JP3578998B2 - 光記録装置の制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交換可能な光記録媒体を記録媒体として用いるとともに、データ記録時には、記録パルスのパルス幅を、記録変調時のパルス幅から補正した状態でデータ記録動作を行う光記録装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ディスクなどの交換可能なディスク状光記録媒体(以下、光ディスクという)を記録媒体として用いる光ディスク装置では、高密度にデータ記録する方法として、マークエッジ記録方法(マーク長記録方法)が用いられている。
【0003】
このマークエッジ記録方法では、例えば、図13(a)〜(c)に示すように、記録データを(1,7,2,3)RLLの変調規則で変調した後に、その変調後の記録データにNRZI変調方法を適用して記録信号(記録パルス)を形成し、その記録信号によって光ピックアップ装置の半導体レーザ素子を駆動することで、記録信号に対応した記録マークを光ディスクに形成し、それによって、データを記録している。
【0004】
また、記録マークを再生して得た再生信号(図13(d)参照)、所定の閾値TLで二値化処理して、二値化パルス(同図(e)参照)に変換し、この二値化パルスのエッジ位置に基づいて記録データを再生するようにしている。
【0005】
ところで、光ディスク装置に装着される光ディスクは、例えば、メーカによってその材質などが異なるために、(例えば、規格上の)許容範囲内で熱伝導率がある程度ばらつく。また、同一メーカの同一種類の光ディスクでも、個体によってある程度熱伝導率がばらつく。
【0006】
このようにして、光ディスクの熱伝導率がばらついているため、次のような不都合を生じる。
【0007】
すなわち、図14(a)に示したように、半導体レーザ素子にあるパルス幅の記録パルスを印可したときに、熱伝導率が小さい光ディスクには、同図(b)に示したような記録マークMKaが形成され、また、熱伝導率が大きい光ディスクには、同図(c)に示したように、記録マークMKbが形成される。
【0008】
ここで、熱伝導率が大きい場合には、レーザビームのスポットにより加熱される範囲が熱伝導率が小さい場合に比べて大きくなるために、記録マークMKaの長さLAよりも記録マークMKbの長さLBが長くなるという事態を生じ、そのために、データ再生時にマークエッジを適切に検出できずにデータエラーが発生することがあった。
【0009】
そこで、このような不都合を解消するために、例えば、図15(a)〜(c)に示したように、記録パルスのパルス幅を短縮した補正記録パルスを形成し、この補正された記録パルスを用いてデータ記録を行うようにして、記録マークの長さを適切な値にするようにしたものが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来装置では、特定の種類の光ディスクについては、記録マークの長さを理論値に近づけることができるが、光ディスクの種類によっては、データ誤りを解消できないという問題がある。
【0011】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、光ディスクの状態にかかわらずデータ記録時に記録マークの長さを理論値にすることができる光記録装置の制御方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、交換可能な光記録媒体を記録媒体として用いるとともに、データ記録時には、記録パルスのパルス幅を、記録変調時のパルス幅から補正した状態でデータ記録動作を行う光記録装置の制御方法において、記録パルスの補正値を所定の初期値に設定する初期設定処理と、光記録媒体の所定領域に記録マークの長さが短い第1の記録パターンと、記録マークの長さが長い第2の記録パターンをそれぞれ記録し、上記第1の記録パターンと上記第2の記録パターンをそれぞれ再生して、上記第1の記録パターンの再生信号の振幅に対応した第1の振幅値と上記第2の記録パターンの再生信号の振幅に対応した第2の振幅値をおのおの検出するとともに、上記第1の記録パターンの再生信号のエンベロープの中点に対応した第1の中点値と上記第2の記録パターンの再生信号のエンベロープの中点に対応した第2の中点値をおのおの検出する振幅中点値検査処理と、この振幅中点値検査処理によって得た上記第1の振幅値を上記第2の振幅値で除算して得た商の値が、所定値以上になっていることを判定する振幅値比率判定処理と、上記振幅中点値検査処理によって得た上記第1の中点値を上記第2の中点値から減算して得た差の絶対値が、所定値以下になっていることを判定する中点値差分判定処理と、上記振幅値比率判定処理で上記商の値が所定値以上になっていないと判定され、かつ、上記中点値差分判定処理で上記差の絶対値が所定値以下になっていないと判定されたとき、上記差の符号に基づいて上記記録パルスの補正値を再設定した後に、上記振幅値検査処理を繰り返し実行する制御処理からなるものである。
また、前記初期設定処理から開始される一連の処理は、装置に電源が投入された直後に実行されるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施例にかかる光磁気ディスク装置の要部構成を示している。なお、同図では、本発明に直接関係しない部分(例えば、磁気ヘッド機構など)については、省略している。
【0017】
同図において、スピンドルモータ1の回転軸2に固設されたターンテーブル3には、光磁気ディスク4が着脱自在に取り付けられており、この光磁気ディスク4の記録面には、光ピックアップ装置5により、データが記録/再生/消去される。また、光ピックアップ装置5には、光磁気ディスク4の半径方向に移動するためのシーク機構6が付設されている。
【0018】
また、光磁気ディスク4は、ディスクカートリッジ(図示略)に収容された状態で取り扱われる。また、この光磁気ディスク装置には、ディスクカートリッジおよび光磁気ディスク4を所定位置に配置するとともに排出するためのローディング機構(図示略)が設けられている。また、光ピックアップ装置5には、レーザビームを発生する半導体レーザ素子などの周知の光源光学系、レーザビームを光磁気ディスク4の記録面に集束するための周知の対物レンズ系、光磁気ディスク4からの反射光を受光して各種の信号を形成するための周知の検出光学系などが設けられている。また、対物レンズ系には、対物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向に移動するための周知の対物レンズ移動機構が付設されている。
【0019】
また、図2(a)に示すように、光磁気ディスク4の記録領域には、所定位置に、データ記録条件を検査するためなどに用いることができる検査領域CKzが設けられている。
【0020】
また、光磁気ディスク4の記録面には、所定間隔で記録トラックが多数形成されており、おのおのの記録トラックには、図2(b)に示したように、所定数mのセクタが形成されている。また、おのおののセクタは、同図(c)に示したように、そのセクタを識別するためのセクタアドレスや、データ記録状態などをあらわすフラグデータが記録されるヘッダ領域HDAと、ユーザデータを記録可能なユーザデータ領域UDAから構成されている。
【0021】
さて、本実施例では、次のようにして、データ記録時の記録パルスのパルス幅の補正値を決定する。
【0022】
例えば、記録データを(1,7,2,3)RLLの変調規則で変調した後に、その変調後の記録データにNRZI変調方法を適用して記録パルス(NRZIコードデータ)を形成し、その記録信号に対応した記録マークを光ディスクに記録する場合、記録マークの最短繰り返しパターンと、最長繰り返しパターンの2種類のパターンを記録し、これらのパターンの再生信号に基づいて、光磁気ディスク4にデータ記録するときの記録パルスのパルス幅の最適な補正値を判断するようにしている。
【0023】
この(1,7,2,3)RLL変調規則における最短繰り返しパターンは、「010101・・・」であり、最長繰り返しパターンは、「010000000100000001・・・・」である。
【0024】
ここで、図3(a)〜(e)に示したように、補正後の記録パルス(以下、これをライトパルスという)が適切なパルス幅の状態で、最短繰り返しパターンを記録して対応する記録マークを光磁気ディスク4に形成したとき、その再生信号の振幅をVA1とし、再生信号のエンベロープの中点(振幅の中間値)をCA1とする。
【0025】
また、図4(a)〜(e)に示したように、補正後のライトパルスが適切なパルス幅の状態で、最長繰り返しパターンを記録して対応する記録マークを光磁気ディスク4に形成したとき、その再生信号の振幅をVB1とし、再生信号のエンベロープの中点をCB1とする。
【0026】
また、図5(a)〜(e)に示したように、ライトパルスの補正が過小なパルス幅の状態で、最短繰り返しパターンを記録して対応する記録マークを光磁気ディスク4に形成したとき、その再生信号の振幅をVA2とし、再生信号のエンベロープの中点をCA2とする。
【0027】
また、図6(a)〜(e)に示したように、ライトパルスの補正が過小なパルス幅の状態で、最長繰り返しパターンを記録して対応する記録マークを光磁気ディスク4に形成したとき、その再生信号の振幅をVB2とし、再生信号のエンベロープの中点をCB2とする。
【0028】
また、図7(a)〜(e)に示したように、ライトパルスの補正が過大なパルス幅の状態で、最短繰り返しパターンを記録して対応する記録マークを光磁気ディスク4に形成したとき、その再生信号の振幅をVA3とし、再生信号のエンベロープの中点をCA3とする。
【0029】
また、図8(a)〜(e)に示したように、ライトパルスの補正が過大なパルス幅の状態で、最長繰り返しパターンを記録して対応する記録マークを光磁気ディスク4に形成したとき、その再生信号の振幅をVB3とし、再生信号のエンベロープの中点をCB3とする。
【0030】
そして、(VA1/VB1),(VA2/VB2),(VA3/VB3)を算出して、おのおのの値を比較すると、(VA1/VB1)の値が最も大きい値となる。それとともに、CA1=CB1,CA2<CB2,CA3>CB3の関係が成り立つ。
【0031】
以上のことから、最短繰り返しパターンの再生信号の振幅値を最長繰り返しパターンの再生信号の振幅値で除算して得た商の値が最も大きい値になるように記録パルスのパルス幅の補正量を調整すると、最適なライトパルスを得ることができる。
【0032】
また、最短繰り返しパターンの再生信号のエンベロープの中点と、最長繰り返しパターンの再生信号のエンベロープの中点との差分を算出し、その差分が所定範囲に含まれるように記録パルスのパルス幅の補正量を調整すると、最適なライトパルスを得ることができる。また、その差分の符号が正のときには、過大な補正状態であるので、パルス幅の補正量を減少するとパルス幅の補正量を最適な状態に近づけることができ、一方、差分の符号が負のときには、過小な補正状態であるので、パルス幅の補正量を増大すると、パルス幅の補正量を最適な状態に近づけることができる。
【0033】
図9は、本発明の一実施例にかかる光磁気ディスク装置の制御系の要部を示している。
【0034】
同図において、ホストインタフェース11は、この光磁気ディスク装置を外部記憶装置として用いるホスト装置(図示略)と接続して、ホスト装置と制御部12との間で記録/再生データおよび種々の制御データをやりとりするためのものである。
【0035】
制御部12は、この光磁気ディスク装置の各部の動作制御を実行するとともに、ホスト装置との間でデータのやりとりの制御を実行するためのものである。変調回路13は、制御部12から出力される記録データS1を所定の変調規則(例えば、(1,7,2,3)RLL)で変調するものであり、その出力は、記録パルスS2としてライトパルス補正回路14に加えられている。
【0036】
ライトパルス補正回路14は、制御部12から加えられているパルス幅補正量データSCに基づいて、記録パルスS2のパルス幅を補正するためのものであり、その出力は、ライトパルスS3として半導体レーザ駆動制御部15に加えられる。
【0037】
半導体レーザ駆動制御部15は、ライトパルスS3に対応して変調した記録電流S4を出力するものであり、その記録電流S4は、光ピックアップ装置5の半導体レーザ素子に加えられている。
【0038】
光ピックアップ装置5の検出光学系で検出された各種の受光信号S5は、信号演算部16に加えられている。信号演算部16は、受光信号S5に所定の演算処理を適用して、所定の再生信号S6、トラッキング誤差信号S7、フォーカシング誤差信号S8、および、セクタアドレス信号S9を算出するものであり、再生信号S6は波形等化回路17に加えられ、トラッキング誤差信号S7はトラッキングサーボ制御部18に加えられ、フォーカシング誤差信号S8はフォーカシングサーボ制御部19に加えられ、セクタアドレス信号S9はシーク制御部20に加えられている。
【0039】
トラッキングサーボ制御部18は、光磁気ディスク4の記録トラックにレーザビームを追従するトラッキングサーボ制御を実行するものであり、トラッキング誤差信号S7の値をゼロに近づける方向に、対物レンズ移動機構のトラッキングアクチュエータ21の動作を制御する。また、トラッキングサーボ制御部18は、制御部12との間で、種々の信号をやりとりしている。
【0040】
フォーカシングサーボ制御部19は、光磁気ディスク4の記録トラックにレーザビームの焦点を合わせるフォーカシングサーボ制御を実行するものであり、フォーカシング誤差信号S8の値をゼロに近づける方向に、対物レンズ移動機構のフォーカシングアクチュエータ22の動作を制御する。また、フォーカシングサーボ制御部19は、制御部12との間で、種々の信号をやりとりしている。
【0041】
シーク制御部20は、制御部12から指令された記録トラックに、レーザビームを位置させるためのものであり、セクタアドレス信号S9に基づいて指令された記録トラックとの位置誤差を判定し、その位置誤差をゼロにする方向にシーク機構6のシークモータ23を駆動する。また、シーク制御部20は、シーク動作が完了したことを制御部12に通知する。
【0042】
波形等化回路17は、再生信号S6から波形間干渉などの影響を除去した信号を形成するものであり、その出力は、補正再生信号S10として二値化回路24、および、アナログ/デジタル変換器25に加えられている。
【0043】
二値化回路24は、補正再生信号S10を二値化処理するものであり、その出力は、二値化パルスS11として、データ弁別復調回路27、および、PLL回路28に加えられている。
【0044】
PLL回路28は、二値化パルスS11に位相同期したクロック信号S12を形成するものであり、そのクロック信号S12は、データ弁別復調回路27に加えられている。
【0045】
データ弁別復調回路27は、クロック信号S12に同期して二値化パルスS11をサンプリングし、そのサンプリング結果に基づいてデータ再生するとともに、再生したデータを復調して、再生データS13を形成するものであり、その再生データS13は、制御部12に加えられている。
【0046】
アナログ/デジタル変換器25は、補正再生信号S10を対応するデジタル信号に変換するものであり、その出力は、デジタル再生信号S14として、上ピーク値検出部29および下ピーク値検出部30に加えられている。
【0047】
上ピーク値検出部29は、デジタル再生信号S14の1つの振幅における上に凸の部分のピーク値を検出するものであり、その出力は、上ピーク検出値S15として、振幅値演算部31および中点値演算部32に加えられている。
【0048】
下ピーク値検出部30は、デジタル再生信号S14の1つの振幅における下に凸の部分のピーク値を検出するものであり、その出力は、下ピーク検出値S16として、振幅値演算部31および中点値演算部32に加えられている。
【0049】
振幅値演算部31は、上ピーク検出値S15および下ピーク検出値S16に基づいて、デジタル再生信号S14の振幅の値を算出するものであり、その出力は、振幅検出値S17として制御部12に加えられている。
【0050】
中点値演算部32は、上ピーク検出値S15および下ピーク検出値S16に基づいて、デジタル再生信号S14のエンベロープの中点のレベルを算出するものであり、その出力は、中点検出値S18として制御部12に加えられている
スピンドルモータ制御部34は、スピンドルモータ1の動作を制御するものであり、ローディング機構部35は、ローディング機構に含まれる電気系統であり、例えば、光磁気ディスク4が装着されていることを検出するメディアセンサや、ディスクカートリッジに付加されている種々のマークの状態などを検出する検出信号が、ローディング機構35から制御部12に出力されている。また、温度センサ36は、光磁気ディスク4が装着されている付近の温度を検出するものであり、その検出値は、制御部12に加えられている。
【0051】
以上の構成で、制御部12は、この光磁気ディスク装置に電源が投入された直後に、光磁気ディスク4が装着されていることを検出しているとき、光磁気ディスク4が一旦排出された後で光磁気ディスク4が装着されたことを検出したとき、および、温度センサ36の検出値が記録マークの形成に影響があらわれる程度の温度範囲になっていることを検出したとき、ライトパルス補正処理を実行して、そのときの光磁気ディスク4の特性、および、半導体レーザ素子の状態に応じて、最適な記録マークを形成できるようにする。
【0052】
このときに、制御部12が実行するライトパルス補正処理の一例を、図10に示す。
【0053】
同図において、光磁気ディスク4に設定されている検査領域CKzをシークし(処理101)、パルス幅補正量データSCの値に、所定の初期値をセットする(処理102)。
【0054】
その状態で、上述した最短繰り返しパターンデータを所定のセクタ数記録し(処理103)、次いで、上述した最長繰り返しパターンを所定のセクタ数記録する(処理104)。
【0055】
そして、最短繰り返しパターンデータを記録したセクタに対してデータ読み出し動作して、そのときの振幅検出値S17の値を変数VAにセットする(処理105)とともに、最長繰り返しパターンデータを記録したセクタに対してデータ読み出し動作して、そのときの振幅検出値S17の値を変数VBにセットする(処理106)。
【0056】
次いで、変数VAの値を変数VBの値で割り算した結果の値を変数RVにセットして(処理107)、その変数RVの値が所定値Na以上になっているかどうかを調べる(判断108)。
【0057】
判断108の結果がYESになるときには、パルス幅補正量データSCの値が適切な状態なので、この動作を終了する。また、判断108の結果がNOになるときには、パルス幅補正量データSCの値が適切な状態ではないので、パルス幅補正量データSCの値を所定値だけ変化し(処理109)、再度、上述した検査動作を実行するために、処理103に戻る。
【0058】
図11は、制御部12が実行するライトパルス補正処理の他の例を示している。
【0059】
同図において、光磁気ディスク4に設定されている検査領域CKzをシークし(処理201)、パルス幅補正量データSCの値に、所定の初期値をセットする(処理202)。
【0060】
その状態で、上述した最短繰り返しパターンデータを所定のセクタ数記録し(処理203)、次いで、上述した最長繰り返しパターンを所定のセクタ数記録する(処理204)。
【0061】
そして、最短繰り返しパターンデータを記録したセクタに対してデータ読み出し動作して、そのときの中点検出値S18の値を変数CAにセットする(処理205)とともに、最長繰り返しパターンデータを記録したセクタに対してデータ読み出し動作して、そのときの中点検出値S18の値を変数CBにセットする(処理206)。
【0062】
次いで、変数CAの値から変数CBの値を減算した結果の値を変数ΔCにセットして(処理207)、その変数ΔCの絶対値が所定値Nb以下になっているかどうかを調べる(判断208)。判断208の結果がYESになるときには、パルス幅補正量データSCの値が適切な状態なので、この動作を終了する。
【0063】
また、判断208の結果がNOになるときには、変数ΔCの値が正の符号をもつかどうかを調べる(判断209)。判断209の結果がYESになるときは、パルス幅の補正が過大になっている状態なので、パルス幅補正量データSCの値を所定の1ステップ値だけ減少し(処理210)、再度、上述した検査動作を実行するために、処理203に戻る。また、判断209の結果がNOになるときは、パルス幅の補正が過小になっている状態なので、パルス幅補正量データSCの値を所定の1ステップ値だけ増大し(処理211)、再度、上述した検査動作を実行するために、処理203に戻る。
【0064】
図12は、制御部12が実行するライトパルス補正処理のさらに他の例を示している。
【0065】
同図において、光磁気ディスク4に設定されている検査領域CKzをシークし(処理301)、パルス幅補正量データSCの値に、所定の初期値をセットする(処理302)。
【0066】
その状態で、上述した最短繰り返しパターンデータを所定のセクタ数記録し(処理303)、次いで、上述した最長繰り返しパターンを所定のセクタ数記録する(処理304)。
【0067】
そして、最短繰り返しパターンデータを記録したセクタに対してデータ読み出し動作して、そのときの振幅検出値S17の値を変数VAにセットするとともに、中点検出値S18の値を変数CAにセットする(処理305)。次に、最長繰り返しパターンデータを記録したセクタに対してデータ読み出し動作して、そのときの振幅検出値S17の値を変数VBにセットするとともに、中点検出値S18の値を変数CBにセットする(処理306)。
【0068】
次いで、変数VAの値を変数VBの値で割り算した結果の値を変数RVにセットし(処理307)、変数CAの値から変数CBの値を減算した結果の値を変数ΔCにセットする(処理308)。
【0069】
そして、変数RVの値が所定値Na以上になっているかどうかを調べる(判断309)。判断309の結果がYESになるときには、変数ΔCの絶対値が所定値Nb以下になっているかどうかを調べる(判断310)。判断310の結果がYESになるときには、パルス幅補正量データSCの値が適切な状態なので、この動作を終了する。
【0070】
また、判断309の結果がNOになるとき、または、判断310の結果がNOになるときには、変数ΔCの値が正の符号をもつかどうかを調べる(判断311)。判断311の結果がYESになるときは、パルス幅の補正が過大になっている状態なので、パルス幅補正量データSCの値を所定の1ステップ値だけ減少し(処理312)、再度、上述した検査動作を実行するために、処理303に戻る。また、判断311の結果がNOになるときは、パルス幅の補正が過小になっている状態なので、パルス幅補正量データSCの値を所定の1ステップ値だけ増大し(処理313)、再度、上述した検査動作を実行するために、処理303に戻る。
【0071】
なお、光磁気ディスク4の検査領域CKzは、複数記録トラックが確保されているので、パルス幅補正量データSCの値を変更した後では、別の記録トラックに対して検査動作を実行するようにするとよい。
【0072】
また、上述した実施例では、最短繰り返しパターンおよび最長繰り返しパターンを用いて、パルス幅補正値データSCの調整動作を行っているが、この調整動作を、通常のデータ記録時(ベリファイ動作)で平行して実行することもできる。
【0073】
また、上述した実施例では、(1,7,2,3)RLL変調規則を用いた場合について説明したが、それ以外の変調規則を用いた場合についても、本発明を同様にして適用することができる。
【0074】
また、上述した実施例では、光磁気ディスク装置について本発明を適用した場合を説明したが、本発明は、相変化型の光ディスク装置や追記型の光ディスク装置についても同様にして適用することができる。
【0075】
また、上述した実施例では、光磁気ディスクの記録領域には、媒体特性検査用の検査領域を設けたが、この検査領域を特に設けない場合でも、本発明を同様にして適用することができる。その場合には、記録領域の空き領域を適宜に用いてよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、交換可能な光記録媒体を記録媒体として用いるとともに、データ記録時には、記録パルスのパルス幅を、記録変調時のパルス幅から補正した状態でデータ記録動作を行う光記録装置の制御方法において、記録パルスの補正値を所定の初期値に設定する初期設定処理と、光記録媒体の所定領域に記録マークの長さが短い第1の記録パターンと、記録マークの長さが長い第2の記録パターンをそれぞれ記録し、上記第1の記録パターンと上記第2の記録パターンをそれぞれ再生して、上記第1の記録パターンの再生信号の振幅に対応した第1の振幅値と上記第2の記録パターンの再生信号の振幅に対応した第2の振幅値をおのおの検出するとともに、上記第1の記録パターンの再生信号のエンベロープの中点に対応した第1の中点値と上記第2の記録パターンの再生信号のエンベロープの中点に対応した第2の中点値をおのおの検出する振幅中点値検査処理と、この振幅中点値検査処理によって得た上記第1の振幅値を上記第2の振幅値で除算して得た商の値が、所定値以上になっていることを判定する振幅値比率判定処理と、上記振幅中点値検査処理によって得た上記第1の中点値を上記第2の中点値から減算して得た差の絶対値が、所定値以下になっていることを判定する中点値差分判定処理と、上記振幅値比率判定処理で上記商の値が所定値以上になっていないと判定され、かつ、上記中点値差分判定処理で上記差の絶対値が所定値以下になっていないと判定されたとき、上記差の符号に基づいて上記記録パルスの補正値を再設定した後に、上記振幅値検査処理を繰り返し実行する制御処理を行うようにしたので、記録マークの長さを所定の値に規定することができ、データ再生時のデータエラーなどを抑制することができるという効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる光磁気ディスク装置の要部の構成を例示した概略図。
【図2】光磁気ディスクの記録領域のフォーマットの一例を示した概略図。
【図3】本発明の原理を説明するための概略図(パルス幅の補正量が適正な場合)。
【図4】本発明の原理を説明するための概略図(パルス幅の補正量が適正な場合)。
【図5】本発明の原理を説明するための概略図(パルス幅の補正量が過大な場合)。
【図6】本発明の原理を説明するための概略図(パルス幅の補正量が過大な場合)。
【図7】本発明の原理を説明するための概略図(パルス幅の補正量が過小な場合)。
【図8】本発明の原理を説明するための概略図(パルス幅の補正量が過小な場合)。
【図9】本発明の一実施例にかかる光磁気ディスク装置の制御系の要部を示したブロック図。
【図10】制御部が実行するライトパルス補正処理の一例を示したフローチャート。
【図11】制御部が実行するライトパルス補正処理の他の例を示したフローチャート。
【図12】制御部が実行するライトパルス補正処理のさらに他の例を示したフローチャート。
【図13】マークエッジ記録法について説明するための説明図。
【図14】従来装置の不都合を説明するための概略図。
【図15】従来装置の不都合を説明するための概略図。
【符号の説明】
12 制御部
14 ライトパルス補正回路
29 上ピーク値検出部
30 下ピーク値検出部
31 振幅値演算部
32 中点値演算部
35 ローディング機構部
36 温度センサ

Claims (2)

  1. 交換可能な光記録媒体を記録媒体として用いるとともに、データ記録時には、記録パルスのパルス幅を、記録変調時のパルス幅から補正した状態でデータ記録動作を行う光記録装置の制御方法において、
    記録パルスの補正値を所定の初期値に設定する初期設定処理と、
    光記録媒体の所定領域に記録マークの長さが短い第1の記録パターンと、記録マークの長さが長い第2の記録パターンをそれぞれ記録し、上記第1の記録パターンと上記第2の記録パターンをそれぞれ再生して、上記第1の記録パターンの再生信号の振幅に対応した第1の振幅値と上記第2の記録パターンの再生信号の振幅に対応した第2の振幅値をおのおの検出するとともに、上記第1の記録パターンの再生信号のエンベロープの中点に対応した第1の中点値と上記第2の記録パターンの再生信号のエンベロープの中点に対応した第2の中点値をおのおの検出する振幅中点値検査処理と、
    この振幅中点値検査処理によって得た上記第1の振幅値を上記第2の振幅値で除算して得た商の値が、所定値以上になっていることを判定する振幅値比率判定処理と、
    上記振幅中点値検査処理によって得た上記第1の中点値を上記第2の中点値から減算して得た差の絶対値が、所定値以下になっていることを判定する中点値差分判定処理と、
    上記振幅値比率判定処理で上記商の値が所定値以上になっていないと判定され、かつ、上記中点値差分判定処理で上記差の絶対値が所定値以下になっていないと判定されたとき、上記差の符号に基づいて上記記録パルスの補正値を再設定した後に、上記振幅値検査処理を繰り返し実行する制御処理からなることを特徴とする光記録装置の制御方法。
  2. 前記初期設定処理から開始される一連の処理は、装置に電源が投入された直後に実行されることを特徴とする請求項1記載の光記録装置の制御方法。
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