JP3585581B2 - プラスチック−金属接着用組成物及びプラスチック−金属接着方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プラスチックと金属、特に、プリント配線基板用のポリエステルフィルムと銅箔との接着に有用な接着剤組成物、及びプラスチックと金属との接着方法に関するものである。
【従来の技術】
近来の電子産業の発展に伴いプリント配線基板は多方面に広く用いられ、その形態も種々である。また機器の小型化の要求からフレキシブルタイプが多用されている。プリント配線基板において、高度な耐熱性が要求される場合には絶縁性基材としてポリイミドが使用されることも多くなっているが、価格の点及び機械的強度の点からポリエステルフィルム(主としてポリエチレンテレフタレート延伸フィルム)が用いられることも多く、銅箔−ポリエステル接合品がその主体となっている。
銅箔−ポリエステルの接合には一般的に接着剤が使用されている。従来使用されているものとしては、エポキシ樹脂/ポリエステル系接着剤、エポキシ樹脂/ニトリルゴム系接着剤、エポキシ樹脂/アクリルエラストマー系接着剤及びエポキシ樹脂/ウレタン系接着剤などであり、これらには何れもエポキシ樹脂の硬化剤が添加されている。
【0002】
エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、酸及び酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などの硬化剤及びイソシアネート類硬化剤が使用されており、適当な後加熱により良好な接着性能を発揮している。
上記の接着剤では、ポリエステル用としては必要性能全般的にはエポキシ樹脂/ポリエステル系が良好であり、硬化剤としてはイソシアネートの使用が好適である。
ところが、これらの従来の接着剤を用いると接着面に発泡が生じることが分った。
プリント基板製造に当っては印刷パターンをエッチングにより作成するが、接着面に泡があると、パターンの断線その他の不良が発生し、特に最近では、パターンの細密化によりごく小さな泡も問題になるようになっている。
このような接着面における泡発生の原因としては、イソシアネートと水、カルボン酸の反応によるCO2 の発生、接着剤中の残留溶剤の加熱蒸発、加熱圧着時、接着剤と被着体間に残存する空気の加熱膨張などが考えられる。
従来は、接着剤塗布基材(乾燥済)の加熱接着前の予備乾燥、圧着後の保存、加熱条件の調整などによって発泡を抑制していたが完全とは云えなかった。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、プラスチックと金属の接着面に泡の生じない接着剤組成物及び該組成物を用いた効率的な接着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明は、エポキシ樹脂/ポリエステル系接着剤に、ポリイソシアネートとアジリジン系硬化剤とを含有させると上記課題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート及びアジリジン系硬化剤を含有することを特徴とするプラスチック−金属接着用組成物を提供する。
本発明は、又、上記接着用組成物をプラスチック基材及び/又は金属基材に塗布乾燥後、両者を加熱圧着することを特徴とするプラスチックと金属の接着方法を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるポリエステル樹脂としては、テレフタール酸、イソフタール酸、アジピン酸、セバシン酸などの2塩基性酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのグリコール類との共縮合重合物などがあげられる。これらのうち、分子量10,000〜30,000でガラス転移点が−20〜30℃の非結晶性のものが好ましい。上記ポリエステル樹脂は、エリーテルUE−3400(分子量25,000 Tg−20℃ユニチカ(株)製)、バイロンGM 900(PBT系分子量23,000、Tg−20 ℃、東洋紡(株)製)及びバイロン300 (分子量23,000 Tg 7℃、東洋紡(株))などとして容易に入手し得る。
本発明で用いるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノール・ノボラック型、ウレタン変性品などがあげられる。上記エポキシ樹脂は、エピコート1001(ビスフェノールAタイプ、油化シェルエポキシ(株)製)、アデカレジン EPU−6A(ウレタン化エポキシ 旭電化(株)製)及びエピコート152(フェノールノボラック型、油化シェルエポキシ(株)製)などとして容易に入手し得る。
【0005】
本発明で用いるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど芳香族、ヘキサメチレンジイソシアネートなど脂肪族のアダクト体、イソシアヌレート・ビュレット体などがあげられる。ブロック・イソシアネートの使用も可能である。上記ポリイソシアネートは、スミジュールL(TDI−TMP アダクト 住友バイエルウレタン(株)製)、コロネートHL(HDI−TMP アダクト 日本ポリウレタン(株)製)及びデスモジュールCTステーブル(TDI フェノールブロックタイプ 住友バイエルウレタン(株)製)などとして容易に入手し得る。
【0006】
本発明で用いるアジリジン系硬化剤としては、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートなどなどがあげられる。上記アジリジン系硬化剤は、それぞれTAZM及びTAZO(相互薬工(株)製)として容易に入手できる。この他にも、APO(トリ−1−アジリジニルホスフィンオキシド)、HDU(N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド))、MDEI(N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド))、TDEI(N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド))、TEM(トリエチレンメラミン)及びBIA(ビス イソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン))などがあげられる。
本発明の接着用組成物には、上記成分を溶解できる溶剤を含有させるのが好ましい。メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、セロソルブ、ジオキサンなどの単独または混合品が好適である。ブラッシング防止のためシクロヘキサノンなどの高沸点溶剤を添加してもよい。
【0007】
本発明の接着用組成物における各成分の含有量は任意とすることができるが、ポリエステル樹脂/エポキシ樹脂が2/8〜9/1(重量比)の混合物100重量部当たり、ポリイソシアネートを5〜20重量部及びアジリジン系硬化剤0.05〜2重量部を含有するのが好ましい。具体的には、次ぎに示す組成とするのが好適である。
(a) ポリエステル樹脂 60〜80重量部
(b) エポキシ樹脂 20〜40重量部
(c) 溶 剤 約300重量部
(d) ポリイソシアネート 10〜15重量部
(e) アジリジン系硬化剤 0.1〜1.5重量部(対ポリイソシアネート 1〜10重量%)
アジリジン系硬化剤添加量少なすぎると発泡抑制効果が不十分となり、多すぎると硬化進みすぎて接着不良となりやすい。
【0008】
本発明で接着の対象とするプラスチックとしては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂(主としてPMMA)、酢酸セルロースなどのフィルム、シート、厚物や物品などがあげられる。又、金属としては、銅、ステンレス、鉄、アルミニウムなどの箔、フィルム、シート、厚物や物品などがあげられる。これらのうち、特に、本発明の接着剤組成物は、ポリエステルスィルムと銅箔の接着に好適である。
本発明では、上記接着用組成物をプラスチック基材及び/又は金属基材に塗布乾燥後、両者を加熱圧着することにより両者を容易に接着することができる。ポリエステルスィルムと銅箔の接着を例として、次ぎに具体的に説明する。
上記接着剤をポリエステルフィルムまたは銅箔にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃×1〜2分乾燥しロールで銅箔またはポリエステルフィルムと加熱圧着する。加熱圧着条件としては、100〜120℃で5〜10m/min 、2〜3kg/cm・G加圧が好適な条件としてあげられる。その後加熱エージングするのが好ましく、具体的には、45℃〜60℃で数日加熱保存するのがよいが常温放置でもよい。この方法により接着強度に優れ、かつ接着面に泡のないものを得ることができる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的短期間で接着性能良好な気泡のないプラスチック−金属接着品を得ることができる。このプラスチック−金属接着品はプリント基板用として好適でありファインパターン作製用として使用できる。
次ぎに実施例により本発明を説明する。
【実施例】
実施例1
ポリエステル樹脂:エリーテルUE−3400(分子量25,000 Tg−20℃ユニチカ(株)製) 70重量部、エポキシ樹脂:エピコート1001(ビスフェノールAタイプ、油化シェルエポキシ(株)製) 30重量%をメチルエチルケトン(MEK)/シクロヘキサノン=280重量部/20重量部の混合溶媒に溶解し、これにポリイソシアネート:スミジュールL(TDI−TMP アダクト 住友バイエルウレタン(株)製) 13重量部及びアジリジン系硬化剤:トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート(TAZM:相互薬工(株)製)0.6重量部を添加攪拌して均一な接着剤溶液を調製した。
上記接着剤をポリエステルフィルム(125μm 厚:ルミラー1255 東レ(株)製) にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃で1分間乾燥しロールで銅箔(35μm 厚電解銅箔:三井金属鉱業(株)製 3EC−3)と加熱圧着した。加熱圧着条件は、120℃で5m/min 、3kg/cm2 である。その後室温で7日間保存するか、又は60℃で5日間加熱エージングした。
【0010】
実施例2
ポリエステル樹脂:バイロン300(分子量23,000 Tg 7℃、東洋紡(株))80重量部、エポキシ樹脂:エピコート152(フェノールノボラック型 油化シェルエポキシ(株)製) 20重量部をMEK/トルエン=70/30(重量比) 300重量部に溶解し、これにポリイソシアネート:コロネートHL(HDI−TMP アダクト 日本ポリウレタン(株)製)10重量部及びアジリジン系硬化剤:TAZM 0.3重量部を添加して接着剤溶液を調製した。
上記接着剤を銅箔(35μm 厚電解銅箔:三井金属鉱業(株)製 3EC−3)にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃で2分間乾燥しロールでポリエステルフィルム(125μm 厚:ルミラー1255 東レ(株)製) と加熱圧着した。加熱圧着条件は、100℃で5m/min 、3kg/cmである。その後室温で7日間保存するか、又は45℃で20日間加熱エージングした。
【0011】
実施例3
ポリエステル樹脂:バイロンGM−900(PBT系分子量23,000、Tg−20 ℃、東洋紡(株)製) 80重量部、エポキシ樹脂:アデカレジンEPU−6A(ウレタン化エポキシ 旭電化(株)製) 20重量部、ポリイソシアネート:デスモジュールCTステーブル(TDI.フェノールブロックタイプ 住友バイエルウレタン(株)製) 10重量部をジオキサン300重量部に溶解、アジリジン系硬化剤:TAZM0.3重量部を添加して接着剤溶液を調製した。
上記接着剤をポリエステルフィルム(125μm 厚:ルミラー1255 東レ(株)製) にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃で2分間乾燥しロールで銅箔(35μm 厚電解銅箔:三井金属鉱業(株)製 3EC−3)と加熱圧着した。加熱圧着条件は、120℃で5m/min 、3kg/cm2 である。その後室温で7日間保存するか、又は45℃で11日間加熱エージングした。
【0012】
比較例1〜3
実施例1〜3の配合液からアジリジン系硬化剤:TAZMを抜いた液を用いた以外は実施例1〜3と同様にして接合品を製造した。
実施例及び比較例により得られた接合品の接着特性を次ぎのようにして評価した。
接着面の状態
ルーペを用いて発泡状態及び接着状態を観察し、以下の基準で評価した。
×: 発泡が多いもの、または接着不良
△: 微小発泡が少量あるもの、または接着稍々甘いもの
〇: 発泡なく、接着も良好
半田耐熱性
約4cm×4cmの接着片を210℃の半田浴上に浮かべ、30秒間保持後、銅箔/PETフィルム接合品にハガレ、フクレ、チヂミなどが発生すれば不合格(×)、発生しなければ合格(〇)とした。
はくり強度(JIS C−6471準拠)
接着片から巾10mmのサンプルを切出し、90°はくり強度をクロスヘッドスピード200mm/min で測定した。
1) 常態はくり強度(kg/cm): 23℃ 65%RHで測定
2) 耐アセトンはくり強度(kg/cm):巾10mmの試験片をアセトンに15hrs 浸漬後、室温に1時間保存後、23℃ 65%RHで測定
得られた結果をまとめて表−1に示す。
【0013】
【表1】
表−1
【0014】
表−1の結果から、実施例1、2及び3では、室温保存7日後でも半田耐熱性が合格となり、また低温での熱加熱後でも発泡しないことがわかる。又、はくり強度も良好である。
これに対してアジリジン系硬化剤を添加してない比較例1〜3では、室温保存7日後では発泡がないが、半田耐熱性が不合格である。後加熱によって始めて半田耐熱合格となるが、今度は発泡が生じてしる。この様に本発明の接着剤を用いるとプリント配線基板として良好な性能を有する銅箔−ポリエステル接合品を効率よく製造し得る。
また念のため室温保存7日間及び後加熱品につき、さらに150℃で3時間の高温加熱を実施して性能を評価したが、上記後加熱後の性能と殆ど同じであった。
【産業上の利用分野】
本発明は、プラスチックと金属、特に、プリント配線基板用のポリエステルフィルムと銅箔との接着に有用な接着剤組成物、及びプラスチックと金属との接着方法に関するものである。
【従来の技術】
近来の電子産業の発展に伴いプリント配線基板は多方面に広く用いられ、その形態も種々である。また機器の小型化の要求からフレキシブルタイプが多用されている。プリント配線基板において、高度な耐熱性が要求される場合には絶縁性基材としてポリイミドが使用されることも多くなっているが、価格の点及び機械的強度の点からポリエステルフィルム(主としてポリエチレンテレフタレート延伸フィルム)が用いられることも多く、銅箔−ポリエステル接合品がその主体となっている。
銅箔−ポリエステルの接合には一般的に接着剤が使用されている。従来使用されているものとしては、エポキシ樹脂/ポリエステル系接着剤、エポキシ樹脂/ニトリルゴム系接着剤、エポキシ樹脂/アクリルエラストマー系接着剤及びエポキシ樹脂/ウレタン系接着剤などであり、これらには何れもエポキシ樹脂の硬化剤が添加されている。
【0002】
エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、酸及び酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などの硬化剤及びイソシアネート類硬化剤が使用されており、適当な後加熱により良好な接着性能を発揮している。
上記の接着剤では、ポリエステル用としては必要性能全般的にはエポキシ樹脂/ポリエステル系が良好であり、硬化剤としてはイソシアネートの使用が好適である。
ところが、これらの従来の接着剤を用いると接着面に発泡が生じることが分った。
プリント基板製造に当っては印刷パターンをエッチングにより作成するが、接着面に泡があると、パターンの断線その他の不良が発生し、特に最近では、パターンの細密化によりごく小さな泡も問題になるようになっている。
このような接着面における泡発生の原因としては、イソシアネートと水、カルボン酸の反応によるCO2 の発生、接着剤中の残留溶剤の加熱蒸発、加熱圧着時、接着剤と被着体間に残存する空気の加熱膨張などが考えられる。
従来は、接着剤塗布基材(乾燥済)の加熱接着前の予備乾燥、圧着後の保存、加熱条件の調整などによって発泡を抑制していたが完全とは云えなかった。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、プラスチックと金属の接着面に泡の生じない接着剤組成物及び該組成物を用いた効率的な接着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明は、エポキシ樹脂/ポリエステル系接着剤に、ポリイソシアネートとアジリジン系硬化剤とを含有させると上記課題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート及びアジリジン系硬化剤を含有することを特徴とするプラスチック−金属接着用組成物を提供する。
本発明は、又、上記接着用組成物をプラスチック基材及び/又は金属基材に塗布乾燥後、両者を加熱圧着することを特徴とするプラスチックと金属の接着方法を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるポリエステル樹脂としては、テレフタール酸、イソフタール酸、アジピン酸、セバシン酸などの2塩基性酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのグリコール類との共縮合重合物などがあげられる。これらのうち、分子量10,000〜30,000でガラス転移点が−20〜30℃の非結晶性のものが好ましい。上記ポリエステル樹脂は、エリーテルUE−3400(分子量25,000 Tg−20℃ユニチカ(株)製)、バイロンGM 900(PBT系分子量23,000、Tg−20 ℃、東洋紡(株)製)及びバイロン300 (分子量23,000 Tg 7℃、東洋紡(株))などとして容易に入手し得る。
本発明で用いるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノール・ノボラック型、ウレタン変性品などがあげられる。上記エポキシ樹脂は、エピコート1001(ビスフェノールAタイプ、油化シェルエポキシ(株)製)、アデカレジン EPU−6A(ウレタン化エポキシ 旭電化(株)製)及びエピコート152(フェノールノボラック型、油化シェルエポキシ(株)製)などとして容易に入手し得る。
【0005】
本発明で用いるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど芳香族、ヘキサメチレンジイソシアネートなど脂肪族のアダクト体、イソシアヌレート・ビュレット体などがあげられる。ブロック・イソシアネートの使用も可能である。上記ポリイソシアネートは、スミジュールL(TDI−TMP アダクト 住友バイエルウレタン(株)製)、コロネートHL(HDI−TMP アダクト 日本ポリウレタン(株)製)及びデスモジュールCTステーブル(TDI フェノールブロックタイプ 住友バイエルウレタン(株)製)などとして容易に入手し得る。
【0006】
本発明で用いるアジリジン系硬化剤としては、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートなどなどがあげられる。上記アジリジン系硬化剤は、それぞれTAZM及びTAZO(相互薬工(株)製)として容易に入手できる。この他にも、APO(トリ−1−アジリジニルホスフィンオキシド)、HDU(N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド))、MDEI(N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド))、TDEI(N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド))、TEM(トリエチレンメラミン)及びBIA(ビス イソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン))などがあげられる。
本発明の接着用組成物には、上記成分を溶解できる溶剤を含有させるのが好ましい。メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、セロソルブ、ジオキサンなどの単独または混合品が好適である。ブラッシング防止のためシクロヘキサノンなどの高沸点溶剤を添加してもよい。
【0007】
本発明の接着用組成物における各成分の含有量は任意とすることができるが、ポリエステル樹脂/エポキシ樹脂が2/8〜9/1(重量比)の混合物100重量部当たり、ポリイソシアネートを5〜20重量部及びアジリジン系硬化剤0.05〜2重量部を含有するのが好ましい。具体的には、次ぎに示す組成とするのが好適である。
(a) ポリエステル樹脂 60〜80重量部
(b) エポキシ樹脂 20〜40重量部
(c) 溶 剤 約300重量部
(d) ポリイソシアネート 10〜15重量部
(e) アジリジン系硬化剤 0.1〜1.5重量部(対ポリイソシアネート 1〜10重量%)
アジリジン系硬化剤添加量少なすぎると発泡抑制効果が不十分となり、多すぎると硬化進みすぎて接着不良となりやすい。
【0008】
本発明で接着の対象とするプラスチックとしては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂(主としてPMMA)、酢酸セルロースなどのフィルム、シート、厚物や物品などがあげられる。又、金属としては、銅、ステンレス、鉄、アルミニウムなどの箔、フィルム、シート、厚物や物品などがあげられる。これらのうち、特に、本発明の接着剤組成物は、ポリエステルスィルムと銅箔の接着に好適である。
本発明では、上記接着用組成物をプラスチック基材及び/又は金属基材に塗布乾燥後、両者を加熱圧着することにより両者を容易に接着することができる。ポリエステルスィルムと銅箔の接着を例として、次ぎに具体的に説明する。
上記接着剤をポリエステルフィルムまたは銅箔にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃×1〜2分乾燥しロールで銅箔またはポリエステルフィルムと加熱圧着する。加熱圧着条件としては、100〜120℃で5〜10m/min 、2〜3kg/cm・G加圧が好適な条件としてあげられる。その後加熱エージングするのが好ましく、具体的には、45℃〜60℃で数日加熱保存するのがよいが常温放置でもよい。この方法により接着強度に優れ、かつ接着面に泡のないものを得ることができる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的短期間で接着性能良好な気泡のないプラスチック−金属接着品を得ることができる。このプラスチック−金属接着品はプリント基板用として好適でありファインパターン作製用として使用できる。
次ぎに実施例により本発明を説明する。
【実施例】
実施例1
ポリエステル樹脂:エリーテルUE−3400(分子量25,000 Tg−20℃ユニチカ(株)製) 70重量部、エポキシ樹脂:エピコート1001(ビスフェノールAタイプ、油化シェルエポキシ(株)製) 30重量%をメチルエチルケトン(MEK)/シクロヘキサノン=280重量部/20重量部の混合溶媒に溶解し、これにポリイソシアネート:スミジュールL(TDI−TMP アダクト 住友バイエルウレタン(株)製) 13重量部及びアジリジン系硬化剤:トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート(TAZM:相互薬工(株)製)0.6重量部を添加攪拌して均一な接着剤溶液を調製した。
上記接着剤をポリエステルフィルム(125μm 厚:ルミラー1255 東レ(株)製) にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃で1分間乾燥しロールで銅箔(35μm 厚電解銅箔:三井金属鉱業(株)製 3EC−3)と加熱圧着した。加熱圧着条件は、120℃で5m/min 、3kg/cm2 である。その後室温で7日間保存するか、又は60℃で5日間加熱エージングした。
【0010】
実施例2
ポリエステル樹脂:バイロン300(分子量23,000 Tg 7℃、東洋紡(株))80重量部、エポキシ樹脂:エピコート152(フェノールノボラック型 油化シェルエポキシ(株)製) 20重量部をMEK/トルエン=70/30(重量比) 300重量部に溶解し、これにポリイソシアネート:コロネートHL(HDI−TMP アダクト 日本ポリウレタン(株)製)10重量部及びアジリジン系硬化剤:TAZM 0.3重量部を添加して接着剤溶液を調製した。
上記接着剤を銅箔(35μm 厚電解銅箔:三井金属鉱業(株)製 3EC−3)にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃で2分間乾燥しロールでポリエステルフィルム(125μm 厚:ルミラー1255 東レ(株)製) と加熱圧着した。加熱圧着条件は、100℃で5m/min 、3kg/cmである。その後室温で7日間保存するか、又は45℃で20日間加熱エージングした。
【0011】
実施例3
ポリエステル樹脂:バイロンGM−900(PBT系分子量23,000、Tg−20 ℃、東洋紡(株)製) 80重量部、エポキシ樹脂:アデカレジンEPU−6A(ウレタン化エポキシ 旭電化(株)製) 20重量部、ポリイソシアネート:デスモジュールCTステーブル(TDI.フェノールブロックタイプ 住友バイエルウレタン(株)製) 10重量部をジオキサン300重量部に溶解、アジリジン系硬化剤:TAZM0.3重量部を添加して接着剤溶液を調製した。
上記接着剤をポリエステルフィルム(125μm 厚:ルミラー1255 東レ(株)製) にロールコーターを使用して乾燥後の膜厚が約20μm になるよう塗布、100℃で2分間乾燥しロールで銅箔(35μm 厚電解銅箔:三井金属鉱業(株)製 3EC−3)と加熱圧着した。加熱圧着条件は、120℃で5m/min 、3kg/cm2 である。その後室温で7日間保存するか、又は45℃で11日間加熱エージングした。
【0012】
比較例1〜3
実施例1〜3の配合液からアジリジン系硬化剤:TAZMを抜いた液を用いた以外は実施例1〜3と同様にして接合品を製造した。
実施例及び比較例により得られた接合品の接着特性を次ぎのようにして評価した。
接着面の状態
ルーペを用いて発泡状態及び接着状態を観察し、以下の基準で評価した。
×: 発泡が多いもの、または接着不良
△: 微小発泡が少量あるもの、または接着稍々甘いもの
〇: 発泡なく、接着も良好
半田耐熱性
約4cm×4cmの接着片を210℃の半田浴上に浮かべ、30秒間保持後、銅箔/PETフィルム接合品にハガレ、フクレ、チヂミなどが発生すれば不合格(×)、発生しなければ合格(〇)とした。
はくり強度(JIS C−6471準拠)
接着片から巾10mmのサンプルを切出し、90°はくり強度をクロスヘッドスピード200mm/min で測定した。
1) 常態はくり強度(kg/cm): 23℃ 65%RHで測定
2) 耐アセトンはくり強度(kg/cm):巾10mmの試験片をアセトンに15hrs 浸漬後、室温に1時間保存後、23℃ 65%RHで測定
得られた結果をまとめて表−1に示す。
【0013】
【表1】
表−1
【0014】
表−1の結果から、実施例1、2及び3では、室温保存7日後でも半田耐熱性が合格となり、また低温での熱加熱後でも発泡しないことがわかる。又、はくり強度も良好である。
これに対してアジリジン系硬化剤を添加してない比較例1〜3では、室温保存7日後では発泡がないが、半田耐熱性が不合格である。後加熱によって始めて半田耐熱合格となるが、今度は発泡が生じてしる。この様に本発明の接着剤を用いるとプリント配線基板として良好な性能を有する銅箔−ポリエステル接合品を効率よく製造し得る。
また念のため室温保存7日間及び後加熱品につき、さらに150℃で3時間の高温加熱を実施して性能を評価したが、上記後加熱後の性能と殆ど同じであった。
Claims (2)
- 非分岐型ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート及びアジリジン系硬化剤を含有することを特徴とするポリエステルフィルム−銅箔接着用組成物。
- 請求項1の接着用組成物をポリエステルフィルム及び/又は銅箔に塗布乾燥後、両者を加熱圧着することを特徴とするポリエステルフィルムと銅箔の接着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995171735A JP3585581B6 (ja) | 1995-07-07 | プラスチック−金属接着用組成物及びプラスチック−金属接着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP1995171735A JP3585581B6 (ja) | 1995-07-07 | プラスチック−金属接着用組成物及びプラスチック−金属接着方法 |
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JPH0920882A JPH0920882A (ja) | 1997-01-21 |
JP3585581B2 true JP3585581B2 (ja) | 2004-11-04 |
JP3585581B6 JP3585581B6 (ja) | 2005-01-12 |
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JPH0920882A (ja) | 1997-01-21 |
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