは
50部〜120部のガス発生剤と、を含有する構成を有
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木や建築現場で、
岩石、コンクリート構造物等を破砕する場合に有用な破
砕組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネルの掘削工事、土地造成工
事、道路工事、港湾工事等の土木工事においては一般的
にダイナマイト、含水爆薬、アンホ爆薬等の爆破剤やコ
ンクリート破砕器といった火薬類や、トンネル掘削機等
の爆破剤、破砕機器類が使用されている。また、転石の
破砕、コンクリート構造物の取り壊し工事、橋脚基礎の
取り壊し工事等においてもコンクリート破砕器やブレー
カー、ピック、くさび、静的破砕剤等の破砕剤若しくは
破砕機器類が使用されている。しかし破砕機器類は騒音
が大きかったり作業効率が悪いという欠点があり、静的
破砕剤は非常に遅い化学反応を利用するため施工処理に
多大の時間と労力を要すという欠点を有している。この
ような工事では火薬類は非常に有用で経済的な産業資材
であるが、作業に当たっては煩雑な手続きを必要とする
上、市街地や民家が近くにある場合においては爆発音や
振動、さらには飛び石等が発生する等の問題があり、こ
れを防止することが困難を伴うため使用が大きく制限さ
れている。そこで近年、火薬類を含まず、反応速度は爆
薬等に比較すると小さいが振動及び騒音が少なく、また
一般的に使用されている爆薬類と同様の作業方法で取り
扱う事が出来るため施工処理が迅速にできる等の長所を
有するテルミット反応を利用した非火薬系の破砕組成物
が注目を集め開発されている。例えば、(a)特開昭6
3−319285号公報(以下イ号公報と呼ぶ)にはア
ルミニウム23〜30重量部と酸化第二銅77〜70重
量部からなるテルミット剤に、ガス発生剤として硝安や
カリ明バンを所定量混合した破砕組成物が開示されてい
る。(b)特開平2−204384号公報(以下ロ号公
報と呼ぶ)には平均粒子径44μm以下の酸化第二銅7
0〜80重量%と平均粒子径75〜44μmのアルミニ
ウム粉20〜30重量%からなるテルミット剤100重
量部と、カリ明バン、硫酸ニッケルまたはホウ砂からな
る分解ガス発生剤80〜120重量部と、で構成された
破砕組成物が開示されている。(c)特開平8−169
791号公報(以下ハ号公報と呼ぶ)には粉塵飛散防止
剤と酸化防止剤を含んだ粒子径が44μm以下のアルミ
ニウム粉と粒子径74μm以下の酸化第二銅からなるテ
ルミット剤とホウ砂を除いた結晶水を有する無機物から
なるガス発生剤とで構成された破砕組成物が開示されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の破砕組成物は、以下のような課題を有している。 (1)イ号乃至ハ号公報の破砕組成物ではテルミット剤
の金属酸化物として酸化第二銅が使用されているが、酸
化第二銅は、その生成熱が低いためテルミット反応の際
の発熱量が大きい長所を有するが、銅の原子量が大きい
ために酸化第二銅の質量当たりの酸素含有量が小さく、
酸素供給能力が小さい。 (2)また、いずれも酸化第二銅の粒子径が大きいため
反応速度が遅い。 (3)反応速度が遅いため、燃焼速度が遅く燃焼が途切
れ易かったりして、作業性を損なうとともに作業に時間
を要す。 (4)従来の破砕組成物は反応速度が遅く燃焼速度が遅
いため短時間に高温雰囲気が得られないので、高圧のガ
スを瞬時に得ることができず破砕力が弱いため多量の破
砕組成物を要す。 (5)また、高圧のガス圧力を瞬時に得られないため破
砕力に欠ける。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、反応速度が速く強力な破砕力を得ることができ破砕
作業の作業性を著しく向上できる破砕組成物を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の破砕組成物は、60wt%〜2wt%好ましくは30
wt%〜10wt%の酸化第二鉄と、83wt%〜10
wt%好ましくは70wt%〜30wt%の酸化第二銅
と、30wt%〜15wt%のアルミニウム粉末を含有
するテルミット剤100重量部と、20重量部〜150
重量部好ましくは50重量部〜120重量部のガス発生
剤と、を含有することを特徴とする構成を有している。
この構成により、従来の破砕組成物よりも反応速度が著
しく向上し、短時間に高熱が得られ、その熱でガス発生
剤が瞬時にガスを放出し、そのガスの膨張で強烈な破砕
力を得ることができる、という作用が得られる。
【0006】ここで、酸化第二鉄が30wt%よりも多
くなるにつれて破砕力が酸化第二鉄を混合しない場合よ
りも低くなる傾向が現れ易く、特に60wt%を越える
とその傾向が著しいので好ましくない。また、酸化第二
鉄の含有量が10wt%よりも少なくなるにつれて反応
が低下し燃焼速度が遅くなり破砕力が低下する傾向を生
じ、特に2wt%よりも少なくなるとその傾向が著しい
ので好ましくない。酸化第二銅は70wt%〜30wt
%の範囲から外れるにつれ、反応が低下し燃焼速度が遅
くなり、ガス発生量が下がるという傾向を生じ、特にガ
ス発生剤の種類にもよるが、83wt%〜10wt%の
範囲を越えるとこの傾向が著しいので好ましくない。ア
ルミニウム粉末は30wt%〜15wt%の範囲から外
れるにつれテルミット反応に過不足を生じて未反応物が
生じ易いので好ましくない。前記ガス発生剤は120重
量部より多くなるにつれ、テルミット反応の反応熱を吸
収し反応の進行を阻害するため高温が得られ難く、その
分ガス発生量が減少し、十分な破砕力が得られなくなる
傾向を生じ、特にテルミット剤の成分にもよるが150
重量部を越えるとこの傾向が著しいので好ましくない。
また50重量部、特に20重量部より少なくなるにつれ
てガス発生量が減少し、高圧が得られ難い傾向が生じる
ため好ましくない。
【0007】本発明の請求項2に記載の破砕組成物は、
請求項1において、前記ガス発生剤が硫酸アルミニウム
・18水和物、硫酸鉄・7水和物、硫酸亜鉛・7水和
物、メタ珪酸バリウム・6水和物、硫酸コバルト・7水
和物、硫酸マンガンカリウム・12水和物、カリ明バン
・12水和物等の無機化合物、またはグラニュウ糖等の
有機化合物の内いずれか一種以上からなる構成を有して
いる。この構成により、無機化合物の結晶水がテルミッ
ト反応によって発生した高い反応熱によって一瞬に気化
して蒸気として放出され、高温下で膨張して極めて高圧
を得ることができ、その圧力で岩石等を容易に破砕する
ことができる。また、有機化合物は瞬時に反応し炭酸ガ
スや水蒸気となり高圧が得ることができるとともに、反
応ガスが無害なので安全性に優れる。という作用が得ら
れる。尚、強力な破砕力を要しない場合は、グラニュウ
糖に代え、オリゴ糖、木粉、尿素等も用いることができ
る。
【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2において、前記酸化第二鉄の粒子径が0.15
μm〜1μm好ましくは0.15μm〜0.25μm、
前記酸化第二銅の粒子径が1μm〜7μm好ましくは1
μm〜4μmであり、かつ、前記アルミニウム粉末の粒
子径が0.5μm〜16μm好ましくは2μm〜14μ
mで水面被覆面積が15,000cm2 /g〜100,
000cm2 /g好ましくは20,000cm2 /g〜
50,000cm2 /gである構成を有している。この
構成により、粒子径が著しく小さいので、各反応物の接
触表面積が著しく大きくなり、その分固−固反応を一気
に進行させることができる。反応速度を著しく速めるこ
とができるので短時間に高温を得ることができ、ガス分
解剤を瞬時にガス化させ強力な破砕力を得ることができ
る。という作用を有する。
【0009】ここで、酸化第二鉄の粒子径が0.25μ
m、特に1μmを越えるにつれて反応速度が低下する傾
向が生じるので好ましくない。また0.15μmより小
さくなるにつれ取扱いが困難になる傾向が生じるので好
ましくない。酸化第二銅の粒子径が4μm、特に7μm
を越えるにつれて反応速度が低下する傾向が生じ、また
1μmより小さくなるにつれて取扱いが困難になる傾向
が生じるので好ましくない。アルミニウム粉末の粒子径
は酸化鉄や酸化銅の添加量や粒径等にもよるが、0.5
μm〜16μm、特に2μm〜14μmの範囲で高い燃
焼速度を得ることができる。この範囲、特に上限を外れ
ていくにつれ、燃焼速度が低下する傾向が見られるので
好ましくない。また水面被覆面積が、15,000cm
2 /g〜100,000cm2 /g好ましくは20,0
00cm2 /g〜50,000cm2/gを有するのが
望ましく、酸化第二鉄や酸化銅と接触面積が広がり系を
均一に反応させ、著しい高温を得ることができる。水面
被覆面積はアルミニウム粉末の撥水性と粒子径の指標と
なるものであり、アルミニウム粉末は水面被覆面積を高
めるためパラフィンワックス、シリコーン類や、ステア
リン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩などの撥水剤で
コーティングされる。これらのアルミニウムの撥水剤は
テルミット反応で迅速に燃焼し、反応を阻害することが
ない上にガス発生の補助的役割が得られるとともに、水
面被覆面積が大きい、すなわち粒子径が小さくかつ撥水
性の大きいものを使用することにより燃焼速度を高め、
さらにアルミニウムの劣化を防止し、経時安定性を向上
させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例により詳
細に説明する。
【実施例】
(実施例1)粒子径5μm〜14μmで23,000c
2 /g以上の水面被覆面積を有するアルミニウム粉末
46g、平均粒子径3μmの酸化第二銅124g、およ
び平均粒子径0.2μm±0.05μmの酸化第二鉄3
0gを500mlの容器に計量し、混和機に移して十分
に混合したのち、合成ゴム系のエラストマーコンパウン
ドを25wt%含有するトルエン溶液(以下、バインダ
ー溶液という)32gを添加し、さらに170mlのト
ルエンを追加して十分に混練した。このものにガス発生
剤として硫酸アルミニウム・18水和物200gを3回
に分けて添加し、さらによく混練を行った。この湿状の
破砕組成物をステンレス製の篩にかけて造粒、篩分けを
行い粒子径が85μm〜326μmの間の粒状の破砕組
成物を得た。これを温水乾燥機を用いて50°Cで造粒
時に使用したトルエンが完全になくなるまで乾燥した。
次いで、得られた試料を用い開放燃焼性及び開放燃焼で
の燃焼速度の測定を行い、その結果を(表1)に示し
た。ここで、開放燃焼性の評価は実用性の面からプラス
チック製薬筒の破砕状況を目視判定した。符号◎は燃焼
が迅速で発熱、ガス発生量共に大で薬筒が細かく破砕さ
れた。○は燃焼が良好でガス発生量も良好、薬筒が2、
3片に破砕された。△は燃焼性が遅く薬筒が割れるが断
片にならず、実用性に難点が認められる。×は燃焼性が
悪く薬筒が一部割れるが原形が残り実用性に欠ける。ま
た、開放燃焼での燃焼速度は試料を内径26mm、長さ
350mmのプラスチック製薬筒に充填し、点火具で着
火して測定した。また、破砕力の測定を弾道臼砲試験に
よって行った。その仕事効果はTNTに比較して35%
であった。
【0011】(実施例2)実施例1で用いた原料を用
い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二
鉄40g、酸化第二銅114g、を混合し実施例1と同
様の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実施例1と同
様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定し
た。その結果を(表1)に示した。また、弾道臼砲試験
における仕事効果はTNTに比較して34%であった。
【0012】(実施例3)実施例1で用いた原料を用
い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二
鉄60g、酸化第二銅94g、を混合し実施例1と同様
の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実施例1と同様
にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定し
た。その結果を(表1)に示した。また、弾道臼砲試験
における仕事効果はTNTに比較して31%であった。
【0013】(実施例4)実施例1で用いた原料を用
い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二
鉄20g、酸化第二銅134g、を混合し実施例1と同
様の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実施例1と同
様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定し
た。その結果を(表1)に示した。また、弾道臼砲試験
における仕事効果はTNTに比較して33%であった。
【0014】(実施例5〜8)硫酸アルミニウム・18
水和物の量を変えて、実施例1と同様の操作を行い、所
定の粒状の破砕組成物を調製し、開放燃焼性、開放燃焼
時の燃焼速度を求めた。その結果を(表1)に示した。
【0015】(実施例9〜15)ガス発生剤を硫酸アル
ミニウム・18水和物以外のものとした他は、実施例1
と同じ原料、操作を行い開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼
速度を求めた。その結果を(表2)に示した。
【0016】(比較例1)酸化第二鉄を使用しない以外
は実施例1で用いた原料を用い、配合量として、アルミ
ニウム粉末46g、酸化第二銅154g、を混合し、実
施例1と同様の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実
施例1と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速
度を測定した。その結果を(表1)に示した。また、弾
道臼砲試験における仕事効果はTNTに比較して21%
であった。
【0017】(比較例2)平均粒子径5μmの酸化第二
鉄40gを用いた以外は、実施例1で用いた原料を使用
し、配合量としてアルミニウム粉末46g、酸化第二銅
114gを混合し、実施例1と同様の操作を行い破砕組
成物を得た。次いで実施例1と同様にして、開放燃焼
性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表
1)に示した。
【0018】(比較例3)平均粒子径5μmの酸化第二
鉄30gを用いた以外は実施例1で用いた原料を使用
し、配合量としてアルミニウム粉末46g、酸化第二銅
124gを混合し、実施例1と同様の操作を行い破砕組
成物を得た。次いで実施例1と同様にして、開放燃焼
性、開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表
1)に示した。
【0019】(比較例4)実施例1で用いた原料を用
い、配合量として、アルミニウム粉末46g、酸化第二
鉄90g、酸化第二銅64g、を混合し実施例1と同様
の操作を行い破砕組成物を得た。次いで実施例1と同様
にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測定し
た。その結果を(表1)に示した。また、弾道臼砲試験
における仕事効果はTNTに比較して15%であった。
【0020】(比較例5)硫酸アルミニウム・18水和
物を300gに増やした以外は実施例1で用いた原料を
同じ配合量で使用し破砕組成物を得た。次いで実施例1
と同様にして、開放燃焼性、開放燃焼時の燃焼速度を測
定した。その結果を(表1)に示した。
【0021】(比較例6、7)ガス発生剤として硫酸第
一鉄・7水和物、グラニュウ糖を使用し、各々テルミッ
ト剤100重量部に対して150重量部にして破砕組成
物を得た。次いで実施例1と同様にして、開放燃焼性、
開放燃焼時の燃焼速度を測定した。その結果を(表2)
に示した。
【表1】
【表2】 この(表1),(表2)から明らかなように、実施例1
では開放燃焼時の燃焼速度は243m/sec.で、酸
化第二鉄を加えていない比較例1と対比して1.43倍
も向上していることがわかった。次に配合量が同一で酸
化第二鉄の平均粒子径が5μmである比較例3と対比す
ると本実施例は1.71倍に向上していることがわかっ
た。このことから酸化第二鉄の粒子径の燃焼速度に対す
る寄与率が大きいことがわかった。また、実施例1の開
放燃焼性は比較例1,比較例2に比べ特に良好であっ
た。また、実施例1の破砕力は酸化第二鉄を含まない比
較例1と対比し1.67倍であり著しい向上がみられ
た。このことから酸化第二鉄の破砕力に対する寄与率が
大きいことがわかった。実施例2は開放燃焼時の燃焼速
度は220m/sec.であり、酸化第二鉄を加えてい
ない比較例1と対比して1.29倍に向上していること
がわかった。次に配合量が同一で酸化第二鉄の粒径が5
μmである比較例2と対比して1.51倍に燃焼速度が
向上していることがわかった。このことからも 酸化第
二鉄の粒子径の寄与が大きいことがわかった。また、破
砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して1.6
2倍に向上していた。実施例3では、開放燃焼時の燃焼
速度は190m/sec.で、酸化第二鉄を加えていな
い比較例1と対比して1.12倍に向上していた。ま
た、破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して
1.48倍であった。このことから、高価な酸化第二銅
を比較例1の0.6倍に減らしても破砕力を向上させる
ことができることがわかった。実施例4では開放燃焼時
の燃焼速度は221m/sec.で、酸化第二鉄を含ま
ない比較例1と対比して1.3倍に向上していた。ま
た、破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と対比して
1.57倍であった。このことから微小粒子の酸化第二
鉄を少量添加するだけでも著しく破砕力を向上させるこ
とがわかった。実施例1乃至4の結果から明らかなよう
に、微小粒子の酸化第二鉄を添加することにより、破砕
組成物の燃焼速度や破砕力、開放燃焼性等を著しく向上
させることがわかった。次に、比較例1と比較例4とを
対比してみると、比較例4の開放燃焼時の燃焼速度は1
06m/sec.であり、酸化第二鉄を含まない比較例
1と対比して62%に燃焼速度が落ちていることがわか
った。また、破砕力は酸化第二鉄を含まない比較例1と
対比して0.71倍に落ちていた。このことから酸化第
二鉄の添加量を多くしても燃焼速度や破砕力が落ちるこ
とが確認された。
【0022】テルミット剤中の酸化第二鉄の含有量と対
TNT仕事効果について、検討を行った。図1は対TN
T仕事効果のテルミット剤中の酸化第二鉄の含有量の依
存性を示す図である。この図1から明らかなように、対
TNT仕事効果は平均粒子径0.2μm±0.05μm
の酸化第二鉄の含有量が15%近辺で最大値を示すこと
がわかった。酸化第二鉄の含有量が10%未満になるに
つれ、また、30%を越えるにつれ対TNT仕事効果が
30%以下になることがわかった。
【0023】次に、ガス発生剤の最適量について確認を
行った。実施例1,5乃至15,比較例5乃至7から明
らかなように、テルミット剤100重量部に対してガス
発生剤は50〜120重量部でより優れた燃焼速度や破
砕力が得られることがわかった。特に実施例5は比較例
5の1/6のガス発生剤の添加量で開放燃焼時の燃焼速
度は2.26倍にもなることがわかった。また、実施例
9と比較例6を対比すると比較例6はガス発生剤が1.
5倍なのに対し燃焼速度は43%であった。このことか
らガス発生剤を多くしすぎると燃焼速度が低下すること
が確認された。これはテルミット剤が多量のガス発生剤
で希釈され接触面積が狭まるとともに、ガス発生剤の吸
熱反応によりテルミット反応の反応速度が低下したもの
と思われる。
【0024】次に、ガス発生剤の種類を変えて最適量に
ついて確認を行った。実施例9乃至15、比較例6,7
から明らかなように、本実施例のガス発生剤によれば、
いずれも良好な結果が得られることがわかった。また、
実施例14,15、比較例7から明らかなように有機物
のガス発生剤であるグラニュウ糖でも同様の結果が得ら
れることがわかった。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、60wt
%〜2wt%好ましくは30wt%〜10wt%を占め
る酸化第二鉄と、83wt%〜10wt%好ましくは7
0wt%〜30wt%の酸化第二銅からなる混合物85
wt%〜70wt%と、30wt%〜15wt%のアル
ミニウム粉末とで構成されるテルミット剤100重量部
と、20重量部〜150重量部好ましくは50重量部〜
120重量部のガス発生剤とを含有する構成とする事で
燃焼速度と破砕力が優れた破砕組成物が得られる。ま
た、前記ガス発生剤を硫酸アルミニウム・18水和物、
硫酸鉄・7水和物、硫酸亜鉛・7水和物、メタ珪酸バリ
ウム・6水和物、硫酸コバルト・7水和物、硫酸マンガ
ンカリウム・12水和物、カリ明バン・12水和物等無
機化合物、またはグラニュウ糖等の有機化合物等のいず
れか一種以上とすることで破砕力の優れた破砕組成物が
得られる。さらに、前記酸化第二鉄の粒子径が0.15
μm〜1μm好ましくは0.15μm〜0.25μm、
前記酸化第二銅の粒子径が1μm〜7μm好ましくは1
μm〜4μmであり、かつ、前記アルミニウム粉末の粒
子径が0.5μm〜16μm好ましくは2〜14μm、
水面被覆面積が15,000cm2 /g〜100,00
0cm2 /g好ましくは20,000cm2 /g〜5
0,000cm2 /gとすることで、粒子径が大きいも
のよりも燃焼速度と破砕力が向上した破砕組成物が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】対TNT仕事効果のテルミット剤中の酸化第二
鉄の含有量の依存性を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉富 宏彦 福岡県北九州市門司区大字田野浦1089番地 日興技化株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60wt%〜2wt%好ましくは30w
    t%〜10wt%の酸化第二鉄と、83wt%〜10w
    t%好ましくは70wt%〜30wt%の酸化第二銅
    と、30wt%〜15wt%のアルミニウム粉末を含有
    するテルミット剤100重量部と、20重量部〜150
    重量部好ましくは50重量部〜120重量部のガス発生
    剤と、を含有することを特徴とする破砕組成物。
  2. 【請求項2】 前記ガス発生剤が硫酸アルミニウム・1
    8水和物、硫酸鉄・7水和物、硫酸亜鉛・7水和物、メ
    タ珪酸バリウム・6水和物、硫酸コバルト・7水和物、
    硫酸マンガンカリウム・12水和物、カリ明バン・12
    水和物等の無機化合物、またはグラニュウ糖等の有機化
    合物の内いずれか一種以上からなることを特徴とする請
    求項1に記載の破砕組成物。
  3. 【請求項3】 前記酸化第二鉄の粒子径が0.15μm
    〜1μm好ましくは0.15μm〜0.25μm、前記
    酸化第二銅の粒子径が1μm〜7μm好ましくは1μm
    〜4μmであり、かつ、前記アルミニウム粉末の粒子径
    が0.5μm〜16μm好ましくは2μm〜14μmで
    水面被覆面積が15,000cm2 /g〜100,00
    0cm2 /g好ましくは20,000cm2 /g〜5
    0,000cm2 /gであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の破砕組成物。
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