JP3580927B2 - 水性被覆材組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性被覆材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題に対する人々の意識の高揚と共に、水性被覆材料の市場ニーズは年々高まってきており、多くの種類の水性被覆材料が開発されている。水性被覆材料として従来より利用されているビニル系重合体には、エマルション、ディスパーションなどの水分散タイプと水溶解タイプであるが、それらは用途、要求性能によってそれぞれ使い分けられている。
【0003】
ビニル系重合体水分散液は、重合体が水中に分散して存在することから分子量が高くなっても大きな粘度上昇が生じず、高分子量の重合体を使用することが可能である。従ってその皮膜は良好な塗膜物性を示し、その特徴を利用してこれまで多くの品種が開発されてきた。
しかし、構造粘性を示す粘性挙動や再溶解性、顔料分散性が低位であるなどの短所もあり、用途によっては利用できない場合がある。そのような場合には従来より重合体水溶液が利用されてきた。
【0004】
ビニル系重合体水溶液は、多くの場合多量の酸成分を含む重合体を塩基で中和し水溶解性を発現させることにより得られる。重合体水溶液は粘性流動を示し、良好な顔料分散性と再溶解性を特徴としており、従来の溶剤系レジンと同様に様々の用途に利用することが可能である。
しかしながら、水溶解性を確保するために重合体は高酸価(50mgKOH/g以上)・低分子量であることが必要となり、したがって、得られた皮膜は、耐水性、耐溶剤性が不十分であるという問題があった。
【0005】
そのような水溶性重合体の塗膜物性を向上させるには、架橋システムを導入するのが最良の方法である。従来より使用されている尿素樹脂やメラミン樹脂およびその変性体等の架橋剤は、良好な塗膜物性を与えることが知られているが、架橋反応にかなり大きい熱エネルギーを必要とするため熱処理が不可能な紙やプラスチック基材などの被塗装体には用いることができず、応用範囲が限定されている。また、架橋反応の過程においてホルマリンが発生するという問題もあり、これは作業環境上好ましくない。常温あるいは低温架橋が可能な架橋方式として、カルボニル/ヒドラジン架橋システムが提案されているが(特開平3−68669号公報)、水溶性重合体では耐水性が低位となる傾向があり、性能的に不十分である。
【0006】
水性レジンの塗膜物性、特に耐水性を向上させる手法として従来より酸/エポキシ架橋システムが検討されてきており、中和塩基の選択(特開平4−65421号公報)やポリマー側鎖に触媒となるアミノ基を持つ重合体を利用する(特開昭51−30232号公報、特開昭55−60550号公報)などにより常温においても架橋を進行させることができる。
しかしながら、重合体に導入される酸成分がアクリル酸やメタクリル酸、イタコン酸のみの場合では、硬化塗膜の柔軟性が不足する傾向があり、耐衝撃性や基材密着性が低位であるという欠点があることがわかってきた。また、使用するエポキシ化合物の水溶解性が低い場合、100℃以下での比較的低温での乾燥では充分な架橋密度が得られず、耐溶剤性が不足する傾向があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の背景によりなされたものであって、その目的とするところは基材密着性、顔料分散性、平滑性、光沢に優れ、かつ比較的低温での熱処理により優れた耐水性、耐溶剤性が得られる熱硬化型の水性被覆材組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の酸成分を導入したビニル系重合体を有機塩基によって中和、水性化して得られる重合体水溶液と特定の水溶性エポキシ化合物を用いることにより上記の目的が達成できることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、
脂肪族または芳香族2塩基酸無水物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加反応により得られるカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(a)2〜40重量%、その他のカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(b)3〜40重量%、およびその他の共重合可能なビニル系単量体(c)20〜95重量%(ただし、成分(a)〜成分(c)の合計を100重量%とする。)を共重合して得られる、重量平均分子量(Mw)が5000〜40000であるビニル系共重合体[I]を揮発性の有機塩基[II]で中和して得られる重合体水溶液(A)と、水溶化率50%以上、官能基等量分子量300以下の水溶性エポキシ化合物(B)を含有し、上記ビニル系重合体[I]のカルボキシル基と上記水溶性エポキシ化合物(B)のエポキシ基の等量比([I]/(B))が0.5〜2の範囲であることを特徴とする水性被覆材組成物にある。
【0010】
本発明の水性被覆材組成物の特徴は、ビニル系共重合体の酸成分として特定の単量体を共重合することにより、低温での良好な架橋反応性と架橋塗膜の優れた基材密着性を達成し、さらに、水溶化率の高い、官能基等量分子量の小さいエポキシ化合物を、上記の水性ビニル系共重合体と特定の割合で用いることにより、低温での高い反応性を実現し、優れた耐水性と耐溶剤性を達成したことにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の重合体水溶液(A)は、
脂肪族および芳香族2塩基酸無水物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加反応により得られるカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(a)20〜40重量%、その他のカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(b)3〜40重量%、およびその他の共重合可能なビニル系単量体(c)20〜95重量%(ただし、成分(a)〜成分(c)の合計を100重量%とする。)を共重合して得られる、重量平均分子量(Mw)が5000〜40000であるビニル系共重合体[I]を、有機塩基[II]で中和することにより得られるものである。
【0012】
本発明のビニル系共重合体[I]の重量平均分子量(Mw)は、5000〜40000の範囲であることが必要である。これは、重量平均分子量(Mw)が5000未満では、得られる塗膜の基材への密着性が低下する傾向にあり、一方、40000を超えると、ビニル系共重合体[I]の水溶性が低下する傾向にあるためである。好ましくは7000〜30000の範囲である。
【0013】
本発明において、成分(a)として用いられるカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体としては、例えば無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの付加物、無水フタル酸と4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの付加物、無水ヘキサヒドロフタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物、無水ヘキサヒドロフタル酸と2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの付加物、無水ヘキサヒドロフタル酸と4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの付加物、無水コハク酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物、無水コハク酸と2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの付加物、無水コハク酸と4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの付加物等の脂肪族または芳香族二塩基酸無水物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加物等が挙げられる。これらの中でも無水コハク酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物が好ましい。
【0014】
このカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(a)は、エポキシ化合物との架橋反応に関与し、得られる硬化皮膜の耐水性、耐溶剤性、密着性を付与する成分であり、その使用量は成分(a)〜成分(c)からなる全単量体中、2〜40重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。使用量が2重量%未満では良好な密着性が得られず、また、40重量%を超えると得られる水性被覆材組成物のポットライフが短くなる。
これらのカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(a)は、それぞれを単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
また、本発明において、成分(b)として用いられるその他のカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの一塩基酸のほか、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸などの二塩基酸もしくはその部分エステル等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸が好ましい。
【0016】
このカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(b)は、ビニル系共重合体[I]の水溶解性を確保すると同時にエポキシ化合物との架橋反応に関与し、硬化塗膜に耐水性、耐溶剤性を付与する成分である。その使用量は、成分(a)〜成分(c)からなる全単量体中、3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲である。使用量が3重量%未満では共重合体の水溶解性が不足し、顔料分散性が低下すると同時に反応性も低下し、良好な耐水性、耐溶剤性を示す硬化塗膜を得ることが困難となり、また、40重量%を超えると得られる水性被覆材組成物のポットライフが短くなる傾向を示す。
これらのカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(b)は、それぞれを単独で用いてよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
また、本発明において、成分(c)として用いられるその他の共重合可能なビニル系単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどのビニル芳香族化合物の他、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの炭素数が1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらの中で塗膜に硬度を付与する成分としては、メチルメタクリレート、スチレン、シクロヘキシルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートの使用が好ましく、また、塗膜に柔軟性を付与する成分としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレートの使用が好ましい。
【0018】
さらに成分(c)としては、例えば2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有の単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ(メタ)アクリレートおよびそのアルキルハライド塩;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミドおよびそのアルキロール誘導体;その他アリル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル等の公知の重合性ビニル系単量体が挙げられる。成分(c)の使用量は、成分(a)〜成分(c)からなる全単量体中、20〜95重量%の範囲である。これらの他の共重合可能なビニル系単量体(c)は、それぞれを単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
本発明のビニル系共重合体[I]の重合方法としては、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法など公知の手法を用いることができるが、特に懸濁重合法、溶液重合法が好ましい。
【0020】
ビニル系共重合体[I]の重合に用いられる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤や、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤など、従来公知の重合開始剤を目的に応じて使用することができる。
【0021】
さらに、分子量調節には必要に応じてn−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を上記のビニル系単量体の混合物に添加することができる。
【0022】
懸濁重合法を適用した場合は、重合後濾過により重合体固形物を水等の分散媒体から分離することによって容易に重合体固形物を得ることができる。これらに有機塩基[II]と水を加えて溶解すれば、有機塩基以外の有機溶剤を含まない重合体水溶液(A)を得ることができるため、特に環境を汚染しない水性被覆材組成物を得ることができる。もちろん必要に応じて有機溶剤との併用もできる。また、懸濁重合法により製造されたビニル系共重合体[I]は特に水溶性に優れており、顔料分散性が良好である。
【0023】
一方、溶液重合法による場合は、得られた重合体溶液から有機溶剤を脱揮する、あるいは有機溶剤を含んだまま有機塩基[II]と水を添加することにより重合体水溶液(A)を得ることができる。
【0024】
溶液重合において使用される溶剤としては、本発明で用いられる単量体および重合体を溶解するものであれば特に制限されないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが例として挙げられる。
【0025】
重合体水溶液(A)は、揮発性の有機塩基[II]によりビニル系共重合体[I]が含有する酸を中和し、塩を形成させることにより得られる。
【0026】
ビニル系共重合体[I]を中和するのに用いられる揮発性の有機塩基[II]の例としては、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン等が挙げられる。
【0027】
次に、本発明の水性被覆材組成物において、架橋剤として加えられる水溶性エポキシ化合物(B)は、水溶化率50%以上、官能基等量分子量300以下のものである。
ここでいう水溶化率とは、25℃で水90部にエポキシ化合物10部を加えたときの溶解率で、この値が50%未満のエポキシ化合物は重合体水溶液(A)に加えた場合の安定性が低く、また、得られる塗膜についても耐溶剤性が不足する傾向がある。好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上である。官能基等量分子量については300以下のものが良好な耐溶剤性、耐水性を与え、十分な架橋密度を与えるが、300を超えるエポキシ化合物では耐溶剤性が不足し、十分な架橋密度が得られない。好ましくは200以下である。
【0028】
水溶性エポキシ化合物(B)は、ビニル系共重合体[I]のカルボキシル基と水溶性エポキシ化合物(B)のエポキシ基の等量比([I]/(B))で0.5〜2の範囲で、好ましくは0.6〜1.5の範囲で配合される。水溶性エポキシ化合物(B)の配合割合が2を超えると十分な架橋密度が得られないために耐溶剤性が不足し、また、0.5未満であるとポットライフが短くなる。
【0029】
本発明の水性被覆材組成物に用いることのできる水溶性エポキシ化合物(B)の例としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0030】
本発明の水性被覆材組成物は、被覆材、仕上げ剤、塗料、インキ等に用いられるが、塗料およびインクとして用いる場合には、高度の性能を発現させるために、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、防腐剤等の添加剤を添加することも可能である。
【0031】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。実施例および比較例における部は重量部、また、%は重量%を表わす。
また、実施例および比較例で得られた水性被覆材組成物の特性の評価は以下に示す方法を用いて行った。
【0032】
(1)光沢
酸化チタン(石原産業(株)製、CR−50)40部およびガラスビーズ100部を重合体水溶液(A)100部に添加し、高速分散機を用いて顔料を分散させた後、これに水溶性エポキシ化合物(B)を加えて水性被覆材組成物とする。次いで、この顔料分散した水性被覆材組成物をガラス板にソリッド膜厚が20μmとなるように塗布し、100℃で30分間乾燥した後、光沢計を用いて塗膜の光沢を測定した(60°グロス)。
【0033】
(2)耐水性
水性被覆材組成物を鋼板(ボンデライト#144)にソリッド膜厚が20μmとなるように塗布し、100℃で30分乾燥させた後、50℃の水に浸漬し、塗膜の損傷の様子を目視により観察し、以下の基準により判定した。
優:浸漬後、10日間経過しても塗膜に損傷が確認されない。
良:浸漬後、10日目で塗膜に白化、膨れ等の損傷が確認される。
不良:浸漬後、1日目で塗膜に白化、膨れ等の損傷が確認される。
【0034】
(3)耐溶剤性
水性被覆材組成物を鋼板(ボンデライト#144)にソリッド膜厚が20μmになるように塗布し、100℃で30分乾燥させた後、メチルエチルケトンを含浸させたガーゼ(8枚重ね)を用いた往復摩擦試験(50回往復摩擦させる)にかけて塗膜の状態を目視により観察し、以下の基準により判定した。
優:塗膜に変化なし。
良:塗膜に傷が確認される。
不良:塗膜が破損した。
【0035】
(4)密着性
水性被覆材組成物をアルミニウム板(H4000)、ABS樹脂板にソリッド膜厚が20μmとなるように塗布し、100℃で30分間乾燥させた後、碁盤目セロハンテープ剥離試験により判定した。
判定は100個の碁盤目中、何個が接着していたかの数(X)により下記の基準により判定した。
○:90<X≦100
△:50<X≦90
×:0<X≦50
【0036】
(5)ポットライフ
水性被覆材組成物を水/イソプロピルアルコール=60/40(重量比)からなる希釈剤にてフォードカップ#4で20秒となるまで希釈し、希釈秒数が60秒を超えるのにかかった時間を測定した(25℃)。
【0037】
ビニル系共重合体[I]の合成
合成例1 ビニル系共重合体[I](P−1)の製造
メチルメタクリレート35部、スチレン10部、n−ブチルアクリレート30部、メタクリル酸15部、β−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタレート10部からなるビニル系単量体混合物に、アゾビスイソブチロニトリル3部およびn−ドデシルメルカプタン0.5部を加えて混合し溶解させた。次いで、この混合物をイソプロピルアルコール70部を仕込んだ重合装置中に、撹拌下、80℃の温度にて4時間かけて滴下した後、さらに4時間の重合を行って反応を終了させた。表1に得られたビニル系共重合体[I](P−1)の物性を示す。
【0038】
合成例2〜6 ビニル系共重合体[I](P−2〜P−6)の製造
合成例1のビニル系共重合体[I](P−1)の製造において、ビニル系単量体混合物組成を表1の如くに変更する以外は、合成例1と同様にしてビニル系共重合体[I](P−2〜P−6)を製造した。表1に得られたビニル系共重合体[I](P−2〜P−6)の物性を示す。
【0039】
合成例7 ビニル系共重合体[I](P−7)の製造
メチルメタクリレート35部、スチレン10部、n−ブチルアクリレート30部、メタクリル酸15部、β−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタレート10部からなるビニル系単量体混合物に、アゾビスイソブチロニトリル0.8部を加えて混合し溶解させた。次いで、この混合物をイソプロピルアルコール70部を仕込んだ重合装置中に、撹拌下、80℃の温度にて4時間かけて滴下した後、さらに4時間の重合を行って反応を終了させた。表1に得られたビニル系共重合体[I](P−7)の物性を示す。
【0040】
合成例8 ビニル系共重合体[I](P−8)の製造
撹拌機、温度計、還流凝縮器を備えた重合反応器に、脱イオン水200部およびポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1,700)0.6部を入れて撹拌を行い、ポリビニルアルコールを完全に溶解させた後、一旦撹拌を停止して、メチルメタクリレート35部、スチレン10部、n−ブチルアクリレート30部、メタクリル酸15部、β−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタレート10部を加えて再度撹拌を開始し、アゾビスイソブチロニトリル0.5部およびn−ドデシルメルカプタン5部を加えて75℃に昇温し、反応温度を75〜80℃を維持するようにして3時間反応させ、その後温度を90℃に昇温して1時間維持し反応を終了させた。その後、その反応物を目開き80μmの篩にて濾過し粒状のビニル系共重合体[I](P−8)を得た。表1に得られたビニル共重合体[I](P−8)の物性を示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003580927
【0042】
[実施例1]
上記合成例1で得られたビニル系共重合体[I](P−1)100部に、トリエチルアミン12.5部および脱イオン水60.4部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに水溶性エポキシ化合物(B)としてソルビトールポリグリシジルエーテル(水溶化率100%、官能基等量分子量180)22.2部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0043】
[実施例2]
上記合成例2で得られたビニル系共重合体[I](P−2)100部に、トリエチルアミン13.0部および脱イオン水60.0部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに水溶性エポキシ化合物(B)としてジエチレングリコールジグリシジルエーテル(水溶化率100%、官能基等量分子量121)15.5部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0044】
[実施例3]
上記合成例8で得られたビニル系共重合体[I](P−8)固形物50部に、トリエチルアミン10.6部および脱イオン水124.6部を加えて撹拌し溶解させて、重合体水溶液(A)を得た。これに水溶性エポキシ化合物(B)としてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(水溶化率100%、官能基等量分子量170)17.8部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0045】
[比較例1]
上記合成例3で得られたビニル系共重合体[I](P−3)100部に、トリエチルアミン11.7部および脱イオン水61.2部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに実施例1のソルビトールポリグリシジルエーテル20.8部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0046】
[比較例2]
上記合成例4で得られたビニル系共重合体[I](P−4)100部に、トリエチルアミン12.9部および脱イオン水60.0部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに実施例1のソルビトールポリグリシジルエーテル22.9部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0047】
[比較例3]
上記合成例5で得られたビニル系共重合体[I](P−5)100部に、トリエチルアミン39.2部および脱イオン水56.8部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに実施例1のソルビトールポリグリシジルエーテル59.0部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0048】
[比較例4]
上記合成例6で得られたビニル系共重合体[I](P−6)100部に、トリエチルアミン7.8部および脱イオン水60.2部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに実施例1のソルビトールポリグリシジルエーテル13.8部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0049】
[比較例5]
上記合成例7で得られたビニル系共重合体[I](P−7)100部に、トリエチルアミン12.5部および脱イオン水60.4部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに実施例1のソルビトールポリグリシジルエーテル22.2部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0050】
[比較例6]
上記合成例1で得られたビニル系共重合体[I](P−1)100部に、トリエチルアミン12.5部および脱イオン水60.4部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに実施例1のソルビトールポリグリシジルエーテル8.9部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0051】
[比較例7]
上記合成例1で得られたビニル系共重合体[I](P−1)100部に、トリエチルアミン12.5部および脱イオン水60.4部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに実施例1のソルビトールポリグリシジルエーテル55.6部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0052】
[比較例8]
上記合成例1で得られたビニル系共重合体[I](P−1)100部に、トリエチルアミン12.5部および脱イオン水60.4部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これにペンタエリスロールポリグリシジルエーテル(水溶化率27%、官能基等量分子量231)28.5部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0053】
[比較例9]
上記合成例1で得られたビニル系共重合体[I](P−1)100部に、トリエチルアミン12.5部および脱イオン水60.4部を加えて撹拌し、重合体水溶液(A)を得た。これに変性ビスフェノールA型エポキシエマルション(水分散タイプ、固形分50%、官能基等量分子量520)51部を加えて撹拌し、水性被覆材組成物を得た。
この水性被覆材組成物の特性を表2に示す。
【0054】
【表2】
Figure 0003580927
【0055】
【発明の効果】
本発明の水性被覆材組成物は、水溶解性の良好な高分子組成物であるために、顔料分散性、再溶解性に優れ、平滑性、光沢、基材密着性の良好な皮膜を与えることができる。また、本発明の水性被覆材組成物は、高い硬化反応性を示すことから、70〜100℃程度の比較的低温の焼き付け条件下でも良好な塗膜硬度が得られ、かつ、耐水性、耐溶剤性に優れた皮膜を形成できるために、金属、プラスチック、木、紙などの被覆材や各種仕上げ剤、塗料、インキのバインダーとして有用である。

Claims (1)

  1. 脂肪族または芳香族2塩基酸無水物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加反応により得られるカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(a)2〜40重量%、その他のカルボキシル基含有共重合可能なビニル系単量体(b)3〜40重量%、およびその他の共重合可能なビニル系単量体(c)20〜95重量%(ただし、成分(a)〜成分(c)の合計を100重量%とする。)を共重合して得られる、重量平均分子量(Mw)が5000〜40000であるビニル系共重合体[I]を揮発性の有機塩基[II]で中和して得られる重合体水溶液(A)と、水溶化率50%以上、官能基等量分子量300以下の水溶性エポキシ化合物(B)を含有し、上記ビニル系重合体[I]のカルボキシル基と上記水溶性エポキシ化合物(B)のエポキシ基の等量比([I]/(B))が0.5〜2の範囲であることを特徴とする水性被覆材組成物。
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