JP3581171B2 - 射出成形機の射出ユニット装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、射出成形機に関し、特に、射出成形機の射出ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機の射出ユニットは、ベース上を前後方向へ移動可能とされたエキストルーダベースと、このベース上にピボットピンを中心として旋回可能に載置された射出ユニット本体とから構成されている。
射出ユニット本体は前部にシリンダアッセンブリを突出させ、通常はアッセンブリ先端のノズルが型締ユニット側に取り付けた金型のスプルーブッシュと対向している。
そして、成形する樹脂の特性(溶解温度、流動性など)に応じてシリンダアッセンブリを交換するときや、計量スクリュなどシリンダ内部を点検するときなどには,シリンダアッセンブリを射出ユニット本体から取り出す必要がある。
【0003】
このとき、ノズルタッチ解除動作によってエキストルーダベースと共に射出ユニット本体を型締ユニットから後退させ、次いで、射出ユニット本体をエキストルーダベース上で前記ピボットピンを中心に、シリンダアッセンブリを水平旋回(スウィベル)させる。
【0004】
図6は、射出成形機100の射出ユニット101の部分を示し、射出ユニット101は、射出成形機100の機枠103上に型締ユニット102と対向して位置している。射出ユニット101は、射出ユニット本体104とエキストルーダベース106とからなる。エキストルーダベース106は、機枠103に固定したレール107上にローラ108を介して載置されると共に、前部はノズルタッチ装置109に連結されており、この装置109で若干の距離を前後に移動してノズルタッチ状態あるいはノズル解除状態とできるようにしている。
射出ユニット本体104は、計量スクリュの回転駆動機構、同押し出し機構(図示していない)を備えるとともに前部にシリンダアッセンブリ112を交換可能に備えている。
このシリンダアッセンブリ112を交換可能とする機構は、図7に示すように、射出ユニット本体104をエキストルーダベース106の前部と後部に載置され、これらの部分を摺動部110,111として後部のピボットピン105を中心に、水平に旋回可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
射出成形機において射出ユニットが旋回できない構成では、スクリュやシリンダの交換が極めて困難である。そのため、従来の射出成形機の射出ユニット装置では、射出ユニットを前後に移動可能とするとともに旋回可能として、スクリュやシリンダの交換を可能としている。しかしながら、この射出ユニットの前後方向への移動及び旋回を可能とするために、従来の射出成形機の射出ユニットでは、射出ユニット自体を上下に分割した構造とする必要があり、射出ユニットの構造が複雑となるという問題点がある。
また、この射出ユニットを上下に分割する構造は、スクリュ,シリンダ交換を可能とするものの、そのために構造が複雑となり射出ユニットを形成する手間やコストを上昇させる要因となり、また、前後方向と旋回方向の二つの移動操作を必要とするため、操作が複雑化することにもなる。
そこで、本発明は前記した従来の射出成形機の射出ユニット装置の問題点を解決し、射出ユニットの旋回(スウィベル)を要することなくスクリュやシリンダの交換を行うことができる射出成形機の射出ユニット装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、射出成形機の射出ユニット装置において、上部に切り欠き部を備えたフロントプレートと、シリンダアッセンブリを移動可能に支持するシリンダアッセンブリ案内部とを備え、そのシリンダアッセンブリ案内部は、シリンダアッセンブリを射出軸線上と射出軸線外の二つの保持位置に保持可能であるとともに、二つの保持位置の間のシリンダアッセンブリの移動をフロントプレートの切り欠き部を通過するよう案内することにより、前記目的を達成する。
フロントプレートはシリンダアッセンブリを射出軸線上に保持するプレートであり、本発明の射出ユニット装置においては、このフロントプレートの上部にシリンダアッセンブリが通過することができる切り欠き部を備えるものである。
【0007】
また、シリンダアッセンブリ案内部はシリンダアッセンブリを移動可能に支持し、射出軸線上と射出軸線外の二つの保持位置において保持するものである。このシリンダアッセンブリ案内部の一実施態様としては、射出軸線と平行な旋回軸によりシリンダアッセンブリを旋回するアームにより構成することができ、旋回軸を中心とするシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過する。そして、この旋回軸をフロントプレート側に設置して、シリンダアッセンブリ案内部をフロントプレートに支持する構成とすることができる。
また、シリンダアッセンブリ案内部の他の実施態様としては、シリンダアッセンブリを射出軸線外に移動する軌道部材を備え、この軌道部材に沿ってシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過する。そして、この軌道部材はフロントプレート側に設置して、シリンダアッセンブリ案内部をフロントプレートに支持する構成とすることができる。
また、他の軌道部材の態様として、フロントプレート側とフロントプレートと平行に設置した支持プレート側の両側に、シリンダアッセンブリ案内部を挟むように設置して、シリンダアッセンブリ案内部を両持ちにより支持する構成とすることもできる。
【0008】
【作用】
本発明によれば、前記した構成の射出成形機の射出ユニット装置において、射出成形時には、シリンダアッセンブリ案内部によってシリンダアッセンブリをフロントプレートに対して射出軸線上に保持する。一方、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換時には、シリンダアッセンブリを射出軸線外に保持して、シリンダやスクリュの取外し及び取付けが容易な位置とする。また、シリンダアッセンブリの射出軸線上と射出軸線外の二つの保持位置間の移動においては、シリンダアッセンブリをフロントプレートの切り欠き部を通過させることにより、射出ユニットの射出軸線方向への移動やピボットピンを中心とする射出ユニット全体の旋回を行う必要がない。
シリンダアッセンブリ案内部を、射出軸線と平行な旋回軸によりシリンダアッセンブリを旋回するアームにより構成する場合には、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換時には、スクリュをプッシャプレートからはずし、旋回軸を中心としてシリンダアッセンブリ案内部を旋回させる。このシリンダアッセンブリ案内部の旋回により、シリンダアッセンブリも旋回軸を中心として旋回する。この旋回によるシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過して、シリンダアッセンブリを射出軸線外の保持位置に移動する。この射出軸線外の保持位置において、シリンダやスクリュの取外しや取付けの作業を行う。これにより、射出ユニット全体の移動や旋回を行うことなく、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換を行うことができる。
【0009】
また、シリンダアッセンブリ案内部を、シリンダアッセンブリを射出軸線外に移動する軌道部材により構成する場合には、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換時には、スクリュをプッシャプレートからはずし、軌道部材に沿ってシリンダアッセンブリ案内部を移動させる。このシリンダアッセンブリ案内部の移動により、シリンダアッセンブリも軌道部材に沿って移動する。この移動によるシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過して、シリンダアッセンブリを射出軸線外の保持位置に移動する。この射出軸線外の保持位置において、シリンダやスクリュの取外しや取付けの作業を行う。これにより、射出ユニット全体の移動や旋回を行うことなく、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換を行うことができる。
また、フロントプレート側とフロントプレートと平行に設置した支持プレート側の両側に、シリンダアッセンブリ案内部を挟むように設置して軌道部材を構成する場合には、シリンダアッセンブリ案内部は両持ちにより支持され、シリンダアッセンブリの移動、及び保持がより確実となる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳細に説明する。
〔実施例1〕
本発明の実施例1について、図1の本発明の実施例1を説明する斜視図、図2の本発明の実施例1を説明する断面図、図3,図4の本発明の実施例1の動作を説明する斜視図、図5の本発明の実施例1の動作を説明する正面図を用いて説明する。
【0011】
(実施例1の構成)
はじめに、本発明の実施例1の構成について、図1,図2を用いて説明する。図1において、射出ユニット1はフロントプレート2とプッシャープレート3を機台4に固定しており、両プレート2,3の間にはタイバー7,8が設けられている。
シリンダアッセンブリ6は、フランジ9をボルト10−1によって取り付けることによりシリンダ固定部14に対してフロントプレート2の前面に固定され、さらに、シリンダアッセンブリ案内部16によって、フロントプレート2に旋回可能に支持している。
シリンダ固定部14はボルト10−2によってフロントプレート2に固定することができ、シリンダアッセンブリ6の交換時にはこのボルト10−2をはずし、シリンダアッセンブリ6の旋回を可能とする。このシリンダ固定部14はフロントプレート2に対して軸17によって軸支されるシリンダアッセンブリ案内部16によって旋回可能に支持されている。図1においては、該シリンダアッセンブリ案内部16はアームにより構成されている。
【0012】
また、シリンダアッセンブリ案内部16にはその一部に凹部18(図では18−1のみ示されている)が形成され、フロントプレート2側には該凹部18−1と係合可能となる位置にストッパ19(図では19−1のみ示されている)が突出して形成されている。シリンダアッセンブリ6が射出軸線aに沿った位置にあるときには、シリンダアッセンブリ案内部16は図1の位置に旋回して停止しており、ボルト10−2によってフロントプレート2に固定されている。このとき、図1に示されていないストッパ19−2と凹部18−2との係合により、シリンダアッセンブリ6の射出軸線aに沿った位置決めが行われ、第一の保持位置に保持される。
一方、シリンダアッセンブリ案内部16が軸17を中心に旋回すると、シリンダアッセンブリ6の軸は射出軸線aからはずれ、シリンダアッセンブリ6はシリンダやスクリュの取付け取外しが容易な位置に移動して、図1に示されるストッパ19−1と凹部18−1とが係合することにより第二の保持位置に保持される。なお、ストッパと凹部とによる保持機構は、前記した構成に限定されるものではなく、他の任意の構成とすることもできる。
【0013】
フロントプレート2の上部には切り欠き部15が形成されており、射出軸線aに沿ったシリンダアッセンブリ6の位置決めが行われる第一の保持位置では、シリンダアッセンブリ6はこの切り欠き部15内に位置することになる。また、シリンダアッセンブリ6の旋回して第一の保持位置から第二の保持位置に移動する場合には、シリンダアッセンブリ6はフロントプレート2の切り欠き部15を通過する。
また、シリンダアッセンブリ6の内部には、スクリュ11が回転と前後移動可能に配置されている。シリンダアッセンブリ6は、シリンダ固定部14によってその軸線が射出ユニット1の射出軸線aと平行となるように配置され、シリンダ固定部14がフロントプレート2に対してボルト10−2によって固定されるときには、シリンダアッセンブリ6の軸線は射出軸線aと一致する。
スクリュ11の後部は雄型スプライン部12に構成され、また、該雄型スプライン部12の若干前方には環状溝13が形成されている。
プッシャープレート3の中央部に設けられた孔にフランジ21を備えた軸受ハウジング22が後方から嵌合されてボルト23により固定され、スクリュスリーブ20がスラストベアリング24、アンギュラベアリング25、ラジアルベアリング26を介して、軸線を射出軸線aに沿わせて回転のみ自在に軸支されている。
【0014】
スクリュスリーブ20は前部に前方に開口した雌型のスプライン孔27を有するとともに後部に計量用プーリ28が固定されている。
スクリュス11とスクリュスリーブ20の取付けは、スクリュ11の雄型スプライン部12をスクリュスリーブ20の雌型のスプライン孔27に嵌合し、半割りとした軸リテーナ21をスクリュ11の両側から該スクリュ11の環状溝13に嵌込んでボルトで固定することにより行われる。
また、プッシャープレート3の上部に計量用モータ29(サーボモータ)が取り付けられ、タイミングベルト30等の連動機構を介してスクリュスリーブ20に連結されている。
なお、前記実施例1では、シリンダアッセンブリ案内部40の旋回を軸支する軸をフロントプレートに設置しているが、フロントプレートの代わりに射出ユニットのその他の構造体に設けることもできる。
【0015】
(実施例1の作用)
次に、前記実施例1の構成において、図1,図2,図4,及び図5を用いてシリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換動作について説明する。なお、図5は、シリンダアッセンブリ、シリンダアッセンブリ案内部、及びフロントプレートを金型の方向から見た正面図であり、図5の(a)はシリンダアッセンブリの射出軸線a上にある場合を示し、図5の(b)はシリンダアッセンブリ及びシリンダアッセンブリ案内部が旋回中の場合を示し、図5の(c)はシリンダアッセンブリの交換時の場合を示している。
図1は射出形成時等における状態を示していて、シリンダアッセンブリ6は射出軸線aに沿った位置にある。このシリンダアッセンブリの状態において、シリンダやスクリュの交換を行うには、はじめにボルトをはずして軸リテーナ21をスクリュ11の環状溝13を取外し、スクリュ11の雄型スプライン部12をスクリュスリーブ20の雌型のスプライン孔27から抜き取り、スクリュ11をプンシャープレート3側から引き出す。次に、シリンダ固定部14のボルト10−2をはずして、シリンダ固定部14とフロントプレート2との接合を解除する。この状態で、シリンダアッセンブリ6及びシリンダ固定部14はシリンダアッセンブリ案内部16の軸17を中心として旋回可能となる。
図5の(a)はこの状態を金型の方向から見た図であり、ボルト10−2をはずした状態では、シリンダアッセンブリ案内部16はストッパ19−2が凹部18−2内に係合されて保持されている。
【0016】
次に、シリンダアッセンブリ6あるいはシリンダアッセンブリ案内部16を手動あるいは任意の移動機構によって軸17を中心として矢印の方向に旋回させる。図5の(b)はシリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部16の旋回中の状態を示している。シリンダアッセンブリ6は、この旋回中においてフロントプレート2の切り欠き部15を通過する。
シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部16がさらに旋回すると、ストッパ19−1が凹部18−1と係合して旋回が停止される。図3及び図5の(c)はこの状態を示している。この状態により、シリンダアッセンブリ6は射出軸線aに沿った位置からはずれて、シリンダやスクリュの取外し取付けが容易な位置となる。
図3の位置において、次にボルト10−1をはずしてフランジ9を取り去り、シリンダアッセンブリ案内部16からシリンダあるいはスクリュを抜き取ると、図4に示す状態となる。この状態において、交換すべきシリンダあるいはスクリュを取付け、再びボルト10−1おフランジ9によってシリンダアッセンブリ案内部16に取り付ける。
その後、前記動作と逆の動作を行い、シリンダアッセンブリ案内部16を逆方向にストッパ19−1が凹部18−1内に係合されるまで旋回させ、ボルト10−1によってシリンダアッセンブリ案内部16をフロントプレート2に固定する。
【0017】
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について、図8の本発明の実施例2を説明する斜視図、図9の本発明の実施例2の動作を説明する斜視図、図10の本発明の実施例2の動作を説明する正面図を用いて説明する。
(実施例2の構成)
本発明の実施例2の構成は、前記実施例1の構成とほぼ同様であり、シリンダアッセンブリ案内部の構成のみ相違している。そこで、以下ではシリンダアッセンブリ案内部の構成のみ説明し、その他の構成については説明を省略する。
前記実施例1におけるシリンダアッセンブリ案内部16の構成は、フロントプレート2に対して旋回するための軸17とシリンダアッセンブリ案内部16を二つの保持位置で保持するためのストッパ及び凹部とによって構成されているのに対して、実施例2は、シリンダアッセンブリ案内部40を軌道部材によりフロントプレート2の面に沿って移動させるものである。
【0018】
この軌道部材は、シリンダアッセンブリ案内部の移動をガイドするレール部材であり、例えば、図8に示すようにシリンダアッセンブリ案内部40とフロントプレート2側に形成された溝43によって構成することができる。
図10において、シリンダアッセンブリ案内部40側には係合部となるフロントプレート2側に突出した案内部材41,42が形成され、フロントプレート2側には、案内部材41,42を摺動してその軌道を案内する溝43,44が形成されている。
溝43,44は、フロントプレート2のシリンダアッセンブリ案内部40側の面に湾曲して形成されいる。この湾曲が、案内部材14の軌道を案内するものであり、その両端はシリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40を安定した位置に保持するために、フロントプレート2において下方に延びた部分を有している。
【0019】
図10では、溝43,44の二本の溝を設けることにより安定した案内を行うことができる。
なお、前記実施例2では、シリンダアッセンブリ案内部40の案内部材41,42と摺動して案内する溝43,44をフロントプレート2に形成しているが、溝に代えたレール部材とすることも、また、溝あるいはレール部材をフロントプレート以外の射出ユニットに設けた構造体に形成することもできる。
また、シリンダアッセンブリ案内部を案内する軌道部材を、シリンダアッセンブリ案内部の両側に設置して、シリンダアッセンブリ案内部の両側から支持する両持ち機構とすることもできる。
【0020】
(実施例2の作用)
次に、前記実施例2の構成において、図9,及び図10を用いてシリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換動作について説明する。なお、図10は、シリンダアッセンブリ、シリンダアッセンブリ案内部、及びフロントプレートを金型の方向から見た正面図であり、図10の(a)はシリンダアッセンブリの射出軸線a上にある場合を示し、図10の(b)はシリンダアッセンブリ及びシリンダアッセンブリ案内部が旋回中である場合を示し、図10の(c)はシリンダアッセンブリの交換時の場合を示している。なお、図9,及び図10では、シリンダアッセンブリ案内部をフロントプレートに取り付ける部分の構成及びボルトについては省略している。
実施例2の作用は、前記実施例1の作用とほぼ同様であり、シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40の移動の点で相違している。そこで、以下では、シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40の移動についてのみ説明し、その他の動作については説明を省略する。
【0021】
シリンダアッセンブリ案内部40をフロントプレート2に取り付けているボルトをはずすと、シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40は案内部材41,42が溝43,44の一方の端部に到達し、その端部位置において保持される。図10の(a)はこの状態を金型の方向から見た図であり、ボルト10−2をはずした状態において、シリンダアッセンブリ案内部40は案内部材41,42と溝43,44により保持されている。
次に、シリンダアッセンブリ6あるいはシリンダアッセンブリ案内部40を手動あるいは任意の移動機構によって矢印の方向に移動させると、案内部材41,42は溝43,44内を摺動してその軌道に沿ってシリンダアッセンブリ6の移動の案内を行う。図10の(b)はシリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40の旋回中の状態を示している。シリンダアッセンブリ6は、この旋回中においてフロントプレート2の切り欠き部15を通過する。
【0022】
シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40がさらに旋回すると、案内部材41,42は溝43,44内の他方の端部に到達して、その端部位置において移動が終了して保持される。図9及び図5の(c)はこの状態を示している。この状態によって、シリンダアッセンブリ6は射出軸線aに沿った位置からはずれて、シリンダやスクリュの取外し取付けが容易な位置となる。
図9の位置において、次にボルト10−1をはずしてフランジ9を取り去り、シリンダアッセンブリ案内部40からシリンダあるいはスクリュを抜き取ると、前記実施例1の図4に示す状態とほぼ同様となる。この状態において、交換すべきシリンダあるいはスクリュを取付け、再びボルト10−1おフランジ9によってシリンダアッセンブリ案内部40に取り付ける。
その後、前記動作と逆の動作を行い、シリンダアッセンブリ案内部40を逆方向に案内部材41,42が溝43,44の端部に到達するまで移動し、ボルト10−1によってシリンダアッセンブリ案内部40をフロントプレート2に固定する。
【0023】
(実施例の効果)
本発明の実施例によれば、射出ユニット全体を旋回することなくスクリュやシリンダの交換を行うことができるため、射出ユニットをエクストルーダベースと一体に構成することができ、射出成形機の射出ユニット装置の構造を簡略化し、構成に要する部品数や時間,費用を軽減することができる。
また、従来の射出ユニットの旋回においては、射出ユニット全体を持ち上げる等の過大な作業を要するのに対して、本発明の実施例では、シリンダアッセンブリのみの移動となり、作業の軽減化を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、射出ユニットの旋回(スウィベル)を要することなくスクリュやシリンダの交換を行うことができる射出成形機の射出ユニット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を説明する断面図である。
【図3】本発明の実施例1の動作を説明する斜視図である。
【図4】本発明の実施例1の動作を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施例1の動作を説明する正面図である。
【図6】従来の射出成形機の概略図である。
【図7】従来の射出成形機の射出ユニットの旋回を説明する概略図である。
【図8】本発明の実施例2を説明する斜視図である。
【図9】本発明の実施例2の動作を説明する斜視図である。
【図10】本発明の実施例2の動作を説明する正面図である。
【符号の説明】
1 射出ユニット
2 フロントプレート
3 プッシャープレート
6 シリンダアッセンブリ
14 シリンダ固定部
15 切り欠き部
16,40 シリンダアッセンブリ案内部
19 ストッパ
43,44 溝
【産業上の利用分野】
本発明は、射出成形機に関し、特に、射出成形機の射出ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機の射出ユニットは、ベース上を前後方向へ移動可能とされたエキストルーダベースと、このベース上にピボットピンを中心として旋回可能に載置された射出ユニット本体とから構成されている。
射出ユニット本体は前部にシリンダアッセンブリを突出させ、通常はアッセンブリ先端のノズルが型締ユニット側に取り付けた金型のスプルーブッシュと対向している。
そして、成形する樹脂の特性(溶解温度、流動性など)に応じてシリンダアッセンブリを交換するときや、計量スクリュなどシリンダ内部を点検するときなどには,シリンダアッセンブリを射出ユニット本体から取り出す必要がある。
【0003】
このとき、ノズルタッチ解除動作によってエキストルーダベースと共に射出ユニット本体を型締ユニットから後退させ、次いで、射出ユニット本体をエキストルーダベース上で前記ピボットピンを中心に、シリンダアッセンブリを水平旋回(スウィベル)させる。
【0004】
図6は、射出成形機100の射出ユニット101の部分を示し、射出ユニット101は、射出成形機100の機枠103上に型締ユニット102と対向して位置している。射出ユニット101は、射出ユニット本体104とエキストルーダベース106とからなる。エキストルーダベース106は、機枠103に固定したレール107上にローラ108を介して載置されると共に、前部はノズルタッチ装置109に連結されており、この装置109で若干の距離を前後に移動してノズルタッチ状態あるいはノズル解除状態とできるようにしている。
射出ユニット本体104は、計量スクリュの回転駆動機構、同押し出し機構(図示していない)を備えるとともに前部にシリンダアッセンブリ112を交換可能に備えている。
このシリンダアッセンブリ112を交換可能とする機構は、図7に示すように、射出ユニット本体104をエキストルーダベース106の前部と後部に載置され、これらの部分を摺動部110,111として後部のピボットピン105を中心に、水平に旋回可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
射出成形機において射出ユニットが旋回できない構成では、スクリュやシリンダの交換が極めて困難である。そのため、従来の射出成形機の射出ユニット装置では、射出ユニットを前後に移動可能とするとともに旋回可能として、スクリュやシリンダの交換を可能としている。しかしながら、この射出ユニットの前後方向への移動及び旋回を可能とするために、従来の射出成形機の射出ユニットでは、射出ユニット自体を上下に分割した構造とする必要があり、射出ユニットの構造が複雑となるという問題点がある。
また、この射出ユニットを上下に分割する構造は、スクリュ,シリンダ交換を可能とするものの、そのために構造が複雑となり射出ユニットを形成する手間やコストを上昇させる要因となり、また、前後方向と旋回方向の二つの移動操作を必要とするため、操作が複雑化することにもなる。
そこで、本発明は前記した従来の射出成形機の射出ユニット装置の問題点を解決し、射出ユニットの旋回(スウィベル)を要することなくスクリュやシリンダの交換を行うことができる射出成形機の射出ユニット装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、射出成形機の射出ユニット装置において、上部に切り欠き部を備えたフロントプレートと、シリンダアッセンブリを移動可能に支持するシリンダアッセンブリ案内部とを備え、そのシリンダアッセンブリ案内部は、シリンダアッセンブリを射出軸線上と射出軸線外の二つの保持位置に保持可能であるとともに、二つの保持位置の間のシリンダアッセンブリの移動をフロントプレートの切り欠き部を通過するよう案内することにより、前記目的を達成する。
フロントプレートはシリンダアッセンブリを射出軸線上に保持するプレートであり、本発明の射出ユニット装置においては、このフロントプレートの上部にシリンダアッセンブリが通過することができる切り欠き部を備えるものである。
【0007】
また、シリンダアッセンブリ案内部はシリンダアッセンブリを移動可能に支持し、射出軸線上と射出軸線外の二つの保持位置において保持するものである。このシリンダアッセンブリ案内部の一実施態様としては、射出軸線と平行な旋回軸によりシリンダアッセンブリを旋回するアームにより構成することができ、旋回軸を中心とするシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過する。そして、この旋回軸をフロントプレート側に設置して、シリンダアッセンブリ案内部をフロントプレートに支持する構成とすることができる。
また、シリンダアッセンブリ案内部の他の実施態様としては、シリンダアッセンブリを射出軸線外に移動する軌道部材を備え、この軌道部材に沿ってシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過する。そして、この軌道部材はフロントプレート側に設置して、シリンダアッセンブリ案内部をフロントプレートに支持する構成とすることができる。
また、他の軌道部材の態様として、フロントプレート側とフロントプレートと平行に設置した支持プレート側の両側に、シリンダアッセンブリ案内部を挟むように設置して、シリンダアッセンブリ案内部を両持ちにより支持する構成とすることもできる。
【0008】
【作用】
本発明によれば、前記した構成の射出成形機の射出ユニット装置において、射出成形時には、シリンダアッセンブリ案内部によってシリンダアッセンブリをフロントプレートに対して射出軸線上に保持する。一方、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換時には、シリンダアッセンブリを射出軸線外に保持して、シリンダやスクリュの取外し及び取付けが容易な位置とする。また、シリンダアッセンブリの射出軸線上と射出軸線外の二つの保持位置間の移動においては、シリンダアッセンブリをフロントプレートの切り欠き部を通過させることにより、射出ユニットの射出軸線方向への移動やピボットピンを中心とする射出ユニット全体の旋回を行う必要がない。
シリンダアッセンブリ案内部を、射出軸線と平行な旋回軸によりシリンダアッセンブリを旋回するアームにより構成する場合には、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換時には、スクリュをプッシャプレートからはずし、旋回軸を中心としてシリンダアッセンブリ案内部を旋回させる。このシリンダアッセンブリ案内部の旋回により、シリンダアッセンブリも旋回軸を中心として旋回する。この旋回によるシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過して、シリンダアッセンブリを射出軸線外の保持位置に移動する。この射出軸線外の保持位置において、シリンダやスクリュの取外しや取付けの作業を行う。これにより、射出ユニット全体の移動や旋回を行うことなく、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換を行うことができる。
【0009】
また、シリンダアッセンブリ案内部を、シリンダアッセンブリを射出軸線外に移動する軌道部材により構成する場合には、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換時には、スクリュをプッシャプレートからはずし、軌道部材に沿ってシリンダアッセンブリ案内部を移動させる。このシリンダアッセンブリ案内部の移動により、シリンダアッセンブリも軌道部材に沿って移動する。この移動によるシリンダアッセンブリの軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過して、シリンダアッセンブリを射出軸線外の保持位置に移動する。この射出軸線外の保持位置において、シリンダやスクリュの取外しや取付けの作業を行う。これにより、射出ユニット全体の移動や旋回を行うことなく、シリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換を行うことができる。
また、フロントプレート側とフロントプレートと平行に設置した支持プレート側の両側に、シリンダアッセンブリ案内部を挟むように設置して軌道部材を構成する場合には、シリンダアッセンブリ案内部は両持ちにより支持され、シリンダアッセンブリの移動、及び保持がより確実となる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳細に説明する。
〔実施例1〕
本発明の実施例1について、図1の本発明の実施例1を説明する斜視図、図2の本発明の実施例1を説明する断面図、図3,図4の本発明の実施例1の動作を説明する斜視図、図5の本発明の実施例1の動作を説明する正面図を用いて説明する。
【0011】
(実施例1の構成)
はじめに、本発明の実施例1の構成について、図1,図2を用いて説明する。図1において、射出ユニット1はフロントプレート2とプッシャープレート3を機台4に固定しており、両プレート2,3の間にはタイバー7,8が設けられている。
シリンダアッセンブリ6は、フランジ9をボルト10−1によって取り付けることによりシリンダ固定部14に対してフロントプレート2の前面に固定され、さらに、シリンダアッセンブリ案内部16によって、フロントプレート2に旋回可能に支持している。
シリンダ固定部14はボルト10−2によってフロントプレート2に固定することができ、シリンダアッセンブリ6の交換時にはこのボルト10−2をはずし、シリンダアッセンブリ6の旋回を可能とする。このシリンダ固定部14はフロントプレート2に対して軸17によって軸支されるシリンダアッセンブリ案内部16によって旋回可能に支持されている。図1においては、該シリンダアッセンブリ案内部16はアームにより構成されている。
【0012】
また、シリンダアッセンブリ案内部16にはその一部に凹部18(図では18−1のみ示されている)が形成され、フロントプレート2側には該凹部18−1と係合可能となる位置にストッパ19(図では19−1のみ示されている)が突出して形成されている。シリンダアッセンブリ6が射出軸線aに沿った位置にあるときには、シリンダアッセンブリ案内部16は図1の位置に旋回して停止しており、ボルト10−2によってフロントプレート2に固定されている。このとき、図1に示されていないストッパ19−2と凹部18−2との係合により、シリンダアッセンブリ6の射出軸線aに沿った位置決めが行われ、第一の保持位置に保持される。
一方、シリンダアッセンブリ案内部16が軸17を中心に旋回すると、シリンダアッセンブリ6の軸は射出軸線aからはずれ、シリンダアッセンブリ6はシリンダやスクリュの取付け取外しが容易な位置に移動して、図1に示されるストッパ19−1と凹部18−1とが係合することにより第二の保持位置に保持される。なお、ストッパと凹部とによる保持機構は、前記した構成に限定されるものではなく、他の任意の構成とすることもできる。
【0013】
フロントプレート2の上部には切り欠き部15が形成されており、射出軸線aに沿ったシリンダアッセンブリ6の位置決めが行われる第一の保持位置では、シリンダアッセンブリ6はこの切り欠き部15内に位置することになる。また、シリンダアッセンブリ6の旋回して第一の保持位置から第二の保持位置に移動する場合には、シリンダアッセンブリ6はフロントプレート2の切り欠き部15を通過する。
また、シリンダアッセンブリ6の内部には、スクリュ11が回転と前後移動可能に配置されている。シリンダアッセンブリ6は、シリンダ固定部14によってその軸線が射出ユニット1の射出軸線aと平行となるように配置され、シリンダ固定部14がフロントプレート2に対してボルト10−2によって固定されるときには、シリンダアッセンブリ6の軸線は射出軸線aと一致する。
スクリュ11の後部は雄型スプライン部12に構成され、また、該雄型スプライン部12の若干前方には環状溝13が形成されている。
プッシャープレート3の中央部に設けられた孔にフランジ21を備えた軸受ハウジング22が後方から嵌合されてボルト23により固定され、スクリュスリーブ20がスラストベアリング24、アンギュラベアリング25、ラジアルベアリング26を介して、軸線を射出軸線aに沿わせて回転のみ自在に軸支されている。
【0014】
スクリュスリーブ20は前部に前方に開口した雌型のスプライン孔27を有するとともに後部に計量用プーリ28が固定されている。
スクリュス11とスクリュスリーブ20の取付けは、スクリュ11の雄型スプライン部12をスクリュスリーブ20の雌型のスプライン孔27に嵌合し、半割りとした軸リテーナ21をスクリュ11の両側から該スクリュ11の環状溝13に嵌込んでボルトで固定することにより行われる。
また、プッシャープレート3の上部に計量用モータ29(サーボモータ)が取り付けられ、タイミングベルト30等の連動機構を介してスクリュスリーブ20に連結されている。
なお、前記実施例1では、シリンダアッセンブリ案内部40の旋回を軸支する軸をフロントプレートに設置しているが、フロントプレートの代わりに射出ユニットのその他の構造体に設けることもできる。
【0015】
(実施例1の作用)
次に、前記実施例1の構成において、図1,図2,図4,及び図5を用いてシリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換動作について説明する。なお、図5は、シリンダアッセンブリ、シリンダアッセンブリ案内部、及びフロントプレートを金型の方向から見た正面図であり、図5の(a)はシリンダアッセンブリの射出軸線a上にある場合を示し、図5の(b)はシリンダアッセンブリ及びシリンダアッセンブリ案内部が旋回中の場合を示し、図5の(c)はシリンダアッセンブリの交換時の場合を示している。
図1は射出形成時等における状態を示していて、シリンダアッセンブリ6は射出軸線aに沿った位置にある。このシリンダアッセンブリの状態において、シリンダやスクリュの交換を行うには、はじめにボルトをはずして軸リテーナ21をスクリュ11の環状溝13を取外し、スクリュ11の雄型スプライン部12をスクリュスリーブ20の雌型のスプライン孔27から抜き取り、スクリュ11をプンシャープレート3側から引き出す。次に、シリンダ固定部14のボルト10−2をはずして、シリンダ固定部14とフロントプレート2との接合を解除する。この状態で、シリンダアッセンブリ6及びシリンダ固定部14はシリンダアッセンブリ案内部16の軸17を中心として旋回可能となる。
図5の(a)はこの状態を金型の方向から見た図であり、ボルト10−2をはずした状態では、シリンダアッセンブリ案内部16はストッパ19−2が凹部18−2内に係合されて保持されている。
【0016】
次に、シリンダアッセンブリ6あるいはシリンダアッセンブリ案内部16を手動あるいは任意の移動機構によって軸17を中心として矢印の方向に旋回させる。図5の(b)はシリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部16の旋回中の状態を示している。シリンダアッセンブリ6は、この旋回中においてフロントプレート2の切り欠き部15を通過する。
シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部16がさらに旋回すると、ストッパ19−1が凹部18−1と係合して旋回が停止される。図3及び図5の(c)はこの状態を示している。この状態により、シリンダアッセンブリ6は射出軸線aに沿った位置からはずれて、シリンダやスクリュの取外し取付けが容易な位置となる。
図3の位置において、次にボルト10−1をはずしてフランジ9を取り去り、シリンダアッセンブリ案内部16からシリンダあるいはスクリュを抜き取ると、図4に示す状態となる。この状態において、交換すべきシリンダあるいはスクリュを取付け、再びボルト10−1おフランジ9によってシリンダアッセンブリ案内部16に取り付ける。
その後、前記動作と逆の動作を行い、シリンダアッセンブリ案内部16を逆方向にストッパ19−1が凹部18−1内に係合されるまで旋回させ、ボルト10−1によってシリンダアッセンブリ案内部16をフロントプレート2に固定する。
【0017】
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について、図8の本発明の実施例2を説明する斜視図、図9の本発明の実施例2の動作を説明する斜視図、図10の本発明の実施例2の動作を説明する正面図を用いて説明する。
(実施例2の構成)
本発明の実施例2の構成は、前記実施例1の構成とほぼ同様であり、シリンダアッセンブリ案内部の構成のみ相違している。そこで、以下ではシリンダアッセンブリ案内部の構成のみ説明し、その他の構成については説明を省略する。
前記実施例1におけるシリンダアッセンブリ案内部16の構成は、フロントプレート2に対して旋回するための軸17とシリンダアッセンブリ案内部16を二つの保持位置で保持するためのストッパ及び凹部とによって構成されているのに対して、実施例2は、シリンダアッセンブリ案内部40を軌道部材によりフロントプレート2の面に沿って移動させるものである。
【0018】
この軌道部材は、シリンダアッセンブリ案内部の移動をガイドするレール部材であり、例えば、図8に示すようにシリンダアッセンブリ案内部40とフロントプレート2側に形成された溝43によって構成することができる。
図10において、シリンダアッセンブリ案内部40側には係合部となるフロントプレート2側に突出した案内部材41,42が形成され、フロントプレート2側には、案内部材41,42を摺動してその軌道を案内する溝43,44が形成されている。
溝43,44は、フロントプレート2のシリンダアッセンブリ案内部40側の面に湾曲して形成されいる。この湾曲が、案内部材14の軌道を案内するものであり、その両端はシリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40を安定した位置に保持するために、フロントプレート2において下方に延びた部分を有している。
【0019】
図10では、溝43,44の二本の溝を設けることにより安定した案内を行うことができる。
なお、前記実施例2では、シリンダアッセンブリ案内部40の案内部材41,42と摺動して案内する溝43,44をフロントプレート2に形成しているが、溝に代えたレール部材とすることも、また、溝あるいはレール部材をフロントプレート以外の射出ユニットに設けた構造体に形成することもできる。
また、シリンダアッセンブリ案内部を案内する軌道部材を、シリンダアッセンブリ案内部の両側に設置して、シリンダアッセンブリ案内部の両側から支持する両持ち機構とすることもできる。
【0020】
(実施例2の作用)
次に、前記実施例2の構成において、図9,及び図10を用いてシリンダアッセンブリのシリンダやスクリュの交換動作について説明する。なお、図10は、シリンダアッセンブリ、シリンダアッセンブリ案内部、及びフロントプレートを金型の方向から見た正面図であり、図10の(a)はシリンダアッセンブリの射出軸線a上にある場合を示し、図10の(b)はシリンダアッセンブリ及びシリンダアッセンブリ案内部が旋回中である場合を示し、図10の(c)はシリンダアッセンブリの交換時の場合を示している。なお、図9,及び図10では、シリンダアッセンブリ案内部をフロントプレートに取り付ける部分の構成及びボルトについては省略している。
実施例2の作用は、前記実施例1の作用とほぼ同様であり、シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40の移動の点で相違している。そこで、以下では、シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40の移動についてのみ説明し、その他の動作については説明を省略する。
【0021】
シリンダアッセンブリ案内部40をフロントプレート2に取り付けているボルトをはずすと、シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40は案内部材41,42が溝43,44の一方の端部に到達し、その端部位置において保持される。図10の(a)はこの状態を金型の方向から見た図であり、ボルト10−2をはずした状態において、シリンダアッセンブリ案内部40は案内部材41,42と溝43,44により保持されている。
次に、シリンダアッセンブリ6あるいはシリンダアッセンブリ案内部40を手動あるいは任意の移動機構によって矢印の方向に移動させると、案内部材41,42は溝43,44内を摺動してその軌道に沿ってシリンダアッセンブリ6の移動の案内を行う。図10の(b)はシリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40の旋回中の状態を示している。シリンダアッセンブリ6は、この旋回中においてフロントプレート2の切り欠き部15を通過する。
【0022】
シリンダアッセンブリ6及びシリンダアッセンブリ案内部40がさらに旋回すると、案内部材41,42は溝43,44内の他方の端部に到達して、その端部位置において移動が終了して保持される。図9及び図5の(c)はこの状態を示している。この状態によって、シリンダアッセンブリ6は射出軸線aに沿った位置からはずれて、シリンダやスクリュの取外し取付けが容易な位置となる。
図9の位置において、次にボルト10−1をはずしてフランジ9を取り去り、シリンダアッセンブリ案内部40からシリンダあるいはスクリュを抜き取ると、前記実施例1の図4に示す状態とほぼ同様となる。この状態において、交換すべきシリンダあるいはスクリュを取付け、再びボルト10−1おフランジ9によってシリンダアッセンブリ案内部40に取り付ける。
その後、前記動作と逆の動作を行い、シリンダアッセンブリ案内部40を逆方向に案内部材41,42が溝43,44の端部に到達するまで移動し、ボルト10−1によってシリンダアッセンブリ案内部40をフロントプレート2に固定する。
【0023】
(実施例の効果)
本発明の実施例によれば、射出ユニット全体を旋回することなくスクリュやシリンダの交換を行うことができるため、射出ユニットをエクストルーダベースと一体に構成することができ、射出成形機の射出ユニット装置の構造を簡略化し、構成に要する部品数や時間,費用を軽減することができる。
また、従来の射出ユニットの旋回においては、射出ユニット全体を持ち上げる等の過大な作業を要するのに対して、本発明の実施例では、シリンダアッセンブリのみの移動となり、作業の軽減化を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、射出ユニットの旋回(スウィベル)を要することなくスクリュやシリンダの交換を行うことができる射出成形機の射出ユニット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を説明する断面図である。
【図3】本発明の実施例1の動作を説明する斜視図である。
【図4】本発明の実施例1の動作を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施例1の動作を説明する正面図である。
【図6】従来の射出成形機の概略図である。
【図7】従来の射出成形機の射出ユニットの旋回を説明する概略図である。
【図8】本発明の実施例2を説明する斜視図である。
【図9】本発明の実施例2の動作を説明する斜視図である。
【図10】本発明の実施例2の動作を説明する正面図である。
【符号の説明】
1 射出ユニット
2 フロントプレート
3 プッシャープレート
6 シリンダアッセンブリ
14 シリンダ固定部
15 切り欠き部
16,40 シリンダアッセンブリ案内部
19 ストッパ
43,44 溝
Claims (5)
- 上部に切り欠き部を備えたフロントプレートと、
シリンダアッセンブリを移動可能に支持するシリンダアッセンブリ案内部とを備え、
前記シリンダアッセンブリ案内部は、シリンダアッセンブリを射出軸線上と射出軸線外の二つの保持位置に保持可能であるとともに、二つの保持位置の間のシリンダアッセンブリの移動において、該シリンダアッセンブリが前記フロントプレートの切り欠き部を通過するよう案内することを特徴とする射出成形機の射出ユニット装置。 - シリンダアッセンブリ案内部は射出軸線と平行な旋回軸によりシリンダアッセンブリを旋回するアーム部を備え、該旋回軸を中心とするシリンダアッセンブリの移動軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過するものである請求項1記載の射出成形機の射出ユニット装置。
- 旋回軸はフロントプレート側に設置され、シリンダアッセンブリ案内部はフロントプレートに支持される請求項2記載の射出成形機の射出ユニット装置。
- シリンダアッセンブリ案内部はシリンダアッセンブリを移動する軌道部材を備え、該軌道部材に沿ったシリンダアッセンブリの移動軌跡はフロントプレートの切り欠き部を通過するものである請求項1記載の射出成形機の射出ユニット装置。
- 軌道部材はフロントプレート側に設置され、シリンダアッセンブリ案内部はフロントプレートに支持される請求項4記載の射出成形機の射出ユニット装置。
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