JP3578930B2 - 発電機および発電機装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機および発電機装置に関し、特に、2系統のインバータ装置を有するデュアル・ボルテージ・インバータを備えた発電機、およびこの発電機を並列に接続した発電機装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流を所望周波数の交流に変換するインバータ回路を備えた発電機が知られており、さらに、一つの発電機に2台のインバータ回路を設けて、これらを並列接続することによって2倍の電力を得るようにした発電機も知られている。例えば、特開平8−205543号公報には、2台のインバータ回路を安定的に並列運転できるようにしたインバータの運転装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記インバータ回路を有する発電機において、2段階の出力電圧を得たいという要請がある。インバータ回路を有する発電機において2段階の出力電圧を得たい場合、整流器の出力つまりインバータ回路に入力される直流電圧を2段階に切換えることで、例えば120ボルトと240ボルトの2種類の交流出力電圧を得ることが可能である。
【0004】
しかし、このように直流電圧を2段階で切換える場合、インバータの耐圧や出力電流容量は、高い方の出力電圧つまり上述の例では240ボルトに対応させなければならないため、インバータが大型化するし、電解コンデンサやチョークコイル等のいわゆるパワー部品も大型化するという問題点がある。
【0005】
また、出力電圧を2段階に切換えたり、電力を2段階に切換えたりするだけでなく、多くの種類の出力電力を得たいという要望もあるが、現状では、小型で効率のよい方法でこれらの要望に応えることができない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、効率よく複数の出力電圧および電力を得ることができる発電機および発電機装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、目的を達成するための本発明は、入力された交流を直流に変換する直流電源回路と前記直流を所定周波数の交流に変換するインバータ回路とを2系統有する発電機において、前記インバータ回路の出力周波数を決定する目標波形形成手段と、前記目標波形形成手段で生成された波形を代表する基準波形クロック信号を他方の系統に送信する手段と、他方の系統から送信された基準波形クロック信号を受信する手段と、前記他方の系統から受信した基準波形クロック信号および自系統で生成された前記基準波形クロック信号の位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差検出手段で検出された位相差が予定範囲内に収まるように前記出力周波数を変化させる周波数調整手段と、前記2系統を直列または並列に接続切換えを行う切換え手段とを具備した点に第1の特徴がある。
【0008】
この第1の特徴によれば、2系統のインバータ回路の出力を直列または並列接続することができる。また、接続された2系統のインバータ回路は、互いに基準波形クロック信号を通信し合うことによってその出力の同期をとることができる。
【0009】
また、本発明は、前記第1の特徴を有する発電機を2台並列に接続した発電機装置であって、前記各発電機に内蔵されるそれぞれの系統が、該系統の出力電流を検出する電流検出手段と、該系統の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電流および出力電圧の位相差を検出する第2の位相差検出手段と、前記第2の位相差検出手段で検出された位相差が予定範囲内に収まるように前記出力周波数を変化させる第2の周波数調整手段とを具備し、基準波形クロック信号の位相差が予定の範囲内に入ったときに前記インバータ回路を付勢して発電を開始し、この発電開始に応答して前記第1の特徴に含まれる周波数調整手段の機能を停止させるように構成した点に第2の特徴がある。
【0010】
第2の特徴によれば、直列または並列に接続を切換えることができる2系統のインバータ回路を有する発電機を並列に接続したので、多種類の出力(電力)を得ることができる。また、並列接続された発電機の同期がとれていないと、各発電機に含まれる各系統の出力電流および出力電圧の位相差が予定の範囲内に収まらない。そこで、第2の特徴を有する本発明では、前記出力電流および出力電圧の位相差が予定範囲内に収まるように周波数を調整することで同期をとっている。なお、発電が開始されるまでは通信によって他方の系統の基準周波数クロック信号との同期がとられるとともに、発電開始後は出力電流および出力電圧の位相差を予定範囲内に入れるように制御することによって、他方の発電機との同期運転を可能にしている。
【0011】
また、本発明は、第2の特徴に加え、前記第2の位相差検出手段で検出された位相差を同一発電機の他方の系統に送信する手段と、他方の系統から送信された位相差を受信する手段と、前記第2の位相差検出手段で検出された位相差および前記他方の系列から受信した位相差に応じて前記第2の周波数調整手段による調整量を補正する補正手段とを具備した点に第3の特徴がある。
【0012】
第3の特徴によれば、第2の周波数調整手段による調整量を固定することなく、他方の発電機との位相差に応じて補正することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る発電機の構成を示すブロック図である。同図に示した発電機は2系統のインバータ装置を有している。発電機本体1は固定子(図示しない)に巻回された3相出力巻線2,2を有しており、この3相出力巻線2,2に対応して多極の永久磁石からなる回転子(図示しない)が設けられる。この回転子はエンジン等の駆動源によって回転させられる。
【0014】
3相出力巻線2,2の出力端は直流電源回路としての整流平滑回路3,3にそれぞれ接続され、整流平滑回路3,3の出力側はインバータ回路を含むパワー部4,4の入力側にそれぞれ接続されている。また、パワー部4,4の出力側TA,TAならびにTB,TBは、直列・並列切換部5を介して外部出力端子T1,T2,T3に接続されている。出力側TA,TAならびにTB,TBには出力電流および出力電圧を検出するため、電流検出回路70,70ならびに電圧検出回路80,80がそれぞれ設けられている。さらに、パワー部4,4の制御部4U,4U間は通信線6で繋がれていて、互いを同期運転するための制御信号および同期信号が送受される。
【0015】
上記発電機の構成をさらに具体的に説明する。図2は発電機の要部構成を示すブロック図である。なお、前記2つの整流平滑回路3,3や2つのインバータ装置つまりパワー部4,4はそれぞれ同一の機能を有するので、一方のみについて説明する。エンジン7の出力はスロットル7aの開度によって制御され、このスロットル7aの開度はステッピングモータ7bによって設定される。
【0016】
整流平滑回路3はサイリスタブリッジ回路3aおよび平滑回路3bからなる。平滑回路3bの後段には、電界効果トランジスタ(FET)ブリッジ8aおよび平滑回路としてのローパスフィルタ(LPF)8bからなるインバータ回路8が設けられている。ローパスフィルタ8bの出力側は直列・並列切換部5に接続されている。
【0017】
制御部4Uには、発振部9、分周回路10、正弦波化回路11、電子ボリューム12、ローパスフィルタ(LPF)13、パルス幅変調回路(PWM回路)14、矩形波変換回路15、位相差検出回路16、および起動回路17が設けられている。なお、これらの回路の具体例としては、特開平5−244726号公報に開示されているものを用いることができる。
【0018】
発振部9の出力信号は分周回路10で分周され、クロック信号として正弦波化回路11に入力される。正弦波化回路11は前記クロック信号に基づいて階段状の正弦波信号を発生し、その正弦波信号は電子ボリューム12およびLPF13を介してPWM回路14に入力され、前記正弦波信号を目標波形信号としてパルス幅変調されたパルスがPWM回路14から出力される。
【0019】
電子ボリューム12は、後述するように、過負荷の場合に前記正弦波信号の減衰度を制御し、また、LPF13は電子ボリューム12から出力される階段状の正弦波を滑らかにする。PWM回路14から出力されるパルスに従い、インバータ回路8のFETブリッジ8aを構成する各FETのゲートが制御され、前記目標波形信号である基準周波数の正弦波信号に応じた交流が出力端子TA,TAから出力される。
【0020】
矩形波変換回路15はLPF13の出力信号を矩形波に変換し、この変換後の信号は通信ポート18に入力される。通信ポート18に入力された信号つまり基準正弦波クロックは通信線6を通じて他方のインバータ装置の通信ポートに入力される。位相差検出回路16には、通信ポート18を通じて他方のインバータ装置(以下、「自機B」という)から受信した基準正弦波クロックが入力されるとともに、自己(以下、「自機A」という)の基準正弦波クロックが矩形波変換回路15から入力される。
【0021】
位相差検出回路16は自機Aおよび自機Bの基準正弦波クロックの位相を比較して、位相の進みまたは遅れを検出し、その検出結果を進相信号または遅相信号として発振部9に入力する。発振部9は、進相信号または遅相信号に基づき、位相が進んでいるときは、基準正弦波クロックを予定パルス数(例えば1パルス)間引いて周波数を微増させる一方、位相が遅れているときは基準正弦波クロックに予定パルス数(例えば1パルス)付加して周波数を微減させる。この周波数調整は自機Aおよび自機Bの双方で実施される。すなわち、自機Aと自機Bとが互いに歩み寄って出力を合わせるよう制御される。
【0022】
起動回路17は、スタート可否判断回路21からの検出信号が入力されたときにPWM回路14を付勢し、インバータ回路8を駆動して発電を行う。すなわち、起動回路17は、自機Aおよび自機Bの発電準備が完了したときに、前記基準正弦波クロックの立上がりに応答してPWM回路14に起動信号を出力する。さらに、起動回路17は、自機Bから入力された基準正弦波クロックに基づいて該クロックの立上がりを検出して正弦波化回路11に起動信号を出力する。
【0023】
スタート可否判断回路21はエンジン7の回転数および/または自機Aおよび自機Bのそれぞれの電源電圧が所定値に達し、さらに基準正弦波クロックの同期がとれたときに発電準備完了の検出信号を出力する。自機Bの発電準備完了は、通信ポート18から入力される信号(後述)により判断する。また、スタート可否判断回路21は電圧検出回路80で検出された出力電圧および図示しないエンジン回転数検出回路で検出されたエンジン回転数がいずれも所定値に達したときに通信ポート18に発電機準備完了の検出信号を出力する。
【0024】
比較回路19は電流検出回路70で検出された電流がしきい値より大きいときに検出信号を出力し、その検出信号は電子ボリューム12および保護回路20に入力される。保護回路20は比較回路19から前記検出信号が予定時間経過したときに、過負荷検出信号を起動回路17に出力する。電子ボリューム12は、過負荷の場合に前記正弦波信号の減衰度を制御する。
【0025】
図3は、自機Aおよび自機Bの通信ポート18の対応関係を示す図である。同図において、各通信ポート18,18は基準正弦波クロック送信ポート、基準正弦波クロック受信ポート、緑発光ダイオード(LED)光送信ポート、緑LED光受信ポート、赤LED光送信ポート、赤LED光受信ポート、マスタ/スレーブ設定ポート、コモン(COM)ポート、グランド(GND)ポートを有している。なお、ここでは自機Aがマスタに、自機Bがスレーブに設定されている。これらのポートは通信線6で接続されているのは上述のとおりである。
【0026】
上記緑と赤のLEDポートは、緑LEDおよび赤LEDの発光状態で自機Aおよび自機Bの動作状態をそれぞれ他方に通信するためのものである。自機Aおよび自機Bが発電準備未完了では緑LEDおよび赤LEDともにロー(消灯)であり、発電準備完了時または発電時にハイ(点灯)となる。また、過負荷が検出されると、赤LEDが点灯する。
【0027】
自機Aおよび自機Bの双方が発電準備を完了した場合、スタート可否判断回路21は起動回路17に発電準備完了を通知するとともに緑LEDの点灯を維持させる。すなわち、緑LED出力のアンド(AND)条件が成立したときに発電準備完了である。また、発電中に自機Aおよび自機Bのいずれかで過負荷が検出されたときは、起動回路17からPWM回路14に対して停止指令が出力される。すなわち、赤LED出力のオア(OR)条件が成立したときに発電は停止される。
【0028】
次に、上記発電機の発電開始処理を図4のフローチャートを参照して説明する。同図において、ステップS1では、自己のエンジン回転数および/または電源電圧が予定値を超えている否かによって自己(自機A)の発電準備が完了しているか否かを判断する。この判断が肯定であればステップS2に進んで自機Bからの基準正弦波クロックを検出したか否かを判断する。この判断が肯定ならば、ステップS3に進み、自機Bの基準正弦波クロックのゼロクロス点(起点)に同期させて自己(自機A)の基準正弦波クロックを出力開始した後、ステップS6に進む。また、自機Bからの基準正弦波クロックが検出されないときは、ステップS4に進んで基準正弦波クロックを出力開始する。ステップS5では自機Bからの基準正弦波クロックを検出したか否かを判断する。この判断が肯定ならば、ステップS6に進む。
【0029】
ステップS6では、自機Aと自機Bとで基準正弦波クロックの位相差が予定値以下であるか否かを判断する。この判断が否定ならばステップS7に進み、基準正弦波クロックの周波数を微調整して起点補正を行う。起点補正がなされて、前記位相差が予定値以下になったならば、ステップS8に進み、発電準備完了を表示するため緑LEDを点灯する。ステップS9では、自機Bからの緑LED光の状態を判別し、自機Bも発電準備完了であるか否かを判断する。ステップS9が肯定ならばステップS10に進み、基準正弦波クロックのゼロクロス点(起点)に同期させてPWM回路14に起動指令を出力する。
【0030】
続いて、前記2つのインバータ回路の直列・並列接続切換えについて説明する。図5は、インバータ回路8の直列・並列切換部5の詳細を示す回路図である。同図において、直列・並列切換部5はトグルスイッチで構成することができ、該スイッチが接点a側に切換えられているときは、出力端子T1およびT2間には、自機Aの出力電圧(例えば120V)が出力され、出力端子T2およびT3間には自機Bの出力電圧(例えば120V)が出力され、結果的に出力端子T1およびT3間では自機Aおよび自機Bの出力電圧の2倍の出力電圧(240V)が得られる。すなわち、自機Aおよび自機Bは直列に接続されたことになる。
【0031】
また、前記スイッチが接点b側に切換えられているときは、出力端子T1およびT2間には電圧が出力されず、出力端子T2およびT3間にのみ、自機Aおよび自機Bによる出力電圧(例えば120V)が出力される。結果的に出力端子T2およびT3間には自機Aおよび自機Bのそれぞれの出力電圧(120V)が変化されずに出力され、出力(例えば2kW)が2倍(4kW)になって現れる。すなわち、自機Aおよび自機Bは並列に接続されたことになる。
【0032】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に構成された2つのインバータ装置(デュアル・ボルテージ・インバータ装置)を含む発電機を、並列に接続して発電機装置を構成した。デュアルインバータ装置を含む発電機を並列に接続した場合、各インバータ装置間で出力電圧の同期がとれていないと、各インバータ装置における出力電流および出力電圧の位相が予定の関係(力率に応じて予め設定しておく)からずれる。そこで、このずれを各インバータ装置で検出して、位相を制御する。
【0033】
具体的には、各発電機(一方を「自機」とよび、他方を「相手機」とよぶ)の各インバータ装置(自機A,自機Bならびに相手機A,相手機B)の出力線に現れる電流および電圧の位相に基づき、自機および相手機が互いに他方に対して位相が遅れているか、進んでいるかを判断する。そして、この遅相および進相状態を、それぞれの発電機内で互いにインバータ装置同士で通信線を使用して通信し合い、周波数の微調整による位相調整を行う。
【0034】
図6は、第2実施形態における発電機の概略構成を示すブロック図である。同図において、発電機G1,G2は2系統のインバータ装置を有しており、それぞれは第1実施形態の発電機と同様に構成されている。発電機G1,G2は直列・並列切換部5の出力端子T1〜T3を通じて互いに接続されており、発電機G1,G2が並列接続されている。また、各発電機G1.G2内においてパワー部4は通信線6で接続されている。各発電機のインバータ装置は、次に要部機能を説明する部分を除き、第1実施形態のものと同様に構成することができる。
【0035】
図7は、第2実施形態における発電機に含まれる各インバータ装置の要部機能を示すブロック図であり、発電機G1の自機Aに関するものである。なお、自機B、ならびに発電機G2(相手機A,B)も同様に構成される。同図において、電流検出部70および電圧検出部80はインバータ回路8の出力電流および出力電圧を測定し、矩形波変換部30,31にそれぞれ入力する。矩形波変換部30,31で矩形波に変換された電流および電圧波形は位相差検出部32に入力され、互いの位相差が検出される。
【0036】
前記電流波形および電圧波形は、自機(発電機G1)と相手機(発電機G2)との間で同期がとれていないときに、互いに位相差を生じる。位相差検出部32はこの位相差を検出し、位相差が進み側に生じているか、遅れ側に生じているかに応じて進み信号および遅れ信号をそれぞれ出力する。進み信号および遅れ信号は通信ポート18を通じて自機Bに送信されるとともに、補正値決定部33にも入力される。自機Bにおいても、自機Aと同様、位相差に基づく進み信号および遅れ信号が出力され、通信ポート18を通じて自機Aの補正値決定部33に入力される。
【0037】
補正値決定部33は、自機Aおよび自機Bの進み信号および遅れ信号に基づいて自機Aの出力周波数を調整するときの微増または微減の程度を決定する。すなわち、自機Aのみが相手機と同期していない場合は、基準正弦波クロックを、例えば1パルスだけ変化させる。また、自機Aおよび自機Bがいずれも相手機と同期していない場合は、迅速に同期を合わせることが好ましいため、基準正弦波クロックを、前記自機Aのみが相手機と同期していない場合よりは多いパルス数、例えば3パルス変化させる。但し、自機Aが相手機からずれている方向と、自機Bが相手機からずれている方向とが互いに異なる場合は、基準正弦波クロックは変化させない。つまり補正値は「0」とする。具体的に、この補正値は信号のパルス幅で表される。
【0038】
補正値決定部33で基準正弦波クロックの補正値が決定されたならば、その補正値は発振部9に入力され、発振部9は、入力された補正値に応じて、出力する発振周波数を増減する。
【0039】
なお、位相差検出回路16は、自機Aと自機Bとを起動させるときの起点補正のためにのみ使用される。この第2実施形態では、発電開始された後は、自機Aおよび自機B間で通信される進み信号および遅れ信号によって位相差補正が行われるからである。したがって、起動回路17は起動指令をPWM回路14に出力したあと、位相差検出部16からの出力が発振部9へ入力されるのを禁止するための信号を切断部34に入力する。
【0040】
以上のように、第2実施形態では、2系統のインバータ装置を有する発電機(デュアル・ボルテージ・インバータ装置)を2台並列に接続して大出力を得られるようにした。また、各発電機ではインバータ装置を直列または並列に任意に接続形態を変更することができるので2種類の出力が得られる。
【0041】
なお、2台のインバータ装置を並列に接続した場合において自己の出力電圧および出力電流の位相差に基づいて他のインバータ装置に対する出力電圧の位相差を検出し、出力周波数を変化させて前記位相差を解消ないしは予定範囲内に収めるようにした発電機は、本出願人による先の特許出願(特開平5−244726号公報参照)に、より詳細に開示している。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明によれば、2系統のインバータ回路の出力を直列または並列に任意に切換えることができるので出力電圧や出力電力を2段階で選択できる。したがって、切換え手段を切換えるだけで用途や仕向け地に応じた出力を選択することができ、汎用性が向上する。
【0043】
請求項2の発明によれば、直列または並列のいずれかを選択できる発電機を2台並列に接続したので、出力の種類を増やすことができる。例えば、1つのインバータ回路の出力が2kWであれば、総合した出力は2kW〜8kWの間で段階的に選択することができる。
【0044】
請求項3の発明によれば、例えば、互いの発電機同士の各インバータ回路間での位相差の大小や進み遅れの方向により各インバータ回路の出力周波数の調整速度を変化させることができる。したがって、適度な速度で同期合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る発電機の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る発電機の1つの出力系統の構成を示すブロック図である。
【図3】通信ポートの構成例を示す図である。
【図4】インバータ回路の起動制御を示すフローチャートである。
【図5】直列・並列切換部の接続例を示す図である。
【図6】第2の実施形態に係る発電装置の全体構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態に係る発電機の1つの出力系統の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…発電機本体、 2…3相出力巻線、3…整流平滑回路、 4…パワー部、 5…直列・並列切換部、 6…通信線、 16…位相差検出回路、 18…通信ポート、 70…電流検出回路、 80…電圧検出回路

Claims (3)

  1. 入力された交流を直流に変換する直流電源回路と前記直流を所定周波数の交流に変換するインバータ回路とを2系統有する発電機において、
    前記インバータ回路の出力周波数を決定する目標波形形成手段と、
    前記目標波形形成手段で生成された波形を代表する基準波形クロック信号を他方の系統に送信する手段と、
    他方の系統から送信された基準波形クロック信号を受信する手段と、
    前記他方の系統から受信した基準波形クロック信号および自系統で生成された前記基準波形クロック信号の位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段で検出された位相差が予定範囲内に収まるように前記出力周波数を変化させる周波数調整手段と、
    前記2系統を直列または並列に接続切換えを行う切換え手段とを具備したことを特徴とする発電機。
  2. 請求項1記載の発電機を2台並列に接続した発電機装置であって、
    前記各発電機に内蔵されるそれぞれの系統が、
    該系統の出力電流を検出する電流検出手段と、
    該系統の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記出力電流および出力電圧の位相差を検出する第2の位相差検出手段と、
    前記第2の位相差検出手段で検出された位相差が予定範囲内に収まるように前記出力周波数を変化させる第2の周波数調整手段とを具備し、
    基準波形クロック信号の位相差が予定の範囲内に入ったときに前記インバータ回路を付勢して発電を開始し、この発電開始に応答して請求項1記載の周波数調整手段の機能を停止させるように構成したことを特徴とする発電機装置。
  3. 前記第2の位相差検出手段で検出された位相差を同一発電機の他方の系統に送信する手段と、
    他方の系統から送信された位相差を受信する手段と、
    前記第2の位相差検出手段で検出された位相差および前記他方の系列から受信した位相差に基づいて、前記第2の周波数調整手段による調整量を補正する補正手段とを具備したことを特徴とする請求項2記載の発電機装置。
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