JP3578810B2 - スピンドルモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、動圧軸受を用いたスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピンドルモータに用いる軸受としては、玉軸受が用いられているが、スピンドルモータの小型化、特に小外径化が進行すると、それに見合う小外径の玉軸受を用いていたのでは、モータの組立時に内外輪の変形が生じ易く、十分な回転精度を得ることが困難であり、騒音や振動の問題も起こる難点がある。特に記録媒体駆動用のスピンドルモータの場合、小外径化に伴い高速回転が要求されるので、これらの問題が一層助長される。
【0003】
そのため、主として小形のスピンドルモータとして、ロータハブ部の基部の内周側に回転スリーブ部を有し、この回転スリーブ部が軸体に外嵌されて回転自在に支持されることにより動圧ラジアル軸受が構成されたスピンドルモータが提案されている。
【0004】
この種動圧軸受を採用した磁気ディスク駆動用のスピンドルモータは、例えば図5に示すように構成されている。
即ち、図5において、磁気ディスク駆動装置の一部をなすベース部材1は例えばアルミ合金により形成されており、ベース部材1の中央部には環状に突出したボス部2が一体に形成されている。このボス部2には孔部3が穿設され、これにシャフト(固定軸体)4の下端部4aが嵌め込まれて固定されている。シャフト4は、鉄系合金材等から形成されている。
【0005】
ベース部材1のボス部2の上端部外周にはステータ5が外嵌して固定されている。ステータ5は、電磁鋼板を複数枚積層してなるステータコア6と、ステータコア6に巻回されたコイル7とから構成されている。ベース部材1の下部には、フレキシブル回路基板8が貼り付けて固定されており、この回路基板8の端部がモータ外部へ延設されている。コイル7から引き出されたコイル線9は、ベース部材1に穿設されたコイル線挿通孔10を通して回路基板8に接続され、モータ外部へ導出される。
【0006】
ベース部材1に固定されたシャフト4の上端部4bは、縮径して形成されており、その軸心部には孔部(図示せず)が穿設され、図外の磁気ディスク駆動装置の上側蓋体にねじ止めされ固定される。シャフト4の上端部4b側には、半径方向外方へ全周にわたり張り出して形成されたスラスト板11がシャフト4に一体かつ同軸状に設けられている。
【0007】
スラスト板11の上下両面には、シャフト4の軸心に対して直交するスラスト軸受面12、13が実質上平行に形成されており、この両スラスト軸受面12、13に、図示省略するが、所定の間隔で設けられたヘリングボーン状の動圧グルーブが周方向に形成されている。スラスト板11の外周端周面には、全周にわたり断面略V字状をなす溝14が形成されている。
【0008】
シャフト4に対して回転支持されるロータハブ15は、スリーブ体16、ハブ17、ロータマグネット18及びスラストブッシュ19から構成されている。スリーブ体16は、銅系合金等を用いて形成され、筒状の垂下部20と、この垂下部20よりも大径でこれと同軸状に設けられた筒状の大径周壁21と、垂下部20と大径周壁21とを連結した環状基部22とから構成される。垂下部20の内周面には、周方向に配列されたヘリングボーン状の動圧グルーブが上下二段に設けられている。
【0009】
スリーブ体16の垂下部20の内周面とシャフト4の外周面とは、僅かな隙間をもって軸方向に沿って対向配置されており、この隙間にオイル等の潤滑剤が充填されている。これにより、ロータハブ15はシャフト4に対して半径(ラジアル)方向に動圧軸受支持される。図5では、ラジアル動圧軸受として、動圧グルーブがスリーブ体16側に設けられているが、これとは逆にシャフト4側に設けてもよい。
【0010】
シャフト4に形成された環状の中間溝部4cは、垂下部20に形成された上下二段の動圧グルーブ間に対向し、また、シャフト4の下端部側に形成された潤滑剤流出防止用の環状溝4dは、垂下部20の下端近傍に対応し、その内表面が撥油処理され、潤滑剤の漏れを防止するように作用する。
【0011】
スラストブッシュ19は略円盤状をなし、中央部にシャフト4の縮径した上端部4aが挿通する孔部23が穿設されている。スラストブッシュ19は、その外周側においてスリーブ体16に固定されている。すなわち、スラストブッシュ19の外周側下面がスリーブ体16の環状基部22上に載置され、またスラストブッシュ19の外周面と大径周壁21の上部内周面とが当接されて保持され、この状態で大径周壁21の上壁が軸側へ塑性変形加工等により加締められ、スラストブッシュ19がスリーブ体16にきつく固定される。
【0012】
この時、スラストブッシュ19の下面の上側スラスト受け面と、スリーブ体16の垂下部20の上面の下側スラスト受け面とは、それぞれ僅かな隙間をもってスラスト板11の上下のスラスト軸受面12、13に対向配置されており、このそれぞれの隙間にはオイル等の潤滑剤が充填されている。
【0013】
従って、スラストブッシュ19の上側スラスト受け面とスラスト板11のスラスト軸受面12、及びスラスト板11のスラスト軸受面13と垂下部20の下側スラスト受け面によりスラスト動圧軸受手段が構成され、これにより、ロータハブ15を軸方向に位置規制すると共に、動圧軸受による軸方向の回転支持を行なう。なお、スラスト動圧軸受として、動圧グルーブがスラスト板11に設けられたものとは別に、スラストブッシュ19の下面の上側スラスト受け面及び垂下部20の上面の下側スラスト受け面側に設けられていてもよい。
【0014】
スリーブ体16の大径周壁21の外周部にはアルミ合金等により形成されるハブ17が固定されており、このハブ17の下部内周に環状のロータマグネット18が配設されている。ロータマグネット18は、大径周壁21の下面に当接して軸方向の位置決めがなされており、ステータ5に対応した高さでハブ17に固定されている。なお、図示省略の磁気ディスクは、ハブ17の外周部に嵌め込まれて装着され、下方に形成された鍔部24にて受け止められ、図外のクランプ手段により固定される。
【0015】
ところで、近年では、パーソナルコンピュータ等の機器の一層の小型化、高容量化が望まれ、それらに組み込まれる記録媒体(例えばハードディスク)駆動用のスピンドルモータについても一層の小型化、高精度化が要請されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前述したスピンドルモータにおいて、これをより一層小型、薄型化しようとした場合、シャフト4のベース部材1に対する圧入長さを確保できなくなる。例えば、モータ高さ9mmのものを(PCMCIAのタイプ3)、モータ高さ5mmに薄型化する場合(PCMCIAのタイプ2)、シャフト4のベース部材1に対する圧入長さが3mmであったものが、ラジアル動圧軸受部を1つに制限したとしてもシャフト4の圧入長さが0.6mmとなり、耐ショック性が極端に低下する問題が生じる。
【0017】
また、モータの高さ寸法が小さくなると、ラジアル動圧軸受部の高さ寸法も制限されるため、このラジアル動圧軸受部の溝加工が困難となり、回転精度が低下すると共に、動圧軸受部の寿命低下を招く結果となる。
さらに、モータの薄型化に伴ない、ステータ5との兼ね合いからスラスト板とステータとを軸線方向に配置することが困難になり、スラスト板をステータの内径部分に配置せざるをえず、スラスト板が極端に小径化し、スラスト方向の負荷容量が低下し、寿命低下につながることになる。
【0018】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に留意してなされたものであり、その目的とするところは、耐ショック性を高め、回転精度を所定確保できると共に長寿命を維持できる超薄型化が可能なスピンドルモータを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るスピンドルモータにおいては、固定軸体と、この固定軸体に設けられその軸線に対し実質上垂直状をなす円盤状スラスト板と、このスラスト板が僅かな間隙を介して嵌合される円筒面形状内周部を有しこの内周部とスラスト板の外周部との間でラジアル動圧軸受部を構成するロータハブと、このロータハブにスラスト板の軸線方向両面に対向するように取り付けられこの両面との間でそれぞれスラスト動圧軸受部を構成する一対の円環状スラストブッシュとを備え、ラジアル動圧軸受部及び両スラスト動圧軸受部に潤滑剤を介在し、スラスト板と一対の円環状スラストブッシュ各々との間の間隙にテーパシール部を備え、スラスト板に対しロータハブを自在に相対回転支持したことを特徴としている。
【0020】
この場合、ラジアル動圧軸受部及び両スラスト動圧軸受部を互いに連通し、潤滑剤をラジアル動圧軸受部及び両スラスト動圧軸受部に連続して介在させてもよく、また、固定軸体をベースまたはブラケットに設けられた環状ボス部の内周部に圧入固定し、環状ボス部の外周にステータを外嵌し、ロータハブにステータの外周面に対向するようにロータマグネットを設けるようにするのがよい。
【0021】
さらに、ラジアル動圧軸受部と両スラスト動圧軸受部とのそれぞれの間に各動圧軸受部における隙間より大きい空間を形成し、ラジアル動圧軸受部及び両スラスト動圧軸受部にそれぞれ独立して潤滑剤を介在するようにしてもよい。特にこの場合、一対のスラストブッシュの外周部に、両空間を動圧軸受部外に開放する切り欠き部を形成するのがよい。
【0022】
【作用】
固定軸体に設けられた円盤状スラスト板の軸線方向両面においてスラスト動圧軸受部を構成する一方、このスラスト板の外周部を利用してロータハブの円筒面形状内周部との間でラジアル動圧軸受部を構成するため、固定軸体に直接ラジアル動圧軸受部を構成する必要がなく、固定軸体の軸方向長さを縮小化できるだけでなく、この固定軸体のベース部材等に対する固定代つまり圧入長さを所定確保できる。
【0023】
同時に、スラスト板の軸線方向の幅を所定確保してラジアル動圧軸受部の長さ寸法を比較的長くすることが可能であるため、ラジアル動圧軸受部の溝加工の精度を高めることができ、回転精度向上並びに長寿命化が図れる。
【0024】
また、ラジアル動圧軸受部及び両スラスト動圧軸受部を互いに連通し、潤滑剤をラジアル動圧軸受部及び両スラスト動圧軸受部に連続して介在させれば、両スラスト動圧軸受部を半径方向に広くとることができ、より安定したスラスト支持が行える。
さらに、固定軸体をベースまたはブラケットに設けられた環状ボス部の内周部に圧入固定し、環状ボス部の外周にステータを外嵌する構成にすれば、ステータは大径かつ偏平構成にすることで所定磁気回路を構成することが可能になり、スラスト板とステータとを軸線方向に配置でき、従って、スラスト板を比較的大径化でき、スラスト負荷容量を増加することができる。
【0025】
一方、ラジアル動圧軸受部と両スラスト動圧軸受部とのそれぞれの間に各動圧軸受部における隙間より大きい空間を形成した場合、一対のスラストブッシュの外周部に切り欠き部を形成するようにすれば、スラストブッシュに微小径の孔加工を施すことなくこの両空間を動圧軸受部外に容易に開放することができ、この切り欠き部はスラストブッシュのプレス加工時に同時に形成でき、高精度の孔明け加工を不要にでき、製作が容易になる。
【0026】
【実施例】
本発明の実施例につき、図1〜図4を参照して説明する。
図1及び図2は、第1の実施例のディスク回転用スピンドルモータを示したものである。
【0027】
磁気ディスク駆動装置のベース部材に取り付けられるブラケット51には、その環状凹部52の中央に環状ボス部53が固定され、この環状ボス部53の内周部に固定軸体となるシャフト54のほぼ下半部が圧入固定されている。なお、ブラケット51はベース部材それ自身であってもよい。
【0028】
シャフト54の上半部のほぼ中央部には、その軸線に対し実質上垂直状をなす円盤状のスラスト板55が圧入等により一体に設けられている。シャフト54及びスラスト板5は例えばステンレス鋼からなる。このスラスト板55の上下両面には、内周部寄りに外周から内周にいくに従い深くなる環状のテーパ溝部56、57が同心状に形成され、スラスト板55の上下両面のテーパ溝部56、57より外側に図2に示すように上側スラスト軸受面58、下側スラスト軸受面59がそれぞれ形成されると共に、スラスト板55の外周面にラジアル軸受面60が形成されている。
【0029】
スラスト板55の外周側には、このスラスト板55に対してスラスト方向及びラジアル方向に動圧軸受支持されたロータハブ61が配置されている。このロータハブ61は、鉄系金属等からなり後述するステータを覆う逆皿状に形成され、この内周部分にスラスト板55が僅かな間隙を介して嵌合される円筒面形状内周部62を有し、この内周部62の内周面にヘリングボーン状の動圧発生溝が形成されている。そして、この内周部62の内周面とスラスト板55のラジアル軸受面60との間に流体潤滑剤63が充填され、ラジアル動圧軸受部Aが構成されている。
【0030】
ロータハブ61の内周部62の上下外周寄りにはかしめ用の環状壁64、65が一体に設けられ、この両環状壁64、65の内周部にそれぞれ円環板状のスラストブッシュ66、67が、それぞれの外周部を前記内周部62の上下面に当接させて内嵌され、環状壁64、65を周方向複数箇所スラストブッシュ66、67側にかしめることにより両スラストブッシュ66、67がロータハブ61に固定されている。
【0031】
これらスラストブッシュ66、67は、例えば銅合金により構成され、同一部品からなり、部品の共通化が図られており、これらがスラスト板55の軸線方向両面に対向するように配置されている。スラスト板55の上側スラスト軸受面58及び下側スラスト軸受面59に対向するスラストブッシュ66、67の面にはポンプアウト作用をなすスパイラル状の動圧発生溝が形成され、スラスト板55とスラストブッシュ66、67との間にそれぞれ流体潤滑剤63が充填され、スラスト動圧軸受部B1、B2が構成されている。なお、両スラストブッシュ66、67は同一部品からなっているが、その動圧発生溝の方向は逆向きにであり、両スラストブッシュ66、67を向かい合わせたときに同一方向になる。
【0032】
ラジアル動圧軸受部A及び両スラスト動圧軸受部B1、B2は相互に連通され、これに連続的に潤滑剤63が充填され、スラスト板55に対しロータハブ61が自在に相対回転支持される。すなわち、シャフト54に対してロータハブ61が回転されると、両スラスト動圧軸受部B1、B2に充填されている潤滑剤63はスラストブッシュ66、67の動圧発生溝つまりスパイラル状溝に従って外周方向に移送され、動圧発生部Aの潤滑剤63と共に動圧軸受部B1、B2の潤滑剤63に圧力が加わり、スラスト板55に対してロータハブ61が、両スラストブッシュ66、67を介してスラスト方向に支持される。さらに、ラジアル動圧軸受部Aに充填されている潤滑剤63は内周部62の動圧発生溝つまりヘリングボーン状溝に従ってその中心部に移送され、この部分の圧力が高まり、スラスト板55に対してロータハブ61がラジアル方向に支持される。
【0033】
ここで、両スラスト動圧軸受部B1、B2に充填されている潤滑剤63は、ロータハブ61の回転時は前述したポンプアウト作用により外周方向に移送されるため、問題はないが、モータ停止時は、潤滑剤63にポンプアウト作用が働かないため、潤滑剤63の漏出の危険が生じる。しかしながら、前述の構成では、スラスト板55の上下両面における動圧軸受部B1、B2より内周側には環状のテーパ溝部56、57が同心状に形成され、スラストブッシュ66、67との間の隙間が徐々に大きくなっているため、潤滑剤63はその表面張力により動圧軸受部B1、B2内に保持され、いわゆるテーパシールにより潤滑剤63の漏れが防止されている。
【0034】
なお、スラストブッシュ66、67内周部にはスラスト板55のテーパ溝部56、57に遊嵌する環状突部68、69が突設されている。これは外部からの衝撃により万が一動圧軸受部B1、B2内の潤滑剤63が内周方向に飛散しても、環状突部68、69が障壁になり、潤滑剤63が容易に外部に飛散しないようにするためのものである。
【0035】
前記環状ボス部53の外周には偏平状のステータ70が外嵌されている。このステータ70は、ステータコア71とこのステータコア71の各ティースに巻回されたコイル72とからなる。前記ロータハブには、ステータ70の外周面に対向するように円環状のロータマグネット73が、絶縁性スペーサ74により高さ調節されて設けられている。ステータコア71のティース部分には、ダミーコア75が固着されている。
【0036】
このような構成のスピンドルモータにあっては、シャフト54に固定したスラスト板55の外周面を利用し、この外周面をラジアル軸受面60としてロータハブ61の内周部62との間でラジアル動圧軸受部Aを構成するようにしたので、従来のようにシャフト周面を直接使用してラジアル動圧軸受部を構成する必要がなく、シャフト54にはスラスト板55を固定するのみでよくなる。従って、当該スピンドルモータを超薄型化させた場合であっても、シャフト54のボス部53に対する圧入長さを所定確保でき、耐ショック性を高めることができる。
【0037】
また、ラジアル動圧軸受部Aをスラスト板5の外周に設けたことにより、この軸受部を大径化することができ、ラジアル軸受面60及び内周部62の内周面並びにヘリングボーン状動圧発生溝の加工精度を高めることが可能になり、特に、内周部60の内径の加工精度アップによりラジアル動圧軸受部Aのクリアランスを詰めることができ、回転精度を高めることができる。その上、ロータハブ61の内径を大きくすることができるため、ロータハブ61をワンチャックで表裏一体加工することが可能になり、加工効率も高まるものである。
【0038】
さらに、スラスト板55の形状がステータ70に影響を受けないため、モータの薄型化によってスラスト板55が小径化されることはなく、所要の外径を確保でき、従って、スラスト負荷容量を増加でき軸受寿命を高めることができる。
【0039】
なお、前記実施例において、ラジアル動圧軸受部Aのヘリングボーン状動圧発生溝は、ロータハブ61の内周部62の内周面に形成する以外にスラスト板55のラジアル軸受面60に形成するようにしてもよい。また、スラスト動圧軸受部B1、B2の動圧発生溝はスラスト板55の上側スラスト軸受面58及び下側スラスト軸受面59に形成されていてもよい。さらに、スラスト動圧軸受部B1、B2の動圧発生溝は、スパイラル状に限らずヘリングボーン状であってもよい。
【0040】
つぎに、本発明の第2の実施例につき、図3及び図4を用いて説明する。なお、これらの図面において前記と同一符号のものは同一もしくは相当するものを示すものとする。
【0041】
ボス部53に圧入固定されたシャフト54の上半部のほぼ中央部には、その軸線に対し実質上垂直状をなす円盤状のスラスト板76が圧入等により一体に設けられている。このスラスト板76の外周面のラジアル軸受面とロータハブ61の円筒面形状内周部62の内周面(ヘリングボーン状の動圧発生溝が形成されている)とで流体潤滑剤が充填されたラジアル動圧軸受部A’が構成されている。
【0042】
ロータハブ61の両環状壁64、65の内周部にはそれぞれ円環板状のスラストブッシュ77、78が、それぞれの外周部を前記内周部62の上下面に当接させて内嵌され、環状壁64、65を周方向複数箇所スラストブッシュ77、78側にかしめることにより両スラストブッシュ77、78がロータハブ61に固定されている。
【0043】
これらスラストブッシュ77、78は、例えば銅合金により構成され、同一部品からなり、部品の共通化が図られており、これらがスラスト板76の軸線方向両面に対向するように配置されている。スラスト板76の上側スラスト軸受面及び下側スラスト軸受面に対向するスラストブッシュ77、78の面にはヘリングボーン状の動圧発生溝が形成され、スラスト板76とスラストブッシュ77、78との間にそれぞれ流体潤滑剤が充填され、スラスト動圧軸受部B1’、B2’が構成されている。両スラスト動圧軸受部B1’、B2’と前記ラジアル動圧軸受部A’との間には、各動圧軸受部の隙間よりはるかに大きい空間79、80が形成され、これが圧力変動に伴う潤滑剤の漏出を防止するために外部に開口されている。
【0044】
スラスト板76と両スラストブッシュ77、78との間のそれぞれの外周部及び内周部には、テーパシール部81、82、83、84が形成され、スラスト動圧軸受部B1’、B2’に充填された潤滑剤の漏出を防止している。内周側のテーパシール部81、83は、前記空間79、80に連通している。
【0045】
ここで、前記従来技術で説明した図5のスピンドルモータの場合、両スラスト軸受部12、13を外部に開口するのにロータハブ15の環状基部22に空気抜き孔を孔加工により設けているが、スピンドルモータの小型化に伴い、高精度な孔開け技術が要求され、加工性を低下させる要因でもあった。
【0046】
第2の実施例では、図4に示すように、スラストブッシュ77、78の外周部に例えば3個の切り欠き85、86を形成し、両スラストブッシュ77、78をロータハブ61に組み込んだ際に両空間79、80が切り欠き85、86を介して外部に開放するようにしている。前記切り欠き85、86は、スラストブッシュ77、78のプレス成形時に同時に形成することができ、従来のような高精度な孔開け技術を要さず、部品加工が非常に簡単になる利点がある。
【0047】
以上、本発明のスピンドルモータの実施例について説明したが、本発明の主旨を逸脱しない範囲で設計変更乃至修正等自由である。即ち本実施例で示した種々の部分的な構成を組み合わせて用いることができる他、動圧軸受の動圧グルーブの形態や数量等、自由に選定することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
【0049】
固定軸体に固定したスラスト板の外周面を利用し、この外周面をラジアル軸受面としてロータハブの円筒面形状内周部との間でラジアル動圧軸受部を構成するようにしたので、従来のようにシャフト周面を直接使用してラジアル動圧軸受部を構成する場合に比べ、シャフトの有効長を短くでき、当該スピンドルモータを超薄型化させた場合であっても、シャフトの支持部材に対する圧入長さを所定確保でき、耐ショック性を高めることができる。
【0050】
また、ラジアル動圧軸受部をスラスト板の外周に設けたことにより、この軸受部を大径化することができ、この動圧軸受部を構成する軸受面及び動圧発生溝の加工精度を高めることが可能になり、特に、ロータハブの内周部の内径の加工精度アップによりラジアル動圧軸受部のクリアランスを詰めることができ、回転精度を高めることができる上、ロータハブの内径を大きくすることができることから、ロータハブをワンチャックで表裏一体加工することが可能になり、加工効率も高まるものである。
【0051】
さらに、スラスト板の形状がステータに影響を受けないため、モータの薄型化によってスラスト板が小径化されることはなく、所要の外径を確保でき、従って、スラスト負荷容量を増加でき軸受寿命を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピンドルモータの第1の実施例を示す半断面図である。
【図2】図1の動圧軸受部分の拡大断面図である。
【図3】本発明のスピンドルモータの第2の実施例を示す半断面図である。
【図4】図3のスラストブッシュの平面図である。
【図5】従来のスピンドルモータを示す断面図である。
【符号の説明】
51 ブラケット51
53 環状ボス部53
54 シャフト
55、76 スラスト板
61 ロータハブ
62 円筒面形状内周部
63 潤滑剤
66、67、77、78 スラストブッシュ
70 ステータ
73 ロータマグネット
85 切り欠き
A,A’ ラジアル動圧軸受部
B1,B2,B1’,B2’ スラスト動圧軸受部

Claims (5)

  1. 固定軸体と、
    該固定軸体に設けられその軸線に対し実質上垂直状をなす円盤状スラスト板と、
    該スラスト板が僅かな間隙を介して嵌合される円筒面形状内周部を有しこの内周部と前記スラスト板の外周部との間でラジアル動圧軸受部を構成するロータハブと、
    該ロータハブに前記スラスト板の軸線方向両面に対向するように取り付けられ該両面との間でそれぞれスラスト動圧軸受部を構成する一対の円環状スラストブッシュとを備え、
    前記ラジアル動圧軸受部及び前記両スラスト動圧軸受部には潤滑剤が介在され、
    前記スラスト板と前記一対の円環状スラストブッシュ各々との間の間隙にテーパシール部を備え、
    前記スラスト板に対し前記ロータハブが自在に相対回転支持されていることを特徴とするスピンドルモータ。
  2. 前記ラジアル動圧軸受部及び前記両スラスト動圧軸受部は互いに連通され、前記潤滑剤が前記ラジアル動圧軸受部及び前記両スラスト動圧軸受部に連続して介在されている請求項1記載のスピンドルモータ。
  3. 前記固定軸体はベースまたはブラケットに設けられた環状ボス部の内周部に圧入固定され、前記環状ボス部の外周にはステータが外嵌され、前記ロータハブに前記ステータの外周面に対向するようにロータマグネットが設けられている請求項1記載のスピンドルモータ。
  4. 前記ラジアル動圧軸受部と前記両スラスト動圧軸受部とのそれぞれの間には前記各動圧軸受部における隙間より大きい空間が形成され、前記ラジアル動圧軸受部及び前記両スラスト動圧軸受部にはそれぞれ独立して前記潤滑剤が介在されている請求項1記載のスピンドルモータ。
  5. 前記一対のスラストブッシュの外周部には、前記両空間を前記動圧軸受部外に開放する切り欠き部が形成されている請求項4記載のスピンドルモータ。
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