JP3579677B2 - 同期整流型dc−dcコンバータ - Google Patents

同期整流型dc−dcコンバータ Download PDF

Info

Publication number
JP3579677B2
JP3579677B2 JP2002085215A JP2002085215A JP3579677B2 JP 3579677 B2 JP3579677 B2 JP 3579677B2 JP 2002085215 A JP2002085215 A JP 2002085215A JP 2002085215 A JP2002085215 A JP 2002085215A JP 3579677 B2 JP3579677 B2 JP 3579677B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch
transistor
converter
turned
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002085215A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003284336A (ja
Inventor
一義 花房
武司 福井
克憲 今井
宏信 増岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2002085215A priority Critical patent/JP3579677B2/ja
Publication of JP2003284336A publication Critical patent/JP2003284336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3579677B2 publication Critical patent/JP3579677B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器(携帯電話機、PHS電話機、遊技機、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等)に利用可能なDC−DCコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来例について説明する。
【0003】
§1:同期整流型DC−DCコンバータの説明
図7は従来の同期整流型DC−DCコンバータを示した図である。従来、同期整流型DC−DCコンバータの1例として、図7に示したような回路構成のDC−DCコンバータが知られていた。
【0004】
(1) :回路構成の説明
図7において、T1はトランス、N1はトランスT1の1次巻線、N2はトランスT1の2次巻線、N3はトランスT1の補助巻線、C1は入力側に設けられた平滑用のコンデンサ、M1は主スイッチングトランジスタ(NチャンネルMOS−FET)、L1は平滑用のチョークコイル、M2、M3は同期整流用のNチャンネルMOS−FET(NチャンネルMOS型電界効果トランジスタ:以下、単に「トランジスタ」と記す)、C11、C12はトランジスタM2、M3のゲート・ソース間容量(以下、「コンデンサC11」、「コンデンサC12」と記す)、d11、d12は、トランジスタM2、M3の寄生ダイオード、或いは内蔵ダイオード(以下「ダイオードd11」、「ダイオードd12」と記す)、C2は出力側の平滑用コンデンサ、R3、R4は抵抗、D3は逆流防止用のダイオードである。
【0005】
また、VN1はトランスT1の1次巻線N1に誘起する電圧、VN2はトランスT1の2次巻線N2に誘起する電圧、VN3は補助巻線N3に誘起する電圧を示す。なお、前記主スイッチングトランジスタM1のゲートには、図示しない制御回路が接続されており、この制御回路によりトランジスタM1がオン/オフ駆動(発振動作)されるように構成されている。
【0006】
このDC−DCコンバータは、入力端子(電圧Vinが印加する端子)とGND間に平滑用のコンデンサC1を接続し、更に、前記入力端子にトランスT1を接続する。そして、トランスT1には、1次巻線N1と、2次巻線N2と、補助巻線N3を設けると共に、トランスT1の1次巻線N1には、主スイッチングトランジスタM1(主スイッチ)を直列接続する。
【0007】
また、トランスT1の2次巻線には、チョークコイルL1、平滑用のコンデンサC2、同期整流用のトランジスタM2、M3、抵抗R3等を含む整流平滑回路が接続されている。更に、トランスT1の補助巻線N3には、ダイオードD3と抵抗R4の並列回路を接続し、補助巻線N3を、この並列回路を介してトランジスタM3のゲート・ソース間に接続する。
【0008】
(2) :動作の説明
以下、図7に示したDC−DCコンバータの動作を説明する。
【0009】
入力端子に直流入力電圧+Vinを印加すると、この入力電圧+Vinにより、DC−DCコンバータが動作を開始し、制御回路(図示省略)によりトランジスタM1がオン/オフ駆動される。このため、トランスT1の1次巻線N1には間欠的に励磁電流が流れ、トランスT1の巻線を励磁し、トランスT1の2次巻線N2、及び補助巻線N3に誘起電圧VN2、VN3が発生する。
【0010】
このようにして、主スイッチングトランジスタM1は制御回路によりオン/オフ駆動され(発振動作)、トランスT1の巻線を励磁する。そして、主スイッチングトランジスタM1がオンになった時、トランスT1の1次巻線N1に励磁電流が流れ、主スイッチングトランジスタM1がオフになると、1次巻線N1に流れる電流が遮断される。以降、このような主スイッチングトランジスタM1のオン/オフ動作を繰り返す。
【0011】
このため、トランスT1の2次側に接続された整流平滑回路では同期整流動作が行われ、その時の電流はチョークコイルL1で平滑化されコンデンサC2を充電する。詳細な動作は次の通りである。
【0012】
主スイッチングトランジスタM1がオンとなり、トランスT1の2次巻線N2に図示矢印と逆方向の電圧VN2が発生すると、この電圧VN2により、N2→R3→C11→d11→N2の経路で電流が流れ、コンデンサC11が充電され、トランジスタM1のゲート電圧が上昇し、やがてトランジスタM2がオンとなる。
【0013】
この時、トランスT1の補助巻線N3には、図示矢印と逆極性の電圧VN3が発生し、この電圧VN3により、N3→R4→C12→N3の経路で電流が流れC12を充電するので、トランジスタM3のゲート電圧は低下し、該トランジスタM3はオフとなる。
【0014】
この場合、最初は、N2→C2→L1→d11→N2の経路で電流が流れるが、トランジスタM2が完全にオンになると、N2→C2→L1→M2→N2の経路で電流が流れ、コンデンサC2を充電する。次に、主スイッチングトランジスタM1がオフとなると、2次巻線N2及び補助巻線N3の誘起電圧の極性が逆(図示矢印の極性)になる。そのため、トランジスタM2のソースS側の電位が高くなり、M1がオンの期間にC11に充電していた電荷が放電され、トランジスタM2がオフになる。
【0015】
一方、補助巻線N3の誘起電圧の極性が図示矢印方向になると、ダイオードD3がオンになり、N3→C12→D3→N3の経路で電流が流れ、コンデンサC12を充電することにより、トランジスタM3のゲート電圧が上昇し、やがてトランジスタM3がオンになる。この場合、最初は、チョークコイルL1の電磁エネルギーにより、L1→d12→C2→L1の経路で電流が流れるが、トランジスタM3が完全にオンになると、L1→M3→C2→L1の経路で電流が流れ(転流動作)、コンデンサC2を充電する。以降、トランジスタM1のオン/オフ動作により、前記の動作を繰り返す。以上が、同期整流型DC−DCコンバータの動作である。
【0016】
§2:複数のDC−DCコンバータを並列接続した回路の説明
図8は、前記のようなDC−DCコンバータを、負荷に対して複数並列接続した従来の回路例を示す。図8において、(a)図は回路構成図、(b)図は(a)図に示した回路の動作を示すタイムチャートである。
【0017】
(1) :回路構成の説明
この同期整流型DC−DCコンバータは、同一構成のDC−DCコンバータ1a、1b、1cを複数並列に接続した回路例である。ここに、各DC−DCコンバータ1a、1b、1cをDC−DCコンバータ1aを例として説明する。
【0018】
DC−DCコンバータ1aの入力側には、トランスT1が設けられている。トランスT1の1次側には、主スイッチングトランジスタTr(バイポーラ型トランジスタ)が設けられ、1次側に発生するエネルギーを断続的に2次側に供給する。
【0019】
この場合、トランスT1の2次巻線N2の一端には、配線を介してチョークコイルL1の一端が接続されている。このチョークコイルL1の他端は、DC−DCコンバータ1aの出力端子に接続されている。
【0020】
また、2次巻線N2とチョークコイルL1を接続する配線には、抵抗Rsの一端が接続されている。抵抗Rsの他端には、整流スイッチとしてのMOS−FET(以下、単に「トランジスタ」と記す)M2のゲートに接続されている。トランジスタM2のソースは、配線を介してDC−DCコンバータ1aの出力端子に接続されている。
【0021】
トランジスタM2のドレインは、配線を介して2次巻線N2の他端に接続されている。そして、トランジスタM2には、そのソースとドレインとを接続し、ソースからドレインへ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードd11が等価的に内在している。
【0022】
トランジスタM2のドレインと2次巻線N2の他端とを接続する配線には、信号線を介して抵抗Rfの一端が接続されている。抵抗Rfの他端は、フライホイールスイッチとしてのMOS−FET(以下「トランジスタ」と記す)M3のゲートに接続されている。トランジスタM3のソースは、配線を介してトランジスタM2のソースに接続されている。
【0023】
トランジスタM3のドレインは、2次巻線N2とチョークコイルL1とを接続する配線に接続されている。このトランジスタM3には、そのソースとドレインとを接続し、ソースからドレインへ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードd12が等価的に内在している。そして、チョークコイルL1の後段には、平滑コンデンサC2が2次巻線N2に対して並列に接続されており、DC−DCコンバータ1aの出力端子は、負荷2に接続されている。
【0024】
(2) :動作の説明
図8の(a)図に示した同期整流型DC−DCコンバータの動作を図8の(b)図を参照しながら説明する。トランスT1の2次巻線N2には、図8の(b)図に示したように、トランスT1の1次巻線N1への電圧の印加に応じて、電圧VTとして正の電圧と負の電圧とが一定の大きさ及び周期で間欠的に発生する。
【0025】
ここに、スイッチングトランジスタTrがオンとなって2次巻線N2に正の電圧VTが生じると、トランジスタM2のゲート電圧が上昇してトランジスタM2がオンとなる。この時、チョークコイルL1には、エネルギーが蓄積されると共に、平滑コンデンサC2が充電されて平滑化された一定の出力電流が負荷2に供給される。
【0026】
その後、スイッチングトランジスタTrがオフとなって電圧VTが負となると、トランジスタM2のゲート電圧が低下してトランジスタM2がオフとなると共に、トランジスタM3のゲート電圧が上昇してトランジスタM3がオンとなる。また、電圧VTが負となることによってチョークコイルL1に蓄積されたエネルギーが解放され、チョークコイルL1、負荷2、及びトランジスタM3からなる閉路を電流が流れる。
【0027】
その後、トランスT1が磁気リセットされ、負の電圧VTの発生が停止する(電圧VTが0となる)と、トランジスタM3のゲート電圧が低下してトランジスタM3がオフとなると共に、寄生ダイオードd12の抵抗値がトランジスタM3のソースドレイン間の抵抗値よりも小さくなる。
【0028】
これによって、チョークコイルL1、負荷2、及び寄生ダイオードd12からなる閉路を電流が流れる。この後、トランスT1が動作して再び正の電圧VTが2次巻線N2に生じると、トランジスタM2がオンとなり、トランジスタM3の寄生ダイオードd12がオフとなる。そして、前記の動作が繰り返し行われる。
【0029】
このように、DC−DCコンバータ1aは、電圧VTの正から負への変化に同期してトランジスタM2及びトランジスタM3をオン/オフさせることによって、一定の出力電流を負荷2に供給する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
DC−DCコンバータの使用形態として、複数のDC−DCコンバータを負荷に対して並列に接続することにより、出力電力を増大させたり、バッテリと組み合わせて無停電電源を構成する場合がある。前記のような従来のDC−DCコンバータを例えば並列運転に用いる場合、次のような課題があった。
【0031】
前記DC−DCコンバータ1a、1b、1cが並列に運転されることにより、負荷2に出力電流を供給する。これによって、DC−DCコンバータ1a、1b、1cの何れかが故障により停止した場合でも、適正な範囲の電流を負荷2に供給できるようになっている。
【0032】
しかし、DC−DCコンバータ1a、1b、1cの何れかに故障が発生し、例えば、DC−DCコンバータ1aの発振が停止した場合には、正常に動作しているDC−DCコンバータ1b及び1cからDC−DCコンバータ1aのチョークコイルL1及び抵抗Rsを通じてトランジスタM2のゲート電圧を上昇させると共に、2次巻線N2及び抵抗Rfを通じてトランジスタM3のゲート電圧を上昇させる。
【0033】
このため、トランジスタM2及びトランジスタM3がオンとなり、DC−DCコンバータ1aへDC−DCコンバータ1b及び1cからの大量の電流が流れ込む。これによって、負荷2に供給される電流が足りなくなると共に、大量の電流によって、DC−DCコンバータ1aのトランジスタM2及びM3が破損してしまう恐れがあった。
【0034】
上述の問題は、負荷に対して並列に接続されたDC−DCコンバータの起動時における発振開始時間のばらつきにより、一つのDC−DCコンバータの発振開始が遅れる場合や、DC−DCコンバータの出力端にバッテリを接続し、無停電電源を構成した場合、DC−DCコンバータが停止してバッテリからDC−DCコンバータの出力側から逆電流が回り込んだ際にも発生する。
【0035】
本発明は、このような従来の課題を解決し、複数のDC−DCコンバータの並列運転を行った際或いは出力端にバッテリを接続して無停電電源を構成した際に、発振停止のような異常状態で、出力側から逆電流が回り込んでも同期整流用素子等が破損しないようにすることを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
【0037】
(1) 1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、前記1次巻線に直列接続され、制御回路によりオン/オフ駆動される主スイッチと、前記2次巻線に直列接続された整流用の第2のスイッチと、前記2次巻線に並列接続され、前記補助巻線の電圧により駆動される転流用の第3のスイッチを備えた同期整流型DC−DCコンバータを負荷に対して複数並列接続し、各DC−DCコンバータから前記負荷に対し電力を供給する同期整流型DC−DCコンバータにおいて、いずれかのDC−DCコンバータが発振動作を停止している状態で、他のDC−DCコンバータからの電流供給により、発振動作を停止しているDC−DCコンバータの前記第2のスイッチ及び第3のスイッチをオフにする異常時動作停止回路を備え、前記異常時動作停止回路は、バイポーラ型トランジスタと、そのバイアス回路を有し、前記第3のスイッチの制御電極をトランスの補助巻線の一端に接続し、その接続途中と一方の出力端子間に、複数の抵抗と逆流防止用ダイオードを直列接続して前記バイアス回路を構成し、前記発振動作を停止しているDC−DCコンバータに対し、他の正常なDC−DCコンバータからの電流供給により、前記バイポーラ型トランジスタをオンにして、該オンとなったトランジスタのエミッタ・コレクタ間電圧により第2のスイッチをオフにすると共に、ベース・エミッタ間電圧により、第3のスイッチをオフにする機能を備えていることを特徴とする。
【0038】
(2) 1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、前記1次巻線に直列接続され、制御回路によりオン/オフ駆動される主スイッチと、前記2次巻線に直列接続された整流用の第2のスイッチと、前記2次巻線に並列接続され、前記補助巻線の電圧により駆動される転流用の第3のスイッチを備えた同期整流型DC−DCコンバータにおいて、該DC−DCコンバータが、発振動作を停止している状態で、出力側からの逆電流により、前記第2のスイッチ及び第3のスイッチをオフにする異常時動作停止回路を備え、前記異常時動作停止回路は、バイポーラ型トランジスタと、そのバイアス回路を有し、前記第3のスイッチの制御電極をトランスの補助巻線の一端に接続し、その接続途中と一方の出力端子間に、複数の抵抗と逆流防止用ダイオードを直列接続して前記バイアス回路を構成し、前記出力側からの逆電流により、前記バイアス回路に電流を流すことで、前記バイポーラ型トランジスタをオンに駆動した際、該オンとなったトランジスタのエミッタ・コレクタ間電圧により第2のスイッチをオフにすると共に、ベース・エミッタ間電圧により、第3のスイッチをオフにする機能を備えていることを特徴とする。
【0039】
(3) :前記 (1) 同期整流型DC−DCコンバータにおいて、前記第2のスイッチ及び第3のスイッチは、MOS型電界効果トランジスタ(MOS−FET)で構成し、前記バイポーラ型トランジスタのエミッタとコレクタを、それぞれ第2のスイッチのソースとゲートに接続し、前記バイポーラ型トランジスタのベースを、前記バイアス回路のダイオードと一部の抵抗を介して第3のスイッチのゲートに接続し、前記バイポーラ型トランジスタのエミッタを、第3のスイッチのソースに接続すると共に、前記第3のスイッチのゲートとソースを、それぞれ、補助巻線の両端に接続したことを特徴とする請求項1記載の同期整流型DC−DCコンバータ。
【0040】
(4) 前記(3) 同期整流型DC−DCコンバータにおいて、前記補助巻線の他端と、第3のスイッチのソース間に、抵抗と、ダイオードと、MOS型電界効果トランジスタ(MOS−FET)で構成された第4のスイッチの並列回路を接続し、
前記第4のスイッチは、前記主スイッチがオンになった時、2次巻線に発生する電圧でオンに駆動されるように、ゲートが2次巻線の一端側に接続されていることを特徴とする。
【0041】
(5) 前記(3) の同期整流型DC−DCコンバータにおいて、前記第2のスイッチのソースと第3のスイッチのソース間に、1個又は複数個のインダクタンス素子を接続したことを特徴とする。
【0042】
また、前記同期整流型DC−DCコンバータにおいて、前記第2のスイッチのソースと第3のスイッチのソース間に、1個又は複数個のインダクタンス素子を接続したことを特徴とする。
【0043】
また、前記同期整流型DC−DCコンバータにおいて、前記異常時動作停止回路は、バイポーラ型トランジスタと、そのバイアス回路を有し、前記第3のスイッチの制御電極をトランスの補助巻線の一端に接続し、その接続途中と一方の出力端子間に、複数の抵抗と逆流防止用ダイオードを直列接続して前記バイアス回路を構成し、前記出力側からの逆電流により、前記バイアス回路に電流を流すことで、前記バイポーラ型トランジスタをオンに駆動した際、該オンとなったトランジスタのエミッタ・コレクタ間電圧により第2のスイッチをオフにすると共に、ベース・エミッタ間電圧により、第3のスイッチをオフにする機能を備えていることを特徴とする。
【0044】
(作用)
前記構成に基づく本発明の作用を説明する。
【0045】
図1において、例えば、DC−DCコンバータ(DC−DC1)が正常動作している途中で故障が発生し、発振停止(例えば、DC−DC1が異常)になり、トランジスタM1がオン/オフ動作を停止したとする。この時、トランスT1の2次巻線N2及び補助巻線N3の誘起電圧VN2、VN3は全て消滅する。
【0046】
この時、他の正常なDC−DCコンバータ(例えば、DC−DC2、又はDC−DC3が正常とする)から出力端子Voutを介して、故障中のDC−DCコンバータ(DC−DC1)に電圧が印加し、電流が回り込む。
【0047】
そして、故障中のDC−DCコンバータ(DC−DC1)では、+側の出力端子(+Vout)→R1→Q1のベース→Q1のエミッタ→L1→−側の出力端子(−Vout)の経路で電流が流れ、異常時動作停止回路のトランジスタQ1がオンになる。従って、トランジスタQ1のコレクタ電位は低下し、トランジスタM2のゲートとソース間を略短絡状態にする。このためトランジスタM2はオフとなる。
【0048】
また、この時、R1→D2→R2→C12の経路で電流が流れるが、トランジスタQ1がオンになり、P点の電位(Va)は、トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧と略等しくなり、極めて低い電位となるので、トランジスタM3のゲート電圧も極めて低い電位に保持され、該トランジスタM3もオフとなる。
【0049】
このように、DC−DCコンバータが故障により発振停止になると、他の正常なDC−DCコンバータから電流が流れ込むが、故障中のDC−DCコンバータでは、異常時動作停止回路の動作により、同期整流用の2つのトランジスタM2、M3が共にオフとなり、電流を流さないので、他の正常なDC−DCコンバータから異常になったDC−DCコンバータに大電流が流れ込むことはない。従って、同期整流用のトランジスタ等が破損することが防止できる。
【0050】
上述の作用は、DC−DCコンバータDC−DC2、DC−DV3の代わりにバッテリがDC−DCコンバータDC−DC1に接続され、無停電電源を構成した場合も同様である。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0052】
§1:同期整流型DC−DCコンバータの構成の説明
図1は同期整流型DC−DCコンバータを示した図であり、図2は図1の回路の一部拡大図である。以下、図1、2に基づいて、同期整流型DC−DCコンバータの構成を説明する。
【0053】
この例は、複数(この例では3つ)の同期整流型DC−DCコンバータ(以下、単に「DC−DCコンバータ」とも記す)DC−DC1、DC−DC2、DC−DC3を負荷2に対して並列接続した例であり、図1では、DC−DC1のみ詳細な回路構成を図示してあるが、他のDC−DCコンバータも同じ回路構成のものを使用する。従って、以降の説明では、DC−DC1の回路構成について説明する。
【0054】
図1、図2において、T1はトランス、N1はトランスT1の1次巻線、N2はトランスT1の2次巻線、N3はトランスT1の補助巻線(又は3次巻線)、C1は入力側の平滑用コンデンサ、M1は主スイッチを構成するNチャンネルMOS−FET(NチャンネルMOS型電界効果トランジスタ:以下、単に「トランジスタ」と記す)、Vinは入力電圧、GNDは接地電位を示す。
【0055】
また、M2、M3は同期整流用のNチャンネルMOS−FET(NチャンネルMOS型電界効果トランジスタ:以下、単に「トランジスタ」と記す)、Q1はバイポーラ型トランジスタ(以下、単に「トランジスタ」と記す)、C11はトランジスタM2のゲート・ソース間容量(以下、単に「コンデンサC11」と記す)、C12はトランジスタM3のゲート・ソース間容量(以下、単に「コンデンサC12」と記す)、D2、D3は逆流防止用のダイオード、d11はトランジスタM2の内蔵ダイオード(又は寄生ダイオードであり、以下、単に「ダイオード」と記す)、d12はトランジスタM3の内蔵ダイオード(又は寄生ダイオードであり、以下、単に「ダイオード」と記す)、R1、R2、R3、R4は抵抗、C2は出力側のコンデンサ、L1はチョークコイルを示す。
【0056】
また、VN1はトランスT1の1次巻線N1に誘起する電圧、VN2はトランスT1の2次巻線N2に誘起する電圧、VN3は補助巻線N3に誘起する電圧を示す。
【0057】
このDC−DCコンバータでは、入力端子(電圧Vinが印加する端子)とGND間に平滑用のコンデンサC1を接続し、更に、前記入力端子にトランスT1を接続する。そして、前記トランスT1には、1次巻線N1と、2次巻線N2と、補助巻線N3を設けると共に、トランスT1の1次巻線N1には、主スイッチングトランジスタM1(主スイッチ)を直列接続する。
【0058】
また、トランスT1の2次巻線には、チョークコイルL1、平滑用のコンデンサC2、トランジスタM2、M3、抵抗R1、R2、R3、ダイオードD2等を含む回路が接続されている。なお、抵抗R1、R2、逆流防止用のダイオードD2からなる直列回路は、トランジスタQ1のバイアス回路を構成している。
【0059】
更に、トランスT1の補助巻線N3には、逆流防止用のダイオードD3と抵抗R4の並列回路を接続している。そして、補助巻線N3の一端は、トランジスタM3のゲート及び前記バイアス回路の抵抗R2の一端に接続すると共に、補助巻線N3の他端は、前記並列回路を介してトランジスタM3のソースに接続している。
【0060】
また、前記トランジスタM2のソースとトランジスタM3のソース間に、インダクタンス素子L2又はL3(何れか一方の素子)を接続するか、或いはインダクタンス素子L2及びL3(2つのインダンタンス素子)を接続する。この場合、前記2つのインダクタンス素子は、例えば、トランジスタM2のソースとトランジスタQ1のエミッタ間にインダクタンス素子L2を接続し、トランジスタQ1のエミッタとトランジスタM3のソース間にインダクタンス素子L3を接続する。
【0061】
§2:正常動作時の説明
図3は図1、図2の回路の正常動作時の各部波形図であり、▲1▼図は1次巻線N1の誘起電圧VN1、2次巻線N2の誘起電圧VN2、補助巻線N3の誘起電圧VN3の各波形図(図1、2の図示矢印方向を基準としている)、▲2▼図はトランジスタM2のゲート・ソース間電圧(M2 Vgs)、▲3▼図はトランジスタM3のゲート・ソース間電圧(M3 Vgs)、▲4▼図はトランジスタM3のドレイン・ソース間電圧(M2 Vds)、▲5▼図はトランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧(Q1 Vbe=Va)を示す。以下、図1、図2に示したDC−DCコンバータの動作を説明する。
【0062】
入力端子に直流入力電圧+Vinを印加すると、この入力電圧+Vinにより、DC−DCコンバータが動作を開始し、制御回路(図示省略)によりトランジスタM1がオン/オフ動作を繰り返す。このため、トランスT1の1次巻線N1には間欠的に電流が流れ、トランスT1の巻線を励磁し、トランスT1の2次巻線N2、及び補助巻線N3に誘起電圧が発生する。
【0063】
このようにして、主スイッチングトランジスタM1は制御回路によりオン/オフ駆動され、それに伴い、主スイッチングトランジスタM1がオンになった時、トランスT1の1次巻線N1に励磁電流が流れ、主スイッチングトランジスタM1がオフになると、1次巻線N1に流れる電流が遮断される。以降、このような主スイッチングトランジスタM1のオン/オフ動作を繰り返す。
【0064】
このため、トランスT1の2次側に接続された整流平滑回路では同期整流動作が行われ、その時の電流はチョークコイルL1で平滑化されコンデンサC2を充電する。詳細な動作は次の通りである。
【0065】
主スイッチングトランジスタM1がオンとなり、トランスT1の2次巻線N2に図示矢印と逆方向の電圧VN2が誘起すると(図3の▲1▼図参照)、この電圧VN2により、N2→R3→C11→d11→N2の経路で電流が流れ、コンデンサC11が充電される。このため、トランジスタM2のゲート・ソース間電圧(M2 Vgs)が大きくなり(図3の▲2▼図参照)、トランジスタM2がオンとなる。
【0066】
この時、トランスT1の補助巻線N3には、図示矢印と逆極性の電圧VN3が発生し、この電圧VN3により、N3→R4→C12→N3の経路で電流が流れC12を充電するのでトランジスタM3のゲート・ソース間電圧(M3 Vgs)は低下し、該トランジスタM3はオフとなる(図3の▲3▼図参照)。
【0067】
この場合、先ず、N2→C2→L1→d11→N2の経路で電流が流れ、トランジスタM2が完全にオンすると、N2→C2→L1→M2→N2の経路で電流が流れ、コンデンサC2を充電する。この時、N2→R1→D2→R2→N3→R4→M2→N2の経路、及びN2→R1→Q1のベース→Q1のエミッタ→M2→N2の経路で電流が流れるが、トランジスタQ1がオフになるように、P点の電位Vaを設定(R1、R2等の定数を設定)してあるので、トランジスタQ1はオフである。
【0068】
次に、主スイッチングトランジスタM1がオフとなると、2次巻線N2及び補助巻線N3の誘起電圧の極性が逆(図示矢印方向)になる。そのため、トランジスタM2のゲート側の電位が低くなり、M1がオンの期間にC11に充電していた電荷が放電され、トランジスタM2がオフになる(図3の▲2▼図参照)。
【0069】
一方、補助巻線N3の誘起電圧の極性が図示矢印方向になると、ダイオードD2はオフ、ダイオードD3がオンになり、N3→C12→D3→N3の経路で電流が流れ、コンデンサC12を充電することにより、トランジスタM3のゲート電圧が上昇し、トランジスタM3がオンになる(図3の▲3▼図参照)。
【0070】
この時、先ず、チョークコイルL1の電磁エネルギーにより、L1→d12→C2→L1の経路で電流が流れ、その後、M3が完全にオンになると、L1→M3→C2→L1の経路で電流が流れ、コンデンサC2を充電する。また、トランジスタM3がオンになると、トランジスタM3のドレイン・ソース間電圧Vdsは略0となる(図3の▲4▼図参照)。そのため、P点の電位も極めて低く(略0V)なり、トランジスタQ1のベース・エミッタ電圧が略0となって(図3の▲5▼図参照)、トランジスタQ1はオフとなる。以降、トランジスタM1のオン/オフ動作により、前記の動作を繰り返す。
【0071】
§3:異常動作時の説明
図4は、図1、図2の回路の異常時の各部波形図であり、前記複数のDC−DCコンバータを並列接続した回路(図1参照)において、何れかのDC−DCコンバータが、発振停止のような異常事態になった時の波形図である。
【0072】
DC−DCコンバータ(例えば、DC−DC1)が正常動作している途中で故障が発生し、発振停止(例えば、DC−DC1が異常)になり、トランジスタM1が動作を停止したとする。この時、トランスT1の2次巻線N2及び補助巻線N3の誘起電圧は全て消滅する(図4の▲1▼図参照)。
【0073】
この時、他の正常なDC−DCコンバータ(例えば、DC−DC2、及びDC−DC3が正常とする)から出力端子Voutを介して、故障中のDC−DCコンバータ(DC−DC1)に電流が供給される。
【0074】
そして、故障中のDC−DCコンバータ(DC−DC1)では、+側の出力端子(+Vout)→R1→Q1のベース→Q1のエミッタ→L1→−側の出力端子(−Vout)の経路で電流が流れ、P点の電位が上昇し、トランジスタQ1がオン(図4の▲2▼図参照)になる。従って、トランジスタQ1のコレクタ電位は低下し、トランジスタM2のゲートとソース間を略短絡状態にする。このためトランジスタM2はオフ(図4の▲3▼図参照)となる。
【0075】
また、この時、R1→D2→R2→C12の経路で電流が流れるが、トランジスタQ1がオンになり、P点の電位(Va)は、トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧(図4の▲4▼図参照)と略等しくなり、極めて低い電位となるので、トランジスタM3のゲート電圧も極めて低い電位に保持され、該トランジスタM3もオフ(図4の▲4▼図参照)となる。
【0076】
このように、DC−DCコンバータが故障により発振停止になると、他の正常なDC−DCコンバータから電流が流れ込むが、故障中のDC−DCコンバータでは、同期整流用の2つのトランジスタM2、M3が共にオフとなり、電流を流さないので、過大な電流による素子破壊等の異常事態を防止できる。
【0077】
また、従来の同期整流回路では、トランジスタM2とM3を交互にオン/オフし整流するものであるが、動作遅延等によってトランジスタM3がオフする前に、主スイッチングトランジスタM1がオンする状態になると、オン状態のトランジスタM3とトランジスタM2の内蔵ダイオードd11によりトランスT1の2次巻線N2は短絡された状態となり、トランジスタM3に大きな電流が流れると共に、トランジスタM2にも大きな電流が流れ、過大電流により損失増加やノイズが大きくなることがある。
【0078】
しかし、図1、図2に示した回路では、前記のように、トランジスタM2のソースとトランジスタM3のソース間に、インダクタンス素子L2又はL3(何れか一方の素子)を接続するか、或いはインダクタンス素子L2及びL3(2つのインダンタンス素子)を接続している。
【0079】
このため、前記のようにトランジスタM3がオフする前に、主スイッチングトランジスタM1がオンする状態になると、オン状態のトランジスタM3とトランジスタM2のダイオードd11によりトランスT1の2次巻線N2は短絡された状態となり、トランジスタM2、M3に大きな電流が流れようとするが、この時、前記電流の流れ始めはインダクタンス素子(L2、L3)のインピーダンス値が極めて大きいため、該インダクタンス素子(L2、L3)により前記電流は制限され大きな電流は流れない。従って、従来のように過大電流により損失増加やノイズが大きくなることを防止できる。
【0080】
なお、図1、2に示したDC−DCコンバータは、複数のDC−DCコンバータを並列接続した場合の例であるが、本発明はこのような例に限らず、1つのDC−DCコンバータの出力端にバッテリを接続し無停電電源を構成した場合でも出力側からの逆電流の回り込みによる問題を防止できる。
【0081】
また、本発明のDC−DCコンバータは、単体でも使用可能である。すなわち、多数のDC−DCコンバータを並列接続した場合には、前記のような機能を備えているが、これを1つのDC−DCコンバータだけで使用することも可能である。
【0082】
この場合、前記トランジスタQ1は、トランジスタM2、M3のオン/オフ動作に対し、何ら悪影響を与えないので、前記のように、単体のDC−DCコンバータで使用しても正常動作が可能である。
【0083】
このように、DC−DCコンバータを複数並列接続して使用する場合と、単体のDC−DCコンバータとして使用する場合を、同じDC−DCコンバータで実現できるようにしたので、用途が増えると共に、製品の付加価値を向上することができる。
【0084】
§4:DC−DCコンバータの他の例の説明
図5は、同期整流型DC−DCコンバータの他の例を示す。なお、図5に示すDC−DCコンバータは、図1に示した各DC−DCコンバータの他の例であり、前記のように、複数のDC−DCコンバータを並列運転する場合に用いることができる。
【0085】
図5において、D1、D2、D3は逆流防止用のダイオード、D4はP点の電位が負の大きな電圧になろうとしたとき、その電圧をクランプするための保護用のダイオード、D5は保護用のダイオードである。また、M4はNチャンネルMOS−FET(NチャンネルMOS型電界効果トランジスタ:以下、単に「トランジスタ」と記す)、Z0、Z1、Z2はそれぞれインピーダンス素子である。
【0086】
また、T1、N1、N2、N3、M1、M2、M3、C1、C2、C11、C12、R1、R2、R4、D2、D3、Q1、d11、d12及び記号等は、それぞれ、図1、図2のDC−DCコンバータと同じなので説明は省略する。
【0087】
以下、図5に示したDC−DCコンバータの動作を説明する。入力端子に直流入力電圧+Vinを印加すると、この入力電圧+Vinにより、DC−DCコンバータが動作を開始し、制御回路(図示省略)によりトランジスタM1がオン/オフ動作を繰り返す(発振動作)。このため、トランスT1の1次巻線N1には間欠的に電流が流れ、トランスT1の巻線を励磁し、トランスT1の2次巻線N2、及び補助巻線N3に誘起電圧が発生する。
【0088】
このようにして、主スイッチングトランジスタM1は制御回路によりオン/オフ駆動され、それに伴い、主スイッチングトランジスタM1がオンになった時、トランスT1の1次巻線N1に励磁電流が流れ、主スイッチングトランジスタM1がオフになると、1次巻線N1に流れる電流が遮断される。以降、このような主スイッチングトランジスタM1のオン/オフ動作を繰り返す。
【0089】
このため、トランスT1の2次側に接続された整流平滑回路では同期整流動作が行われ、その時の電流はチョークコイルL1で平滑化されコンデンサC2を充電する。詳細な動作は次の通りである。
【0090】
主スイッチングトランジスタM1がオンとなり、トランスT1の2次巻線N2に図示矢印と逆方向の電圧VN2が誘起すると、この電圧VN2により、N2→Z0→C11→d11→N2の経路で電流が流れ、コンデンサC11が充電される。このため、トランジスタM2のゲート電圧が上昇し、トランジスタM2がオンとなる。
【0091】
この時、トランスT1の補助巻線N3には、図示矢印と逆極性の電圧VN3が発生するので、この電圧VN3により、最初は、N3→R4→C12→Z2→Z1→N3の経路で電流が流れC12を充電する。また、同時に、1次巻線N2の電圧VN2が、インピーダンス素子Z0を介してトランジスタM4のゲートに印加するので、トランジスタM4はオンとなる。そのため、N3→M4→C12→Z2→Z1→N3の経路で電流が流れ、C12を充電するのでトランジスタM3をオフにする。
【0092】
この場合、前記トランジスタM4は、主スイッチM1がオンになり、2次巻線N2に電圧が誘起すると直ぐにオンとなり、このトランジスタM4を介してトランジスタM3をオフにするための電流が流れるので、M2、M3のオン/オフの切り替えが素早くできる。
【0093】
このようにして、トランジスタM2がオンすることにより、N2→C2→L1→M2→N2の経路で電流が流れ、コンデンサC2を充電する。この場合、先ず、N2→C2→L1→d11→N2の経路で電流が流れ、トランジスタM2が完全にオンすると、N2→C2→L1→M2→N2の経路で電流が流れ、コンデンサC2を充電する。
【0094】
この時、N2→R1→D2→R2→Z1→N3→M4→M2→N2の経路、及びN2→R1→Q1のベース→Q1のエミッタ→M2→N2の経路で電流が流れるが、トランジスタQ1がオフになるように、P点の電位Vaを設定(R1、R2、R4等の定数を設定)してあるので、トランジスタQ1はオフである。
【0095】
次に、主スイッチングトランジスタM1がオフになると、2次巻線N2及び補助巻線N3の誘起電圧の極性が逆(図示矢印の方向)になる。そのため、トランジスタM2のゲート側の電位が低くなり、M1がオンの期間にC11に充電していた電荷が放電され、トランジスタM2がオフになる。
【0096】
一方、補助巻線N3の誘起電圧の極性が図示矢印方向になると、ダイオードD2はオフ、トランジスタM4はオフ、ダイオードD3がオンになり、N3→Z1→Z2→C12→D3→N3の経路で電流が流れ、コンデンサC12を充電することにより、トランジスタM3のゲート電圧が上昇し、トランジスタM3がオンになる。
【0097】
この時、チョークコイルL1の電磁エネルギーにより、最初は、L1→d12→C2→L1の経路で電流が流れ、その後、トランジスタM3が完全にオンになると、L1→M3→C2→L1の経路で電流が流れ、コンデンサC2を充電する。また、トランジスタM3がオンになるので、トランジスタM3のドレイン・ソース間電圧Vdsは略0となる。
【0098】
そのため、P点の電位も極めて低く(略0V)なり、トランジスタQ1のベース・エミッタ電圧が略0となって、トランジスタQ1はオフのままである。以降、トランジスタM1のオン/オフ動作により、前記の動作を繰り返す。
【0099】
前記DC−DCコンバータを負荷に対して複数並列接続して正常運転している時、何れかのDC−DCコンバータ(例えば、図5のDC−DCコンバータ)が故障して発振停止になり、トランジスタM1が動作を停止したとする。この時、トランスT1の2次巻線N2及び3次巻線N3の誘起電圧は全て消滅する。
【0100】
そして、他の正常なDC−DCコンバータから出力端子を介して、故障中のDC−DCコンバータ(DC−DC1)に電流が供給される。この時、故障中のDC−DCコンバータ(DC−DC1)では、+側の出力端子(+Vout)→R1→Q1のベース→Q1のエミッタ→L1→−側の出力端子(−Vout)の経路で電流が流れ、トランジスタQ1がオンになる。従って、トランジスタQ1のコレクタ電位は低下し、トランジスタM2のゲートとソース間を略短絡状態にする。このためトランジスタM2はオフとなる。
【0101】
また、この時、R1→D2→R2→Z2→C12の経路で電流が流れるが、トランジスタQ1がオンになり、P点の電位(Va)は、トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧と略等しくなり、極めて低い電位となるので、トランジスタM3のゲート電圧も極めて低い電位に保持され、該トランジスタM3もオフとなる。
【0102】
このように、DC−DCコンバータが故障により発振停止になると、他の正常なDC−DCコンバータから電流が流れ込むが、故障中のDC−DCコンバータでは、同期整流用の2つのトランジスタM2、M3が共にオフとなり、電流を流さないので、過大な電流により素子破壊等の異常事態になることを防止できる。
【0103】
§5:図6に示したDC−DCコンバータのインピーダンス素子の例
図6は、図5の回路におけるインピーダンス素子の例である。図5に示したDC−DCコンバータのインピーダンス素子Z0、Z1、Z2は、それぞれ図6のように変形しても実施可能である。
【0104】
前記インピーダンス素子Z0は、抵抗のみ、コンデンサのみ、抵抗とコンデンサの直列回路、抵抗とコンデンサの並列回路、抵抗とコンデンサの直列回路を構成する前記抵抗に対し、コンデンサ側がアノードとなるような向きにダイオードを並列接続した回路、抵抗とコンデンサの直列回路を構成する前記抵抗に対し、コンデンサ側がカソードとなる向きにダイオードを並列接続した回路等が使用可能である。
【0105】
前記インピーダンスZ1は、抵抗のみ、コンデンサのみ、抵抗とコンデンサの直列回路、抵抗とコンデンサの並列回路、抵抗とコンデンサの直列回路を構成する前記抵抗に対し、コンデンサ側がアノードとなるような向きにダイオードを並列接続した回路、抵抗とコンデンサの直列回路を構成する前記抵抗に対し、コンデンサ側がカソードとなる向きにダイオードを並列接続した回路、何も素子を用いずにZ1の両端を短絡等が使用可能である。
【0106】
前記インピーダンスZ2は、抵抗のみ、コンデンサのみ、抵抗とコンデンサの直列回路、抵抗とコンデンサの並列回路、抵抗とコンデンサの直列回路を構成する前記抵抗に対し、コンデンサ側がアノードとなるような向きにダイオードを並列接続した回路、抵抗とコンデンサの直列回路を構成する前記抵抗に対し、コンデンサ側がカソードとなる向きにダイオードを並列接続した回路、何も素子を用いずにZ1の両端を短絡等が使用可能である。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
【0108】
本発明によれば、負荷に対し、複数の同期整流型DC−DCコンバータを並列接続した状態で運転した場合、何れかのDC−DCコンバータが故障等により発振停止になると、他の正常なDC−DCコンバータから電流が流れ込むが、故障中のDC−DCコンバータでは、異常時動作停止回路の動作により、同期整流用の2つのトランジスタが共にオフとなり、電流を流さないので、他の正常なDC−DCコンバータから異常になったDC−DCコンバータに大電流が流れ込むことはない。従って、同期整流用のトランジスタ等の破損を確実に防止できる。この効果は、DC−DCコンバータの出力端にバッテリを接続し、無停電電源を構成した場合にも同様に得ることができる。
【0109】
また、本発明のDC−DCコンバータは、複数並列接続して使用する場合と、単体のDC−DCコンバータとして使用する場合を、同じDC−DCコンバータで実現できるようにしたので、用途が増えると共に、製品の付加価値を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における同期整流型DC−DCコンバータを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における図1の回路の一部拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態における図1、図2の回路の正常動作時の各部波形図である。
【図4】本発明の実施の形態における図1、図2の回路の異常時の各部波形図である。
【図5】本発明の実施の形態における同期整流型DC−DCコンバータの他の例である。
【図6】本発明の実施の形態における図5の回路におけるインピーダンス素子の例である。
【図7】従来の同期整流型DC−DCコンバータを示す図である。
【図8】複数のDC−DCコンバータを並列接続した従来の回路例であり、(a)図は回路構成図、(b)図は(a)図に示した回路の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2 負荷
1a、1b、1c、DC−DC1、DC−DC2、DC−DC3 同期整流型DC−DCコンバータ
T1 トランス
Tr スイッチングトランジスタ
L1 チョークコイル
Rs、Rf 抵抗
M1、M2、M2、M4 NチャンネルのMOS−FET(電界効果型トランジスタ)
d11、d12 内蔵ダイオード(又は寄生ダイオード)
C1、C2 平滑用コンデンサ
VT 電圧
N1 1次巻線
N2 2次巻線
N3 補助巻線
VN1 1次巻線N1の誘起電圧
VN2 2次巻線N2の誘起電圧
VN3 補助巻線N3の誘起電圧
Q1 バイポーラ型トランジスタ
R1、R2、R3、R4 抵抗
D1、D2、D3、D4、D5 ダイオード
Va P点の電圧(又は電位)
gs ゲート・ソース間電圧
ds ドレイン・ソース間電圧
be ベース・エミッタ間電圧
L2、L3 インダクタンス素子

Claims (5)

  1. 1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、
    前記1次巻線に直列接続され、制御回路によりオン/オフ駆動される主スイッチと、
    前記2次巻線に直列接続された整流用の第2のスイッチと、
    前記2次巻線に並列接続され、前記補助巻線の電圧により駆動される転流用の第3のスイッチを備えた同期整流型DC−DCコンバータを負荷に対して複数並列接続し、各DC−DCコンバータから前記負荷に対し電力を供給する同期整流型DC−DCコンバータにおいて、
    いずれかのDC−DCコンバータが発振動作を停止している状態で、他のDC−DCコンバータからの電流供給により、発振動作を停止しているDC−DCコンバータの前記第2のスイッチ及び第3のスイッチをオフにする異常時動作停止回路を備え、
    前記異常時動作停止回路は、バイポーラ型トランジスタと、そのバイアス回路を有し、前記第3のスイッチの制御電極をトランスの補助巻線の一端に接続し、その接続途中と一方の出力端子間に、複数の抵抗と逆流防止用ダイオードを直列接続して前記バイアス回路を構成し、
    前記発振動作を停止しているDC−DCコンバータに対し、他の正常なDC−DCコンバータからの電流供給により、前記バイポーラ型トランジスタをオンにして、該オンとなったトランジスタのエミッタ・コレクタ間電圧により第2のスイッチをオフにすると共に、ベース・エミッタ間電圧により、第3のスイッチをオフにする機能を備えていることを特徴とする同期整流型DC−DCコンバータ。
  2. 1次巻線、2次巻線、及び補助巻線を有するトランスと、
    前記1次巻線に直列接続され、制御回路によりオン/オフ駆動される主スイッチと、
    前記2次巻線に直列接続された整流用の第2のスイッチと、
    前記2次巻線に並列接続され、前記補助巻線の電圧により駆動される転流用の第3のスイッチを備えた同期整流型DC−DCコンバータにおいて、
    該DC−DCコンバータが、発振動作を停止している状態で、出力側からの逆電流により、前記第2のスイッチ及び第3のスイッチをオフにする異常時動作停止回路を備え、
    前記異常時動作停止回路は、バイポーラ型トランジスタと、そのバイアス回路を有し、前記第3のスイッチの制御電極をトランスの補助巻線の一端に接続し、その接続途中と一方の出力端子間に、複数の抵抗と逆流防止用ダイオードを直列接続して前記バイアス回路を構成し、
    前記出力側からの逆電流により、前記バイアス回路に電流を流すことで、前記バイポーラ型トランジスタをオンに駆動した際、該オンとなったトランジスタのエミッタ・コレクタ間電圧により第2のスイッチをオフにすると共に、ベース・エミッタ間電圧により、第3のスイッチをオフにする機能を備えていることを特徴とする同期整流型DC−DCコンバータ。
  3. 前記第2のスイッチ及び第3のスイッチは、MOS型電界効果トランジスタ(MOS−FET)で構成し、
    前記バイポーラ型トランジスタのエミッタとコレクタを、それぞれ第2のスイッチのソースとゲートに接続し、
    前記バイポーラ型トランジスタのベースを、前記バイアス回路のダイオードと一部の抵抗を介して第3のスイッチのゲートに接続し、前記バイポーラ型トランジスタのエミッタを、第3のスイッチのソースに接続すると共に、前記第3のスイッチのゲートとソースを、それぞれ、補助巻線の両端に接続したことを特徴とする請求項1記載の同期整流型DC−DCコンバータ。
  4. 前記補助巻線の他端と、第3のスイッチのソース間に、抵抗と、ダイオードと、MOS型電界効果トランジスタ(MOS−FET)で構成された第4のスイッチの並列回路を接続し、
    前記第4のスイッチは、前記主スイッチがオンになった時、2次巻線に発生する電圧でオンに駆動されるように、ゲートが2次巻線の一端側に接続されていることを特徴とする請求項3記載の同期整流型DC−DCコンバータ。
  5. 前記第2のスイッチのソースと第3のスイッチのソース間に、1個又は複数個のインダクタンス素子を接続したことを特徴とする請求項記載の同期整流型DC−DCコンバータ。
JP2002085215A 2002-03-26 2002-03-26 同期整流型dc−dcコンバータ Expired - Fee Related JP3579677B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002085215A JP3579677B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 同期整流型dc−dcコンバータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002085215A JP3579677B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 同期整流型dc−dcコンバータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003284336A JP2003284336A (ja) 2003-10-03
JP3579677B2 true JP3579677B2 (ja) 2004-10-20

Family

ID=29232253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002085215A Expired - Fee Related JP3579677B2 (ja) 2002-03-26 2002-03-26 同期整流型dc−dcコンバータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3579677B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107612342A (zh) * 2017-09-22 2018-01-19 北京机械设备研究所 一种适用于并联的同步整流电路

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100338864C (zh) * 2003-10-20 2007-09-19 艾默生网络能源有限公司 Dc/dc变换器同步整流电路
JP5389505B2 (ja) * 2009-04-02 2014-01-15 株式会社日本自動車部品総合研究所 電力変換システム
JP2015073423A (ja) * 2013-09-06 2015-04-16 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co.,Ltd. 電動車用電力変換システム
US10046646B2 (en) 2013-09-06 2018-08-14 Samsung Sdi Co., Ltd. Power conversion system for electric vehicles
CN105406715B (zh) 2014-09-15 2018-04-27 Tdk株式会社 开关电源装置
CN105490548B (zh) 2014-09-15 2018-07-03 Tdk株式会社 开关电源装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107612342A (zh) * 2017-09-22 2018-01-19 北京机械设备研究所 一种适用于并联的同步整流电路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003284336A (ja) 2003-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3556648B2 (ja) Dc−dcコンバータ及びdc−dcコンバータの制御回路
JP3861220B2 (ja) Dc−dcコンバータ
JP2006288062A (ja) Dc−dcコンバータ、dc−dcコンバータの制御回路、及びdc−dcコンバータの制御方法
US7088602B2 (en) Active gate clamp circuit for self driven synchronous rectifiers
JP3816396B2 (ja) スイッチング電源装置
JP2007185072A (ja) Dc−dcコンバータ
JP2001145344A (ja) Dc−dcコンバータ
JP3579677B2 (ja) 同期整流型dc−dcコンバータ
US10530244B2 (en) Switch circuit with active snubber circuit and DC-DC converter
JP4483867B2 (ja) 電源装置
US6144565A (en) Variation on a single-ended primary inductor converter
US6717784B2 (en) Rush current suppression circuit
JP3118424B2 (ja) 自励式スイッチング電源
US6657872B2 (en) Voltage converter
WO2004019472A1 (ja) 直流変換装置
JP2988405B2 (ja) スイッチング電源回路
JP2015154682A (ja) Dc/dcコンバータ
JP2002305876A (ja) スイッチング電源装置
JPH0412665A (ja) スイッチング電源装置
JP3602079B2 (ja) スイッチング電源回路
JP2001037214A (ja) 電源回路
JP2004222394A (ja) 昇圧回路
JP3373194B2 (ja) スイッチング電源装置
JP4234915B2 (ja) 同期整流型dc−dcコンバータ
JPH10233661A (ja) レベルシフト回路

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees