JP3140587B2 - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP3140587B2 JP04350887A JP35088792A JP3140587B2 JP 3140587 B2 JP3140587 B2 JP 3140587B2 JP 04350887 A JP04350887 A JP 04350887A JP 35088792 A JP35088792 A JP 35088792A JP 3140587 B2 JP3140587 B2 JP 3140587B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスピンドルモータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、動圧流体ベアリングを用いたスピ
ンドルモータとしては、図12に示すものがあった。
【0003】即ち、このスピンドルモータは、ブラケッ
トaに一端部bが固定されるシャフトcと、シャフトc
に回転自在に枢支されるボス部dを有するハブeと、を
備える。
【0004】そして、シャフトcの他端部fに、スラス
ト規制板gを外嵌固定し、このスラスト規制板gの両面
に、夫々、動圧発生溝を形成する。
【0005】また、ハブeの上壁に凹部hが形成され、
この凹部hに上記規制板gが内装され、この凹部hの開
口部がカバープレートiにて施蓋される。
【0006】そして、この凹部h内に流体ベアリングの
流体としての油が充填される。
【0007】従って、規制板gの内面側に、ハブeに軸
心方向内方(ブラケット側)への押圧力を付与する動圧
流体スラストベアリング部jが形成され、規制板gの外
面側に、ハブeの上記押圧力と反対の方向の押圧力を付
与する動圧流体スラストベアリング部kが形成され、こ
れにより、ハブeは、軸心方向所定位置に保持される。
【0008】また、シャフトcのボス部対応部には、複
数の溝が形成されてなる溝形成部m,mが形成され、ボ
ス部dの内周面とこのボス部対応部との間に上述の油が
充填され、一対の動圧流体ラジアルベアリング部n,n
が形成される。これによって、ハブeはブラケットaに
対して回転自在に支持される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上述の従来
のスピンドルモータでは、カバープレートiは、ハブe
の凹部hの内周面に、接着剤を用いて固定している。
【0010】ところが、この場合、凹部h内に介在され
る油等の流体が、接着剤の接合部に入り混じりやすく、
これにより、接着剤の硬化が損なわれ、充分な固定を行
なうことができなかった。
【0011】また、接着剤を使用せずに、カバープレー
トiを凹部h内へ圧入する方法もあるが、この方法で
は、カバープレートi及びハブeを精度よく仕上げなけ
ればならず、そのための加工が面倒でかつコスト高とな
る欠点があった。
【0012】そこで、本発明では、簡単かつ確実にカバ
ープレートを固定することができるスピンドルモータを
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るスピンドルモータは、シャフトに動
圧流体ラジアルベアリング部を介して回転自在に枢支さ
れるヨークを備えたスピンドルモータであって、ヨーク
の上壁には、外側の大径部と内側の小径部とからなる凹
所が形成され、この凹所内にシャフトの他端部が挿入さ
れ、シャフトの該他端部には、凹所の小径部に内装され
るスラスト規制板が外嵌固定され、該スラスト規制板に
対面するように上記ヨークの凹所の大径部にカバープレ
ートを嵌合し、かつ、上記スラスト規制板と上記カバー
プレートとの間、及び、該スラスト規制板と上記ヨーク
の規制板対応面との間に動圧流体スラストベアリング部
を形成すると共に、上記カバープレートと上記ヨークと
を両者の嵌合周縁部の塑性変形加工にて一体化したもの
である。
【0014】
【作用】カバープレートとヨークとは、塑性変形加工に
て一体化されるので、接着剤を使用することなく該カバ
ープレートを固定することができ、固定が不充分となる
ことがない。
【0015】また、カバープレートは圧入により固定さ
れるものではないので、カバープレート等を高精度に仕
上げる必要がない。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を
詳説する。
【0017】図1は本発明に係るスピンドルモータを示
し、このスピンドルモータは、ベース部材1に一端部2
aが固定されるシャフト2と、該シャフト2に回転自在
に枢支されるヨーク3と、を備える。
【0018】即ち、ベース部材1のボス部4にシャフト
2の一端部2aが挿入固定され、該ボス部4にステータ
5が固定される。
【0019】また、ヨーク3は、例えば、銅合金等から
なり、上壁6と、該上壁6から垂下される円筒ボス部7
と、を備える。
【0020】なお、この上壁6の外周縁には、短円筒状
の垂下壁8が設けられる。
【0021】そして、このヨーク3の上壁6の外周面に
は、ステンレス等の磁性材からなる円筒状のハブ9が取
付けられる。
【0022】このハブ9の内周面には、ステータ5に対
面するロータマグネット10が取付けられる。この場合、
ヨーク3の垂下壁8にロータマグネット10が当接してい
る。
【0023】なお、ステータ5は、ステータコア5aと
これに巻設されるステータコイル5bとからなる。
【0024】しかして、ヨーク3の上壁6には、大径部
11aと小径部11bとからなる凹所11が形成され、この凹
所11内に、シャフト2の小径の他端部2bが挿入され
る。
【0025】このシャフト2の他端部2bには、凹所11
の小径部11bに内装されるスラスト規制板12が外嵌固定
される。
【0026】即ち、規制板12の中心孔12cにシャフト2
の他端部2bが嵌め込まれ、シャフト2の段付面14に規
制板12を当接させ、これにブッシュ13を他端部2bに外
嵌固定することにより、規制板12をシャフト2に固定す
る。
【0027】また、スラスト規制板12の内外面12a,12
bには、夫々、スパイラル状の動圧発生用溝が形成され
る。
【0028】そして、この凹所11の大径部11aには、カ
バープレート15が内装される。
【0029】このカバープレート体15は、中心孔を有す
る円盤体からなり、図5〜図7に示すように、その内周
面16に、断面略半円形状の凹周溝17が形成される。
【0030】また、その内周面16の内外端部には、テー
パ部18,19が夫々形成される。
【0031】この場合、内周面16はブッシュ13の外周面
に対して僅かな隙間をもって対面する。
【0032】しかして、ヨーク3の上壁6の上面6aに
は、図2に示すように、周方向に90°ピッチで4つの凹
部20…が形成され、図3と図4に示すように、この凹部
20の内径側の端部21が内径側へ塑性変形加工され、内径
側へ突出する膨出部22が形成される。
【0033】また、カバープレート15の外周面23の外端
部には切欠き部24が形成され、この切欠き部24に上記膨
出部22が係止し、ヨーク3とカバープレート15とが一体
化される。
【0034】即ち、図3に示すように、カバープレート
15をヨーク3に一体化する前は、凹部20は、その断面形
状が略三角形状とされ、この凹部20の内径側の内面を、
治具25にて打撃して、図4に示すように、膨出部22を形
成する。つまり、カバープレート15とヨーク3とを両者
の周縁部の塑性変形加工(かしめ加工)にて一体化す
る。
【0035】なお、膨出部22の数としては4個に限ら
ず、自由に増減できる。つまり、凹部20の数を増減する
ことにより、膨出部22の数を増減することができる。
【0036】しかして、図1におけるスラスト規制板12
の内面12aと、ヨーク3の規制板対応面26(凹所11の底
面)との間、及び、スラスト規制板12の外面12bと、カ
バープレート15の内面15aとの間に、油等の流体が充填
される。
【0037】従って、スラスト規制板12の内面12a側
に、ヨーク3に軸心方向内方への押圧力を付与する動圧
流体スラストベアリング部28が形成され、スラスト規制
板12の外面12b側に、ヨーク3に上記押圧力と反対の方
向の押圧力を付与する動圧流体スラストベアリング部27
が形成される。
【0038】しかして、シャフト2の外周面29には、ヨ
ーク3の円筒ボス部7に対応するヘリングボーン溝が形
成されてなる溝形成部30が形成されると共に、シャフト
2の外周面29とボス部7の内周面31との間に油等の流体
が充填される。
【0039】従って、シャフト2の外周面29とボス部7
の内周面31との間に動圧流体ラジアルベアリング部32が
形成される。
【0040】また、円筒ボス部7の内周面31の規制板12
側の端部には、図5〜図7に示すように、周方向切欠き
部33が形成される。
【0041】この切欠き部33は、断面形状が略三角形の
本体部33aと、断面形状が略矩形状の副部33bと、から
なる。
【0042】さらに、ボス部7の内周面31の先端側に
は、図8に示すように、凹周溝34が形成される。
【0043】この凹周溝34は、断面形状が台形状の本体
部34aと、該本体部34aに連設される断面形状が略矩形
状の一対の副部34b,34cとからなる。
【0044】また、図1に示すように、凹所11の大径部
11aの内周面内端部、及びシャフト2の他端部2bの外
周面内端部に、夫々、凹周溝35,36が形成される。
【0045】しかして、ハブ9の外周面には、図1の仮
想線で示すように、ディスク37,37が取付けられる。
【0046】即ち、図1の仮想線で示すように、クラン
プ部材38を装着することにより、このクランプ部材38と
ハブ9の外周面の突部39との間に、ディスク37,37を保
持させる。図1中、40はOリングを示し、41はスペーサ
を示す。
【0047】なお、図1において、42はベース部材1に
貫設された孔であって、ステータ5のステータコイル5
bのリード部がこの孔42を介して引き出される。
【0048】また、ベース部材1のボス部4には、樹脂
からなるステータ保持部材43が付設され、このステータ
保持部材43にステータ5が保持される。
【0049】即ち、ステータ保持部材43は樹脂で形成さ
れているので、ステータ5の軸心方向の高さ位置決めを
自由に調整することができると共に、ステータ5から発
生する振動を効果的に吸収することができる。
【0050】従って、上述の如く構成されたスピンドル
モータによれば、動圧流体ラジアルベアリング部32を介
して、ヨーク3延いてはハブ9がシャフト2に回転自在
に枢支され、動圧流体スラストベアリング部27及び動圧
流体スラストベアリング部28によってヨーク3延いては
ハブ9が軸心方向所定位置に保持される。
【0051】しかして、カバープレート15とスラスト規
制板12との間に介装される油等の流体Mが、図5に示す
ように、カバープレート15の内周面16側に流出した際に
は、カバープレート15のテーパ部18の影響を受け、該流
体Mはその表面張力でその表面がまるくなり、流出しに
くいものとなる。
【0052】また、この状態からたとえ流出したとして
も、図6に示すように、凹周溝17に浸入した際に、流体
Mの表面が表面張力の作用によってまるくなり、流体M
の流出を行ないにくくしている。
【0053】そして、この状態からさらに流出したとし
ても、図7に示すように、凹周溝17に浸入して該凹周溝
17から流出した流体Mは、その表面が表面張力の作用に
よってまるくなり、流体Mの流出を行ないにくくしてい
る。
【0054】また、動圧流体ラジアルベアリング部32用
の流体Mが、スラスト規制板12側に流出した場合、図5
〜図6に示すように、切欠き部33が流体漏れを有効に防
止する。
【0055】即ち、流出した流体Mは、切欠き部33の本
体部33aに浸入した際に、その表面が表面張力の作用に
よりまるくなり、流出しにくいものとしているからであ
る。
【0056】同様に、流体Mがベース部材1のボス部4
側へ流出した場合、図8に示すように、凹周溝34が流体
漏れを有効に防止している。
【0057】即ち、流出した流体Mは、凹周溝34の本体
部34aに浸入した際に、その表面が表面張力の作用によ
りまるくなり、流出しにくいものとしているからであ
る。そして、さらにテーパ部34dによっても同様の作用
をなす。
【0058】ところで、切欠き部33の副部33b及び凹周
溝34の副部34bは、毛細管現象を利用して、積極的に流
体Mをこの副部33b,34bあるいは34cに保持させ、作
用する表面張力と相侯って、流体漏れを有効に防止する
機能がある。
【0059】また、ヨーク3の大径部11aに設けられる
凹周溝35は、カバープレート15を大径部11aに嵌め込ん
だ際に、スラスト規制板12の近傍に充填された流体Mが
カバープレート15の外面15bまで食み出すのを防止する
ための油溜り溝である。
【0060】そして、ヨーク3の垂下壁8は、ロータマ
グネット10に当接しているので、ロータマグネット10の
位置決めを行なっている。
【0061】なお、ベース部材1には、ボス部4の外径
側に、立上り周壁部44が形成され、この立上り周壁部44
内に、ハブ9の端部が嵌合される。
【0062】即ち、立上り周壁部44の内周面と、これに
対応するハブ外周面との間にラビリンス構造45が形成さ
れ、油等の流体のモータ外への流出を有効に防止してい
る。
【0063】次に、図9は他の実施例を示し、この場
合、カバープレート15側に、凹部20…を形成し、カバー
プレート15側をかしめることにより、ヨーク3とカバー
プレート15とを一体化している。
【0064】即ち、図10と図11に示すように、ヨーク3
の大径部11aの外端縁に、図3に示す治具25にて係止す
る膨出部22を塑性変形加工にて形成することにより一体
化する。
【0065】また、この場合、図9に示すように、シャ
フト2には、一対の溝形成部30,30が形成され、このス
ピンドルモータは、一対の動圧流体ラジアルベアリング
部32,32が形成される。
【0066】なお、この場合、切欠き部33と凹周溝34と
の間には、溝形成部30,30間に対応する小凹周溝46が形
成され、かつ、ヨーク3の大径部11aの底面に油溜り部
47が形成される。
【0067】また、スラスト規制板12は、シャフト2の
大径部に直接圧入固定され、ブッシュ13を省略してい
る。
【0068】しかして、他の構造は、上述の図1に示す
スピンドルモータと同一であるので、それらの説明を省
略する。
【0069】従って、図9に示すスピンドルモータも、
図1に示すスピンドルモータと同様、動圧流体ラジアル
ベアリング部32,32を介して、ヨーク3延いてはハブ9
がシャフト2に回転自在に枢支され、動圧流体スラスト
ベアリング部27及び動圧流体ベアリング部28によってヨ
ーク3延いてはハブ9が軸心方向所定位置に保持され
る。
【0070】しかも、ベアリング部27,28,32に使用さ
れる油等の流体Mの漏れを有効に防止することができ
る。
【0071】さらに、この実施例では、動圧流体ラジア
ルベアリング部32が軸心方向に一対設けられるので、ラ
ジアル軸受けとしての剛性の増加を図ることができ、ヨ
ーク3延いてはハブ9は常に安定して回転する。
【0072】また、ブッシュ13を省略することができ、
部品点数の減少、及び、シャフト2の段付き加工の軽減
を図ることができる。つまり、小径の他端部2aの段付
量Gを極めて小とすることができる。
【0073】なお、本発明は上述の実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由であ
り、例えば、動圧流体スラストベアリング部28を形成す
るためのスパイラル状の溝を、規制板12の内面12aに形
成せずに規制板対応面26に形成するも、動圧流体スラス
トベアリング部27を形成するためのスパイラル状の溝
を、規制板12の外面12bに形成せずにカバープレート15
の内面15aに形成するも自由である。その他、本実施例
では、シャフト2と規制板12とは、別体としているが、
これらが一体に形成されていてもよい。
【0074】また、動圧流体ラジアルベアリング部32を
形成するための溝を、シャフト2側に形成せずに、円筒
ボス部7の内周面31側に形成するも自由である。
【0075】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0076】カバープレート15を接着剤を使用すること
なく、ヨーク3に固定することができ、動圧流体ベアリ
ング部27,28,32を形成するための油等の流体Mに影響
を受けることなく、その固定を確実に行なえる。
【0077】また、カバープレート15は圧入固定される
ものではないので、カバープレート15等の加工精度の向
上を図る必要がなく、製造しやすく、コスト高とならな
い利点がある。
【0078】しかも、カバープレート15とヨーク3との
一体化は、塑性変形加工にて行なわれるので、極めて簡
単かつ短時間に行なうことができ、生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】簡略平面図である。
【図3】組付け方法を示す要部拡大断面図である。
【図4】組付け後の要部拡大断面図である。
【図5】作用説明図である。
【図6】作用説明図である。
【図7】作用説明図である。
【図8】ヨークの要部拡大断面図である。
【図9】他の実施例の断面図である。
【図10】組付け方法を示す要部拡大断面図である。
【図11】組付け後の要部拡大断面図である。
【図12】従来のスピンドルモータを示す断面図である。
【符号の説明】
2 シャフト 3 ヨーク 11 凹所 12 スラスト規制板 15 カバープレート 26 規制板対応面 27 動圧流体スラストベアリング部 28 動圧流体スラストベアリング部 32 動圧流体ラジアルベアリング部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 5/167 H02K 5/16 F16C 17/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト2に動圧流体ラジアルベアリン
    グ部32を介して回転自在に枢支されるヨーク3を備えた
    スピンドルモータであって、ヨーク3の上壁6には、外
    側の大径部11aと内側の小径部11bとからなる凹所11が
    形成され、この凹所11内にシャフト2の他端部2bが挿
    入され、シャフト2の該他端部2bには、凹所11の小径
    部11bに内装されるスラスト規制板12が外嵌固定され、
    該スラスト規制板12に対面するように上記ヨーク3の凹
    所11の大径部11aにカバープレート15を嵌合し、かつ、
    上記スラスト規制板12と上記カバープレート15との間、
    及び、該スラスト規制板12と上記ヨーク3の規制板対応
    面26との間に動圧流体スラストベアリング部27,28を形
    成すると共に、上記カバープレート15と上記ヨーク3と
    を両者の嵌合周縁部の塑性変形加工にて一体化したこと
    を特徴とするスピンドルモータ。
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