JP2000324778A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP2000324778A
JP2000324778A JP11124205A JP12420599A JP2000324778A JP 2000324778 A JP2000324778 A JP 2000324778A JP 11124205 A JP11124205 A JP 11124205A JP 12420599 A JP12420599 A JP 12420599A JP 2000324778 A JP2000324778 A JP 2000324778A
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Japan
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shaft
spindle motor
rotor hub
thrust plate
fixed
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JP11124205A
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English (en)
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Osamu Komura
修 小村
Makoto Otsuki
誠 大槻
Kaoru Murabe
馨 村部
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K7/00Arrangements for handling mechanical energy structurally associated with dynamo-electric machines, e.g. structural association with mechanical driving motors or auxiliary dynamo-electric machines
    • H02K7/08Structural association with bearings
    • H02K7/086Structural association with bearings radially supporting the rotor around a fixed spindle; radially supporting the rotor directly
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B19/00Driving, starting, stopping record carriers not specifically of filamentary or web form, or of supports therefor; Control thereof; Control of operating function ; Driving both disc and head
    • G11B19/20Driving; Starting; Stopping; Control thereof
    • G11B19/2009Turntables, hubs and motors for disk drives; Mounting of motors in the drive

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Turning (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型軽量、構造簡単で高い記憶容量を実現で
きる小型記憶装置用の一端支持式シャフトを有するスピ
ンドルモータを提供する。 【解決手段】 シャフト32を比重が小さく剛性が高い
セラミックスで構成するものとし、回転中の軸振れを減
少させる。これによりスチール製の場合には両端支持式
とする必要があったシャフトを、一端支持式にしたまま
でより多くの記憶メディア6を収容することができる。
ロータハブ34の外径Dhに対するシャフト32の外径
Dsの比(Ds/Dh)が0.4以上とすることで、優
位な剛性を確保することができ、又中空軸受の場合には
肉厚を2mm程度まで薄くして所望の剛性を確保すること
ができる。流体動圧軸受に対しては、小径のセラミック
スを使用することにより周速を低減でき、オイル温度上
昇を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクな
どの小型記憶装置に供されるスピンドルモータに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ハードディスクのような小型記
憶装置に供されるスピンドルモータは、小型軽量で高精
度のものが要求されており、更に将来にはより多くの記
憶容量を持ち、情報メディアでの読み書きがより早くで
きることが要求される。これに対応するには、その駆動
源となるスピンドルモータを、軽量小型を維持しつつ、
より多くの枚数の情報メディアを、より精度よく、より
高速に回転できるようにする必要がある。
【0003】図1は従来技術によるスピンドルモータの
一例を示したものである。図において、1はハウジン
グ、2はそのハウジング1に一端支持式に固定されたシ
ャフト、3はそのシャフト2に圧入されたボールベアリ
ングで、このボールベアリング3は外周部にロータハブ
4を回転可能に支承している。6は記憶メディアで、前
記ロータハブ4の外周に、記憶面での情報の読み取り/
書き込みができるように所定の間隔を置いて前記シャフ
ト2の軸と垂直な面にそれぞれが平行になるよう搭載さ
れている。7はハウジング1に固定されたステータで、
ステータ7にはコイル8が巻かれ、ロータハブ4の内周
面に固定された9のロータ磁石に対向している。
【0004】その動作は、コイル8に通電されることに
よって、ステータ7とロータ磁石9との間で反発及び吸
引力が作用し、これによってロータハブ4の駆動回転力
が生まれて、シャフト2に対しボールベアリング3を介
してロータハブ4が回転し、そのロータハブ4に装着さ
れた記憶メディア6が回転することから、図示しないポ
ジショナのヘッド部分により、記憶メディア6上に記憶
された情報の中から必要な情報が取り出され、もしくは
記憶メディア6上に必要な情報が記録されることとな
る。
【0005】前述のように、ハードディスクにはできる
だけ小型軽量の装置で、できるだけ多くの情報を短時間
で読み/書きできることが要求される。図1に示す例に
おいては、シャフト2は構造簡単な一端支持式であり、
その外径は6mmで、シャフト材質はステンレス鋼であ
る。このような条件の下におけるハードディスクでは、
装備される記憶メディア6の枚数は4枚程度が限度とな
る。それ以上記憶メディアを増やした場合には、シャフ
ト2の剛性が不足して軸振れ(モータの振動)が大きく
なり、記憶メディア6上の情報の読み書きに障害を起こ
すためである。
【0006】しかし、市場では更なる記憶容量の増加が
要求されており、この要求に応えるには、10枚、ある
いはそれ以上の枚数の記憶メディア6をロータハブに装
着して回転させることが必要となる。このための対応と
して従来技術で考えられているのは、1つはシャフト2
の径を増大することであり、他の方法はシャフト2を両
端支持方式にすることで、これによりシャフト2の軸振
れを抑えるものとしている。
【0007】その内シャフト2を両端支持式にする場合
の例を、図2に示す。図2において、図1と同じ符号の
ものは同一の機能を果たすものであり、説明は省略す
る。図において、12はシャフトで、その上端にはねじ
穴が設けられいる。13はハードディスク収納ケース
で、前記シャフト12のねじ穴と同心の穴部15を有
し、その穴部をねじ16が貫通して前記シャフト12の
ねじ穴にねじ込まれている。14はロータハブで、図面
上の上端中央部には貫通穴が設けられ、シャフト12を
貫通させている。このような構成とすることにより、シ
ャフト2はハウジング1側と収納ケース13側の両端で
固定された両端支持式となる。このためシャフトの剛性
が高められる結果、同じ6mm径の条件の下でいえば、
記憶メディア6の枚数を約10枚程度まで増加しても軸
振れを許容限度内に抑えることができるようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
対応策にはそれぞれ問題があった。まずシャフト2の径
を増大する方法では、ハードディスク自身の重量が増加
し、小型軽量化要求に反するものとなる。一方のシャフ
ト2を両端支持式にした場合には、収納ケース13とシ
ャフト2のネジ孔との同軸を確保するため精度よい加工
が要求され、又シャフト自身の穴あけ、ネジ切りなどの
追加の工程が必要となり、構造が複雑となった。
【0009】一方、小型軽量の要求に対処するため、最
近はスピンドルモータの軸受部に、空気を利用して動圧
を発生させる動圧気体軸受や、オイルを利用して動圧を
発生させる流体動圧軸受など動圧軸受が利用される傾向
にあるが、この内流体動圧軸受においては、使用するオ
イルの粘性に起因して軸受部における相対速度が速くな
ると発熱するという問題があり、これに対応するために
は軸受部の径をできるだけ小さくして周速を抑える必要
があるものの、従来のスチール材料では強度的な制約が
あった。
【0010】したがって、本発明の目的は上記のような
課題を解決するために行われたもので、ハードディスク
の小型軽量化の要求にも沿い、記憶容量を高めることが
でき、流体動圧軸受を採用したときでも高速回転を可能
にするハードディスク用のスピンドルモータを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するため、シャフト部分を剛性の高いセラミックスで
構成した一端支持式のスピンドルモータとするもので、
より具体的には、以下のように構成するものとしてい
る。
【0012】すなわち、請求項1に記載の本発明にかか
る一端支持式スピンドルモータは、ハウジングと、その
ハウジングに一端支持式に固定されたシャフトと、その
シャフトに回転可能に嵌装されるロータハブとからな
り、前記ハウジング側に固定されたコイルと、前記ロー
タハブ側に固定されたロータ磁石との間で回転駆動力を
発生させる形式のスピンドルモータにおいて、前記シャ
フトを、剛性の高いセラミックスで構成することによ
り、回転中の軸振れを減少させたことを特徴としてい
る。前記シャフトに対するロータハブの回転は、ボール
ベアリング、動圧軸受など、任意の軸受構造で実現する
ことができる。
【0013】請求項2に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、これを動圧軸受け式としたもの
で、前記ロータハブにそのロータハブと同軸に固定され
てもしくは一体に形成されて、前記シャフトと所定の間
隙を設けて嵌装されるスリーブと、そのスリーブの下端
面に対向して前記ハウジング側に固定されるスラストプ
レートとを更に含み、モータの回転駆動時には前記シャ
フトと前記スリーブとの間、及び前記スリーブと前記ス
ラストプレートとの間のいずれか一方もしくは双方が、
動圧軸受として機能するよう構成されていることを特徴
としている。
【0014】請求項3に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、ハウジングと、そのハウジング
に一端支持式に固定された中空円筒部材と、その中空円
筒部材に回転可能に嵌入されるシャフトとからなり、前
記ハウジング側に固定されたコイルと、前記シャフトと
一体となって回転するロータハブ側に固定されたロータ
磁石との間で回転駆動力を発生させる形式のスピンドル
モータにおいて、前記シャフトを、剛性の高いセラミッ
クスで構成することにより、回転中の軸振れを減少させ
たことを特徴としている。前記中空円筒部材に対するシ
ャフトの回転は、ボールベアリング、動圧軸受など、任
意の軸受構造で実現することができる。
【0015】請求項4に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、これを動圧軸受式としたもの
で、前記中空円筒部材にその中空円筒部材と同軸に固定
されてもしくは一体に形成されて、前記シャフトが所定
の間隙を設けて嵌入されるスリーブと、前記シャフトの
下端面にそのシャフトの軸に垂直に固定されるスラスト
プレート及びそのスラストプレートに対向して前記中空
円筒部材に設けられるスラストプレート受けと、のいず
れか一方もしくは双方を更に含み、モータの回転駆動時
には前記シャフトと前記スリーブとの間、及び前記スラ
ストプレートと前記スラストプレート受けとの間のいず
れか一方もしくは双方が、動圧軸受として機能するよう
構成されていることを特徴としている。
【0016】請求項5に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、前記シャフトが中実シャフトで
あり、その直径Dsが、1mm≦Ds≦10mmを満足
することを特徴としている。
【0017】請求項6に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、前記シャフトが中空シャフトで
あり、その外径をDs,内径をdsとしたときに、6m
m≦Ds≦20mmでかつ4mm≦(Ds−ds)を満
足することを特徴としている。
【0018】請求項7に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、前記ロータハブの情報メディア
搭載部の外径Dhに対する前記シャフトの外径Dsの比
r(r=Ds/Dh)が0.4≦rを満足することを特
徴としている。
【0019】請求項8に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、前記シャフト径Dsが1mm≦
Ds<2mmの場合、上記ロータハブに搭載される情報
メディアの枚数が1枚ないし4枚であることを特徴とし
ている。
【0020】請求項9に記載の本発明にかかる一端支持
式スピンドルモータは、前記シャフト径Dsが2mm≦
Dsの場合、上記ロータハブに搭載される情報メディア
の枚数が4枚ないし15枚であることを特徴としてい
る。
【0021】請求項10に記載の本発明にかかる一端支
持式スピンドルモータは、前記スリーブ、スラストプレ
ート及びスラストプレート受けの内の一部もしくは全部
が、セラミックス製であることを特徴としている。
【0022】そして、請求項11に記載の本発明にかか
る一端支持式スピンドルモータは、前記動圧軸受が、流
体動圧軸受であることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明にかかる第1の実施の態様
につき、図面を参照に説明する。図3は、その第1の実
施の態様を示したもので、図において、図1及び図2で
用いた同一符号のものは同一の機能を果たすものであ
り、説明を省略する。図の22はセラミックスからなる
シャフトを表しており、この例においては、図1及び図
2と同様、その径は6mmで、ハウジング1に一端支持
式に固定されている。このセラミックスのシャフト22
の材質は、好ましくはアルミナ系セラミックスであり、
そのヤング率(Gpa)は約300から400で、スチ
ールの約2倍の値を有する。
【0024】上記のように構成することにより、剛性の
高いセラミックスのシャフト22を用いたことから、同
じ6mm径の一端支持式でありながら、記憶メディアの
枚数は、4枚より多く約10枚まで装着して使用するこ
とが可能となる。
【0025】搭載可能な情報メディアの枚数は、使用状
態や要求条件によって異なるが、情報メディア枚数と軸
振れとの関係につき発明者らが行った対比実験結果を図
5に示す。図5は、一端支持式のセラミックスシャフト
(a)とステンレスシャフト(b)とをそれぞれ用いた
ときのスピンドルモータの軸振れを測定したものであ
る。この実験結果によれば、一端支持式のセラミックス
シャフトを使用した場合の搭載可能メディアの枚数は、
概略の目安として1.5mm径のシャフトで1−2枚、
4mm径では、4−8枚(ステンレスの場合では2、3
枚)、6mmでは6−10枚(同じく、3、4枚)、8
mmでは8−15枚(同じく、4−8枚)程である。
【0026】セラミックス製の中実シャフトとしては、
その径は約1mm程度から使用可能であるが、上記のよ
うに情報メディアを4枚以上搭載して一端支持式で回転
するには2mm径以上とすることが実際的であり、また
径が10mm程度以上となった場合には必要とされる材料
と重量の関係からは中空とすることが推奨されることか
ら、一端支持式の中実シャフトへの適用を前提とした場
合、4枚以上の情報メディアを搭載する場合には2mm
から10mmの径で使用することが好ましい。
【0027】次に、本発明にかかる第2の実施の形態に
つき、図面を参照に説明する。前記第1の実施の形態で
は、図3に示すように、ボールベアリング3がロータハ
ブ24を回転可能に支承する手段として示されている
が、最近ではより精度よく、軽量、低騒音の流体動圧軸
受(FDB)、動圧気体軸受(ADB)などの動圧軸受
が使用されるようになってきており、本発明はこれら他
の軸受形式に対してももちろん適用可能である。本実施
の形態は、中空のセラミックス製シャフトと動圧気体軸
受とを組合せたものであり、その構成を図4に示す。
【0028】なお、本明細書において、動圧気体軸受と
は、気体を利用して動圧を発生させるもの、流体動圧軸
受とは、オイルなどの流体(気体を除く)を利用して動
圧を発生させるもの、そして単に動圧軸受としたとき
は、この両者を含む概念を意味するものとする。
【0029】図4において、図1から図3で用いた同一
符号のものは同一の機能を果たすもので、説明を省略す
る。図において、32はセラミックス製の中空シャフト
で、ハウジング1に一端支持式に固定されている。33
はスリーブで、34のロータハブの内面に圧入等により
取り付けられ、前記シャフト33に所定間隔を設けて嵌
装されている。35はスラストプレートで、そのスリー
ブ33に対向する表面には36の点線で示すスラスト動
圧を発生する溝が掘られている。
【0030】その動作は、前述のようにコイル8への通
電により、ステータ7とロータ磁石9との間に回転駆動
力が発生し、シャフト32に対してロータハブ34及び
それに取り付けられたスリーブ33が回転する。一定の
回転速度に達すると、スラストプレート35とそれに対
向するスリーブ33の下端面との間にスラスト動圧が発
生し、又シャフト32とスリーブ33との間にはラジア
ル動圧が発生する結果、ロータハブ34及びスリーブ3
3は無接触の状態でシャフト32を中心に回転する。
【0031】なお、シャフト32のスリーブ33に対向
する外周面には、本実施の形態では特に表面への加工は
されていないが、一般に知られたへリングボーン溝や螺
旋状の溝、もしくは縦溝などの溝部を設け、ラジアル動
圧の発生を促進するようにしてもよい。
【0032】又、上記のようにスラスト及びラジアル動
圧が発生するに十分な周速に至るまでの間は、スリーブ
33はシャフト32及び/又はスラストプレート35と
接触したまま回転する。これらの材料として焼入れステ
ンレス鋼なども使用されるが、上記観点からは、シャフ
ト32に限らずスリーブ33及びスラストプレート35
もセラミックス製とし、耐久性を高めるようにすること
が好ましい。
【0033】なお、後の実施の形態で述べるように、オ
イルを使った流体動圧軸受においては、オイルの粘性の
ために一定の周速以上の高速回転は困難となるが、本実
施の形態における動圧気体軸受においてはこの問題がな
く、シャフト径を大きくとることができる。重量軽減の
ために中空のシャフトとしても、径が大きい分だけ剛性
を高めることができる。同様な対応はスチール製のシャ
フトでも行うことができるが、中空とした場合でもスチ
ールの場合は所定の剛性を保つためには肉厚を一定以上
薄くすることはできず、又重量は径の二乗に比例するこ
とからセラミックスに比較してより不利に働く。
【0034】具体的には、例えばアルミナ系のセラミッ
クスでは、比重が3.9でスチールの約半分しかなく、
更にその剛性は約2倍と飛躍的に高いことから、中空と
した場合の肉厚も2mm程度(内・外径の直径の差で4m
m)まで追い込んでも所定の剛性が確保でき、かつこの
程度の肉厚を実施する製造技術も確保されている。スチ
ールの場合では比重が大きい上に肉厚もセラミックスに
比べて厚くするか、もしくは径を大きくするかせねばら
なず、重量に関して2重の障害となる。
【0035】発明者らの実験によれば、中空のセラミッ
クスシャフトとしては6mm径からの実施が可能であ
る。中空セラミックス製シャフトの肉厚を2mmとすれ
ば、概略の搭載可能な記憶メディア枚数は、6mmの外
径では4−8枚、10mmでは6−12枚、15mmで
は8−15枚、20mmでは10−20枚程度となる。
【0036】セラミックス製の中空シャフトとしては、
その外径が約6mm、内径が2mm程度から使用可能で
あり、またハードディスク用として使用する前提考える
と、最大でも20mm程度までで、しかもこの領域におい
ては肉厚2mmまで加工上からも剛性の点からも現実的に
利用可能なことから、中空の一端支持式シャフトへの適
用を前提とした場合、その外径が約6mmから約20m
mの間で、肉厚を2mm以上として使用することが好ま
しい。
【0037】モータ駆動回転時におけるシャフトの軸触
れは、シャフトの外径Dsと、ロータハブの外径Dhと
の比をr(r=Ds/Dh)とすれば、このrによる影
響も受け、当然ロータハブに対して、シャフト径が大き
いほど剛性が高くなり、軸振れを少なくすることができ
る。発明者らの実験によれば、上記比rが、0.4以上
であれば、前記軸振れを少なく抑えることを見出した。
図6はその実験結果を示したもので、実験は図4に示す
形式のスピンドルモータを使用しており、そのときの条
件等は、Dh=25mm、軸受長さ:15mm、メディア
枚数:16枚、回転数18,000rpmであった。
【0038】なお、本実施の形態では、スラスト方向及
びラジアル方向ともを動圧気体軸受としているが、これ
をいずれか一方のみを動圧気体軸受とし、他方を外の手
段、例えば磁気軸受などを利用する方式とすることもで
きる。
【0039】次に、本発明にかかる第3の実施の形態に
つき、図面を参照に説明する。本実施の形態にかかるス
ピンドルモータは、固定スリーブの中でシャフト側が回
転する形式と流体動圧軸受とを組合せたものである。前
述のように流体動圧軸受においては、動圧を発生させる
ために通常潤滑油等のオイルが使用されるが、そのオイ
ルの持つ粘性特性から、動圧を発生させる部材間の相対
速度を一定以上に上げるとオイルが発熱して機能低下す
るという問題がある。本発明によれば、剛性の高いセラ
ミックスシャフトを用いることでそのシャフト径を細く
することができ、その分、周速を下げられるため流体動
圧軸受の適用範囲を広げる効果があり、ステンレス鋼な
ど他の材質では得られない適用範囲の拡大をもたらす。
【0040】一般にオイル動圧軸受に適用するシャフト
径は、上記発熱の問題から6mmまでが限度とされ、上述
のようにこの径の範囲における一端支持式のシャフトで
は、ステンレス鋼の場合は4枚程度の情報メディア搭載
が限度であるが、これをセラミックスにした場合には1
0枚程度まで増やすことが可能となり、記憶容量を大幅
に改善することができる。
【0041】図7は本実施の形態にかかるスピンドルモ
ータの例を示したもので、図において、図1から図4で
用いた同一符号のものは同一の機能を果たすもので、説
明を省略する。図において、41は中空円筒部材で、ハ
ウジング1に一端支持式に固定され、その中空円筒部材
41と同軸に43のスリーブが固定されている。42は
シャフトで、前記43のスリーブに嵌入され、またシャ
フト42には44のロータハブが取り付けられてのシャ
フト42とともに回転要素を構成する。
【0042】前記シャフト42の下端には45のスラス
トプレートがその軸に垂直に固定され、その対向する位
置には46のスラストプレート受けが中空円筒部材41
に固定されている。この対向するいずれかの面(図面上
ではスラストプレート45の面)には47の点線で示す
スラスト動圧を発生する溝が掘られている。本実施の形
態では流体動圧軸受式となっているため、前記シャフト
42とスリーブ43との間、スラストプレート45とス
ラストプレート受け46との間にはオイルが封入されて
おり、そのためシャフト42の図面上で上部に設けられ
たフランジ部48とシール49との間でオイルシールが
形成されている。なお、スリーブ44、スラストプレー
ト45及びスラストプレート受け46の材質は、前記と
同様セラミックスとすることが耐久性の観点から好まし
い。
【0043】その動作は、前述と同様コイルへの通電に
より、ステータ7とロータ磁石9との間に回転駆動力が
発生し、スリーブ43に対してシャフト42及びロータ
ハブ44が回転する。一定の回転速度に達すると、スラ
ストプレート45とそれに対向するスラストプレート受
け46との間にスラスト動圧が発生し、又シャフト42
とスリーブ43との間にはラジアル動圧が発生する結
果、シャフト42及びロータハブ34は無接触の状態で
スリーブ43を中心に回転するものである。
【0044】本実施の形態では、動圧部にオイルが使用
されているため、前述のようにその粘性による温度上昇
を避ける必要があり、剛性面で有利なセラミックスシャ
フトを使用することでシャフト径を小さくでき、その
分、周速が下がるのでこのような流体動圧軸受形式には
極めて好ましいものとなる。
【0045】図8は、シャフト回転式のスピンドルモー
タにおけるシャフトの径と軸振れの関係を、セラミック
ス、及び焼入れステンレスについて測定したものであ
る。図からも明らかな通り、特にシャフトが小径になる
ほどセラミックスの優位性が顕著であり、前記のような
流体動圧軸受へ適用した場合の良好さを立証している。
【0046】なお、本実施の形態では、シャフト回転式
と流体動圧軸受との組み合わせとなっているが、シャフ
ト回転式と動圧気体軸受との組合せとすることももちろ
ん可能である。
【0047】
【発明の効果】シャフト部分を剛性の大きなセラミック
スで構成することにより、回転中の軸振れを減少させる
ことができ、ハードディスクの小型軽量化要求に沿った
スピンドルモータを提供することができる。比重が小さ
なセラミックスで構成することにより、同一条件のまま
であると仮定しても、スチールシャフトに比べて軸受部
分の重量を約半分に軽減することができる。
【0048】次に、セラミックスがスチールに比べて剛
性が高いことから、従来技術によるスチール製シャフト
に対してシャフト一端支持式固定の条件で、搭載可能な
記憶メディアの枚数は、概略1.5倍から2倍に増え、
従来では両端支持が必要であったものが一端支持のまま
とすることが可能となり、更なる小型軽量に貢献できる
ほか、構造簡単なスピンドルモータを提供することがで
きる。
【0049】特に、ロータハブの外径に対するシャフト
の外径の比rが0.4以上の領域ではシャフトの剛性が
更に増大し、より顕著に軸振れを抑制することが可能と
なる。シャフトの外径及びスラストプレートを使って動
圧気体軸受を構成することにより、上記rを0.4以上
にしてもトルクの増大や発熱の問題を回避することがで
きる。
【0050】又、本発明にかかるセラミックス製シャフ
トを流体動圧軸受に適用した場合には、その高剛性を生
かして軸径を細くすることができ、周速を低減できる結
果より高い回転数でスピンドルモータを駆動することが
できるようになる。
【0051】更に、耐摩耗性の高いセラミックスを使用
していることから、動圧が発生する以前の接触回転によ
る摩耗の問題を回避することができ、耐久性の高いスピ
ンドルモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術によるシャフト一端支持式スピンド
ルモータの断面図である。
【図2】 従来技術によるシャフト両端支持式スピンド
ルモータの断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態におけるスピンドルモー
タの断面図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態におけるスピンドル
モータの断面図である。
【図5】 メディア枚数と軸振れとの関係を示すグラフ
である。
【図6】 ロータハブ径に対するシャフト径と、軸触れ
との関係を示すグラフである。
【図7】 本発明の他の実施の形態におけるスピンドル
モータの断面図である。
【図8】 シャフト径と軸振れとの関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 シャフト 4 ロータハブ 6 記憶メディア 7 ステータ 8 コイル 9 ロータ磁石 22 シャフト 24 ロータハブ 32 シャフト 33 スリーブ 35 スラストプレート 42 シャフト 43 スリーブ 45 スラストプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村部 馨 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 3J011 AA04 BA04 BA08 CA02 DA01 QA17 SD01 5H607 AA00 AA04 BB09 BB14 BB17 CC01 GG01 GG03 GG12 GG14 GG15 KK00 KK10 5H621 GA04 HH01 JK13 JK17 JK19

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、 そのハウジングに一端支持式に固定されたシャフトと、 そのシャフトに回転可能に嵌装されるロータハブとから
    なり、 前記ハウジング側に固定されたコイルと、前記ロータハ
    ブ側に固定されたロータ磁石との間で回転駆動力を発生
    させる形式のスピンドルモータにおいて、 前記シャフトを、剛性の高いセラミックスで構成するこ
    とにより、回転中の軸振れを減少させたことを特徴とす
    る一端支持式スピンドルモータ。
  2. 【請求項2】 前記一端支持式スピンドルモータが、 前記ロータハブにそのロータハブと同軸に固定されても
    しくは一体に形成されて、前記シャフトと所定の間隙を
    設けて嵌装されるスリーブと、 そのスリーブの下端面に対向して前記ハウジング側に固
    定されるスラストプレートとを更に含み、 モータの回転駆動時には前記シャフトと前記スリーブと
    の間、及び前記スリーブと前記スラストプレートとの間
    のいずれか一方もしくは双方が、動圧軸受として機能す
    るよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記
    載の一端支持式スピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 ハウジングと、 そのハウジングに一端支持式に固定された中空円筒部材
    と、 その中空円筒部材に回転可能に嵌入されるシャフトとか
    らなり、 前記ハウジング側に固定されたコイルと、前記シャフト
    と一体となって回転するロータハブ側に固定されたロー
    タ磁石との間で回転駆動力を発生させる形式のスピンド
    ルモータにおいて、 前記シャフトを、剛性の高いセラミックスで構成するこ
    とにより、回転中の軸振れを減少させたことを特徴とす
    る一端支持式スピンドルモータ。
  4. 【請求項4】 前記一端支持式スピンドルモータが、 前記中空円筒部材にその中空円筒部材と同軸に固定され
    てもしくは一体に形成されて、前記シャフトが所定の間
    隙を設けて嵌入されるスリーブと、 前記シャフトの下端面にそのシャフトの軸に垂直に固定
    されるスラストプレート及びそのスラストプレートに対
    向して所定の間隙を設けて前記中空円筒部材に設けられ
    るスラストプレート受けと、のいずれか一方もしくは双
    方を更に含み、 モータの回転駆動時には前記シャフトと前記スリーブと
    の間、及び前記スラストプレートと前記スラストプレー
    ト受けとの間のいずれか一方もしくは双方が、動圧軸受
    として機能するよう構成されていることを特徴とする、
    請求項3に記載の一端支持式スピンドルモータ。
  5. 【請求項5】 前記シャフトが中実シャフトであり、そ
    の直径Dsが、1mm≦Ds≦10mmを満足すること
    を特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の一端支持式スピンドルモータ。
  6. 【請求項6】 前記シャフトが中空シャフトであり、そ
    の外径をDs,内径をdsとしたときに、6mm≦Ds
    ≦20mmでかつ4mm≦(Ds−ds)を満足するこ
    とを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の一端支持式スピンドルモータ。
  7. 【請求項7】 前記ロータハブの情報メディア搭載部の
    外径Dhに対する前記シャフトの外径Dsの比r(r=
    Ds/Dh)が0.4≦rを満足することを特徴とす
    る、請求項1から請求項6のいずれかに記載の一端支持
    式スピンドルモータ。
  8. 【請求項8】 前記シャフト径Dsが1mm≦Ds<2
    mmの場合、上記ロータハブに搭載される情報メディア
    の枚数が1枚ないし4枚であることを特徴とする、請求
    項1から請求項5及び請求項7のいずれかに記載の一端
    支持式スピンドルモータ。
  9. 【請求項9】 前記シャフト径Dsが2mm≦Dsの場
    合、上記ロータハブに搭載される情報メディアの枚数が
    4枚ないし15枚であることを特徴とする、請求項1か
    ら請求項7のいずれかに記載の一端支持式スピンドルモ
    ータ。
  10. 【請求項10】 前記スリーブ、スラストプレート及び
    スラストプレート受けの内の一部もしくは全部が、セラ
    ミックス製であることを特徴とする、請求項2もしくは
    請求項4に記載の一端支持式スピンドルモータ。
  11. 【請求項11】 前記動圧軸受が、流体動圧軸受である
    ことを特徴とする、請求項4に記載の一端支持式スピン
    ドルモータ。
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