JP3581466B2 - 簡易型内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ライトガイドに照明光を供給するための照明光供給ユニットが操作部に取り付けられた簡易型内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操作部に照明用の発光体を設けたいわゆる簡易型の内視鏡装置においては、一般に、豆電球と電池等を内蔵した照明光供給ユニットが、内視鏡の操作部に突出して取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
内視鏡の操作部は操作者が片手で握るようになっているが、操作部から突出した照明光供給ユニットも握り易くなっている。そのため、操作者が照明光供給ユニットを握って、その取り付け部に大きな曲げモーメントが作用し、取り付け部が破損したり変形してしまう場合がある。操作部が机上に置かれている場合等でも、外力によって同様の破損事故が起きる場合がある。
【0004】
そこで本発明は、照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用しても、その取り付け部が破損しない簡易型内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の簡易型内視鏡装置は、被写体を照明する照明光を伝達するためのライトガイドの入射端部を操作部に配置すると共に、上記ライトガイドに照明光を供給するための照明光供給ユニットを上記操作部に突出して取り付けた簡易型内視鏡装置において、上記照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用したときにその曲げモーメントを弾力的に吸収する曲げモーメント吸収手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図面を参照して実施の形態を説明する。
図4は、内視鏡の操作部2部分の側面図、図5は背面図であり、操作部2の下端部には、可撓管によって外装された挿入部1の基端が連結されている。
【0007】
操作部2の下側約4分の3の部分は握り部2aであり、その握り部2aと挿入部1との間に、鉗子挿入口部4が斜め前方に向けて突出して設けられている。3は、気密に構成された内視鏡の内部の圧力を調整するための圧力調整弁である。
【0008】
操作部2の握り部2aより上方の操作機構部5には、挿入部1内に挿通された鉗子チャンネル(図示せず)を通して吸引操作を行うための吸引操作弁6と、挿入部1の先端部分に形成された湾曲部(図示せず)を遠隔的に屈曲操作するための湾曲操作レバー7とが前面と後面に配置され、接眼部8が上面に突設されている。
【0009】
被写体を照明する照明光を伝達するための照明用ライトガイドファイババンドル9は、入射端部が操作機構部5内に配置されていて、挿入部1内と操作部2の握り部2a内を通って、射出端部は挿入部1の先端に配置されている。
【0010】
そして、ライトガイドファイババンドル9に対して照明光を供給するための照明光供給ユニット30が、操作機構部5の側面部分に着脱自在に、操作部2から直角に突出して取り付けられている。
【0011】
図5に示されるように、照明光供給ユニット30には、ライトガイドファイババンドル9に供給するための照明光を放射する光源ランプ32と、その光源ランプ32を点灯させるための電源である電池100等が内蔵されている。電池100としては、乾電池または充電可能なニッケルカドミウム電池等どのような電池を用いてもよい。
【0012】
電池100は、照明光供給ユニット30の端部に着脱自在に取り付けられたキャップ部50を外すことにより交換自在であり、電池100に代えて、交流/直流アダプタを接続することもできる。
【0013】
図1は、操作部2と照明光供給ユニット30との接続部付近を示しており、操作部2の操作機構部5部分を外装する本体ケース11は、電気絶縁性のプラスチック製である。
【0014】
湾曲操作レバー7を支持する軸受筒12と吸引操作弁6は、本体ケース11に穿設された別々の孔に嵌挿されて、各部分で水密にシールされている。軸受筒12と吸引操作弁6の基部は、各々操作部2内の金属製フレーム13に固定されている。
【0015】
本体ケース11に大きく形成された側面開口には、電気絶縁性のプラスチックからなる蓋体15が嵌め込まれ、その嵌合面にはシール用のOリング16が装着されていて、隙間から操作部2の内部に水が侵入しないようになっている。なお、Oリング16は装着されることによって潰されるが、図には潰される前の自然状態の断面が示されている。
【0016】
蓋体15の中央部分に穿設された貫通孔の中心軸位置には、基部が操作部2内の金属フレーム13に固定された支持筒17が配置されている。そして、支持筒17にネジ止め連結されたライトガイド取付筒18が、外方に向けて支持筒17の突端から突出している。
【0017】
ライトガイド取付筒18の中心軸位置には、ライトガイドファイババンドル9の入射端部がネジ止め固定されており、ライトガイド取付筒18の突端部分には、ライトガイドファイババンドル9の入射端面に対向して凸メニスカスレンズ20が水密に接合されている。
【0018】
蓋体15に形成された貫通孔には、操作部2に着脱される照明光供給ユニット30を受ける(接続する)ための例えばステンレス鋼製のユニット受け口金27(27a及び27b)が、外方に向けて突出するように嵌め込まれており、支持筒17に螺合する金属製の締め環28によって、内方に押し付けられて固定されている。また、各部材間の嵌合部にはシール用のOリングが装着されている。
【0019】
ただし、ユニット受け口金27と締め環28との間には、ユニット受け口金27と締め環28が接触しないように、電気絶縁性のプラスチックからなる筒状の絶縁筒29が介装されており、それによって、ユニット受け口金27と締め環28との間が電気的に絶縁されている。
【0020】
なお、蓋体15の孔の内側に配置された各部材間の嵌合部には、シール用のOリングが装着されていて、操作部2は、全ての部分において外部から水が侵入しない水密構造に構成されている。挿入部1が同様に水密構造に形成されていることは勿論である。
【0021】
ユニット受け口金27は、図2にも示されるように、部品的には、操作部2内に位置する底部27aと、操作部2から外方に突出する筒部27bとに分離して形成されている。
【0022】
そして、底部27aと筒部27bは、弾力性のあるゴム材等によって形成されたドーナツ板状の弾力性部材51を間に挟み込んだ状態で、4本の固定ネジ52によって一体的に連結固定されている。
【0023】
照明光供給ユニット30は、全体として真っ直ぐな筒状に形成されていて、操作部2との接続部に近いランプ室部30aと、操作部2との接続部から離れた側の電池室部30bとに分かれており、図1にはランプ室部30aの全体が示されている。なお、光源ランプ32を点灯/消灯させるためのスイッチは電池室部30b側に設けられており、その詳細な説明は省略する。
【0024】
電池室部30bの外壁は、耐蝕性(耐薬品性)のよい例えばステンレス鋼や耐薬表面処理を施した金属又はプラスチック等からなる外側ケース31bによって形成されていて、その内側に、導電性のよい例えば銅又はリン青銅のような銅合金等からなる筒状の内側ケース31aが内接して配置されている。
【0025】
ランプ室部30aと電池室部30bとの境界部分において、光源ランプ32が着脱自在に差し込んで取り付けられたランプソケット33は、幾つかの部品を介して内側ケース31aに固定されている。その固定部分の構造については後述する。
【0026】
ランプ室部30aの外壁を構成する筒状のランプ室ケース35aは、強度のある例えばステンレス鋼によって形成されていて、外側ケース31bに連結固定されている。
【0027】
ランプ室ケース35aと外側ケース31bとの間の回転は、ランプ室ケース35aに突設された回転規制ピン37が外側ケース31bに形成された溝36に係合することによって規制されている。
【0028】
また、回転規制ピン37によってランプ室ケース35aに固定された固定環38が、ランプ室ケース35aの外周に嵌装されて外側ケース31bと螺合する押さえ環35bと外側ケース31bとの間に挟み付けられて、ランプ室ケース35aと外側ケース31bとの軸方向の固定が行われている。39は、ランプ室ケース35aと外側ケース31bとの接続部をシールするためのOリングである。
【0029】
ランプ室ケース35aの先端部分には、光源ランプ32から放射された照明光をライトガイドファイババンドル9の入射端面に向けて収束させるための反射鏡34が、光源ランプ32を囲むように接着固定されている。
【0030】
そして、その反射鏡34の前端面には、透明なカバーガラス49が押さえナット40によって固定されている。カバーガラス49の外周面にはシール剤が塗布されていて、外部からランプ室ケース35a内に水が侵入しないように封止されている。
【0031】
ランプ室ケース35aの先端外周面には、ユニット受け口金の筒部27bの内周面に形成された雌ネジと螺合する雄ネジが形成されており、その両ネジを結合させることにより照明光供給ユニット30が操作部2に連結された状態になる。
【0032】
すると、光源ランプ32から放射された照明光が、反射鏡34で反射されたあと、カバーガラス49及び凸メニスカスレンズ20を通過して、ライトガイドファイババンドル9の入射端面に収束、入射する。
【0033】
そして、ユニット受け口金27とランプ室ケース35aとのネジ結合を解くことにより、照明光供給ユニット30が操作部2から取り外される。41は、照明光供給ユニット30が操作部2に接続された状態のときに、ランプ室ケース35aとユニット受け口金の筒部27bとの嵌合部をシールするためのOリングである。
【0034】
光源ランプ32から後方に突出する2本の電極は、ソケット33内に挿入されてその後方の接続ピン42a,42bに電気的に接続されている。各接続ピン42a,42bの基端は、絶縁板44を間に挟んで配置された二つの電極板43a,43bに分かれて固定されている。
【0035】
その一方の電極板43aには電池100のプラス電極が常時接触しており、もう一方の電極板43bには、良導電性金属からなる押さえ筒46を介して、内側ケース31aが電気的に接続されている。
【0036】
そしてこれらの部材が、電気絶縁性の筒体45で囲まれて、内側ケース31aに螺合された押さえナット47によって、ソケット33と共にまとめて内側ケース31aに押圧固定されている。
【0037】
このように構成された簡易型内視鏡装置は、照明光供給ユニット30に曲げモーメントが作用すると、図3に示されるように、弾力性部材51が弾力的に変形してそこで曲げモーメントが吸収されながら照明光供給ユニット30が傾き、その曲げモーメントが除去されると、再び図1に示される元の状態に戻る。
【0038】
したがって、照明光供給ユニット30に曲げモーメントが作用しても、照明光供給ユニット30の取り付け部であるユニット受け口金27等が破損しない。なお、図3は、分かりやすくするために、弾力性部材51以外の部分の断面に斜線を付すことを省略してある。
【0039】
図6は、本発明の第2の実施の形態の操作部2と照明光供給ユニット30との接続部付近を示しており、図7にも示されるように、ユニット受け口金27を構成する底部27aと筒部27bを直接密着させて、先端が筒部27bにねじ込まれた4本の固定ネジ54の頭部とユニット受け口金27の底部27aとの間に、各々圧縮コイルスプリング55を装着したものである。
【0040】
このように構成された第2の実施の形態の簡易型内視鏡装置は、照明光供給ユニット30に曲げモーメントが作用すると、図8に示されるように、4つの圧縮コイルスプリング55が各々変形をしてそこで曲げモーメントが吸収されながら照明光供給ユニット30が傾き、その曲げモーメントが除去されると、再び図6に示される元の状態に戻る。
【0041】
したがって、照明光供給ユニット30に曲げモーメントが作用しても、照明光供給ユニット30の取り付け部であるユニット受け口金27等が破損しない。なお、図6及び図8は、分かりやすくするために、ユニット受け口金27以外の部分の断面に斜線を付すことを省略してある。
【0042】
図9及び図10は本発明の第3の実施の形態を示しており、照明光供給ユニット30にかかる曲げモーメントを吸収するための手段を照明光供給ユニット30側に設けたものである。なお図9及び図10も、分かりやすくするために、断面を示す斜線は一部を除いて省略してある。
【0043】
この実施の形態においては、図9に示されるように、ユニット受け口金27は操作部2に固定されており、照明光供給ユニット30側のランプ室ケース35aが、照明光供給ユニット30内に固定された基側ケース351とユニット受け口金27に差し込まれる先側ケース352とに分けて形成されている。
【0044】
そして、基端ケース351と先端ケース352との間に、例えばゴム材からなる弾力性部材51が挟み込まれており、両ケース351,352は、互いに分離しないように、第1の実施の形態と同様の4本の固定ネジ52によって連結されている。なお、反射鏡34は先端ケース352側に取り付けられている。
【0045】
したがって、照明光供給ユニット30に曲げモーメントが作用すると、図10に示されるように、弾力性部材51が弾力的に変形してそこで曲げモーメントが吸収されながら照明光供給ユニット30が傾き、曲げモーメントが除去されると、再び図9の元の状態に戻る。
【0046】
このように、本発明においては、曲げモーメント吸収手段は操作部2側又は照明光供給ユニット30側のどちらに設けてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用したときにその曲げモーメントを弾力的に吸収する曲げモーメント吸収手段を設けたので、照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用してもその取り付け部が破損しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡操作部と照明光供給ユニットとの接続部の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のユニット受け口金の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用した状態の内視鏡操作部と照明光供給ユニットとの接続部の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の簡易型内視鏡装置の側面図である。
【図5】本発明の実施の形態の簡易型内視鏡装置の背面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の内視鏡操作部と照明光供給ユニットとの接続部の断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のユニット受け口金の斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用した状態の内視鏡操作部と照明光供給ユニットとの接続部の断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の内視鏡操作部と照明光供給ユニットとの接続部の断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態の照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用した状態の内視鏡操作部と照明光供給ユニットとの接続部の断面図である。
【符号の説明】
2 操作部
9 ライトガイドファイババンドル
27(27a,27b) ユニット受け口金
30 照明光供給ユニット
51 弾力性部材
52 固定ネジ
54 固定ネジ
55 圧縮コイルスプリング
Claims (1)
- 被写体を照明する照明光を伝達するためのライトガイドの入射端部が操作部に配置されると共に、上記ライトガイドに照明光を供給するための照明光供給ユニットが着脱自在に接続されるユニット受け口金が、上記操作部に突出する状態に取り付けられた簡易型内視鏡装置において、
上記ユニット受け口金を、上記操作部内に固定された底部と上記操作部から外方に突出して上記照明光供給ユニットが接続される筒部とに分離して形成すると共に、上記底部と上記筒部とを、弾力性のある材料により上記底部と上記筒部との対向面の間の全面にわたって挟み込まれるドーナツ板状に形成された弾力性部材を挟み込んだ状態に連結し、上記照明光供給ユニットに曲げモーメントが作用すると、上記ユニット受け口金の底部と筒部との間で上記弾力性部材が変形して上記曲げモーメントが弾力的に吸収されるようにしたことを特徴とする簡易型内視鏡装置。
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