JP3582142B2 - 多重画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に用いられる多重画像形成装置に関し、特に、レジストレーションコントロールシステムを用いた多重画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー画像を形成する多重画像形成装置としては、いわゆるタンデム型カラ−画像形成装置が知られている。この装置は、一つの転写ベルトに沿って、例えば、黒(K)、イエロ−(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色毎に4つの画像形成手段が配列されており、各画像形成手段は、感光体ドラム上にROS(Raster Output Scanner:ラスター出力走査装置)により単一色の画像を夫々形成し、これら4つの画像を一つの転写ベルト上に重ねて転写することにより一つのカラ−画像を形成するように構成されている。この種の多重画像形成装置では、一つのカラー画像を形成するために各色毎の画像を転写ベルトの同一位置に重ねて転写するため、各色毎の画像を精度良く重ねることが必要になる。
【0003】
このため、転写ベルト上における同一位置に重ねられるべき色間のずれである、いわゆるレジずれを測定し、補正するレジストレーションコントロール(レジコン)システムが、この種の多重画像形成装置には採用されている。レジずれは、いわゆるスキューずれとスキューずれ以外の色ずれとに大別され、スキューずれ以外の色ずれには、主走査方向のずれ、副走査方向のずれ及び倍率のずれがある。これらのレジずれうち、スキューずれは、通常の使用状態では、画像形成動作中の熱変化、振動等によっては大きな問題となるレベルまでには変動しないとされている。一方、スキューずれ以外の主走査方向のずれ等は、通常の使用状態でも、画像形成動作中の熱変化、振動等によって変動するとされている。
【0004】
レジコンシステムは、具体的には先ず、レジずれ量測定用のテストパタ−ンを各色毎の画像形成手段により転写ベルトの上に一定間隔に並べて転写するようにし、この転写されたテストパターンを全ての画像形成手段の下流に配置したCCD(Charged Coupled Device:電荷結合装置)により測定するテストパターンサンプリングサイクルを実行することにより、レジずれ量を検出する。このパターンサンプリングサイクルは、通常、ROSや転写ベルトを駆動させる動作を伴うため、例えば十数秒といった比較的長い時間を要する。次に、その検出されたレジずれ量から、スキュー補正量を適宜演算したり、主走査方向の補正量、副走査方向の補正量及び倍率の補正量を適宜演算したりする。スキュー補正を行う際には、この演算されたスキュー補正量を用いてROSの光学系に機械的調整を加える。一方、スキューずれ以外の色ずれの補正を行う際には、この演算されたスキュー以外の色ずれ補正量を用いてROSの電気的回路やROSへの信号系に電気的調整を加える。ここで特にスキュー補正を行った場合には、スキューずれ以外の色ずれは一般には全て変化するため、スキュー補正後にパターンサンプリングサイクルを含めたスキューずれ以外の色ずれについてのレジコンサイクルを再度実行することが必要となる。
【0005】
以上のように、第1にスキュー補正はスキュー以外の色ずれ補正と異なり通常の動作中に行う必要がないとされていること、第2にスキュー補正を行うためにはパターンサンプリングサイクルをスキュー補正の前後で合計2回実行する必要があることから、サービスマンがメインテナンス用に行うサービスモードにおいてのみ、スキューを補正するサイクル(スキュー補正サイクル)を含むレジコンが実行される。即ち、サービスモードでは、スキューを補正した後にスキュー以外の色ずれ補正のためにパターンサンプリングサイクルを再度実行するため、レジコンを実行するのに時間が掛かる。一方、通常の動作モードたるカスタマモードにおいては、スキュー補正サイクルを含まずに、スキューずれ以外の色ずれを補正するサイクルのみを含むレジコン(スキューなしレジコン)サイクルが実行される。即ち、カスタマモードでは、スキュー以外の色ずれ補正のためにパターンサンプリングサイクルを一度実行するだけでよいためレジコンを実行するのに時間はあまり掛からない。
【0006】
このレジコンシステムによれば、主に、画像形成手段の機械的精度、感光体ドラム間のピッチ、露光ポイントなどに依存したレジずれのDC(定常)成分についての補正をすることができる。更に、特開平6−253151号公報等に開示されたレジコンシステムによれば、粗いレジずれ量測定用パターンと細かいレジずれ量測定用パターンとを形成することにより、主に、感光体ドラム、各種のローラやギヤ、転写ベルトなどの回転周期に依存したレジずれのAC(周期的変動)成分に起因するDC成分誤差の影響を受けずに、高精度なDC成分の補正を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に多重画像形成装置においては、色ずれの少ない高品質の画像を提供しつつ、特に通常の動作モード(カスタマモード)においては、レジコン動作を含めた画像形成動作が迅速に行われることが一般に望まれている。
【0008】
しかしながら、上述した従来のレジコンシステムによれば、通常の使用状態ではスキューはずれないものとして、スキュー補正を通常の動作時には行わないため、ユーザが画像形成装置本体を移動させた結果装置の設置面が変化したり、装置本体に機械的衝撃を与えたり、装置内部の機械的部品等をいじったりした場合には、大きな問題となるレベルまでスキューがずれてしまうことがある。この場合、サービスマンが次にスキュー補正を行うまで、高品質の画像を期待できない。また、サービスマンがメインテナンスを行っても、僅かに許容量を越えたスキューずれを目視により見落とす可能性もある。更に、規格外の部品が使用された結果として生じるミクロンメータ単位の不良や経時変化による不良はメインテナンスの際に検出できない可能性もある。
【0009】
一方、上述した従来のレジコンシステムにおいて、仮にサービスモードと同様に、スキュー補正サイクルを含めたレジコンサイクルをカスタマモードで行うようにしたのでは、前述したようにスキュー補正の前後にパターンサンプリングサイクルを2回実行する必要があることから、ユーザは、画像形成作業の途中で大変に長い時間待たされることになりかねない。
【0010】
そこで、本発明は、色ずれの少ない高品質の画像を提供しつつ、通常の動作中の待ち時間が少ない多重画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は、異なる色の画像を重ねて形成する複数の画像形成手段と、該画像形成手段間のスキューずれ量及びスキュー以外の色ずれ量を検出する検出手段と、前記スキューずれ量が第1のしきい値よりも小さい場合には、前記スキュー以外の色ずれ量に基づいてスキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御し、前記スキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さくない場合には、前記スキューずれ量に基づいてスキューずれ補正を実行すると共に該スキューずれ補正を終えた後に再度パターンサンプリングを行い、前記検出手段により検出されたスキュー以外の色ずれ量に基づいて前記スキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御する制御手段と、前記検出手段により検出されたスキューずれ量を記憶するスキュー記憶手段とを備え、前記検出手段による検出、前記制御手段による制御及び前記スキュー記憶手段による記憶は、所定の色ずれ補正開始条件が成立した場合に、一回の動作サイクルの中で行われ、前記制御手段は、n(n:自然数)回目の動作サイクルの中で前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さく且つ前記第1のしきい値未満の第2のしきい値よりも大きい場合には、n+1回目の動作サイクルの中でスキューずれ以外の色ずれ補正のためのパターンサンプリングを実行する前に、前記スキュー記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたスキューずれ量に基づいて、前記スキューずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御することを特徴とする多重画像形成装置を提供する
この態様によれば、スキュー記憶手段は、検出手段により検出されたスキューずれ量を記憶する。検出手段による検出、制御手段による制御及びスキュー記憶手段による記憶は、所定の色ずれ補正開始条件が成立した場合に、一回の動作サイクルの中で行われる。ここで、制御手段による制御の下、n回目の動作サイクルの中で検出手段により検出されたスキューずれ量が第1のしきい値よりも小さく且つ第2のしきい値よりも大きい場合には、画像形成手段は、n+1回目の動作サイクルの中でスキューずれ以外の色ずれ補正のためのパターンサンプリングを実行する前に、スキュー記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたスキューずれ量に基づいて、スキューずれ補正を実行する。
よって、第2のしきい値として、当該多重画像形成装置のスキュー補正分解能等を考慮して意味あるスキュー補正を行うことが可能な最小限のスキューずれ量に対応する値を設定しておけば、n+1回目の動作サイクルによりスキューずれをより低減することができる。ここで、このように必要不可欠ではない比較的微量のスキュー補正を行う場合にも、スキュー補正の後にスキュー以外の色ずれ補正が必要となり、このため色ずれ量を再度検出せねばならないが、或る動作サイクルで検出された色ずれ量を、そのまま次の動作サイクルのスキュー補正に用いるため、各サイクルの中では1回の色ずれ量の検出で足りる。
この結果、スキューずれ補正を実行しない従来のカスタマモードにおけるレジコンと比較しても、レジコンに要する時間は、あまり長くならないで済む。これは、仮に従来のサービスモードの場合と同様にスキュー補正を実行したとすると各サイクルの中でスキュー補正の前後に色ずれ量を検出する動作が2回(例えば、十数秒といった比較的長い時間が2回)必要となるのと比較すると、大変有利である。
このように、本態様は、スキュー補正が必要な場合にはユーザを待たせてもスキューずれを確認した時点で直ぐにスキュー補正を実行する一方で、スキュー補正が必要ではないまでもスキューずれを改善する余地がある場合にはユーザを不必要に待たせることなく、そのままのスキューずれ状態で暫く画像形成動作を続けて次のサイクルを実行する時点でスキュー補正を実行するように構成されている。この構成は、特に、スキューずれが通常の画像形成動作中の熱変化、振動等によっては殆ど変動しないという特性に鑑みれば、極めて実践的且つ合理的である。
以上のように、本態様によれば、色ずれの少ない高品質の画像を実現しつつレジコンサイクルによる通常の動作中の待ち時間を少なくできる。
また、好ましい態様において、多重画像形成装置は、前記検出手段により検出されたス キューずれ量が前記第2のしきい値よりも大きい場合にフラグ信号を記憶するフラグ記憶手段を更に備えており、前記制御手段は、前記n+1回目の動作サイクルにおいて、前記フラグ記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたフラグ信号に基づいて、前記n回目の動作サイクルの中で前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さく且つ前記第2のしきい値よりも大きい場合であるか否かを判定する。
この態様によれば、フラグ記憶手段は、検出手段により検出されたスキューずれ量が第2のしきい値よりも大きい場合にフラグ信号を記憶する。その後、n+1回目の動作サイクルにおいて、制御手段は、フラグ記憶手段にn回目の動作サイクル中に記憶されたフラグ信号に基づいて、n回目の動作サイクルの中で検出手段により検出されたスキューずれ量が第1のしきい値よりも小さく且つ第2のしきい値よりも大きい場合であるか否かを判定する。このように、フラグ信号を、次回の動作サイクルでスキュー補正を実行すべきであることを示す情報として用いることにより、制御手段による制御を比較的簡単な構成で行うことができる。
【0013】
また、この発明は、異なる色の画像を重ねて形成する複数の画像形成手段と、該画像形成手段間のスキューずれ量及びスキュー以外の色ずれ量を検出する検出手段と、前記スキューずれ量が第1のしきい値よりも小さい場合には、前記スキュー以外の色ずれ量に基づいてスキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御し、前記スキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さくない場合には、前記スキューずれ量に基づいてスキューずれ補正を実行すると共に該スキューずれ補正を終えた後に再度前記検出手段により検出されたスキュー以外の色ずれ量に基づいて前記スキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御する制御手段と、前記検出手段により検出されたスキューずれ量からスキュー補正量を演算する演算手段と、前記演算されたスキュー補正量を記憶するスキュー記憶手段とを備え、前記検出手段による検出、前記制御手段による制御、前記演算手段による演算及び前記スキュー記憶手段による記憶は、所定の色ずれ補正開始条件が成立した場合に、一回の動作サイクルの中で行われ、前記制御手段は、n(n:自然数)回目の動作サイクルの中で前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さく且つ前記第1のしきい値未満の第2のしきい値よりも大きい場合には、n+1回目の動作サイクルの中でスキューずれ以外の色ずれ補正のパターンサンプリングを実行する前に、前記スキュー記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたスキュー補正量に基づいて、前記スキューずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御することを特徴とする多重画像形成装置を提供する
この態様によれば、演算手段は、検出手段により検出されたスキューずれ量からスキュー補正量を演算する。また、本態様では、スキュー記憶手段は、演算されたスキュー補正量を記憶する。検出手段による検出、制御手段による制御、演算手段による演算及びスキュー記憶手段による記憶は、所定の色ずれ補正開始条件が成立した場合に、一回の動作サイクルの中で行われる。ここで、制御手段による制御の下、n回目の動作サイクルの中で検出手段により検出されたスキューずれ量が第1のしきい値よりも小さく且つ第2のしきい値よりも大きい場合には、画像形成手段は、n+1回目の動作サイクルの中でスキューずれ以外の色ずれ補正のためのパターンサンプリングを実行する前に、スキュー記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたスキュー補正量に基づいて、スキューずれ補正を実行する。
よって、スキューずれをより低減しつつ、或る動作サイクルで演算されたスキュー補正量を次の動作サイクルのスキュー補正に用いるため、各サイクルの中では1回の色ずれ量の検出で足りる。しかも、次の動作サイクルでスキュー補正を行う際には、既にスキュー補正量が演算されているので、更に迅速にスキュー補正を行うことができる。
また、好ましい態様において、多重画像形成装置は、前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第2のしきい値よりも大きい場合にフラグ信号を記憶するフラグ記憶手段を更に備えており、前記制御手段は、前記n+1回目の動作サイクルにおいて、前記フラグ記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたフラグ信号に基づいて、前記n回目の動作サイクルの中で前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さく且つ前記第2のしきい値よりも大きい場合であるか否かを判定する。
この態様によれば、フラグ記憶手段は、検出手段により検出されたスキューずれ量が第2のしきい値よりも大きい場合にフラグ信号を記憶する。その後、n+1回目の動作サイクルにおいて、制御手段は、フラグ記憶手段にn回目の動作サイクル中に記憶されたフラグ信号に基づいて、n回目の動作サイクルの中で検出手段により検出されたスキューずれ量が第1のしきい値よりも小さく且つ第2のしきい値よりも大きい場合であるか否かを判定する。このように、フラグ信号を、次回の動作サイクルでスキュー補正を実行すべきであることを示す情報として用いることにより、制御手段による制御を比較的簡単な構成で行うことができる。
【0015】
以上述べた諸態様において、前記スキュー記憶手段及び前記フラグ記憶手段は、例えば、夫々不揮発性メモリである。
本態様によれば、不揮発性メモリからなるスキュー記憶手段及びフラグ記憶手段が、n回目の動作サイクルにおけるスキューずれ量及びフラグ信号を夫々記憶する。このため、当該多重画像形成装置の電源を一旦切っておいた後の立ち上げ時やその後の動作サイクルにおいても、前回の動作サイクルで検出したスキューずれ量を利用して適宜スキュー補正を実行できる。この際、各動作サイクルの中では、色ずれ量の検出を1回実行すれば足りる。
【0016】
【発明の効果】
以上の結果、本願発明によれば、通常の動作時に必ずしも補正しないスキューずれ量についても常に監視することにより、必要ならスキュー補正を実行するのでスキューがずれたままで通常動作を行う可能性が低減され、不必要ならスキュー補正を行なわず更に或るレジコンンサイクルで得たスキューずれ量を次のレジコンサイクルで利用する。このため、サービスマンによる調整により装置を使用できない時間を低減でき、装置の動作がレジコン実行のため停止する時間の増加は最小限に食い止められる。また、通常の動作モードでスキュー補正が適宜行われるため、サービスマンのメインテナンスの時間と労力が軽減される。更に、誤って規格に合わない部品が使用されたとしても、ミクロンメートル単位の不良や経時変化の不良でも検出でき補正できる。
【0027】
【実施例】
次に図面を参照して本発明の好適な実施例を説明する。
図1に本発明の第1実施例であるタンデム型カラ−画像形成装置の要部構成を示す。
【0028】
図1において、カラ−画像形成装置1は、K(黒)、Y(イエロ−)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の4色による多重画像を形成可能に構成されており、IPS(Image Processing System:画像処理システム)2と、夫々K、Y、M及びC色用のROS−I/F(ROS−InterFace:ROS−インタフェイス)3k、3y、3m及び3cと、夫々K、Y、M及びC色用のROS4k、4y、4m及び4cと、夫々K、Y、M及びC色用の作像装置5k、5y、5m及び5cと、転写ベルト6と、モータ7と、用紙吸着ローラ8と、ベルトクリーナ10とを備えて構成されている。
【0029】
ここにIPS2は、一つのカラー画像データについての各K、Y、M及びC色毎の書き込み用画像データをROS−I/F3k、3y、3m及び3cに供給するように構成されている。ROS−I/F3k、3y、3m及び3cは、IPS2からの画像データや後述するレジコン用のテストパターンデータを夫々ROS4k、4y、4m及び4cに供給するように構成されている。画像形成手段の一例としてのROS4k、4y、4m及び4cは、書き込み光により作像装置5k、5y、5m及び5cの感光体ドラム上を夫々走査することにより、ROS−I/F3k、3y、3m及び3cから供給される書き込み信号に対応するラスタ像を作像装置5k、5y、5m及び5cのドラム上に夫々書き込むように構成されている。作像装置5k、5y、5m及び5cは、感光体ドラム、帯電器、現像器等を含み、順次書き込み光によりラスタ状の静電潜像が書き込まれ、更に現像によりトナー像がドラム上に形成される。
【0030】
作像装置5k、5y、5m及び5cは、モータ7により駆動される転写ベルト6上に用紙吸着ローラ8により供給される記録用紙100の上に、画像データに対応する各トナー像を同期を取りつつ転写したり、レジコン用のテストパターンデータに対応する各トナー像を転写ベルト6の上に直接に転写するように構成されている。ベルトクリーナ10は、転写ベルト6に直接転写されたテストパターンを転写ベルト6から除去するように構成されている。
【0031】
図1において、カラ−画像形成装置1は更に、CCD11、レジストレーションコントローラ12並びに、ROS4k,4y,4mにそれぞれ内蔵したK、Y、M及びC色用のスキュー補正装置13k、13y、13m及び13cを備えている。
【0032】
CCD11は、転写ベルト6の作像装置5k、5y、5m及び5cの下流側且つベルトクリーナ10の上流側に配置されており、転写ベルト6上に形成されるテストパターンを測定する。
【0033】
レジストレーションコントローラ12は、例えば図2に示したようなK、Y、M及びCからなるテストパターンデータを発生させ、各K、Y、M及びC色毎のテストパターンデータをROS−I/F3k、3y、3m及び3cに設定する。ROS4k、4y、4m及び4cは、設定されたパターンに対応する各K、Y、M及びC毎の書き込み用テストパターンデータの供給を所定のタイミングで受けて、書き込み光により作像装置5k、5y、5m及び5cのドラム上に、IPS2からの画像データの代わりに、このテストパターンデータに対応するラスタ像を夫々書き込む。この際、記録用紙100を供給しないことにより、転写ベルト6の上に直接、作像装置5k、5y、5m及び5cによりテストパターンが転写される。
【0034】
更に、レジストレーションコントローラ12は、CCD11が測定したテストパターンからスキューずれ量並びにスキューずれ以外の色ずれ量である主走査方向のずれ量、副走査方向のずれ量及び倍率のずれ量を夫々サンプルするように構成されている。そして、サンプルされたスキューずれ量が所定のしきい値より小さいか否かを判定した後、その判定結果に応じて、後述するように、スキューずれ補正を含めたレジコンサイクルを行ったり、スキューずれ補正を除いたレジコンサイクルを行ったりするように構成されている。
【0035】
スキュー補正装置13は、このように演算された補正量に応じて作像装置5k、5y、5m及び5cの光学系を調整することにより、色ずれ補正を実行するように構成されている。
【0036】
図1のレジストレーションコントローラ12の要部構成をCCD11及びスキュー補正装置13と共に図3に示す。
【0037】
図3において、レジストレーションコントロールシステム12aは、状態検出手段21、スキュー量検出手段22、第1の比較手段23、第2の比較手段24、フラグ記憶手段25、スキュー量記憶手段26及びスキュー補正量演算手段27を備えて構成されている。
【0038】
状態検出装置21は、所定の色ずれ補正開始状態を検出して、レジコンサイクルの開始を指示する。所定の色ずれ補正開始状態としては、例えば、用紙詰まり解除、電源投入、連続動作時に見られる高温状態、転写モジュールのセットなどがある。
【0039】
スキュー量検出手段22は、CCD11が測定したテストパターンからスキューずれ量をサンプルする。
【0040】
第1の比較手段23は、第1のしきい値としての第1の所定量と、サンプルされたスキューずれ量とを比較する。第1の所定量としては、スキュー補正が直ぐにも必要な程に大きなスキューずれ量に対応する値を予め設定しておく。より具体的には、第1の所定量としては、スキューずれ量がレジコンシステムの許容範囲の限界に近付いたことを示すずれ量に対応する値に設定すれば、当該許容範囲を越える前にスキュー補正が実行されることになるので、高画質維持の観点からは好ましい。但し、一つのレジコンサイクル中で2回のテストパターンサンプリングを必要とするスキュー補正を行う回数をより少なく押さえて動作中の待ち時間を低減させるためには、第1の所定量としては、スキューずれ量がレジコンシステムの許容範囲の限界を僅かに越えたことを示すずれ量に対応する値に設定するのが好ましい。
【0041】
第2の比較手段24は、第2のしきい値と、サンプルされたスキューずれ量とを比較する。第2のしきい値としては、カラー画像形成装置1のスキュー補正分解能等を考慮して意味あるスキュー補正を行うことが可能な最小限のスキューずれ量に対応する値を予め設定しておく。より具体的には、スキュー補正分解能の1ステップに対応した値に設定すれば、スキューずれを改善できる余地が有る限り、スキュー補正を向上させることができる。但し、実践的な範囲にスキューずれが入っていれば問題とならない一方で、スキュー補正をあまり頻繁に実行しないようにするためには、スキュー補正分解能の複数ステップに対応した値に設定すればよい。
【0042】
フラグ記憶手段25は、第2の比較手段24により、比較されたスキューずれ量が第2のしきい値よりも大きい場合には、フラグに1を立ててフラグ信号として記憶する。なお、大きくない場合には、フラグは0にセットしておく。このフラグは、次回のレジコンサイクルにスキュー補正を含めるか否かを示す情報である。
【0043】
スキュー量記憶手段26は、スキュー量検出手段22がサンプルしたスキューずれ量を記憶する。特に、スキュー量記憶手段26は、フラグ記憶手段25と共に、不揮発性RAM(Random Access Memory)などの不揮発性メモリから夫々構成することが好ましい。この場合には、カラー画像形成装置1の電源を一旦切っておいた後の立ち上げ時やその後のレジコンサイクルにおいても、前回のレジコンサイクルで検出したスキューずれ量を利用して適宜スキュー補正を実行することができる。
【0044】
更に、スキュー量記憶手段26を不揮発性メモリから構成する場合には、サンプル状態が良好である場合にのみ、スキューずれ量を含む色ずれ量やスキュー補正量を含む色ずれ補正量を上書きして記憶させるようにしても良い。ここに、サンプル状態が良好であるか否かは、サンプルされたパターンの像幅、コントラスト、バックグラウンドレベルなどから判定可能である。この場合、次のレジコンサイクルの基準補正値として、記憶された色ずれ量を採用すれば、四季変化等による温度変化や設置環境の変化によらず安定した補正状態を確保することができ、電源投入直後の補正でも高い補正精度を確保できる。これは、四季等によらず画一的な基準補正値を使用する従来の技術と比較すると極めて有利である。更に、テストパターンのサンプリングが何等かの理由により、不可能となった異常時にも、この記憶された最新の補正量等を用いれば、画質低下を最小限に食い止めることができる。
【0045】
スキュー補正量演算手段27は、スキューずれ補正の実行前に、スキュー量記憶手段26に記憶されたスキューずれ量からスキュー補正量を演算する。
【0046】
レジストレーションコントローラ12aは、図示しないスキュー以外の色ずれを補正する機能をも備えており、より具体的には、CCD11が測定したテストパターンからスキューずれ以外の色ずれ量である主走査方向のずれ量、副走査方向のずれ量及び倍率のずれ量を夫々サンプルする色ずれ量検出手段、及びこれらのサンプルされたスキュー以外の色ずれ量からスキュー以外の色ずれ補正量を演算する演算手段を備えている。
【0047】
この結果、スキュー補正装置13は、後に詳述するように、状態検出手段21が色ずれ補正開始条件を検出すると、第1の比較手段23の出力により、検出したスキュー量が第1の所定量より大きい場合又はフラグ記憶手段25に以前に記憶されたフラグ信号がある場合に、前記スキュー量記憶手段26に記憶されたスキューずれ量からスキュー補正量演算手段26がスキュー補正量を演算して、この演算結果に基づいて、ROS4に対するスキュー補正を実行することになる。
【0048】
次に本実施例のカラー画像形成装置1の動作について、(1)通常のカラー画像形成動作、(2)スキュー補正を行わないレジコン動作、及び(3)スキュー補正を行うレジコン動作の3つの場合に分けて以下に説明する。
【0049】
(1)通常のカラー画像形成動作
通常のカラー画像形成動作においては、IPS2は、一つのカラー画像データについての各色K、Y、M及びC毎の書き込み用画像データを、ROS−I/F3k、3y、3m及び3cを介して夫々ROS4k、4y、4m及び4cに供給する。ROS4k、4y、4m及び4cは、書き込み光により作像装置5k、5y、5m及び5cのドラム上を夫々走査することにより、対応するラスタ像を夫々書き込む。作像装置5k、5y、5m及び5cは、そのドラム上に書き込まれたラスタ状の静電潜像を現像して、トナー像を形成する。転写ベルト6は、モータ7により正方向に駆動されており、用紙吸着ローラ8は、記録用紙100を転写ベルト6上に供給する。作像装置5k、5y、5m及び5cは、同期を取りつつ各トナー像を、転写ベルト6上の記録用紙100に転写し、カラー画像を合成する。この記録用紙100上に形成されたカラー画像は、熱定着処理等を受けた後に、当該カラー画像形成装置から排出される。
【0050】
(2)スキュー補正を行わない場合のレジコン動作
状態検出手段21が所定の色ずれ補正開始条件を検出すると、レジストレーションコントローラ12は、例えば図2に示したようなK、Y、M及びCからなる自動レジずれ補正用のテストパターンを発生させ、このテストパターンに対応する各K、Y、M及びC色毎の書き込み用画像データをROS−I/F3k、3y、3m及び3cを介してROS4k、4y、4m及び4cに夫々供給する。これを受けてROS4k、4y、4m及び4cは、書き込み光により作像装置5k、5y、5m及び5cのドラム上に、このテストパターンに対応するラスタ像を夫々書き込む。この際、記録用紙100を供給しないことにより、転写ベルト6の上に直接、作像装置5k、5y、5m及び5cによりテストパターンが転写される。CCD11が転写ベルト6上のテストパターンを測定すると、レジストレーションコントローラ12は、この測定結果に基づいてスキュー以外の色ずれ量を検出するが、同時に、スキューずれ量も検出する。この(2)の場合は、スキューずれ量が第1の所定量より小さく且つフラグ記憶手段25にフラグも立っていない場合であるために、スキュー補正は行われない。検出されたスキュー以外の色ずれ量に基づいてスキュー以外の色ずれ補正量が演算される。レジストレーションコントローラ12は、この演算結果に基づいて、ROS4の電気的回路やROS4への信号系に電気的調整を加える。例えば、ROS4の書き込みタイミングを調整する。以上のレジコン動作により、スキュー以外の色ずれが補正される。
【0051】
(3)スキュー補正を行う場合のレジコン動作
この(3)の場合は、フラグ記憶手段25にフラグが立っている場合、またはフラグが立っていない場合に更に分れる。
(3−1)フラグ記憶手段25にフラグが立っていない場合には、レジストレーションコントローラ12がスキュー以外の色ずれ量及びスキューずれ量を検出するまでは、上記(2)の動作と同様である。この(3ー1)の場合は、スキューずれ量が第1の所定量より大きい場合であるから、検出されたスキューずれ量に基づいてスキュー補正量が演算される。この演算結果に基づいて、スキュー補正装置13により、ROS4の光学系に機械的調整を加える。例えば、ROS4の光学系を構成するミラーの角度を調整する。この後再度、レジストレーションコントローラ12は、テストパターンを発生させ、CCD11が転写ベルト6上のテストパターンを測定する。このテストパターンから検出されたスキュー以外の色ずれ量に基づいてスキュー以外の色ずれ補正量が演算され、この演算結果に基づいて、ROS4の電気的回路やROS4への信号系に電気的調整を加える。以上のレジコン動作により、スキューずれ及びスキュー以外の色ずれが補正される。なおこの場合、再度レジストレーションコントローラ12がテストパターンを発生させた際にも、CCD11が測定したテストパターンからスキューずれ量が検出され、次のレジコンサイクルに備える。
(3−2)フラグ記憶手段25にフラグが立っている場合には、前回検出されたスキューずれ量であるスキュー量記憶手段26に記憶されたスキューずれ量に基づいて、スキュー補正量演算手段27によりスキュー補正量が演算される。この演算結果に基づいて、スキュー補正装置13により、ROS4の光学系に機械的調整を加える。この後、レジストレーションコントローラ12は、テストパターンを発生させ、CCD11が転写ベルト6上のテストパターンを測定する。このテストパターンから検出されたスキュー以外の色ずれ量に基づいてスキュー以外の色ずれ補正量が演算され、この演算結果に基づいて、ROS4の電気的回路やROS4への信号系に電気的調整を加える。なおこの場合、レジストレーションコントローラ12がテストパターンを発生させた際にも、CCD11が測定したテストパターンからスキューずれ量が検出され、次のレジコンサイクルに備える。
【0052】
第1実施例の動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。
図7において、先ずレジずれ補正の要求があるか否かがフラグ記憶手段25のフラグにより判定される(ステップS1)。要求があると判定されると(ステップS1:NO)、前回のレジコン時にスキュー量記憶手段26に記憶しておいたスキューずれ量からスキュー補正量を演算して、演算結果によりスキュー補正を実行する(S2)。この時点で前回のレジコン時に検出したスキューズレは解消される。続いて、スキュー以外の色ずれ量を測定するために、テストパターンのサンプリング処理が行われる(ステップS3)。ステップS1で要求がないと判定されると(ステップS1:YES)、そのまま前述のステップS3に進む(ステップS3)。
【0053】
次ぎに、スキューずれ量を含めた各色ずれ量が演算され(ステップS4)、スキューずれ量はゼロであるか、即ち第2の所定量よりも小さいか否かが判定される(ステップS5)。ゼロであると判定されると(ステップS5:YES)、スキュー以外の色ずれ補正量が演算され(ステップS6)、スキュー以外の色ずれ補正量が各画像形成手段に設定され(ステップS7)、処理が終了する。
【0053】
ステップS5で、ゼロでないと判定されると(ステップS5:NO)、スキューずれ量からスキューずれ補正量が演算され(ステップS8)、スキューずれ量が許容できるか否かが判定される(ステップS9)。許容できると判定されると(ステップS9:YES)、スキュー補正量が記憶され(ステップS10)、次回のサイクル時先頭にスキュー補正の実行を要求するようにフラグ記憶手段25にフラグをセットしてから(ステップS11)、前述のステップS6に進む。
【0054】
ステップS9で、許容できないと判定されると(ステップS9:NO)、今回のサンプルで得たスキュー補正量に基づいてスキュー補正が実行され(ステップS12)、テストパターンのサンプリング処理が行われ(ステップS13)、スキュー以外の色ずれ量が演算されてから(ステップS14)、前述のステップS6に進む。
以上のように、第1実施例の動作は行われる。
【0055】
次に、本発明の第2実施例であるタンデム型カラ−画像形成装置について説明する。第2実施例は、第1実施例とレジストレーションコントローラの構成が異なるのみであり、他の構成は同じであるのでその説明は省略する。図4に第2実施例のレジストレーションコントローラの構成を示す。なお、図4において図3に示した第1実施例の構成要素と同じ構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
【0056】
図4において、レジストレーションコントローラ12bは、図3に示した第1実施例においてスキュー量を記憶するスキュー量記憶手段26を備えておらず、代りにスキュー補正量演算手段27の演算結果であるスキュー補正量を記憶するスキュー量記憶手段28を備えている。即ち、第2実施例は、次回のレジコンサイクルのために、第1実施例のスキューずれ量の代りにスキュー補正量を記憶するように構成したものである。
【0057】
第2実施例の動作においては、或るレジコンサイクルの中で演算されたスキュー補正量がスキュー量記憶手段28に記憶され、次のレジコンサイクルで、この記憶されたスキュー補正量に基づいてスキュー補正が実行される。この結果、スキュー補正を実行する直前に演算を行う必要がないので、より素早くスキュー補正を実行できる利点がある。その他の動作については第1実施例と同様であるのでその説明は省略する。
【0058】
次に、本発明の第3実施例であるタンデム型カラ−画像形成装置について説明する。第3実施例は、第1実施例とレジストレーションコントローラの構成が異なるのみであり、他の構成は同じであるのでその説明は省略する。図5に第3実施例のレジストレーションコントローラの構成を示す。なお、図5において図3に示した第1実施例の構成要素と同じ構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
【0059】
図5において、レジストレーションコントローラ12cには、図3に示した第1実施例においてスキュー量を記憶するスキュー量記憶手段26が設けられていない。即ち、第3実施例は、第1実施例や第2実施例のように次回のレジコンサイクルに備えて、スキューずれ量やスキュー補正量を記憶する構成を持たず、スキュー補正を行う場合にはパターンサンプリングを実行して得たスキュー補正量に基づいてスキュー補正を行うように構成されている。第3実施例では、第1の比較手段23に用いられる第1の所定量としては、レジコンシステムの許容範囲の限界に対応する値に設定する。一方、第2の比較手段24に用いられる第2の所定量としては、スキューずれ量がレジコンシステムの許容範囲の限界に近付いたことを示すずれ量に対応する値に設定する。
【0060】
第3実施例の動作においては、スキューずれ量が第1の所定量を越えるとそのレジコンサイクル内でスキュー補正が即実行される。一方、スキューずれ量が第1の所定量は越えないが、第2の所定量を越えると、フラグ記憶手段25にフラグに立てられ、次回のレジコンサイクルで先ずスキュー補正が実行されることになる。この結果、本実施例によれば、許容範囲を越えそうになった場合にスキュー補正を行うので、時間が掛かるスキュー補正を行う回数を少なく押さえつつスキューずれを許容範囲内に納めることができる。
【0061】
この第3実施例の動作を図8のフローチャートにより詳しく説明する。
図8において、先ずレジずれ補正が必要であるか否かが状態検出手段21により判定される(ステップS21)。必要であると判定されない限り(ステップS21:NO)、通常の動作が続けられる。必要であると判定されると(ステップS21:YES)、スキューについてのフラグ記憶手段25のフラグが0であるか否かが判定される(ステップS22)。フラグが0でないならば、即ちフラグが1であれば(ステップS22:NO)、スキュー補正サイクルが実行され(ステップS23)、続いてスキュー補正以外のレジコンサイクルが実行される(ステップS24)。ステップ22で、フラグが0であれば(ステップS22:YES)、そのままスキュー補正以外のレジコンサイクルが実行される(ステップS24)。
【0062】
次に、スキュー補正以外のレジコンサイクルにおいて検出されたスキューずれ量が第2の所定量よりも小さいか否かが判定される(ステップS25)。小さければ(ステップS25:YES)、ステップS21に戻る。小さくなければ(ステップS25:NO)、更に、スキュー補正以外のレジコンサイクルにおいて検出されたスキューずれ量が第1の所定量よりも小さいか否かが判定される(ステップS26)。小さければ(ステップS26:YES)、次回のレジコンサイクルの時にスキュー補正サイクルから行うようにフラグ記憶手段25のフラグに1を立て(ステップS27)、ステップS21に戻る。小さくなければ(ステップS26:NO)、前述のステップS23に進む。
【0063】
次に、本発明の第4実施例であるタンデム型カラ−画像形成装置について説明する。第4実施例は、第1実施例とレジストレーションコントローラの構成が異なるのみであり、他の構成は同じであるのでその説明は省略する。図6に第4実施例のレジストレーションコントローラの構成を示す。なお、図6において図3に示した第1実施例の構成要素と同じ構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
【0064】
図6において、レジストレーションコントローラ12dは、図3に示した第1実施例においてスキュー量を記憶するスキュー量記憶手段26、第2の比較手段24及びフラグ記憶手段25が無い。即ち、第4実施例は、第1から第3実施例のように次回のレジコンサイクルに備えて、スキューずれ量やスキュー補正量を記憶したり、スキュー補正実行を要求するフラグを立てたりする構成を持たず、スキュー補正を行う場合には常に先ずパターンサンプリングを実行して得たスキュー補正量に基づいてスキュー補正を行うように構成されている。第4実施例では、第1の比較手段23の比較結果により、選択的にスキュー補正を即実行する。第1のしきい値としては、スキュー補正が直ぐにも必要な程に大きなスキューずれ量に対応する値を設定しておく。
【0065】
第4実施例の動作においては、検出されたスキューずれ量が第1のしきい値よりも小さい場合には、スキュー補正が不要であるとして、スキュー補正が実行されること無く、直接スキュー以外の色ずれ補正が実行される。この結果、このレジコンサイクルにおいては、1回分の色ずれ量を検出する時間が必要となるだけで済む。また、スキューずれ量が第1のしきい値よりも小さくない場合には、スキュー補正が必要であるとして、検出されたスキューずれ量に基づいてスキューずれ補正が即実行される。
【0066】
この結果、本実施例によれば、一つのレジコンサイクル中に色ずれ量を2回検出する時間が必要となる事態は必要最低限に押さえられる結果となる。
【0067】
第1実施例の効果を説明するために、図9及び図10に第1実施及び比較例の時間に対する各動作と各状態を図式的に夫々示す。
【0068】
図9に示すように、第1実施例によれば、時刻T1で許容範囲内のスキューずれが発生しても、その後に2回レジコンを行うと、1回目のレジコンによりフラグが立てられ、2回目のレジコンでスキュー補正が行われるため、時刻T2にはスキューずれを無くすことができる。
【0069】
これに対し、図10に示すように、通常の動作ではスキューずれ補正を行わない比較例によれば、時刻T1で許容範囲内のスキューずれが発生し、その後にサービスマンによるメインテナンスが行われない限り、このスキューずれは存在し続けてしまう。
【0070】
更に第3実施例の効果を説明するために、図11に第3実施の時間に対する各動作と各状態を図式的に夫々示す。
【0071】
図11に示すように、第3実施例によれば、時刻T3で許容範囲以上の大きなスキューずれが発生しても、その後のレジコンサイクルの中で、スキュー補正も実行されるので、時刻T4にはスキューずれを無くすことができる。即ち、サービスマンによるメインテナンスが行われなくとも、このような大きなスキューずれを自動的に補正することができる。
【0072】
以上説明したカラー画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に用いることができる。また、以上の実施例においては、K、Y、M及びCの4色の場合について説明したが、この4色に限らず任意の複数色を重ねて多重画像を形成する装置についても本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるカラー画像形成装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施例で用いられるレジストレーションコントロールのための測定用パターンの一例を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例で用いられるレジストコントローラのブロック図である。
【図4】本発明の第2実施例で用いられるレジストコントローラのブロック図である。
【図5】本発明の第3実施例で用いられるレジストコントローラのブロック図である。
【図6】本発明の第4実施例で用いられるレジストコントローラのブロック図である。
【図7】本発明の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施例の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施例の動作を示すタイムチャートである。
【図10】比較例の動作を示すタイムチャートである。
【図11】本発明の第3実施例の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…カラー画像形成装置、2…IPS、3…ROS−I/F、4…ROS、
5…作像装置、6…転写ベルト、7…モータ、8…用紙吸着ローラ、
10…ベルトクリーナ、11…CCD、
12…レジストレーションコントローラ、13…スキュー補正装置、
21…状態検出手段、22…スキュー量検出手段、23…第1の比較手段、
24…第2の比較手段、25…フラグ記憶手段、26…スキュー量記憶手段、
27…スキュー補正量演算手段、28…スキュー補正量記憶手段、
24…第2の比較手段。

Claims (4)

  1. 異なる色の画像を重ねて形成する複数の画像形成手段と、
    該画像形成手段間のスキューずれ量及びスキュー以外の色ずれ量を検出する検出手段と、
    前記スキューずれ量が第1のしきい値よりも小さい場合には、前記スキュー以外の色ずれ量に基づいてスキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御し、前記スキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さくない場合には、前記スキューずれ量に基づいてスキューずれ補正を実行すると共に該スキューずれ補正を終えた後に再度前記検出手段により検出されたスキュー以外の色ずれ量に基づいて前記スキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御する制御手段と、
    前記検出手段により検出されたスキューずれ量を記憶するスキュー記憶手段と
    を備え、
    前記検出手段による検出、前記制御手段による制御及び前記スキュー記憶手段による記憶は、所定の色ずれ補正開始条件が成立した場合に、一回の動作サイクルの中で行われ、
    前記制御手段は、n(n:自然数)回目の動作サイクルの中で前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さく且つ前記第1のしきい値未満の第2のしきい値よりも大きい場合には、n+1回目の動作サイクルの中でスキューずれ以外の色ずれ補正のためのパターンサンプリングを実行する前に、前記スキュー記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたスキューずれ量に基づいて、前記スキューずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御することを特徴とする多重画像形成装置。
  2. 異なる色の画像を重ねて形成する複数の画像形成手段と、
    該画像形成手段間のスキューずれ量及びスキュー以外の色ずれ量を検出する検出手段と、
    前記スキューずれ量が第1のしきい値よりも小さい場合には、前記スキュー以外の色ずれ量に基づいてスキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御し、前記スキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さくない場合には、前記スキューずれ量に基づいてスキューずれ補正を実行すると共に該スキューずれ補正を終えた後に再度前記検出手段により検出されたスキュー以外の色ずれ量に基づいて前記スキュー以外の色ずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御する制御手段と、
    前記検出手段により検出されたスキューずれ量からスキュー補正量を演算する演算手段と、
    前記演算されたスキュー補正量を記憶するスキュー記憶手段と
    を備え、
    前記検出手段による検出、前記制御手段による制御、前記演算手段による演算及び前記スキュー記憶手段による記憶は、所定の色ずれ補正開始条件が成立した場合に、一回の動作サイクルの中で行われ、
    前記制御手段は、n(n:自然数)回目の動作サイクルの中で前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さく且つ前記第1のしきい値未満の第2のしきい値よりも大きい場合には、n+1回目の動作サイクルの中でスキューずれ以外の色ずれ補正のパターンサンプリングを実行する前に、前記スキュー記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたスキュー補正量に基づいて、前記スキューずれ補正を実行するように前記画像形成手段を制御することを特徴とする多重画像形成装置。
  3. 前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第2のしきい値よりも大きい場合にフラグ信号を記憶するフラグ記憶手段を更に備えており、前記制御手段は、前記n+1回目の動作サイクルにおいて、前記フラグ記憶手段に前記n回目の動作サイクル中に記憶されたフラグ信号に基づいて、前記n回目の動作サイクルの中で前記検出手段により検出されたスキューずれ量が前記第1のしきい値よりも小さく且つ前記第2のしきい値よりも大きい場合であるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2記載の多重画像形成装置。
  4. 前記スキュー記憶手段及び前記フラグ記憶手段は夫々不揮発性メモリ からなることを特徴とする請求項3記載の多重画像形成装置。
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